2016年のニュース
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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)

▶〔6歳児が園で転倒後、死亡〕 神奈川県葉山町の町立保育園に通う6歳児が12月14日、死亡した。児は前日の13日午後4時ごろ、園庭に面した木製デッキ上で転倒。保育士が目撃していたが、自分で起き上がり、外傷も見当たらなかった。室内で安静にした後、迎えに来た祖母と共に午後6時頃に帰宅、その後、自宅から病院に搬送された。14日午前6時ごろ、警察から園側に死亡の連絡があったという。マニュアルに定めた救急搬送の要件に該当しなかったため、転倒後、園は救急車を要請しなかった。(神奈川新聞、12月23日)〔掛札コメント〕 転倒が死亡と関連があるかどうか、あるいは、転倒以外になにか起きていたのか、このお子さんになんらかの基礎疾患等があったのかどうか、このニュースからはわかりません。

▶〔ドクターカー出動で救命、退院〕 11月14日、福岡市の保育所の排水溝で起きた溺水事故について、児が命をとりとめるまでの救急の流れ(西日本新聞、12月31日)〔掛札コメント〕 ドクターカーがいようといまいと、園でいかに早く救急要請をし、救命措置を続けるか、です。「起こるかも」だけではなく、「どう動く?」の想定と訓練をお願いします(詳しくは「安全に関するトピックス」の1-2)。

▶〔添い寝中に9歳児、死亡〕 川崎市中原区にある療育施設で12月26日、23日から入所していた児が就寝中に心肺停止となり死亡した。警察の調べによると、同日未明、ぐずる児を寝かしつけようと20代の職員(女性)が添い寝をしていた。職員はそのまま眠ってしまい、約2時間後に起きると児は意識がなく、搬送されたが死亡が確認された。司法解剖の結果、窒息死の可能性が高いことが判明、睡眠中に口や鼻をふさぐ状態になったとみている。職員は「目が覚めると児に覆いかぶさっていた」と話しているという。警察は業務上過失致死容疑で捜査している。(各紙、12月29日)

▶〔白湯(さゆ)から高濃度の塩素〕 東京都江東区の区立保育園(定員120人、職員24人)で12月19日、水分補給用の白湯(さゆ)から高濃度の塩素が検出された。21日、区が発表、故意に混入された可能性もあるとして警察に被害届を提出した。19日午後5時ごろ、ポットの湯を3人に飲ませたところ、1人が吐き出し、2人がいやそうな顔をしながら飲み込んだ。コップの湯が塩素くさいことに保育士が気づき、区に報告。保健所で調べたところ、学校プールのからだ洗い槽の濃度の16~32倍にあたる1600ppmの塩素を検出した。このポットは3人がいるゼロ歳児クラスの保育室にひとつあった。調乳室で煮沸した水道水をさました状態で入れ、昼食時と午後3時、5時ごろに飲ませている。同日3時の時点では異常はなく、飲ませた後は煮沸した水をつぎ足していた(各紙、12月21日)。〔掛札コメント〕これが故意なのかどうかはまだわかりませんが、保育現場の現状を考えれば、故意の加害は増えていく危険性のほうが高いと思います。

▶〔福岡市の児、意識が戻る〕 11月14日、福岡市の認可保育所の排水溝に頭が入った状態でみつかり、意識不明の重体となっていた1歳7か月児の意識が回復したと11月30日、園が明らかにした(毎日、11月30日)。〔掛札コメント〕意識が回復してよかった! 水が子どもにとってきわめて危険であること、片づけられる水はできる限り片付け、片づけられない水は子どもが近づけないようにする(この事例ならフタを開けられないようにする)ことはお忘れなく。水さえあれば、どこででも起こりうる事故なのですから。

▶〔タクシー、園児4人をはねる〕 11月29日、沖縄県南風原町内の交差点で74歳男性の運転するタクシーが左側から来たごみ収集車と衝突、この反動で横断歩道を渡っていた保育園児4人をはねた。4人は3~4歳で、全員が軽いケガ。園児の引率者やゴミ収集車の運転手が「信号は青だった」と話しているため、タクシーが赤信号で交差点に進入した可能性があるとみて警察が調べている。(11月30日、TBSニュース)

▶〔タクシー運転手が意識失い、死亡〕 11月27日午前4時過ぎ、千葉県浦安市の市道で「タクシー運転手が意識を失った」と乗客の男性から119番通報があった。タクシーは近くの小学校のフェンスに衝突して運転手(男性、65歳)が死亡、男性も軽傷を負った。運転手がなんらかの発作を起こした可能性があるとみて、死因を調べている。乗客は「突然、車が蛇行し、運転手に声をかけても反応がなくなったので後ろからハンドルを切った」と説明しているという。男性はスピードが落ちたところで窓から脱出した。タクシーは少なくとも300メートルにわたり、5~6回、縁石とぶつかった後、歩道に乗り上げたとみられる(毎日、11月27日)。〔掛札コメント〕 私が園バスについて懸念している一番極端な事例がこれです…。

▶〔28歳、おにぎり詰まらせて死亡〕11月13日にJA東びわこ(滋賀県彦根市)が開いた農産物PRイベントで、早食い競争に参加した男性(28歳)がおにぎりを喉に詰まらせて死亡していたことが21日にわかった。競争には15人が参加、おにぎり5個を用意して3分以内に食べられる量を競った。男性は5個目を口に入れ終わった後に倒れ、偶然いあわせた医師や看護師が救護して救急搬送されたが、16日に亡くなったという。JAは「アクシデントが発生し、午後のイベントを中止した」とする「お詫び」を14日付でウェブサイト上に掲載。担当者は取材に対し「遺族には誠心誠意対応している。死亡について公表する予定はなかった」とし、「(喉を詰まらせないよう)お茶を用意するなど安全に配慮しており、問題はなかったと考えている。事故が起き残念。今後このようなことがないようよりいっそう注意を払いたい」と話した(京都新聞、11月22日)。〔掛札コメント〕28歳でも、詰まらせて亡くなるのですね…。

▶〔排水溝事故で家宅捜索〕 福岡市の認可保育所で11月14日、1歳7か月児が意識不明の重体となった事故で、安全管理を怠った疑いがあるとして11月17日、警察が業務上過失傷害容疑で同園を家宅捜索した。関係者によると、事故当時、0歳児クラス9人を保育士3人で担当していた。児は午後2時半前に午睡から目覚め、保育士は2時40分ごろ児がいることを確認していた。その後、2時50分ごろ、排水溝に頭を入れて動かなくなっているのが見つかった。排水溝にはプラスチック製のふたが付いているが、この時は、はずれて児の横に置かれていた。以前はふたの上に土のうをのせて動かないようにしていたが、最近はのせていなかったとみられる。また、園児が園庭に出る際にはふたが閉まっているかを職員が確認していたが、事故があった14日は雨が降って園児が室内で遊んでいたため、ふたの状態を確認していなかったという(毎日、11月18日)。現在の園の施設は3年前に建てられ、園庭には排水溝が約10カ所。当初、排水溝は子どもが入れないような大きさで、はめ込み式で外れにくいふたがついていた。しかし水はけが悪かったため、現在の円筒形の排水溝に変え、ふたは置くだけのものになったという(朝日、11月21日)。


▶〔幼稚園に猟犬が2頭侵入、園児がかまれる〕 11月17日昼前、香川県三豊市の幼稚園の敷地に2頭の猟犬が侵入、遊んでいた園児に襲いかかり、5歳児と、助けに入った園長がかまれてケガをした。2人とも命に別状はない。駆けつけた警察・消防に1頭は取り押さえられ、逃げたもう1頭も約2時間半後に近くの山で捕獲された。2頭とも首輪をしており、700メートルほど離れた山で猟をしていて行方がわからなくなっていた。(TBSニュース、11月17日)

▶〔保育園に放火予告で母親を逮捕〕 新潟県上越市の女性(28歳)が11月11日、威力業務妨害の疑いで逮捕された。今年4月20日午前0時過ぎ、匿名掲示板に特定の市立保育園の名前を挙げ、「保育園自体を放火したいのです」などと書き込んだ疑い。当時、この女性の子どもがこの保育園に通っていた。保育園では当日、予定していた保護者会総会を中止し、警戒にあたった。(11月12日、上越タウンジャーナル)

▶〔排水溝で意識不明の重体〕 11月14日午後2時50分ごろ、福岡市南区の認可保育所で、この園に通う1歳7か月児が円筒状の排水溝(直径約30センチ、深さ約35センチ)に頭を突っ込んだ状態で動かなくなっているのを職員がみつけて119番通報した。児は搬送されたが意識不明の重体。排水溝は雨水を流すため屋外に設置されており、当時は水が約7センチたまっていた。通常はプラスチック製のフタがついているが、発見当時は外れて児の横に置かれた状態だったという。園では午睡後、子どもたちを外で遊ばせる時間だった。(各紙、11月14日)

▶〔自転車にはねられ、重傷〕 11月7日午後3時半ごろ、東京都大田区の幼稚園前の路上で、この幼稚園に通う4歳児が自転車にはねられ、頭蓋骨を折るなどの重傷を負った。警察はひき逃げ事件として自転車で逃走した若い男を探している。(TBSニュース、11月7日)

▶〔園バスが横転〕 11月8日午前8時前、埼玉県上里町の交差点で保育園の送迎バスに軽乗用車が衝突し、バスが横転する事故が起きた。県警によると、送迎バスに乗っていた4~6歳の園児11人が軽傷を負い、保育士があばら骨を折るけがをしたという。現場は信号機や標識のない見通しの良い交差点で、直進していたバスの右側に軽乗用車が衝突。バスは交差点を通過後、道路脇の田畑に横転した。軽乗用車を運転していた会社員男性(34)とバスを運転していた保育士(31歳、男性)から事情を聴くなどしている。(各紙、11月8日)

▶〔工事現場から鉄パイプが落下、通行人が死亡〕 東京都港区六本木のビル工事現場の10階付近から14日午前、長さ約1.8メートルの鉄パイプが落下、下を通行していた男性の頭部に刺さり、病院に搬送されたが死亡が確認された。その後の調べで、落下した鉄パイプは解体する前のもので、通常は金具で固定されていること、作業員が上で作業をしていたにもかかわらず、路上の誘導員は通行人に迂回を促していなかったことも明らかになった(各紙、10月14、15日。迂回路を歩かせていたという報道、解体後の鉄パイプだったという報道など、かなり錯綜しています)。〔掛札コメント〕原因がなんであれ、こういった物が防護板のすき間を通り抜けて下まで落ちてしまうことは確率的にありうるのだという点、そして、その瞬間(本当に「ほんの一歩か半歩」の違いです)真下にいあわせることも確率的にありうるのだという点が重要です。保育園の場合、子どもが柵や資材などに手をのばすこともあるのですから、「工事が始まったな」と気づいたら、そこは避けるのがもっとも賢明でしょう。2012年に埼玉県東松山市で起きた散歩中の死亡事故については、「ニュース」の2014年の「事故:予防や訴訟など」の最初の項目をお読みください(または「東松山」で同ページ内を検索)。

▶〔支援学校生徒が給食で窒息死〕 大分県別府市の支援学校で9月15日、高等部3年の生徒が給食のおかずを喉に詰まらせ、意識不明の重体となり、10月2日に死亡した。この生徒には知的障害があり、安全のため給食の際は職員が見守ることをルールとしていた。当日は、この生徒を含む3人が一緒に食事をしており、先に終えた生徒を教室に連れていくため、教員が部屋を離れた数分の間に事故が起きたという。(TBS、10月13日)

▶〔園バスで死亡事故:中国河南省〕 新華社通信などによると、河南省商丘市の中心部にある、信号機のない交差点で9月22日朝、近くにある幼稚園の園児らが乗った送迎バスと小型トラックが衝突、これまでに園児2人が死亡、11人がけがをした。走行中のバスの側面に小型トラックが突っ込んだ模様。〔掛札コメント〕中国語のニュースも一緒に出てきましたが、そちらには「6人死亡28人ケガ」と書いてあるようです。幼稚園でお話しする時に園バスの話はさせていただきますが、都市部の保育園でもシャトル等の目的で園バスを運行する自治体、施設が増えています。園バスの事故は(あまりにありすぎるために)時折しか掲載していないだけで、ネット上に報道されているだけでも月に数件は必ず起きています。園バスには危険要因がいくつもありますから、日本でも死亡事故は必ずどこかで起こると考えざるをえません。9月2日には、韓国・釜山の高速道路で園バス(幼稚園児21人)がスリップ、トンネルの壁の両側に衝突して横転する事故が起きました。全員がシートベルトをしていたため、3人が軽い擦り傷を負うだけで済んでいます。日本でも数年前、園バスにシートベルトを装備する話が出ましたが、立ち消えになっています。技術的にはまったく可能なはずですが。

▶〔清掃活動中に溺れ〕 9月11日午前8時ごろ、広島県福山市内の川で市内の小学1年生の行方がわからなくなっていると通報があった。その5分後に、岸から約3メートル離れた川の中で父親が児を発見、搬送されたものの約7時間後に死亡が確認された。子ども会の清掃活動に参加するため、父親や友だちなどと河原を訪れていたが、父親が準備のため目を離している間に行方がわからなくなった。場所の水深は約1メートル20センチ、水量や流れの速さはふだんと変わらなかったという。(NHK、9月11日)

〔認可保育所で睡眠中死亡〕9月2日午後2時40分頃、東京都板橋区の認可保育所で1歳児(ゼロ歳児クラス)が心肺停止状態となり、搬送されたが死亡した。警察によると、当時は午睡時間で、職員が気づいた時、児はうつぶせだった。目立った外傷はなし。この保育所は4月に開園、0~5歳児69人。ゼロ歳児クラスは6人。区によると、ゼロ歳児クラスについては、通常、職員が5分ごとに呼吸や寝る姿勢をチェックする。(東京新聞、9月3日)

▶〔保育園の駐車場ではねられ重体〕 8月16日午前8時40分ごろ、京都府京丹後市の保育園の駐車場で、4歳の園児が、別の子どもを送りにきた子どもの祖母が運転する軽自動車にはねられ、頭を打つなどし意識不明の重体。児は保護者が運転する車から降りて建物に向かって歩いていたところ。軽自動車を運転していた女性は、「(子どもが)いることに気づかなかった」と話している。警察は、過失運転傷害の疑いでその場で逮捕、調べている(各紙、8月16日)。〔掛札コメント〕保育園外ではひんぱんに起きている事故ですが(ここには掲載していません)、ついに保育園の駐車場でも…。「保育士が駐車場で誘導や監視をすればいい」という話にもなりかねませんが、同様の事故が万が一起きた時にそれを保育士が防げなかったら、誰の責任? 弁護士さんに確認してみてください。そもそも朝夕、駐車場や門扉周辺につく人手はありませんよね…。

▶〔レジャー施設のプールで死亡〕 8月14日午後2時ごろ、高知県南国市のプールに4歳児が沈んでいるのがみつかり、搬送先で死亡が確認された。みつかったのは直径約58メートルの円形プールの中央付近で、水深約120センチ。児は両親ときょうだいの5人で施設を訪れ、水着に着替えてシャワーを浴びている途中に走っていなくなり、家族が捜していた。(8月14日、時事)

▶〔うつぶせで4か月児が死亡〕 茨城県高萩市内の乳児院で4月25日午前10時20分ごろ、生後4か月児が睡眠中に死亡していたことが明らかになった。児は預けられて間もなかったため、別の部屋で9時15分ごろに寝かしつけられ、その後は部屋の外から寝ている様子を確認していたという。発見当時は、うつぶせ寝の状態だったとのこと。(朝日他、8月5日)

▶〔意識回復するも、報告せず〕 7月11日に栃木県那須塩原市のこども園のプールで溺れ、意識不明となっていた5歳児が11日後の22日に意識を回復していたと、市が8月1日に明らかにした。市が園から報告を受けたのは、意識回復から10日後の8月1日。報告がなかった理由について、市は園に尋ねていないとのこと。園がいつ回復を把握したのか、また現在の状態などは把握していないという(下野新聞、8月2日)。〔掛札コメント〕「意識を回復した=元のままの元気な状態」とは限りません。意識の程度もわかりません。

▶〔温泉の浴槽で3歳児死亡〕 7月24日午後7時50分頃、北海道滝川市の温泉施設から119番通報があり、浴槽に沈んでいた3歳児が意識不明の状態で搬送されたが、死亡が確認された。児は母、祖母、きょうだい2人と施設を訪れ、一緒に入浴していた。母親がきょうだいの体を洗っている間にいなくなり、ジェットバスの浴槽に沈んでいるのを客がみつけた。祖母は露天風呂にいたという。(読売、7月25日)

▶〔園バス事故2件〕 ●7月22日午前9時過ぎ、北海道帯広市内の交差点で幼稚園の送迎バスと乗用車が衝突し、バスに乗っていた36人の園児のうち13人が軽いケガをした。同乗していた教諭と乗用車の運転手もケガをしたという。現場の交差点には車の信号機がなく、警察によると、送迎バスが走っていた市道に一時停止の標識があるとのこと(各紙、7月22日)。 ●7月13日午後2時過ぎ、埼玉県川口市内の信号機がある交差点で、幼稚園児19人と教諭1人を乗せたマイクロバスが右折待ちをしていた乗用車に追突、4台がからむ多重事故となり、園児2人を含む男女5人が負傷した。運転手(67歳)が「ブレーキを踏もうとして足が滑り、アクセルを踏んでしまった」と話している(埼玉新聞、7月13日)。〔園バスの事故は数が多いため、時々掲載しています。〕

▶〔プールで溺れ、意識不明〕 栃木県那須塩原市は7月21日、私立の認定こども園のプールで11日に5歳児が溺れ、意識不明の重体になったと発表した。プールは縦9.5 メートル、横5.5 メートル、水深最大65センチ(施設の設備として設置されているコンクリート製のもの)。午後1時頃から園児33人が水遊びを始め、約10分後、現場にいた2人の職員のうち1人が水中でうつぶせの状態で溺れている児を見つけた。職員の救急処置で呼吸を取り戻し、病院に搬送されたが、意識は戻っていない。(7月21日、各紙)〔掛札コメント〕この大きさと水深のプールに33人が入って「水遊び」(自由遊び?)をしている時に、全員の確認をするのはきわめて難しいでしょう。子どもの数が多すぎます。職員が何人いたとしても、動き回る子どもの間で沈んでいる子どもを見つけるのは非常に困難だと考えられます。

▶〔生後6か月児が死亡〕 東京都大田区の認可外保育施設で3月16日午後11時50分ごろ、生後6か月児が亡くなっていたことが明らかになった。施設は24時間運営で、当時、0~3歳5人が預けられていた。職員1人が別室で休憩し、保育資格のない別の職員が実質1人で5人をみていたという。この職員がミルクを作るために十数分間、この場を離れて戻ったところ、児の異変に気づき、児は病院へ搬送されたが死亡が確認された。職員は、「あおむけで寝かせていた」と説明しているという。都は指導監督基準を満たしていない点があったとして、6月20日に改善勧告した。(朝日新聞他、7月21日)  当時、施設にいた2人は、どちらも資格(保育士または看護師)を持っていなかった。(日テレニュース24、7月13日)

▶〔プール滑り台のねじくぎでケガ〕 岡山県津山市の市営スポーツ公園プールの滑り台(全長8.8メートル、幅3.8メートル、傾斜20度)で7月10日午後、斜面から飛び出たねじくぎで児童ら3人が足や尻を切るケガをした。小学6年生が右かかと外側を6針縫うケガ、2年生が右尻を2~3センチ切った。別の児もかかとを負傷したと申し出た。すぐに利用を中止して点検したところ、6月下旬に補修した斜面下部から表面のコーティングを破って、直径8ミリのねじくぎが約3ミリ突き出ていた。市は施工業者と詳しい原因を調べている。(山陽新聞、7月12日)

▶〔フットサルのゴール、強風で転倒、ケガ〕 6月4日午前11時過ぎ、横浜市港北区内の日産スタジアムでフットサル用のゴールが転倒、小学校6年生が右足をはさまれ、はく離骨折した。当時、芝生グラウンドで親子参加型イベントが開かれていた。ゴールは重さ35キロ、高さ約2メートル、横幅3メートル、奥行き約1メートル、アルミ製で、常設ではなく、地面に固定するなどの処置はとられていなかった。児は家族とイベントに参加、前倒しになったゴールに足をはさまれた。当時、横浜市には強風注意報が発令されており、風にあおられて倒れた可能性が高いという。(神奈川新聞、6月5日)

▶〔泣き続け、死亡〕 昨年9月1日、生後3か月児が埼玉県川口市の認可外保育施設でうつぶせ寝の状態で呼吸をしていないのがみつかり、翌日に死亡した。児は母親が就職の面接を受けるため、2時間の予定で初めて預けられたという。市の聞き取り調査によると、児が施設に預けられたのは午前11時頃。顔色や体温などに異常はなく、ベビーベッドに寝かされたが、ずっと泣き続けていた。職員はうつぶせになった児をあおむけに戻したりしたが、他の児の食事の世話をしており、泣き続ける児をそのまま寝かせていた。1時間余り経った午後0時10分ごろ、児の泣き声がやんだため確認したところ、うつぶせ寝の状態で呼吸をしていなかった。職員は、その5分前に泣いているのを確認したと話しているという。
 8か月以上経った現在も死因がわかっていないため、児の両親は5月11日、市役所を訪れ、検証委員会設置を申し入れた。この施設は、「まだ死因がわからないので、取材には応じられません」とコメントしている(NHK、5月11日)。〔掛札コメント〕睡眠中の死亡ではないようです。寝返りをうっては、職員があおむけに返していたもよう。なぜ、1時間も泣き続けるままにしていたのか。泣き続けること自体、子どものからだにとっては強いストレスですので(血圧上昇、頭蓋内圧上昇、心拍・呼吸・体温の急激な変化、免疫・消化の低下、成長ホルモン低下、無呼吸、心臓に対するプレッシャーとそれによる頻脈等)。なにより、預け入れの初日が一番危険だということを知らなかったのでしょうか(「一時的預かりで、2時間だから大丈夫」ではありません)。

▶〔預け入れ初日に死亡〕 大阪市淀川区の認可外保育施設で4月4日3時半ごろ、1歳児の異常に保育士が気づき、4時半ごろ、救急搬送された病院で死亡した。この日、児は施設に初めて預けられ、うつぶせ寝の状態で昼寝を始めたが、後に姿勢を横向きに変えた。保育士はこの児の様子を横目で見ながら他の子どもにお菓子を与えており、異常に気づいたもの。事故当時、保育士と従業員の2人で、死亡した児を含む11人の子どもを預かっていた。事故は児の親類が市に通報して明らかになった。市は事故当日に施設を特別立ち入り調査し、昨年8月以降、保育従事者が1人になったり、保育士が不在になったりする時間帯があるなど、市の指導監督基準を満たしていない場合があったと指摘した。施設は、同じ建物に入っている人材派遣会社が平成6年に開設した(産経west、4月12日)。〔掛札コメント〕基準違反云々は別にして、「見ているだけ」では異常に気づけません(そもそも「大丈夫」と思いこんで見ているのですから)。別の記事に書いてありましたが「からだの色が変化して気づいた」、これでは遅すぎるのです。ちゃんと触れて反応があると確認すること、「異常な状態になっているかもしれない」と想定して触れること(「大丈夫」と思い込んでいると気づけません)。いちいちかがむのが面倒なら、最初から四つん這いになって移動すればいいのです(私はそうします。布団の間を立って移動するとつまずく危険性があるからです。また、四つん這いになっていると、子どもの口元まで耳を近づけることも用意です)。「そんなこと、いちいちしてられない!」…ならば、今の配置基準では足りないということでしょう。お給料を上げるのも大事ですが、有資格正規職員の配置を増やしましょう。保護者の人たちと力を合わせて。

▶〔事業所内保育施設で睡眠中死亡〕 東京都中央区にある事業所内保育施設(認可外、7企業が共同で従業員のために設置)で3月11日午後2時過ぎ、1歳2か月児が心肺停止状態となり、搬送先の病院で死亡が確認された。児はうつぶせ状態で2時間以上寝かされていたが、呼吸の確認は十分に行われず、人工呼吸などの救命救急措置もとられていなかったという(救命救急研修を受けた職員は1人)。当時、施設には子ども20人に対し、保育士等4人を含む合わせて6人の職員がいた(都の認可外保育所基準を満たす)が、安全管理体制に問題があったとして、都は運営会社(全国で33か所の保育所を運営)に対し、改善を求める行政指導を行った。
 死亡した児の母親によると、育児休業を終え、仕事復帰のため3月に向けて自宅近くにある6か所の認可保育所に申し込んだものの、すべて入れなかった。唯一空きがあった認可外施設に預けることを決めたという。事故後、施設側から当時の状況を聞いたところ、児は慣れない環境でよく泣いていたため、昼寝の際は一人だけ、他の子どもたちとは別の部屋で寝かされていたことがわかった。「そのほうが良く寝るから」という園長の指示でうつぶせのまま寝かされていたが、呼吸の確認をほとんどしていなかったことについて保育士の一人は、「他の子どもたちの世話で手いっぱいだった」と説明したという。母親は「忙しいから事故が起きたと言われても許すことはできません」と話していて、事故の検証を東京都に申し入れることにしている(NHK他、4月12日)。〔掛札コメント〕起きたのは3月ですが、この子にとっては預け始めだったのですね。そして、「他の子が起きるから」別の部屋で寝かせていたのでしょう。うつぶせ寝の危険性についてはこちらをお読みください。そして、うつぶせ寝に関する政府の「安全ガイドライン」はこちら。ただし、このガイドラインの中では「うつぶせ寝をさせるな」とは書かれていません。私が書いた下書きでは「うつぶせ寝はさせない」としていましたが。もうひとつ、事業所内保育施設の場合、保護者が企業に雇用されている立場だと、死亡や深刻事故がもみ消される危険性があるという点を指摘したいと思います(報告義務に違反しても罰則はありません)。現にそのような事態も過去、起きていますから。(赤字の箇所は、このお子さんのお母さまの指摘で修正しました。「よく寝るから」は事実ではなく、園長の指示だったそうです。5月20日。)

▶〔1歳児を洗濯機の中に立たせる〕三重県名張市の保育園で今年1月、50代の女性保育士が子どもたちのうちの一人(1歳7か月)を洗濯機の中に立たせていたとして、市が社会福祉法人に口頭で再発防止を指導した。子どもたちの体を洗ったりトイレに行かせたりする際、この児を近くの洗濯機に1分ほど入れて立たせていた。洗濯機の中は空で、児の頭が外に出て保育士から見える状態だったが、園は「安全管理上、問題があった」として保護者に謝罪したという。このクラスでは5人の保育士で15人をみていたが、この保育士は聞き取りに対し、「児が動き回るので、とっさに洗濯槽に入れてしまった。反省している」と話しているという(NHK、4月9日)。〔掛札コメント〕確かに洗濯機はちょっと、と思いますが、「5人で15人をみていた」が単純に割り算されて、「1人で3人をみることもできないのか!」と誤って解釈されませんように…。「とっさに!」という現場の状況を想像できるだけに、………です。「とにかくちゃんと見守れ!」という常套句で終わらず、保育者が洗濯機を使わずとも容易に安全確保できる環境がつくられるよう願います。

▶〔エアスライダーが横転、11人がケガ〕 神奈川県小田原市の公園で3月30日午後2時過ぎ、空気を入れて膨らますタイプのゴム製滑り台が風であおられて横転、下敷きになった子どもや保護者11人が病院に搬送された。滑り台は縦横4メートル、高さ5メートル、重さ300キロ。当時、周辺は10メートル以上の強風が観測されていた。滑り台は3月20日に設置、周辺には係員が5人いたという(3月30日、TBS他)。〔掛札コメント〕 先日、中国でエア遊具が強風に飛ばされて、子どもが死亡するという事故も起きています。以前にもどこかで紹介しましたが、米国でもエア遊具の危険性は指摘されています。

▶〔園児ら5人を誘拐〕 3月20日午前10時半ごろ、神戸市垂水区に住む37歳(無職、女)が自宅近くの駐車場にいた5~7歳の幼稚園児、小学生ら5人に「ドーナツをあげるから家においで」と声をかけ、保護者に許可なく、およそ1時間にわたって家に連れ込んだ疑いで逮捕された(未成年誘拐と暴行の疑い)。女は7歳の児の頭をたたくなどした疑いももたれているが、児にけがはなかった。本人は、容疑を否認している。(読売テレビ、3月21日)

▶〔組体操で死亡9人〕 スポーツ庁は3月25日、組体操について国として初めての指針を公表した。学習指導要領に定められた項目ではないため、「確実に安全が確保できると判断した時以外は見合わせる」といった内容で、危険な種目の禁止や高さ制限などは盛りこんでいない。
 指針を定めるにあたり、日本スポーツ振興センターが組体操事故に関連して災害共済給付を支給した事例を分析した。2014年に医療費を給付した8592件中、立ち上がった状態で組む「タワー」が1241件(14%)、手と膝をついた状態で組むピラミッドが1133(13%)と上位を占めていた。6289件を小学校が占め、中学校が1885件。また、2095件が骨折。負傷部位は、頭と首を合わせた割合が、肩車で27.8%、タワー25.6%、倒立13.2%、ピラミッド10.9%と、いずれも学校における運動事故全体の平均5.5%より高い。また、1969年以降、組体操の事故で9人(小学校3件、中学校5件、高校1件)が死亡していたこともわかった。障害が残った事故は92件で、タワーが29件と最も多く、ピラミッド14件、肩車11件、倒立6件等だった(各紙、3月25日)。〔掛札コメント〕 私が一番びっくりしたのは、わざわざ調べるまで過去の死亡の数がわからなかった、という点です。「確実に安全が確保できると判断」の部分は、単なる責任逃れですね。ケガが起きたら、「判断を間違った施設の責任」と言えばすむのですから。これは今さら驚くことではありません。高さを伴っているので頭と首のケガは当然増えますが、それだけでなく、複数の人間で組むため、全体が崩れると落下だけでなく圧迫も起きます。転落死だけでなく、圧死も起こるということです。

▶〔年間のべ432人が組体操で外傷・千葉〕 千葉県教育委員会が3月8日に発表した調査結果によると、この1年間に県内の学校で起きた組体操の事故で、のべ432人が外傷を負った。運動会で組体操を実施していたのは、調査対象1358校(国立を除く公立小中高校と特別支援学校)のうち706校。うち233校でのべ432人が本番や練習中に外傷を負い、内訳は骨折112人、脱臼2人、内臓や目の損傷1人、歯の損傷5人など(3月8日、時事)。〔掛札コメント〕 これは組体操の良い悪いではなく、「高さを伴う競技」のリスクの問題なのですが…。保育園でも特に保護者競技で、乳児を抱えて走る競技があったりしますから。組体操だけで議論をすると、傷害リスクの本質が見失われます。

▶〔園バス事故2件〕 2月26日午後2時20分ごろ、東京都荒川区の交差点(片側1車線)で幼稚園バスと乗用車が衝突、乗っていた5、6歳の園児5人があごを打ち、バスの運転手(71歳)と乗用車の運転手も軽傷を負った。警視庁によると、園バスが交差点で乗用車の側面に衝突したとみられる。バスには付き添いの教諭を含む13人が乗っていた(2月26日、各紙)。 ●2月16日午後1時35分ごろ、岡山市北区の岡山自動車道上り線で、乗用車が右車線を走っていた倉敷市の私立保育園のマイクロバスに接触し、園児31日のうち6歳の3人が打撲などのケガをした。現場は見通しの良い片側2車線の直線で、左側から車線変更しようとした乗用車の右後部と、バスの左前部が接触した。バスには園児のほか、運転手(66歳)と保育士5人が乗車。宿泊学習を終えて園に戻る途中だった(産経west、2月16日)

▶〔福祉施設の天井、100キロが落下〕 栃木県栃木市の市営福祉施設で2月16日午後4時前、女性浴場の天井の一部がはがれ落ち、利用客の女性に破片が当たる事故があった。女性は軽傷。はがれた天井は木製で約16平方メートル、重さ約100キロ。当時、浴場には約10人がいた。施設は2002年建設。毎年1回点検作業が行われており、昨年7月の点検では天井を含め、異常はなかったという。警察は業務上過失傷害容疑も視野に落下原因を調べている(2月17日、時事)。〔掛札コメント〕発表会の練習中に公共施設ホールの緞帳が落ちてきた事例があった、と思ってニュースを見返したところ、2013年12月に群馬県で起きていました。(点検をしている以上)こういった事故は予測不可能ですが…。

▶〔三輪車の2歳児、轢死〕 2月15日午前8時ごろ、埼玉県朝霞市の信号のないT字路交差点で、近くに住む2歳児が左折してきた乗用車にひかれ、死亡した。児は、母親と車で保育園へ行くため、三輪車に乗って駐車場に向かっていたという。乗用車を運転していた女性は、「ぶつかるまで気がつかなかった」と話している。(TBSニュース、2月15日) 〔掛札コメント〕 子どもは車の運転席から見えにくい存在ですから…。

▶〔磁石誤飲で手術、5年で11件〕 NHKの取材から、子どもが誤って磁石を誤飲し、手術をしたケースが、過去5年で少なくとも11件あったことがわかった(2月11日)。 〔掛札コメント〕このサイトを開設した時から、磁石の誤飲の話は掲載されていますし、あちこちでお話ししてきました。保育園の皆さんの中には「今さら…」と思った方も少なかったはずです。

▶〔ブルドッグに咬まれ、ケガ〕 2月9日午後3時前、兵庫県姫路市の公園で、3歳児1人、6歳児3人、女性1人がブルドッグに手足を咬まれたり、体当たりされて転倒したりして軽傷を負った。犬は体長60~70センチのオスのフレンチブルドッグで、近くの民家で飼われていた。警察は、県動物愛護管理条例違反の疑いもあるとみて調べる。(2月9日、産経)

▶〔凍結路面で園バスに自動車ぶつかる〕 1月19日午前9時40分ごろ、埼玉県所沢市の市道で、軽ワゴン車が幼稚園の送迎バスに追突、バスに乗っていた園児7人が搬送された。いずれも軽傷とみられる。現場は、18日に降った雪の影響で路面が凍結、軽ワゴン車は停止しようとした際に滑って追突した。バスに同乗していた他の園児19人とおとな2人にはケガはなかった。(産経、1月19日)

▶〔自宅で交通事故2件〕 1月17日、埼玉県と長野県で、1歳児と2歳児がそれぞれ父親が自宅の駐車スペースから出そうとした自家用車にひかれて死亡した。どちらも、子どもがそこにいると思わなかった、気づかなかったという(共同、時事、1月17日)。 〔掛札コメント〕このような事故は、いつでもどこでも誰にでも起こりえます。「親なのに」「不注意がいけない」で終わらせないでください。「この人が悪いから」で終わらせていると、「私は大丈夫」という油断につながります。



事故:予防や訴訟、調査委報告など

▶〔控訴審で弁護側控訴を棄却:宇都宮の遺棄致死〕 栃木県宇都宮市の認可外保育施設で2014年7月、9か月児を死亡させたとして保護責任者遺棄致死等の罪に問われた元経営者の保育士(60歳、女性)の控訴審判決で、高裁は11月24日、懲役10年の地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。児は3泊4日で預けられており、2日間で14回の下痢や38度を超える発熱といった重篤な症状があったにもかかわらず放置され、熱中症で死亡した。また、同被告は2013年、別の乳児2人に毛布を巻きつけ、ひもで縛った。
 この施設ではパンフレットに「嘱託医と連携」等の虚偽記載もあり、児の両親は事件後、施設側を詐欺罪で刑事告訴しているが、今年1月に不起訴になっている。しかし、今後、検察審査会にかけて再び起訴を目指す意向という。(時事、弁護士ドットコムニュース他、11月24日)

▶〔東京都、認可外も全施設立ち入り調査へ〕東京都は専門職員によるチームを新たに編成し、2017年4月から認可外保育所全施設を対象に、年一度、立ち入り調査を実施する(10班20人体制の予定)。保育所巡回はこれまで職員18人で対応していたが、人手が足りず、1年間の立ち入り調査は、認可外全体の2割程度にとどまっていた。都内の認可外施設は2015年4月時点で1761施設にのぼる。職員としては、ベテラン保育士や自治体での指導経験者を非常勤で採用する。(日経、11月3日)

▶〔2013年の死亡で検証委員会設置〕 2013年12月11日、山口市の私立認可保育園で1歳9か月児が急死した事故で、父母が10月6日、市に検証委員会の設置を申し入れた。国が3月に出した事故検証委員会設置を求める通知を受け、市は年内にも検証を始めることを明らかにした。児は当日朝、登園したが、昼前に高熱になったため、園が母親に連絡、午後1時ごろ迎えに行くとぐったりしていた。看護師でもある母親が人工呼吸などをしながら救急搬送されたが、病院で死亡が確認された。児の父母は2014年11月、園を運営する社会福祉法人に約6100万円の損害賠償を求めて地裁に提訴している。(毎日、10月7日)

▶〔プール死亡事故で、第1回口頭弁論〕 2014年7月30日、京都市の認可保育園で起きた4歳児のプール死亡事故の口頭弁論が9月15日、地裁で開かれ、法人側は請求棄却を求めた。原告側(両親ら)は職員らが監督義務を怠ったとし、「法人は使用者責任を負う」と主張、園を運営する社会福祉法人に計約4200万円の損害賠償を求めている。(産経west、9月16日)

▶〔公立保育園に録画用ビデオカメラ:那須塩原市〕 栃木県那須塩原市は9月21日、市議会全員協議会で、全公立保育園11園に録画用ビデオカメラを設置する考えを明らかにした。今夏、市内の認定こども園で発生したプール事故に関連して。希望する民間保育施設にも設置費用を補助する方針で、関連事業費計約1760万円を盛り込んだ補正予算案を提出する。市の保育課によると、設置場所はプールや子どもが食事、昼寝する部屋などを想定。1施設あたりの設置台数は未定。〔掛札コメント〕国のガイドラインの下書きにも書きましたが、画像は予防に役立つだけでなく、深刻事象が起きた時に職員が何をしていたか(適切な行動をしていたか)を示す証拠にもなります。

▶〔立ち入り調査、2015年度は2割:東京都〕 東京都は2015年度、年1回の立ち入り調査を2割の施設にしかしていなかった。東京新聞が南関東の4都県と、4政令市を対象に調べたもの。東京都は1761認可外施設のうち334施設と19%。川崎市は100%、埼玉県、横浜市は9割以上、千葉市も5割弱。ベビーホテルも都は28%にとどまり、開設から一度も調査していない施設も、4月1日現在で109施設あった。国は全施設に対し年1回、立ち入り調査するよう都道府県や政令市などに要請、中でもベビーホテルについては必ず実施することを求めている。都によると、立ち入り調査の担当職員は18人。認可施設も含め、約3900ある。
 一方、事業所内施設で都が調査したのは365施設中2か所のみ。千葉県は163施設のうち1か所も調査していなかった。いずれも、安全管理の責任は企業にあるというのが理由。(東京新聞、9月7日)

▶〔カメラ設置費助成:藤沢市〕 神奈川県藤沢市は、市内の認可保育所と小規模保育事業所22か所を対象に、ビデオカメラの設置費を助成する方針を固めた。職員室や事務室に置いたモニターで各部屋の様子をリアルタイムで把握できる機器で、事故が発生した場合の検証にも役立てる。助成金上限は1施設当たり10万円。国が設置費の補助メニューを創設したことなどから、市が市内の全施設に意向調査を実施したところ、22か所が希望した(神奈川新聞、9月6日)。〔掛札コメント〕内閣府の「安全ガイドライン」の下書きにも書きましたが、深刻事態が発生した場合に画像が重要になるのは、食事中(誤嚥、アレルギー等)、午睡中、プールや水遊び中、調理室(アレルギー等)などです。漫然と保育室にビデオを置けばいいというわけではありません。

▶〔生後3か月児死亡で検証委員会〕 昨年9月1日、埼玉県川口市の認可外施設で生後3か月児が死亡した件で、8月31日、市の検証委員会(3回目)が開かれ、両親から聞き取り調査が行われた(詳細は下、5月11日のニュース。ぜひお読みください)。市の調査に対し施設側は、「職員が他の子どもの昼食の世話などに追われ、気づいた時には呼吸をしていなかった」と説明。両親は児がベッドで1時間ほど泣き続けていたのに、保育士はだっこすることなく、食事の皿を洗っていたなどと指摘、保育が優先されていなかったと訴えた。委員会の後、父親は「認可外の保育施設では人手が少ない所も多いが、そうした施設でも保育を優先する仕組みを作ってほしい」と話した。(NHK、9月1日)

▶〔保育施設の死亡事故が公表されない現状〕 朝日新聞の記者の方がお書きになった「『おかしい、ただの病死ではない』 保育施設の死亡事故、なぜ非公表? 母親のフェイスブック投稿で発覚」。東京都大田区で3月に起きた生後6か月児の死亡、その他の事例。(withnews、8月30日)

▶〔ファミサポ、5か月児死亡で書類送検〕 2010年11月、大阪府八尾市のファミリーサポートセンターが紹介した女性会員に預けられていた5か月児が死亡した事故で、警察はこの女性を業務上過失致死容疑で書類送検した。児は約1時間預けられている間に心肺停止となり、3年後に死亡した。両親は、女性が児をうつぶせにしたうえ、その場を離れたのが原因だったとして、刑事告訴していた。女性は民事裁判で、「うつぶせにはしたが、トイレに行った以外はそばにいた」と主張している。(各紙、8月19日)

▶〔うつぶせ寝死亡で損害賠償が確定〕 2010年1月、福島県郡山市の認可外保育施設で1歳児が死亡し、両親が当時の園長らに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は園長側の上告を退けた(7日付)。約5700万円の賠償を命じた判決が確定。児はバスタオルを敷いた布団にうつぶせで寝かされ、毛布などをかけられた状態で約40分間、放置された。園長側はSIDSなどと主張したが、地裁はうつぶせ寝による窒息死と認定、園長らは以前にも同様の乳児死亡事故を2回経験したにもかかわらず、保育士への指導監督に重大な怠慢があったとして賠償を命じ、二審の高裁も園長側の控訴を棄却した。(時事、7月11日)

▶〔宇都宮の事件で二男が証言〕 下の事件で、当時、施設で働いていた元施設長の二男が証言し、当時の施設の様子について、「エアコンをつけることはほとんどなかった」と述べた。また、児が死亡した際には、「『内緒にしておこう』と言われた」「被告は児の体温などを記録するノートを破り捨てていた」と証言し、「母には正直に起きたことを話してほしい」などと述べた。(日テレニュース、6月7日)

▶〔宇都宮の事件で容疑を一部否認〕 2014年7月23日から宿泊保育中だった9か月児が26日未明に死亡した事件で、宇都宮市の認可外保育施設の元施設長(59歳、女性)の裁判員裁判初公判が6日、地裁で開かれた。別の乳幼児2人を毛布やひもで縛った暴行罪については起訴内容を認めたが、保護責任者遺棄致死罪については否認。冒頭陳述で検察側は、「下痢や発熱などを認知していたが、病院に連れて行かず放置した」と指摘。弁護側は「被告には、このままでは女児が死に至るという認識はなかった」と主張した。(各紙、6月6日)

▶〔検証委員会初会合:大阪〕 4月4日、大阪市淀川区の認可外保育園で1歳児が死亡した事故で、市は検証と再発防止のための専門部会を設置し、3日に初会合を開いた。提言をまとめ、市に報告する。部会は、大学教授や弁護士、医師など5人で構成、部会長は寺見陽子・神戸松蔭女子学院大学院教授。だが、協議内容は児の両親にも非公開。会合後の記者会見で児の両親は、非公開だったことに「期待していたものとは違う」と不信感を示した。(毎日、6月4日)

▶〔川遊び死亡で園長有罪〕 愛媛県西条市で2012年、宿泊保育中に川遊びをしていた私立幼稚園児(5歳)が死亡、他の2人がケガをした件について、業務上過失致死傷の罪に問われた当時の園長や教諭ら3人の判決で、地裁は5月30日、当日の園長(75歳)に罰金50万円(求刑は100万円)の判決を言い渡した。他の2人は無罪(求刑罰金50万円)。判決理由で裁判長は園長に対し、「上流の天候を確認せず、遊泳場所の増水の危険性がないと判断したのは、園長として安易な態度だった」と指摘した。(東京新聞、5月30日)

▶〔プールの事故対策〕 消費者完全調査委員会が全国412か所の施設(幼稚園、保育所、認定こども園)に対し電話による聞き取り調査を行った結果が公表された(日経、5月21日)。詳しくは「安全に関するトピックス」をご覧ください。

▶〔園児虐待で有罪判決〕 東京都北区の認可外保育施設で幼児を虐待したとして、暴行罪に問われていた保育士(女性、28歳)に対して4月25日、懲役1年2か月、執行猶予3年(休憩は懲役1年6か月)の判決を地裁が言い渡した。裁判官は、「長時間の過酷な勤務で強いストレスにさらされていたとしても、はけ口として暴行に及ぶことは到底許されない」と指摘。一方で罪を認め、示談が成立していることなどから猶予が相当とした(各紙、4月25日)。〔掛札コメント〕詳細については、1月27日、2月18日を参照してください。

〔2015年の死亡は14人〕2015年に報告があった保育施設での死亡事故は、計14人。報告された事故の総数は399件。亡くなった14人のうち10人は、認可外施設の死亡。残り4人のうち、定員20人以上の認可保育所が2人、小規模保育所が1人、認定こども園が1人。年齢別では、0歳児が7人、1歳児5人、2歳児と3歳児が1人ずつ。睡眠中の死亡が10人で、うち6人がうつぶせ寝の状態だった。他に1人が食事中で、残る3人は、その他の状況。
 昨年4月から認可対象が増えて、かつ、全治30日以上のケガに報告が義務づけられたこともあり、報告事故の総数は2014年の177件から増加。この中には意識不明も6件あった。
 新たに報告が義務づけられた学童の報告事故は228件で、死亡事故はなし。(各紙、4月19日)

▶〔園バスにドライブレコーダー〕 苫小牧市内の幼稚園が3月1日から、園バス7台すべてにドライブレコーダーを導入。エンジン始動時から運転終了時までの進行方向の映像を撮影、万が一、事故が起きた時の記録として用いる。ほか、ルートの危険箇所の把握等に活かしている。園児約300人中8割がバスを利用している。全日本私立幼稚園連合会によると、「ドライブレコーダーに関する統計はとっていないが、珍しい取り組み」。(北海道新聞、4月16日)

▶〔「学校事故対応に関する指針」〕 指針はこちら。ページの一番下にPDFがあります。

▶〔学校事故後対応でコーディネーター〕 死亡や重いケガを伴う事故が子どもに起きた時、被害者家族と学校の間の連絡や調整を取り持つコーディネーターを確保することなどの対応指針を、文部科学省の有識者会議がまとめた。3月中に全国の都道府県教育委員会などに通知する。発生から3日以内に関係する全教職員の聞き取りも実施する。対象は「登下校中を含めた学校管理下で発生した事故」。コーディネーターは、自治体職員や元教員などを想定している。(日経、3月23日)

▶〔イカダ川下りの死亡で書類送検〕 2014年9月、岩手県花巻市の豊沢川で手作りいかだが転覆、5歳児が死亡した事故で、県警は3月24日、業務上過失致死の疑いで元園長の女性(66歳)を書類送検した。いかだはタイヤのチューブ2つと木材を組み合わせたもので、1艘に園児8人と元園長が乗り込んでいた。大勢で乗るにはいかだの構造に問題があり、川の状況などからも転覆等の予見可能性があったにもかかわらず、救命胴衣を着用させるなどの安全対策をしなかった疑い(岩手日報他、3月25日)

▶〔5歳児投げ落としに懲役判決〕 2014年12月29日、東京都荒川区でマンション13階から5歳児を投げ落とし殺害した罪などに問われた母親(35歳)の裁判員裁判で、地裁が懲役11年の判決を言い渡した。取り調べで「事故に見せかけて転落死させれば、夫と2人でクラスことができると思った」などと述べていた自白の信用性が争点となっていた。地裁は、自白の信用性に疑問はないとして、殺人罪が成立すると判断(各紙、3月23日)。〔掛札コメント〕 2014年のニュース・ページの「事故事例」、一番上に当時のニュースが掲載されています。「事故を装った殺人」というのは、当然あるわけでして…。

▶〔川遊びの死亡で、園長らに罰金求刑〕 愛媛県西条市で2012年7月、宿泊保育中に川遊びをしていた幼稚園児らが流され、1人が死亡、2人がケガをした事故で、業務上過失致死傷の罪に問われていた当時の園長ら3人の論告求刑公判が3月17日、地裁で開かれた。検察側は元園長に罰金100万円を、当時の主任教諭ら2人にそれぞれ罰金50万絵を求刑した。昨年12月の初公判で3人は、「晴れていて、増水は予想できなかった」と起訴内容を否認していた。起訴状によると、被告らはライフジャケットや浮輪の準備などの安全対策を怠ったまま、園児31人を川遊びに誘導。水が濁った予兆に注意を払わず、子どもが流されるに至ったとしている。(3月17日、産経west)

▶〔柔道事故、学校事故対応〕 2015年11月10日に開かれた「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議の議事録、資料はこちら

▶〔死亡で検察審査会に申し立て〕 京都市上京区の保育園で2014年夏、プール活動中に4歳児が死亡した事故で、両親が検察審査会に審査を申し立てた。業務上過失致死容疑で告訴した園長ら4人を、地検が不起訴(嫌疑不十分)とした処分を不服としたもの。申立書によると、当時の園長や代表理事らは、複数人での監視体制を確保するといった水難事故防止の注意義務を怠った結果、児が呼吸停止の状態に陥り、死亡したと指摘。溺水と死亡の間に因果関係があるとした。(京都新聞、3月1日)

▶〔検察審査会に申し立て〕 2010年1月、福島県郡山市の認可外保育施設で1歳児がうつぶせの状態で亡くなっていた件に関して、2月9日、両親が検察審査会に申し立てを行った。民事裁判では、一審、二審とも施設側の過失を認める判決が出ている。両親は施設経営者らを2度、刑事告訴したが、検察は死因が特定できないとしていずれも不起訴処分としている(福島中央テレビ、2月9日)。▶民事裁判について▶は、「2015年のニュース」の「事故:予防や訴訟など」の項、12月10日福島民報の記事をご覧ください。

▶〔組体操について〕 組体操に関する文部科学省の動きについて、内田良・名古屋大学大学院准教授がこちらの記事を書いています(2月7日)。
 記事の中に出てきますが、2015年5月に3段のタワーから落ちた小学校6年生の緊急開頭手術などの例を、千葉県松戸市立病院の医師が超党派議員の勉強会(2月3日)で報告しているそうです。タワーは立った状態で肩を組んで作っていくもののため、3段目の子どもの足元は2mを超えるそう。記事では、段数だけで区切っている現状に疑問を呈しています。

▶〔プール死亡で元園長らを不起訴処分〕 京都市上京区の認可保育所で2014年7月30日、プール活動中に4歳児が死亡した事故で、京都地検は2月5日、業務上過失致死容疑で両親から告訴されていた当時の園長ら4人を嫌疑不十分で不起訴処分とした。遺族側の弁護士は、検察審査会への申し立てを検討するとしている。(中日新聞、2月5日)

▶〔乳児死亡で市の過失を認めず〕 2008年1月27日、高松市内の認可外保育施設に預けた5か月児が死亡したのは、監督する高松市が施設の人手不足を事故前に認識していたにもかかわらず、是正指導や業務停止命令などを出さなかったためなどとして、市内の母親が慰謝料など約3100万円を求めた訴訟の判決が2月3日、地裁であった。裁判長は「市は複数回、資格を持つ職員の配置などを施設側に文書指導し、事故約1か月前には立ち入り調査をして、基準を満たしていることを確認している」「市に裁量の逸脱があるとは認められない」として請求を棄却した。(毎日、2月4日)

▶〔ベッドから転落で、1億円賠償判決〕 生後7カ月で搬送された鹿児島市立病院で診察ベッドから転落し、手足などに重い後遺障害を負ったのは病院の責任だとして、奈良市の児(現在9歳)と両親が市に計約1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は13日、逸失利益や介護費用、慰謝料など計約1億1000万円の支払いを命じた。裁判長は判決理由で、病院で起きた転落事故の後、男児の容体が急激に悪化したと判断。「事故がなければ重大な後遺障害の発生を回避できた」と結論づけた。病院側は「後遺障害は自宅で転倒した際の症状が悪化」と主張したが、判決は「病院での事故の前には意識は正常に近い状態」と指摘した。(共同、1月13日) 〔掛札コメント〕 これは病院の事例ですが、変化や因果関係を明らかにするのがどれくらい難しいか、という典型例のようなものです。特に、裁判は「勝ち負け」ですから、本当のことはどんどんわからなくなります。いつも申し上げていますが、大事な時間、場所は、ビデオカメラを設置しておくべきだと思います。



保育士、保育園の事件、不祥事

▶〔副園長が3億円以上を流用〕 大阪市城東区にある保育所の元副園長(男性、54歳)が、2002年度からの14年間、法人の運営資金約3億7000万円を不正に個人口座に移し、金やゴムなどの商品先物取引で損害を出していたことが明らかになった。本人は流用を認めた上で「保育所の資金を増やしたかった」と話しているという。すでに5500万円を返したが、残りの3億1500万円は返済できない見込み。不正は2015年度の指導監査で発覚したが、同法人の調査委員会は報告書で「強力な指導監査を行わなかった大阪市にも重大な責任がある」と指摘した。法人は元副園長を業務上横領または背任の疑いで刑事告訴する方針。(12月20日、朝日他)

▶〔殺害予告で児童クラブ補助員を逮捕〕 2015年6月、兵庫県西脇市役所や市内の保育園に「子どもを殺す」などと記した封書を郵送し、業務を妨害した疑いで、加古川市臨時職員の児童クラブ補助員(女性、50歳、姫路市)が11月22日までに逮捕された(威力業務妨害容疑)。容疑を認めている。差出人に自分の両親の名前を使っており、「子どもを狙い、両親に迷惑をかけようと思った」と話している。2014年10月~2016年8月に、県内の家庭裁判所や飲食店などにも脅迫文書を送ったという。(時事、11月22日)

▶〔現金を盗む等して懲戒免職〕 静岡市は11月29日、市立こども園の保育教諭(30歳)を懲戒免職処分とし、当時の園長や担当課長らを厳重注意または口頭注意の処分とした。この教諭は2013年11月頃から2016年10月までの間、勤務していた3つの市立こども園で職員11人と保育実習生2人の財布から21回にわたり、計3万円程度を盗んだ。また、2015年4月には市内のスーパーで食料品2点を万引きしたとして県警の任意捜査を受け、同7月に不起訴処分(起訴猶予)となった。2016年10月中旬、勤務する園の職員が被害に気づき、内部調査で発覚、市の聞き取り調査に対して現金を盗んだことを認め、万引きで不起訴処分になっていたことも明らかにしたという。(静岡新聞、11月30日)

▶〔強姦未遂の保育士、不起訴〕 (この事件のニュースは11月11日を参照) 昨年5月、杉並区のアパートに侵入して女性に乱暴しようとしたとして逮捕された保育士(男性、36歳)について、東京地検は12月6日、不起訴処分とした。(ANNニュース、12月6日)

▶〔社福元理事長を逮捕〕 奈良県田原本町の地域子育て支援拠点事業をめぐり、業務委託された社会福祉法人の元理事長(69歳、男性)と法人が運営する保育園の園長(43歳、女性)が有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された。2人は同町町長の父親と姉(以前は町長も同法人園の園長)。園が昨年度に実施した親子交流事業で使用するための玩具など47万円分を業者から購入したように装った偽の領収書を作成、正規の領収書の写しの中に混ぜて、今年、町に提出した疑い。町から現金を受領しており、警察は今後、詐欺容疑でも捜査するとみられる。理事長は昨年、辞任したが、顧問として法人を実質的に経営していた。(産経west、11月20日、関西テレビ、11月21日)

▶〔児童ポルノ禁止法違反等で再逮捕〕 神奈川県平塚市の認可外施設で4か月児に暴行を加えて死亡させたとして起訴(傷害致死)された保育士(男性、34歳)が、昨年、施設で預かっていた別の女児のわいせつな画像をスマートフォンのカメラで撮影した疑いがあることがわかり、児童ポルノ禁止法違反等の疑いで再逮捕された。本人は容疑を否認しているという。(各紙、11月10日)

▶〔性的暴行未遂で保育士逮捕〕 東京都練馬区に住む保育士(男性、36歳)が去年5月、杉並区内のアパートに侵入し、20代の女性を「刺すぞ」などと脅したうえ性的暴行を加えようとした疑いで逮捕された。先月、現場近くで起きた別の強制わいせつ事件で容疑者が周辺の防犯カメラに写っていたことから関与が浮上した。取り調べに対し、「性欲が抑えきれなかった」「他にも2件やった」と容疑を認めているという(各テレビ局、11月11日)。〔掛札コメント〕このサイトでは個人名を出しませんが、ニュースには名前が出ています。後に他の自治体で就職しようとする可能性も十分ありますから、名前と年齢を控えておいたほうがよいと思います。どこで勤務していたのかは、今のところわかりませんが。

▶〔理事長ら3人を解任〕 1億4000万円の不正流用の疑いがもたれている兵庫県芦屋市の社会福祉法人の理事長、理事長の妻(理事)、理事長の実母(評議員)の3人が役職を解任(理事会と評議員会の議決による)されていたことが10月4日、わかった。新しく構成される理事会で、理事長らに対する詐欺罪の刑事告訴や民事訴訟を提起を検討する。法人によると、3人は職員としての身分は残るという(産経west、11月4日)。

▶〔13億円を不正流用。1億円以上は個人的な支出に〕高齢者施設や保育園を運営する大阪府摂津市の社会福祉法人は5月30日、前理事長の男性(69歳)が金融機関から無断で金を借り入れるなどして、約13億円を不正流用していたと発表した。法人は業務上横領罪で前理事長を刑事告訴する。法人によると、平成16年から約12年間にわたり、法人名義で複数の金融機関から約11億円の融資を受けたが、金融機関には理事会の承認を得たと装った書類を提出。融資金は簿外通帳で管理して決算に反映させず、会計監査では見抜けなかったという。前理事長は法人の調査に対し、飲食費や古美術品購入などに約1億1000万円を流用したほか、自身が設立した病院や有料老人ホームなどの運営資金に7億円以上を充てたなどと説明したという。今年1月、問題が発覚し、退任した。(産経west、5月30日)

▶〔副園長、わいせつ行為で逮捕〕 茨城県鉾田警察署は、県内保育園で副園長をしている男性(38歳)が10月3日、女児にわいせつな行為をしたとして逮捕した。児はこの男性が勤務する社会福祉法人が運営する子育て支援センターを利用していた。児と両親が10月16日、警察に相談して発覚した。(11月1日、テレ朝ニュース)

▶〔「少なくとも1億4000万円を不正流用」と第三者委員会〕 社会福祉法人「夢工房」(兵庫県芦屋市)の資金不正流用問題について調査していた同法人の第三者委員会は10月19日、流用額は少なくとも約1億4000万円にのぼると発表した。報告書によると、理事長の母と義母、長男、長女、母の家政婦は、法人本部や姫路市の保育園などで勤務したと装い、2010~15年度に給与計約5960万円を受け取った。長女や長男が通う大学院、専門学校の学費など約420万円も払っていた。私的使用も、保護者から集め理事長の個人口座に入金していた教材費200万円、長女の高級車購入費約740万円、長女の結婚時に購入した家具、家電代約210万円など、計1330万円にのぼった。理事長が経費でアダルト商品を買ったケースもあった。この他、理事長個人の資金と装った法人の簿外債務約6300万円も判明。理事長が理事会の議事録を偽造して借り入れており、不正流用と認定された。補助金については、常勤の園長を置いた際に支給される加算など、姫路市、東京都港区から約4600万円を不正に受け取っていた。第三者委員会は、理事長に逆らえない体質や理事会の形骸化、利用者軽視の利益優先主義などを指摘。理事長、総括園長の解任や理事会の一新などを提言。法人は今後、理事長らの刑事告訴などを検討するという(神戸新聞他、10月19日)。

▶〔保育士、傷害致死容疑で逮捕〕 神奈川県平塚市の無認可保育所で昨年12月6日、生後4か月児に暴行して頭にけがを負わせ、脳挫滅で死亡させたとして保育士(34歳、男性)が逮捕された。同日午前4時半ごろ、この保育士が「子どもが息をしていない」と119番通報。搬送先で児は死亡。目立った外傷はなかったが、司法解剖の結果、頭の骨が折れていた。児は同日午前0時ごろに預けられたが、その前には変わった様子はなかったという。保育士はこれまで県警に対し、「ベッドの上に寝かせていただけ」「けがに心当たりはない」などと説明、容疑を否認している。県警は7月半ばに傷害致死容疑で自宅を捜索していた。
 報道によると、室内に設置されたカメラの映像から、この保育士が児を抱き上げていなくなり、その後ベッドに戻したが、児は動かない状態になったという。保育士は事件前日の午後8時ごろから勤務を開始し、当時は1人で世話をしていた。
 県警はまた、捜査に必要であると知りながら保育所内のパソコンを損壊したとして、この保育所の経営者(49歳、男性)を証拠隠滅の疑いで逮捕した。この保育所は1998年に開業し、受け入れ人数は20人。生後3か月以降の子どもを対象に、24時間対応で一時保育をしていた(各紙、10月21日)。 最初の報道は、昨年のニュースの2つ目と3つ目。

▶〔男性保育士、強制わいせつの疑いで逮捕〕 仙台市青葉区の私立保育園に勤務する保育士(26歳)が3日午後3時半ごろ(勤務中)、女児の尻を触るなどした疑いで10月4日、逮捕された。被害に気づいた女児の保護者が園に問いただし、園から警察に連絡があったという。市は近く、当該保育園に特別指導監査を実施する。「子どもならばれないと思った」と容疑を認めており、警察は余罪がないか調べている。(河北新報他、10月5日)

▶〔飲酒運転で休職扱い〕 佐賀県唐津市社会福祉協議会は9月14日、嘱託保育士(女性)が飲酒運転をしたとして、15日から休職扱いにすると発表した。保育士は9月8日、勤務後に唐津市内の実家で夕食中に飲酒、その後車を運転して福岡県内の自宅に向かった。午後9時過ぎ、国道で尿意のために停車し、車のそばに座り込んでいたところ、警察官から事情聴取を受けたもの。社協は「逮捕はされていないが、操作の推移を見て懲戒処分を考える」と話している。(佐賀新聞、9月15日)

▶〔窃盗の疑いで幼稚園教諭逮捕〕 8月22日、派遣型風俗店から派遣された女性従業員がもっていた店の金を盗んだとして、横浜市戸塚区の幼稚園教諭(男性、41歳)が仙台中央署に逮捕された。21日夜、仙台市内のホテルで女性のバッグから店の売上金など30000円を盗んだ疑い。女性が店に戻って気づき、通報を受けた署員が22日朝、ホテルにいた容疑者を発見した。容疑を認め、「サービスが不満だった」などと供述しているという。(産経、8月22日)

▶〔保育園児の着替えを撮影〕 5、6歳の女児3人の着替えを撮影したとして、群馬県前橋市の大学3年生が9月5日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕された。本人は容疑を認めている。容疑は、7月6日午後0時50分から1時10分ごろまでの間、市内の保育園にある屋外プールで着替えをしていた被害園児をデジタルカメラで撮影し、児童ポルノ画像3枚を製造したこと。同日、園関係者が警察に相談し、発覚。容疑者は「小さい女の子に興味があり、性的欲求を満たすために盗撮した」と供述。過去にも盗撮をしたとほのめかしていることから、余罪を追及している。(産経、9月5日)

▶〔賃金未払いで是正勧告〕 横浜南労働基準監督署は9月2日、市内の保育園を運営する企業に対し、労働基準法第37条違反(賃金未払い)で是正勧告(行政指導)を出した。この園で働いていた保育士が違反を通報し、残業代未払いや持ち帰り残業などが明らかになったもの。詳しくはこちら(介護・保育ユニオン、9月2日)。

▶〔開園1年で事業者契約解除〕東京都品川区が今年4月に開園した区初の公設民営認可保育所の保育事業者が、1年で交代する見通し。区は公募に応じた複数業者から、社会福祉法人「夢工房」(兵庫県芦屋市)を選んで委託。2021年3月までの5年契約で毎月2200万円を運営費として補助してきた。同法人をめぐっては、兵庫県内で運営する保育所で少なくとも約2750万円の運営費が不正流用された疑いがあると発表されている。品川区の保育園についても、区が開園時の条件にしていた常勤看護師等の配置がないまま、給与分の運営費を受給していた。備品の購入でも不透明な支出をしていた可能性もあり、区は兵庫県で問題が発覚した6月以降、調査を進めてきた。法人側は取材に対し、看護師を配置していなかったことは認めたが、「人員配置も適正で備品購入も問題はない」と話した。 区は法人と契約解除の文書に調印したうえで、8月中にも新たな保育事業者を募集する予定。(東京新聞、8月18日)

▶〔万引きで保育士逮捕〕 岡山市内の保育園に勤務するパート保育士(42歳、女性)が8月16日、事後強盗の疑いで逮捕された。倉敷市内のスーパーで同日午後3時過ぎ、食料品17点(3193円相当)を万引き、呼び止めた保安員の腕をひっかいたうえ、駐車場に止めていた乗用車を急発進させ、ドアにつかまっていた保安員を振り切って逃げた疑い。保安員が車の色やナンバーを覚えており、犯行を特定した。本人は容疑を認めている。2009年から市内の保育園で勤務しており、勤務態度は良好だったという。(山陽新聞他、8月17日)

▶〔学童保育アルバイト、強制わいせつの疑い〕 8月8日、契約社員の男(37歳)が強制わいせつの疑いで逮捕された。NPO法人で学童保育事業のアルバイトをしていた今年5月20日午後3時頃~4時半頃までの間、派遣先の市内小学校トイレで低学年の女子児童の体をさわるなどした疑い。本人は容疑を否認しているという。当時、教員はおらず、法人職員4人で児童54人をみていた。5月26日、児童から報告を受けた学校関係者と保護者が警察に相談した。(埼玉新聞、8月8日)

▶〔労働基準法違反で監督署が是正勧告〕 7月21日、仙台市の民間保育園に対し、労働基準監督署から是正勧告が出された。元・職員(短大卒で2015年入社)が介護・保育ユニオンに加盟し、改善を求めて話し合いを今年5月から行っていたもの。 短大に来ていた求人票には、基本給145000円、業務手当40000円、資格手当10000円の計195000円及び住宅手当20000円と記載。実際の契約書では、給与は総額180000円。内訳は基本給130000円、資格手当20000円、業務手当30000円で、業務手当30000円は31時間分(のちに27時間分に変更)の固定残業代。
 また、毎日1~2時間ある残業や持ち帰り残業は未払い(ユニオンが計算した未払い残業代は約90万円)。さらに、園児が昼寝をしている部屋での休憩を強いられ、園児が起きたらその相手をしたり、連絡帳を書いたりする必要があった。
 そのうえ、社長は従業員に対して高圧的で、この保育士が退職を申し出た面談では「実家に帰れば(親に)迷惑をかける、社会的に見捨てられる、だれも拾ってくれない」と2時間以上にわたり言われたという。この保育士は体調不良になり、2016年4月に退職。ユニオンでの交渉を決めた。
・労働基準法32条違反:変形労働時間制について →会社は1年単位の変形労働時間制をとっていたが、法定通りの運用をしていなかった。 具体的には、当月内にシフトが変更になることが多々あった。
・労働基準法34条違反:休憩時間について →8時間以上の労働時間に対しては1時間の休憩を取らせなければいけなかったが、できていなかった。
・労働基準法37条違反:割増賃金について →「固定残業代」で想定されている時間外労働があったが、その分の残業代を払っていなかった。(介護・保育ユニオン、7月27日)

▶〔欠勤、遅刻で減給処分〕千葉市若葉区の公立保育所で働く主任保育士(52歳、女性)が、減給10分の1(1か月)の懲戒処分を受けた。同市人事課によると、この保育士は無断で2014年度に半日、15年度に2日欠勤。2014年9月~2016年5月は、2分~3時間半の遅刻を44回繰り返した。「体調不良で起きられなかった。反省している」と話しているという。この保育士は遅刻が原因で13年度にも戒告処分を受けている。(千葉日報、6月24日)

▶〔学童経営者、わいせつ行為で逮捕〕 茨城県水戸市の学童保育所経営者(31歳、男性)が、学童に通っていた小学校高学年の男児を去年10月、自宅に連れていき、わいせつな行為をしたとして、7月11日に逮捕された。同僚に自首を促され、自ら110番したもの。携帯電話から動画がみつかっており、警察は余罪を追及している。(日テレニュース24、7月12日)

▶〔盗撮容疑で幼稚園教諭逮捕〕 岡山県井原市の幼稚園教諭(男性、22歳)が7月11日、高校3年女子生徒のスカート内をコンビニエンスストアで盗撮したとして、県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された。6月18日に発生、生徒が20日に警察に相談、防犯カメラの映像などから明らかになった。(産経west、7月11日

▶〔子どもの住所を知るため、児童クラブに侵入〕 滋賀県大津市の学童保育支援員(29歳、男性)が6月10日、建造物侵入の疑いで再逮捕された。「気に入った小学生の住所を入手して手紙を送りたかった」と、勤務していた時に作った合鍵を使って市内の児童クラブの防犯システムを解除、侵入、事務室のファイルに記載されていた小学生男女3人の住所を携帯電話のカメラで撮影したという。同容疑者は5月22日、市内の保育園に侵入した疑いで逮捕されていた。こちらは「上司から勤務日誌の付け方について叱責され、他の支援員の日誌の書き方を知りたかった」と供述しているという。(産経west、6月11日)

▶〔運営費約2750万円、不正流用の疑い〕 兵庫県は6月9日、芦屋市の社会福祉法人で運営費約2750万円が不正流用された疑いがあると発表、第三者委員会を設置して調べる。勤務実態のない理事長の母親が園長として、2014年度に給与約1000万円を受給。理事長の義母も分園の事務員として2010年4月~2015年8月、約1200万円を受け取った疑いなどがある。母親の架空勤務にからみ、法人は姫路市の補助金約1050万円を不正に得た疑いもある。姫路市の定期監査で発覚、県も5月、特別監査を行った。同法人は全国で21保育園を運営しており、国や自治体から204年度、補助金20億円余りを受け取った(朝日、6月9日)

▶〔年間に計30人の退職で、調査、指導〕 福岡県太宰府市は6月9日、昨年度に計30人の保育士(正規13人、臨時12人、派遣5人)が退職した私立認可保育園を県と共に立ち入り調査し、運営改善を口頭指導したと明らかにした。市によると、昨年12月に同園の保育士から「休みがとれない」「パワハラがある」などの訴えが市にあった。市と県は3月、立ち入り調査を実施、時間外命令簿の記入がずさんだったほか、研修旅費の未払いや運営規定の未整備などが確認された。ただし、職員の退職時期はずれており、基準を下回った時期はないという。同園の運営をめぐっては6月9日、市議会本会議に保護者らから「積極的指導」を求める請願も上程された。(西日本新聞、6月10日)

▶〔学童保育指導員、逮捕〕 新潟県南魚沼市のNPO法人臨時職員(31歳、男性)が6月2日、傷害容疑で逮捕された。同市内の小学校で昨年11月19日、学童保育で預かっていた7歳児に、投げ飛ばすなどの暴行を加え、全治3か月の重傷を負わせた疑い。(毎日新聞、6月3日)

▶〔学童保育指導員、逮捕〕 熊本市の男性非常勤職員(学童保育指導員、52歳)が5月24日、強制わいせつの疑いで逮捕された。5月11日、市内の小学校で低学年の女児にキスをした疑い。この指導員は熊本地震以降、避難所で女児を抱きしめたり、頭をなでたりしたなどとして、これまでに警察に4件の相談が寄せられていたという。(各紙、5月26日)

▶〔学童保育指導員、逮捕〕 新潟県の学童保育施設に勤務していた男性指導員(27歳)が5月26日、逮捕された。平成24年7月ごろ、学童保育の団体行事で訪れた宿泊施設で、就寝中だった女児の服を脱がせ、体を触るなどした疑い。指導員は引率者の一人だった。(産経、5月26日)

▶〔保育士、郵便受けに幼虫40匹入れる〕 以前近隣に住んでいた男性宅の郵便受けに昨年12月24日から今年1月3日の夜、約40匹の生きている幼虫(爬虫類の餌用として市販)を入れたとして、廃棄物処理法違反の疑いで、岡山市の市立保育園の主任保育士(40歳、女性)が再逮捕された。本人は黙秘。男性は、「容疑者とは顔見知り程度」と話しているという。(産経west、3月28日。最初の逮捕については、下の3月7日の山陽新聞の記事も参照。「幼虫を捨てた」ということでこの罪名の模様)

▶〔強制わいせつ罪などで懲役11年〕 元妻が経営していた認可外保育所で女児にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつなどの罪に問われた男性(67歳)に3月28日、福岡地裁が懲役11年の判決を言い渡した(求刑15年)。判決によると2008年9月~2014年12月、福岡県内の保育所で預かっていた当時1~6歳14人にわいせつ行為を105回繰り返し、ビデオでその様子を撮影したりしていた。(産経、3月28日)

▶〔保育士が園児を脅すなど虐待〕 宮崎市の認可保育所に勤めていた30代の男性保育士が虐待を行っていたとして、市は児童福祉法に基づき、運営する社会福祉法人に改善を促す勧告を行った。3月22日に明らかにした。市によると、保育士は昨年2月、昼寝の時間にズボンを脱いで下半身を見せる男児にハサミを向けて「そんなに出すなら、切るから出してごらん」などと言って威圧した。他の児らにも平手打ちをしたほか、プラスチック製のヘラで腹部を手術する真似をしたり、「ホチキスで口を閉じる」と脅したりしていた。市は計5人の園児が虐待行為を受けていたと確認、1人は精神的に不安定になっているという。昨年10月以降、複数の保護者から市や保育所に相談があって発覚した。保育所側は、弁護士に依頼して保育士から聞き取り調査を実施、11月末、法人から調査結果を受けた市は、12月下旬に園に立ち入り調査して事実を確認し、今年1月末に改善を勧告。保育士も事実を認め、昨年末に依願退職したという。(3月22日、西日本新聞)

▶〔車を傷つけて逮捕〕 岡山市の市立保育園の主任保育士(40歳)が、3月7日、器物損壊の疑いで逮捕された。2015年10月11日夜から12日午前の間に、近くに住む男性の乗用車に先端が鋭いもので傷をつけたり、油性ペンでみだらな言葉を落書きしたりした疑い。男性に容疑者との面識はほとんどなかった。「事実は違います」と容疑を否認している。容疑者は2005年、保育士として市に採用された。(山陽新聞、3月7日)


▶〔わさびを塗った唐揚げを児に食べさせる〕 東京都北区の無認可保育所で6歳の園児に暴行を加えたとして、1月27日に逮捕された女性保育士(28歳)が、別の4歳児にわさびを大量に塗った唐揚げを無理やり食べさせたとする暴行容疑で再逮捕された。「言うことを聞かないので、面白半分でやった」と供述している。警察が容疑者のスマートフォンを解析したところ、容疑者が児に「吐いたらたたく」と、唐揚げを食べさせている動画が残っていたという。(時事他、2月18日)

▶〔介護職員、施設長を刺す〕 東京都府中市の特別養護老人ホームの玄関ホールで、2月7日午前11時ごろ、26歳の女性職員が施設長(62歳)の左胸を刃渡り12センチの包丁で刺し、逮捕された。施設長は軽傷。この職員は、出勤してきた施設長と口論になり、バッグに隠し持っていた包丁を取り出して犯行に及んだもので、直後、職員らに取り押さえられた。「仕事が大変で悩みがあった。仕事がつらかった」など容疑を認めている。(2月9日、ANN) 〔掛札コメント〕 保育園ではありませんが、「他人ごとではないぞ」と思ったものですから…。

▶〔わいせつ行為で保育教諭、逮捕〕 埼玉県春日部市の保育教諭(男、21歳)と東京都八王子市の専門学校生(男、21歳)が、小学生や中学生の男子生徒にわいせつな行為をしたとして警視庁に逮捕された。2人は同じゲームセンターのアルバイト仲間で、客の子どもに「うちに来れば最新のゲームができると話して自宅に誘い込んでいた。保育教諭は認定こども園勤務。(産経、2月2日)

▶〔不適切な保育で謝罪〕 岡山県倉敷市の認可保育園で、2歳児14人を担任する20代の女性保育士と指導的立場の40代女性保育士が、複数の園児の頭をたたく、突き飛ばす、嫌いな給食をむりやり食べさせる、お漏らしを放置するなどの行為を繰り返していたことが明らかになった。昨年11月、保護者から市に通報があったため調べていたところ、園は一度否定したものの、今月に入り、事実関係を認めた。1月27日に保護者説明会を開いて謝罪し、2人を担当からはずしている。市は、虐待かどうかはわからないが行き過ぎた指導や不適切な保育があったとして、2月2日に立ち入り調査を行う。園が行った聞き取りに対し、20代保育士は「度が過ぎてしまった」、40代保育士は「自分の中におごりがあった」と述べたという。(山陽新聞、1月29日他)

▶〔男児にわいせつ行為、男性保育士を逮捕〕 勤務先の託児所で1月24日、3歳男児の下半身をさわったとして、静岡市の男性保育士(30歳)が1月28日、強制わいせつの疑いで逮捕された。容疑を認めている。児が帰宅後、母親に打ち明けて被害がわかった。児は午前8時から午後5時まで預けられており、容疑者は、他の幼児らがいない時間帯や場所を狙ったとみて、状況を調べている。容疑者は、5~6年前から、この託児所に勤務していた。(共同、1月28日)

▶〔園児に暴行、女性保育士を逮捕〕 東京都北区の無認可保育所で6歳の園児に暴行を加えたとして、1月27日、同保育所に勤務する女性保育士(28歳)が逮捕された。20日にこの児の親が警察に相談して発覚。容疑者は2012年7月から勤務。この児の食事にコショウやカラシを入れる、裸で立たせるなど、日常的に虐待を繰り返していた疑いがあるとみて、警察が調べている。直接の逮捕容疑は、園でこの児の両手をひもで後ろ手に縛ったうえ、口や目のまわりに粘着テープを貼ってはがす、などした疑い。他の子どもにも、頭をたたくなどしていたというが、同僚職員らは「ベテランだから注意できなかった」と話しているという。東京都福祉保健局によると、昨年12月、容疑者が子どもの口にタオルを押し込んでいたとする匿名の情報提供があり、2月に立ち入り検査をする予定だった。(各紙、1月27日)

▶〔園児の裸を撮影、逮捕〕 昨年5月19日、広島市内の認可外保育園で3歳の女児の裸をデジタルカメラで撮影したとして、1月13日、広島市の男性保育士(40歳)が逮捕された。容疑を認めている。当時、保育士として勤務していた容疑者は、園児を着替えさせる最中などに撮影し、他の保育士や保護者は気づかなかったという。容疑者は昨年11月、市内の公園で他の女児のスカート内を盗撮したとして、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕され、送検された。家宅捜索から、パソコン内に数十枚の画像データが保存されているのを確認しており、余罪を調べている。(毎日、1月14日)



保育全般

▶〔大阪府、独自の「保育支援員」新設へ〕 大阪府は国家戦略特区を活用し、保育士不足を補うため、府独自の「保育支援員」資格を新設する方針を固めた。特区が認められれば来年度から育成を始めたい考え。支援員は保育士を目指す人や保育所などでスタッフとして働く人を想定。乳幼児の心理やアレルギー対応などを学ぶ講義を受け、保育所での3か月程度の実務経験を積んだ後、府が実施する検定を受けて認定する。大阪府内の待機児童は今年4月時点で1434人と、全国で4番目(毎日、10月27日)。〔掛札コメント〕 保育(保育士)の質云々よりなにより、保育士という国家資格が崩壊することにつながります。社会に向かって、「人手不足と質の低下は深刻です。質と安全の保障は危うくなっています。それでも保育園に預けるのか、企業(働く場所)と個人が働き方を変えることで対応するのか、決めてください」と言うべきです、保育業界は。できもしないことを「できる」と言い張ることで、最大の被害をこうむるのは子どもたちの命と将来です。

▶〔認可園入所割合、園庭割合、都心で低く〕 「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)の調べから、今年4月に認可保育施設へ申し込んで入所できた子どもの割合(「入園決定率」)が平均72.8%であったことが明らかになった。昨年4月より1.5ポイント低下。全国の政令市と東京都、神奈川、埼玉、千葉の主要都市の計100市区に調査票を郵送。うち78市区から回答があった。東京都渋谷区と港区は入園決定率が50%を切り、率が低い10位のうち9市区が都内(最も割合が低い順に、東京都渋谷区、港区、目黒区、杉並区、台東区、文京区、東京都狛江市、埼玉県朝霞市、東京都中央区、世田谷区)。
 また、同会では園庭のある認可保育所の割合も調査。回答した89市区で平均78.1%。昨年より2.2ポイント低く、都心では2割という自治体もあった(東京都文京区、港区、中央区は2割台)。一方、新潟、静岡、神戸などの政令市や千葉県我孫子市、埼玉県新座市などは100%。(東京新聞、10月27日)

▶〔学校給食費滞納に、弁護士が回収業務〕 大阪市は11月から、政令市としては初めて弁護士に滞納給食費の回収を委託する。再三の催告に応じない滞納者が対象で、債権回収業務に実績がある法律事務所と指名競争入札で契約したもの。今年度は約2000万円分(400件)の回収を委託し、成功報酬は回収額に応じた出来高制にするという。大阪市の給食費は小中学校で月額約4500~6000円で、2015年度の滞納額は給食費全体の1.3%にあたる約8600万円(4165件)。15年度末の滞納残高は約1億1300万円(5606件)。生活保護世帯には給食費が全額支給され、経済的に苦しい世帯にも半額(小学生は全額)を支給する制度がある(毎日、10月24日)。〔掛札コメント〕保育園でも、明らかに払えるはずの世帯が給食費を払わないケースをよく耳にします…。

▶〔特区でさらに規制緩和〕 政府と東京都は待機児童解消に向け、保育所の規制を緩和する方向。小規模保育所の年齢制限撤廃。採光等の要件を緩め、既存の建物を保育児として使いやすくする。非課税措置の拡充で企業内保育所の設置促進。ベビーシッターや家庭的保育(保育ママ)での弾力運用も。政府は都の要望を踏まえ、特区内での規制緩和を検討していく。実現は来年度以降(日経、9月9日)。〔掛札コメント〕 新設の保育園(小規模ではなく)では、特に初年度は非常に年長児が少なく、園によっては1人か2人だったりもします。そうすると、幼児の保育・教育にかなり支障が出ます。「縦割り保育もあるんだから、そんなのはやり方次第だろう」ではありません。同じ年の子どもがまわりにいないということは、子どもにとって大きな影響を及ぼします(はたで見ていても)。ですから、小規模の年齢制限は、子どもの成長発達(特に社会性面)に影響が間違いなくあるはずです。
 すでに新設園で見られるもうひとつの問題。少ない年長児が、気づくと下の年齢の子の世話係になっている現状。それが悪いとは言いませんが、育ちの上でバランスが悪いのは明らか。プラス、トイレ、食事提供機能の問題。なによりむちゃくちゃ施設が狭い。これで小規模に幼児を数人入れて「待機児童対策」なんて、「子どもが育つ権利」はもう完全無視としか言えません。

▶〔保育士3万人調査の結果〕 東京大大学院発達保育実践政策学センターが実施した、保育士30000人と市区町村の子育て支援部局等の大規模調査の結果。クラス担任が負担に感じる要因は、事務作業の多さ、仕事の責任の重さ、保育者不足。一方の自治体は、「質より量」。(毎日、9月7日)

▶〔地域限定保育士、実技試験免除〕 10月から国家戦略特区で行う地域限定保育士試験について、厚生労働省は、都道府県が用意した講習を受ければ実技試験が免除される仕組みにする。保育士試験を受けやすくすることで、保育士を確保する(日経、9月5日)。〔掛札コメント〕そして、保育の質、保育資格はいっそう形骸化していくわけです。

▶〔待機児童の定義、基準を全国統一へ〕 現在、自治体ごとに異なる待機児童の定義を統一するため、厚生労働省は9月中にも議論を始め、年度内に統一基準を定める。待機児童の数は昨年の4月時点で2万3167人と公表されたが、厚生労働省が別に親の育休状況などを調べたところ、少なくとも5万9383人が除外されていたことが判明、「実態を反映していない」といった批判が寄せられた。(8月26日、朝日)

▶〔待機児童、4月時点で約2万3600人〕 厚生労働省の集計によると、全国の待機児童は2016年4月時点で約2万3600人。1年前から約400人増(この待機児童は、認可希望で認可外に預けている場合等は含まない)。一方、4月時点の保育所定員は10.3万人増。(日経、8月26日)

▶〔保育の質、向上への取り組みは:東大センターが全国規模の調査結果を発表〕(マイナビニュース、8月26日)

▶〔基準緩和予定自治体、なし〕 国の基準を上回る独自の配置基準を持つ全国55自治体で、国が求めた「規制緩和」をするとした自治体はないことが、朝日新聞の調査からわかった。ただし、うち6自治体は「検討中」。また、来年度から月平均約6000円、賃金を上げるとした政府の決定に対し、調査に回答した80自治体(対象は82自治体)で「十分」と答えたのは3自治体にとどまり、46自治体が「不十分」と答えた。一方、人件費を上乗せしても、一部の法人では役員らに多額の報酬が支払われ、保育士給与は低いままだったという調査結果もあると報道。(朝日、6月11日)

▶〔開園中止・延期が計49園〕 今年4月に開園予定だったにもかかわらず中止・延期された認可保育所などが、15自治体で計49園あったことが、朝日新聞社の調査から明らかになった(全国の主要82自治体が調査対象)。このうち、「住民との調整」が理由だったのは7自治体の計13園。「工事の遅れ」が最も多く20園。「建設コスト高騰による入札不調」が7園。(朝日新聞、6月12日)

▶〔資格要件緩和へ〕 大阪府が求めている認可保育所設置要件緩和(保育所職員の3分の2以上を有資格とする規定の緩和。4月21日のニュース参照)について、政府は要望を認める代わりに、公立保育所で働く正規職員と非正規職員の待遇格差をできるだけ減らす(正規職員の7~8割とする)よう、府側に促す方向(日経、5月17日)。〔掛札コメント〕取引になってないちんぷんかんぷんな話…。記事が正しいとすると、これによって大阪(特区)の認可保育所は、保育ママなどの「無資格者を3分の1以上」入れることができるようになる。一方、公立保育所で働く非正規職員(有資格も無資格もいる)の給料は上がる。素直に考えても、「では、民間園で働く正規・非正規の待遇は? 特に、正規有資格者の待遇は?」。公立の非正規(無資格も?)のほうが民間の正規よりも給料が高いということに…?(今さら言うまでもなく、すでにそうなってますが…)。これで「保育園を増やせ」「潜在保育士を働かせろ」といっても、誰が働きますか? そもそも、保育士として働くとしても正規職員になりたくない理由は(私が聞く限り)、お金以上に「責任」と「時間」なんですから。

▶〔認可保育所で基準を満たさない時間帯〕 自治体の定期監査の結果、認可保育所で保育士数が基準を満たさない時間帯があると指摘された事例が、東京都と全国11の100万都市で132件(2012~14年度)あったことがわかった。朝日新聞が各自治体に結果を尋ねて明らかになったもの。指摘があったのは、東京、仙台、さいたま、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪、福岡。札幌、神戸、広島はなかった。東京都は、12年度の11件、13年度の10件が、14年は26件に増え、朝や夕方に不足する事例が多かったという(朝日、5月1日)。〔掛札コメント〕 現場で見ていたら、シフトを組むのがとんでもなく大変なのはよくわかります…(特に、非正規職員が多いと)。並大抵のパズルより難しい。そのうえ、体調が悪くなったり、急用ができたり(保育者も人間ですから)。基準を満たさない日がないほうが不思議です(監査はめったに来ませんから、それ以外の日は書類上でごまかせます、ごまかそうと思えば)。そもそも基準自体、子どもの育ちと安全を考えたら低すぎるのですし。

▶〔幼稚園で0~2歳児預かり拡充〕 文部科学省は、待機児童問題が深刻化している自治体に向けて、0~2歳児を一定数預かる「小規模保育」をより積極的に実施することや、幼稚園でより長い時間、子どもを預かるよう求める通知を4月22日も出す。現在、全国で1600か所余ある小規模保育のうち、幼稚園実施のものは5%程度。また、夕方まで園児を預かる一時預かりは、補助金に上限があることから1日5時間程度。今回の通知で文部科学省は、実施条件を柔軟にする、補助金を増やすなどを通じて、待機児童問題の改善を目指したいとしている。(TBS、4月22日)

▶〔大阪府と大阪市、さらなる基準緩和を提言へ〕 大阪府と大阪市は4月18日、国家戦略特区制度を活用し、府内市町村の保育所の保育士や保育室に関する基準を緩和する待機児童対策案をまとめた。2017年度の実現を目指す。保育士不足を受け、国は、保育所要員(最低基準)のうち3分の1までは教員免許を持つ人で代替できる特例措置を16年度から始めている。大阪府と市によると、特区では要員に占める保育士以外の人員として「知事が認める者」を追加、保育ママ(国が定める研修を修了した者)のほか、子育て支援員を活用できるようにすることを求める。また、国が一部の都市部で緩和している面積基準も、府内の市町村は待機児童数や地価に関係なく、面積基準を緩和できるように求める(待機児童がいる大阪市の地区は現在、ほふく室の基準が1.65平方メートル以上)。(時事、朝日、4月21日)

▶〔届け出対象の変更。4月1日から〕 これまでは、1日に保育する乳幼児数が6人以上の認可外保育施設や認可外の訪問型保育事業(いわゆるベビーシッター事業)を行う場合に、原則届出が必要。平成28年4月以降は1日に保育する乳幼児の数が1人以上の場合に、届出が必要となる。厚生労働省の通知文書はこちら

▶〔小規模で3歳も預かる方向へ〕 待機児童解消に向けた緊急対策(最終案)として、原則「0~2歳」としている小規模保育施設の対象を「0~3歳」に拡大、現在19人の定員上限の緩和も併せて実施することを政府が決めた。28日に発表する予定。(時事、3月27日)

▶〔こども園職員に退職教諭〕 保育士不足緩和のため政府は、定年等の理由で退職した小学校教諭や養護教諭が認定こども園で働けるよう、職員の基準を定めた内閣府令などを改正、4月から実施する。こども園で働ける教諭は定められた職員数の3分の1までとし、読み書きなど幼児教育に関する業務は単独では行えないなどの制限を設ける(読売、3月4日)。〔掛札コメント〕 いつもお話しすることですが、この文化は年齢や立場で「ものを言える」「言えない」が決まりがちです(特に、年齢は大きな要素)。定年退職した小学校教諭をこども園に入れたら、コミュニケーションがどういうことになるのか、考えて…いないのでしょうね、誰も。これまた必ずいつもお話しすることですが、施設内コミュニケーションがうまくいかない施設では、子どもの命を守ることはできません。たとえば、定年退職した小学校教諭(=未就学児の命の安全についてはよく知らない)に、20代の正規職員が「先生、それは違います」「危ないからやめてください」と言えますか? 
 未就学児の保育・教育の専門性については、いわずもがなです。以前も書きましたが、こうやって、保育士や幼稚園教諭の専門性は崩壊し、日本の保育、教育、子育ても壊れていくのです。

▶〔平成27年度全国児童福祉主管課長会議の資料〕(5)が保育課の資料です。病児保育、夜間保育、耐震化率から保育指針の改定まで、広くカバーされています。(厚生労働省、2月23日)
▶〔認可外施設の37%、国の基準を満たさず〕 都道府県が2014年度に行った認可外保育施設の立ち入り調査によると、37.6%(調査した5343施設中2007施設)が、国の指導監督基準を満たしていなかった。前年度は39.6%。子どもの健康診断を年2回実施していない施設が753施設、職員の健康診断(年1回)を実施していない施設が692施設、避難計画・訓練を実施していない施設が653施設。保育従事者が不足していた施設も170あった。全国の認可外保育施設は、14年度末時点で8038施設で、前年度より99増え、児童数は20万1530人(1667人減)だった(朝日、日経、2月19日)。〔掛札コメント〕厚生労働省が出した元のデータが不足しているのでしょうけれども、「すべての基準を満たしていた施設」の数はいくつなのか、知りたいところです。調査したすべての施設に、1つないしはそれ以上の問題があったのか、それとも、すべて満たしている施設もあったのか。一方、一部の施設はいろいろな基準をまったく満たしていなかったのか。こういう報道をみる度に、日本のデータ発表の質の低さを感じます。

▶〔病児の一時預かり拡充へ〕 厚生労働省は、急病の子どもを一時的に預かる施設(病児保育)の普及を後押しする。政府は2020年度までに病児保育の利用児童数を150万人とする目標を掲げたが、受け皿が少ないことから利用率は4割弱。
 対策のひとつは、看護者や保育士の配置に関する規制緩和。今のルールでは、子ども3人あたり保育士1人と10人あたり看護師1人の配置を義務づけている。預かる子どもがいない時にも人員を常駐させると人件費負担が重くなるため、「常駐させなくてよい」とする規定を新たに作る。また、病院などに併設されている病児保育の場合は、看護師が駆けつけられる体制をとっていれば、子どもを預かっていても監視の常駐は不要とする。4月をめどに、運営ルールを定めた自治体向けの実施要綱を見直す。
 同省は、施設の増設に向けた補助金も拡充する。これまでの運営費(一部)に加えて、4月からは施設の建設費など初期投資の一部も補助し、新規参入のハードルを下げる。また、一般の保育施設で体調を崩した子どもを病児保育側が迎えに行った場合には、交通費や付き添いをする看護師の人件費も新たに支援する。
 補助金の財源には、「子育て拠出金」をあてる。政府は2016年度から拠出金の料率を従業員の給与の0.15%から0.20%に引き上げる予定。これによる840億円近い財源増額のうち、約27億円を病児保育の普及策にあてる。(日経、1月5日) 〔掛札コメント〕 もう書き飽きましたが、なんでも「預ければ」いいのですか? 子育ては「外注」して、親(特に母親)は働けということですよね。そうやって行った子育ての結果がどういう結果になるのか、推して知るべしだと政府の人も企業の人もわかっていません。それと、病児保育で働く保育士や看護師の働き方の問題も出てきそうですが…。

▶〔平成27年度全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)資料〕 特に、「(5)雇用均等・児童家庭局」に保育関連の内容が掲載されています。



アレルギー、食

▶〔3割の園で、アレルギー関連の誤配、誤食〕 厚生省補助金による研究班(東京慈恵医科大学他)の調査から、回答園の3割で昨年4月から今年2月(調査時)までにアレルギー食材の誤配や誤食が「あった」との結果が得られた。回答園の11%で子どもにじんましんなどの症状が出ていた。食物アレルギーの子どもの割合は、1歳児クラスの7.1%をピークに年齢が上がるにつれて下がり、6歳児は0.8%。アレルギーの子どもがいる施設は8割。調査は今年2月に全国の認可・認可外保育園や認定こども園など約3万2000園を対象に実施、49%の1万5722園が回答した(朝日、12月17日)。〔掛札コメント〕 このような内容の時はいつも書いていますが、回答率は配布数の約半分。全体の実情を反映しているとは言えませんから、結果はあくまでも参考値です。(実際にはしているのかもしれませんが)このような時には、回答しなかった園をランダムに選んで数十、数百でも回答を得、回答園と非回答園の答えに統計学的な有意差があるかどうかを調べるべきです。

▶〔アレルギーの子ども殺害未遂で母親逮捕〕 千葉県流山市で12月11日午前、重度の牛乳アレルギーのある5歳児(保育園児)に牛乳を飲ませ、殺害しようとしたとして母親(35歳)が殺人未遂の疑いで逮捕された。長女はアナフィラキシー・ショックを起こし、現在も入院中で、母親は「私が飲ませた」と供述しているという。母親はこの児と2人暮らしで、今年7月には児をつれて警察署を訪れ、「子どもを預かってほしい。面倒をみきれない」などと話したことから、警察は育児放棄の恐れがあるとして8月に自相に通告していた。(TBS、12月13日)〔掛札コメント〕 この母親は助けを求めていたわけで…。保育園ではこういうケースと、「ついうっかり」でアレルギー食材を弁当等に入れてくるケースの違い(違う?)をどう扱えばいいのか…。

▶〔食物アレルギーで一時、意識不明の重体〕 宮城県名取市の私立幼稚園で7月10日、小麦アレルギーをもつ5歳児が提供されたパンを食べた後、一時、意識不明の重体になっていたことが9月29日、わかった。児は回復したが、精神的なショックで登園を見合わせているという。パンはお泊り会の朝食として出されたもので、仙台市内のアレルギー対応食品専門店で幼稚園が購入した。食品表示や店員への確認を怠り、米粉パンではなく、誤って小麦入りのパンを提供したという。(河北新報、9月30日)

▶〔学童保育でアナフィラキシー〕(食物アレルギーに関する一般的な記事の中に掲載されていた2013年の事故事例)新潟県柏崎市で、卵アレルギーがある小学2年生が誕生会でケーキを食べ、アナフィラキシー・ショックを起こした。当日は卵を使わないアレルギー対応ケーキが提供されるはずだったが、指導員が用意したのは、卵入りの低糖ケーキ。児はエピペンも持参していたが、指導員は使わなかった。いずれも、前任者からの引継ぎ不足が原因。また、指導員は母親の到着まで救急車を呼ばず、処置は搬送後。児の主治医は「命に関わる状態だった」と話す(日経、9月23日)。〔掛札コメント〕ぼちぼち書いていきますが、食物アレルギーはおとなのヒューマン・エラーが原因です(子どもが他児の食べ物に手を出した以外はほぼすべて)。人間からエラーをなくすことは絶対にできない以上、アレルゲン曝露事例を減らすことはできても、ゼロにすることはできません。つまり、アナフィラキシー・ショックを起こした時の対応など、曝露後対応のトレーニングがきわめて重要になります。曝露後対応のトレーニングをしておかないと、「この子は重症じゃないから大丈夫」と、突然のアナフィラキシーを見逃す(=エピペンはない)こともあるでしょう(なぜ「誤食」と書かずに「曝露」と書いているのか、ハテナな方はこちらの1のPDFをお読みください)。

▶〔毒性植物で色水作り〕 滋賀県野洲市の市立幼稚園で毒性のある植物「ヨウシュヤマゴボウ」を使い、園児36人が色水作り遊びをしていたことが市の発表から明らかになった。50歳代の教諭が8月30日、自宅近くから実のついた房をつみとり、園に持ち込んだ。翌1日と9月2日、指や石で実をつぶすなどして色水を作り、10人がペットボトルに入れて家に持ち帰った。8日、残っていた実を見た園長が気づき、該当する園児の保護者に電話で謝罪した。口に入れた園児はおらず、健康被害はないという。ヨウシュヤマゴボウは種と根に毒素があり、食べると嘔吐や下痢を起こす。幼児の場合、重篤な症状になることもあるという。教諭は、ツルムラサキの実と間違えて採取した(読売、9月10日)。〔掛札コメント〕子どもの頃に色水を作って遊んだのは、ヨウシュヤマゴボウだったのか…? ツルムラサキの実は、確かに違う…。でも、難しい…。

▶〔アレルギー発症で2回搬送〕 宮崎市の認可保育園で2012年3月と2015年4月、重度の食物アレルギーがある児(当時5歳)がアレルゲンの含まれた食べ物を食べ、急性アレルギー症状を起こし、搬送された。市に取材してわかったもので、市は運営母体の社会福祉法人に改善を指導している。園はアレルギーがある旨を保護者から聞き、別のおやつを用意したが、その中にもアレルゲンが含まれていたという。同園では2014年4月、児をあやそうとして保育士が高く抱え上げた際、児が天井の扇風機の頭にぶつけて、けがをした。こうしたことが重なったため、児は15年度に転園。保護者から相談を受けた市が立ち入り調査をして口頭注意し、再発防止策を講じるよう求めた。(毎日、3月26日)〔掛札コメント〕古い記事ですが、重要なので。

▶〔食物アレルギーの全国調査〕 厚生労働省が全国約33000の保育施設を対象に実施している全国調査のうち、3月初めまでに回答した約14000施設の回答を検討した結果、約3割にあたる4138施設が「2015年度に誤配膳、誤食が起きた」と報告。アレルギー症状が起きていたのは、約1割の1589施設。アナフィラキシーを経験したのは654施設。食物アレルギーの指摘がなかった子ども1737人が保育所で新たに発症。アレルギーを起こすとは知らなかった食材によって発症した子も385人いた。
 「誤配膳」1890、「他の子どもに配膳した食べ物を食べた」727、「原材料の見落とし」586、「調理担当から保育士への伝達漏れ」447、「情報が職員間で共有されていなかった」347、「原因食材の混入」303、「保護者からの情報不足」225、「詳しい職員が休みだった」167、「行事の時に間違えて食べた」144(各紙、5月10日)。〔掛札コメント〕これは、読売新聞が3月30日に報道した記事(下にあります)と同じ…? なぜこんな時差が起きるのでしょう。ともあれ。下に書いたコメントに加えて、調査を担当した方が小児外科医というのも不思議です…。あともうひとつ、「誰も気づかずに誤食したけれども、症状が出なかった(気づかなかった?)」という事例は計算に入っていないという点をお忘れなく。

▶〔牛乳のアレルギーで搬送〕 大阪府立の支援学校で4月25日、牛乳を飲んだ小学部の児童が食物アレルギー反応を起こし、搬送された。児は一時呼吸が困難な状態に陥ったが、回復。大阪府教育庁によると、同校では食物アレルギーのある児童の配膳トレイに避けるべき食材などを明記したカードを貼っていたが、この日は教諭が児童の机に誤って牛乳を配膳、さらに給食を介助していた他の教諭がカードを十分に確認しないまま、牛乳を少量飲ませたという(時事、4月28日)。〔掛札コメント〕「アナフィラキシーを起こして搬送」という事例は保育園でも頻繁に起きていますが、なぜこのように発表、報道されないのでしょう。これでは「(発表した)正直者がバカをみる」状況ですね。「トピックス」の「日常の気づきを深刻事故の予防活かす」にも書きましたが、食物アレルギーの場合、誤食してしまったらそれは「アレルゲン曝露が起きた」ということであって、「死亡しなかったからよかった」「搬送されなかったからよかった」ではないのですが…。

▶〔保育所の3割で誤食、誤配膳〕 厚生労働省研究班が行った初の全国調査から、今年度、全国の保育所の30%で、誤食や誤配膳の事故が起きていたことがわかった。調査は今年2月、全国の保育所のほぼすべてにあたる32210施設に実施。13921施設(43%)が回答。 昨年4月~今年2月に誤食や誤配膳があったのは、4138施設。うち1589施設(回答施設の11%)で、子どもがじんましんや唇の腫れなどのアレルギー症状を起こした。原因(複数回答)の46%が単純な配り間違い。続いて「ほかの乳幼児の食べ物を食べた」が18%、「原因食材を見落とした」が14%だった(読売、3月30日)。〔掛札コメント〕回答率が43%ですから、残りの57%は…、通常の「回答バイアス」の考え方からすれば、「意識があってしっかり取り組んでおり、園内で報告も出る園」ほど、こういった調査に協力する傾向があると考えられます。また、別の「回答バイアス」から考えれば、実際には回答よりも多く起きている(報告は過小傾向)と推測するほうが正しいでしょう。もうひとつ、この報道は、誤食と誤配膳を分けていませんが、誤食はアレルゲンに曝露しているので、死亡していた可能性もある事例です。誤配膳は曝露していないので、いわゆる「ヒヤリハット」になります。このへんの違いを明確に分けないと、食物アレルギーの問題を見誤ります。この文書の9ページ以降に解説してあります。



感染症

(集団感染は、時期の初めのものや感染者の多いものを掲載)

▶〔エピペン「持参せず」が大多数〕 千葉県医師会の調査から、エピペンを処方されているにもかかわらず持参していない園児のいる園が大半であることがわかった。2015年8~10月、公私立の保育園、幼稚園1152施設を対象に調査、1114施設から回答を得た。食物アレルギー対応をしている園児がいる施設は996施設(89.4%)、エピペン処方児がいる施設は214施設(19.2%)。214施設中エピペンを持参しない園児がいた施設は8割を超える174施設。また、アナフィラキシーを経験した施設は98施設(朝日、3月4日)。〔掛札コメント〕「持参していない」だけでなく、専門医ではない医療機関を受診していて「必要なのに処方されていない」児も少なくないはずです。個人的には、エピペンは園に常備しておくもの(処方ではなく)ではないかと考えています。たとえば、林野庁はハチ刺されによるアナフィラキシー予防のため、平成7年から独自にエピペンを輸入してアナフィラキシーを起こしうる該当者に配布、その後平成9年からは、希望者(エピネフリン使用が禁忌ではないことが条件)全員に配布しています。参考論文はこちら

▶〔消費期限5か月後のサンマで食中毒〕 福島県下郷町の小中学校2校の給食で、消費期限後約5か月を過ぎたサンマのすり身を食べた児童生徒、教員の計87人が食中毒になった(いずれも快方に向かっている)。1月24日までに県が発表した。同県会津若松市の魚介類販売業者が昨年8月27日、岩手県の加工業者からすり身を仕入れた。8月29日が消費期限だったが、28日に一部の表示ラベルをはがして冷凍保存、今年1月19日に下郷町の食品販売業者に出荷し、21日に学校給食に提供された(1月24日、共同通信他)。〔掛札コメント〕青魚で起こる「ヒスタミン食中毒」のようです。「役立つリンク」の「食物アレルギー、食品」の所に置いてある、この資料です。冷凍前からすでにヒスタミンは産生されていたのか、冷凍で増えたのか…。2015年のニュースを見ると、ニュースで拾ったものだけで2件、夏に起きていますから、冷凍前からヒスタミンが産生されていた可能性もなきにしもあらず、です。

▶〔餅つき大会でノロ集団感染〕 熊本県南小国町の保育園(園児数26人)で12月8日、行われた餅つきで、園児や家族ら男女52人(0~89歳)が食後に下痢、嘔吐の症状を訴えた。県健康機器管理課によると、餅からノロ・ウイルスは検出されなかったが、発症者が共通して食べたものが他になく、持ち帰った餅を食べた家族も発症したことから、餅が原因と判断した。10日までに発症したのは、園児18人、職員6人、園児の家族28人(熊本日日新聞、12月13日)。

▶〔保育園でもはしか感染〕 兵庫県尼崎市の市立保育園で、園児や職員など6人がはしかに感染していることが明らかになった。5歳児で8月22日頃から鼻かぜのような症状が続き、検査したところ、9月2日にはしかと診断。その後の検査で児の母親、同じ保育園に通う園児3人、園の職員も感染していることがわかった。6人はいずれも関西空港の利用や海外旅行の経験はなく、感染ルートは不明(NHK、9月9日9日4時)。同じ園に通う園児もう一人も感染が判明。同市が把握しているはしかの感染者数は合計11人(日テレNEWS24、9月9日20時)。

▶〔保育園でサルモネラ菌食中毒〕 神奈川県相模原市の民間保育園(園児約240人)で6月24日、1~6歳の園児41人が下痢や発熱などの症状を訴え、うち3人が入院した。3人のうち2人はすでに退院、1人も快方に向かっている。相模原市保健所の発表では、給食が原因のサルモネラ菌食中毒。(各紙、7月8日)

▶〔保育園でノロウイルス食中毒〕渋谷区の公立保育園で6月6日以降、ノロウイルスによる集団食中毒が発生し、0~6歳の園児41人を含む男女43人が発症した(20日、東京都の発表)。重症者はおらず、全員が回復しているという。6日昼の給食が原因とみられる。(20、21日、各紙)



その他の安全、健康

▶〔札幌市内の給食センターでアスベスト建材〕 一連の問題は、10月13日、札幌市の給食センターの煙突内で石綿を含む疑いのある断熱材がはがれ落ちているのがみつかったのが発端。10月31日の報道時点で、15小中学校の調理室用煙突内でも断熱材がはがれ落ちているのがみつかり、その後、13校で断熱材に石綿が含まれていることが確認された。10月31日の報道時点で、15校から給食の提供を受ける別の15校を含む計30校、1万人を超える児童生徒があたたかいメニューのない簡単な給食になった(これは11月24日に正常化)。
 その後、11月19日の報道によると、アスベストが確認されたのは学校だけでなく高齢者福祉センター等も含め、計43施設(検査した42施設のうち23施設で、大気中からも検出。11月8日報道)。補修には少なくとも8億円かかるという。今回アスベストがみつかった小中学校13校以外でも、可能性がある煙突が学校だけでも市内に約150本あるとのこと。問題の小中13校では給食調理用ボイラーを止めたが、保護者らは「ボイラー稼働中にアスベストの飛散はなかったのか」などと心配している。市環境局幹部は「安全性を証明する手だてを考えたい」と話すが、現時点でボイラー稼働を想定した調査は行わない方針で、これに代わる対応策も明らかにしていない。(朝日新聞、北海道新聞、10月31日以降)

▶〔子ども、寝不足傾向〕 全国の子ども約10万人を対象にした環境省の大規模調査(『エコチル調査』)から、子どもの寝不足傾向が明らかになった。調査は2011年以降生まれが対象で、睡眠状況について母親にアンケートし、2015年11月時点で集計。山梨大学の山縣教授が分析した。
 「就寝時刻が午後10時以降」の子どもの割合は1歳で13%、1歳6カ月で16%。3歳では29%に上った。出産時の母親の年齢が20歳未満か、40歳以上だった子どもは、遅寝の傾向が顕著だった(母親が40歳以上の場合、上の子の影響で遅くなっている可能性があるという)。また、昼寝を含む1日の合計睡眠時間は、3歳児の場合、10時間未満が7%、10〜12時間未満が44%、12〜14時間未満が47%、14時間以上が2%だった。睡眠が10時間に満たない子どもは生後1カ月でも2%、1歳では3%いた。
 3〜5歳児は10〜13時間眠るのが適切とされているが、山縣教授によると、日本の乳児は世界的にみても睡眠時間が短いという。(毎日、1月12日) 〔掛札コメント〕「共働き家庭が増えて親の帰宅時間が遅くなっていることも、子どもの遅寝が増えた一因」と記事には書いてありますが、共働き自体の問題ではなく、父親も母親も、そこまで長く働かなければいけないこと自体の問題だと私は思います(子どもがいない人も、働きすぎ)。そちらに目が向かず、「共働きがいけない」となったら、時代の逆行ではないでしょうか。