〔2024年〕事故、感染症(新型コロナ以外)、不祥事等のニュース
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(4月18日)

〔20年間で97人が保育士資格取り消し〕子どもへの性暴力やわいせつ行為で資格登録を取り消された経験のある保育士が、2003年以降の約20年間で97人にのぼることが4月1日、わかった。こども家庭庁は97人の氏名や生年月日などを記録し、一元管理するデータベースの運用を同日から開始。保育所などが保育士を採用する際、データベースに記録があるかどうかを確認することを義務付ける。「日本版DBS」制度とは別のデータベースで、改正児童福祉法(2022年)に基づく。

〔絞扼事故で不起訴処分〕岡山県岡山市の私立保育施設で2021年10月14日、複合遊具の隙間に2歳児の首が挟まり、1か月後に死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検されていた園長ら4人が不起訴処分となった。理由は明らかにしていない。〔掛札コメント〕事故の詳細はこちら

〔公園遊具のつり橋が破損、子ども3人がケガ〕神奈川県相模原市の市立公園で4月3日午前、遊具のつり橋が破損し、11歳の児童3人が軽いけがをした。つり橋に小学生5人が乗っていたところ、橋を上からつっている手すり部分(ナイロン製)の片側が外れ、2人が約2メートル下の地面に落下。もう1人は手すりのロープに足が絡まった状態になった。それぞれ顔の打撲や、足のねんざ、足に擦り傷を負ったという。手すりは橋脚と金具で固定していたが、金具が変形し破断していた。同遊具は2020年3月に設置され、2024年3月の点検で金具が緩んでいたので締めたという。

〔公園の木製遊具でおとなが骨折〕岡山県玉野市の公園で4月8日午前11時半頃、家族と一緒に訪れていた30代の男性が高さ約50cmの木製遊具に足をのせたところ、木が壊れ、男性は左ひじを骨折した。木が腐っていて根元が折れたという。この木製遊具の一部は2023年10月の定期点検で危険性を指摘され、市が撤去していたが、今回、事故があった部分については、腐食はあったもののぐらつきなどがなかったため使えるようにしていた。

〔複数の保育士が子どもを虐待〕群馬県高崎市の私立保育園で複数の保育士による虐待が確認され、市は3月27日、運営法人に改善勧告を行った。同園では「懲罰」と称して一部の園児を部屋の内外に1人にし「心理的虐待」を行う、食べこぼした際などに大声で威圧的にしかる、児の手や服を引っ張っるなど、「心身に有害な影響を与える行為」を行ったという。匿名の情報を受け、市が2月から園長らへの聞き取り調査などを実施。園は虐待に関する国のガイドラインなどによる研修を実施しておらず、保育士らにこうした行為が虐待にあたるとの認識がなかったという。また、虐待の報告を受けても園長が適切に対応せず、市は「園長が責務を果たしておらず、責任は重大」と非難した。

〔保護者の指摘で保育を調査〕長野県駒ヶ根市の市立保育園について、「不適切な保育」があると去年11月に保護者から指摘があり、市の教育委員会が調査、4月6日、調査の中間報告を発表した。昼寝をしない園児におやつをあげない、お漏らしをした別の園児に「臭い」と言うなどがあったという指摘について、市は「不適切な保育」は確認されていないとしつつも、今後、別の保護者へのヒアリングなどを行うとしている。

(3月27日)

〔3月末で11人が退職〕静岡県掛川市の保育園で、保育士19人のうち正規・非正規雇用合わせて11人が3月末で退職する意向を示している。運営法人の理事長は、2022年、園児の送迎バス置き去り死があった牧之原市の幼稚園の運営法人理事長でもある。市は保育士の主な退職理由について、この理事長が幼稚園の対応に追われ、保育士とのコミュニケーションが不足し、園が進める改革方針の理解が得られなかったことだとみている。園側は4月以降、新規採用によって基準を満たす方針だという。〔掛札コメント〕「理事長が忙しくて」「改革方針の理解が得られなかった」? 園長の存在は? 改革方針ということは、園は良い方向に変えようとしたのに職員がそれを理解しなかったということ? おかしな話ですね。

〔2~3月に10人が退職〕宮城県登米市にある認定こども園で2~3月、17人の保育士のうち計10人が退職した。園は「系列の園から保育士に来てもらったり、新たに保育士を採用したりするので態勢に影響はない」と説明し、退職の理由についても「内部情報なので答えられない」と言っているという。県は「退職理由がパワハラだったのではないかという保護者からの訴えがあることは、市を通じ聞いている。しかし、社会福祉法人内の労使の問題で、県がそこに立ち入る権限はなく把握はしていない」とのこと。〔掛札コメント〕なぜ、県のコメント? 市はなんて言っているのでしょう? 市が調べることですよね。幼稚園型なのでしょうか。

〔運営法人会長のパワハラで大量退職〕大阪府堺市の認定こども園で、運営法人会長によるパワーハラスメントなどが理由で、保育士12人のうち10人が3月末の退職の意向を示している。この会長が保育士に対し「おまえはコマ」と呼ぶなどのパワハラを繰り返していたほか、複数の職員が人手不足を訴えていたにも関わらず、改善しようとしなかったという。園は3月13日までに保護者説明会を開き、会長のパワハラ行為を認めた。園は運営継続が困難だとして、4月以降の新たな入園を制限することなどを検討している。

〔理事長からセクハラと訴え〕北海道江別市の認定こども園で、理事長からセクハラ被害を受けたと職員8人が訴えていることが3月4日、わかった。労組を結成した一部の職員は厳正な処分を求め、幼稚園を運営する学校法人に申入書を提出した。同園の男性理事長は2021年夏頃から、女性職員を園内の理事長室に個別に呼び出し、抱きしめるなどのセクハラ行為を繰り返した。

〔副園長が心理的虐待、パワハラ〕鳥取県米子市の認定こども園で、男性副園長による虐待行為が確認されたとして県と米子市は3月5日、改善指導を行った。保護者からの通報を受けて、2月13日から特別指導監査を実施したもの。この副園長は2月9日、16日、複数の園児に「私は怖くないんだよ」などと大声を出し、28日には特定の園児に対して、保護者の名前を挙げて「子どもは誰だ」などと威嚇するような発言をしたことなどが確認された。登園を嫌がる子や成人男性を怖がる子もおり、県は園児への心理的虐待と判断。昨年9月に開かれた保護者会で、園は副園長を園に立ち入らせないと約束したが、その後も複数回立ち入っていた。また、2月9日には副園長が職員のICレコーダーを机や床に投げつけて壊し、大声を出すといったパワーハラスメント行為もあった。園は副園長に解雇通知を出したという。

〔不適切保育で、市が警察に相談〕埼玉県熊谷市の市立保育所で心理的虐待などの不適切保育が行われていた問題で、市が警察署に相談したことを保護者に伝えていたことがわかった。一方、保護者が求めていた再度の説明会開催には応じない考えを市は表明し、保護者からは不満の声も上がっている。文書は2月29日付で、1月27日に開かれた保護者説明会で出された質問などに答える内容になっており、この説明会で保護者から刑事告発を求める声が出ていた。

〔不適切保育で3人を処分〕埼玉県吉川市の2つの市立保育所で、不適切な保育をしていたとして3人の保育士が処分された。このうち50代の保育士は、2018年度と2021年度、こども自身や他の子どものけがにつながるような行為を注意した際、わかってもらえなかったとして、こめかみに拳をあてる不適切な保育があったという(3月13日付で減給10分の1、3か月の懲戒処分)。50代と60代の保育士は、昨年度に同じような不適切な保育があったとして、戒告の懲戒処分。

〔園内の性暴力、4回めの逮捕〕東京都墨田区の保育所で園児に性暴力を繰り返していた事件で、3月18日、強制性交と児童ポルノ禁止法違反の疑いで、この保育士が再逮捕された。4回目の逮捕。容疑は昨年7月上旬頃、保育所内で女児に対し、スマートフォンで撮影しながら性的暴力をしたもの。容疑を認めている。昨年12月に別の女児が被害を訴えて行われた保護者会の直後、今回の被害女児の保護者からも申告があり発覚した。容疑者は事件の発覚後にこれまで撮影していた画像を消去していたが、警察が復元したところ今回の事件の際に撮影された画像も発見された。

(3月2日)

〔ウズラの卵で誤嚥窒息死〕2月26日昼すぎ、福岡県みやま市の小学校で1年生が給食をのどに詰まらせ、病院に運ばれたが死亡。給食中、この児童が立ち上がって吐きそうなそぶりをしたため、担任教諭が背中をたたくなどしたが、児童は自分で立っていられない状態になり、養護教諭なども加わって心肺蘇生をしたものの改善せず、その後、ドクターヘリで病院に搬送された。給食の献立のうち「みそおでん」に入っていたウズラの卵(切らずにそのまま入っていた)をのどに詰まらせたことによる窒息とみられるという。〔掛札コメント〕「吐きそうなそぶり」は、首に手を添えるチョーク・サイン(chokeは「詰まる」。黒板のチョーク chalk ではない)でしょう。この時点で救急要請が必要ですし、まして「立っていられない状態」ということは意識を失ったわけですから。学校ですので、詳しい流れ等は公表されないのではないかと推測しますが、とにかく、「詰まった」とみたらすぐに救急要請、「意識がなくなったかもしれない」とみたらすぐに心肺蘇生開始、です。呼吸できないのに背中をたたき続けても、(命は守れても)脳は守れません。

〔児童の要望を聞き入れず、熱中症で搬送〕2022年5月末、遠足後に熱中症で救急搬送されたのは学校(市)の責任だとして、1年生児童と両親が大阪府八尾市を相手取り、慰謝料など220万円の損害賠償を求める訴訟を地裁に起こした(2月27日に第1回口頭弁論)。遠足は往復で計約2時間歩くもので、保護者は体力面の不安から欠席を伝えたが担任教諭に促されて参加を決めた。ただし、水筒の茶が足りない場合は購入を認め、児が異常を訴えたら母親に連絡するよう要望した。しかし当日、児童が教諭に茶の購入を求めたにもかかわらず、校長の判断で認めず、めまいを感じて母親に連絡をと伝えても聞き入れなかった。下校時、迎えに行った母親が高熱に気づき、救急搬送、熱中症と診断された。児童側は「安全配慮義務違反があった」と訴えている。学校側は答弁書で「様子を確認し、体調に問題ないと判断した。児童に熱中症の症状が出た際は、飲料水を購入することを想定していた」と主張しており、市側は請求棄却を求めた。〔掛札コメント〕今の時代に「熱中症の症状が出たら水を買うことにしていた」などと、よくも平気で言えたものだと思います。熱中症は症状が出た時には死んでいるかもしれないのに。

〔誤嚥窒息により後遺症。損害賠償を命じる〕2016年11月、4歳児が昼食中に食物で窒息、後遺症を負ったのは園側に安全配慮義務違反があったなどとして、埼玉県戸田市の学校法人(幼稚園)と教諭らを相手取り、計約5億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月23日、地裁であった。原告は、児が昼食時にウインナーを誤嚥し、心肺停止に陥ったのにもかかわらず、救急隊が到着するまで心肺蘇生を行わなかったことで重篤な後遺症を負わせたと主張。判決では、吐き出させることが最優先と考えた担任教諭が背中をたたき続けたことは、一定の合理性を有していると指摘。しかし、顔色などから意識や反応がないことは認識できたとし、「この時点では少しでも早く心肺蘇生を実施すべきだったと認められる」と述べた。一方で、被告らの安全配慮義務違反が認められる時点で心肺蘇生を行っていても「後遺症が残らなかったとの事実は認めるに足りない」とし、園側の一部対応に安全配慮義務違反があったと認め、家族に計550万円の支払いなどを命じた。〔掛札コメント〕ウインナーやソーセージは「切り口が円」であるため、窒息リスクが高い食品です。未就学児施設では、「縦に裂く」ことをお勧め。

〔誤嚥窒息死で書類送検〕和歌山県岩出市の児童発達支援センターで2020年12月22日、給食の肉団子(直径約3センチ)を5歳児が喉に詰まらせ、数日後に低酸素脳症で死亡した事故で2月16日、業務上過失致死の疑いでセンターの施設長と児の担任が書類送検された。施設は同市のNPO法人が運営するもの。児はダウン症があり、顎の力が弱く、食べ物を細かくしてから提供する必要があった。

〔送迎バス衝突で軽傷〕2月27日午後3時過ぎ、大分県大分市の交差点で幼稚園の送迎バスと軽乗用車が衝突する事故があり、バスに乗っていた教諭と園児1人が軽いけがをした。バスには、園児などあわせて6人が乗っていた。現場は信号機のない、見通しのよい片側1車線の交差点で、送迎バスが踏切を渡って交差点に入った際、直進してきた軽乗用車と衝突したという。

〔市が虐待をとりあわず、元職員らが公開通報〕東京管理職ユニオンは2月27日、千葉県松戸市内の私立保育園で「虐待等と疑われる事案(不適切保育)が行われている」として、市役所で市に対して「公開通報」した。「市に繰り返し相談・通報したが、市も園もまともに取り合わず改善されないという状況だったため」、公開に踏み切ったという。賃金不払いなど労働条件をめぐる交渉のため、2023年にユニオンに加入した保育士や調理師ら13人が結成した労働組合が告発したのは、園長ら5人の保育士による2022年~2024年2月の20数件の行為。大声で叱る、裁縫箱から針を出して口に当てるジェスチャーをして「口を縫っちゃうぞ」などと言う、馬乗りになってはがい絞めにする、布団を投げつけるなど。一部は動画も公開した。出席した保育士からは「2022年の針の件は市が調査したのに、ほぼおとがめなしで終わった」「ある職員は足で扱うのが日常茶飯事だった」などの話も出たという。〔掛札コメント〕いまだに、職員の通報を無視/軽視する自治体があるのですね。いや、まだ多いとは思いますが、そういった自治体は保護者からも職員からも信用を失うということをいいかげん理解していただきたいと思います。

(2月13日)

〔行方不明になっていた児童を保護し、感謝状〕広島県広島市東区の路上で1月14日午後7時半頃、雨の中、傘をささずに1人で歩いている女子児童を発見し、警察に通報した、広島光明学園の学童保育指導員と保育士に感謝状が贈られた。女児は夕方から居場所がわからなくなっていた。

〔4か月児が死亡〕昨年12月13日、東京都世田谷区の認可外保育施設に預けられていた生後4か月児が病院に搬送されたあと死亡が確認された(1月7日の区議会特別委員会で報告)。午後1時20分頃に授乳、職員が布団に寝かせ、午後3時15分頃に異変に気づいて搬送した。区が行った複数回の立ち入り調査の結果、施設では、授乳後にゲップをさせるなどの処置が十分に行われておらず、うつぶせで寝かせることがあり、窒息や乳幼児突然死症候群への配慮が不十分で、睡眠中の子どもの顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察していなかった。さらに、保育士資格を有する施設長が当時不在で、無資格の職員のみが従事していた。園長によると、リスクは認識していたが、あおむけでは寝ない子もいるためうつぶせ寝を容認していたという。また、この日の睡眠チェック表によると、午後0時55分までの記録はあったが、以降は空白だった。

〔散歩後、ベビーカーに0歳児を取り残す〕昨年11月、東京都大田区の保育園で、散歩から帰園後、園庭にとめた散歩用の大型ベビーカーに0歳児が数分間、取り残された。園庭で遊んでいた園児が気づいて職員に知らせ、児は無事だった。散歩には複数の職員が付き添っていたが、園児全員が室内に入ったと思い込んでいたという。〔掛札コメント〕大田区は「職員の役割分担を徹底する」等と言っているようですが、そんなあいまいなことを言う必要はありません。子どもをおろしたら、職員がそれぞれベビーカーやバギーを見てきっぱり「誰もいない!」と声出し指差し確認をすればすむことです。

〔机が倒れた事故で園長に罰金の判決〕2021年4月、兵庫県尼崎市の認定こども園で棚に立てかけていた木製の机(重さ約5.8キロ)が倒れて1歳児が重傷を負った事故で、業務上過失傷害の罪に問われた園長に、簡易裁判所は1月26日、罰金10万円の判決を言い渡した。使わない時には机を撤去するなどの注意義務を怠り、園長は教諭に指示して別の場所に保管するなどの危険防止措置を講じなかったとして「園内の安全管理を統括する立場にあったことに照らすと、(過失は)決して軽いものでない」。2022年12月、園長ら4人が業務上過失傷害容疑で書類送検されたが、園長以外は不起訴処分。

〔主食費を誤って徴収〕神奈川県鎌倉市の市立保育園で、主食を提供していなかったにも関わらず主食費を遡って徴収する誤りが生じていたことがわかった。この児は2023年の9か月間、主食を家から持参していたが、今年2月から主食提供を希望する申込書の提出があったことから、システム上で主食費を徴収するよう変更を行おうとしたところ、誤って過去9か月分の主食費を口座振替から徴収してしまったもの。

〔暴行罪に問われている教頭に有罪判決〕2022年3月、5歳児の左頬を手で2回たたいたとして、暴行罪に問われている熊本県熊本市の幼稚園の元教頭に、2月2日、地裁が有罪判決(罰金20万円)を言い渡した。弁護側は、園児が唾を吐こうとしたので止めるために頬を挟んだだけだと主張。犯行を目撃したという教諭3人の証言には捜査段階と法廷で矛盾があると指摘し、一貫して無罪判決を求めていた。地裁では「教諭3人に見間違いや記憶違いがあったとは言えず、証言は十分信用できる」と判断。元教頭側は控訴する方針。

〔理事長、保育士が不適切な保育〕兵庫県川西市の民間認可保育所の理事長や保育士らが園児に不適切な言動をしたとして、市が昨年12月、改善勧告を出したことが2月2日にわかった。保育士が園児に「勉強嫌いは将来、肉体労働やな」と話す音声データを確認。他にも、理事長の女性が保護者に「好きじゃない子は放っておく」と言う、決まった時間以外にトイレに行かせない、給食を完食した順に園児に番号を付け発表させる、園での嫌なことを園児が保護者に報告できないよう制限する、園児の容姿や雰囲気からあだ名を付けて呼ぶなど、少なくとも18件の行為について不適切と判断した。市教委は昨年11月に指導を通知したが対応が不十分だったため、改善勧告に踏み切ったもので、理事長らは行為を認めつつあるという。市は今年1月にも、保護者への説明などを盛り込んだ追加の指導を行った。

〔「子どもが怖い思いをしたのなら申し訳ない」〕三重県玉城町の町立保育所で保育士(50代、女性)が不適切な行為をしたとして、保育所はこの保育士に対し、口頭で厳重注意した。去年4~12月、園児に給食を早く食べるよう泣くまで叱りつけたり、園児の腕を引っ張って廊下に連れ出したりするといった合わせて8件の不適切な行為をしたという。12月14日、「保育士が不適切な保育をしている」という内容の通報が町にあったとこから確認したところ、事実関係を認めた。保育士は、「不適切な保育だという認識はなかったが、子どもが怖い思いをしたのであれば申し訳ない」などと話し、現在も保育を続けている。〔掛札コメント〕最近、謝罪によく使われる「~ならば申し訳ない」という言い方。「こちらにはそういうつもりはなかったが、そちらがそういうふうに感じたなら謝る」という、一種の開き直り。謝罪になっていません。

〔不適切な保育、法人や町の責任も指摘〕愛知県東郷町の認定こども園の不適切な保育を検証していた第三者委員会は1月15日、再発防止策をまとめた報告書を町に提出した。報告書によると、昨年8月3、4日、複数の保育士が、1歳児クラス(21人)で「本当にこの子嫌だ」「ほんと腹立つこの子」などの言葉を複数の園児に浴びせた。第三者委は「心理的虐待と言わざるを得ない」として不適切保育を認定、保育士も「言葉は悪かった」と認めている。この園は昨年4月、町立園の民営化により浜松市の法人が運営する形で新たに開園。報告書では、1歳児クラスは当初8人の保育士が配置される予定だったが、急な退職などで5人になり、うち2人はけがをしていたとしている。法人は、現場の補充要請に応えず、園は人手不足だったという。一方、民営化を急ぐ余り、スムーズな移管への協力体制の構築を町が怠っていたと指摘している。〔掛札コメント〕前のニュースのコメントと同じですが、「言葉は悪かった」というのも、「言葉は悪かったが、そんなつもりではなかった」という意味。

〔不適切な保育が明らかになった園、事業譲渡〕昨年10月、0歳児担当保育士による不適切な保育が明らかになった静岡県浜松市中央区の認可保育園が、この4月から市内の別の法人に事業譲渡されることがわかった。現在の施設をそのまま引き継いで運営にあたる。

〔副業で懲戒処分〕栃木県宇都宮市の市立保育園に勤務する20代の女性保育士が、性風俗店で副業をしていたとして2月1日、停職3カ月の懲戒処分。女性は同日付で依願退職した。2021年4月~2023年12月、有給休暇を取得するなどして市内や栃木県外で計69日副業をし、計約155万円の収入を得ていた。市に匿名の情報提供があり、本人に聞き取りをしたところ、事実を認めた。「奨学金の返済や生活費に充てていた」と説明したという。〔掛札コメント〕保育士の処遇を格段に改善しない限り、状況は悪化するだけだと懸念しますが。

〔健診の医師が保育園で盗撮〕1月19日、東京都足立区の保育園で職員の健康診断中、40代の医師の男(渋谷区在住)が隠し持っていたカメラで性的な写真を盗撮しようとしたとして逮捕された。職員が不審な様子に気がつき、問いただしたところ、盗撮しようとしたことを認めたという。容疑を認めている。

〔泥酔した男が夜中に保育園に侵入〕1月28日午前0時過ぎ、北海道室蘭市の保育園に侵入したとして、近くに住む29歳の男が建造物侵入の現行犯で逮捕された。保育園の入口とみられる場所のガラスが割られたため、警備会社から通報を受けた警察官が駆け付けたもの。男は保育園の近くに住んでおり、犯行当時、泥酔状態だったという。男が泥酔して保育園を自宅と勘違いし可能性もあるとみている。

〔和歌山県でノロウイルス集団感染2件〕●和歌山県岩出市のこども園で1月23日~29日にかけて、園児46人と職員2人が下痢やおう吐などの症状を訴え、県はノロウイルスによる集団感染として対策を指導している。●和歌山県有田市の保育所で2月7日、複数の園児が嘔吐や下痢の症状を訴えていると保健所に連絡があり、調査したところ、1月19日~2月8日にかけて、園児44人が症状を訴えていることがわかった。症状のある園児2人の便を検査したところ、いずれの便からもノロウイルスが検出された。

〔センター提供の給食で2日続けて異物混入〕三重県松阪市の市立幼稚園で2月7日、提供された給食に金属粒(約2ミリ)が混入していた。同幼稚園でご飯を盛り付けていた教諭が発見。幼稚園から連絡を受けた市の職員が金属粒であることを確認した。市学校給食センターの調理工程から提供までの間に入ったとみられる。同センター提供の給食では、前日の6日にも約1センチのボルトの混入が見つかったが原因が分かっていない。

(1月20日)

〔園庭、ロープの絞扼事故で書類送検〕2023年5月、埼玉県久喜市の保育園で3歳児の首にロープが絡まり一時、重体となった事故で1月4日、園長ら数人が業務上過失傷害の疑いで書類送検された。

〔給食に3センチの針金〕神奈川県鎌倉市の市立保育園で1月9日、給食調理委託事業者が提供した給食に異物が混入していた。1歳児が副菜の中から見つけたもので、職員が確認したところ、長さ約3cmの針金だった。すでに給食提供を終えていたクラスもあったが、食べ始めていなかったクラスでは、副菜の提供を中止。事業者や食材納品業者に確認、調理室や調理器具の点検を行ったところ、ザルの網目部分の一部が破損しており、その一部が混入したと考えられるとのこと。〔掛札コメント〕ザルの網等の混入は、予防がきわめて困難です。壊れやすく、かといって少しの破損で買い替えるということもないでしょうから。詳しくはこちら(「安全」の6-1)。

〔在宅勤務中に「サポート詐欺」、情報を抜き取られる〕奈良教育大学附属幼稚園の教諭が昨年12月11日、自宅のパソコンをインターネットに接続して在宅勤務をしていたところ、偽のセキュリティ警告によるいわゆる「サポート詐欺」の被害に遭った。パソコンを遠隔操作できるアプリがインストールされ、個人情報を含む複数のファイルがパソコン上から消え、情報が抜き取られた可能性があるという。ファイルには、園児の氏名や画像などが含まれる。

〔人件費を不正請求〕群馬県高崎市で認定こども園を運営する学校法人が勤務実態のない職員の人件費などを過大、不正に請求していたとわかり、市が改善勧告を行った。昨年8月、市に情報提供があり、立ち入り調査と監査を実施したところ、副園長/教頭の配置加算を請求していたものの実際には2018年以降、勤務実態がなかった。また、保育教諭の配置に対する加算請求において、退職している職員3人を人数に加えたり、実際にはいない事務職員についても請求していた。法人側は、約4730万円をすでに返還しているという。

〔性的虐待の処分後、不正受給額が判明〕昨年、園長が複数の園児に性的虐待等を行ったとして新規の園児受け入れを1年間停止する処分を受けている学校法人(山形県山形市)で、2023年3月までの2年間で約2100万円の不正受給があったことが判明した。実際にはいない副園長を配置しているように偽る、保育士の人数を偽るなど。法人はすでに全額にペナルティを加算した2600万円を返還しているが、市は平成30年度までさかのぼって調べるとしている。

〔暴行の疑いで保育士逮捕〕宮崎県宮崎市の保育士(53歳、女)が昨年12月18日、暴行の疑いで逮捕された。逮捕容疑は11月13日午前11時~正午ごろ、宮崎市内の認可保育園で、幼児の頭部を平手で殴打するなどした疑い。12月14日に保育園から説明を受けた母親が、16日に署に通報して発覚した。

〔福祉事業所の施設管理者が利用者に性的暴力〕福岡県糟屋郡の福祉事業所の施設管理者(40歳、男、志免町)が1月18日、事業所を利用する小学生女児に対する不同意わいせつの疑いで逮捕された。昨年12月7日に被害を受け、これを聞いた母親が警察に相談して発覚した。

〔乳児院職員を性的暴行の疑いで逮捕〕埼玉県内の乳児院の職員(25歳、男、住所は大阪府)が1月15日、2歳未満の入所女児に対する暴行と、その様子を撮影した疑いで逮捕された(強制性交等と児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑い)。押収したスマホからは20人以上の女児の動画が見つかっているという。容疑者は2023年12月、別の未就学児(入所者)に触ったとして逮捕・起訴されている。

〔園児を性的暴行。逮捕〕東京都墨田区の認可私立保育園の保育士(26歳、男)が昨年10月、勤務先の保育園で女児に性的暴行を加え、その様子をスマホで撮影するなどした疑いで1月17日に逮捕された。容疑者は昼寝の時間帯に児を呼び出し、犯行に及んだとみられており、スマホには他の女児の動画もみつかっているという。同園は、容疑者の父親が園長を務めている。