2017年のニュース
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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)

▶〔園バス事故で軽傷〕12月26日午後4時20分ごろ、名古屋市中川区の市道交差点で、園児を帰宅させる途中の私立保育園のバスと乗用車が衝突した。バスに乗っていた園児1人と保育士が頬を擦るなどの軽傷。バスの運転手も胸の痛みを訴えている。現場は信号機のある交差点で、乗用車の運転手が「交差点を見落とした」と話しているという(12月26日、産経)。

▶〔ハンマー投げ用ハンマーが当たり死亡〕12月20日午後6時半ごろ、群馬県藤岡市の県立高校のグラウンドで、2年生の頭にハンマー投げのハンマーが頭に当たり、生徒は高崎市内の病院に搬送されたが死亡した。この生徒はグラウンドでサッカーの部活動の練習中で、別の生徒が投げたハンマーが頭に当たったという。(12月20日、共同)

▶〔ボタン電池の誤飲1000件近く〕子どものボタン電池誤飲事故は2011~15年の5年間に全国で少なくとも千件近くに上り、排出されないまま消化管に穴が開くなどの健康被害が確認されていたことが12月16日、東京慈恵医大と一般社団法人「電池工業会」(東京)による初の実態調査で分かった。調査は今年1月、日本小児外科学会などを通じて202カ所の医療機関に質問を送り、116カ所(57.4%)から回答を得た。(12月16日、共同)

▶〔工事現場から電動ドライバーが落下しケガ〕12月12日午前9時ごろ、東京中央区のビルの解体工事現場で5階部分にいた作業員が誤って電動ドライバーを落とし、自転車で通りがかった男性の頭などにあたった。男性は軽傷(12月12日、TBS)。〔掛札コメント〕やっぱり、お散歩で工事現場の横を通るのは避ける、が原則ですね。

▶〔バッテリーが発熱、発火〕12月13日午後2時ごろ、東京都中央区の銀座駅の改札付近で破裂音がし、利用客の20代男性のバッグが炎上した。警視庁によると、バッグの中の携帯電話充電用バッテリーが何らかの原因で発熱し、発火したとみられるという。駅員らが初期消火に当たり、けが人はいなかった(12月13日、産経)。〔掛札コメント〕以前もコメントに書きましたが、万が一を考えると、職員がいない夜間などに充電するのは避けたほういいのか…。私は、各種の充電は在宅中にのみ、します。

▶〔ヘリコプターの窓が校庭に落下〕12月13日午前10時過ぎ、米軍普天間基地に隣接する宜野湾市の小学校のグラウンドに、飛行中の米軍の大型ヘリコプター(CH53)から重さが8キロ近くある窓が落下した。当時、校庭で体育の授業を受けていた子どもたちから、わずか10メートルほどの所に落下したという(12月13日、NHK)

▶〔「落下の可能性は低い」と米軍〕宜野湾市の保育園で米軍ヘリコプターの落下物とみられるものが見つかった問題で、沖縄県副知事は12月8日午後、米海兵隊太平洋基地司令官と面会した。司令官は海兵隊の大型輸送ヘリの部品であることを認めたが、「飛んでいるCH53から落ちたかは疑わしい。別の要因も考えられる」「落下の可能性は低い」と述べたという。海兵隊側は、「飛び立つ前に間違いなく部品は外した。基地に帰ってきた後も部品の数はそろっている」と日本側に説明。落下の可能性を否定している(12月8日、時事)。〔掛札コメント〕12月7日の記事には、その部品の写真も載っていました。では、どうして屋根に? 「落ちてきた」と保育園側は言っているのに?

▶〔保育園に米軍ヘリから落下物〕12月7日午前10時20分ごろ、米軍普天間基地近くにある保育園(宜野湾市)で、屋根に物が落ちる大きな音がし、保育士が屋根に筒状の物が落ちているのを見つけ、警察や市に通報した。当時園内には、園児61人と保育士約10人が建物内や園庭にいたが、けが人はいない。落下物は、長さ約9.5センチ、直径約7.5センチ、重さ200グラム余のプラスチック製。防衛省関係者によると、当時付近を普天間基地配備のCH53ヘリコプターが飛行しており、警察が米軍に照会したところ、「ヘリコプターにつけていたカバーが外れたと見られる」と回答があったという。保育園は、普天間基地から約300メートルの住宅街の一角で、滑走路の延長線上にあることから、軍用機が頻繁に上空を通過している。(12月7日、NHK)

▶〔窒息死で市が謝罪〕大阪府堺市は、市が指定する障がい者一時預かり施設でダウン症の1歳児が食事をのどに詰まらせ死亡した(下の記事)にもかからわず、国に報告していなかったことについて謝罪した。保育所等の施設で重大事故が起こった場合、情報を把握した官公庁は消費者庁に報告する義務があり、消費者庁は再発防止のために情報を公表しているが、堺市は事故について1年以上も国に報告していなかった。12月13日の市議会で市の担当者は「消費者庁への通知義務については、その理解が十分でなかったため、認識できていなかった」と説明した。(12月13日、MBS)

▶〔ダウン症の児が誤嚥死亡〕大阪府堺市の「日中一時支援事業」施設で2016年11月、ダウン症の1歳9か月児が食事をのどに詰まらせ、8日後に死亡する事故があったことが、12月6日の同市議会で明らかになった。咀嚼・嚥下の力が弱いため、家庭では柔らかいものを食べさせていたが、母親が職員らに説明を求めたところ、通常食べさせている月齢以上のものだった可能性があること、食事中に児がせきこんだが食事をあげ続けた、などの証言を得たという。一方、施設側が市に提出した事故報告書では「食事介助終了直後に苦しそうになった」と、「食事の後」に起こったとしたうえで「判断に甘さがあった」と記されていた。議会では、報告がなかった理由、行政などの対応について質問が行われた。同事業は、市の基準を満たした施設が行っており、職員に保育士や看護師などの資格は必要ないが、市は答弁で保育士の配置など事業基準の見直しも検討すると答えた(12月6日、MBS)。〔掛札コメント〕特別な支援や医療的ケアを必要とする子どもを預かる施設には看護師(保育士だけではなく、まず看護師)を配置する、そのための財政的・人的な支援を明確にするべきです。この事例とは多少違いますが、保育園で医療的ケア児を預かる場合も、絶対に複数の看護師が必要ですし、保育士も複数の加配が不可欠です。そうしなければ、他の子どもたちの保育にも影響が出ます。また、明らかに命に関わる疾患等を持った子どもの場合、死亡等が起きた時に職員の心のケアを誰がするのか、まわりにいた子どもたちの心のケアを誰がするのか、その体制は日本にはありません。そうした条件を整えることなく、「とにかく預かる」でいいとは思いません。「子どもの命に何があっても」とたとえ保護者が言っても、万が一の事態が起きれば職員や周囲の子どもたちには影響があるのですから。

▶〔居眠りで路線バスが歩道に乗り上げる〕11月25日午後1時ごろ、東京都世田谷区内の区道で、路線バスが片側1車線の直線道路で電柱に衝突した。運転手(50代、男性)と乗客10人が病院に搬送されたが、いずれも軽傷。運転手は「居眠りをして前が見えなくなった」と話しているという。バスは歩道に乗り上げ、ガードレールを約20メートルなぎ倒しながら進み、電柱に衝突して止まったという。当時約15人が乗っており、歩道に人はいなかった。(11月25日、時事)

▶〔保育園の看板が落ち、児がケガ〕福岡市東区の民間保育園で今年9月13日午前10時頃、高さ約4.4メートルの2階ベランダのフェンスに、結束バンド6本でくくりつけてあったプラスチック製看板(90センチ四方、重さ約4.6キロ)が落ち、園庭で運動会の練習をしていた2歳児の額に当たった。児は額を数センチ切るなどし、病院で治療を受けた。児は事故後、登園を怖がり、休んでいる状態が続いているという。看板は月1回、保育士らが目視などで点検していた。同園は1か月余り、事故を市に報告していなかった。(11月18日、読売)

〔ボタン磁石が鼻の中でくっつき、手術〕ギリシャのキプロスで11歳児がボタン状の磁石を両方の鼻の穴に入れ、手術で取る事態に。放置すると、磁石が鼻中隔を圧迫し壊死する危険があることから、結局、全身麻酔をし、家庭用の強力な磁石を鼻の外側に当てて磁石を引きはがす手術に。成功したが、鼻中隔は穴があき、軟骨を覆う粘膜がはがれて、添え木を10日間あてがうことになった。粘膜が完全に元どおりに戻るまでに半年(The New England Medical Journal, Oct, 26, 2017)(日本語ニュースはハザード・ラボ、11月11日)。〔掛札コメント〕これは乳幼児もしますね…。幼児ならわざわざするかも、11歳同様に遊びで。


▶〔グラウンドの一部が突然陥没〕11月13日午前10時20分ごろ、大阪府堺市中区の市立中学校で、グラウンド中央の一部が突然陥没し、体育授業中だった2年生2人と女性講師が転落した。講師は自力ではい上がりケガはなく、生徒2人も間もなく助け出され軽傷。陥没でできた穴は縦2.4メートル、横0.8メートル、最深5.4メートルで、一時、地上から深さ約2メートルまで水がたまっていた。市教委は穴の周りをフェンスで囲い、グラウンド全面を使用禁止にした。この場所はかつて水田だったといい、井戸などがあった可能性があるという。市教委が陥没の原因を調べている。また、中学校から報告を受けた市教委は消防や大阪府警に通報しておらず、市教委は「忘れていた」としている。(11月13日、毎日)

▶〔組体操で死亡と、訴えを起こす〕昨年6月、広島県三原市にある大学附属中学校の3年生が死亡したのは、運動会の組み体操が原因であり、事故を未然に防ぐ安全対策を講じていなかったとして、遺族が大学を相手どって約9600万円の損害賠償を求める訴えを起こした。運動会で組み体操に参加した2日後、「頭が痛い」などと訴えて病院に運ばれ、脳内出血で死亡したもの。生徒は3段の移動ピラミッドの2段目にいて、遺族は「その際に後頭部に衝撃が加わった。そのまま退場した後、移動ピラミッドが崩れた」と主張。生徒の父親は取材に対し、「学校側は事故はなかったとする姿勢を変えなかった。真実を明らかにするため訴訟に踏み切った」と答えている。(JNN、11月2日)

▶〔遠足帰りにマイクロバス事故〕10月30日昼前、福島県本宮市の県道で、同市の男性(84歳)の軽貨物車と保育園のマイクロバスが衝突した。軽貨物車の男性は重傷。マイクロバスには75歳の運転手と保育士2人、保育園児18人が乗車していたがけが人はなかったよう。園児は秋の遠足を終えて保育園に戻る途中だった。(福島民友、10月31日)

▶〔組体操、重傷事故は依然1000件超〕昨年度の、組体操による事故件数(保険金を支払った件数)は5271件で、前年度より約3割減(日本スポーツ振興センター)。大幅な減少は、2016年3月にスポーツ庁が、安全を確保できない場合は実施を見合わせるよう通知したのが要因とみられる。しかし、骨折は1326件と全体の約25%(2015年度は2157件で約27%)。死亡事故は1997年度以降発生していないが、スポーツ庁の調べでは1969~1996年度に9件発生し、9人が亡くなっている。
 1990年に亡くなった中学3年生は、肩を組んで円形になって立ち上がっていく4段の「タワー」(完成すると高さ6メートル)の2段目にいた。全体のバランスが崩れて地面に落下。さらに胸の上に別の生徒が落ちてきて亡くなった。事故後、父母は学校側と話し合いを持ったが「一瞬の出来事だったので分からない」など、十分な説明は得られなかった。力学の専門家に原因分析の調査を依頼すると、タワーのバランスが保てなくなると、内側に崩れ落ちるのは瞬時で、複数の教師が近くで見守っていても、事故を防ぐのはほぼ不可能という結論が得られた。この父母はその後、群馬県桐生市で1983年に2段タワーから落下して頭部を打ち、死亡した小学6年生の遺族にも面会。2度と事故を繰り返さないでほしいと本にまとめ、学校などに配ったという(東京新聞、10月13日)。〔掛札コメント〕全体数は減ったものの骨折(重傷)の割合が変わっていないということは、全体の数が減っただけで、質的(安全面)で改善がみられていないことを意味すると言えます。安全の質が改善していれば、全体数に占める重傷の割合が下がるはずですから。

▶〔夜間照明が落下〕神戸市の市立中学校で10月6日、夜間照明1灯が落下したと教育委員会が発表した。けが人はなかった。照明は直径約50センチ、重さ約10キロ。6日午後3時ごろ、落下音に気付いた教員が確認した。照明は校庭に設置されたもので、高さ約14メートルの支柱に7灯が付いていたが、うち1灯が校庭脇のプール更衣室の屋上に落ちたという。ボルトの腐食が原因とみられる。他の6カ所計27灯については点検の結果、落下の恐れはないという。(10月7日、神戸新聞NEXT)

▶〔バス運転手が心肺停止〕10月8日午後1時過ぎ、兵庫県明石市内の国道で路線バスの運転手(男性、52歳)が走行中に意識を失った。運転席近くに立っていた乗客の女性がとっさにハンドルを操作し、バスは歩道側の縁石に乗り上げ、バス停にぶつかって停車。この女性が腰を打撲するなどの軽傷を負った。運転手は心肺停止の状態で救急搬送され、治療中という。バスはバス停に停車するため減速中で、女性はバス停の手前約100メートルで異常に気づいたという。当時、バスには女性を含め乗客7人が乗っていた(10月8日、朝日新聞)。〔掛札コメント〕またですか…。健診を受けていても、突然の異常自体をゼロにできるわけではないので、バスにはなんらかの安全装置が必要ですね、園バスも含め。

▶〔小学校の死亡事故で第三者委員会〕2014年10月、神奈川県平塚市の市立小学校前の市道で授業中に絵を描いていた小学校6年生が、車にひかれて死亡したのは学校の責任だったとして、遺族からの要望で設置された市の第三者委員会の会合が9月29日、初めて開かれた。この事故については市教委が内部調査を行ったが、聞き取り調査が不十分で、当時の担任教諭が市道で絵を描くように児童に指示していたにもかかわらず、誤った内容の調査結果が示されたと指摘した遺族の要望を受け、市は今年7月、第三者委員会を設置したもの。来年度中に再発防止策を取りまとめるという。児童の遺族が起こしていた裁判では今月15日、市や神奈川県などに対し、事故の責任を認める判断が示されている。(NHK、9月29日)

▶〔送迎バスに約5時間放置〕埼玉県さいたま市岩槻区の私立幼稚園で9月11日、送迎バス車内に3歳児1人が約5時間放置されていたことが9月29日、関係者への取材からわかった。児の健康に大きな問題はなかったが、園側は「乗車していた園児を全員降車させたか確認しなかった」と話しているという。バスは最初の運行が終わった午前9時半ごろ、駐車場に回送。児が発見されたのは、再び運行を開始する午後2時半ごろ。水分補給や食事を取らせた後、病院に向かった。バスは扉が閉まっており、児が開けられない状態になっていた。熊谷地方気象台によると、11日のさいたま市内の最高気温は30度だった。園は保護者宛ての文書で「本件については決してあってはならない重大な事案。被害を被ったお子様とそのご家族に心よりお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、再発防止策を報告。取材に対し「今やっと落ち着いて保護者への手紙が出せるようになったところ。保護者への対処が終わっていない段階で話せることはない」としている。保護者会を開くことも検討しているという(埼玉新聞、9月29日)。〔掛札コメント〕11日に起きた件について、「今やっと落ち着いて保護者への手紙を出せるようになった」とは…。元気だったからよかったじゃないか、という話ではありません。

▶〔ショベルカーが保育園敷地に転落〕9月26日午前9時半頃、札幌市中央区内の工事現場で、小型ショベルカーが約5メートル下の保育園の敷地内に転落、操縦していた土木作業員がショベルカーの下敷きになり、搬送先の病院で死亡が確認された。3人が保育園の上にある道路脇の林で、排水溝を造るために地面をならす作業をしていたところ、保育園の建物と崖の間の敷地に転落したもの。園児らに被害はなかったという。(9月27日、読売)

▶〔バス運転手、運転中に心筋梗塞で死亡〕9月22日午後9時30分頃、宮城県大崎市内の東北自動車道下り線で、走行中のバス(仙台市のバス会社)が急減速し、中央分離帯に接触した。その後も走行を続けていたため、客席の最前列にいた乗客2人が運転席に駆け寄った。運転手(男性、46歳)がハンドルに突っ伏していることに気づき、2人がバスを操作して停車させ、路肩に止めた。乗客21人にけがはなかった。運転手は意識不明で病院に搬送されたが、心筋梗塞で死亡。親会社によると、出発前の点呼では健康状態に問題はなかったという(読売、9月23日)。〔掛札コメント〕園の送迎バスでも起こりうることです。

▶〔ベッドガードで死亡〕東京都内で9月12日、生後6カ月児がベッドガードとマットレスの間に挟まり、死亡する事故が起きていたことがわかった。同様の死亡事故は8月にも都内で発生(こちらの9月9日参照)。消費者庁は9月22日、ツイッター (@caa_kodomo) で「できるだけベビーベッドに寝かせ、ベッドガードの使用は生後18カ月以降に」と注意を呼びかけた。(9月22日、朝日)

▶〔公園の遊具近くに穴〕長野市内の公園で、子ども用遊具近くの地面に直径約20センチの穴があるのを公園の管理人が見つけ、市に連絡した。担当者が9月11日、周囲の土を取り除いて調べると、穴は直径約2メートルに広がり、穴の中から古い井戸が見つかった。井戸は土で埋められていたものの、何らかの要因で空洞ができた可能性がある。市は、穴の周囲をフェンスで囲って転落を防止し、公園を立ち入り禁止にして今後の対応を検討している。(産経、9月15日)

▶〔テントが風で飛ばされる〕9月14日昼過ぎ、岐阜県大垣市の中学校で体育祭のためグラウンドに設置されていたテントが風に飛ばされて、支柱が生徒らに当たるなどして、5人がけがをして手当てを受け、ほかにも11人が痛みを訴えた。全員、軽傷と見られる。当時、約500人の生徒がグラウンドに出ていた。テントの支柱には重しとして水の入った18リットルのポリタンク4個がつけられていたが、突然の強い風で重しごと浮き上がり倒れたという。気象台によると、当時は強風注意報を出す状況ではなかったという。(9月14日、NHK)

▶〔充電器から出火〕9月11日午後1時過ぎ、JR山手線の東京~神田間の車内で、乗客が背負っていたリュックサックから煙が出た。この乗客は神田駅で下車し、駆けつけた駅員が消火器で消し止めた。リュックサック内のスマートフォンに接続された充電器(リチウム・バッテリー)が激しく燃えており、警察が出火原因を調べている(9月11日、各紙)。〔掛札コメント〕神経質なのかもしれませんが、私は留守の間に家で充電はしませんし、留守中に充電器でなにかを動かすこともしません…。「万が一」なので。

▶〔催涙スプレーを誤って噴射〕9月10日午前9時45分ごろ、名古屋市千種区の児童館で不審者対策用の催涙スプレーを児童が誤って噴射した。吸い込んだ11人が体調不良を訴え、小学生5人を含む9人が病院に運ばれた。全員軽症とみられる。10日は児童館でイベントが開かれる予定で、小学生らが集まっていた。スプレーは施設内の事務室に置いてあり、立ち入った児童が触ったとみられる。(9月10日、産経west)

▶〔ブランコ、使用中に壊れる〕静岡市は9月4日、清水区の公園で、ブランコの着座部とつり金具のチェーンを接続する固定用ボルトが外れ、8歳児が地面に落下する事故があったと発表した。後頭部などを打ったが、けがはなかった。ブランコの振動でボルトが緩んだことが原因とみられる。事故は1日に発生し、目撃者が市に連絡、同日から遊具を使用禁止にした。同種の接続金具を用いた区内4カ所のブランコも使用禁止にした。事故があった遊具が最後に点検されたのは4月13日。業務委託の定期点検は9月に予定していた。(静岡新聞、9月5日)

▶〔村民体育大会の看板が落下〕9月3日午前8時35分頃、宮城県大衡村の中学校校庭で行われていた村民体育大会で入場門の看板が落下し、小学1年生8人と40歳代1人、計9人の頭や肩に当たった。いずれも軽傷とみられる。看板は木製で、縦約80センチ、幅約5.5メートル、重さ約20キロ。約3.5メートルの高さから落下。村教育委員会によると、看板が針金で固定されていなかった可能性があるという(9月3日、読売)。〔掛札コメント〕行事が増える時期です。上にあるもの(看板や幕等)、立っているもの(ゴールポスト、テントの柱等)、張ってあるもの(横断幕、テント等)といったものが倒れる、風で飛ばされることがないよう固定、場合(特に天候)によっては使用中止の判断も。

▶〔プール死亡事故・続報〕園が8月26日に開いた記者会見で園長は、事故原因について「子どもから目を離したことに尽きる」と、当時その場にいた保育士2人がプールに設置された滑り台を片付けている間に子どもたちの監視を怠ったとした。24日はプールの最終日で、ブルーシートなどで作られた仮設式プールの一部を保護者が来て解体する予定だった。滑り台は安全面を考えて毎回園児をプールから出した後に職員が外しているが、現場の保育士2人の判断で園児をプール内に残したまま滑り台を片付けた。園長は「解体が来るので時間を早めよう、少しでもやりやすいようにしておこうと少し焦りがあった。3人態勢でやるところを2人でやってしまった」と説明。当時プールには3~5歳の園児20人がいて、目を離した時間は「30秒から1分ぐらい」という。その後保育士が気付いて振り返ると女児が浮いていた。記録は保育園に設置された防犯カメラの映像に残っていた。園長は「命を守る使命を持っていたのに、一番大事なプールから目を離さないことをせずに、重大な取り返しのつかないことになってしまった。本当に申し訳ない」と涙ながらに謝罪した。また、今夏は水不足の影響もあってプールの水を少なめにして遊んでいたが、先週は久しぶりに好天で暑い日が続いたため、園長らは「プールの水を多めに入れて遊ばせたい」と水量を増やした。深さは大人の膝の上ぐらいで、死亡した女児にとっては腹ぐらいだったという。県警によると、水深は70~95センチだった。さらに、子どもの発達状況を考えて普段は年齢の異なる子どもを同時にプールに入れないが、この時は3~5歳が一緒に遊んでいた。園長は「少しの時間だから『おいで』と言った。やめるように言っていたが、保育士2人の判断でやっていた」と話した。亡くなった児に既往歴は特になく、昼寝で少し咳をしていたが平熱だったという。(埼玉新聞、8月26日)

▶〔さいたま市プール事故、水深等〕プールはブルーシートなどを材料にした仮設式で、園庭に設置されていた。大きさは縦6メートル、横4.7メートル。地面が傾斜しており、深さは70~95センチだった。その時間、年長児から順番にプールで遊び、亡くなった児は入ってから数分後、浮いているのが見つかったという。保育園は2008年3月開園。園児数69人、職員数15人。(埼玉新聞、8月25日)

▶〔さいたま市プール事故、保育園側の説明によると…〕当時、プールでは19人の園児が遊んでいて保育士2人がついていた。プールに設置されていた滑り台を保育士2人が運ぶため30秒~1分、目を離した際に、事故が起きた可能性がある。通常、園児をプールの外に出した後に行う滑り台の片付けを、園児が入ったまま行っていた。この理由について、当日は最後のプールの日で、解体のために片付けを早く行うためだったのではと説明した。(各紙、8月26日)

▶〔8月24日のプール事故について〕プールは園庭に設置されたもので、縦6メートル、横4.7メートル、深さ70~90センチ。同日午後3時ごろから園児が交替で遊び、事故当時は3~5歳の19人が入っていた。園児の足が付く水位だったとみられる。午前中は、年齢別にプールの時間を設定していたが、午後は再びプール遊びを希望した異なる年齢の園児を一緒に遊ばせていたという。当時、プールでは保育士2人が監視にあたっていた。警察は、プールの防犯カメラの映像を分析するなどして、当時の対応に問題がなかったか調べている(各紙、8月25日)。〔掛札コメント〕記事をいろいろ読むと、「監視2人」だけのようで、その他に指導者がいたわけではなさそうです。また、既成のプールではないようなので、水深は場所によって違ったため、こういう書き方になっているのかもしれません。水深は深めの感じですが、数センチの水でも溺れますので…。2011年の神奈川県の幼稚園の死亡事故は、水深20センチでした。

〔保育園プールで4歳児死亡〕 8月24日午後3時半過ぎ、さいたま市緑区の民間保育園から「プールで遊ばせていた子どもが気づいたら浮かんでいた」と119番通報。意識不明の重体だったが、25日未明に死亡。当時、プールで19人の園児が遊んでおり、2人の保育士が監視にあたっていた。園児の1人が声をあげて指さしたところに児がうつぶせの状態で浮かんでいたという。プール(約6×5メートル)は屋外に設置されていて、深さは70~95センチあったということで、警察が当時の水深などを調べている(8月25日、各紙)。〔掛札コメント〕「2人で監視にあたっていた」というのは、これ以外にもう一人、指導係がいたということでしょうか? ともあれ「監視をしていた」かどうかではなく、「上の空にならない、別のことをしない監視行動をしていた」かどうかです。

▶〔送迎バスが1時間に3回の自損事故〕青森県立の養護学校の送迎バスが、8月22日午前7時10分ごろから1時間のうちに3度の自損事故を起こしていたことが取材でわかった。車内にいた児童・生徒や職員にけがはなかった、八戸市内の学校を出発直後、前方左側のライトを校門に接触。約20分後、交差点で停止線を越えて止まり、バックした際、信号機や電柱に付いている箱型の設置物に前方左側のミラーをぶつけた。3度目は市内のショッピングセンター出入り口付近で、縁石のようなものに前方右側のバンパーを接触させた。送迎バスの運行は、委託を受けた仙台市の業者が担い、運転していたのは青森県内の男性(66歳)。運転手を務めて3年目だが、事故を起こすのは初めてという。業者によると、送迎バスは営業車ではないため、運転前の呼気検査は義務付けられておらず、実施していないという。(8月23日、デーリー東北)

▶〔洗剤を日本酒瓶に入れ、誤って提供〕秋田市保健所は8月21日、同市の飲食店が、日本酒と間違えて厨房用洗剤を客2人に提供したと発表した。2人は口やのどの痛みや嘔吐などの症状を訴えて救急搬送された。1人は入院したが、命に別条はないという。洗剤は日本酒のガラス瓶の容器(300ミリリットル)に入れられていたが、ラベルに「洗剤」と書いていなかったため、従業員が18日、日本酒と思い込んで冷蔵庫にしまい、翌日、客に誤って提供してしまったという(8月22日、朝日)。〔掛札コメント〕以前はよくお話ししましたが、洗剤その他を水や飲料が入っていたボトルや瓶に移す、薄めるといったことは絶対にやめてください。安全の基本です。ラベルがなければ(あっても)おとなも間違えますし、子どもも(ラベルがあってもなくても)飲みます。

▶〔園バスが出合い頭に衝突〕8月23日午前10時40分ごろ、愛知県弥富市の市道交差点で、市立保育所の園児ら計27人が乗ったバスと乗用車が出合い頭に衝突。園児3人と保育士1人のほか、乗用車の1人(71歳)が軽傷を負った。現場に信号機はなく、乗用車側に一時停止の標識があった。(産経west、8月23日)

▶〔観覧車のドアを閉め忘れ〕JR鹿児島中央駅に隣接するビルの屋上にある観覧車で8月21日午後、大阪府の中学生ら3人を乗せたゴンドラのドアを開けたまま動かしたと、施設運営者が同日夜、発表した。乗り場係員がゴンドラのドアを閉めず、外から鍵をかけるのも忘れたという。3人は3メートルほど動いた時点で気づき、観覧車が1周する約15分間、内側からドアを引っ張り続けた。ゴンドラは透明で、約90メートルの高さまで上がるもの。けが人はなかった。同社によると、ゴンドラの鍵の閉め忘れを知らせる装置はなく、係員が施錠を目視し、手で触って確認するようにしている。乗り場には3人の係員がいたが、降車した乗客から指摘されるまで気づかなかった。2004年9月の観覧車開業以来、ドアの閉め忘れは初めてという(朝日、8月22日)。〔掛札コメント〕指差し声出し確認が徹底されていなかった、ということで。

▶〔都内のエスカレーター事故、5年間で40人が搬送〕エスカレーターに車いすやベビーカーを乗り入れたことが原因となった事故で、2011~15年の5年間に東京都内で計40人が救急搬送されていたことが8月11日、東京消防庁への取材で分かった。この5年間にエスカレーターの事故で救急搬送された人は6724人。うち、車いすが乗り入れたことで10人が、ベビーカーが乗り入れたことで30人がそれぞれ救急搬送された。車いすが横転する事故や、ベビーカーのバランスが崩れて男児が放り出される事故があったほか、下りのエスカレーターにショッピングカートを乗せ、そのまま転落したケースもあった。国土交通省によると、車いすやベビーカーでのエスカレーター利用は法令上、規制されていないという(産経、8月12日)。〔掛札コメント〕高松市で起きた死亡事故とコメントは、7月11日の記事をご覧ください。

▶〔かぜ薬を誤投与〕京都府木津川市は、公立保育園で1歳児のかぜ薬を誤って別の1歳児に飲ませたと発表した。児に健康上の問題はなかった。8月7日朝、薬を飲む児の保護者から薬と「与薬依頼書」を預かった。依頼書には児の名前などが書かれていたが、保育士2人は確認せず、別の男児の薬と思い込んでしまったという(産経west、8月10日)。〔掛札コメント〕ブログにも書いてありますが、そもそもかぜ薬を、園で昼にも飲ませる必要があるのでしょうか。「朝夕2回、ご自宅でお願いします」と、自治体が医療機関に働きかけるなどすれば済むことです。それでもどうしてもと言うなら、「できる限りミスをしないようには努力しますが、保育園は集団生活ですから間違って飲ませたり、飲ませ忘れたりということは起きる可能性があります。ご了承いただけますね」と伝えておくべきです(命に関わる薬を処方されていないことが前提ですし)。人間からミスをゼロにすることは、絶対にできません。誤食もそうですが、おとなのミスをゼロにしろと要求されるなら、保育園など誰も続けられなくなります。

▶〔指をほぼ切断する事故で提訴〕千葉県市川市の認可外保育園で今年6月、1歳2カ月児が木の引き戸に指を挟まれ、右手の薬指が爪の根元部分でほぼ切断される事故が起きた。神経も骨も切断され、一部の皮膚がかろうじてつながっていた大けが。両親は、園側の対応が不誠実だとして、園長を業務上過失傷害で刑事告訴。また、園の監督官庁である千葉県子育て支援課に、改善勧告を申し入れた。父親と代理人弁護士が8月10日に千葉県庁で記者会見し、明らかにした。(BuzzFeed、8月10日)

▶〔小学校プールで溺水〕8月1日午後1時40分ごろ、三重県四日市市の市立小学校のプールでこの学校の3年生が溺れ、監視中の保護者が救助した。男児は搬送時、呼び掛けに応じなかったといい、病院で治療を受けている。教委によると、学校は夏休みでプールを開放していた。当時は62人の児童が参加し、指導員1人と保護者6人で監視していたという。プールの水深は70センチ。(産経west、8月1日)

▶〔市民センターで洗面台が落下〕7月31日午後2時半ごろ、水戸市内の市民センターのトイレで、陶器製の洗面台が落下し、手を洗っていた小学4年生の足に当たった。児は右足の甲などにけが。洗面台は幅約160センチ、奥行き約70センチ、高さ約15センチ。約90センチの高さで壁に固定されていたが、何らかの原因で脱落したらしい。平成24年度を最後に点検していなかったという。(7月31日、産経)

▶〔加筆・ヘビに咬まれ、一時、意識不明の重体〕児がヘビにかまれた場所は宝塚市内の寺の参道だったと訂正。児の母親が勘違いして警察に説明していたという。児は、川沿いにある山道に友人とヘビを捕まえに行き、午前10時半ごろに左手の人さし指をかまれた。公園にはその後、血が止まらないため手を洗おうと立ち寄ったもの。また、男児は午後1時ごろにも友人宅で、捕まえたヘビをリュックサックから取り出そうとした際に右手首をかまれていたという(産経、7月31日)。
7月29日午後6時ごろ、兵庫県伊丹市内の公園で、近くに住む小学5年生がヘビに手首をかまれた。児は帰宅後、出血が止まらず頭痛を訴えたため、午後8時ごろに搬送され、一時意識不明の重体となったが、30日午後に意識が回復した。現場の公園は住宅地内にあり、ヘビは強い毒を持つヤマカガシとみられる。ヘビは体長60センチほどとみられる。日本中毒情報センターによると、ヤマカガシは水田に多く生息し、かまれると脳出血や急性腎不全で死に至る恐れがある。(7月30日、各紙)

▶〔幼稚園児が23人、ハチに刺される〕7月22日午前7時半すぎ、東京都あきる野市の宿泊施設から「園児がハチに刺された」と119番通報があった。東京消防庁などによると、宿泊していた都内の幼稚園児22人と女性教員の計23人が、散歩中にスズメバチとみられるハチに手足などを刺され、病院に搬送された。いずれも軽症という。消防隊員が周辺を確認したところ、巣が2つ見つかり、駆除したという。(朝日、7月22日)

▶〔病院看護師が1歳児を落とす〕兵庫県は7月21日、県立の3病院で起きた医療事故を発表した。合計4件が報告されたが、うち1件では今年5月、神戸市のこども病院で看護師が1歳児を抱き直そうとした時にバランスを崩して落とし、全治6カ月の重傷を負わせた。児は左頭頂部骨折や硬膜外血腫などと診断されたが、今のところ後遺症はなく、経過観察を続けている。(産経west、7月22日)

▶〔小学生のプール溺水2件〕7月20日午後4時半ごろ、千葉市の市営プール(50メートル)で、小学1年生が沈んでいるのが見つかり、監視員が引き上げて人工呼吸した結果、自力で呼吸できるまでに回復したが、意識は戻っていない。児は保護者と訪れ、水の中で遊んでいたが、その後、姿が見えなくなり、深さ約1メートル45センチのプールの底に沈んでいるのが見つかった。このプールは、おとなが付き添えば小学生も利用できるもの(NHK、7月20日)。
 7月19日午後4時過ぎ、埼玉県入間市の市営プール(50メートル)で小学2年生が溺れ、現場の監視員に救命措置を受けたあと、病院に搬送され、一時、意識不明の重体となった。容体は回復に向かっているという。児は同級生と一緒に遊びに来ていて、深さ約1メートル50センチのところで浮いているのが見つかった。このプールは、ふだんは監視員8人の態勢で監視を行っているという(NHK、7月20日)。〔掛札コメント〕事故事例のその後をお聞きしていると、息ができなくなった事象(溺水、誤嚥窒息、絞扼等)は、「(意識/呼吸が回復=元通りになった」では、必ずしもありません。

▶〔露天が飛ばされ、ケガ、やけど〕7月16日夕方、埼玉県上尾市のJR上尾駅前で行われていた夏祭りの露店が強風で次々に飛ばされ、飛び散った調理用油で10人がやけどをしたほか、1人が転んでけがをした。隣接する桶川市の夏祭り会場でも同日同じ頃、露店で調理に使っていた油が強風で飛び散り、店主が足にやけどをしたという。気象台にると、当時は埼玉県全域に「竜巻注意情報」が出され、上尾市に隣接するさいたま市では、午後6時47分に15メートルの最大瞬間風速を観測していた。(NHK、7月16日)

▶〔人数確認せず置き去り。保育課も事実を共有せず〕新潟市江南区の市立保育園で6月23日、職員3人が園児13人を連れて散歩した際、立ち寄った公園で園児の人数を数えず、1人を置き去りにした。通行人が園児を園に送り届けたため、大事には至らなかった。この事象について篠田昭新潟市長は7月10日の定例会見で「あり得ない話だ」と話した。また、市の保育課がこの3日後、市内の保育園などに人数確認を徹底するよう注意喚起文書を送った際、置き去りの事実に触れなかったことについても「間違った対応だった」と述べ、関係者に注意したと明らかにした。市長は「たとえ素人やボランティアでも、子どもを外に連れて行く時に人数を確認しないというのはあり得ない。認識の厳しさが足りない」と非難した。注意喚起文書でこの件に触れなかったことについても「(文書で事実を)伝えなければ、ほかの園は状況を把握できない」と指摘。保育課は10日、市内の保育園など約300施設に対し、置き去りが発生したことを伝えて注意喚起する文書をあらためて送った(新潟日報、7月10日)。〔掛札コメント〕事故後や、深刻事象のヒヤリハット後、自治体に報告するだけで終わり、園も自治体も事実を他園と共有しない例はいくらでもあります。「他人(園)の失敗/事故は自分(自園)の学び」です。共有してください。

▶〔エスカレーターで巻き添え死〕高松市内のインテリア店の上りエスカレーターで7月10日午前、車いすの妻と付き添いの夫が転落、後方にいた女性が巻き込まれて死亡した。夫が車いすの妻を2階から3階に向かうエスカレーター(高さ約5メートル、幅約1メートル)に乗せていたが、3階の降り口付近でバランスを崩し転倒。段差に引っかかったとみられる。夫婦の後方にいた女性が巻き込まれ、エスカレーターの中段付近まで転落。全身を強打し、同日夜、搬送先の病院で死亡が確認された。妻は車いすと共にエスカレーターの乗り口付近まで転落、肋骨を折るなどの重傷、夫も左腕に軽傷を負った。夫婦は同店で無料貸し出しされていた車いすを利用。車いすのエスカレーター使用は禁止されていたが、夫は「エスカレーターがそこにあったのでつい乗ってしまった」などと説明している。県警は過失致死容疑の可能性もあるとみて調べている(産経west、7月11日)。〔掛札コメント〕子どもを連れている時は要注意。たとえば私は、自分が大きな荷物を持って駅の階段を降りる時は、他の人が降り終わってからにします。または必ず手すりを持ちます。スマホを見ながら階段を降りている人がいるので、混んでいる時はやはり、他の人が降り終わってから降ります(自分が荷物を持っていなくても)。降りている時に後ろからぶつかられたら、ほぼ、自分を守る術はありませんし、自分が転げ落ちたら他人を巻き添えにします。上る時は、人が落ちてくれば気づきますが、エスカレーターでは逃げられない可能性があります(私がエスカレーターに乗ろうとした瞬間、上で高齢の女性が後ろ向きに倒れ、後ろの(やはり高齢の)人が支えていたということもあります(大声で店の人を呼びましたが)。自分(たち)の身を守る、他人を巻き添えにしない、というのは、便利な世の中、なかなか難しくなっています…。

▶〔送迎車の中で熱中症死亡〕7月13日午後3時20分過ぎ、埼玉県上尾市の障害者施設で、障害のある19歳の男性が車の中で熱中症と見られる症状で倒れているのが見つかり、搬送されたがその後、死亡した。施設側が約6時間にわたって車から降ろし忘れていたための熱中症が死因とみられる。朝、車で利用者を迎えに行き、午前9時ごろ、施設に到着して利用者を車から降ろしたが、その際、男性を降ろし忘れたとみられる。施設によると、男性は知的障害があり、自分で車のドアを開けることができないという。(NHK、6月13日)

▶〔うつぶせ寝で心肺停止〕山形県は7月4日、県立の乳児院で昨年12月、うつぶせ寝の状態で発見された児(当時0歳)が一時、心肺停止になっていたことを明らかにした。児は現在も入院中で、障害が残る見込み。昨年12月26日午後3時15分ごろ、職員が児を寝室のベビーベッドにあおむけに寝かせた。同25分ごろに職員が様子を確認した際は異常がなく、午後4時ごろ、うつぶせ状態で心肺停止となっているのが見つかったという。児は搬送され、心拍は再開したものの現在も入院中。同院には15分ごとに子どもの様子を確認する内規があるが、男児がうつぶせ状態で発見された際は、確認までに約30分の間隔があった。(河北新報、7月5日)

▶〔園児2人死亡の園、運営を再開〕川崎市川崎区の私立幼稚園に通う園児2人が相次いで死亡した問題で、自主休園中の園は6月23日に保護者会を開き、26日から運営を再開する方針を伝えた。市も、拡大するような感染症の可能性は低く、休園を続ける理由はないと説明した。保護者会では出席者約200人に、園側が経緯を説明。休園中に外部の業者を入れて園内を除菌したこと、園内の衛生管理や児童の安全管理を徹底することを強調した。保護者らは拍手で了承の意を示したという。一方、2人が死亡した原因はまだわかっていない。(読売、6月24日)

▶〔工事現場の鉄板が落下〕6月18日午後5時45分ごろ、渋谷区の工事現場で、足場の解体作業中に鉄骨が動きだし、鉄板(縦2メートル、横1メートル)が歩道に落下した。けが人はいなかった。現場はJR渋谷駅東口のバスターミナル近くにある再開発工事中のエリア。鉄骨は、工事現場と歩道を区切るパネルに寄りかかり、歩道の上空にせり出す形で止まったが、鉄板が歩道側に落下したという(朝日、6月18日)。〔掛札コメント〕工事現場は何が起こるかわからないと想定して、工事が始まったりした場合には、散歩コースを変えるなどしましょう。

▶〔園児2人死亡、「感染症の疑いはきわめて低い」〕川崎市川崎区の私立幼稚園の同じクラスに通う園児2人が今月、相次いで死亡した問題で市は6月16日、「感染症で死亡した疑いは極めて低い」との検査結果を公表した。今後、2人の臓器片を病理検査して死因解明につなげる。国立感染症研究所と川崎市健康安全研究所が2人の血清を検査したが、生死にかかわる感染症の病原体は見つからなかった。また、6月に入ってから川崎市立川崎病院で受診した同園の園児は54人いたが、重症者はいなかった。市は念のため、区内の幼稚園と保育所を対象に6月1~16日に感染症で欠席した児童数の調査を始めた。病名ごとに各日の欠席者数を19日までに報告させる。(毎日、6月17日)

▶〔「また」アレルギー児に誤食〕京都府宇治市の市立保育園で6月13日、誤食が起きたと市が14日に発表した。給食で卵焼きのメニューが出され、卵アレルギーがある2人の子供は代替食を持参した。冷蔵庫に保管してあった代替食それぞれの袋には名前が書かれていたが、0歳児の食事の際、保育士が名前を十分に確認せず、もう1人の子供の代替食を提供したという。同市では小学校を含め、食物アレルギーの子供への除去食誤配などが4月以降相次ぎ、今回で3回目(産経west、6月15日)。〔掛札コメント〕ニュースのタイトル自体が、「また食物アレルギーでミス」です。当ページで「宇治市」と検索していただければ、4月と5月の誤食のニュースも出てきます。確かに、今回の取り違えは指差し声出し確認をして名前を読んでいれば、防げたはずです(与薬ミスでよく起こりますが、声に出さないと思い込みのまま行動できてしまうのが人間。そこに書かれている名前を指で追いながら口に出して読まなければダメです)。では、「宇治市はなにしているの?」…、おそらく違います。発表、報道がなされていないだけで、誤食はどこででも起きています。ちなみに、今回のケースは「取り違え」ではありますが、どちらもタマゴ除去の代替食だったのですから、実際には「誤食」ではないのですよね…(2人とも卵のみの除去だとすれば)。食物アレルギーのできごとは、子どもが自分で手を出してしまったり、友だちからもらったりした場合でない限り、すべておとなのミス(ヒューマン・エラー)です。調理・配膳の流れの改善や指差し声出し確認によって減らすことはできますが、ゼロにはできません。その点をわかっておいてください。社会も「誤食イコールすべて過失」的なイメージを持たないでいただきたいと思います。誤食をゼロにしろと言われたら、保育施設も学校も食事など提供できなくなります。人間からミスをなくすことはできませんので。

▶〔3年生が施設で溺死〕6月14日午後7時前、大阪府太子町の障害児入所施設で、「児が浴室でおぼれた」と119番があった。救急隊が駆け付け、入所する3年生を意識不明の状態で救急搬送。15日未明に病院で死亡した。児は他の児童約15人や職員3人と入浴していた。様子がおかしいのに気付いた職員が浴槽から引き上げ通報。脱衣所で職員から心肺蘇生を受けていた男児を救急隊が搬送したという。(毎日、6月15日)

▶〔幼稚園児が2人死亡。原因は調査中〕川崎市川崎区の幼稚園で同じクラスに通っていた4歳児2人が、今月6日と12日、発熱などの症状を訴え体調が悪くなって死亡していたことが明らかになった。感染症の可能性も否定できないとして、市は詳しく調べている。6日に亡くなった児は2日前から発熱やおう吐、胸の痛みを訴え、病院で急性胃腸炎と診断されたが、6日未明におう吐などの症状が悪化し死亡。12日に亡くなった児は、その日の朝、発熱など風邪のような症状で園を欠席し、午前11時ごろになってけいれんを起こした状態になり死亡した。これまでに他の園児や家族などで同じような症状を訴えている人はいないという。(各紙、6月15日)

▶〔跳び箱で首の骨を折る〕横浜市内の中学校で5月11日、体育の授業で跳び箱中の2年生が、体勢を崩してマットに頭から落ち、首の骨を折るなどの重傷を負った(フジテレビ系FNN、6月9日)。これに関連して、J-CASTニュース(2016年11月27日)によると、2015年度には跳び箱による事故は小学校だけで1万4887件起きており、うち骨折や靭帯損傷を伴う大きな事故は6117件で、事故全体の41.1%にも及ぶ(日本スポーツ振興センターの調査)。同センターが調査を始めた2011年度以降、毎年1万4000件以上(数字は小学校、以下同)起きている。競技種目別で見ても、事故の発生件数が最も多い。過去11年間のデータでは、跳び箱によるけがで障害が残った小学生は19人。2011年には、北海道網走市の高校1年生が体育の授業中に跳び箱の跳躍を誤って腹部を強く打ち、内臓損傷で死亡した事故が起きた。〔掛札コメント〕うーん、「跳び箱もやめよう」という話になっていくのでしょうか…。それはちょっと…。個人的に、私はいわゆる運動神経がよくない人なので(でも、今は筋トレが趣味)、跳び箱は超不得意でしたし、怖かったのも事実です。そういう子どもであってもじょうずに指導すれば落ちない? そうかも…。逆に(よく言われますが)「子どもたちがからだをもっと動かしてケガを経験していけば、大きな事故は防げる」? 確かに、からだの動かし方を知れば、小さなケガは減るでしょうし、一種「じょうずに転ぶ」こともできるようになるかもしれません。けれども、できるようになったら無茶をするのが子ども。できるようになったら、もっとやってみたいのが子ども(おとなだってそうですよね)。つまり、できる子どもであれば、深刻なケガのリスクは高くなるのです。私は登り棒にも登れませんでしたが、ということは「落ちない」。登り棒に登れる子は登るから、上から落ちるリスクがあるわけです。「小さなケガが大きなケガを防ぐ」というのは、一面で正しいのですが、一面では認知の誤りです。

▶〔溺水で書類送検〕福岡市の認可保育所で昨年11月、1歳児が雨水ますに頭が入った状態で見つかり、一時意識不明となった事故で、警察は園長と保育士の計4人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。雨水ますは直径約30センチ、深さ約40センチ。当時、水が深さ8センチほどたまっており、樹脂製のフタがはずれていた。以前にもフタがはずれ、職員から「危険だ」という指摘が出ていたということで、警察は園長が危険性を認識していながら、ふたが開けられないよう対策を取らなかったうえ、保育士も見守りを怠ったとした(各紙、5月31日)。〔掛札コメント〕こういうできごとでいつも思うのですが、なぜ、法人の理事長等は書類送検されたりしないのでしょうか。樹脂製のフタをコンクリートの重いものにするのは、法人の意志がなければできません。そういったことを法人がしておかないで、「保育士が見守れ」、そして、なにかあったら現場だけが責任を負う構図というのはどうなのかと思います(人間は見守れませんし、現場の配置はそもそ不十分ですし、水等は数分で結果が出てしまいます)。こういう状態では、ますます保育の仕事につきたくなくなるのではないかと。

▶〔幼稚園で不審火〕5月30日午前8時20分頃、大阪市都島区の幼稚園の3階から出火。室内にあった衣類や床など約5平方メートルを焼き、約1時間20分後に鎮火。当時は通園時間帯で、園内には園児11人と職員7人がいたが、避難して無事だった。警察によると、部屋には衣装や人形などが保管されており、火の気はなかったという。16日にも教室にあった段ボールなどが燃えるぼやがあり、同署は連続不審火の可能性があるとみて調べている。(読売、5月30日)

▶〔送迎バス事故。運転手の体調急変?〕5月30日午前8時ごろ、大阪府八尾市内の市道(見通しのよい片側1車線の緩やかな右カーブ)で、松原市の幼稚園の送迎バスが歩道に乗り上げて植え込みに突っ込み、園児6人と運転手、付き添いで乗っていた女性従業員の計8人が軽いけがをした。その後、女性従業員が「運転手の様子がおかしいのに気づき、反対車線に突っ込んでしまうと思って、とっさに人のいない歩道側にハンドルを切った」などと話していることが取材からわかった。運転手は事故について「よく覚えていない」などと話しているということで、警察は、運転手の体調が急変し事故につながった可能性があるとみて調べている。(NHK、5月30日)

▶〔走行中の車から転落〕5月29日午後3時半ごろ、長崎市内の市道を走行中の車から小学校4年生が路上に落ちた、と119番があった。放課後、市内の福祉施設へ向かう途中で送迎用ワゴン車から転落したといい、頭を強く打ち大けが。車は施設の職員が運転していた。後ろに座っていた児はシートベルトをはずして窓から身を乗り出していたとみられる。(産経west、5月29日)

▶〔病院でうつ伏せ死亡〕大阪市内の病院に入院していた生後5か月児が今年1月、うつ伏せの状態で心肺停止になり、その後死亡していたことが明らかになった。ミルクを飲む量が少なく、脱水症状を起こす可能性もあると診断され、近くの小児専門病院に入院。点滴をして観察ということだったが、入院の夜、病院から電話があり、両親が駆け付けると、児は心肺停止状態。蘇生したものの、救急搬送された別の病院で「脳死状態」と診断された。母親によると、「顔の色が白くなっていてうつ伏せの状態で、心臓が動いていないのがわかった(と言われた)」。そして入院から3週間後、死亡。両親が元の病院に説明を求めると、病院は「心肺停止で発見された時はうつ伏せの状態で、12分前にも大駕ちゃんがうつ伏せで声を出して泣いているのを看護師が見ていた」と説明、両親に病室内の監視カメラを見せた。「バタバタして動いていたが、こうなった(うなだれた)状態で動かなくなった。カメラで遠くても見てわかる」と父親。病院は両親に「うつ伏せが心肺停止の原因ではない」と説明、取材に対しては「お話しすることは何もありません」とコメント。司法解剖の結果、死因は「低酸素脳症」とわかり、警察は事故と病死の両面で捜査している。(MBS毎日放送、5月25日)

▶〔7か月児が睡眠中に死亡〕鹿児島市の認可外保育施設で4月25日午後10時半ごろ、7カ月児が就寝中に死亡していたことが5月26日、明らかになった。ベッドで寝ていた児が心停止の状態になっているのを園長が発見。搬送されたが26日未明に死亡が確認された。目立った外傷はなかったという。認可外保育施設では原則2人以上の職員を配置するよう定めているが、当時は児を含む0~5歳児6人を園長1人で世話していたという。市が昨年10月に立ち入り調査した際は職員配置に問題はなかった。市は4月27日、職員配置を是正するよう指導、施設は5月31日に廃止するという。(毎日、5月26日)

▶〔車内からロックをかけ熱中症〕5月22日午前10時50分頃、島根県松江市で「子どもが車内に40分間、閉じ込められて外に出られない」と119番通報があった。救急隊員らが、業者が開けた軽乗用車から2歳児を救助して搬送。児は熱中症と脱水症と診断されたが、意識はあるという。母親が駐車場で車から降りた後、児が車内から誤ってロックをかけ、開けられなくなった。松江地方気象台によると、同日午前11時38分、今年最高となる29度の最高気温を観測。(読売、5月23日)

▶〔容器移し替えで消毒用アルコールを誤飲〕秋田県の北秋田市教育委員会は5月19日、市立小学校で17日の給食後に歯磨きをしていた際、2年生担当の男性教員が手指消毒用のアルコール液を誤って洗口液として児童のコップに注いだと発表した。児童22人のうち18人が口に入れ、口の中がピリピリする」と申し出たため、何度もうがいするなどの処置をとった。健康被害などは報告されていない。教委によると、手指消毒液の容器が破損したため、洗口液と同種類の容器に入れていたという。教員が取り違えたとみられる(毎日、5月20日)。〔掛札コメント〕洗剤や消毒液を別の容器や空きペットボトルに入れるのは危険です(薄め液も)。特に、子どもにとっては、「ペットボトル=飲んでいいもの」です。小学生ならむやみには飲まないのかもしれませんが、未就学児なら飲みます。おとなでも、ペットボトルに分け入れてあった農薬を飲んで死亡する例はありますから。

▶〔水の死亡事故、5年間で202件〕消費者庁が、厚生労働省の人口動態調査に使われる調査票をもとに、14歳以下の子どもが海や川、プールなどで溺れて亡くなった事故を調べたところ、平成26年までの5年間で202件であることがわかった。年齢別にみると、7歳が最も多く23件、次いで6歳20件、8歳16件など。事故は5~9月にかけて集中し、最も多い8月は61件、7月48件。海や川などで事故を防ぐための注意点として、消費者庁は、子どもだけで遊ばせず必ずおとながつきそい、目を離さないようにすること、天候の変化に注意すること、ライフジャケットを着用することなどを挙げている。(NHK、5月17日)

▶〔遠足帰りの観光バスが事故〕5月14日午後2時40分ごろ、神戸市北区の県道で大型観光バスと対向車線の乗用車が正面衝突した。乗用車に乗っていた1人が死亡、運転者ら3人が重傷。バスは兵庫県小野市の保育園(園児26人、保護者ら29人)の遠足帰りで、おとな4人が軽傷。園児にけがはなかったが、1人が体調不良を訴えた。現場は見通しの良い片側1車線の緩いカーブで、乗用車が中央線をはみ出したとみられる。(毎日、5月15日)

▶〔エスカレーターでケガ〕5月13日昼過ぎ、千葉県佐倉市にある商業施設の下りエスカレーターで、3歳児が手すりのベルト部分に右手の甲を挟まれた。エスカレーターは自動で緊急停止し、児は約2時間後に消防などによって救出された。右手打撲の軽傷。警察などによると、児は母親と2人で来店。母親と店内を歩いていたが、母親が目を離した間に右手の甲がエスカレーターの巻き込み部分に挟まれたという。(朝日、5月13日)

▶〔熱中症で19人搬送〕埼玉県越谷市の小学校で5月11日、1~6年生19人が、熱中症とみられる症状で体調不良を訴え、救急搬送された。午前8時15分ごろから、全校児童約千人がグラウンドで運動会に向けて校歌などを練習していた。同9時10分ごろ、119番があった。県保健体育課は「夏前の今の時期は、まだ体が暑さに慣れていない。気温だけで判断せず、屋外、屋内にかかわらず運動をするときは注意してほしい」と呼びかけている。気象台によると、越谷市の午前9時の気温は21.4度だった。(埼玉新聞、5月12日)

▶〔4歳児の死亡で検証委員会設置へ〕滋賀県大津市内の私立保育園で2014年7月、午睡中の4歳児が嘔吐物をのどに詰まらせて窒息死していたことが5月8日までにわかった。両親によると、同年7月22日午後2時半ごろ、午睡をしていた児の意識がなく、呼吸もしていないのに保育士が気付き、119番した。保育園側は心臓マッサージをしたが同4時すぎ、搬送先の病院で死亡が確認された。遺体は司法解剖され、調べた医師は、既往歴からけいれん発作を起こした可能性を指摘したという。両親によると、園側は当初、室内には2人の保育士がいたが児から離れた場所にいて異変に気づかなかったと説明。その後、2人とも児の近くにいたと説明が変わるなど、事故当時の詳しい状況はわかっていないという。両親は納得のいく説明が得られなかったとして、今年2月に大津市に検証委員会の設置を求めた。市は外部検証委員会を近く設置する方針。園側は「万全の体制で保育をしていた。保護者にも説明してきた」としている。(京都新聞、5月8日)

▶〔園児を一時、園庭に「置き去り」〕横浜市内の認可保育所で、3歳児が園庭に一時的に置き去り状態にされたとして、市が児童福祉法に基づいて同園を立ち入り検査し、園側を口頭で注意していたことがわかった。3月24日、園庭で遊んだ後にこの児が保育室に戻らなかったことから、保育士が児を残して1~2分程度、保育室のカーテンや窓を半分閉めるなどしたため、児が置き去りにされる形となったという。通報を受けて4月1日に立ち入り検査を実施した市は「安全管理上の心配があり、不適切だった」としている。園は取材に対し「カーテンの生地は薄く、声がけを続けるなど様子は確認していた」とする一方、「柔軟性が足りなかったことは事実で、指導方法を改善したい」としている(読売、5月4日)。〔掛札コメント〕え、園庭でしょう? 見渡せないほど広い園庭なんでしょうか。これも「園庭に一時的に置き去りにした」っていう事態なのか…。うーん。

▶〔脱水機に腕を巻き込まれ重傷〕4月28日夕方、静岡県下田市の市営屋内温水プールで小学2年生が脱水機に右腕を巻き込まれ、3カ所を骨折する重傷を負った。施設を管理運営する下田市振興公社によると、脱水機の自動停止装置が故障していたとみられ、警察が業務上過失傷害の疑いで調べている。 児が更衣室で着替え中に作動していた脱水機の中から物を取り出そうとし、腕を巻き込まれたという。脱水機は直径約30センチ、高さ約60センチのポータブル式。作動中でもふたを開けると、10秒以内に自動停止する装置が付いていたが、故障で回転が止まらなかったとみられる。2016年4月から、水着などの脱水用に男女の更衣室に1機ずつ設置していたもの。(静岡新聞、5月2日)

▶〔園バス事故で子ども6人がケガ〕5月2日午後2時ごろ、埼玉県ふじみ野市の交差点で幼稚園バスと軽乗用車が衝突し、園児6人を含む8人が軽いけがをした。 バスには園児など21人が乗っており、うち3~5歳児6人がけがをして病院に運ばれたがいずれも軽傷。軽乗用車に乗っていた夫婦も軽傷。現場は信号機のない交差点で、軽乗用車が走行していた道路の方に一時停止の標識があった(NHK、5月2日)。

▶〔公園の噴水で重傷〕2016年6月、大阪西区の市営公園で4歳児が人工池(深さ約20センチ)の噴水で父親と遊んでいたところ、勢いよく出た水が陰部にあたり、重傷を負った。池には、数十秒間隔で水柱を作る噴水があり、児は水中にある噴き出し口をまたぐようにしてしゃがんだ。その直後、水が噴出し、児は「痛い!」と叫び、泣き始めた。パンツが血で赤く染まっていたという。両親が児を連れてタクシーで近くの病院へ連れていったが止血できず、別の病院へ救急搬送された。女児は止血手術を受け、4日間入院した。手術をした病院によると、パンツはやぶけておらず、傷は体の表面ではなく陰部の中だった。体内から小石などの異物も見つからなかったことから、水流による傷と判断。この病院の小児科医は「水圧や水の角度、噴き出し口との距離などいろいろな条件が重なったことによるけがと思われる」と話した。大阪市の公園事務所によると池は立ち入り禁止で、貼り紙で「危険です 入らないでください」と注意を促していた。しかし、子どもでも容易に入ることができ、子連れでよくこの公園を訪れる人は「暑い日は10人以上の幼児が池で遊んでいる。手や足で噴水の噴き出し口を塞ごうとする子たちを見たことがある」と話していた(朝日、4月28日)。〔掛札コメント〕これは盲点…。じゃぶじゃぶ池のたぐいには、このような危険はないと思いますが要注意。しかし、入れる状態にしておいて、「危険です、入らないでください」はないでしょう…。なにかあったら「入った人の責任」と言えるようにしているだけとしか思えませんが。

▶〔道路標識が倒れる〕4月25日午前、さいたま市浦和区の市道で長さ3メートル60センチ、重さ約18キロの道路標識が根元から倒れ、歩いていた女性に当たって肩に軽いけがをした。倒れた標識は平成4年に設置されたもので、警察が調べたところ、根元の部分が腐食していた。道路標識の鉄柱部分は犬や猫などの尿で腐食することがあるということで、埼玉県警は7年前から腐食しないタイプの標識の導入を進めているが、まだ全体の7%ほどしか導入できていない。(NHK、4月25日)

▶〔遊具事故の児、死亡〕大阪市住之江区の公園で1月31日、小学1年生が遊具にはさまって首を圧迫され、意識不明の重体となっていた事故で、児が4月2日、入院先の病院で死亡したことが大阪府警への取材から明らかになった(朝日、4月22日。元の記事は1月31日)

▶〔多すぎた石灰が溶け、化学やけど〕神奈川県川崎市の河川敷で4月1日、ジョギングしていた3人が、水たまりにはまった後、足にやけどをしたような痛みを訴え、河川敷の工事をしていた国土交通省が調べたところ、舗装工事で誤って多く使いすぎた石灰が雨でしみ出し、強いアルカリ性の水たまりができていたことがわかった。いずれも強い化学物質が皮膚に接触することで発症する「化学やけど」と診断され、一緒に走っていた10人ほどのグループの、ほかのメンバーも同じ症状を訴えたと話しているという。(NHK、4月20日)

▶〔雲梯に登ろうとした理由は?〕 下の雲梯事故に関連して、4月12日の朝日新聞に「うんていは、前日に入所したばかりの女児の妹がいたゼロ歳児クラスの前にあった。事故直前、女児が妹の様子を見ようと近くのフェンスにのぼっているのを室内の保育士が注意していたという。その後、保育士が女児の異変に気づき、保育所にいた看護師が救助し、救命措置を行ったという」、つまり、この子が「妹を見たい」と外で頑張っていたのはわかっていたわけです。のぼろうという意図を持っている3歳児に「そこ、のぼっちゃダメだよ」と言ったら、別の所にのぼるのは当然。妹の様子を見たいのだろうと気づいたなら、なぜ保育者がその気持ちに対応してあげなかったのか?です。

▶〔雲梯の図〕 香川県善通寺市の保育施設で3歳児が雲梯に首が挟まれた事故で、児は自発呼吸を回復した。雲梯は全体の高さが約140センチあり、首を挟んだ水平方向の柱までの高さは約100センチ。児は午前9時20分ごろに遊び始め、約10分後に職員が異変に気づいて119番した。警察によると、児は雲梯の下部にある支柱を足場にしてよじ登り、水平方向の柱などの間で頭部を挟んだ状態で遊んでいるうちに、足を踏み外した可能性が高いという。(産経west、4月13日)


▶〔雲梯の写真もう一枚〕 このNHK(4月12日)の記事では雲梯の「手すり部分に頭をはさまれて宙づりになって」いたと書かれていますが、手すりって…? ともあれ、棒と棒の間はかなり狭い。高さは1メートル。


▶〔雲梯で心肺停止〕4月12日午前9時半ごろ、香川県善通寺市の民間保育施設(園児120人)から「3歳児が遊具に挟まれた」と119番があった。児は心肺停止状態で、病院に搬送された。保育施設によると、当時は屋外で遊ぶ時間帯で、児は子ども用の雲梯で遊んでいたが、首がかかっているのを職員が見つけ、通報した(産経west、4月12日)。〔掛札コメント〕屋外で遊ぶ時間といっても、まだ子どもの登園が終わっていない時間帯なのでは…? 来た子どもたちから外で遊ぶというシステムは良いのですけれども、登園時の受け渡しに職員の手をとられてしまいますから、どうしても見ていられないと思います。

▶〔側溝に転落、救出〕4月11日午後2時前、山梨県都留市内の側溝に、近くの小学2年生が誤って転落。約140メートル流された下流で約5分後に救出され、搬送された。低体温症の症状がみられ、頭を打つなど軽傷を負ったが、命に別条はなし。警察によると、児は側溝(幅50センチ、深さ45センチ)に足を入れて遊んでいた。側溝の大部分にコンクリート製の蓋があるが転落した場所に蓋はなく、降雨で水深約15センチまで増水。 児は流された後、格子状の蓋に内側からしがみ付き、助けを求めているところを通りかかった人に発見された。周辺に下校中の児童らがいたが、児は1人で離れた場所にいて転落したとみられる(産経、4月11日)。〔掛札コメント〕 この幅、深さ、水深の側溝で小学校2年生が流されるのですね。ということは、未就学児は当然流されると思っておいたほうがよいでしょう。

▶〔ブランコが落下〕 4月6日午後2時15分ごろ、東京都大田区の公園で小学校2年と3年の児4人がブランコで遊んでいたところ、上部の金具がはずれてブランコが落下した。ブランコは3本の鎖でタイヤを固定したもの。4人は背中を打つなどして搬送されたが、いずれも軽傷。(朝日、4月6日)

▶〔2メートルの遊具から落下〕3月30日午後5時半ごろ、山口県岩国市内の公園に設置した木製複合遊具の雲てい(高さ約2メートル)から、小学校1年生が落下。児は右手首を骨折した。市が点検したところ、雲ていの握り棒の回転を防止するボルト12本のうち1本が緩んでいた。男児が手をかけた際、棒が回転したのが落下の原因とみられる。市はマニュアルに従い、年4回の定期点検を実施。この遊具については2月に定期点検し、3月にも職員が目視と触診をしていたが、緩みを発見できなかった、としている(毎日、4月1日)。〔掛札コメント〕手首骨折ですんでよかったです…。以前になにかのニュースでありましたが、悪意で緩めてあった可能性もなきにしもあらずですね。

▶〔歩道橋から転落〕 4月2日午後2時半ごろ、埼玉県行田市内の歩道橋から1歳6か月児が転落、頭を強く打つ大けがをした。歩道橋は高さ5メートルほどで、両脇に20センチ前後の間隔で柵が設けられている。父親が目を離したすきに児が柵の間から歩道に転落したとみて警察が調べている。(NHK、4月2日)

▶〔二輪遊具で車と衝突〕3月24日午前10時30分ごろ、千葉県八街市内の市道で、4歳児に乗用車が衝突する事故が起きた。児は頭部強打の重傷。現場は車線区別のない直線区間で、横断歩道や信号機は設置されていない。児がキックバイク(ペダルのない幼児向け二輪遊具)に乗って道路を横断していたところ、右方向から交差進行してきた乗用車にはねられた。車を運転していた20代男性にケガはなく、警察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)容疑で事情を聞いている。男性は「男児が左側から飛び出してきて、避けられずに衝突してしまった」などと供述しているよう(Response.jp、3月28日)。〔掛札コメント〕キックバイクのひとつ「ストライダー」のウェブサイトでも、公道は「使用禁止」と書いてあります。キックバイクで子どもを走らせながら登園してした事例もあります。危険ですから、気づいたら絶対にやめさせてください。 もちろん、保育者が言って保護者がやめるわけではないと思いますが、園の外で万が一のことがあった時、「あの時、言っておけば…」という後悔だけはしないですむかもしれません。

▶〔睡眠中死亡で書類送検へ〕昨年4月4日午後、大阪市淀川区の認可外保育施設で1歳2か月児が午睡中に亡くなった件で、警察は14日にも当時の施設長、保育士、職員の3人を業務上過失致死の疑いで書類送検をする方針。当時、保育士と職員の2人で11人の子どもを見ていた。児は2時40分ごろに午睡を始めたが、同3時ごろから職員が目を離し、3時15分ごろにうつぶせの姿を確認。25分ごろ、うつぶせでぐったりしている児に保育士が気づいた。すぐに人工呼吸をし、救急搬送したが病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、児の死因はのどに嘔吐物を詰まらせた窒息死。(朝日、3月13日)

▶〔犬に咬まれ、死亡〕3月9日夕方、東京都八王子市の民家で、生後10か月児がこの家の飼い犬のゴールデンレトリバー(4歳、体重約37キロ)に頭を咬まれ、約2時間後に死亡した。現場は児の母親の実家で、当時は祖父母と3人で今にいた。犬は屋内で放し飼いにされていたが、祖父母は「ほえたりかんだりしない、臆病でおとなしい犬だった」と説明しているという。
 環境省によると、犬のかみつき事故は4373件(2015年度)で、98%が飼い犬(朝日、3月9日)。〔掛札コメント〕この事例は屋内ですが、散歩中、犬を放し飼いにしている人をみたら通報を。私のまわりでも散歩中に犬に咬まれた、または咬まれそうになった事例はあります。また、「うちの犬、おとなしいからさわっていいよ」と言う飼い主もいます。この時はじゃけんにできないので、「ごめんなさい、犬アレルギーで喘息の子どもがいるので」と丁重に断りましょう。

▶〔下の事故、詳細〕 児は、車後部の収納スペース(サブトランク、横約60センチ、縦約35センチ、深さ約30センチ)に頭を突っ込んだ逆立ちの状態でみつかった。外傷はなく、首に体重がかかったことによる窒息死の可能性が高いという。児が発見された時は、バスケットボールがサブトランクの外に出ていた。児がボールを取り出そうと後部座席から身を乗り出し、体勢を崩して頭から落ち、身動きできなくなったものとみられる。車は自宅の壁ぎりぎりに後部を寄せてとめており、バックドアは開かない状態。横のドアが開いた状態で、児は発見された。この車のメーカーは「聞いたことのない事故」と話している(読売、3月10日)。〔掛札コメント〕「聞いたことがない」なら、不幸にも起きた以上、このような事故が起こりうるという想定が(メーカーにも車の利用者にも)必要です。「起こるわけがない事故」と言っていたら、また次に似たようなことが起こります。下に書いたように、保育室でも起こりうるタイプの事故ですから。



▶〔車の収納スペースで死亡〕3月8日夜、埼玉県内で小学生がとめてあった軽ワゴン車の後ろの収納スペースで頭を下にして動けなくなっている(心肺停止状態)のが見つかり、搬送されたが約4時間後に死亡が確認された。警察は、この児童が後部座席から身を乗り出し、収納スペースに置いてあった遊具を取ろうとして身動きが取れなくなったとみて、死亡した原因や当時の状況を調べている(NHK、3月9日)。〔掛札コメント〕園の事故ではありませんが、園でも十分起こりうるので掲載しました。収納のない保育園では、パーテーションや段ボールで部屋の隅を区切って玩具などをまとめて置いています。そのような状況下で起こりえます。「見ているから大丈夫…」。(その時に)使っていない別の部屋に子どもが一人で行っておもちゃをとろうとしたら? 「でも、収納場所がない…」。まずはたとえば、今、使っていない部屋には子どもが入らないよう、「指差し声出し確認で鍵かけ!」です。ただ、保育室の鍵は、背の高い幼児なら頑張って開けられてしまう高さなんですがね…。

▶〔クレーン車が転倒〕 3月8日、東京都世田谷区内の道路拡幅工事現場で、作業中のクレーン車(25トン)が転倒し、長さ約21メートルのアーム部分が近くの電線に接触、付近が一時停電した。けが人はなかった。約5トンのコンクリート材をつり上げた際にバランスを崩して倒れたもの(読売、3月8日)。〔掛札コメント〕クレーン、転倒するんですね。やはり「あそこで工事が始まったよ」という情報共有と、散歩コースの柔軟な変更・周知は大切です。

▶〔飛び込みで頚髄損傷〕 鳥取県湯梨浜町の小学校で昨年7月、6年生が放課後の水泳課外授業中、教諭の指導下でプール(水深90センチ)に飛び込み、頚髄を損傷、6日間入院するケガを負っていたことが3月2日、わかった。児は現在も手などにしびれが残り、リハビリを続けている。町教育委員会は2日、調査委員会を初開催した(東京新聞、3月2日)。指導にあたった教員の1人が、飛び込みが苦手な複数の児童を「腹打ち三銃士」「腹打ちの女王」などと呼んでいたことがわかった。ケガをした児童も「失敗したら自分もおかしな呼び方をされる」とプレッシャーを感じていたという(NHK、3月4日)。〔掛札コメント〕 「未就学児は関係ない」と思わないでください。園の家庭用プール(もちろん水深は20センチぐらい)で飛び込みの真似をする子どもを見たことはあります。浅くて、一瞬に起こることですから非常に危険です。

▶〔横断歩道標識倒れ、園児ケガ〕 2月28日午前11時ごろ、名古屋市天白区の歩道で、保育士と散歩をしていた3歳児に倒れてきた横断歩道標識(高さ約2.9メートル)が当たり、額に軽傷を負った。警察が調べたところ、根本が腐食していた。1992年に設置されたもので、県警の委託業者が最後に実施した2015年11月の定期点検では異常はなかったという(産経west、2月28日)。〔掛札コメント〕以前も、道路標識が倒れてきた事例は載せました。急に倒れてくるのはさすがに防げませんが、「標識には寄りかからない」というルールは作っておいたほうがいいかもしれません。

▶〔強風で歩行者がケガ〕 2月20日午前11時過ぎ、東京都台東区のJR御徒町駅の高架下の工事現場で重さ約11キロの金属製パイプ(直径約5センチ、長さ4メートル)が強風で倒れ、近くを歩いていた人に当たり、頭と右手にケガをした。店舗解体のため、作業員が金属製のパイプで囲いを設置する工事を行っていたという(NHK、2月21日)。〔掛札コメント〕強風の時は駐輪自転車も倒れます、いろいろ飛んでも来ます。ほこりも多い。無理してお散歩に行かないようがよいと思います。

▶〔保育室の扉倒れ、子どもがケガ〕 兵庫県西宮市の保育園で2月6日午前7時50分ごろ、2歳児が保育室に入ろうと保育室の扉にふれたところ、扉(約20キロ)が倒れ、児が下敷きになって、顔などに軽傷を負った。扉は木枠にガラスがはめ込まれた引き戸で、昨年12月にはずれかけたことがあり、保護者から「開きにくい」と指摘があった。今月4日にも園児3人がさわった際にはずれたという。(朝日、2月9日)

▶〔外壁落下でケガ〕 北海道七飯町の大沼湖畔で2月4日午後2時45分ごろ、開催中のイベント会場内にある建物の外壁の一部が約2メートルの高さから落下、下にいた親子ら3人にあたり、2人(母親と1歳児)が軽傷を負った。建物は木造2階建てで築約40年。七飯大沼国際観光コンベンション協会が借り受けて、観光客の休憩所などとして利用している。落下した壁は幅2メートル、高さ90センチ、厚さ3センチ、重さは数十キロだった。(北海道新聞、2月5日)

▶〔公園の破損遊具で後遺症〕 広島県は2月3日、福山市の公園で今年1月3日、破損した遊具から4歳児が転落し、後遺症を負ったと発表した。事故が起きたのは、地上から50センチ程度の高さのつり橋状の遊具。1本の丸太が破損し、鎖から外れていた。児は遊具から転落して後頭部を打ち、通院が必要な後遺症が残るケガを負ったという。公園は県が設置し、市が管理していた。遊具を最後に点検したのは昨年10月で、事故発生まで破損を把握していなかったという(朝日、2月3日)。〔掛札コメント〕 公園などで遊具の破損や危険をみつけたら、「使わない」「気をつけよう」も大事ですが、「自治体に報告しよう」も重要です。自治体がすぐに動くかどうかはわかりませんが、その一言で他のお子さんの命が守られるかもしれないのですから。


▶〔園児ひき逃げの少年、書類送検〕 昨年11月、自転車で幼稚園児をはねて大けがをさせた上、逃走したとして、2月3日、東京都内の少年(19歳)が重過失傷害と道交法違反(救護義務違反など)で書類送検された。容疑を認め、「将来を不安に思い逃走した」と話しているという。少年は11月7日午後3時20分ごろ、東京都大田区の区道を自転車で走行中、幼稚園の正門前に保護者や園児数人といた4歳児と衝突し、頭の骨を折るなど6か月のけがをさせた。少年は、周辺の防犯カメラの映像などから浮上した。(時事、2月3日)

▶〔無人の軽ワゴンが校庭を走る〕 2月3日11時過ぎ、東京都多摩市の小学校の校門付近に停まった宅配業者の軽ワゴン車が、運転手(男性、70代)が降りた後、無人の状態で動き出した。運転手が飛び乗って止めようとしたが、校門をなぎ倒した後、校庭などを約100メートルにわたって走った。校庭では体育の授業が行われていたが、けが人はいなかった。運転手は車から振り落とされて肩を打つなどの軽いけがをした。シフトレバーがドライブに入っていたため、車が動きだしたとして警察が調べている(NHK、2月2日)

▶〔すべり台で縄跳びからまり死亡〕 東京都江戸川区の公園で1月3日午後、4歳児が死亡していたことがわかった。すべり台の斜面で縄跳びのひもが首にからまり窒息した状態でみつかった。ひもは片端がすべり台上部の柵に結び付けられていた。搬送後に死亡。(朝日、2月2日)


▶〔ランドセルがひっかかった遊具〕 下の事故で、一緒にいた同級生が「遊具の格子を上から下に通り抜ける遊びをしていた時、パイプにひっかかった」と話していることがわかった。遊具には、地上から約155センチの位置に金属製のパイプで37センチ四方の格子が組まれた部分がある。児が格子を抜けて地面に飛び降りようとした際、背負っていたランドセルがパイプにひっかかり、なんらかの原因で首が圧迫されたとみて調べている。(共同通信、2月1日)


▶〔ランドセルのベルトで窒息?〕 1月31日午後4時55分ごろ、大阪市住之江区の市営住宅の敷地内で近くの小学校に通う1年生が意識不明の状態でみつかり、搬送された。意識不明の重体。児は敷地内にある遊具の近くで発見された。ランドセルを背負っており、首には圧迫されたような痕があったという。警察は、児が遊具で遊んでいる最中に誤って落下、身動きできなくなり、首が絞まった状態になったとみている。すべり台などを組み合わせた大型遊具で、ぶら下がったり登ったりして遊ぶ高さ約1.5メートルの金属製の格子状の部分に、首と両腕、背負っていたランドセルがひっかかった状態で宙づりになっていた。(時事通信、産経west他、1月31日)

▶〔温水プールの天井パネルが落下〕 大分市の市営温水プールで1月22日午前8時ごろ、天井のパネルが縦90センチ、横180センチにわたって落下しているのがみつかった。開館前で利用者はなく、ケガ人はいない。パネルの金属製留め具が老朽化していたことが原因とみられる。施設では過去2回、別の場所でパネルがはがれ落ちており、去年、その部分のみを改修していた。市は施設を休館として緊急点検を実施する(テレ朝ニュース、1月23日)。〔掛札コメント〕保育園の話ではありませんが、「上から落ちてくるものもありますよ」ということで。

▶〔ベビーカーがホームから落下〕 1月21日午後2時前、京浜急行久里浜線の三浦海岸駅(神奈川県)で、子どもの乗っていないベビーカーがホームから落下し、電車と接触する事故が発生した。落下は強風が原因とみられており、けが人などはなかった。(読売、1月21日)

▶〔病院内保育所で2歳児死亡〕 神奈川県小田原市の市立病院の院内保育所で1月20日、2歳児が死亡した。同日午後2時半ごろ、午睡をしていた2歳児の唇が青白く、頬が冷たくなっているのに保育士が気づいた。病院で手当てをしたが、50分後に死亡が確認された。現時点で死因は不明、目立った外傷はないという。この保育施設は横浜市内の業者に運営委託されており、当時、7~8人の保育士がいたという。(NHK他、1月21日)

▶〔ローラーすべり台事故で損害賠償の訴え〕 2015年10月、宮城県大衡村にある115メートルのローラーすべり台で骨折したのは、村が安全管理を怠ったためだとして、仙台市の20代女性が1月18日までに、村に約700万円の損害賠償を求める訴えを起こした。女性はこのすべり台を滑走中、ローラーが欠けたり、くの字にゆがんだりしていた部分を通過した際、尾骨を折る大けがをした。「対象年齢に上限はなく、おとなの利用も想定されていた。点検や修繕が適切に行われていれば骨折はしなかった」と主張している。女性側によると、当時はローラーを覆うプラスチックがはがれ、基礎部分がむき出しになっている箇所もあった。現在も慢性的な痛みに悩まされているという。現在、このすべり台の利用は8~12歳に制限されている(河北新報、1月19日)。〔掛札コメント〕そのような破損があったなら、子どもでも危険です。ローラーすべり台は構造上もあちこちにすき間があるので、服の端やヒモなどもからまります。子どもなら首をつったり、振り落とされたりしかねません。

▶〔ゴールポストの下敷き死亡は出血性ショック〕 下の大川市の事故でなくなった生徒の死因は、司法解剖の結果、出血性ショックだったと明らかになった。背中を強く打ったとみられるという。(1月15日、河北新報)

〔9か月児、うつぶせで死亡〕 高知市の24時間保育施設で1月11日に9か月児が睡眠中に死亡した。当日午前6時45分ごろ、母親が児を施設に預けた。保育資格を持つ園長(女性、20代)が泣いていた児を布団に寝かせて背中をさするなどしていたところ、午前7時半ごろ、うつぶせで顔を横に向けた状態で眠り始めたので、園長はいったん離れた。約30分後に様子を見ると児はうつぶせで顔を真下に向け、呼吸をしていなかったため、119番通報。搬送された際は心肺停止状態で、一度、呼吸が戻ったが12日午後6時半ごろ死亡した。13日に司法解剖をしたが、死因は特定できなかった。事故当時、施設には児と施設長の2人しかおらず、施設長は市の聞き取りに対し、「当日の予約状況を調べるため、インターネットを確認していて目を離していた」と話しているという。施設は昨年4月に開設された(高知新聞他、1月14日)。〔掛札コメント〕 私の分野から確実に言えることは、パソコンやスマホを使っていると、まず間違いなく時間の感覚は狂うということです。連絡帳を書いていてもそう。だから、眠っている子どものチェックと他の作業を並行してするなら、絶対に時計やストップウォッチでアラーム(タイマー)をつけてください。

▶〔ゴールポストの下敷きになり、死亡〕 1月13日午前9時40分ごろ、福岡県大川市の市立小学校の運動場で、体育の授業中にハンドボール用の鉄製ゴールポスト(高さ2メートル、横約3メートル)が倒れ、4年生が下敷きになった。児はドクターヘリで久留米市の病院に搬送されたが、約4時間後に死亡。当時、4年生の2クラス計38人がサッカーの試合をしており、ゴールキーパーをしていたこの児は自チームが得点した際、ポスト上部のネットをつかんでぶら下がった後に着地、直後、不安定になったポストが倒れ、首や肩付近を地面との間にはさまれたという。運動場には教諭と講師の女性2人がいたが、事故の瞬間は目撃していなかった(各紙、1月13日)。〔15日加筆分〕 ゴールは5か所で固定するもので、うち3か所は金属製の留め具で直接地面に固定するタイプ。これらがすべて外れており、留め具自体は校内の倉庫からみつかった。故意にはずされた疑いもあり、警察が業務上過失致死を視野に事情聴取を進めている(東京新聞、1月14日)。日本スポーツ振興センター等によると、ゴールの下敷きになる事故は過去10年で少なくとも7件起きている。2013年5月には、千葉県の県立高校で生徒が死亡、文部科学省が9月、杭(くい)や十分な重さの砂袋で固定することを求める通知を全国の教育委員会に出した。今回倒れたゴールは、杭に結び付けるロープが切れ、固定されていなかった。学校は点検を怠っていたため、いつなぜ切れたかはわからないと話している(西日本新聞、1月14日)。〔掛札コメント〕…ということは、まったく留めていなかった?。

▶〔歯科治療中の誤飲、6年間で30件〕 日本医療機能評価機構が全国約1000の医療機関から集めた情報によると、歯科治療中の誤飲が過去6年間(2011年1月~2016年9月)で30件起きていた。異物の多くは、歯にかぶせる金属冠やワイヤなどの金属。原因としては、治療時に持っていたものを落とす(10件)、歯に装着した物などの落下(6件)、医療機器に接続されていたものが外れて落ちる(4件)など。患者は70代、80代以上がそれぞれ9件ずつ。多くの場合、異物を内視鏡で取り出しており、全身麻酔をして取り出した例もあった(朝日、1月12日)。〔掛札コメント〕 保育、子どもの話ではありませんが、こういうことも実際に起きているという例として。

▶〔駅で120キロの仮設ボードが落下〕東京都新宿区の東京メトロ・飯田橋駅の改札口近くで1月10日午後3時前、重さ約120キロ(石膏製、幅5メートル、高さ1.6メートル)の壁面ボードが落下し、通りかかった人1人が手に軽いケガをした。この仮設ボードは券売機の移設工事のため、去年7月に設置されていたが、本来はビスで固定すべきところを両面テープで留められていたという。東京メトロでは去年10月にも駅で看板などの落下が3件相次いでいる(NHK、1月10日)。〔掛札コメント〕 下の薬の誤投与と違い、こちらは設置時のルール(=ビス)を決めて守って確認していれば、明らかに予防できたものです。急に落ちてきたり倒れてきたりするものはどうしようもありませんが、散歩の時には周囲にも多少は気を配ってください。

▶〔かぜ薬を他児に誤投与〕 三重県伊賀市の市立保育園で1月6日、かぜ薬(抗生物質)と整腸剤の粉薬を他児に誤投与した。職員が経過観察していたが女児の様子に変わりはなく、薬局でも「服用しても健康に影響はない」とのこと。午後0時40分ごろ、看護師が給食後に、3歳児の保護者から預かった薬を苗字が違う同じ名前の4歳児に与えた。30分後、薬袋の氏名を確認したところ、間違いが判明した。保護者から薬を受け取ったのは別の保育士で、看護師がこの4歳児に同様のかぜ薬を投与した経験も過去にあったことなどから、職員間でチェックを的確に行わず、ミスの原因となったと保育幼稚園課は説明している。同園は保護者に謝罪し、全保護者に電話で状況を報告した。同園では約2年前にも、姉の薬を弟に誤投与するできごとが起きていた(伊賀タウン情報ユー、1月6日)。〔掛札コメント〕 まず、与薬を園でする必要があったのか。与薬しないよう保護者と医療機関が園に協力するのが基本。次、万が一、誤飲しても命に関わらない薬、命に関わらない量しか渡されていないのが原則です。なぜかというと、誤投与は起きるからです。人間は間違える生き物ですから、このような事態をゼロにしろと言われたら、保育園は運営できなくなります。保育園はそもそも病気の子どもの治療をする場所ではありませんし、看護師もそのためにいるわけではないのです。子どもの治療もせよと言うのであれば、そのぶんの配置が必要です。とはいえ、誤投与すれば職員の心に悪影響を及ぼしますから、誤投与はないにこしたことはありません。なので、しっかり「指差し声出し確認」を。こちらのページに与薬の時のことも書いてあります。最後。「2年前にも」云々と書いてあるのを読んで、「なに、この園」と思った方は、「いやいや、うちでも起きた」「最近は起きてないけど、いつ起きてもおかしくないから、保護者にもちゃんと話して、与薬をしないようにしよう」「指差し声出ししよう」と考え直してください。それが、自分の心の中の楽観バイアス(=うちでは起きない)と闘う方法ですから。



事故:予防や訴訟、調査委報告など

▶〔2013年の死亡事故で再発防止策まとまる〕2013年12月、山口市の保育園で、1歳9か月児が死亡した事故を受け、山口市の検証委員会は、再発防止策をまとめた。委員会は、両親が市に対し調査を申し入れ、設置されたもの。再発防止策として「保育施設職員の研修を充実させる」「保育室へのビデオカメラ設置を促進する」などを市への提言として報告書に盛り込むことを決めた。一方、当事者間で認識の異なる事故の状況については併記して、「検証できなかった」と結論づけた。委員会は報告書を来月、市長に提出する予定。(12月21日、山口放送)

▶〔「声がうるさい」敗訴〕神戸市の男性が近隣の保育園を相手取り、慰謝料100万円と防音設備の設置を求めた訴訟の上告審(最高裁)は12月19日、上告を退け、男性の敗訴が確定した。保育園(定員約120人)は2006年、神戸市東灘区の住宅街に開園。高さ約3メートルの防音壁が設けられたが、約10メートル離れた場所で暮らす男性は「園児の声や太鼓、スピーカーの音などの騒音で、平穏な生活が送れなくなった」と提訴した。今年2月の地裁判決は、園周辺の騒音を測定した結果、園児が園庭で遊んでいる時間帯は国の環境基準を上回ったが、昼間の平均では下回ったとして、「耐えられる限度を超えた騒音とは認められない」と結論。7月の大阪高裁判決は、園児が遊ぶ声は「一般に不規則かつ大幅に変動し、衝撃性が高いうえに高音だが、不愉快と感じる人もいれば、健全な発育を感じてほほえましいと言う人もいる」と指摘。公共性の高い施設の騒音は反社会性が低いと判断し、一審判決を支持した。(12月21日、朝日)

▶〔預け始めの時期の死亡事故に注意喚起〕「教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議」は12月15日、保育施設での死亡事故が子どもを預けて間もない時期に多いとして、都道府県などの自治体に注意喚起することを決めた。保育中の死亡事故はこの10年間、年11~19件報告されている。2016年度以降に検証報告がまとまった5件のうち4件が昼寝中などの死亡事故で、預けた初日が2件、9日目が1件、19日目が1件だった。同会議は「エビデンスは明らかではないものの、子どものストレスが高く、保育士が子どもの発達状況を十分把握していない時期と考えられる」とし、「預け始めの子どもについては特にきめ細かな注意深い見守りが重要」と指摘している。(12月17日、各紙)

▶〔組体操練習中の事故で和解〕東京都世田谷区の区立小学校で2014年4月14日、運動会の組み体操の練習中に転倒し、頭痛などの症状が残ったのは担任教諭が注意義務を怠ったためだとして、当時の小学6年生が区と教諭に計約2000万円の損害賠償を求めた訴訟は12月11日、東京地裁で和解が成立した。和解内容は、区が事故に遺憾の意を表し、事故後に「生徒や保護者の心に寄り添った対応をなし得る余地があった」ことを認め、謝罪の意を表する内容。区は損害賠償金1000万円を支払う。教諭との和解は不成立となったが、生徒側は同日、訴えを取り下げた。地裁が今年4月に和解を勧告していたもの。この生徒は、体育館で他の児童とペアを組んだ倒立の練習中に転倒し、後頭部や背中を強打。その後、「脳脊髄液減少症」と診断された。生徒側は、教諭はマットを敷くなどの安全対策をしなかったほか、事故後も必要な措置を取らなかったなどと主張していた(前の記事は2月28日)。(12月11日、産経)

▶〔公共施設のケガで賠償命令〕熊本県菊陽町が運営する公共施設のキッズコーナーで、遊んでいた2歳児がけがをしたのは、安全管理に問題があったからだとして、両親らが約165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は11月21日、町に約17万円の支払いを命じた。判決によると、児は平成27年10月、コーナーで遊んでいた際に転倒し、そばにある窓のアルミ製サッシで後頭部を打ち、切り傷を負った。判決は「サッシは幼児らが接触する位置にあり、切り傷や打撲などのけがをする危険性があったが、緩衝材を設置するなどの措置を取っていなかった」とし、安全管理上の不備を認めた。(産経、11月21日)

〔直径6ミリ程度でも誤嚥窒息〕消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は11月20日、直径10ミリ以下の小さな玩具でも、乳幼児の誤嚥窒息につながるおそれがあるとする報告書を公表した(報告書はこちら)。2015年8月、生後9か月の男児が、おもちゃの人形のおしゃぶり(写真はこちら)をのみ込んで窒息、死亡した事故を受け調査していた。おしゃぶりは直径10ミリだった。事故調が今年2月、6歳までの子どもを持つ2100人余の保護者を対象にアンケート調査を行った結果、過去1年間に子どもが玩具などを飲み込んで気道が塞がれたケースが合わせて302件寄せられ、うち48%は1歳半までだった。玩具の大きさは6~10ミリが40%、11~20ミリが21%、0~5ミリが19%だった。種類別ではビー玉やおはじきが最も多かった。事故調がシミュレーションしたところ、球体に近いものの場合、直径6ミリ程度でも乳幼児の気道などを塞ぐ危険性が高いことがわかったという(読売、NHK、11月20日)。〔掛札コメント〕報告書にもこの記事にも「乳幼児」と書いてあります。一方、「48%が1歳半まで」と書いてあります。つまり、「乳児が主だけれども、幼児でも誤嚥しているのだから、とりあえず『乳幼児』と言っておけばいいだろう」ということなのでしょうか。この数字をうのみにすると、たとえば、幼児が遊ぶレゴのタイヤみたいなものも乳幼児双方にとって危険(おはじきの形に近い)という話になりかねません。それでいいのでしょうか?


▶「文春オンライン」の「どうする保育園#6」、「『保育事故の多くは第1子で起きる』、1歳2ヶ月の我が子を亡くした母が語った再発防止への思い」。

▶〔睡眠中死亡で不起訴〕大阪市淀川区の認可外保育施設で2016年4月、昼寝中だった1歳児が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された当時の施設長ら3人について地検は9月25日、嫌疑不十分で不起訴としたと明らかにした。十分な安全管理を怠って死亡させたなどとして、大阪府警に今年3月、書類送検されていた。地検は「犯罪事実を認定するに足る証拠がなかった」としている。(産経ウェスト、9月25日)

▶〔うつぶせ寝で後遺症、和解〕昨年12月、山形県鶴岡市の乳児院で3歳未満の児がうつぶせのまま一時、呼吸をしていない状態になって重い後遺症が残る見込みになった件で、県が見回りを怠った責任を認めて家族に1億円1500万円を支払い、和解することになった。施設では内部の規則で通常15分間隔で見回りをすることになっていたが、児が呼吸していないのに気付くまで、見回りを2度怠るミスがあったという。(9月14日、NHK)

▶〔死亡事故の検証徹底へ通知〕内閣府は、保育所や幼稚園での死亡事故などの事後検証を徹底するよう、近く自治体に通知を出す方針を決めた。検証制度は再発防止を目的に、2016年度に始まった。新たに出される通知は、死亡事故はすべて検証するよう改めて求め、「明らかな病死でも発生前、発生時、発生後の一連のプロセスでの子どもや周囲の状況、時系列の対応などを検証し、再発防止に役立てることが極めて重要」と指摘。死亡事故が発生したにもかかわらず、検証委員会を開いていない自治体に対し、早急な開催を求めている(毎日、9月11日。関連記事は9月5日

▶〔自治体による死亡事故検証、13件中5件〕2016年に保育所などで子どもが死亡した事故13件中、自治体が原因などを検証したのは5件であることが、内閣府などへの取材でわかった。検証が済んだのは東京都中央区と大阪市の2件、検証中が東京都大田区、千葉県君津市、神奈川県葉山町の3件。認可外の施設で起きた中央区、大田区の事故は都が、君津市の事故は県がそれぞれ検証委を設けた。検証制度のスタートは同年4月からだったが、1~3月に起きた事故も対象に含める自治体もあった。内閣府は死亡事故は例外なく検証対象とするよう求めているが、法令による義務づけはない。
 毎日新聞の取材に対し、検証していないと答えた自治体は3区市。認可保育施設で起きた東京都中央区と同稲城市は「病死」などを理由に検証の必要性がないと判断したとし、板橋区は「警察の捜査が入り、必要な資料がそろわない」として、検証委の設置を見合わせていると説明している。残り5件については、毎日新聞の情報公開請求に対し厚生労働省などが、個人の特定につながるなどとして事故が起きた自治体名を公表しておらず、明らかになっていない。すでに公表された検証報告書では、認可外施設への巡回指導の強化や呼吸モニターの導入検討などの再発防止策が提言された。
 内閣府は2016年3月末、保育所や幼稚園などで起きた死亡事故について、都道府県や市区町村が第三者による検証委員会を設置して、原因の分析や再発防止策を検討するよう通知を出し、検証方法も示した。内閣府の担当者は「たとえ病死でも、既往症なのか、当日体調が悪かったのであればどういう対応をしたかなどは、検証して今後に役立てるべきだ。また、過去に警察の捜査を理由に検証されてこなかった反省もあり、捜査とは別に検証に取り組んでほしい」と話し、自治体には積極的に検証するよう求めている。(毎日、9月5日)

▶〔原因不明の死亡のうち30%が預かり始めの1週間に発生〕保育施設で乳幼児が死亡する例は、去年までの10年間に146件報告されている(内閣府)。多摩北部医療センター(東京都)小児科の小保内俊雅部長らの研究グループが、このうち死因が明らかなケースを除く43件の突然死について子どもの登園開始からの期間を調べたところ、30%が初日から1週間以内に起きていたことがわかった。初日に死亡したケースが全体の14%、2日目が7%、3日目~1週間以内が9%。詳しい死因は明らかになっていないものの、「新たな環境への適応困難」が突然死の要因の可能性があるとこのグループは指摘している。(9月2日、NHK)

▶〔呼吸モニター購入補助、認可外も〕埼玉県川口市は、生後6カ月未満児に対する呼吸モニター機器の購入補助費など計約915万円を含む補正予算案を市議会に提案する。認可外保育施設も今回初めて、助成の対象に含めた。2015年9月の死亡事故を受け、市の第三者委員会が今年2月に打ち出した事故防止策を具体化するもの。市によると、睡眠中のゼロ歳児は保育士が5分間隔で呼吸チェックをするよう指導している。モニター機器はこれを補完するもので、費用は2万~10万円。1台6万円を上限に補助する。市は対象乳児について、認可外と認可あわせて約170人ほどいると見込んでいる。市内の認可外保育施設は現在、家庭保育室8カ所を含めて計44施設。予算案には、食器の後片付けや昼寝用布団の上げ下げなどを手伝う「保育支援員」を雇う助成費も含めている。市長は「無認可に頼らざるを得ない現状がある以上、認可と同様な助成は必要だ。赤ちゃんの100%安全な状態を目指す」と話している(朝日、8月29日)。〔掛札コメント〕あくまでも「補完」であること、異常を発見した時の対応訓練をしていること、また、機器は必ずしも科学的に検証されたものではないことをわかっていないと、かえって危険です(特に、アラームを発するべき時に発しない「偽陰性」がどのくらいの確率で起きるのか不明ですから)。こちらの記事に書いたような機器は、あくまでも家庭用であり、死亡の予防に関する有効性の科学的な根拠はないとされています。施設で使うというのはどうなのか…。

▶〔こども園を抜き打ち調査へ〕兵庫県姫路市で私立認定こども園(休園)が認定を取り消された問題を受け、同県は7月24日、政令市や中核市にある認定こども園を日常的に抜き打ち調査する全国初の制度を新設すると発表した。8月にも調査を始める。事前通告を一切せずに福祉部門の県職員が訪問し、園児や保育士の数、保育の状況を確認する。保護者や保育所職員からの情報提供を受け付ける電話ホットラインも、9月に開設する(毎日、7月24日)。

▶〔認可外施設も重大事故報告義務づけへ〕認可外保育施設で子どもの重大な事故があった場合、施設側に自治体への報告が義務づけられることになった。厚生労働省が関連省令を改正して今秋にも対象を全施設に拡大する。対象は、すべての無認可保育施設で、一時預かり事業や病児保育事業も含む。施設側から設置の届け出があったり、自治体が独自に運営を把握したりしている約2万5000施設となる。厚労省は2015年4月から、約3万7000か所ある認可施設に事故報告を義務化した。ただし、報告しなかった場合の罰則はない。この際、認可外については「補助金を出していない」ことなどを理由に対象外にする一方、通知で事故を報告するよう求めていた。(朝日、7月23日)

▶〔認可施設の基準満たさず:1歳2か月児死亡の報告書〕下の記事に追加。報告書によると、初めて預けられた4月4日、昼寝中にうつぶせになっている姿を保育士が確認。寝返りをさせようと抱き上げると、唇が紫色だったため、顔や背中をたたいたり人工呼吸をしたりした。異変の認知から約20分後に119番通報。救急隊が着いた時には心肺停止状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は窒息とみられている。市の手引では、仰向けに寝かせ、5~10分おきに顔色や呼吸を確認するよう求めているが、報告書によると同施設では、一人ひとりではなく、全員を見渡して寝ているか起きているかの確認にとどまっていた。さらに、事故後の立ち入り調査で、スタッフが1人だったり保育士資格のあるスタッフがいなかったりする時間帯があったことが発覚。認可外保育施設としての基準を満たしていないとして、市は4月5日、証明書を返却させた。両親は児の預け先を探す際、市が公表していた最新の立ち入り調査結果を参照。同施設が基準を満たすと記載されていたため、預けることを決めたといい、7月6日に会見した父親は「市の調査も信用ならないことがわかった」とし、「行政のシステムが働いていなかったと認識し、やるべきことをやってほしい」と求めた。また、母親は、法律上必要な職員数をそろえていながら事故が起きた点を指摘。「配置基準自体を見直すべきだと言ってほしかった」と報告書がふれていない点についても言及した。(朝日、7月9日)

▶〔午睡中死亡で報告書〕大阪市淀川区の認可外保育施設で昨年4月、1歳2か月児が死亡した事故に関して、大阪市が設置した第三者委員会が7月6日、報告書をまとめた。児が施設を利用した初日、午睡中にうつ伏せで心肺停止となり、死亡したもの。保育士が異変に気づいてから救急車を呼ぶまでに20分以上経っていた点のほか、児が当初あおむけで寝かしつけられたものの、45分後にうつぶせになっていたことなどについては、「施設の睡眠時の観察が十分ではなかった」と結論づけている。大阪市に対して、今後0歳児と1歳児のうつ伏せ寝の禁止を保育施設に周知することや、事故が起きやすい時間帯に抜き打ち調査を実施すること、認可と認可外の違いを保護者に知らせることなどを求めた。(毎日放送、7月6日)

▶〔午睡時死亡で検証委員会設置〕滋賀県大津市内の私立保育園で2014年7月、午睡中の4歳児が嘔吐物をのどに詰まらせて窒息死した件(ニュースは下、5月8日の京都新聞を参照)で、原因を検証する委員会が7月に設置されることが6月30日の市議会で決定した。午睡中、熱性けいれんになり、もどした食べ物を喉に詰まらせたのが死因とされている。昼寝は午後1時に始まり、保育士が異変に気付いたのは2時半。当時、児は保育士がいた机からきわめて近いところ、しかも、保育士のほうに顔を向けて寝ていたという。「それなら異変に気づくはずではないのか」と、両親は当時の行動を説明するよう保育所に求めたが、園側は「園児を見守ったり室内で作業を行ったりしていた」という説明を繰り返したとのこと。(毎日放送、6月30日)

▶〔小中学校プールは飛び込み禁止を強調〕学校の水泳指導中にプールに飛び込んだ児童生徒が首の骨を折るなどのけがをする事故が相次いでいるため、4月28日、スポーツ庁は全国の小中高校に再発防止を求める通知を出した。小中学校は授業中の飛び込みが認められておらず、改めて徹底を要請。高校は生徒の能力や技術に応じた指導を求めた。高校の指導実態については近く全国調査も行う(読売、5月2日)。〔掛札コメント〕保育園は関係ない…と思わないでください。家庭用プールで飛び込みの真似をする子どもを見たことがある私としては(もちろん、飛び込んだ瞬間には間に合いません。ケガもしていませんが)、心配です…。「家庭用プールだから安全」「水はたくさん入れていないから大丈夫」ではありません。

▶〔プール死亡事故で園長にも連帯責任〕2011年7月、神奈川県大和市の幼稚園のプールで3歳児が溺れて死亡した事故の裁判で4月13日、横浜地裁は「担任は安全配慮の義務を怠った結果、溺れたのを見逃した」として担任に過失があったと指摘。園長については個人の過失は認められないとした上で、「担任を監督する監督者としての責任があり、連帯して責任を負うべきだ」として、担任と園長、園に対し合わせて6200万円余りを支払うよう命じた。この事故で両親は、担任が遊具の片付けのために溺れているのに気付くのが遅れた他、幼稚園も安全対策について十分指導していなかったとして、当時の園長や担任らに対しおよそ7300万円の損害賠償を求めていた。この事故では当時の園長と担任が業務上過失致死の罪で起訴され、担任は罰金刑が確定、園長は「事前に安全対策について指導していた」として無罪が言い渡されている。児の父親は、当時の園長の過失を再び問うため控訴する方針を明らかにした。(NHK、4月13日)

▶〔事業所内保育所の死亡で報告書〕昨年3月11日、東京都内の事業所内保育施設で起きた1歳2か月児の死亡について、検証委員会が報告書を発表した。〔掛札コメント〕これについてはトップページの「最新情報」をお読みください。

▶〔企業内保育所、立ち入り、抜き打ち調査〕企業主導型保育施設の安全性向上のため、内閣府は2017年度から、全施設に対して基準達成状況を確認する年1回の立ち入り調査と、昼寝中の抜き打ち調査を実施する方針を固めた。助成業務を担う児童育成協会が外部委託して実施する。(毎日、3月9日)

▶〔ファミサポにおける死亡で和解〕 6年前、大阪府八尾市のファミサポに預けられた5か月児が死亡した事故をめぐる裁判で3月3日、児を預かった女性が4000万円を支払うことなどで、和解が成立した。市のファミリーサポートセンターが紹介した近所の女性宅に1時間ほど預けられている間に、うつぶせの状態で心肺停止となり、脳死に近い状態のまま3歳で亡くなった。両親は預かった女性と八尾市などを相手取って裁判を起こしていたもの。裁判所は、うつぶせによる窒息の可能性が高く、被告に責任があるという前提で和解を勧告、今回和解した(3月3日、毎日放送)

▶〔組体操練習中の事故で訴訟〕 組体操の練習中に転倒、重い障害が残ったとして、当時の小学校6年生が世田谷区と当時の担任教諭に計約2000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。2014年4月、運動会に向けた練習中、体育館で2人1組の補助付き倒立を行った際に転倒し、後頭部や背中を強打、激しい頭痛やめまいなどに襲われるようになり、脳脊髄液減少症と診断された。現在も日常生活に支障が出ているという。生徒側は「担任は床にマットを敷くなどの安全措置を講じておらず、事故後に状態を確認して保健室に連れていくなど適切な対応を取らなかった」と訴えている。(時事、2月28日)

▶〔死亡事故で検証委員会が川口市に答申〕 一昨年9月、3か月児が埼玉県川口市の認可外保育施設でうつぶせ状態で呼吸してないのがみつかり、その後死亡した事故で、市の検証委員会が報告書をまとめ、2月22日、市長に答申した。この保育施設について、児の健康状態などを保護者から聞き取りしていなかったことや、児を遮光カーテンのない窓の近くに長時間、寝かせていたなどとして、保育の質が十分に確保されているとは言えない状況だったと指摘している。再発防止策としては、認可外保育施設の人員を充実させるための支援制度や、呼吸確認モニターの設置費用補助などを市に求めた。また、児の死因については客観的な証拠が限られ、特定できなかったとしている(NHK、2月22日)。〔掛札コメント〕事故のニュースは2016年「事例」の5月11日にあります。死因の特定というのは、検証委員会の仕事なのでしょうか? そもそも日本は警察が資料を出しませんから、検証しようがないのです。欧米豪には、子どもの死亡を検証するchild death reviewというシステムがありますが、その機能は死因の特定や「誰が悪かったか」を決めることではなく、「なぜこの死亡は予防できなかったのか」「どうすれば、次の、このような死亡を防ぐことができるのか」を検討するものです。

▶〔白玉窒息死で請求棄却〕 栃木県真岡市の市立小学校で2010年2月、給食の白玉団子(直径約2センチ)を喉に詰まらせ脳死状態となり、2013年1月に死亡した7歳児(窒息当時)について、地裁が2月2日、請求を棄却した。両親が真岡市に約8400万円の損害賠償を求めていたもの。両親側は近く控訴する方針。両親側は白玉が窒息事故を生じさせる危険性があることは、報道や文部科学省などの通知から社会的知見になっており、事故を予見できたと主張。事故後、速やかに119番されず、児を逆さにして白玉を取り出そうとするなど、一連の救護措置も十分ではなかったなどと批判。一方、真岡市は5歳以上の事故の予測は困難で、白玉による窒息事故は県内で報告されておらず、救護措置も十分だったなどと反論。裁判長は白玉の危険性について、「食品自体ではなく、食べ方に起因して発生する」と指摘。小学生が食べ物を喉に詰まらせる可能性は乳幼児に比べて低く、児が同じ年度に4回、白玉汁を普通に食べていたこと、健康だった点にも言及し、「白玉を噛まずに飲み込み、喉に詰まらせる可能性を予見させる兆候もなかった」と判断。救急通報までの時間については、関係者の証言から「事故を察知してから2分ないし3分後には救急車を要請している」と市側の主張をおおむね認めた。また、救護措置については、教員が指を入れて白玉を取り出そうとした行為を「適切な処置とはいえない」と批判。腹部突き上げ法を使うべきだったと両親が主張した点については、「行うべき義務があったとまでは言い難い。行ったとしても吐き出させるのは難しい」とし、「救命のため行うべき措置を行っていたと評価できる」とした(各紙、2月2日)。〔掛札コメント〕 よくお読みください。今後はこれが未就学児の場合、「危険の予見は可能だった」という判決になる可能性は十分あります(特に赤字の部分)。ちなみに、この時期は歯の抜け代わり時期です。なによりも「通知」だけではなく、今、内閣府のガイドラインでは「白玉風の団子と丸のままのミニトマトは避けることが望ましい」と書かれています。

▶〔認可外の死亡事故について第三者委員会〕 昨年7月、千葉県君津市の認可外保育施設で乳児が死亡した事故を検証する第三者委員会の初会合が1月30日、千葉県庁で開かれた。年内に報告書をまとめ、再発防止策などを知事に提言する(千葉日報、1月31日)。〔掛札コメント〕 委員長を拝命いたしました。

▶〔認可外の抜き打ち調査広がる〕 東京都は3月から、認可外施設の抜き打ち調査を開始する。保育経験の長い人を非常勤職員として雇用、事前通告なしに立ち入り調査を行う。内容は安全に関するものに絞り、調査の作業量を減らす。少なくとも年1回は全認可外施設を調べたい考え。埼玉県川口市は2015年10月、その前月に起きた死亡事故を受け、抜き打ち調査を始めた。全国で初めて2012年度に導入したとされるさいたま市も、死亡事故がきっかけ。その後、文書指導が必要な施設は、2012年度の41%から2015年度の15%に減ったという。さいたま市では今年度から、認可園への抜き打ち調査も始めた。厚生労働省も自治体の巡回指導費用など計約30億円を新年度予算案に入れた。抜き打ちかどうかは自治体が決めるが、政府の検討委員会が2015年度にまとめたガイドラインは、「事前通告しない巡回指導を行うことが望ましい」としている。(朝日、1月17日)



保育士、保育園の事件、不祥事

▶〔げんこつで叩き、ケガ〕島根県大田市は12月25日、市立保育園に勤務していた保育士(20代、男性)が、6歳児の頭をげんこつでたたき、額にこぶができるけがをさせたと発表した。市は健康福祉部長と園長ら3人を監督不十分で同日付で訓告処分にした。保育士は20日付で依願退職。保育士は13日、座って待つように説明している時に男児が騒いだため頭をたたいた。こぶに気付いた母親が病院に行き「頭部外傷」と診断されたという。保育士は2010年に市の臨時職員として採用され、今年4月から同園に勤務。保育士は、男児を含め園児6人を「10回程度、げんこつでたたいた」と話しているという。(12月26日、毎日)

▶〔元保育士に懲役15年〕神奈川県平塚市の認可外保育所などで預かっていた女児に対する強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に問われた元保育士(36歳)に対し、地裁は12月26日、懲役15年(求刑懲役18年)を言い渡した。判決によると、横浜、平塚両市の保育所に勤務していた2015年4月から2016年3月までの間、計15人の女児に対し、下半身を触ったり、写真や動画を撮影したりしたもの。この元保育士はこれらの事件の前の2010年11月、幼児に対する強制わいせつの罪で懲役3年の実刑判決を受けた。出所後、その事実を隠して保育所に勤務していた。また、この保育士は2015年12月、夜勤中に生後4か月児に暴行を加え、脳挫滅で死亡させたとして傷害致死罪でも起訴されている。(12月25日、各紙)

▶〔保育所で虐待〕長崎市の2つの私立保育所で今年9~10月、虐待行為があったことが取材から明らかになった。関わった2人の保育士はいずれも11月末までに依願退職。市によると、10月に虐待があった保育所では、保育士が1人の児童のズボンを脱がせて、児童の身長より高いところにある物干し用のロープにかけ、児童がズボンをとろうとしている様子を自身のスマホで撮影。その動画を保育所の同僚に見せていた。保育士は「虐待との認識はなく、遊びのつもりだった」と話し、行為を認めたという。9月に虐待があった別の保育所では、昼寝の時間に騒いでいた児童11人に対し、保育士がハエたたきで尻や足をたたくなどしたほか、自身の上履きを投げつけたり、馬乗りになって児童を押さえつけたりしていた。保育士は行為を認め、「虐待とは認識していたが、子どもを落ち着かせることができない、いらだちを抑えられなかった」と話したという。いずれも匿名の電話や投書をもとに市が調査し、発覚。虐待行為にあたると判断した。(12月7日、朝日)

〔企業内で、保育士の勤務実態を偽造〕東京都港区に本社があり、都内や近県等で認可保育所等10施設を運営する企業が、実際には勤務していない保育士の名前を自治体に届け出たり、同じ保育士の名前を複数の施設で使う「名前貸し」を行ったりしていたとして、東京都が改善を求める指導を行った。今年8月、「補助金を不正に受給している」という告発があり調査したもの。複数の施設に名前の届け出がされていた保育士などは、去年4月~今年7月までに18人にのぼり、3つの施設に登録されていた人もいた。また、都内では園長不在のケースもあった。都は、この企業に対し運営の改善や再発防止を求める指導を行い、区や市は、勤務実態のない保育士の登録による補助金の加算分の返還を求める方針(NHK、11月24日)。〔掛札コメント〕自分の園や近隣園で保育者(職員)の水増し、シフト表やタイムカードの書き換え、ねつ造などが行われている時は、すぐに自治体に報告してください。子どものためになりませんし、職員のためにもなりません。そのような園、法人、企業を「待機児童対策」の名のもとに守る必要はどこにもないのです。もちろん公立でも。

▶〔画像ファイル入りカメラが所在不明〕東京都台東区の区立こども園で、園児の画像が保存されたデジタルカメラが所在不明になっていることが明らかになった。11月7日11時ごろ、職員が保育室の棚にカメラを置いた後、所在がわからなくなっているという。職員で捜索したものの発見できず、同日教育委員会へ報告。警察へ届け出るとともに、対象となる園児の保護者へ説明を行い、謝罪した。また全保護者を対象にした臨時保護者会を開催した。(11月27日、Security NEXT)

▶〔強制わいせつ容疑で保育士逮捕〕警視庁は10月25日、強制わいせつ容疑で保育士(男性、22歳)を逮捕した。逮捕容疑は9月20日昼前、勤務している北区の区立保育園内のトイレで、女児の下半身をなめるなどのわいせつな行為をしたもの。「女児が以前けがをした部分が気になって触っただけで、なめてはいない」と容疑を否認している。容疑者は今年4月に採用され、児のクラスの担任だった。犯行当時はトイレで児の下着の着替えを手伝っており、帰宅後に児が父親に相談して発覚した。(各紙、10月25日)

▶〔盗撮事件で犯人隠避と証拠隠滅〕埼玉県内の公立中学校の教諭が去年5月までの約1年間、教室にビデオカメラを仕掛け、女子生徒の着替えを盗撮したとして逮捕された事件で、その後の調べから、当時の校長と教頭が事件が発覚しないよう撮影した動画を削除させ、警察に届けていなかったことが分かった。警察は10月23日、2人を犯人隠避と証拠隠滅の疑いで書類送検。調べに対し2人は容疑を認めたうえで「自分たちが話さない限り、盗撮の事実はバレないと思った。男性教諭に辞められると、学校に負担がかかると思った」と供述しているという。県教委は、いずれも23日付で盗撮容疑で逮捕された教諭を懲戒免職の処分にしたほか、当時の校長を停職6か月、当時の教頭を減給3か月の懲戒処分にし、校長は同日、みずから退職した。(NHK、10月23日)

▶〔指導要録を紛失〕高松市の市立小学校で、1年の1クラス(児童30人)の本人と保護者の氏名や住所などが記載された「指導要録」のファイル1冊を紛失した。ファイルは職員室の金庫で保管しており、教頭が9月26日、紛失に気付いたもの。担任の女性教諭が同20日に取り出したのが最後だということで、校内や教諭の自宅を捜したが見つからなかった。(10月3日、産経ウェスト)

▶〔子どもを預かり、わいせつ行為〕9月18日、インターネットの子育て支援サイトを通じて預かった幼児2人同士にわいせつな行為をさせたとして、東京都荒川区の清掃作業員(41歳、男性)が逮捕された。容疑者は子どもを預かった経験があるなどとうたって、インターネットの子育て支援サイトに登録しており、この日も正午すぎから午後3時まで2人を預かっていた。児から相談を受けた保護者が通報し、警察が捜査していたところ、9月28日、容疑者が警察署に出頭、逮捕された。容疑を認めているという。(9月29日、NHK)

▶〔強制わいせつで起訴〕静岡地検は9月29日、静岡市駿河区の市立こども園の保育教諭(男性、36歳)を強制わいせつの罪で静岡地裁に起訴した(9月11日の産経新聞参照)。(産経、10月1日)

▶〔給食の指導で嘔吐〕岐阜市教育委員会は9月26日、市立小学校の教諭(女性、50代)が、給食を残さず食べるよう児童に指導した結果、今年7月までに計5人が嘔吐したと発表した。市教委は「配慮にかけた指導だった」として25日付で教諭に対し口頭で厳重注意処分を出した。昨年度の1年生の担任時(4~12月)に児童4人が計8回もどし、2年生の担任補助だった今年7月にも、体調不良の児童に給食を食べるよう指導し、児童が吐いたという。保護者は学校に児童の体調不良を連絡していたが、教諭には伝わっていなかったという。今月8日に匿名の情報を受けた市教委が学校に調査を指示し、発覚した。(朝日、9月26日)

▶伊賀市は9月22日、県迷惑防止条例違反(ひわいな言動)と公然わいせつ、器物損壊の罪で罰金50万円の略式命令を受けた市立保育園勤務の保育士を停職6か月の懲戒処分にしたと発表した(9月14日の伊勢新聞を参照)。また、管理監督すべき立場だった勤務先の園長と保育幼稚園課長に文書で、健康福祉部部長と次長を口頭でそれぞれ厳重注意した。(伊賀タウン情報ユー、9月22日)

▶〔席を離れた間に個人情報紛失〕東京都東大和市の社会福祉協議会職員(男性、40代)が、高齢者見守りサービスの利用者名簿など合わせて1100人余りの個人情報が書かれた書類を紛失していたことがわかった。9月15日午後10時ごろ、コンビニエンスストアで食事中にかばんを置いたまま席を離れた後、かばんがなくなっていた。個人情報の持ち出しは原則禁止されていたが、「連休だったので万が一に備えて持って帰った」などと話しているという(NHK、9月21日)。〔掛札コメント〕日本ではいまだ、カバンをレストランなどのテーブルや自転車等のかごに置いたまま離れる人がいますが、これは絶対にやめましょう。「なくならないだろう」と思うのはかまいませんが、万が一なくなった時のことを考えるべきです。

▶〔飲酒後に転倒、個人情報紛失〕9月21日、大阪市東淀川区の市立小学校の教諭(50代、女性)が、内規に反して児童434人分の名簿などを私物の外付けハードディスクに入れて校外に持ち出し、紛失したと発表した。市教委によると、記録媒体に含まれていた個人情報は、教諭が平成10年度以降に勤務した市内4小学校で受け持った児童の氏名や住所のほか、校外活動などの写真データ700点以上。教諭は9月15日、校外研修後、教員仲間と飲食。翌日午前0時ごろ、自宅最寄り駅から徒歩で帰宅中に転倒し、意識を失った。約2時間後に警察官に声をかけられ、かばんごとなくなっていることに気づいたという。市教委は処分を検討している(産経ウェスト、9月21日)。〔掛札コメント〕今年、教頭が前任校のデータを持ち出して、それがサイト上に誤って掲載されたというニュースがありました(4月25日)。どうして過去の児童の情報まで持って歩く必要があるのでしょうか。そもそも、以前、担任していた子どもの情報を個人的に保存しておいていいはずがないのですが。

▶〔登降園記録忘れに「ペナルティ」〕仙台市太白区のこども園で、登降園記録を入力し忘れた保護者に対し、園側が「ペナルティ」として保育料とは別の金銭を徴収していたことが9月16日、わかった。複数の保護者から相談を受けた市は、園に対し、徴収金を保護者に返還するよう指導した。この園では4月から、送迎時に保護者がタブレット端末に専用のICカードをタッチするか、手動入力で登園・帰園時刻を記録している。園は8月末~9月初旬、保護者に7月分のペナルティーから徴収すると通知。入力忘れ1回につき200円で、2回目以降に保護者に請求していた。既に複数の保護者が支払っているという。取材に対し、園は「延長保育料を免れようと、預かり時間を過ぎても故意に記録しない保護者がいた。記録を徹底してもらうため徴収した」と強調。一方、市は「ペナルティーが延長保育料とは確認できなかった。罰金のような形での徴収は不適切だ」と説明した。この園を巡っては、残業代未払いなどがあるとして保育士らが2月、市に改善指導を申し入れている(河北新報、9月17日)。〔掛札コメント〕実際、「ずる」をする保護者がいるという事実と、こういった形で徴収することの問題は、まったく別の話です。混同しないようお気をつけて。もうひとつ、最後の「残業代未払い」も、この件とは無関係です。この園が「そもそも悪い」かのようなイメージをニュースで作るのはいかがなものでしょうか。残業代未払いの申し立てをしている園を全部、取材して公表しているなら別ですが。

▶〔わいせつ行為で罰金50万円〕9月13日、三重県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)と器物損壊、公然わいせつの罪で、伊勢市の保育士(男性、27歳)が略式起訴された。簡裁は同日付で罰金50万円の略式命令を出し、この保育士は即日納付した。7月18日午後3時過ぎと8月5日昼前、伊賀市内で下半身を露出するなどして公然わいせつ行為をしたもの。(伊勢新聞社、9月14日)

▶〔強制わいせつで逮捕〕9月11日、強制わいせつの疑いで静岡市の保育教諭(男性、36歳)が逮捕された。逮捕容疑は8月10日午後2時ごろ、勤務先の市立こども園で、寝ていた6歳男児の下半身を触るなどのわいせつな行為をしたもの。昼寝の時間で、教室には園児20人ほどと容疑者がいた。男児から話を聞いた母親が後日、警察に相談したという。(9月11日、産経)

▶〔保育士に懲役15年〕園児にわいせつな行為をした元保育士の男に、求刑通り、懲役15年の実刑判決。判決を受けたのは、宮城・仙台市の元保育士(男性、27歳)。勤務していた保育園で10人の女児にわいせつ行為をし、その様子を撮影したりしたとして、3つの罪に問われている。(仙台放送、9月7日)

▶〔体罰常習化の疑い〕大阪府茨木市の私立認定こども園で、体罰を行っていたことがJNNの取材でわかった。この園で今年6月、昼寝の時間にお漏らしをした5歳児を着替えさせる際、40代の女性保育士が肩を押して突き飛ばしたり、太ももをたたくなどの体罰を行っていたという。市によると、園では複数の保育士が園児らの頭をたたくなどの体罰を日常的に行っていた疑いが強いということで、園長から聞き取りを行うなど調査している。(TBSニュース、9月6日)

▶〔処分を受けた教員の情報を共有化〕文部科学省は来年度から、都道府県教育委員会間で運営する「教員免許管理システム」の大幅改修に乗り出すことを決めた。教育職員免許法は、懲戒免職処分や分限免職処分、禁錮以上の刑を受けた教員の免許は失効すると規定。官報に掲載され、免許管理システムにも登録されるが、現行のシステムは検索方法が複雑で情報共有に課題が指摘されている。今年8月に勤務先の児童へのわいせつ行為で懲戒免職となった愛知県の公立小学校の臨時講師は、過去に埼玉県内の小学校で勤務していた時に児童ポルノ事件で逮捕され、停職処分を受けたが、このことは採用時には把握できていなかった。改修によって、採用側の教委の担当者が志願者の氏名を入力すれば、生年月日、所持免許の種類や有効期限、失効したかどうかを一覧できるようにする。また、教員が他の教委で採用試験を受ける際、システムの記載内容に関する証明書を前任地の教委に発行してもらうことも検討する。文科省調査によると、2015年度にわいせつ問題が原因で処分された公立学校の教職員は224人で過去最多。うち約4割は、勤務先の子どもが被害者。(東京新聞、9月5日)

▶〔法人が補助金を過剰に受け取り〕横浜市内で認可保育所を含む6つの保育施設を運営する法人が、約970万円の補助金を市から過剰に受け取っていたことがわかった。実態とは異なる勤務時間を記載して、勤務していない保育士が働いていたように見せかけるなどしていた。また、補助金から支出されている保育所の運営経費など合わせて48万円余りを二重に請求していたこともわかった。さらに児童の夕食代について、市の指針を超える金額を保護者から集めたりするなどずさんな管理・運営も明らかになった。市は法人に対し、補助金を返還するよう求めるとともに過剰に集めた夕食代について保護者に返還するよう求めた。(NHK、8月25日)

▶〔1年生に「脳みそを使え」〕沖縄県石垣市の小学校で、1年生の担任教諭(20代女性)が複数の児童に「脳みそを使えよ」などと発言していたことが、市教育委員会などへの取材でわかった。市教委は「1年生を萎縮させるような言葉は不適切だった」としており、学校は24日夜、保護者説明会を開き、校長が謝罪した。複数の保護者から「教諭の使う言葉がひどい」と学校に相談が寄せられ、7月、保護者が児童の一人に録音機を持たせ、録音した複数のやりとりを学校側に提示。教諭も発言内容を認めたという。また、この教諭は6月末、児童を教室の外に立たせて給食を食べさせており、学校に匿名電話があり判明した。時間内に食べ終わらず、教室の掃除が始まったためだというが、不適切だったとして校長が指導したという。(8月24日、朝日)

▶〔学童保育で暴力〕滋賀県長浜市は8月24日、小学校内に設置されている学童保育の支援員(女性、51歳)が小学校4年生に平手打ちなどをし、口の中と両腕に傷を負わせたと発表した。支援員は22日付で自主退職。8月9日午後4時40分ごろ、校内で遊んでいた児が、支援員に注意され、学校を飛び出した。支援員が追いかけて捕まえ、別の支援員が車で迎えに来た際、児が抵抗。後方から右頬を平手で2度たたき、腕を強くつかんでけがを負わせた。児は現在も同じ児童クラブに通っている。(8月24日、産経west)

▶〔医師が入院している児にわいせつ行為〕入院患者の5歳女児にわいせつな行為をしたとして、香川県警は8月24日、香川県善通寺市にある国立病院機構の病院の小児科医(32歳、男性)を強制わいせつ容疑で逮捕した。容疑を認めているという。容疑者は7月24日午後、小児科病棟の個室で診察中、児の家族が病室を離れた間に児の胸などをなめた疑い。児はこの日から入院し、容疑者は主治医だった。児が父親に相談し、被害届を県警に提出。井川容疑者はセンターの聞き取りには否認していたという。(8月24日、読売)

▶〔園児の上履き20足盗む〕2015年6月15日~16日、愛知県田原市の市立保育園から園児の上履き20足(計約4000円相当)を盗んだとして、8月23日、同市の男(34歳)が窃盗容疑で再逮捕された。容疑者は市立小学校に侵入したとして建造物侵入容疑で8月1日に逮捕、22日に起訴されていた。家宅捜索で上履きが見つかり、今回の再逮捕となった。(産経west、8月23日)

▶〔メガネに仕込んだカメラで撮影〕群馬県警伊勢崎署は8月16日、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、埼玉県の看護師(男性、33歳)を逮捕した。容疑を認めている。14日午後、伊勢崎市内の屋内プール男子更衣室で、着替え中の女児を撮影した疑い。眼鏡の眉間部分の黒縁フレーム内に小型カメラ、こめかみ部分にマイクロSDカードが埋め込まれ、細工が分からないよう特殊なカバーで覆われていた。児と一緒にいた父親が不審に思い、施設職員に連絡。SDカードに女児が着替える動画が保存されていた。他にも複数の動画ファイルが記録されており、警察は捜査を進めている。(8月16日、各紙)

▶〔児童虐待を公表せず〕児童福祉法で都道府県に公表が義務付けられている、児童養護施設や里親などのもとで生活している児童への虐待について、福島県は、同法改正で虐待状況の公表が義務付けられた2009年以降、公表していなかったことが8月9日にわかった。県は同日、2009~2016年度までの虐待の状況をホームページで公表した。虐待発見者から通告を受けた県は事実確認や必要措置を取り、県社会福祉審議会への報告、虐待状況の公表をするよう義務付けられているが、福島県は公表していなかった。昨年、福島市の福祉型障害児入所施設で発覚した不適切指導を調査する中で、毎年度の虐待状況を発表していなかったことが判明したもの。(福島民友、8月10日)

▶〔公然わいせつで保育士逮捕〕8月5日正午前、三重県伊賀市のショッピングセンターで女子中学生らに下半身を露出していたとして、保育士(男性、27歳)が公然わいせつの疑いで逮捕された。調べに対して容疑を認めている。(名古屋テレビ、8月5日)

▶〔特別支援学校職員が窃盗で逮捕〕栃木県教育委員会は、特別支援学校に勤務する職員(女性、33歳)を8月1日付で停職5か月の処分とした。この職員は今年4~5月、ショッピングモールで5回にわたり水着など12点、あわせて2万9000円あまりを万引きしたとして5月3日に窃盗の疑いで逮捕され、その後、裁判所から罰金刑を受けたという。6月下旬、本人からの申し出で事件を把握、職員はその後、休暇をとっている。事件の詳細については警察が公表していないとして、教委は明らかにしていない。(8月1日、NHK)

▶〔教育の処分歴、共有化へ〕文部科学省は、都道府県教育委員会が教員免許の更新状況を把握するために運営している「教員免許管理システム」を改修し、自治体の枠を超えた処分歴の共有化に乗り出す。文科省は、児童や生徒にわいせつ行為をした教員を原則、懲戒免職とするよう各教育委員会に通知している。教員が懲戒免職や分限免職、禁錮以上の刑を受けると免許は失効し、官報に氏名などが載る。しかし、他の教委によるチェックは行き届いていない。免許失効となった教員が免許状を「紛失した」などと偽って返納しないまま、別の自治体で採用されることがあるため(読売、7月22日)。〔掛札コメント〕保育士も同様のシステムが必要です。無資格で未就学児の施設や学童で働いている人をどうするかは、なかなか難しいですが…。

▶〔学童保育で着服〕三重県松阪市から委託を受け、学童保育を運営する団体で会計業務を担当していた元役員(42歳、男性)が、約369万円を着服していたことが市の発表からわかった。平成26~28年度に架空の経費を計上して着服していたということで、保護者から支出に不審な点があると指摘があり、市が調査していた。「遊興費で生じた借金の返済に充てた」と説明し、既に全額を返済した。市は告発を検討している。(産経west、7月21日)

▶〔ぐらついている乳歯を無断で抜く〕兵庫県姫路市は7月13日、市立小学校の歯科検診(6月14、15日)で、学校歯科医(40代、男性)が2~6年の児童30人の乳歯計36本を無断で抜いていたと発表した。乳歯に診療器具「探針」の先端のかぎを引っかけて抜いたもので、出血した児童もいた。6月15日、保護者から「希望していないのに子どもが歯を抜かれた」と連絡があり、発覚。検診では治療行為は認められていないが、歯科医は「永久歯への生え替わりをスムーズにするため、よかれと思ってやった。軽率だった」と話しているという。ショックを受けている児童もおり、市は夏休みに入る21日以降、学校にカウンセラーを派遣し、希望する児童の心のケアにあたるという。(産経west、7月13日)

▶〔老人ホームの同僚に睡眠導入剤入りのお茶飲ませる〕千葉県印西市で、勤務先の老人ホームの同僚らに睡眠導入剤入りのお茶を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害しようとしたとして、准看護師(女性、71歳)が県警に殺人未遂容疑で逮捕された事件で、この施設の14人の職員のうち数人が、今春頃から眠気やふらつきを訴えていたことが取材からわかった。今年2月5日には、職員(女性、60歳)が自動車で帰宅中に対向車と衝突する交通事故で死亡している。施設長はこの日の午後、この職員がめまいなどを訴えていたと話しており、県警が関連を調べている(読売、7月12日)。老人ホーム側は容疑者について「施設唯一の看護師」と説明していたが、資格は准看護師。入所者の睡眠導入剤などの薬を管理する立場にあった(東京新聞、7月13日)。

▶〔1歳児が塩化ナトリウム中毒死〕2015年8月17日、盛岡市の認可外保育施設で保育中の1歳児に食塩を溶かした液体を飲ませ、塩化ナトリウム中毒で翌日死亡させたとして、岩手県警は7月11日、施設の元経営者(女性、33歳)を傷害致死の疑いで逮捕した。児が帰宅後、親が異変に気付いて病院に運んだがまもなく死亡した。調べに対し、食塩を摂取させたことは認めているが、「具合を悪くさせようとは思わなかった」と供述、容疑を否定しているという。両親の弁護士によると、父親が施設で児をひきとる際、首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていたという。児が飲まされた塩の量は特定されておらず、警察は血液の塩分濃度などから、供述よりもはるかに多い量の食塩を飲まされたとみて調べている。 施設は2015年7月に開所、児が亡くなった直後に閉鎖した。事件当日、施設内にいたのは容疑者と児だけだった。当時、施設のウェブサイトには、「看護師など有資格者がいる」などと記載されていたが、容疑者は保育士資格を有しておらず、事件当時は有資格者がいない状態だった(在籍保育士は常勤1人、臨時2人)。両親の弁護士は、容疑者が児童福祉法に基づく認可を受けていたように装っていた可能性があると指摘する。ウェブサイトには「児童福祉法に基づき岩手県への設置届け出を義務付けられた施設」としていたが、事件当時は届け出はしていたものの書類の不備などで行政側の決裁が下りていなかった。(各紙、7月11日、12日)

▶〔路上で女性の胸をさわり逮捕〕滋賀県東近江市で7月8日昼、女性の胸を触ったとして、市立幼児園の保育教諭(男性、37歳)が現行犯逮捕された。市内の路上で女性の服の中に手を入れ、胸を触った強制わいせつ容疑。女性から「助けてください」と110番があり、駆けつけた同署員が堀容疑者に確認したところ、触ったことを認めたため逮捕したという。(産経west、7月9日)

▶〔個人情報の入ったUSBメモリ紛失〕千葉県館山市の県立高校で、生徒の健康診断の結果など600人余りの個人情報が入ったUSBメモリが紛失した。養護教諭が7月4日の午前中、保健室でメモリを使って引き出しにしまい、翌日、確認したところなくなっているのに気づいたという。高校では、USBメモリの使用は原則禁止されているが、養護教諭は私物を使っていたという。メモリにはパスワードが設定されていた。(NHK、7月7日)

▶〔パワハラで臨時職員を戒告処分〕岐阜市は7月3日、市立保育所で昨年夏以降、正規職員(20代、女性)が臨時職員(40代、女性)からパワーハラスメントを受け、出勤できない状態になっていると発表した。市によると、昨年夏ごろ、正規職員はペアを組んでいた臨時職員から、子どもの昼寝の際の布団の敷き方について暴言を受け過呼吸状態となった。その後回復し勤務していたが、今年1月、インフルエンザで病欠中のこの女性に対し、同じ職員が無料通話アプリで「週案を書いて(その日のうちに)保育所のポストに入れておくように」「オルガンの練習をして弾けるように」などのメッセージを送ったことから精神的な苦痛を受け、現在も出勤できていないという。この正規職員が4月に市に相談したことからわかった。市は3日付で臨時職員を戒告処分、当時の所長だった副主幹を厳重注意処分とした(毎日、7月3日)。〔掛札コメント〕パワハラ自体の定義からすると、これはパワハラというよりいやがらせ…(週案やオルガンの件)?? 「暴言」の内容や言い方がわからないのでこのケースを云々することはできませんが、たとえば怒った声で指導・指示しただけで、または言われた側になんらかの症状が出たからということでパワハラになるなら、保育士を育てることはできませんし、保育園の調理師さんたちも仕事になりません。新しい拙著にも書いた点ですが…。

▶〔現金を盗もうとした疑いで逮捕〕和歌山県橋本市の公立保育園の保育士(34歳、女性)が先月、同僚のかばんから現金を盗もうとした疑いで逮捕された。取り調べに対し、保育士は容疑を認めている。この保育士が働き始めた4月以降、この保育園では保育士の財布から現金がなくなる事件が相次いでおり、警察が関連を調べている(テレ朝ニュース、7月2日)。〔掛札コメント〕私が聞く限り、珍しい話ではありません。うやむやになっていることが多いのですが、本人のためにも職場全体のためにも、通報したほうがいいと思います。もちろん、個人ロッカーには鍵!です。お互いを疑いあうようなことを減らすために。

▶〔定員を超える園児を受け入れ〕福岡県田川市の民間保育園2園で、市の保育認定を受けずに2014年度から3年間で、定員を超えるのべ77人の子どもを不正に受け入れていたことがわかった。保育園を運営する法人は「園児を入れてほしいという要望をどうしても断ることができなかった」と話している。また、徴収した保育料のうち、約600万円について、領収書が破棄されるなどして使い道がわかっていない。県の指導を受けた法人は使途不明金について、それぞれの保育園の会計に返還するとしている(福岡放送、6月27日)

▶〔園長の保育士登録を取り消し〕兵庫県は6月30日、この4月1日付で認定こども園の認定を取り消された姫路市の保育園の園長(女性、45歳)の保育士登録を取り消した。「子どもの安全、発達を軽視する運営を主導し、認定取り消しで社会に大きな影響を与えた」のが理由としている。同園は定員を大幅に超える園児の受け入れなどの不正が発覚、県によると3月31日に運営を終了。4月には認可外保育施設の休止届も出している。今回の取り消しで、元園長は2年間、保育士登録ができなくなる。県は園の関係者らから事情を聴いた上で、30日に弁明の機会を与える「聴聞」を開催したが、元園長は欠席。不正を主導したことを認める陳述書を提出した。(産経west、6月30日)

▶〔交通事故で保育士を逮捕〕6月24日午後3時40分ごろ、横断歩道を横断中の小学2年生を軽乗用車ではねたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで北九州市小倉南区の保育士(22歳)が逮捕された。保育士は、近くにいた人の通報で駆け付けた警察官に「自分は目撃者。車は走り去った」と嘘の説明をしていた。周辺の防犯カメラ映像から発覚。「逮捕されるかもしれないと思い、怖くなった」と話しているという。現場に信号はなく、前をよく見ていなかったと警察はしている。(産経west、6月24日)

▶〔傷害の疑いで園長を逮捕〕北九州市小倉北区にある認可外保育園の園長(75歳、女性)が、傷害の疑いで逮捕された。病気を理由に釈放されたが、今後、任意で捜査を続ける。容疑は5月5日、この保育園に通う2歳児のほおを平手打ちするなどしたほか、腕をかんでけがをさせたもの。警察によると、逮捕当時、園長は容疑を否認していたという。市によると、この園長による児童虐待をうかがわせる情報は以前から複数よせられ、今年4月に警察に相談したほか、それ以降11回にわたって立ち入り調査をしたが、園長は一貫して虐待を否定していた。(各紙、6月20日)

▶〔盗撮を把握するも、校長が放置〕埼玉県警は6月20日、入間市の市立中学校教諭(男性、45歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(盗撮製造)の疑いで再逮捕した。教諭は1月上旬と2月中旬、更衣室として使われている教室で、着替え中の女子生徒をビデオカメラで盗撮した疑い。「裸が見たかった」と容疑を認めているという。警察によると、校長が昨年5月、盗撮の疑いがあるとして教諭のビデオカメラを預かったが、教諭は今年1月に新たなカメラを購入して盗撮したとみられるという。県教育局によると、校長は盗撮の疑いを把握した後も約1年間、市教委などに報告していなかったという。(6月20日、朝日)

▶〔放火の教諭、逮捕〕5月16日、大阪市都島区の幼稚園でダンボールなどに火をつけたとして、教諭(31歳、女性)が逮捕された事件で、火災の際、火元の教室に外から鍵がかけられていたことが取材からわかった。警察によると、火事が起こる直前に火元の教室にこの教諭が一人でいるのを他の職員が目撃しており、火元となった教室には外から鍵がかけられていたという。警察は、教諭が放火の発覚を遅らせようとした可能性もあるとみて、5月30日に起きた不審火についても関連を調べている。(MBS、6月17日)

▶〔児童にカビの生えたパン〕福島県鏡石町の小学校で2015年、臨時採用の女性講師(当時20代)が1年生3人にカビの生えたパンを食べさせていたことが6月16日、分かった。うち1人が今年5月、自宅でカビを見て当時を思い出し、保護者が学校に連絡して発覚した。教委などによると、この講師は、以前の給食で出たカビが生えたパンを食べさせ、うち1人には古い牛乳も飲ませた。給食を残しがちだったため、残さず食べるよう伝える意図だったという。学校の聞き取りに「行き過ぎた指導だった」と話したという。健康被害は確認されていない。(河北新報、6月17日)

▶〔スカート内撮影で逮捕〕兵庫県尼崎市の保育士(男性、27歳)が6月6日、県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された。5月3日午後7時ごろ、神戸市内の書店で11歳の女児のスカートの裾下にスマートフォンを差し入れて撮影した疑い。カメラのシャッター音に児が気付き、母親が警察に相談。防犯カメラの映像などから男を特定したということで、容疑を認めている。(神戸新聞NEXT、6月6日)

▶〔横浜市で保育料を過大徴収〕横浜市が2015年4月~2017年5月、事務手続きのミスにより市内の認可保育所などの保育料、子ども376人分あわせて1066万2800円を誤って多く徴収していたことがわかった。保育料は預ける子どもの数や世帯の所得などに応じて決められるが、制度見直しにより、2015年4月から新たに所得から差し引かれる項目が増えた。このためのシステム修正作業を市の担当者が行わずに、本来よりも高い所得額をもとに保育料が算出されたため、高い保育料が請求されたという。昨年9月、保護者から指摘を受けて誤りが発覚し、横浜市はシステムを修正を終え、返金手続きを進めている。(NHK、6月2日)

▶〔SNSに児の写真とひわいな書き込み〕東京都葛飾区の保育園の非常勤職員(20代男性)が、女児を抱きかかえる様子の写真、女児の下半身を狙って撮影した写真などをツイッターに相次いで投稿し、「小学生の彼女がいる」「女児とキスをした」などとする書き込みもしていたことが明らかになった。5月24日に投稿を見た人が通報、区が男性に事情を聞いたところ事実関係を認め、その日のうちに退職したという。日本テレビの取材に対して事実を認め謝罪した。女児に対する性的な行為に関する書き込みについては、ストレス発散のために書き込んだ妄想だと話した。(日本テレビNNN、5月31日)

▶〔保育園で個人情報紛失〕岐阜県美濃加茂市は5月25日、市立保育園で保管していた0歳と1歳児9人の個人情報が入った4種類の書類を紛失したと発表。盗難に遭った可能性もあるとして加茂署に相談した。紛失したのは、児童票、新入児面接票、身体検査表、アレルギー調査票。管理する女性保育士が職員室のキャビネットに保管していたが、家庭訪問の準備のため、17日に書類を確認しようとしたところ紛失に気付いた。最後に書類を確認したのは9日だったという。キャビネットは朝に開錠、帰宅時に施錠しており、他に紛失した書類はないという。(毎日、5月26日)

▶〔保育園送迎をめぐり、殺人未遂容疑〕5月25日、京都府長岡京市の男性(34歳)が殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。同日午前7時半ごろ、自宅居間で、口論になった妻を押し倒し、馬乗りになって「殺したろうか」などと言いながら、両手や掃除機の電気コードで2回、首を絞めて殺害しようとしたもの。警察によると、2人は子どもの保育園への送り迎えをどちらがするかなどで口論になっていた。妻は首にあざができるけがをしたという。容疑者は、「首を絞めたが、殺すつもりがあったかは分からない」と容疑を一部否認しているという。(5月26日、産経)

▶〔認可外施設、指摘後も未改善のまま運営〕東京新聞は首都圏1都6県と5政令市にアンケートし、ベビーホテルや従業員向けの事業所内保育所など自治体の認可・認定を受けない保育施設に関し、2015年度の立ち入り状況と、指摘された問題点の今年1月末時点での未改善施設を調べた。東京都、神奈川県、横浜、川崎、相模原、さいたま、千葉各市が回答し、他の自治体は「把握していない」などとした。東京都が立ち入り調査で問題点を指摘した106施設中40施設は未改善のまま10カ月以上、運営を続けていた。「保育者の3分の1以上は保育士などの有資格者」「複数の保育者で子どもをみる」など安全に直結する項目や、火災時などの避難設備に関する項目が直されていなかった。問題を指摘して1ヵ月以上改善されない場合、自治体は事業停止や閉鎖命令の前段階の「改善勧告」を出せるが、2012年4月~今年1月末で都が実際に措置したのは、4件にとどまるとのこと。(東京新聞、5月22日)

▶〔生活保護受給世帯の名簿を紛失〕茨城県水戸市は5月18日、生活保護を受給している世帯の小中学生42人分の個人情報が記載された名簿を、生活福祉課の男性職員が紛失したと発表した。名簿には世帯主や小中学生の名前、学校名、学年などが記載されており、内部用のマニュアルとあわせると、各世帯が生活保護を受給していることが推測できるという。この職員は12日午後、担当世帯を訪問。帰庁後、名簿とマニュアルがなくなっていることに気づいたが、上司に報告していなかった。市に16日午前、匿名で「市職員が玄関先に名簿を置いていった」という通報があり発覚した。名簿は見つかっておらず、市が回収を急いでいる。(産経、5月19日

▶〔学童支援員 、強制わいせつ等で起訴〕大阪府内の市立小学校で、業務委託されたNPO法人のメンバーの学童保育支援員(男性、46歳)が女児の体を触るなどしたとして、3~4月、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で起訴されていたことがわかった。起訴状によると、昨年12月と今年1月、校内で3年生の体を触り、その様子を撮影したとされる。市教委によると、被告は2011年4月から支援員を務めていた。同じ小学校で、ほかに低学年の女児数人が似た被害を受けたと話しているという。(朝日、5月17日)

▶〔学童トイレに盗撮目的で侵入〕千葉県船橋市の市立小学校に併設された放課後ルームのトイレに盗撮目的で侵入したとして警察は9日、建造物侵入の疑いで、施設に勤務する非常勤職員(男性、26歳)を逮捕した。逮捕容疑は、5月8日正午すぎから午後4時ごろまで、施設の男女兼用トイレに侵入した疑い。容疑者は施設で児童の世話をしており、容疑を認めている。別の職員がトイレのカメラに気付き、容疑者が名乗り出た。(産経、5月9日)

▶〔児童カードを持ち出し紛失〕神奈川県藤沢市の小学校教諭(男性、28歳)が担任をしている子どもの個人情報が書かれた書類を学校の外に持ち出し、紛失していたことがわかった。市教委によると、5月8日、家庭訪問の際、家の前にとめたオートバイのステップにかばんを置き忘れ、面談を終えて戻ったところでかばんが無くなっていることに気付いた。中には児童35人分の家族構成や住所などの情報が書かれた「児童カード」と呼ばれる書類が入っていた。児童カードはふだん職員室の中の鍵のついたロッカーで保管され、学校の外に持ち出すことは禁止されている。(NHK、5月9日)

▶〔放課後デイで不正受給と虐待〕大阪府堺市は5月8日、障害のある児童生徒が通うデイサービス事業所の運営法人が市の給付費約4100万円を不正受給したとして、加算金を含め約5700万円を返還請求し、事業所の指定を取り消した。代表取締役の男性を詐欺容疑などで告訴する方針。市によると、平成25年8月~昨年12月、運営する堺区の事業所に常勤の管理責任者を置いたと嘘をつき、障害児通所給付費を請求していた。また、職員が利用者の子供の腹を複数回つねるなどした虐待行為も確認された。昨年11月、保護者から「子供の様子がおかしい」と市に相談があり、調査していた。(産経west、5月8日)

▶〔就学支援シートを紛失〕千葉県銚子市の教委は5月2日、市立小学校で4年生の一部(26人分)の「就学支援シート」を紛失したと発表した。いずれも入学当時に同じクラスだった児童のシート。保育所や幼稚園を通じて教委が集め、学校側が2014年3月、市教委から受け取った。同校教頭が3月27日午後、保護者に返却するため保管場所である耐火金庫を確認したところ、なくなっていることが判明。校内では見つかっていない。同校ではシートが活用されておらず、入学当時の担任も「1回も見ていなかった」と話しているという。教委は2014年2月、シートを毎年保護者に返却して必要に応じて書き加えてもらうよう各校に通知したが、同校ではこの対応を怠っていた。(千葉日報、5月4日)

▶〔児童の個人カードを紛失〕茨城県つくば市は4月27日、市立小学校で災害時に使う児童の「緊急時引き渡しカード」が入ったファイル1冊を紛失したと発表した。児童18人分の氏名や保護者の住所などの個人情報が書かれていた。ファイルは職員室で管理していたが、3日に職員が紛失に気付き、校内を捜したが見つからなかった。(産経、4月27日)

▶〔購入費を値上げ。4施設で土曜給食を出さず〕下のニュースの認可保育所が今春、本や雑品の購入などにあてる実費の徴収額を、大きく値上げしていたことが市への取材でわかった。昨年度は「教材費」として年齢を問わず年2400円を徴収。今年度は年齢で徴収額を変え、最も高い5歳児は毎月1500円ずつに値上げした。保護者の指摘に対し、保育所側は内訳を説明。月刊本12カ月5040円、写真アルバム・保育証書など4800円、ひらがな練習帳900円、お楽しみプレゼント2000円、制作費用(画用紙、のり、絵の具)1500円などとしている。同法人の理事長は取材に対し、「従来は教材費とは別に実費を頂いており、手間を省くためにまとめた。保護者が払う額は変わらない」と説明した。一方、関係者は「昨年度は月刊絵本や写真は希望者のみで、最低限払う実費は年3000円程度だった」と証言。保育所側は今月になり、月刊本とアルバムは希望者のみにすると、利用者側に説明したという。市は必要最小限の実費徴収を認めているが、額の規定がないことから、全市で実態調査を始めた。
 また、下のニュースに関わる特別指導監査の職員からの聞き取りで、同法人の認可保育所4施設で事前の報告に反し、土曜給食を出していなかったことがわかった。 (朝日、4月27日)

▶〔土曜日の給食、提供せず〕横浜市戸塚区の認可保育所が、市から支払われる委託費などで用意すべき土曜日の給食を提供せず、保護者に弁当を持参させていたことが市への取材でわかった。市の調査に対し、虚偽の記載をした給食日誌を示し、給食を出したように装っていたことも判明。市は4月26日、同保育所を運営する社会福祉法人の5つの認可保育所に対する特別指導監査を始めた。
 保護者から土曜日の給食がないと相談があり、市が今年2月に調査。保育所側は、土曜日も報告通りの給食を提供していると説明し、献立や食べた人数などが記された「給食日誌」を提示した。だが、市側が質問を重ねると、保育所側は実際は申告した給食を出さず、弁当を持参させていたことを認めた。施設長兼法人理事長は市に対し、「軽食を提供していた」と主張。「給食日誌に内容が正しく記載された状態で自分は押印したが、その後に職員が土曜日の主食と汁物を追記した」という趣旨の説明をしたという。「軽食」について、理事長は朝日新聞の取材に対し、「弁当に合わせて、蒸し野菜などを提供していた」と説明した。一方、保護者らは「軽食の提供はなかった」と証言しており、市は虚偽の疑いが強いと判断。児童福祉法などに基づく特別指導監査に入り、法人全体の運営実態を調べる方針を決めた。市はすでに、「施設長の押印後に職員が書き加えた」との点について、虚偽記載にあたるとして厳重に注意。保育所側は3月から土曜日の給食の提供を始めた。保育所の定員は60人で、3月の土曜日の利用者は1日6~8人という。(朝日、4月26日)

▶〔アレルギー除去の申し出を独断で放置〕山口県長門市は4月25日、除去食を求める保護者の希望に不適切な対応をしたなどとして、園長(女性、60歳)を戒告処分とした。この園長はすでに別の園で勤務していたが、同日付で依願退職。市によると、保護者は昨年7月、エビアレルギー対応食を希望する「アレルギー疾患生活管理指導表」を園に提出した。マニュアルでは、園は市担当課と情報を共有するが、園長は「当面は様子見」と独断で放置した。同12月、園児から「えびせんが食べられない」と聞いた副園長が確認し、不適切な対応が判明。再提出してもらい対応した。園長はその後、7月の指導表を破棄していた。放置などについて市に報告していなかったが、今月初旬、匿名の投書があり市が調査していた(毎日、4月26日)。〔掛札コメント〕4月9日のコメントに「誤食まで『不適切な対応』と言われたのでは…」と書きましたが、これは確かに「不適切な対応」ですね…。こんなことをされては、努力の結果それでも起こるヒューマン・エラーによる誤食まで、怠慢や悪意のように見られてしまいます。

▶〔強制わいせつ罪で懲役刑〕女児に対する強制わいせつ罪に問われた宮崎市の元保育士(男性、31歳)の判決公判が4月24日、地裁であった。「被告は保育士として児童の安全を確保する立場にあり、悪質で卑劣な犯行だ」と懲役1年4か月(求刑・懲役2年6か月)を言い渡した。元保育士は昨年11月19日、勤務する市内の保育園で児の体を服の上から触るなどのわいせつな行為をした。(毎日、4月25日)

▶〔下の4月19日の産経記事(小学児童の個人情報)の後追い〕福岡市教委によると、今回、誤ってウェブサイトに掲載されたのは、平成26年度に転任してきた前教頭が前任校から持ち出した24年度の児童23人の名前と食物アレルギーに関する個人情報。児童数一覧を更新する際に、校長が、本来掲載する予定だったデータと違うフォルダーを指示したために、誤って掲載されてしまった(教育新聞、4月25日)。〔掛札コメント〕なぜ?がひとつわかりましたが、ではなぜ、この教頭は前任校の児童のデータを持ち出したのでしょうか? いろいろな事件が起きているいまどき、「個人情報の持ち出し」と言われると要らぬ想像をしてしまいますよね。学校へ忍び込んで持ち出したら犯罪、前任校から持ち出したなら犯罪ではない、ということなのでしょうか。

▶〔園児虐待で書類送検〕愛知県岡崎市の幼稚園で、園児の手を縛るなどの虐待をしたとして20代の女性職員2人が書類送検されていたことがわかった。虐待行為を受けた児は体調不良を訴えるなどしており、退園した(中京テレビ、4月22日。元の記事は4月4日)。

▶〔ホームページに個人情報〕 平成24年度に福岡市東区の市立小学校に通っていた児童23人分の氏名と、給食のアレルギーに関する個人情報が、同区内の別の小学校のウェブサイトに誤って掲載されていた。4月12日から掲載され、教育委員会の指摘を受けて14日に削除された。悪用などの情報は確認されていないという(産経、4月19日)。〔掛札コメント〕悪用されていないなんて、まだわかりませんよね。そんなことより、「なぜこれが起きた?」を取材して書いてください、マスコミさん。

▶〔園児4人につねられた痕〕兵庫県高砂市の療育支援施設(2~6歳児)の園児4人につねられたような痕がみつかった問題で市は4月10日、当時の園長(女性、57歳)と保育士(女性、46歳)を同日付で戒告の懲戒処分とした。同園では平成26年6月~27年5月、園児への虐待行為とみられる事例が4件発生、調査の結果2件を虐待と認定、27年11月、容疑者不詳のまま、市が警察に告発。地検は今年3月29日付で嫌疑不十分で不起訴処分としていた。(産経、4月11日)

▶〔認可に必要な備品、他園から持ち込み〕 東京都西東京市で昨年4月に開園した社会福祉法人の認可保育園が、認可に必要な備品(転落防止柵、衝突防止間仕切り等)を開園前に系列施設から持ち込み、都への報告で必要な写真を撮影した後に撤去していたとして、都が調査に乗り出した。(毎日、4月10日)

▶〔市は監査を2年間行わず〕兵庫県姫路市のこども園の不適切保育問題で、市が施設監査を約2年間怠っていたことが4月6日までに分かった。市は「監査をする人的余裕がなかった」と説明している。今回の施設のように認可外施設から移行した「地方裁量型認定こども園」の施設監査は中核市である姫路市が担当し、「年1回以上行うのが原則」と国が通知しているという。しかし、姫路市は「(同園が認定こども園になった)2015年度に監査をしたかったが、他の福祉施設の監査もあり、人の余裕がなかった」と釈明。さらに2016年1月、不正を指摘する情報が市に寄せられた際には、園長を呼び出して事情を聞いたが、園長が否定したため、抜き打ちの特別監査などには踏み込まなかったという。同市が施設監査に入ったのは今年2月2日。職員の賃金や給食で不正の端緒が見つかり、同23日と3月13日の特別監査を経て県が認定を取り消した。同園は認定当初から定員を大幅に上回る園児を預かっていたが、2年間放置されたままだった。厚労省は「地方裁量型は他より優先して厳しく見ることが求められる」と強調する。同市監査指導課は「地方裁量型は外部の目が入りにくく、経営基盤も弱い。手を抜いてきたつもりはないが、今後は認識を新たに監査に取り組みたい」と話す。同市にはほかにも4園の地方裁量型認定こども園があるが、今年1月に施設監査を実施するまで、約2年間未実施だった。(神戸新聞NEXT、4月7日)

▶〔虐待、別の園児に手伝わせる〕 下の記事の事件で、園側が4月4日、2月に保護者に配布した資料を公表した。それによると職員が児の手を縛った際、別の園児にテープを取りにいかせ、さらに縛るためにテープをのばすのを子どもに手伝わせたとされる。他の園児もまわりで見ていた。(朝日、4月4日)

▶〔幼稚園で虐待行為〕 愛知県岡崎市の幼稚園(学校法人)で2月9日、女性職員が園児の手足を粘着テープで縛ったり、口をふさいだりしていたことがわかった。翌日にも別の女性職員が手を粘着テープで縛ったという。いずれも、縛られた児が他の園児をたたいたり蹴ったりすることが常態化していたことが理由としている。「縛った時間は2、3分で、口をふさいだのは15秒程度」と理事長は説明。そして、「一般的に虐待にあたる。子どもには本当に申し訳ないことをした」と話した。2月18日、児の保護者に謝罪、保護者への説明会を開いたという。
 県私学振興室は3月上旬に岡崎市から連絡を受け、園に報告を求めた。ほかの園児のケアや保護者への適切な説明を口頭で指導したという。「一般常識に照らして不適切な指導」としたが、「虐待にあたるかどうかを判断することは所管ではない」という。 また、県児童家庭課の担当者も「保護者以外の幼稚園内での行為なので、虐待に当たるか否かの判断は所管ではなく、難しい」と話している(朝日、4月4日)。〔掛札コメント〕 後半、2つの部署が「所管ではないので、虐待と判断するかどうかは難しい」と言っているところ。要するに、ありがちな責任逃れですね。

▶〔こども園で刃物を振り回す〕 3月31日午後3時20分頃、大分県宇佐市の認定こども園から「男が竹刀を振り回している」と110番通報があった。男は園内で竹刀や刃渡り19センチの刃物を手に暴れ、近くにいた小学生1人と職員2人がケガを負った。男(32歳)は15分後、園から約200メートル離れた路上で取り押さえられ、銃刀法違反容疑で逮捕された。(3月31日、各紙)

▶〔3か所で窃盗被害〕茨城県内の3つの保育施設で窃盗事件が起き、現金あわせておよそ90万円が盗まれた。境町の幼稚園や坂東市にある保育園など3カ所で、25日午後から26日午前までの間に、何者かが窓ガラスを割って侵入したとみられる。 3つの施設は、それぞれ車でおよそ10分程度の場所にあり、警察は関連を捜査している。(FNNニュース、3月27日)

▶〔問題のこども園は「地域裁量型」〕不適切な保育等が問題になっている兵庫県姫路市のこども園は、2003年、認可外保育施設として園長が個人で設立。2015年3月にこども園の認定を受けた。こども園は、兵庫県内で322園。同園は認可外でも移行できる「地方裁量型」で、調理室を設ける必要がないなど移行のハードルは低かったとみられる。県こども政策課は「待機児童を解消し保護者のニーズに応えるため、国の政策でできた枠組み」と説明。2015年度に始まった「子ども・子育て支援新制度」は、個人設立の認可外施設を認定しないルールを打ち出したが、同園は滑り込みで認定を受けていた。(神戸新聞NEXT、3月26日)

▶〔保育士を停職1か月〕今年1月、自分の顔に雪玉を当てた4歳児の背中を蹴ったとして、滋賀県大津市は3月21日、市の子育て総合支援センターの保育士(男性、28歳)を停職1か月とした(共同通信、3月21日。この事件の記事は下の2月1日)。

▶〔定員以上、不適切な保育でこども園取り消し〕姫路市の私立こども園が、定員46人に対し、別に22人の子どもを隠ぺいして受け入れていたとして、兵庫県と姫路市は3月中にも認定を取り消すことを決めた。超過分の保育料は独自設定して保護者と直接に契約、1人あたり月額2~4万円を不当に受け取っていたほか、給付金を満額受け取るために保育士人数も水増し、保育士は少人数で仕事を強いられる状態だった。さらに、子どもの給食は68人の園児に対し40食前後を発注。これを全員で分けていたため、栄養・量とも不十分だったとみられる。県と市が2月23日、情報提供を受けて特別監査を実施し、発覚した。同園は2003年11月に認可外施設として設立、2015年3月に県の認定を受け、4月から年間約5000万円の公費が運営に充てられていた。こども園の認定取り消しは全国初(神戸新聞NEXT、3月19日)。〔掛札コメント〕関連記事で、この園に勤めている複数の保育士の話を載せており、「特に、食事(の時)がつらかった」「ずっと疑問だったが、指摘できる雰囲気ではなかった」などと話してらっしゃいます。職員が黙っていることは、不正や虐待に加担することです。園の中で言う必要はありません、自治体に伝えてください。

▶〔運営資金着服で書類送検〕 大阪府高槻市の私立保育園で運営資金約1020万円を着服したとして、元園長(64歳、女性)が書類送検された。園長を務めていた平成24年10月~27年3月、領収書の額面を改ざんするなどした疑い。運営する法人によると、女性が実質的に一人で経費を管理。平成17年以降、計約9100万円を着服した疑いがあり、調査に対し「ブランド品の購入などに使った」と説明、容疑を認めている。(産経west、3月16日)

▶〔口座番号記載の書類を紛失〕神奈川県座間市の県立養護学校で、給食費などの引き落としに使う金融機関の口座番号、印影などが記載された書類(40人分)を紛失していたことがわかった。管理を担当する教諭が昨年5月、書類がないことに気づいたが、金融機関から郵送されていないと思い込んで放置、今月、金融機関に問い合わせたことで、すでに学校に届いていたとみられることがわかった。今のところ、被害の情報はない(NHK、3月9日)。〔掛札コメント〕「きっと~だろう」と自分vに都合のよいように(=自分に手間がかからない方向で)思い込んで確認しないのが人間。書類だけでなく、子どもの健康状態でも、食物アレルギーのチェックでも同じです。「あれ?」と思ったら、確認!

▶〔こども園の残業代未払いで申し入れ〕 仙台市の学校法人が運営する幼保連携型認定こども園で、残業代未払いなどがあったとして、保育士と労働組合「総合サポートユニオン介護・保育支部」が2月28日、園に労働環境改善などを指導するよう市に申し入れた。県庁で記者会見した保育士2人によると、園での勤務は毎日10~12時間だったが休憩はなく、残業代も支払われなかった。未払い分は2年間で192~240万円。職員を園長らが大声で罵倒したり、退職を申し出た保育士を脅迫したりするパワーハラスメントもあり、園児に怒鳴り散らすこともあったという。(河北新報、3月1日)

▶〔指導員が虐待〕 山形県酒田市内の学童保育所で2015年6~7月、指導員が小学校低学年児童の口をガムテープでふさぐ、手を縛るなどの虐待行為をしていたことが3月1日、明らかになった。市は虐待があったことを確認し、学童保育所を指導したという。この児は「まわりの子をたたいたり、耳のそばで大声をあげたりする。手を縛られた時もその指導員から『今度、たたいたら手を縛るよ』と言われたが、『どうぞ』と返答した」という(別の指導員)。児の祖母は、「確かに孫はやんちゃで、他の子に手を出したこともある。だがガムテープの件はやりすぎだと思う」と話した。市などから謝罪はなく、「不誠実な対応だ」とも。(毎日、3月2日)

▶〔虐待告発で精神的苦痛〕 さいたま市の障害者就労支援施設(昨年12月閉鎖)に勤務していた元職員の女性が虐待の告発に対して施設側から精神的苦痛を受けたとして、2月28日、運営者のNPO法人に慰謝料など約569万円の支払いを求める訴訟を起こした。2015年、施設の男性職員が知的障害者の裸の写真を撮影し、職場のパソコンで誰でも見られる状態にするなどした。元職員の告発を受けて市は障害者総合支援法に基づく監査をして虐待と認定、改善を勧告した。虐待を市に告発したことに対し、施設側がウェブサイトで「外部に発信すること自体が本当の虐待」などと元職員を非難、約671万円の損害賠償を求めたという。(朝日、2月28日)

▶〔運営費不正受給、約2600万円〕 資金の不正流用問題(2016年ニュース「不祥事」10月19日)で、兵庫県芦屋市に本拠を置く社会福祉法人が東京都目黒区内において運営する認可保育所は、運営費の不正受給が約2600万円にのぼる見通し。運営に専従していない施設長を置き、そのぶんの加算費などを受け取っていた。区は近く不正受給の詳細を確定したうえで返還請求する。違約加算金約300万円の支払いもあわせて求める見通し。(日経、2月28日)

▶〔入園願書盗んだ男、逮捕〕 1月23日夜から翌24日早朝にかけ、千葉市内の幼稚園から入園願書11通を盗んだとして、建造物侵入と窃盗の疑いで東京都葛飾区の男(24歳)が逮捕された。現場付近の防犯カメラ映像などから浮上、自宅から、船橋市内の幼稚園から盗まれた書類がみつかった。書類が盗まれた千葉県の2施設に子どもが通う6世帯には計約20回、無言電話があり、この容疑者によるものとみて捜査する。(産経、2月25日)

▶〔また、千葉県で幼稚園で書類盗難〕 2月22日午前6時20分ごろ、千葉県船橋市の私立幼稚園から「129人分の入園申込書が盗まれた」と通報があった。窓ガラスが割られ、1階事務所の棚から書類が盗まれていた。(千葉日報、2月22日)

▶〔「辞職しない」誓約書提出〕 複数の保育所を運営する埼玉県内の社会福祉法人とグループの株式会社が、2015年3月と2016年3月、保育士に年度末賞与を渡す際、1年間継続して勤務する保育士を対象に支給するとの趣旨から、「1年間辞職しません」という誓約書を提出させていたことが明らかになった。雇用者が退職を一方的に認めない場合は、民法などに抵触する恐れもあるが、法人側は取材に「自己都合退職を禁止する趣旨はなく、4月1日以降に個人的事情で退職した職員はいた」と説明。園長が賞与の返金を示唆したとの主張に対しては「返還を義務として強要した事実はない。自主的に一部を返納した人はいた」とし、「賞与に際して誓約書の提出を求めることは今後一切ない」としている。この法人の保育所で働く保育士を支援している労働組合「介護・保育ユニオン」は、労働環境の改善を求め、法人側と団体交渉を続けている。(毎日、2月19日)

▶〔女児に対するストーカー行為で逮捕〕 茨城県大洗町の元保育士(男性、28歳)が2月14日、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕された。保育所で受け持っていた女児の母親に昨夏ごろから「(児に)会いたい」などの内容のメールを10回以上送ったうえ、昨年12月ごろから200回以上電話をかけた疑い。卒園後にメールや電話が来るようになり、昨年12月末、両親が警察に相談して発覚した。(産経、2月14日)

▶小学校教諭や子ども向けキャンプ教室の添乗員ら6人が、強制わいせつや児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的製造)などの疑いで逮捕、起訴されたと2月9日、神奈川県警が発表した。事件当時、子ども向けのキャンプ旅行などを企画する旅行会社に勤務していた男性(無職、35歳)は、キャンプ場などの旅行先で、子どもの就寝中を狙ったり、薬を塗るふりをしたりしながら、男児に繰り返しわいせつな行為をし、撮影していた疑いがある。22歳大学生と当時少年だった大学生も、誘われて、ボランティアとして旅行に同行していた。男児のほとんどは被害に気づいておらず、帰宅後に「楽しい旅行だった」と家族に話したという。また、無職の23歳男性は家庭教師として教えていた男児に対してわいせつな行為などをしていた疑いがもたれている。この4人はグループをつくり、写真や動画を交換していた。
 一方、小学校教諭(男性、45歳)は、元小学校教諭(男性、66歳)と、静岡県熱海市の海岸で男児に声をかけ、マンションに連れ込むなどしていた。また、腕時計型のデジタルカメラを使い、入浴施設で男児を動画で撮影していたという。
 6人の所持品からは計168人分の男児の写真や動画など約10万件が確認され、うち21人分について立件したという。(各紙、2月9日)

▶愛知県警は2月8日、埼玉県富士見市社会福祉事業団・放課後児童クラブ職員(男性、22歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ提供)の疑いで逮捕した。容疑を認めている。容疑者は昨年12月5日、男児の性器が写った写真データをスマートフォンの無料通信アプリを使って群馬県伊勢崎市の会社員(男性、21歳)に送って閲覧させた疑い。男児は5~14歳とみられ、顔は写っていなかったという。(朝日、2月8日)

▶大阪府警は2月8日、大阪市都島区の53歳男性を窃盗などの疑いで逮捕した。昨年7月24夜~25日朝、東大阪市内の保育園に侵入、現金や商品券、防犯カメラの映像を管理するハードディスクを盗んだ疑い。2015年から昨年にかけて、大阪府内の保育園や幼稚園計約50か所であいついだ、同種の窃盗被害と関係がないか、調べている。(朝日、2月8日)

▶〔児相職員、わいせつ行為で再逮捕〕 強制わいせつ(1月5日記事)で逮捕・起訴されている札幌市の児童相談所非常勤職員(男性、59歳)が昨年11月13日、施設内で勤務中、同じ10代男児にわいせつな行為をした疑いで再逮捕された。容疑をおおむね認めており、警察は余罪を調べている。(UHBホッカイドウニュース、2月5日)

▶〔酒気帯び運転で停職6か月〕 宮城県女川町の町立保育所の保育士(女性、30歳)が、酒気帯び運転で停職6か月の懲戒処分。昨年11月13日午後1時ごろ、石巻市の自宅で飲酒、午後2時45分ごろ、同市内の交差点で信号待ちの車に追突し、酒気帯び運転の疑いで摘発された。今年になって罰金35万円の略式命令、運転免許取り消しなどの処分をそれぞれ受けた。(河北新報、2月1日)

▶〔強制わいせつで経営者逮捕〕 山口市の認可外保育所経営者(62歳、男性)が、強制わいせつ容疑で逮捕された。容疑を否認している。昨年11月11日ごろ、運営する保育所に通う5歳女児にわいせつな行為をしたとの容疑。女児の母親から届け出があり、発覚。(産経west、2月1日)

▶〔保育士が子どもに回し蹴り〕 滋賀県大津市の子育て支援センターに勤める保育士(20歳代、男性)が4歳児の背中を足で蹴る暴行をくわえていたことが、市への取材からわかった。1月19日昼前、発達支援療育事業の一環として、他の保育士3人と、幼児9人を連れて市内の公園で雪遊びを始めた。この時、児が投げた雪玉が顔にあたったため、児の前から右足で回し蹴りをしたという。児が前に倒れ込んで泣き出したため、その場で抱きかかえて謝った。保育士は20日に上司に報告し、保護者に謝罪した。児にけがはなかったが、市は保育士を自宅謹慎とし、処分を検討している。ふだんの勤務態度に問題はなかったという(読売、2月1日)。〔掛札コメント〕なぜ、翌日に報告? 

▶〔今度は保育所に侵入〕 1月26日午前2時過ぎ、千葉県習志野市の市立保育所で侵入を知らせる警報が鳴った。警察が確認したところ、1階の窓ガラスが割られ、侵入された形跡がみつかった。盗まれたものはなかった。(FNNニュース、1月26日)

▶〔入園願書、また盗難〕 1月24日午前5時ごろ、千葉市中央区の幼稚園で窓ガラスが割られ、昨年入園した園児11人分の入園願書と調査票が盗まれたと、園長から通報があった。文書には名前や保護者の住所、連絡先などが書かれていたという。千葉県松戸市でも今月、入園願書が盗まれる被害が起きている。(NHK、1月24日)

▶〔女児9人を撮影、再逮捕〕 神奈川県平塚市の認可外施設で4か月児が死亡し、保育士(男性、35歳)が傷害致死罪で起訴された事件で、警察は1月16日、この保育士が昨年1~3月、当時勤めていた横浜市の認可外施設で1~6歳の女児9人の服を脱がせ、スマートフォンで撮影していたとして、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで再逮捕した。同様の別の容疑で昨年11月に再逮捕され、起訴されている。(各紙、1月16日)

▶〔区役所の情報システムで個人情報盗み見〕 警視庁は1月11日、東京都中野区役所の元臨時職員(29歳、男性)を住居侵入と中野区個人情報の保護に関わる条例違反の疑いで再逮捕した(すでに5人の女性に対する強制わいせつ罪などで起訴)。今回の逮捕容疑は2014年~16年、中野区の20代女性が住むマンションのベランダに侵入したほか、勤務する中野区役所のシステムからこの女性の個人情報を不正に閲覧したというもの。この間、断続的に区の臨時職員として勤務、事件当時はマイナンバーの通知カードを扱う業務などを担当し、個人情報を自由に閲覧できる立場だったという。容疑者のパソコンや携帯電話には、20代から30代女性数十人分の個人情報が保管されていたという(朝日、1月12日)。〔掛札コメント〕 この人は保育施設勤務ではありませんが、考えてみたら保育園等に保管されている各種の個人情報にも同じようなリスクがあるわけで…(ひとつ下に、願書盗難の記事もあります)。しかし、「断続的な臨時職員」にマイナンバーを扱わせていたというのは??

▶〔幼稚園で願書盗まれる〕 千葉県松戸市の幼稚園で1階の窓ガラスが割られ、名前や住所などが書かれた約110人分の入園願書がなくなった。10日午後5時ごろ、職員が鍵をかけて幼稚園を出ており、翌朝11日の7時半すぎ、出勤した職員が窓ガラスが割られていることに気づいた。(各紙、1月12日)

▶〔SIDS対策マニュアルに「箝口令(かんこうれい)」〕 愛媛県東予地区の社会福祉法人が運営する保育園で、園児の死亡事故が起きた場合は職員に箝口令を敷くようSIDS対策マニュアルの中に書いていたことが、県の監査で明らかになった。毎日新聞の情報公開請求に対して県が開示した監査に関する文書によると、保育園のSIDSマニュアルには、園児が死亡する事故が起きた際の職員の対応として、「(死亡事故についての)発言を一切控える(箝口令)」と記載されていた。県はマニュアルを不適切として、改善を求めた(毎日、1月11日)。〔掛札コメント〕 3-5の冒頭にも書きましたが、これは氷山の一角です。「箝口令」とマニュアルにわざわざ書くなんてことはなくても、「睡眠中に子どもが死んだら『仰向けでした』『チェックしてました』と言おう」と話している園はあるはず。まず、箝口令や口裏合わせは、「真実を隠しておくことが難しい」という人間の心理からも非常に難しいので、やめましょう(隠せてしまっても、誰にも言えない嘘をついたという傷は一生残ります)。真実が明らかになった時に、死亡事故以上の部分で社会的責任を問われます。また、「ばらしたりしたら、この町に住めなくしてやるからな」というような脅しもいまだにあるようですが、そういう文化だから、地域に人が残らないのだと考えましょう。とにかく「予防と救急対応としてすべきことをすべてする。そして、事実を話す」、職員の心と仕事を守り、子どもの命を守る一番大事なことです(これは1-2に書いてあります)。

▶〔文部科学省で厳秘メール誤送信〕 1月4日に文科省で、「厳秘」とされた約30人分の人事異動案(ボツ案や育児休業予定等も)を誤って全職員1700人に送信していたことがわかった。外部への流出は「確認されていない」という。再発防止のため、人事情報等をメールでやりとりしないことを決めた。省内のメールが今年から新しいシステムに切り替わり、宛先設定に不慣れだったことが原因とみている(朝日、1月10日)。〔掛札コメント〕 私の所にも時折、本来、来るべきではないメールが舞い込んできます。メールやファックス送信の際は、送信直前に再度、声出し確認を。

▶〔保育士の犯罪歴を都道府県にも連絡〕 保育士資格は都道府県が登録事務を行い、児童福祉法では保育士が禁錮以上の罪などを犯した場合、2年間は保育士として働けないと定めており、都道府県が保育士の資格を取り消す。しかし、これまで都道府県は犯罪加担を把握できず、資格を取り消せないケースがあり、再発を招いたケースもあった。このため、保育士が罪を犯した場合の資格取り消しルールを徹底するため、厚生労働省は、施設との窓口を担う市区町村に対し、保育士の犯罪歴などの情報を都道府県にも連絡するよう通知を出す。別の自治体で資格を登録した保育士でも、必要があれば資格を取り消せるよう都道府県同士の情報提供も促す(日経、1月5日)。〔掛札コメント〕 逮捕されても、不起訴の場合は該当しないのでしょうか…。

▶〔児相非常勤職員がわいせつ行為〕 札幌市の児童相談所の非常勤職員(男性、59歳)が12月19日、自宅で小学生男児にわいせつ行為をしたとして1月5日、逮捕された(強制わいせつ容疑)。児が家庭内の問題で勤務先の相談所に来所した時に知り合い、保護を終えた後も連絡をとりあっていたという。12月26日、母親が警察に被害を訴えた。(時事、1月5日)

▶〔園児に体罰くりかえす〕 山梨県南アルプス市の市立保育所で、臨時保育士(20代、女性)が担任をしていた年少児の園児の頭を繰り返し殴るなどしていた疑い。2016年12月中旬、保護者から「子どもが担任に殴られた」との情報提供があった。保育士は「しつけのつもりだった」として「体罰」とは認めなかったものの、複数の保護者が「この保育士から子どもが殴られた」と名乗り出たという。12月26日までに園はこの保育士を担任からはずして謹慎措置としている。また、この保育所では、別の保育士も園児に対する暴言や暴力行為などを日常的に繰り返しているのではないかと指摘されており、複数の情報が寄せられているという。(「きょういくブログ」から引用。同ブログによると原典はNNNニュース、12月28日)



保育全般

▶〔学童職員が子どもに殴られてケガ〕兵庫県内の児童館で、小学2年生が施設に専門職として勤務する女性職員の首をポリウレタン製のバット(長さ75センチ)で殴って負傷させていたことがわかった。職員は5月、児童13人を連れて外遊びに向かう準備中、施設内にあったバットで頭部を1回殴られた。児は外遊びで野球ができないことが不満だったという。女性は約1週間入院、右耳がほとんど聞こえず、自律神経を損傷した影響で突然めまいを起こすなどの後遺症が出ており、現在も治療中という。この児は数日前にも別の児童に暴力を振るっていたといい、女性は6月、県警に被害届を提出。県警は捜査の結果、女性に対する傷害の非行内容で10月、男児を児童相談所に通告した。(12月19日、産経、読売)

▶〔発達支援のニーズ増加〕発達障害者支援センター(全国91か所)に寄せられた相談件数が昨年度、7万4024件と、過去最多となったことが厚生労働省のまとめでわかった。47か所でスタートした2005年度から4倍以上に増えた。相談件数の増加に伴って支援の担い手不足が目立ってきており、各自治体は対策を急いでいる。厚労省によると、発達障害の人は、疑いがある人も含めると全国に約700万人いると推定される。小中学生の6.5%程度に発達障害の可能性があるとの調査結果もある。(読売、9月8日)

▶〔医療的ケア児の保育所入所状況〕医療的ケア児について、保育所の入所状況を47都道府県に尋ねたところ、2016年度は受け入れ人数が計337人で、7県はゼロだったことが20日、共同通信の調査で分かった。こうした子どものケアには看護師らの配置が必要で、2016年には自治体に支援の努力義務が課されている。医療的ケア児はたんの吸引や鼻からチューブで栄養を送り込む「経管栄養」などが必要な子どもで、15年度時点で19歳以下は全国に約1万7千人、4歳以下は約6千人いるとされる。(共同通信、8月20日)

▶〔電話詐欺を防ぎ、保育士に感謝状〕電話詐欺の被害を未然に防いだとして、埼玉県羽生署は、市内の保育士(28歳、女性)に感謝状を贈った。この保育士は8月2日午後、駅付近で 女性(70代)から道を聞かれた。女性は息子を名乗る男から現金が必要との電話を受け、百万円を持参し、指示された受け渡し場所を探していた。保育士が現金を受け取りに来る男と電話で話したところ、男は女性の知り合いではなく初めて会うとわかり、不審に思い、警察に通報した。警察署長は「機転を利かしていただいてありがたい」と感謝した。(東京新聞、8月12日)

▶〔保育士不足は25%の施設〕(独)福祉医療機構が全国の保育所と認定こども園を対象に実施したアンケートから、職員が不足していると回答した施設が25.0%に上ることが7月31日、分かった。不足と回答した施設の18.3%が利用者の入所を制限していた。調査は昨年9~10月に5726施設を対象にインターネットで実施、1615施設(28.2%)から有効回答を得た。入所受け入れを制限している施設に不足している職種を複数回答で聞くと、保育士86.3%。保育教諭19.6%、保育補助者10.6%だった。職員の退職理由は、保育業界内での転職(29.8%)と結婚(29.7%)が上位を占め、他の業界への転職(26.0%)、体調不良(22.9%)、出産・育児(21.4%)、職場の人間関係(12.2%)が続いた(複数回答)。これに対し、ほぼ同じ内容で退職経験のある保育士自身に退職理由を尋ねた別の調査では、職場の人間関係(35.4%)が最多で、体調不良(27.7%)、結婚(20.0%)の順(複数回答)。施設側と保育士側で、退職の事情について認識の相違がうかがえる(共同、7月31日)。〔掛札コメント〕下のメンタルヘルスの調査は回答率が26%、こちらも28%。答えていない施設は…? こういった調査は本当に、「回答していない園」を追加調査するか、回答園と未回答園の属性を比較するぐらいのことはしないと、です。

▶〔保育士3人に1人がメンタルヘルスケア必要、と〕(6月25日の記事の詳細分)保育士の3人に1人が精神的ケアを必要としているものの6割の施設でサポート体制が整っていないことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。昨年2月から今年3月にかけて全国の保育施設約1万カ所に調査票を郵送し、2672施設、保育士3457人から回答を得た。メンタルヘルスケアが「必要だと感じる」「実際に治療を受けた」と答えた保育士が昨年度何人いたかを施設に尋ねたところ、719施設(27%)で、少なくとも1026人に上った。保育士に尋ねると、この1年間に「実際にカウンセリングを受けた・服薬している」は90人(3%)で、「メンタルヘルスケアやカウンセリングを受けたいと感じた」は232人(7%)。また、「負担に感じたが相談できない・相談していない」も415人(12%)いた。一方、「サポート体制がない」と答えた施設は1540施設(58%)。認可保育所では、公設公営の77%はサポート体制があると回答したが、公設民営は29%、民設民営(社会福祉法人)は25%にとどまった。保育士に聞いたところ、1509人(44%)がサポート体制は「ない」と答え、「わからない」も1001人(29%)いた(朝日、7月26日)。〔掛札コメント〕回答率が約26%ですよね…。回答しなかった園の内訳(公立、公設民営、私立のほか、規模、都市部かそうではないか、など)を回答園と比較して公表するべきです。こういった内訳は、回答が戻ってこなくてもわかるはずですから。

▶〔保育士の精神的ケア、必要〕全国の保育所や認定こども園のうち、精神的ケアが必要な保育士がいる施設が27%に上ることが6月25日、厚生労働省研究班の調査からわかった(調査は今年2~3月に実施)。全体の58%で相談窓口などのサポート体制が整っておらず、公立の施設に比べ、民間で対応の遅れが目立った(共同通信、6月25日)。〔掛札コメント〕公立保育園で対応が充実しているわけではなく、自治体に産業医等がいることを称して「対応がある」と言っているだけだと思いますが。もうひとつ、新刊にも書きましたが、精神的ケアが必要な背景には、個人の課題もあるかもしれませんが、その組織全体の課題もあることをお忘れなく。精神的ケアが必要な職員だけを「もぐらたたき」していても、組織の課題が解決されなければ、次が出てくるだけです。

▶〔監査実施率、東京は13%〕国が義務づけている、認可保育所の立ち入り監査実施率をNHKが調べた結果が明らかになった。1都9県と6政令指定都市、10中核市などに取材し、県単位で実施率を独自集計。結果は、群馬県100%、茨城県98.9%、山梨県64.8%、千葉県64.3%、長野県56.3%、神奈川県55.8%、栃木県54.7%、新潟県47.1%、埼玉県28.0%、東京都13.2%。一方、通常の立ち入り監査は、必要な書類をあらかじめ用意する必要があるなどとして、実施日時を保育所側に事前に通知しているため、監査そのものの有効性も疑問視されており、「監査逃れ」が疑われるケースもある。たとえば、このNHKの取材でも、川崎市の小規模保育所では、開園当初から保育士の数が市の基準より1人少ない状態が続いていたため、市に通報したところ、当日、同じ会社が運営する別の保育所から保育士がやってきたという(元・園長の話)。「介護・保育ユニオン」には、現場の保育士から、こうした「監査逃れ」が疑われる実態の相談が多く寄せられているという。(NHK、6月2日)

▶〔ファミサポ、救命救急講習を必ず実施〕「ファミリー・サポート・センター事業」について厚生労働省は、預かり手が必ず救命救急講習を受けるよう実施要綱を改定し、地方自治体に通知した。2010年に大阪府八尾市で預けられていた5か月児が亡くなり、遺族が今年3月、「適切な救命救急措置がとられていなかった」として事業の改善を厚労省に申し入れていたもの。 これまでの要綱では、預かり手が受けることが望ましい講習のカリキュラム9項目の一つに「安全・事故」とだけ示されていたが、救命救急講習については「必ず実施すること」と明示。同省によると、2015年度は809市区町村がこの事業を実施。2006年度からの10年間で八尾市の死亡事故のほか、子どもが全治1カ月以上のけがをする重大事故は18件起きている(毎日、4月9日)。〔掛札コメント〕ファミサポ提供会員は、利用会員と「個人契約」の形で子どもを預かります。自治体は紹介をするだけで、なにか起きても責任をとる立場にありません(私が研修会でお話をした複数の自治体の担当者さんがその場で、「そうです」とおっしゃっています)。それを聞いた提供会員さんの中には「怖いからもう預かりたくない」とおっしゃる方もいますが、それが当然の反応だと思います。自治体は提供会員にその点をはっきり説明すべきです。地域の方がほぼボランティア精神で携わっているのに、万が一のことが起きたら提供会員の責任というのでは…。

▶〔認可外保育施設も公的補償対象に〕 認可外保育施設でも公的補償が受けられるよう災害共済給付制度を見直す法案が3月31日、参院本会議で可決、成立した。独立行政法人日本スポーツ振興センター法を改正し、補償の対象を拡大。施設内で事故が起きた場合に医療費や見舞金が受け取れるようになる。4月から施行。対象は、企業主導型保育所と認可施設に移行中の保育所。職員のうち保育士の割合が6割以上であることを基準にする方針。(日経、3月31日)

▶〔指導監督基準を満たさない認可外が36%〕 厚生労働省のまとめから、国の指導監査基準を満たしていない認可外保育施設が2015年度、36%あったことがわかった。都道府県が、6人以上の子どもを預かる施設3514ヵ所に立ち入り調査したもの。子どもの健康診断を年2回行っていない施設が442、職員の健康診断を行っていない施設が392、避難計画の作成・訓練を実施していない施設が384。厚労省は今年度から保育所の事故予防などを助言する「巡回指導員」の配置費用を自治体に援助する。助言に従わない場合は行政指導につなげ、立ち入り調査の実施率向上などを図る。全国の認可外保育施設は15年度末時点で6923カ所(前年度比1115カ所減)、児童数は17万7877人(2万3653人減)。(日経、4月1日)

▶〔認可外保育施設、一部も災害共済給付対象に〕企業主導型保育施設、一定の条件を満たす施設など、一部の認可外保育所でも事故時に補償が受けられるよう「災害共済給付制度」を見直す関連法(「日本スポーツ振興センター法」)の改正案が、3月22日の衆院文部科学委員会に議員立法で提出され、全会一致で可決された。今国会で成立、4月1日から施行予定。同委員会はベビーシッターやファミリーサポートセンター事業、一時預かり事業も対象に含める検討を続けるとの決議も採択した。(毎日、3月22日)

▶〔言葉の暴力も懲戒処分などの対象〕 大阪市教育委員会は7日の会議で、教員らによる児童生徒への「言葉の暴力」が、体罰や暴力行為にあたると明文化し、懲戒処分などの対象とすることを決めた。これまで、児童生徒に非がないのに暴力をふるった場合を「暴力行為」、非がある場合を「体罰」と定義していた。今回、「児童生徒の人格や能力を否定する」「人権を侵害する」などの発言を「言葉の暴力」と規定、悪質性や頻度、児童生徒が精神的苦痛をこうむったかなどを基準に処分を決める(読売、3月7日)。〔掛札コメント〕未就学児でも同じですし、「処分されるなら暴言を吐かないようにする」ではないことは、言うまでもありません。

▶〔障害児の放課後等デイサービスの運営条件厳密化〕 障害児を放課後や休日に預かる「放課後等デイサービス」事業で、虐待や質の低いサービスが多く起きていることから、厚生労働省は4月から運営条件を厳しくする方針を決めた。4年間で81件の問題が明らかになっており、専門知識を持つ職員の配置を義務付けるなどする。同サービスは2012年度に制度化され、その後施設数は急増、全国約8400か所で約11万人が利用している。(毎日、1月6日、読売、2月15日)

▶〔経営難で閉園〕 三重県津市の民間保育園を運営する社会福祉法人は1月18日、保護者説明会を開き、経営難のため、3月に閉園すると発表した。関係者によると、各家庭に保護者説明会を行う旨の電話が園職員からあったのは、前夜。園には79人が在籍、3月に22人が卒園し、新たに16人が入園する予定だった。市などによると、園の施設が耐震基準を満たしていないため、市が改修を求めていた。これに対して法人が1月6日、市に対策を示したが、市はこれを不適当とした。市は閉園について、「改修工事をするための資金が集まらなかったのではないか」と見ている。市の子育て支援課は20日、公私立園長らを集めて会議を開き、この保育園の園児を受け入れるよう協力を求めた。(伊勢新聞、1月23日)

▶〔幼稚園教諭の免許無効が7割超〕 京都府内の認定こども園で働く保育教諭のうち、幼稚園教諭の免許更新期限が過ぎた人の7割超が必要な更新講習を受けず、免許が無効になっていることが、全国認定こども園協会府支部のアンケートからわかった(全38園中25園が回答。昨年10月実施)。16年度までに更新期限を迎えた保育教諭174人のうち、期限を更新した人は46人にとどまった。国は、2019年度末までに受講しなければ、認定こども園で働くことができないとしている。免許更新には大学や短大が実施する30時間以上の講習を受ける必要があるが、講習の多くが幼稚園の夏休みの平日に設定されており、その時期にも業務がある保育士は受講しにくい実態がある(京都新聞、1月30日)。

▶〔発達障害の初診待ち長すぎ。総務省が勧告〕 総務省行政評価局の調べから、発達障害のある子どもの診断をしている医療機関の半数で、初診までに3か月以上待たされていることがわかり、総務省は1月20日、厚生労働省の改善を勧告した。昨年8~11月、発達障害を診断できる医師がいる全国約1300の医療機関のうち、主要な27機関について調べた。その結果、高校生以下の受診者が初診を受けるまでにかかる期間は、1か月以上3か月未満が6機関、3か月以上半年未満が12機関。半年以上が2機関あり、うち1機関では約10か月かかっていた。初診を待つ子どもの数は、10~49人が9機関、50~99人が4機関、100人以上が8機関。医療機関からは、現行制度について「診察には長時間かかるのに、診療報酬が短時間の診察しか想定しておらず実態に合わない」などの意見があったという。総務省は「専門医や専門的医療機関が不足している」として医師や機関の確保を急ぐよう厚労省に求めた。(朝日他、1月21日)

▶〔保育所新設に説明義務〕名古屋市は保育所新設にあたり、建設予定地から10メートル以内のすべての住民への事前説明を事業者に義務づけた。名古屋市でも近隣住民の反対によって保育所開園が断念となったケースがあること、現在、反対運動が続いている所もあることから、これまでは「努力義務」とされ、行われないこともあった事前説明を義務づけたもの。「応募前に近隣住民に適切に説明し、理解を得るように努めること」と規定されている「近隣」があいまいで、事業者側からは「どこまで説明すればいいか、わからない」という声があがっていた。中高層建築物を新築する際の市条例にならった。説明は対面が原則だが、2日間訪問しても会えなければ資料を置くことでも可能とした(中日新聞、1月9日)。〔掛札コメント〕10メートル以上、離れている人には説明しなくていい…わけじゃないですよね。こういう杓子定規なやり方では、リスク・コミュニケーションはなかなか…。

▶〔「保育園うるさい」苦情、調査自治体の約75%で〕 政令指定都市や県庁所在地、東京23区などの150自治体を対象に読売新聞が調べたところ(2016年11~12月調査)、回答した146自治体のうち109自治体が、2012~16年度の5年間に保育施設の音や声をめぐり、「うるさい」という苦情を受けていたことがわかった。苦情が原因で保育施設の開園を中止・延期したケースも計16件あった。5年間すべての件数を把握している43自治体の回答によると、2012年度の計37件から15年度は計88件に、16年度は12月までで計89件。(読売、1月8日)

▶〔厚生労働省、巡回支援指導員配置へ〕 厚生労働省は2017年度から、経験のある保育士らが認可外施設も含め月1回以上巡回して助言をする「巡回支援指導員」を配置するなど、重大事故防止策強化を進める。助言に法的強制力はないが、改善しない施設については自治体が改善指導に乗り出す。また、保育士など保育施設の職員を対象に重大事故防止のための研修を実施した自治体に対する財政支援も行う。一連の事故防止強化策として、2017年度予算案に30億円を計上した。〔掛札コメント〕 経験のある保育士が必ずしも、深刻事故のハザードやリスクを発見できるわけではありません。ましてや予防策は…。そこのトレーニングをしないと、「来る人によって言うことが違う」という状況が起きてしまいます。



アレルギー、食

▶〔ヒスタミン食中毒〕山形県寒河江市の市立保育所で12月20日に給食を食べた園児20人と職員2人の計22人が、発疹などの食中毒症状を訴えた。既に全員回復。保育所で調理したブリの照り焼きから、ヒスタミンが検出された(12月23日、産経)。〔掛札コメント〕「最新情報」の所にも「リンク」にも、ヒスタミン食中毒のことは載せてあります。保育所でブリの切り身をそんなに長く保存していたとは思えないのですが、新鮮じゃなかったのか、よほど長時間、室温に置いておいたのか…?

▶〔給食の混入を報告せず〕沖縄市の給食センターが市内の小学校に提供した給食にスライサーの刃の一部が混入した問題で、市教育委員会は12月23日までに、県に報告すべき異物混入が今月15日までの本年度中に他に4件あったことを発表した。スライサーの問題が発覚して以降、県への報告の必要性を把握し、今月中に遅れて報告した。4件はハエやコバエの混入で、児童が口にする前に気付いて異物を取り除いていた(12月24日、琉球新報)。スライサーの刃の一部が混入した件は12月11日、市教育委員会が「職員が使用前後に刃を点検しなかったことが原因」とし、人為的なミスだったことを認めた(12月27日、琉球タイムズ)

▶〔キョウチクトウの葉で食中毒〕高松市内の小学校2年生2人が11月29日、校庭のキョウチクトウの葉を数枚食べ、直後に吐き気と頭痛を訴えた。一時入院したが、現在は回復しているという。市保健所はキョウチクトウに含まれる有毒成分「オレアンドリン」を原因とする食中毒と断定し、学校は校庭に植えられていた3本のキョウチクトウの枝を切り落とし、全校生徒に校庭の植物を食べないよう指導した。2人は食べられる植物に関心を持っていたという。(12月16日、毎日)。〔掛札コメント〕枝を切り落とすような話ですかね…。なんとも短絡的な対策で。

▶〔米飯容器等に血液が付着〕千葉県四街道市の市立小中学校3校で9月5日、給食用の米飯を詰めた容器や米飯を覆うビニール袋などに血液が付着していたことが、市教委への取材でわかった。赤褐色の異物が付着していることに給食の配膳業務を行う担当者が事前に気づいたため、児童生徒が食べることはなかったという。検査機関で調べた結果、異物は血液と判明、他の2校でも同様の付着物が見つかり、異物が付着していた容器は計23個にのぼった。市が供給契約を結んでいる千葉市の(公財)県学校給食会によると、製造委託先の従業員が検品作業中、指の皮がむけて出血し、はめていたゴム手袋が何らかの理由で破れ、血液が付着したという(12月12日、読売)。〔掛札コメント〕なぜ本人が申し出なかったのでしょう? これはミスとかそういうことではなく、言語道断のレベル。

▶〔給食に金属の棒〕島根県出雲市の市立小学校で12月13日、6年生の給食のご飯の中に、金属の棒(長さ7センチ)1本が混入していた。容器のふたを開けた時点で学校側が気づき、口にした児童はいなかった。市教委によると、炊飯を委託している業者の施設で、ご飯をかき回す装置が折れており、混入した棒はこの装置の一部と確認した。(12月14日、毎日)

▶〔賞味期限切れの飲料〕愛知県日進市の私立幼稚園で、12月5日の給食に出された乳酸菌飲料の賞味期限が11月であることに担任が気づいた。名古屋市の納入業者によると、廃棄するつもりで保管していた賞味期限11月25日と27日の200本を誤って出荷したということで、回収する前に飲んでしまった園児もいたが、健康被害は確認されていないという。この園では今年9月、給食を食べた園児らが食中毒の症状を訴え、納入業者を変更したばかりだった。(12月6日、東海テレビ)

▶〔食物アレルギー治療中の重症事例は少なくとも計9人〕日本小児アレルギー学会の緊急調査から、食物アレルギーの子どもの治療中、自力呼吸が難しくなるなど、重い症状が出た事例はこれまでに18件あったことがわかった。食物アレルギーの診療を行っている全国344の医療機関を対象に行い、83%にあたる287施設から回答を得た。治療や検査に関連して起きた事例についても初めて調査をしたが、食べ物を口にしてアレルギーの診断を行う検査では5人、アレルギーの原因となる食べ物を少しずつ食べる治療法「経口免疫療法」では、4人に重い症状が出たことがわかった(今回の神奈川の子どもを含む)。他の8人は誤食で、残りの1人は詳しい状況がわからないという(各紙、11月19日)

▶〔食物アレルギーの臨床研究で、一時心肺停止〕神奈川県立こども医療センター(横浜市)で、臨床研究に参加していた子どもが重いアレルギー症状を起こしていたことがわかった。この臨床研究は「経口免疫療法」で、患者200人に対して入院させて安全を管理した状態でアレルギー原因食の摂取量を徐々に増やし、退院後も一定量の摂取を続ける「急速法」を行っていた。今年、この臨床研究に参加していた牛乳アレルギーの子どもが、入院を終え医師の指導のもと、自宅で牛乳を飲み続けていたが、約3か月後、牛乳を飲んだ直後に重いアレルギー症状があらわれ、一時、心肺が停止して脳に障害が出、現在も治療を続けているという。
 日本小児アレルギー学会は、食物アレルギーの診療を行っている全国330の医療機関を対象に、治療や実際に食べ物を食べて行う検査などの過程で、重い症状が出た事例がないか緊急の調査を始めた。 専門家によると、「経口免疫療法」は日本が先進的に取り組んでいる治療法で、平成27年の時点で全国の約8000人がこの治療法を受けているという報告がある。治療法の中には食べる量を増やす初めの段階で、ゆっくりと量を増やす「緩徐法」や急激に増やす「急速法」など複数の方法があるとされている。日本小児アレルギー学会の診療ガイドラインでは、一部の症例に効果があるとする一方、治療中に全身に症状が出るアナフィラキシーなどの重篤な症状が出ることがあるほか、治療が終わった後に症状が出る場合もあるなどの問題があるとされ、一般診療としては推奨されていない。このため学会では、この治療法を行う場合は、食物アレルギー診療を熟知した専門医が行うことや、症状が出た場合の救急対応の準備をしっかりと行っていることなどを条件に臨床研究として慎重に行うことを求めている(11月14日、NHK)。〔掛札コメント〕保育園では、診断が定かでないお子さんのケースや、保護者の判断で(家/保育園で)食べさせたり食べさせなかったりするケースもあるようです。保護者にこのような事例があったこともお伝えして、「小児の食物アレルギー専門医のもとで診断を受けて、どのような治療をするか、決めてください」「保育園では、食べるか食べないか、二者択一のみです」と確認してください。小児の食物アレルギー専門医は、「リンク」ページの「食物アレルギー、食品」項をご覧ください。

▶〔抹茶ミルクに脱酸素剤〕富山県高岡市の市立保育園で11月10日、誤って脱酸素剤が混入した抹茶ミルクを園児が飲んだ。午後3時頃、おやつとして出された抹茶ミルクを飲んだ園児がコップ内に破れた袋が入っているのを見つけ、保育士がすぐに飲むのをやめさせたが、園児87人中67人が飲んだという。脱酸素剤は縦約3センチ、横約2センチの薄い袋に入った状態で抹茶ミルクを作るための粉末の製品に同封されていた。調理員が粉末とミルクをミキサーで混ぜる際に、誤って混入したという。市は「鉄粉などが主成分で安全が確認されている」と説明するが、11日も園児の健康状態の確認を続ける。市は昨年度に起きた混入を受け、1) 1人で作業せず「(食材の)中身は確認しましたか」などと声を掛け合う、2) 食材をザルとボウルを使って確認し、異物があれば取り除く、などとマニュアルを見直した。だが、調理員は今回1人で作業し、粉末をボウルに開けただけでザルは使っていなかったという(11月11日、読売)。〔掛札コメント〕マニュアルは取扱説明書と同じく、「誰がしても同じ行動になるよう決めるもの」です。人によって解釈が異なり、行動が違ってしまうようなら、それは「マニュアル」とは呼びません。そして、マニュアルを作っても「めんどうだから」「大丈夫だから」と思って、しないのが人間。それは「やらない人が悪い」だけではなく、マニュアルに書かれた行動が「実行しにくい」場合もあります。粉末を一度、ザルにあける? 正しい行動ですけど、なかなかしないでしょうね…。こういった場合のもっと「実行しやすい行動」はどんなものなのかと考えるのも重要です。ちなみに、ガイドイランは「ガイドするライン(線)」なので、マニュアルとは違います。

▶〔チーズサンドを食べ、アナフィラキシーショック死〕11月3日、ニューヨークのハーレムにあるプリスクールで、3歳児が昼食のチーズ・サンド(チーズをはさんでから焼いたもの)を食べてアナフィラキシー反応を起こし、搬送後、死亡した。保護者によると、児が乳製品に対する強いアレルギーがあることは施設に届け出ていたという。ニューヨーク市保健精神衛生局(DOH)は8日、同施設を閉鎖。同施設が安全計画に従わず、子どもの管理が不適切だった可能性を指摘している。DOHと同施設は事故の原因と事故が回避できなかったかを調査中。(DailySun New York日本語版、11月10日)

▶〔同じ子の給食に異物〕富山県砺波市の市立小学校で2日、給食に画びょう1個が混入していたと教育委員会が発表した。9月28日にも同じ児童の給食に安全ピンが混入しているのが見つかっている。2日は担任が食器に盛りつけ、児童が自分の机まで運んだ。クラス全体で食事前の安全確認をした際、この児童が混入を申し出たという。9月の異物混入を受け、同校では給食時の安全対策を強化していた。給食を調理した市の学校給食センターは、同校を含め、小中学校と幼稚園16施設に給食を提供したが、他では異物混入は確認されなかった。見つかった画びょうは「校内で使っているものとほぼ同じ」だという。(10月3日、読売)

▶〔食材裁断機の刃先混入の疑い〕滋賀県野洲市の学校給食センターは9月19日、調理したメニューに食材裁断機の刃先が混入した可能性があり、市内19校園の約6000人分の給食でこのメニューの提供を中止したと発表した。欠けたのはステンレス製の刃先で縦約1ミリ、横3ミリ。午前10時半ごろ、キュウリを切った後の点検作業中に職員が欠けているのを見つけた。調理前は異常はなかったという(京都新聞、9月19日)。 〔掛札コメント〕破片などの混入について下にも書いていますが、このように切った直後に点検すれば、提供してしまうことが防げるわけです(拍手)。

▶〔まんじゅうの一部にカビ〕神奈川県川崎市は9月16日、敬老の日の事業として、市内の福祉施設等の高齢者に配った紅白まんじゅうの一部にカビが生えていたと発表した。体調を崩した人はいないという。まんじゅうは13~18日、特別養護老人ホームなどの施設と個人宅に計5552個を配る予定で、16日までに3645個を配布。カビは幸区の1施設に配った129個のほとんどと高津区の1施設に配ったものに見つかったという。15日夕方に幸区の施設から連絡があり、判明した。まんじゅうは市が発注して川崎区内の業者が作り、配送していた(朝日、9月16日)。〔掛札コメント〕こういうこともあるのですね…。仕入れたものはやはり念のため、チェック!でしょうか。

▶〔あんまんに釘〕長崎県諫早市の市立保育所で8月3日、おやつのあんまんに釘(長さ2.7センチ)が混入していた。あんまんは市内の菓子店の製造で、あんを調製する機械のフタから落ちた釘が混入したとみられるという。おやつ時、1歳児と2歳児計40人に1人につき、あんまん半分か1個を出した。その後、保育士が皿を回収したところ、1歳児の皿に釘があるのを発見。児はあんまんを口に入れて、吐き出したとみられるという。けがはなく、体調に異常はないという(朝日、8月3日)。〔掛札コメント〕下のほうで混入の記事に何度かコメントを書いていますが、自園で機械や器具の部品や一部が混入するのは、チェック体制の確保でかなり予防できるはずです。しかし、外の業者が原因となると…。

▶〔チーズの管理ミスで異臭〕栃木県高根沢町の中学校2校と関連施設1カ所で7月10日の給食に出されたソフトチーズの管理にミスがあり、食べた生徒20人が腹痛などを訴えていたことがわかった。町教委によると、チーズは5日に給食センターに納品された。箱に「要冷蔵」とあったが、業務委託されている業者の職員が常温の食品庫に入れ、提供時に複数の生徒が異臭に気づいたという。提供数は825食。(朝日、7月19日)

▶〔ジャガイモで食中毒〕広島県安芸高田市の市立小学校で7月13日、授業で収穫したジャガイモをゆでで食べた6年生の男女9人が吐き気や腹痛などの食中毒の症状を訴え、病院に搬送された。いずれも軽症。担任を含む計17人が食べた。(産経west、7月14日)

▶〔給食に釘〕奈良県天理市は7月8日、市立保育所で7日に出された給食に釘1本(長さ1センチ)が混入しているのが見つかったと発表した。釘はきんぴらごぼうの中に入っており、給食を食べていた3歳児が見つけた。女児にけがはなく、他に異物は見つかっていないという。市は、混入の原因を調査している。(産経west、7月9日)

▶〔給食にネジ式留め具〕高松市は7月5日、市立保育所で同日に出された給食の鍋から、包丁のネジ式留め具1本(長さ約1センチ)が見つかったと発表した。3歳児クラスですまし汁のおかわりの配膳をする際、女性保育士が見つけた。健康被害はなかった。給食は保育所内の調理室で作られており、調理師が給食の開始前、包丁の留め具が外れているのに気づき、調理室内を探していたという。(毎日、7月6日)

▶〔みそ汁にシリカゲル混入〕佐賀市の中学校で6月6日、給食のみそ汁に乾燥剤のシリカゲルが混入していたことが6月21日、わかった。みそ汁を食べた生徒が吐き気を訴え、翌日に市内の病院で検査を受けた。生徒がみそ汁を食べていた際、約2ミリの丸い粒が20個ほど器に入っていることに気づいて担任に報告し、体調不良を訴えた。検査機関で粒を分析したところ、シリカゲルと同じケイ素の成分が検出された。給食は弁当と汁物、牛乳がセットで、事前に申し込んだ生徒が利用する。1階の配膳室から担当の生徒が教室前の廊下まで運び、各生徒がそれぞれ取り出す。6日は全校生徒546人中266人が利用した。女子生徒が取り出した際、その場所には4食が残っていて、みそ汁にはふたが閉められていた。他の器の給食から粒は確認されず、不調を訴える生徒もいなかった。同課は「一括調理する過程で混入したのなら、影響は他にも及んでいたはず」と話し、給食センターで混入した可能性は低いとみている。全校生徒を対象に調査や聞き取りを実施したが、原因の特定につながる情報はなかった。校長は「給食が入った器は自由に選ぶことができるため、特定の生徒に向けて故意に混入させたとは考えにくい」と述べ、引き続き混入経路を調べる一方、給食の管理を徹底する考えを示した。(佐賀新聞、6月22日)

▶〔ジャガイモによる食中毒の疑い〕愛知県豊田市内の市立小学校で6月29日、6年生22人が腹痛や吐き気などの体調不良を訴えた。いずれも軽症だが、市保健所はジャガイモによる食中毒の疑いもあるとみて調べている。29日午前11時ごろ、児童と教諭計30人が、芽をとり、皮のままゆでたジャガイモを食べた。食後1時間弱で児童が異常を訴えた。ジャガイモは理科の光合成の勉強のため、児童が栽培したという。(毎日、7月1日)

▶〔給食にガラス片混入〕埼玉県秩父市は6月20日、市立の保育所で4歳児が同日昼に食べた給食の中にガラス片が混入していたと発表した。児にけがはなかったが、今後も給食を食べた児童と職員の健康状況を確認する。児は、給食の「豆腐のまさご揚げ」を食べた際、ガラス片に気づき、職員に報告した。ガラス片は1センチ四方で、厚さは5ミリほど。調理職員が食材をフードプロセッサーで加工中、プロセッサーのガラス製の容器が破損したとみられる。今のところ、他に異物が見つかったとの報告はない(東京新聞、6月21日)。〔掛札コメント〕虫や髪の毛の混入と異なり、調理器具等の混入は健康被害が大きくなる可能性があります。一方、確認すれば、発見できる可能性が確実に上がるのもこちらの混入。調理前だけでなく、その器具を使った直後(食材は次の段階に移動した時)、そして、洗浄後。器具を使った直後はあまり確認をしないようですが、この時が一番危険なわけですから、破損等の確認をしてください。調理師さんたちはものすごく忙しい時間帯ですし、可能なら、園長や他の職員が確認係をしてもいい(するべき?)と思います。

▶〔国内産と偽って納品〕外国産ゴボウを青森県産と偽って保育園に納品したとして、横浜市の給食食材卸業の従業員とここに青果を納品していた計2人が不正競争防止法違反(誤認惹起)の疑いで逮捕された。いずれも「国産だと思っていた」などと容疑を否認している。2人は2014年7月~16年11月、関東地方の283の保育園に外国産ゴボウを販売していたという。国産ゴボウの値段が高騰した2014年6月ごろに偽装を始め、提出する産地表に「青森県十和田市」と書き込む手口で産地を偽装していた。外部からの情報提供で不正が発覚。保育園から提供を受けたゴボウを警察が調べた結果、中国か台湾産の可能性が高いことが判明したという。(日経、5月25日)

▶〔牛乳アレルギー児、搬送〕京都府宇治市の市立保育所で5月11日午前9時45分ごろ、牛乳アレルギーのある2歳児が牛乳を飲み、救急搬送された。児の口のまわりに牛乳のような白い液体が付き、皮膚が赤くなっているのに保育士が気付き、119番したという。園児に牛乳を飲ませる時間で、保育士はこの児のコップには茶を注いだと説明しており、牛乳を口にした原因は不明という(京都新聞、5月12日)。〔掛札コメント〕同市の小学校で先月起きた給食の誤配でアレルギー症状を発症し、一時入院した事例(下の4月27日のニュース)は、スパゲティナポリタンで、小麦アレルギーのある男児に麺入り、乳製品アレルギーのある女児に粉チーズがかかったものを配ったと、その後書いてありました(京都新聞、4月27日)。それぞれ本人用のアレルギー除去食が用意されていたが、目印として器に貼る名前入りシールを調理員が取り違えて貼り、担任も気付かなかったとのこと(同紙)。トレイの色などが違わず、シールだけで区別していたということでしょうか。一人で貼っていたら間違えるでしょうね。担任は子どものアレルギーを(それなりに)把握しているはずなのですが、小麦アレルギーの子どもが「麺入り」、乳アレルギーの子どもが「チーズのかかった」ものを出されて気がつかないというのは、チェックをしていなかったとしか言いようがありません。

▶〔アレルギーを「偏食」と誤解〕北海道釧路町立の保育所で、乳アレルギーをもつ3歳児に誤って牛乳を与え、アレルギー反応を起こして病院で治療を受けていたことがわかった。4月10日のおやつの時間に牛乳が出た際、園児が飲めないと告げたが、担任の職員が偏食と誤解して飲むよう促したという。園児は約30分後の帰宅時に目や口のまわりが腫れるなどの症状が出ていたため、保護者が受診させた(北海道新聞、4月28日)。〔掛札コメント〕新入園児だったのでしょうか? 担任と書いてありますから、連携ミスとかそういう以前の問題…。

▶〔ボルト、ワッシャーなどが混入〕埼玉県松伏町の小学校で、給食の異物混入が相次いで見つかった。4月27日、小学校で2年生が給食で提供されたうどんを食べていた際に、ワッシャー1個が入っているのに気付き、担任に報告。また、別の小学校でも、1年生と2年がうどんに小さなボルトとナット、それぞれ1個が入っているのに気づいた。いずれも、食べ終わったあと器の底に異物があるのに気付いたということで、児童にけがなどはなかった。小中学校の給食は、町の学校給食センターで作られており、教育委員会は、調理の過程で異物が混入したと見て調べている。(NHK、4月28日)

▶〔アレルギー対応食を取り違え〕京都府宇治市の市立小学校で4月25日、食物アレルギーがある同じ学級の5年生児童2人にアレルギー除去食を取り違えて出した。市の学校教育課によると、メニューはナポリタンスパゲティで、小麦アレルギーがある児用にスパゲティ抜き、乳製品アレルギーがある児用にチーズ抜きを出すはずだったが、取り違えて提供。乳製品アレルギーの児はすぐに症状が現れ、救急搬送された。小麦アレルギーの児は帰宅後に症状が悪化して救急搬送された。2人とも26日には退院した。同課は、調理室で調理員が2人の名札を取り違えて付けた可能性があるとみている。ルールでは担任が名札と食器の中身を確認してから児童に渡すことになっているが、ミスに気付かなかったとみられる(朝日、産経、4月27日)。〔掛札コメント〕えーと、スパゲティ抜きのナポリタンのはずがスパゲティがあった、ということ? それとも小麦ではないスパゲティだったはず? 小麦アレルギーのお子さんは野菜のケチャップ炒め(麺ナシ)を食べるはずだったというなら、ミスにしてもかなりずさんです…。

▶〔アレルギー食誤食〕熊本市は4月24日、市立保育所が乳製品のアレルギーを持つ3歳児に、脱脂粉乳入りの食パンを誤って提供したと発表した。食物アレルギーで体調不良になったケースは同市の市立保育所で初めて。児が14日午後、アレルギー対応食として用意された食パンを食べたところ、せきが止まらず救急搬送された。口の周りや膝の裏側にじんましんが出たが、その日の夜には回復したという。同保育所は納入業者から、食パンに脱脂粉乳が入っていることを伝える文書を事前に受け取っていたが、この文書を調理担当職員が確認していなかった。同市の市立保育所では全園児の食物アレルギーの有無を確認しており、給食などの際には担当職員1人が提供して問題ないかどうか確認しているという。(熊本日日新聞、4月25日)

▶〔エピペン研修で誤注射〕 新潟県上越市の市立小学校で職員向けエピペン講習中、練習用と間違って本物のエピペンを打っていたことが4月18日、わかった。救急隊員が健康状態を確認したが、エピペンの副作用として現れることのある動悸や頭痛などの症状はみられなかった。(上越タウンジャーナル、4月18日)

▶〔食物アレルギーで誤食〕三重県名張市で4月8日、市立保育所に通う1歳2か月児(小麦アレルギーを持つ)がパンを誤って食べ、アレルギー症状を発症した。症状は軽いという。市によると、同日午後3時20分ごろ、保育士がおやつとしてパンを食べさせた。1時間後、女児がおう吐したため、所長が保護者に連絡を入れた。通常はこの児にはミルクを与えており、この日も職員間で児へのアレルギー対応について情報の共有が行われていたという。同室は「保育に当たっている職員複数で、声に出して確認を行った後食べさせるよう、より徹底していく」としている(伊賀タウン情報ユー、4月9日)。〔掛札コメント〕 この記事のタイトルでも本文中でも「不適切な対応」という言葉が使われています(タイトル:アレルギー児への不適切対応)。「不適切な対応」は姫路のこども園の件で使われた「不適切な保育」から来ているのかと思われますが、「不適切な対応」では意図的に誤食させたかのような印象を読者に与えます。もちろん、誤食はないに越したことはありませんが、一日に何度も食べる以上、ヒューマン・エラーの頻度(絶対数)はゼロにはそう容易には近づきません(発生確率は下がっても)。保育者に悪意があったかのような誤解を与える言葉の使い方はやめていただきたいと思います。

▶〔乳児ボツリヌス症で死亡〕 東京都は4月7日、乳児ボツリヌス症を発症した足立区の6カ月児が死亡したと発表した。都によると、統計が残る1986年以降、乳児ボツリヌス症による死亡例は全国で初めて。男児は1月中旬から約1カ月間、ジュースにハチミツを混ぜた離乳食を食べていた。都の調べでは、1日当たり約10グラムのハチミツを摂取していた可能性があるという。2月中旬から体調が悪化。けいれんや呼吸困難を起こして同下旬に救急搬送され、3月末に死亡した。1歳未満の乳児がハチミツを摂取すると、腸管内でボツリヌス菌が増殖し、毒素で呼吸困難、便秘などの症状を引き起こす危険がある。都は「1歳未満の乳児にハチミツを与えてはいけない」と注意喚起しているが、離乳食を食べさせた家族はハチミツが乳児ボツリヌス症を引き起こすことを知らなかったという。(各紙、4月7日)

▶〔2日連続で給食から金属片〕 札幌市の小学校で22日(下に記事あり)に続き23日も、給食にホチキスの針のような金属片が入っているのがみつかった。6年生の味噌汁に入っていたが、ケガはなかった。(NHK、2月23日)

▶〔給食に縫い針や鉄くぎ〕 大阪府吹田市の市立小学校で20日、給食のカレーライスなどに折れた縫い針(長さ約3センチ)、同じ針の先端部分(約1センチ)、鉄くぎ(約1センチ)が混入していた。食べていた5年生が違和感を感じて発見した。ケガはなかった。給食は校内で作られており、他のクラスからは異物混入の報告はないという。(読売、2月22日)

▶〔給食にカッター片〕 2月22日、札幌市内の市立小学校で長さ8ミリ、幅5ミリの金属片が給食に混入していた。カッター片とみられる。5年生が料理と一緒に口に含んだが、ケガはなかった。給食は別の小学校で調理され、両小学校の児童に提供されたが、他に異物混入の訴えはないという。調理前後の点検では包丁などに異常はなく、教育委員会は搬中などに混入した可能性があるとみている。(読売、2月23日)

▶〔給食にナット混入〕 2月14日、兵庫県西宮市の県立特別支援学校の給食に、幅約1センチ厚さ約1センチの金属製のナットが混入していた。野菜を切る調理器具の部品で、カレーの具材を切る際に振動でゆるんではずれ、混入したとみられている。後片付けをしている時に高等部の生徒がナットを手に持っているのを担任教諭がみつけた。生徒にけがはない。(MBS、2月15日)

▶〔3センチの釘が混入〕 香川県丸亀市教育委員会は2月8日、市立小学校で出された給食に約3センチの釘1本が混入していたと発表した。校長が口の中で異物に気づき、ケガはなかった。調理した市給食センターは幼稚園、小中学校の約3500食を作っているが、他の被害は確認されていない(毎日、2月9日)。〔掛札コメント〕下の混入とはわけが違いますので、これはちゃんと混入混入経緯を調べていただきたい。いたずらで、意図的に入れられた可能性もありますから。

▶〔混入の恐れで給食中止〕 岐阜県可児市教育委員会は2月10日、市内中学校と6小学校で、同日の給食に出す予定だった献立の中にステンレスのかけらが混入した恐れがあるとして提供をとりやめた。市学校給食センターで調理員がこの献立に使ったフライヤーの清掃を行っていたところ、ステンレス製の網の一部(長さ約1センチ、太さ約1ミリ)がとれていることを発見。探したがみつからず、提供をとりやめた。ひとつの小学校の6年生124人はすでに食べ終えていたが、体調の異常を訴える児童はいなかった。調理前の確認作業では破損はみつからなかったという。回収した料理すべてを確認したが、発見できていない(岐阜新聞、2月11日)。〔掛札コメント〕調理中に起きる破損はみつけるのが難しいでしょうね…。すぐに気づいて報告して対応して、(教育委員会も)発表したということで、私の立場からは十分だと思いますが。

▶〔給食に3.5センチの金属片〕 大分県大分市の小学校で2月1日、給食のおかずに長さ約3.5センチの金属片が混入していた。3年生が口に入れたが違和感を感じて出し、ケガはなかった。学校から市への連絡は翌日(Yahooニュース、2月3日)。〔掛札コメント〕調理器具等由来の混入は作業前後の器具点検の問題ですから、ほぼ予防できるはずです。ケガにもつながる可能性があります。虫や髪の毛の混入とは、まったく違います。



感染症

(集団感染は、時期の初めのものや感染者の多いものを掲載)

▶〔おたふくかぜの集団感染〕宮崎県感染症対策室は10月21日、日南市の保育施設で流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の集団感染が確認されたと発表した。園児93人施設で、8月以降60人が感染したという。うち1人が発熱や唾液腺の腫れで入院したが現在は退院している。(10月21日、朝日)

▶〔定期接種ミス、6602件〕ワクチンの定期接種で起きたミスが2016年度に6602件あったと厚生労働省が10月6日、有識者会議で報告した。報告制度が始まった2013年度から3年連続で増加し、制度の定着が増加の背景にあると厚労省はみている。最多は、次の接種までに空けねばならない「接種間隔の間違い」で3475件。接種回数の誤りや予定と違うワクチンを接種した「不必要な接種」が797件、きょうだいを取り違えるなど「対象者の誤認」549件。「期限切れワクチンの使用」は193件あった。使用済み注射器使用や、医師の指に注射針が触れて傷ができたことに気づかず、その針で乳児に接種したなど、血液感染を起こす可能性があるものは11件あった。(朝日、10月6日)

▶〔保育施設でO157〕佐賀県鳥栖市の認可外保育施設で9月24日以降、子どもや職員ら19人が腸管出血性大腸菌O157に集団感染したと、県が発表した。うち4人に腹痛や下痢などの症状が出たが、重症者はなく全員回復に向かっている。うち11人は1~4歳の児童だった。施設内に調理場はなく、児童は外部から軽食を取り寄せたり、弁当を持参したりしていたという。(産経ウェスト、10月1日)

▶〔O157で3人が入院〕群馬県桐生市内の保育所に通う1~3歳児3人が腸管出血性大腸菌O157に感染した。埼玉・群馬県内の総菜店の商品を食べて食中毒になった患者から検出された菌とは種類が違うという。8月28日~9月6日に下痢や発熱などの症状を訴え、9月25日までに医療機関が保健所に届け出た。3人とも入院したが、2人は退院し、残る1人も回復しつつあるという。食中毒や集団感染については「調査中」。(9月28日、朝日)

▶〔仕出し弁当で食中毒〕愛知県岡崎市の仕出し店が作った弁当を食べた名古屋市や蒲郡市、日進市のあわせて4つの幼稚園幼稚園児87人が、9月21~28日、食中毒の症状を訴え、10人が入院した。複数の園児から食中毒の原因となるサルモネラ菌が検出された。患者はさらに増える恐れもあり、岡崎市は詳しい原因を調べている。(9月29日、TBS)

▶〔O157感染で死亡〕群馬県と埼玉県にある惣菜店の惣菜を食べた人から相次いでO157が検出された問題で、前橋市の系列店で購入した炒め物などを食べた東京の3歳児から同じ遺伝子型のO157が検出され、この児が溶血性尿毒症症候群で9月8日に死亡していたことがわかった。この児はポテトサラダなどのサラダ類は食べていないが、他の患者同様、先月11日に販売されたものをその日に食べていた。この問題で死者が出たのは初めてで、保健所は、不特定多数が利用する店内で、2次的に菌が付着した可能性があるという見解を示している。一連の問題で感染した人は、この児を含め22人。(9月13日、NHK)

▶〔保育園で腸管出血性大腸菌感染〕長野県茅野市内の保育所で、園児と職員合わせ20人が腸管出血性大腸菌O157やO26に感染していたことがわかった。園児4人が入院したが、5日までに全員が退院したということで、県が感染経路などを調べている。8月2日~7日、園児3人が下痢や腹痛などの症状を訴えて茅野市内の医療機関を受診したところ、感染がわかったという。(9月6日、NHK)

▶〔おたふくかぜで難聴、2年で300人以上〕日本耳鼻咽喉科学会が、耳鼻科がある全国約8000の医療機関を対象に調べたところ、去年までの2年間におたふくかぜにかかり難聴になった人が、少なくとも314人いたことがわかった。初の調査。うち14人は両方の耳が難聴に。年齢別に見ると、10歳未満が49%、10代が22%、20代が7%、30代が11%など。学会では、おたふくかぜによる難聴は治療で回復させるのが難しいとして、重症化を防ぐためにワクチンの接種を受けるよう呼びかけている。ワクチンが現在、任意の接種となっていることから、国に対し公費で接種が受けられる定期接種に含めるよう求めることにしている。(NHK、9月5日)

▶〔ポテトサラダのO157感染・続報〕埼玉、群馬県の同系列惣菜店で販売されたポテトサラダで起きた腸管出血性大腸菌O157感染で、埼玉県は8月29日、溶血性尿毒症症候群を発症して意識不明の重体だった5歳児の意識が回復し、会話ができるようになったと発表した。また、埼玉県の店で販売されたポテトサラダを食べた4歳児から新たに菌が検出され、感染者は計15人に。混入経路はまだ明らかになっていない。(各紙、8月29日)

▶〔保育所でO103感染〕福岡市は8月24日、西区の保育所に通う1~4歳11人と職員1人が、腸管出血性大腸菌O103に感染したと発表した。重症者はおらず、市が感染原因などを調べている。市によると、2歳児が下痢のため10日に医療機関で診察を受け、感染が判明。保健所が児の通う保育所の幼児や職員の検便を実施し、集団感染がわかった(8月24日、産経west)。〔掛札コメント〕感染症はいろいろ流行しています。体調が悪いお子さんがいたら、「いろいろ流行していますから、ひどくならないよう、広がらないよう受診してください」と強く勧めてください。それによって、保護者の機嫌は悪くなるかもしれません。でも、保育園で亡くなったり、集団感染につながったりりしたら? 深刻事故だけでなく、こうした感染症の対策も「悪い結果が起きないことが成果。だから、成果は見えにくい。でも、悪い結果が出てしまった時では遅いから」と考えましょう。

▶〔使用済み針を集団予防接種で使用〕長野県池田町は22日、町の保健センターで7月14日に実施した四種混合の集団予防接種で、使用済みの注射針を誤って別の乳幼児1人に刺す事故があったと発表した。刺された乳幼児に健康被害は出ていないが、血液検査を行い、様子を見ていくという。予防接種は生後4カ月から1歳8カ月の乳幼児16人が受けた。委託された医師が1人めの接種後、使用した針をダストボックスに入れて廃棄すべきところを、未使用針を置くトレーに戻してしまったという。次の乳幼児が接種を受けた際、医師は新しい注射針と勘違いし、使用済みの針で刺したという。別の作業をしていた介助の保健師は医師の動作を見ておらず、針の間違いに気付かなかったという。刺した際、薬液が入っていなかったため、ミスが分かった(毎日、8月22日)。〔掛札コメント〕とすると、置き間違えはあるという前提で、刺す前に薬液が入っているかどうかを指差し声出し確認すればいいということ? 手順を間違えるのは人間として当然なので、どんな行動であれ、「ここが大事」「ここで気づけるかも」という所で指差し声出しをするのが大切です。

▶〔児童に誤った予防接種〕新潟県佐渡市で8月23日、市内の小学6年生12人に対して、破傷風とジフテリアの2種混合ワクチンを打つべきところ、誤ってB型肝炎ワクチンを接種していたことがわかった。ワクチンは保管場所が同じで、前日の22日、保健師がよく確認せずに持ち出したという。これまでに体調不良などの訴えはなく、佐渡市は経過を観察していく方針。(日テレニュース、8月23日)

▶〔O157、加工段階の可能性〕埼玉県熊谷市の惣菜店で販売されたポテトサラダを食べた人からO157が検出された問題で、症状を訴えた人は計15人、うち11人からO157が検出された(23日報道分まで)。一方、溶血性尿毒症症候群を発症し、意識不明で入院していた児の意識は回復したという。他店でも発症者がいることから、群馬県高崎市の食品工場でO157が混入した可能性が高いとみて市が調査、23日報道の時点でO157は検出されていない。(各紙、8月22日、23日)

▶〔総菜でO157感染〕8月7~8日、埼玉県熊谷市の総菜店で加工販売されたポテトサラダを食べた8人(4~60歳)が腹痛などの症状を訴え、子どもを含む3人が現在も入院中。このうち5歳児が溶血性尿毒症症候群を起こし、意識不明。6人から腸管出血性大腸菌O157が検出され、埼玉県は食中毒と断定。(8月21日、NHK)

▶〔保育園でO103感染〕岐阜県は8月12日、関市の民間保育園で3~6歳の園児9人が腸管出血性大腸菌O103に感染したと発表した。症状はいずれも軽い。7月31日に下痢などの症状を訴えた1人が医療機関を受診して診断され、その後、園児や職員の検便から8人の感染がわかった。(朝日、8月14日)

▶〔幼稚園でサルモネラ〕愛知県小牧市内の2つの幼稚園で7月18日、あわせて96人の園児らが食中毒の症状を訴え、うち5人が入院していたことがわかった。同市の給食業者が調理した給食を食べたもの。検査の結果、職員5人の便からサルモネラ菌が検出され、保健所は食中毒と断定した。(東海テレビ、8月1日)

▶〔保育園で腸管出血性大腸菌〕埼玉県加須市は7月26日、民間保育施設の1~2歳児が通うクラスの18人中10人から腸管出血性大腸菌O26が検出されたと発表した。20日に1歳児から嘔吐の症状がみられた。症状は軽く、既に回復している。他の9人には目立った症状は見られなかったという。同園では施設内の消毒や保護者への指導を行い、27日から通常通り保育を実施、当面の間、プールを中止するという。(7月27日、産経)

▶〔保育園の給食でサルモネラ感染〕7月3日、佐賀県鹿島市の私立保育園で給食を食べた園児や保育士が腹痛や発熱の症状を訴え、サルモネラ属菌による食中毒と断定された。今月10日に保護者から「複数の園児が腹痛や発熱などの症状を呈している」と保健福祉事務所に連絡があり、その後の調査で、3日に提供されたきゅうりの浅漬けから「サルモネラ属菌」が検出された。園児や職員52人のうち19人が発症、園児3人が入院したが現在は退院した。(佐賀テレビ、7月18日)

▶〔予防接種ミス135件〕名古屋市は、2016年度に予防接種に関するミスが135件あったと明らかにした。接種間隔を間違えた例が90件あったほか、ワクチンの種類を間違えた例が10件あった。2015年度(58件)に比べ2倍以上に増えたが、これは「問診票のデータを基に、接種間隔の間違いのチェックを強化したことが理由」(市の担当者)という。2016年度に市内で実施した予防接種は約85万件。市によると、全国平均に比べて特にミスが多いわけではないという。一方、市内の医療機関では昨年12月、4種混合を3種と取り違えたうえ、有効期限を6年8カ月過ぎたワクチンを1歳児に接種していた。健康被害は確認されていないが、家族の強い要望を受け、市が19日までに発表していた。(日経、7月20日)

▶佐賀県は7月5日、唐津市内の保育所で腸管出血性大腸菌O26の集団感染があったと県が発表した。1歳児が6月26日に発熱し、29日から下痢の症状が出た。30日に受診し、今月3日に感染が判明した。回復に向かっている。同じ保育所の園児2人とこの児の姉からも検出されたが、症状は出ていない。(毎日、7月6日)

▶〔サポウイルスの集団感染〕和歌山県は6月10日、海南市内の市立小学校でサポウイルスの集団感染が発生し、全学年の児童44人と教諭1人の計45人が5~9日に嘔吐や下痢などの症状を訴えたと発表した。重症者はおらず、全員快方に向かっているという。医療機関から7日に連絡を受けた海南保健所が児童7人の便を調べたところ、全員からサポウイルスが検出された。同校と同じ給食センターを利用する他の2校では発症の報告はなく、感染源を調べている。(6月11日、産経west) サポウイルスについてはこちら

▶〔湧き水で食中毒〕5月26日、新潟県妙高市内で行われた小学校の校外学習で、湧き水を飲んだ児童や、自宅に持ち帰った湧き水を飲んだ児童の家族など合わせて43人が発熱や下痢などの症状を訴えた。うち3人の児童が入院したが、いずれもすでに退院。その後、保健所で調べたところ、患者の便からカンピロバクター(細菌)が検出された。湧き水が原因の食中毒とみて、保健所は学校に対し、湧き水をそのまま児童に飲ませないように指導したという。(NHK、6月5日)

▶〔オウム病で新たに妊婦の死亡例報告〕厚生労働省は4月10日、オウム病による妊婦の死亡が、妊婦の感染症について調べている研究班からもう一例報告されたと明らかにした。(産経、4月10日。最初の事例は4月9日のニュース)

▶〔オウム病で妊娠中の女性が死亡〕オウムやインコなど鳥のふんを介して感染する「オウム病」に感染した妊婦が死亡していたことが4月9日までの厚生労働省への取材で分かった。オウム病は高齢者などで数年に一度、死亡例が報告されるが、妊婦の死亡例は初めてとみられる。厚労省は日本医師会を通じて、産婦人科医らに情報提供した。(産経新聞、4月9日)

▶〔百日ぜきで500人以上入院〕去年1年間だけで推計500人以上の乳幼児が、百日咳により自力呼吸が難しくなるなど重症化して入院していたことが、日本医療研究開発機構の研究班の調査から明らかになった。10県の病院を対象に実態調査したもの。入院した乳幼児のうち約80人は、人工呼吸器による治療を受けるなど命の危険にさらされていた。百日せきワクチンは、生後3か月~1歳までに3回、6か月以上の期間をあけて1回の合わせて4回定期接種が行われているが、効果は最短約4年で低下。ワクチンの効果が低下した小中学生やおとなが感染し、家庭でまだワクチンを接種していない乳幼児に感染させていると見られるという。(NHK、4月5日)

▶〔ロタウイルスの集団感染〕 和歌山県串本町の保育園で園児52人が嘔吐や下痢の症状を訴え、検査した5人全員からロタウイルスが検出された。3月27~31日に症状を訴えたという。(産経west、4月1日)

▶〔パレコウイルス、昨年は感染20人確認〕昨年5月と6月(岡山県倉敷市で乳児2人)、6~8月(東京、神奈川で乳児10人)、~12月(富山県、乳児4人を含む8人)、乳幼児が意識障害や循環器不全、発熱などで受診、全員からパレコウイルスが検出された。国立感染研究所によると、パレコウイルスは生後3か月未満の子どもが感染すると敗血症に似た症状や髄膜炎、脳症、無呼吸など重症化するという。親子やきょうだいの間で感染が拡大するケースも多い。2~3年周期で流行すると考えられており、日本国内では2006年、2008年、2011年、2014年に流行が報告されている。6~9月にかけて流行のピークを迎えるのが一般的だが、昨年は富山で冬場の感染も報告されており、感染研究所では手洗いやマスク使用などの感染対策が必要と呼びかけている。(ハザード・ラボ、3月27日)

▶〔2日めのカレーで集団食中毒〕 世田谷区の私立幼稚園で、教職員らが調理したカレーライスが原因の集団食中毒が発生。3月7日、園内でカレーを調理、8日に開かれた「年長組を送る会」で再加熱して食べた後、症状を訴えたもの。都によると、症状を訴えたのは3~6際の園児67人と教職員9人。複数の患者の便からウエルシュ菌を検出、共通の食事はカレーのみだったため、原因と断定した。ウエルシュ菌は熱に強く、大量に加熱調理する際に残存することがあるという。(産経、3月17日)

▶〔小平市の食中毒も同じ刻み海苔〕 2月22日以降、東京都小平市の小学校で起きた集団食中毒も、立川市、御坊市と同じ刻み海苔が原因と断定。遺伝子型が一致。(NHK、3月3日)

▶〔刻み海苔のノロウイルス汚染続報〕 今年1月に和歌山県御坊市で起きた給食が原因の食中毒で、患者の便から検出されたノロウイルスと、立川市のノロウイルスの遺伝子型が一致した。御坊市では、刻み海苔を使った「磯あえ」が原因と特定されている。当時、御坊市の給食センターが海苔を使い切っていたため、「詳細な感染源は特定できない」と和歌山県はしていたが、今回の結果を受け、「磯あえの刻み海苔が感染源である可能性が高いと推測できる」としている(NHK、3月1日)。この商品を刻む作業をしていた業者は、乾燥状態の海苔を1枚1枚機械に入れて刻む際、取り決めに違反して、手袋をせずに素手で作業をしていたことがわかった。作業の効率が悪くなるとして、この業者は長年、手袋を使わずに作業をしていたという(NHK、3月1日。

▶〔集団食中毒の原因食材は刻み海苔〕 東京都立川市の集団食中毒で、給食の親子丼に使われていた業務用の刻み海苔が原因食材と特定された。製造・販売会社が商品を自主回収している。仕入れ先に保管されていた同じ賞味期限の未開封の海苔からもノロウイルスが検出され、患者のウイルスとも一致した。また、1月下旬に和歌山県御坊市で起きた集団食中毒、2月下旬に東京小平市で起きた集団食中毒(いずれも幼稚園、小中学校)でも同じ刻み海苔が使われているということで、都が関連を調べている。(各紙、2月28日) 東京都福祉保健局の報道発表資料はこちら〔掛札コメント〕 ノロウイルスは乾燥しても生きているということは、頭ではわかっていましたが、刻み海苔ですか。驚きました。

▶〔大規模食中毒、ノロウイルスと断定〕 東京都立川市の小学校7校で給食を食べた児童、職員が下痢や嘔吐を訴えた問題で、東京都は2月24日、ノロウイルスによる食中毒と断定し、市営の調理施設を3日間の供給停止処分とした。24日正午までに症状が確認されたのは1098人。調理員の便や調理場、残っていた給食のサンプルなどからはウイルスは検出されなかったという。(2月24日、毎日)

▶〔給食による食中毒、計943人に〕 東京都立川市の小学校7校で起きた食中毒で、発症者は19日現在で計943人(うち教職員69人)。重症者はいないという。児童らは17日に同じ給食センターで調理された給食を食べた。(産経、2月19日) 20日の発表では計996人。(毎日、2月20日) 21日の発表では1047人。

▶〔入園児全員に予防接種を求める〕新潟市の私立保育園が、4月の認定こども園移行を機に定期予防接種をしていない子どもの受け入れを拒否する方針を示していた問題で、園は10日、予防接種の未接種だけでは拒めないとする国の見解を受け、保護者と契約を交わす書面を修正する考えを明らかにした。予防接種を求める方針は変えず、来週にも新潟市と協議した上で決める。この問題で、園は園児らへの健康面の配慮から、保護者と契約を結ぶ際の「重要事項説明書」で定期予防接種を受けていないと契約できないと明記していた。だが、国は9日に「未接種だけでは入園を断る理由に当たらない」とする見解を新潟市に通知した。 園は見解を踏まえ、説明書に新たに「予防接種を意図的に受けない方は当園の方針と考えが異なるため、トラブル関係になることが明白」と明記。「トラブル関係は(園が保護者の申し込みを拒んではならないとする)応諾義務を拒否する正当な理由となるので入園の契約はできない」とすることにした。園長は「国の見解が示されたのでやむなく内容は変えたが、子どもの健康を守るため園の方針を変えるつもりはない」と話す。 内閣府は取材に対し「応諾義務は重く、判断は慎重になされるべきだ」としている(2月10日、新潟日報)。〔掛札コメント〕 予防接種は本人の健康、集団の健康、周囲にいる免疫力等が弱い人たちの健康を守るために重要です(どこに重点が置かれているかは、疾患、予防接種によって違います)。しかし、副反応もあり、絶対に安全とは言えませんから、接種しないという保護者の決定をむげにすることはできません。予防接種の価値、接種した時のリスク(副反応等)、接種しなかった場合のリスク(感染リスク、将来海外へ留学・就労する時の問題)を伝えて、保護者に、リスクを理解した上での決断を求めることが重要だと思います。本来は、リスク・コミュニケーションの典型例ですね…。実際に保育現場で起きている「トラブル」を考えると、この保育園さんがおっしゃっていることもわからないではありませんが…。

▶〔マニュアル不徹底のため、感染源の特定困難〕 和歌山県御坊市のノロ・ウイルス大規模集団感染で、給食センターの調理者も1月25日の調理後、給食を食べていたことがわかり、それ以前に調理者が感染していたのかどうかがわからなくなっているという(25人中10人からウイルス検出)。厚生労働省の『大量調理施設衛生管理マニュアル』では、発生時の原因究明のため、原則として自分たちが調理した給食などは食べないよう定めている。市の給食センターは、「このマニュアルは知らなかった」としている。(NHK、2月2日)

▶〔集団感染で「磯あえ」からノロ検出〕 和歌山県御坊市の集団食中毒(1月27日の記事)で、検査の結果、「磯あえ」3検体と「塩ちゃんこ」5検体のうち、磯あえ1検体からノロウイルスが検出された。県が汚染経路を調査している。症状を訴えた人は、1月30日現在で804人。(時事通信、2月1日)

▶〔パンを食べてノロ食中毒〕 北海道厚沢部町の社会福祉法人が運営する製パン所で製造されたパンを食べた計58人が下痢などの症状を訴え、うち8人と従業員2人の計10人からノロウイルスが検出された。23日以降に症状が報告され、入院患者はいない(産経、1月28日)。〔掛札コメント〕 保育施設ではありませんが。調理パンだったのでしょうか。下の大規模感染もそうですが、経路がわかったら報道してほしいものです。そういった情報は他の所で役に立つのですから。

▶〔28日に発症者からノロウイルス検出。小中学校と幼稚園で食中毒〕 和歌山県御坊市の全小中学校と幼稚園で1月27日、食中毒の症状を訴える児童らが相次ぎ、隣接の日高川町の中学1校を含む11校4園で27日午後3時現在、教員を含む計719人が症状を訴えている。重症者はいないという。いずれも御坊市内のひとつの給食センターから配食されており、25日の給食が同じメニューだった。26日は幼稚園の給食はなく、27日朝、各校に保護者から欠席の連絡が相次いだという。(時事、1月27日)

▶〔餅つきが原因のノロ集団食中毒〕 愛媛県西条市の市立保育所に通う幼児47人、保護者と職員28人が1月14日以降、嘔吐や下痢の症状を訴えた。発症者はいずれも便からノロウイルスが検出され、13日に保育所で行われた餅つき大会で提供された餅を食べていたことがわかり、県は餅が原因の集団食中毒と断定。29人が受診、入院者はおらず、全員が快方に向かっているという(NHK、1月19日)。〔掛札コメント〕餅つきをするなら、みんな(子ども)でペタペタさわった餅は食べない!です。お雑煮にするなどしてしっかり火を通せばよいそうですが、つきたての餅をそうやって食べようという人はいないでしょうから、やっぱり、さわった餅は食べないしかありません。地域の餅つき等では決まったおとなしかつかない、さわらないのが原則でしょうけれども、保育園はそうはいかないので。



その他の安全、健康

▶〔東京都港区でもサルを目撃〕11月下旬以降、神奈川県内から東京都大田区、品川区等で目撃されているサルが12月7日、港区港南の住宅街でも目撃され、警察や自治体は近づかないよう注意を呼びかけている。(12月7日、NHK)

▶〔ほこりを吸って体調不良〕10月27日午後2時ごろ、千葉県鎌ケ谷市の市立小学校で4年生が体調不良を訴え、14人が病院に搬送された。いずれも軽症。児らは午後1時20分から40分にかけて、教室の掃除をしていた。普段は掃除をしないプロジェクターのスクリーン上部を掃除した際、教室内に舞ったほこりを吸った1人が呼吸が苦しいと訴え、他の児童も同様の症状を訴えたという。(毎日、10月27日)

▶〔薬の投与ミスの経緯〕9月14日、水戸市の病院で心臓の手術を受けていた患者が誤って10倍量の痛み止めの薬を投与され死亡した事故を受けて、10月3日、病院が会見を開き、詳しい経緯を説明した。担当医が、カテーテルを使った手術では通常は使わない量の50ミリグラムのモルヒネを用意していたことや、看護師が2.5ミリグラムの投与を2.5ミリリットルと思い込み、本来の量の10倍にあたる25ミリグラムを投与してしまったとのこと。また、患者に投与する前に、看護師が用意されたモルヒネについて、「半分の量ですね」と医師に確認したものの、返事がなく、そのまま投与したという(10月3日、NHK)。〔掛札コメント〕病院の話ですが、思い違いにチェック・ミス、そして最後はチェックを意識的にしなかったことが重なった典型事例。「確認を要求されたら、そちらに一瞬でも目を向けて相手と人/ものを見て、返事と復唱をする」です。保育園の場合、特に食物アレルギー対策と、登降園(人数)確認の時。

▶〔川崎病の患者、過去最多を記録〕川崎病の患者が2015年、初めて1万6323人と過去最多となったことが、NPO法人「日本川崎病研究センター」の全国調査からわかった。0~4歳の10万人当たり発症者数(罹患率)は330人。患者数、罹患率ともに1982、86年の大流行を上回り、全国調査が始まった1970年以降で最多だった。2016年の患者数は1万5272人、罹患率は309人。2015、16年にそれぞれ1人死亡し、死因は心筋梗塞と急性硬膜下血腫という。
 川崎病は主に4歳以下の乳幼児がかかる。全身の血管に炎症が起き、高熱や発疹、イチゴのような舌の腫れなどの症状が出る。後遺症として心臓の冠動脈にこぶができ、心筋梗塞のリスクが増すこともある。1990年ごろから増加傾向にあるが、理由は分かっていない。(東京新聞、9月30日)

▶〔小学校で6人が体調不良〕9月14日午前10時過ぎ、埼玉県加須市の小学校で児童6人が、せきが止まらない、手のしびれ、吐き気などを訴え、搬送された。当時、児童は体育館で授業を受けていて、近くで樹木に殺虫剤をまくなどの消毒作業が行われていた。(各紙、9月14日)

▶〔学校近くに約50匹のサル〕9月6日午後1時20分ごろ、滋賀県東近江市内の市立小学校の近くに約50匹のサルが出没した。サルは付近の木などを走り回ったが、約10分後に駆け付けた警察署員や市職員が爆竹やロケット花火を使い、午後3時ごろまでに追い払った。けが人はなかった。市林業振興課によると、近くの森に生息しているニホンザルで、近隣住民から市に度々目撃情報が寄せられており、同校にも少数で来たことがあるという。(毎日、9月7日)

▶〔公園にクマ〕5月21日午後1時過ぎ、滋賀県高島市内の公園の滑り台の下に、体長80センチほどのクマがいるのを公園に遊びに来た小学4年生らが見つけた。クマはすぐに逃げ、子どもたちにけがはなかった。子ども2人が滑り台に上ったところ、下にクマがいるのに気づいた。現場は住宅地。同市では19日から今津町や新旭町でクマの目撃情報が相次いでいる。(京都新聞、5月21日)

▶〔さらにカラスの死骸みつかる〕都立城北中央公園で死んだカラスが多数見つかった問題で、25日も新たに約20羽のカラスなどが死んでいるのが見つかった。警察は24日午後から24時間態勢で周辺を警戒。これまで不審な人物の出入りや毒物などが与えられた形跡は確認していないため、病死の可能性もあるとみて、鳥の胃の内容物を鑑定するなどして原因を調べる。(東京新聞、3月25日)

▶〔公園でカラスが大量死〕3月24日午後3時25分ごろ、東京都練馬区と板橋区をまたぐ都立城北中央公園で、管理事務所の職員から「カラスが50羽程度死んでいる」と110番があった。警察が調べたところ、路上や隣接する川の中など半径約20メートルの範囲で、大量のカラスが死んでいた。犬の散歩をしていた人が3時頃、「パンを食べたカラスが死んでいくのを見た。犬が間違えて食べたら怖い」と管理事務所に届け出たもの。毒物を食べて死んだ可能性もあるとみて警察が調べている(東京新聞、3月24日)。〔掛札コメント〕園の散歩の時、子どもが落ちているものを口に入れそうになった、置いてあった飲みさしのジュースを口にしたという事例はあります。子どもたちを遊ばせる前に、まず保育士さんが公園を必ず一周して、危険そうなものはすべて拾ってください。

▶〔給食センターでアスベスト〕大阪府阪南市は3月9日、市立学校給食センター(市内9小学校に給食を提供)でボイラー室や煙突や配管の断熱材にアスベスト(石綿)が含まれていたと発表した。屋外に飛散する可能性もあるとして、安全が確認されるまで給食の提供を停止する(産経west、3月9日)。〔掛札コメント〕札幌でもありましたね…。もうひとつ、アスベストはすぐには健康被害、出ません。「健康被害の情報はない」なんて書くと、あたかも「今後も被害は出ない」かのような誤解を招きます。

▶〔下水道水からシアン化合物〕 2月6日、東京都荒川区の下水道水から一定量を上回るシアン化合物が検出されたと、下水処理施設のシステムが検知。約4キロ離れた北区の化学工場から漏れたものと判明。工場ではタンクに保管しているシアン化合物に水を加え薄めながら使っていたが、水道の蛇口が緩み、水が注がれ続けたためにタンクから漏れ出したとみられている。シアン化合物には強い毒性があり、頭痛やめまいなどの症状を引き起こすことがあるが、今のところ、健康被害など大きな影響は確認されていないという。(NHK、2月6日)