2019年のニュース
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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)
▶〔体育中の重傷を放置〕福岡県直方市の市立中学校で11月18日、2年生がハードルを跳んだ時に転倒、強い痛みを訴えた。順番を待つ別の生徒らが体育教諭に伝えたが、教諭は状態を確認せず、他の生徒らにこの生徒をコース外に出すよう指示。生徒らが呼んできた3人の教員が車いすで保健室に運んだ。学校からの連絡で事故から2時間後の午前11時頃、父親が車で病院に運んだが、右足の付け根を骨折しており、転院先で骨と骨をつなぐボルト3本を埋め込む緊急手術を受けた。術後、長期のリハビリが必要と説明を受けたという。市教委は学校側の対応の不備を認めている。手術の連絡を受けた学校側は同日夕、校長と体育教諭、担任の3人が病院を訪れたが、対応に不信感を抱いた両親は面会を受け入れなかったという。

▶〔強風で工事用足場が倒れる〕12月12日午前10時半頃、静岡県藤枝市内の競技場で工事用の足場が倒れ、マラソン大会をしていたこども園の保護者6人と園児2人がケガをした。外壁の塗装工事用の足場が強風で倒れたとみられる。藤枝市には前夜から強風注意報が出ていた。倒れた足場は高さ5メートル、幅118メートルのうち約100メートル。当日は工事は行われていなかった。

▶〔回転ジャングルジム(回旋塔)が根元から折れる〕今年10月11日、長野県飯島町の公園で回転ジャングルジム(回旋塔)が支柱から折れて倒れ、児童7人が軽いけがをした。公園に設置されたのは1994年、2年前の時点で「構造が現行の基準に適合しない」と指摘された他、折れた箇所とは別の接合部分に問題があり「修繕するまで使用不可」と報告されていたが、担当者が「遊具本体に影響はない」と判断し、使い続けていたもの。一昨年9月と今年1月の点検では、支柱に問題は確認されなかったという。町は公園を立ち入り禁止とし、滑り台など3つの遊具に問題が見つかった為、今後、改修や撤去をする予定。〔掛札コメント〕このタイプの遊具は、本体が回転する力によって子どもが放り出されたり(例:小さい子どもがつかまっている時に、大きい子どもが回転させる)、床面と地面の間にはさまれたりすることで深刻な事故につながるリスクが高いと指摘されているものです。


▶〔スイミングスクールで有害ガス〕11月29日午後3時半ごろ、愛知県名古屋市中川区のスイミングスクールで有毒ガスが発生、子どもを含む7人とおとな1人が病院に搬送された。発生当時、スクールには約80人がいた。全員症状は軽いという。塩素のタンクに、プールの不純物を取るために使うポリ塩化アルミニウムを誤って入れたとのこと。

〔認可外施設で2児死亡〕茨城県水戸市の認可外保育施設で2016年7月と18年9月に、乳児が死亡していたことがわかった。いずれも死因は特定されず。施設は2018年9月、廃止届が出された。2016年の事故について、県は「死因が特定されていないので公表しなかった。警察も報道発表しておらず、個人情報が絡む問題だと考えた」。死亡時の状況についても詳細について説明していない。2018年の事故については有識者による検証委員会を設置し、報告書を県のホームページに載せた。「遺族の感情に配慮したため」として報道発表はしていない。
 2018年の死亡については、報告書によると9月1日午前3時半ごろ、母親が施設に迎えに来たため、施設長が布団でうつぶせに寝かせていた児を抱き上げたところ、体が冷たく、顔色が悪いことに気付いた。消防到着時に心肺停止状態で、搬送後に死亡が確認された。発生前夜に預かった職員が、児がうつぶせで顔を横に向けると落ち着いて寝ることを施設長に引き継いでいた。施設長も深夜、ミルクを飲ませ横向きに寝かせていた。国の基準では、保育者は少なくとも2人必要だったが、発生時、児を含む児3人を施設長1人で預かっていた。施設長を含む職員3人は全員、無資格者だった。

▶〔医師の多重ミスで患者死亡〕京都大学医学部附属病院でミスが重なり、患者が死亡していたことが11月19日、わかった。腎臓に障害があり、心不全で入院していた成人患者にCT検査を行う際、腎臓への副作用を緩和する薬剤を医師が誤って本来の6倍を超える濃度で投与、心停止に陥った。さらに、患者が血液を固まりにくくする薬を服用していたことに気付かずに心臓マッサージを行ったため、肺に出血を起こし、患者は6日後、多臓器不全で死亡した。薬剤を投与する際、患者は血管の痛みや首のしびれなどを訴え、「医師を呼んでほしい」と何度も訴えたが、医師の診察はないまま、投与が続けられたという。病院長は「二重三重のミスが重なり、患者からの訴えも的確に受け止めることができず、最悪の事態を招いたことを病院として重く受け止め、深く反省しております」と謝罪した。〔掛札コメント〕なぜ、医療ミスの記事を載せているのか。それは、人命にかかわる人的ミスを徹底的になくそうとしている医療機関ですら、「うっかり」の積み重ねによる重大事故は起こるということをお示しするためです。保育園は本来、「なんでもさせて、元気に育てる場所」であり、医療機関とは逆の指向性を持っています。その場で起きている、命に関わらない「うっかり」までいちいちマスコミに取り上げられていたら、保育なんて誰もしたくなくなります。

▶〔横断中の散歩の列に車突っ込む〕11月11日午前10時20分頃、東京都八王子市の都道で、散歩中の保育園児ら10人以上の列に軽自動車(トラック)が突っ込んだ。園児4人と保育士2人、運転手の計7人が搬送された。いずれも意識はあるという。〔掛札コメント〕直進車の信号無視だったようですね。保育士側に問題があったのでは? 青信号で横断歩道を渡っていて2度、車にぶつかられた掛札にしてみれば、「車が前を見てないなんてこと、十分ありえますよ」。今回も、歩行者側にはまったく非のない交通事故。

▶〔電車の上にモルタル片〕11月12日午前8時半すぎ、都営地下鉄浅草線の電車の上にモルタル片(縦約50センチ、横約47センチ、厚さ約7センチ、重さ18キロ)が落ちているのが見つかった。京成高砂駅のホームにいた乗客が発見し、駅員に連絡した。都は都営浅草線内の天井から劣化したモルタル片が落ちたとみて点検を行っているが、今のところ場所の特定には至っていないという。

▶〔衝突で園児がケガ〕11月7日午後6時ごろ、栃木市箱森町の県道で乗用車と中型乗用車が衝突した。中型乗用車には保育士1人と園児13人が乗車しており、園児5人が膝や額などに打撲のけがをした。

▶〔3歳児が滑落、頭部外傷を見逃す〕京都府大山崎町の町立保育所で、3歳児が21日の園外保育中に滑落し、重傷を負った。28日に発表されたもの。命に別状はなかったが、入院中。21日午前10時半頃、散歩中だった保育士2人と年少児14人のうち、園児1人が同町の天王山山道の橋周辺で約3.6メートル下に滑落した。事故直後、園児は意識があり自力歩行もでき、保育士らは手と腰の擦り傷の軽傷と判断した。当日夕方に頭痛を訴え、保育士と保護者が頭に傷があったことを初めて確認し、近くの医療機関を受診した。22日も頭痛が治まらなかったため別の医療機関に行ったが、ともに24時間の経過観察とされ、23日は通常通り通園したという。24日に登園後、顔に腫れなどの症状が見られ、左前頭部の骨折と脳挫傷と診断された。町は、事故が起こった緊急時の対応や保護者への連絡体制など危機管理が不適切だったとしている。併せて、21日の受診では、園から保護者への事故当時の滑落状況の説明も不十分だったことから触診による診察だったという。町は、事故調査委員会を立ち上げる。〔掛札コメント〕頭部外傷の場合、医者も「様子を見ましょう」と言うものですが、これだけの高さを滑落したなら「レントゲンを撮ってみてください」と最初の段階で医師に頼むべきでしょう。3歳児に頭部外傷の症状を自己申告させることは無理です。むろん、医師が「子どもだし、レントゲンを撮る必要はない」と言うこともあります。その場合、対応ミスは医師の責任だと言えます。

▶〔通過電車にひっかかり死亡〕10月23日朝、東武鉄道西新井駅で、ホームを歩いていた30代男性の持っていたかばんが後ろから走行してきた特急電車に引っかかり、男性は頭などを車体は柱にぶつけ、死亡した。点字ブロックより外側を歩いていたという目撃情報もある。同駅にはホームドアが設置されていない。〔掛札コメント〕スマホを見ながらホームを歩いている人も多いですから、ホームドアのないホームではこの種のリスクが上がっていると考えられます。自分は端を歩いていなくても、車両にぶつかった人が飛んできて被害に遭うこともあります。子どもなら、巻き添えでも命のリスクがあるでしょう。

▶〔計画を無断変更して水死〕2018年8月、福岡市内の海岸で児童養護施設(福岡県朝倉市)の中学生が溺れて死亡した事故で、引率していた職員3人が業務上過失致死の疑いで書類送検された(10月16日)。施設は海水浴を禁止していたにもかかわらず、3人は計画を無断で変更して、亡くなった中学生を含む生徒5人に海水浴をさせていた。海水浴をさせた理由について3人は、「子どもが望んだから」と話しているという。〔掛札コメント〕「子どもが望んだから」と言えてしまうところに、他人の子どもの命を預かる専門職にあるべきリスク意識の欠落を感じます。

▶〔校舎の窓がはずれ、児童がケガ〕10月9日午後2時半ごろ、長崎県大村市の小学校で掃除をしていた児童が換気をしようと窓を開けたところ、幅約90センチ、高さ約60センチの窓がサッシごとはずれ、外にいた4年生の背中に当たった。児童は背骨を骨折したおそれがあるという。窓は地面から約1.5メートルの高さにあり、落ちた後ガラスが割れたものの周囲の児童にはケガはなかった。校舎は1971年の完成で、老朽化が原因とみられる。

▶〔ワクチンの接種ミス〕熊本県多良木町で、予防接種を委託されている町内の医療機関が、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の接種で、対象期間に達していない5歳児に誤って接種するミスがあった。児の健康状態に異常はないという。このワクチンは2回目の接種を小学校就学前の1年間に実施するが、約半年早い9月19日に接種した。町職員が予診票の内容を管理システムに入力する際に気づいた。医療機関の確認不足が原因という。

▶〔組体操で受診52人、骨折6人〕兵庫県神戸市によると、今秋の運動会・体育大会で組体操の練習中に転倒するなどし、病院を受診した市立小中学校の児童・生徒は計51人、うち6人が骨折していた。8月、同市市長が危険な場合の実施見合わせを市教委に要請。市教委は今秋について中止にはせず、安全と判断した場合のみ行うよう各校に指示したが、その後もけがの報告が相次いだ。市教委がまとめたところによると、秋に体育行事を開いたのは168校(小学校87校、中学校81校)で、組体操を実施したのは92校(小学校65校、中学校27校)。事故は練習中に発生し、市教委がガイドラインで段数を制限しているピラミッド、タワーでの骨折者はいなかった。昨秋は130校が組体操を実施して62件の受診報告があり、19件が骨折だった。

▶〔バス事故で軽傷〕10月11日午後2時過ぎ、滋賀県野洲市で、市立幼稚園のスクールバスが送迎のために走行中、安全柵に衝突し、園児29人のうち5人が頭などを打つ軽傷を負った。対向の軽乗用車をよけようと道路左側に寄ったところ、バス左前方の乗降口付近が安全柵にぶつかったという。

▶〔ワクチンを間違えて接種〕滋賀県長浜市の市立長浜病院で9月12日、1歳児におたふく風邪のワクチンと間違え、日本脳炎のワクチンを接種した。3種類ワクチンを接種する際、うち1種類をおたふく風邪ではなく、日本脳炎にした。また、おたふく風邪ワクチンの接種量でワクチンを打ったため、本来、日本脳炎で使用する量を超えていた。接種直後に気づいた。両ワクチンの箱が似ているなどして、用意した看護師・医師が取り違えたという。〔掛札コメント〕保育施設の誤食や与薬ミスがいちいちニュースになりますが、人間の脳は全員、「つい、うっかり、ぼんやり」。そして、保育施設は与薬や食物アレルギーの管理を100%できるような人員配置にありません。このような病院の「ミス」のニュースを見る度に、「ミスを責めて、『気をつける』『注意する』で終わらせる文化」をいいかげんやめてくれないかなと思います、特にマスコミと自治体に。

▶〔強風でテントが飛ばされる〕9月12日午前11時10分頃、静岡県静岡市葵区の幼稚園で運動会の練習中、園庭に設置したテントが飛ばされ、園児3人がけがをして救急搬送された。強風の影響とみられる。

▶〔熱中症6件〕9月7日午後2時頃、新潟県南魚沼市の市立中学校で運動会の最中、1~3年生の男女計13人が搬送された。運動会は午前9時ごろ、校庭で開始。隣接する魚沼市の気温は午後1時45分に36.4度を観測。●9月10日午前10時半頃、滋賀県草津市集町の田んぼで稲刈りをしていた市立小学校の5年生10人が救急搬送。5年生約80人が校外学習で、長袖の作業服を着用していた。隣接する大津市で午前10時に30.9度を観測し、高温注意情報が出ていた。●9月10日午後1時過ぎ、埼玉県春日部市の市立中学校の1年生19人が熱中症の疑いで救急搬送された。3、4時間目に男子は体育館でバレーボール、女子は校庭で陸上競技の授業を受けていた。春日部市に近い越谷市の観測地点では最高気温35.8度の猛暑日を記録した。●9月10日午前10時半頃、東京都板橋区の区立中学校で17人が過呼吸などの症状を訴え、症状の重い6人が搬送された。午前8時45分頃から、全校生徒約570人が参加し、グラウンドで運動会の練習をしていた。気温は30度以上あったとみられる。●山口県下関市の市立小学校で9月11日午前11時前、運動会の練習中の児童37人が熱中症の症状を訴え、うち12人が病院に搬送された。同市の正午現在の最高気温は31.7度。●9月11日、岐阜県可児市と池田町の2つの中学校で、体育大会や体育祭の練習中に生徒が熱中症とみられる体調不良を訴え、計20人が病院に搬送された。

▶〔組体操ですでに3人が骨折〕今秋の運動会・体育大会で組体操を行う兵庫県神戸市立小中学校92校のうち14校(14人)で練習中、児童生徒が受診する事故が発生。3人が骨折、3人が脱臼や捻挫。市教委は9月9日、実施校の数などを発表したが、練習中のけがは明かしていなかった。市長が9日夕方、事故の報告を受けたとツイッターに記し「(市教委は)何を対応していたのか?」と批判。10日になって市教委がけがについて公表した。 8月、市長が危険な場合の実施見合わせを要請したが、市教委は「練習を始めている」などとして中止にせず、安全と判断した場合のみ行うよう各校に指示した。現時点の最も重いけがは左手首骨折(全治1カ月)。再発防止策を指導するが、「組み体操の取りやめは聞いていない」という。

▶〔校庭の電柱が倒れる〕9月9日正午頃、岐阜県岐阜市の小学校で、校庭にある高さ約13mの照明付き電柱が倒れた。体育の授業中だったが、電柱はフェンスに沿って倒れたため、けが人はいない。この電柱は1979年に製造・設置されたコンクリート製で、同時期かそれ以前に製造されたものは、岐阜市立の小中学校など70校に少なくとも258本あるという。

▶〔体育祭で熱中症〕9月4日昼頃、岐阜県美濃加茂市の県立高校で、体育祭に参加していた生徒13人が熱中症の疑いで搬送された。症状は軽く、快方に向かっているという。高校では、午後の運動会を中止とした。美濃加茂市の4日正午の気温は32.1度。

▶〔鉄製フェンス倒れる〕8月29日昼ごろ、神奈川県横浜市鶴見区のビル解体工事現場で、防護用の鉄製フェンスが歩道上に倒れ、近くに住む会社員が下敷きになり骨盤を骨折する重傷を負った。小学5年生にもフェンスの一部が当たり、右脚を打撲する軽傷を負った。フェンスは高さ約3メートル、歩道に沿って約27メートルにわたって設置されていた。工事現場側の地面に打ち付けた鉄パイプで支えられていた。事故当時、横浜市内には強風注意報が発令されていた。

▶〔公園ブランコの底板がはずれる〕兵庫県加古川市の公園で8月9日午後5時半ごろ、ブランコの座板が外れ、小学校4年生が転倒した。頭や両手に打撲などを負う軽傷。公園内にあるブランコ4基のうちの1基で、チェーンと座板を固定するボルトが外れていたという。昨年12月の点検で異常はなく、ボルトは昨年8月に緩みにくいものに交換したばかり。他の3基に異常がないことから、市は「振動などで緩んだことも考えられるが、何者かが緩めた可能性も否定できない」として警察に届けた。

▶〔階段裏の天井からモルタルが落下〕佐賀県鹿島市の小学校で、校舎階段裏の天井からモルタル約80キロが崩れ落ちた。13日午前8時半ごろ、事務職員が管理教室棟2階の階段で発見した。落下したモルタルは厚さ1~3センチで、長さ1.2メートル、幅1.6メートル。夏休み中だったため、校舎に児童や教員はいなかった。教室棟は1970年に完成。落下原因の特定には至っていない。

▶〔障害者施設で誤嚥窒息死〕大阪府守口市の障害者福祉施設(放課後等デイサービス)で今年6月、中学1年生が食事をのどに詰まらせ、7月5日に死亡していたことがわかった。あごの筋肉が弱く、食事を細かく刻む必要があったが、施設側は市の聞き取りに「いつもより細かく切らずに提供した」と説明。両親によると、自宅でも食事中に食べ物をのどに詰まらせたことがあったため、職員には繰り返し食事の際に注意するよう伝えていが、事故の当日はふだんとは別の職員が担当となっていて、通常の食事(から揚げ、ミートボール等)を細かくせずに与えたという。両親が職員から状況を聞くと、食べ物を刻む必要があることを伝えられていなかったと説明したという。

▶〔手抜き点検で部品が落下〕今年5月、東山動植物園(愛知県名古屋市)の遊園地で「ニューバイキング」のマストに付いていた重さ約2キロの帆が落下、小学5年生が軽いケガをした事故は、点検の手抜きが原因だったとわかった。点検は2年前から東京都の業者に委託していたが、この業者が法律で定められた安全確認を一部怠っていたことがわかった。点検では、目視に加えてハンマーで叩くなどする必要があるが、落下した帆の点検について業者は「高所作業車が必要だったため、目視だけで済ませた」と説明したという。

▶〔犬による被害(2件)〕●7月25日午前6時頃、熊本県宇城市の路上で、ラジオ体操に向かっていた小学4年生が大型犬(体高約90センチ、体長約120センチ)に咬まれ、助けようとしたおとな3人も咬まれた。犬は飼い主が捕獲した。犬はおりの中で首輪に鎖をつないだ状態で飼われていたが、首輪が外れていた。県は動物愛護管理条例に基づき指導。狂犬病予防接種を受けておらず、市への登録もしていなかった。過失傷害などの疑いも含め、調べている。●7月25日午後4時30分頃、青森県青森市の路上で「子どもが倒れている」と119番があった。倒れていたのは小学生で脳内出血の疑いがあり、搬送時は意識がなかった。「つながれていない犬が覆いかぶさっていた」との目撃情報があり、警察が調べている。児は保護者と一緒に親族の家へ遊びに行っており、倒れていたのは親族宅近くの路上。1人で外出していたとみられる。犬は確保された。

▶〔誤嚥窒息死で報告書〕大分県別府市の特別支援学校で2016年9月15日、生徒(17歳)が給食を喉に詰まらせ死亡した事故で、事故調査委員会は、食事中に常時見守っておらず、心肺蘇生をしなかった教職員の対応を「大きな問題」「不適切」とする報告書をまとめ、7月17日までに県教委に提出した。調査委委員長(藤本保医師)は「これらの対応が死亡に至ったひとつの要因」との見解を示した。ランチルームでの給食中、見守り係の担任教諭が席を立った間に、この生徒が卵焼きを喉に詰まらせ床に倒れたもの。生徒は救急搬送されたが、同10月に死亡。両親の告訴を受けた警察は2018年5月、当時の校長や担任教諭ら4人を業務上過失致死の疑いで書類送検している。

▶〔保育園の駐車場にトラックが突っ込む〕7月9日昼前、栃木県宇都宮市の保育園の駐車場に、同県日光市の会社役員(男性、75歳)が運転する大型トラックが突っ込み、駐車していた乗用車4台が破損した。園児や保育士ら約170人は建物の中におり、けが人はいなかった。現場は片側1車線の緩やかなカーブ。トラックは対向車線を越えて駐車場に進入した。

▶〔プール開きで塩素ガス発生〕6月17日朝、東京都葛飾区の小学校で、プール開きのため消毒液を作っていたところ塩素ガスが発生し、教員6人が目の痛みなどを訴え病院に運ばれた。いずれも症状は軽く、児童は近くにいなかった。消毒液を作る手順を誤ったとみられる。

▶〔園児の列に車が突っ込む〕6月13日午前10時前、兵庫県西宮市の市道脇の歩道で、69歳の女性が運転する乗用車が、散歩で歩いていた近くの保育園児と保育者計19人の列に突っ込み、子ども2人をはねた。6歳児が肩の骨を折る重傷、5歳児は軽傷。運転者は市道を右折して、道沿いにあるクリニックの駐車場に入ろうとした際に園児2人と衝突。車は6歳女児を車の下に巻き込み、入り口付近のポールにぶつかって停車した。運転者は「忘れ物に気付き、クリニックの駐車場で方向転換しようと思った」と話している。〔掛札コメント〕方向転換のためにわざわざ右折で駐車場へ入ろうとした…? 右折は当然、対向車が気になり、その向こうにある歩道に注意がいかなくなります。忘れ物に焦っていたのでは、よけいに危険です。もうひとつ、保育園児がお散歩で巻き込まれる事故が増えている? まず、「報道が増えている」「報道が大きくなっている」はずだという点を頭に入れておいてください。ちょっと下のニュース(タイトル:交通事故死は4人)にありますが、実際、これまでも死亡していない交通事故は複数起きているのです。大津と市原の事故で、おそらくこれからはもっと軽傷の交通事故もどんどん報道されるようになるでしょう。あ、事故は「確率的」に起こるできごとなので、もちろんある時期、立て続けに類似の事故が増えることもあります。

▶〔体育大会入場門が倒れる〕6月6日午後2時ごろ、富山県高岡市の高校のグラウンドで鉄パイプ製の入場門が倒れて生徒4人が負傷、2人が高岡市民病院で手当てを受けた。いずれも軽傷とみられる。体育大会で、2、3年の生徒約60人らが次の種目に参加するため入場門付近で待機していたところ、突風が吹き、門が倒れた。入場門は高さ3メートル、幅7メートル、奥行き1.5メートル。鉄パイプで組み立てられ、横断幕が掲げられていた。左右両脇の計2カ所がくいで固定されていた。市内では5月25日にも小学校の運動会でつむじ風が発生し、テントが飛ばされて児童数人が軽傷を負った。

▶〔床面の窓を開けて転落〕埼玉県越谷市の市民会館で6月3日午前10時過ぎ、市内に住む2歳児が4階ホールの窓から約4メートル下の3階ベランダに転落した。児は外傷性くも膜下出血などの重傷。意識はあるという。児が転落したのはアーチ型のガラス窓で、床面とほぼ同じ高さに設置され、高さ100センチ、幅170センチ。内側からは左側のレバーを操作して開けられる。窓の手前に鉄の棒5本を14センチ間隔で渡した柵があるが、消防の緊急活動用のため施錠されていなかった。児はサークル活動の母親と会館に来ており、母親が動きを見ていたものの、わずかな間に柵を手前側に開け、何らかの理由でガラス窓も開いたとみられる。〔掛札コメント〕「母親が目を離したのが悪い」ではなく(サークル活動の目的で来ていたのですから)、その時だけでも柵を簡単に施錠する。それだけで防げた事故です。がっちり施錠する必要などないのです。簡単な施錠であれば、子どもは開けるのに時間がかかり、その間におとながみつけられるでしょうから。

▶〔交通事故死は4人〕保育園や幼稚園の園児が通園時(歩行)、交通事故に巻き込まれてケガをした件数は、昨年までの5年間に541人。死亡は4人。5月25日、(公財)交通事故総合分析センターの集計でわかった。園にいる際、事故に遭った園児も13人。ここに散歩などが含まれるとみられる。大津市の事故を踏まえ、同センターに共同通信が集計を依頼したもの。〔掛札コメント〕ぜひ、細かく分類して発表していただきたい。記事では通園時が「歩行」となっていましたが、保護者の自転車に乗っていた例もあるでしょう。園にいる際のものには、駐車場の事故も含まれるはずです。この数字だけではわかりません。

▶〔熱中症で搬送〕5月26日10時半ごろ、青森県弘前市の小学校で運動会中、児童17人が熱中症と見られる症状を相次いで訴え、うち3人が搬送された。症状は軽いという。これを受けて学校は午前11時過ぎ、残りの競技を別の日に延期すると決めた。26日の弘前市は午後2時までの最高気温が33.3度まで上がり、5月の過去最高を記録。

▶〔熱中症搬送ニュース:3件めと4件め〕5月23日午前9時前、東京都町田市の市立小学校で運動会の練習をしていた児童ら十数人が体調不良を訴えた。8~12歳の児童4人が熱中症の疑いで医療機関に搬送されたが、いずれも意識はあり命に別条はないという。●23日午前11時前、新潟県長岡市の小学校で運動会の練習中、児童26人が熱中症の症状を訴え、病院に運ばれた。重症はいないという。午前10時20分からの約1時間、全校児童が参加し、運動会の練習をしていた。長岡市は23日午前中、気温が25度を超える夏日。〔掛札コメント〕熱中症予防指数ではまだまだ「注意」域ですが、からだが暑さに慣れていないだけでなく、朝晩との気温の差で熱中症を起こしやすい状態にあります。「午前9時に熱中症?」、朝ご飯を食べていない子もいたかもしれません。8-2に加筆した通り、水気と塩気のあるものを朝、簡単でもしっかり食べていないと睡眠中の脱水状態のまま登校・登園することになります。8-2の「朝食」の所に貼った記事のように、「午前中は熱中症になりやすい」のです。ぜひ、こうしたネット記事を印刷して「おにぎりに味噌汁や、惣菜パンとカップスープとサラダでよいから、しっかり朝食を」とお伝えください。「バナナと牛乳でOK」?…子どもには栄養、ミネラル(塩分も)、水分が足りません。最後にもうひとつ。こうした記事は「複数を搬送」なのでニュースになっていますが、1人、軽い熱中症で受診したぐらいではニュースになりません。こうしたニュースの陰でもっと起きているということをお忘れなく。

▶〔熱中症搬送ニュース2:運動会の練習で熱中症搬送〕5月22日日午前10時半過ぎ、岐阜県山県市の小学校校庭で運動会の練習をしていた児童(1~6年生)9人が頭痛や吐き気など熱中症の症状を訴え、うち7人が救急車で搬送された。症状は軽く、すでに自宅に帰宅したという。今週末に運動会を控え、午前10時前から全校児童約100人で練習を行っていた。

▶〔熱中症搬送ニュース:1福井県鯖江で熱中症搬送〕5月17日午前11時前、福井県鯖江市の小学校で児童29人が熱中症とみられる症状を訴え、病院に運ばれた。いずれも軽症。当時は全校児童465人で18日の運動会の練習をしていた。福井市では、正午前に今年の最高気温となる28.1度を記録している。

▶〔建設現場から鉄の棒が落下、歩行者がケガ〕5月16日午後2時前、東京都品川区のJR五反田駅前の建設現場で鉄の棒が落下して歩行者に当たり、軽いけが。落下した鉄の棒は長さ42センチ、重さ730グラムで溶接に使うためのもの。現場は駅前ロータリーのすぐ近くで、人通りが多い場所だった。〔掛札コメント〕これも、大津・市原の交通事故と同じです。「その場、その瞬間にいあわせた確率(運)」。棒の形状や大きさ、向きによっては死亡もありえます。たとえば、落ちてきたつららがまっすぐ頭に刺さって死ぬ事例も稀ではありませんから。

▶〔保育園児と保育士に車が突っ込む〕5月15日午前10時半頃、千葉県市原市の公園の砂場で遊んでいた保育園児5人と女性保育士2人の近くに乗用車が突っ込み、園児をかばおうとした保育士が右足を骨折した。園児にけがはなかった。保育士が突き飛ばすようにして守ったという。警察は、車を運転していた65歳男性を現行犯逮捕。公園の向かいのコインパーキングで料金を払おうと停止した後、「車が急発進した」と供述している。

▶〔突風でテントが飛ばされる〕福島県鏡石町の小学校の校庭で5月11日午後、運動会の途中、突風によってテントが飛ばされ、児童11人と保護者1人が軽いけがをした。約10張りのテントのうち、少なくとも1つが突風で飛ばされてテントの中や周辺にいた人に当たったもの。テントは支柱を土のうで固定していた。この日、県内各地で夏日となり、強い日ざしで地上の空気が暖められて局地的に上昇気流が発生し、渦を巻くような強い風が吹いたと考えられるという。

▶〔遊園地遊具の部品が落下〕5月4日午後2時過ぎ、愛知県名古屋市千種区の東山動植物園内にある遊園地で、船の形をして前後に揺れるタイプの遊戯施設の部品が落下し、乗っていた小学5年生の太ももに当たった。打撲の軽傷。警察が業務上過失致傷の疑いで調べている。他に乗っていた小学3年生が部品の落下に伴うとみられるほこりのようなものが目に入ったと訴え、現地の事務所で手当てを受けた。落下したのはプラスチック製の飾りで、縦45センチ、横80センチ、厚さ8センチ、重さ約2キロ。たたんだマストの帆をかたどったもの。今年2月と4月に点検をした際には異常はなかったという。

▶〔園バスを巻き込む死亡事故〕4月22日午後2時35分頃、熊本県熊本市中央区の国道で、幼稚園の送迎バスと2トントラック、原付バイクなど計5台が絡む事故。トラックとバイクの2人が死亡。バスの園児4人と保育士ら計7人が軽傷を負った。トラックが交差点内で反対車線のバイクと衝突、そのまま反対車線を走行し、乗用車とバスにぶつかった。さらに、バスと後続の別の乗用車も衝突したという。

〔おぶった児が落下〕岡山県岡山市の市立保育園の保育室で4月15日午前、保育士(女性、40代)が背負っていた0歳児がおんぶひもをすり抜けて約1メートルの高さから落下し、畳に額を打ちつけて搬送、入院した。けがの程度は不明で、入院は約1週間の予定。保育士が、ほかの児に対応しようと前かがみになった際、左肩付近から児が落ちたもの。〔掛札コメント〕おんぶひもの形状(リュックサック型?)なのか、おんぶひもが緩かったのか…。とにかく要注意!

▶〔学童支援員が門扉の下敷きに〕4月12日午後7時過ぎ、栃木県栃木市都賀町の小学校正門で、学童支援員が鉄製門扉を閉めようとしたところ、片方の門扉が倒れ、下敷きになった。支援員は腰椎を圧迫骨折する重傷。

▶〔前屈運動で腰に重傷〕奈良県の県立高校の元生徒が4月5日、県を相手取り、約663万円の損害賠償を求めて地裁に提訴した。昨年4月25日、柔軟体操で前屈した際、教諭が頭が膝に付くまで両肩を強く押し続けた。その後、激痛が治まらず、1カ月後に椎間板ヘルニアと診断された。7月に手術を受けたが現在も通院中。

▶〔パトカーが5歳児に接触〕滋賀県大津市で午後1時50分、家電量販店の駐車場で、警察官が運転するパトカーが5歳児と接触、児は軽傷。警察官は、別の事故の処理のために駐車場を訪れていて、停まっていた車の陰から出てきた児に接触した。

▶〔11か月児が窒息死〕台湾・台北市にある乳児保育所で4月1日、生後11か月児が窒息死。保育士がうつ伏せの児の体を19分間押さえつけていたことがわかった。同日午後2時頃、異常に気づき、保育士が心肺蘇生、搬送。口腔内に異物がなかったことから当初、警察はうつ伏せに寝ていたことが原因と見ていたが、施設の防犯カメラ映像から、児の世話をしていた保育士が寝る前の児を上から押さえつけるような姿勢で添い寝していたことがわかった。映像には、その後、児が手足をバタつかせる様子も捉えられていた。保育士は「普段から寝つきが悪く、よく動くのであのような方法で寝かしつけた。体重をかけすぎないように加減していた」話したという。警察は2日、この保育士を業務上過失致死罪で送検。今後、違反等が明らかになった場合には、保育士資格の取り消しや罰金などの処分が下されるという。〔掛札コメント〕「とにかく寝かさなきゃ」でいたら、日本でも起きかねませんね…。

▶〔ミニパトカーが園児はねる〕3月29日日午後5時頃、京都府福知山市内の市道で、パトロール中の京都府警のミニパトカーが近くの保育園児(6歳)をはね、児は軽傷。運転していたのは地域課の巡査部長(40代、男性)。現場は中央線のない道路で、児が反対側の歩道に渡ろうと路肩の停車車両の後方から出てきた際にはねたという。

▶〔ホーム側面からコンクリ片落下〕3月31日午前3時20分ごろ、JR新橋駅構内の烏森橋架道橋から重さ約80グラムのコンクリート片が落下し、約7メートル下に停まっていた自動車の窓ガラスに当たった。けが人はいない。同駅東海道線の線路脇ホーム側面の点検中。コンクリート片はホーム側面の一部で、ステンレス製の目隠し板のすき間から落ちたとみられる。

▶〔園の駐車場でひかれ、死亡〕3月15日午後4時頃、愛知県高浜市の保育園の駐車場で、母親と一緒に姉を迎えに来ていた1歳児が、同じく子どもを迎えにきた男性のトラックにひかれて死亡した。この児は母親が運転する車に乗り、保育園に通う3歳の姉を迎えに来ていて、母親が目を離したすきに一人で車から降りたとみられる。警察はトラックを運転していた男性を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕した。〔掛札コメント〕下の大分の事例の所にも書きましたが、交通事故は「つい、うっかり、ぼんやり、めんどくさい」の脳を持った人間が車を運転している以上、運転者の誰もが「加害者」になり得、「被害者」側にも「加害者」側にも大きく影響する事故です。こちら(B-2)のひな型をご活用ください。

▶〔道路標識の板が落下〕奈良県生駒市の国道で3月13日午後4時半ごろ、道路標識に取り付けられていたアルミ製の板が落ちているのを通行人がみつけた。大きさは、縦1m 25cm、横1m、重さは7kgで、約5mの高さに設置されている道路標識の表示の一部を隠すために取り付けられていたもの。〔掛札コメント〕上からはいろいろ落ちてきます…。

▶〔事故で歩行者が書類送検〕福岡県北九州市の交差点で2018年11月、赤信号を無視して道路を横断し、ミニバイクと衝突して運転手に大けがを負わせたとして、歩行者の70歳の男性が書類送検された。男性も足の骨を折る大けがをしており、ミニバイクの運転手も、過失運転傷害の疑いで書類送検。歩行者がバイクよりも重い過失があるとして検挙されるケースは極めて珍しいとのことで、2人とも容疑を認めている。

▶〔どんちょうが落下、園児がケガ〕3月8日午前、愛知県武豊町の中央公民館で舞台の緞帳(どんちょう)が落ち、舞台の上で練習をしていた保育園児6人が軽傷を負った。1976年に設置された緞帳は、縦5m、幅105m、重さは約350kg。5.5mの高さから落下。緞帳を巻き上げる5本のワイヤのうち2本が切れていたが、昨年の12月22日の点検では異常報告はなかったという。

▶〔マンションの上から消火器が落下〕3月6日午後10時前、大阪府堺市の15階建てマンションの上から消火器が落ちてきたとの通報を受け、地上の通路で壊れた消火器ひとつ(約5キロ)を見つけた。けが人はいない。何者かが消火器を投げ落としたとみて、警察は殺人未遂容疑を視野に捜査している。警察によると、12階の消火器ひとつがなくなっていたという。昨年4月下旬にも同じマンションで、こぶし大の石が上階から落とされたとみられる件があり、調べている。

▶〔秋田県に8歳児が咬まれる〕大分県中津市の路上で2月14日夕方、8歳児が体長1メートルの秋田犬にかまれ、顔にケガをして病院に運ばれた。命に別条はないという。この犬の飼い主は当時、その場所から離れ、畑で作業をしていた。(2月15日、テレビ大分)

▶〔小学生が3歳児を救う〕迷子になって道路に飛び出した3歳児を助けた山口県下関市の小学校に通う児童3人(4年、5年)に、2月8日、警察から感謝状が贈られた。1月下旬、下校中の3人が交差点で、横断歩道の信号は赤にもかかわらず国道を渡ろうと駆け出した児をみつけ、引き留めて、抱きかかえて歩道へ戻った。保護者が見当たらなかったので、近くの交番に連れて行った。その10分ほど前、同じ交番に児の親が「散歩中にいなくなった」と届け出て捜していた。3人にはそれぞれ弟がおり、3歳ぐらいは目が離せない時期だと知っていたという。「車にはねられるかもしれないと思って、とっさに体が動いた。学校で、迷子を見つけたら交番や大人に伝えるよう言われていたので、その通りにした」と。(2月9日、朝日)

▶〔保育園近くでクレーンが横倒し〕1月28日午前10時頃、兵庫県神戸市須磨区のマンション建設現場で、高さ約15メートルのクレーン車がアームをあげた状態で横倒しになった。アームの一部は隣接する産婦人科医院の駐車場に倒れ込んだが、駐車場に車はなく、けが人はいない。反対側の約20メートル先には保育園があり、当時、園内では活動が始まっていたが被害はなかった。工事責任者は「足元の支持がちょっと弱かったのが原因」「足元をすくわれて転倒したので、それ以上はない」と話しているという(1月28日、TBS)。〔掛札コメント〕「それ以上はない」って…。「足元の支持がちょっと弱かった」でクレーンが倒れては…。

▶〔園敷地内で交通事故〕1月24日午前7時35分頃、大分県大分市内の保育園の敷地内で、2歳児が、同じ園に子どもが通う保護者の乗用車にはねられ、頭を打って病院で死亡した。この保護者が自分の子どもを敷地内の駐車場で降ろし、車を発進させた後、別の車から降りた児をはねたという(1月24日、共同通信)。〔掛札コメント〕またもや、はねた側の保護者の職業を書き(怒)、この記事には両者の実名すら入っていました。自分には落ち度がない青信号で車にはねられた経験を2度している者として、声を大にして言います。交通事故は「つい、うっかり、ぼんやり、めんどくさい」の脳を持った人間が車を運転している以上、運転者の誰もが「加害者」になり得、「被害者」側にも「加害者」側にも大きく影響する事故です。

▶〔800キロのひさしが落下〕大阪府松原市の市立小学校で、校舎入り口の高さ3メートル位置にあった重さ約800キロのコンクリート製のひさし(幅210センチ、奥行き92センチ、厚さ16センチ)が根本部分から折れて落下しているのが見つかった。けが人はない。1月15日朝に出勤した校長が発見したが、12日午後7時ごろまで異常はなかった。13、14の両日は職員、児童とも不在だったという。校舎は鉄筋コンクリート造りで築約60年。建築基準法に基づき、3年に1度校舎の点検を行っているが、ひさしは点検していなかった。(毎日、1月19日)

▶ 〔組体操の事故、兵庫県が3年連続で全国最多〕2017年度、兵庫県内の小中学校で発生した組体操中の事故件数は566件で3年連続の全国最多(前年度より35件減少)。西山豊・大阪経済大教授が日本スポーツ振興センターの件数データから分析したもの。県内の児童・生徒1万人に対する負傷人数は12.8人で全国平均(4.5人)を大きく上回った。組体操についてはスポーツ庁が2016年3月に安全確保の徹底を通知、以降、全国では多くの学校が実施自体を取りやめたが、兵庫県内の公立小中学校(神戸市を除く)では約8割が組み体操を実施しているという。県教委は「段数とけがに相関関係がない」として、ピラミッドやタワーの段数制限を行っていない。事故の原因として多いのは、補助倒立や、肩の上に人を乗せる2人技、太ももの上に人を乗せる単純な技などだという(1月2日、読売) 。〔掛札コメント〕「段数とけがに相関関係がない」と言い切れる根拠がどこにあるのか興味のあるところですが、そもそもこの分析自体、各県で組体操を実施している学校の児童・生徒数あたりの発生数で考えなければいけないわけです。学校の8割が実施しているということは、当然、そのぶんケガは増えるわけですから。児童・生徒1万人に対する数では、正しい発生率になりません。



事故:予防や訴訟、調査委報告など

▶〔鉄棒から落ちて重度障害、提訴〕福井県の県立高校で2016年11月、体育授業中に鉄棒から落ち、重い障害を負った男性と両親が県に約1億4000万円の損害賠償を求めて提訴した。事故の時、男性は鉄棒を両膝で挟み込みながら後ろに回る「後方両膝掛け回転」を練習していた。授業担当の講師から技や注意点の説明はなかった。回転しきれずに厚さ約4センチのマットに頭から落ち、頚髄損傷で首から下がまひ、身体障害等級1級と判断された。原告側は、頚髄損傷が疑われる場合は「動かさずに救急車を要請することが鉄則」なのに、落下直後、講師は動けなくなった男性の首を何度ももみ、無理に体を起こし、頭や首を固定しないまま他の教諭らと担架で保健室へ運んだと主張。また、補助を付けたりマットを厚くしたりする対策が考えられるとし「県が適切に指導監督しておくべきだ」と訴えている。〔掛札コメント〕事故時の対応方法を知らず、責任を取る気もないなら、リスクが高い活動はしないこと。するなら、保護者とリスク・コミュニケーションをして、了解のとれた児童・生徒のみを対象とすること。「それじゃ、子どもが育たない?」…長時間保育、長時間学校を前提とした社会をやめて、保護者と子ども本人の責任下で活動をする社会にすればいいのです。夢じゃありません、東アジア以外の世界の大半はそういう文化ですから。

▶〔組体操、来年度以降は中止〕兵庫県神戸市教育委員会は12月20日、市立小中学校で今年度実施された組体操で6人が骨折する(練習中を含む)など事故が相次いだことを受け、来年度以降、中止する方針を決めた。同市では今年度、245校中151校が組体操を実施。同市市長は8月、市教委に安全が確保できないと判断すれば実施を見合わせるよう文書で要請。これに対し市教委は「練習が始まった学校も多く、中止は混乱を招く」として今秋も実施した。

▶〔保育園や幼稚園周囲の道路の危険箇所〕幼稚園や保育園などの周囲の道路を国が点検したところ、「危険」と指摘され、安全対策が必要とされた場所が3万6000件にのぼることがわかった。防護柵の設置や路肩のカラー舗装などの対策が有効だとして早急な支援を行うため、国は今年度の補正予算案におよそ259億円を計上する。

▶〔プール死亡で被告人質問〕2017年8月、埼玉県さいたま市緑区の認可保育所のプールで4歳児が死亡した事故について、業務上過失致死の罪に問われている元園長と保育士の被告人質問が11月21日、行われた。園長は十分な監視体制を取らせるなどの注意義務を怠り、保育士は園児たちから目を離し、この児を死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われている。被害者が亡くなったことについて問われた園長は「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と話し、保育士は「私が目を離したこと、一番に気づいてあげられなかったこと申し訳なく思っています」と涙ながらに語った。

▶〔明石市、組体操実施を見合わせる〕今年度、タワーやピラミッドなどの組体操の練習中に小学校で16件、中学校で9件の事故が起きたことから、兵庫県明石市は10月16日の総合教育会議で、来年度、小中学校の運動会で組み体操の実施を見合わせる方針を固めた。

▶〔大川小学校訴訟で市と県の責任が確定〕東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族が市と県に約23億円の賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁は10月10日付で市と県の上告を棄却する決定を出した。事前防災の不備による責任を初めて認め、市と県に約14億円の賠償を命じた2審・仙台高裁判決(2018年4月)が確定した。 裁判官5人全員一致の意見。
 1審・仙台地裁判決(2016年10月)は、津波到達の7分前の午後3時半ごろ、高台避難を呼び掛ける広報車が校舎前を通った段階で、教員らが学校への津波の襲来を予見できたと指摘。学校南側の裏山への避難を決断すべきだったのに、不適当な場所へ避難しようとしたとして、地震直後に在校していた一部の教員の過失だけを認めていた。
 これに対し、2審・仙台高裁判決(2018年4月)は、児童らが通学を法的に強制されている以上、校長、教員、市教委には児童の安全を確保する義務があったとし、それを前提に事実を認定した。校長らは地震や津波の知識・経験を集め、蓄積する立場にあり、校舎の立地も踏まえると、市教委が学校に「危機管理マニュアル」の改定を義務付けた2010年4月末の時点で津波被害を予見できたとした。そのうえで、学校から約700メートル離れた標高約20メートルの高台を避難場所としてマニュアルに記載し、避難経路や避難方法も示していれば、津波によって児童が死亡する結果は回避できたと指摘。校長らはマニュアルの不備を改定せず、市教委も不備を是正する指導をしなかったとして、組織的な過失を認めた。

▶〔ファミサポの安全確保、35%〕保育事故の当事者らでつくる「保育の重大事故をなくすネットワーク」は9月27日、大阪府庁で記者会見し、自治体アンケート結果を公表した。7月、全国の市区町村のうちファミサポ事業を実施している921自治体にアンケートを送付。274自治体から回答を得た(回収率29.8%)。無償化にあたり安全確保に取り組むと答えたのは96自治体(35.0%)、内容としては睡眠時の無呼吸アラームを使う、所定回数より多い緊急救命講習を行う、乳児を預かる際は保育士資格を持つ人を紹介するなど。一方、75自治体(27.4%)が「特に取り組みは行わない」と答えた。

▶〔14.3%の校区に学童保育ナシ〕学童保育に通う父母や指導員でつくる「全国学童保育連絡協議会」は9月30日、「待機児童」が過去最多の18176人になったと発表した。全小学校区の14.3%にあたる2764校区に学童保育がなかった。全国の1741市区町村を対象にアンケート方式で実施。5月1日時点の入所児童数などを聞き、すべてから回答を得た。

▶〔熱射病死亡で損害賠償金〕愛知県豊田市市長は8月23日、昨年7月の校外学習後に熱射病(熱中症の中で最も重症)で死亡した小学校1年生について、遺族に損害賠償金を支払ったことを明らかにした。暑さと死亡に因果関係があり、学校側に注意義務違反があったと判断したもの。第三者調査委員会が今年3月にまとめた報告書で、教員に熱中症の知識が不足し、校外学習を中止する判断に至らず、事態を回避できなかったと指摘した。(「最新情報と重要な情報」に概要のリンク)

▶〔詐欺罪でも起訴〕栃木県宇都宮市の認可外保育施設で2014年7月、9カ月児が放置されて死亡した事件で、地検は7月10日、両親に虚偽の説明をして保育料をだまし取ったとして、元経営者(62歳、女性)を詐欺罪で起訴した。この経営者は、すでに保護責任者遺棄致死罪などで懲役10年が確定している。児の両親が2014年、被告らを刑事告訴。地検は2017年に不起訴としたが、検察審査会が同年、被告と被告の父親を不起訴不当と議決したのを受け、再捜査していた。父親については今回、再び不起訴とした。

▶〔傷害事件で検証委員会〕滋賀県大津市の私立保育園で昨年3月、保育士(27歳女性。傷害罪で有罪)が1歳児を自分の顔近くの高さから床にたたきつけ、左脚を折る全治6週間の重傷を負わせた傷害事件で、同市の検証委員会(委員5人)の初会合が7月頭、開かれた。年内に報告書を答申する予定。同市の検証委を設置は2014年、保育園で昼寝中の4歳児が窒息死した事故以来2回め。

▶〔プール死亡事故で在宅起訴〕2017年8月24日、埼玉県さいたま市の私立認可保育所のプールで4歳児が死亡した事故で、元園長と元保育士が業務上過失致死罪で在宅起訴された(6月28日)。十分な監視体制をとらせるなどの注意義務を怠ったこと(元園長)と、園児から目を離したこと(元保育士)で。国のガイドラインに伴い、監視役と指導役として職員を配置すべきところ、1人しか配置していなかった。〔掛札コメント〕ガイドラインの委員をしていた人間としては、そもそも今の配置基準で「監視係と指導係を(最低)一人ずつ置いて」プール活動をすること自体が困難だという点を強く指摘したいと思います。実際、2人いても監視に専念できるわけではありませんから。国としては「ガイドラインを作ったのだから、後は園の責任」と言える、ただそれだけのことですが、プール活動をし続けたいのであれば、以上児についても配置が少なすぎるという点を言っていくべきです。

▶〔認可外、調査した4割で基準違反〕厚生労働省は6月26日、2017年度に自治体が実施した認可外保育施設への立ち入り調査の結果を発表した。昨年3月末時点で自治体に届け出があった認可外施設は、前年同期より1750増の9666施設。調査対象外となるベビーシッター事業者を除いた7689施設のうち5332施設を調査し、調査実施率は69.3%だった。基準違反が確認されたのは2407施設(4割)。違反内容は乳幼児の健診の未実施(858)、消防計画の未策定・訓練の未実施(819)、子どもの安全確保への未配慮(524)などだった。

▶〔やけどで和解、160万円〕愛知県知多市の市立保育園で昨年7月、高温のスープが入った給食鍋が落下、1歳児やけどを負う事故があった件で、市は6月7日、園児側に約160万円を支払うことで和解したと発表した。この件の検証報告書は「役立つリンク」に。

〔プール死亡で2000万円の損害賠償命令〕京都府京都市の認可保育所のプールで2014年7月、4歳児が死亡したのは監視を怠ったのが原因として、両親らが園を運営する社会福祉法人に慰謝料など約4200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は5月16日、約2000万円の支払いを命じた。当時の担任保育士ら2人が18人用のプールに30人を入れ、「監視や指導の役割分担をせず、その場を離れたり他の作業をしたりした」と指摘し、監視義務違反を認定。同会も保育士らに事故のリスクを周知する義務を怠ったとした。一方、園側は「給食の吐瀉物誤えんなどの可能性がある」とし、請求棄却を求めていた。
 この事故で、2015年3月には、両親が当時の園長ら4人を業務上過失致死容疑で告訴し、京都地検は嫌疑不十分で不起訴。両親の申し立てを受け、検察審査会が2016年7月に不起訴不当と議決したが、地検は再び不起訴としていた。〔掛札コメント〕熱性けいれんやてんかん発作が(おそらく)引き金となってプールに沈み、みつかり、息を吹き返した事例はあります。いずれも息を吹き返したから「たぶん、これが原因だろう」とわかったわけです。でも、亡くなっていたら「てんかんだったかも」と言っても「そこじゃなくて、どうして沈んだことに早くみつけられなかったわけ?」と監視の責任、監視体制の責任を問われます。この京都の事例で園側は「吐瀉物の誤嚥かも」と言っていますが、そんなことはどうでもいいわけです。足がつっておとなが沈むこともあるのですから。プール事故の場合、沈む/浮かぶ原因ではなく、「なぜ早く見つけられなかったか」だけが問題になるのです。そして、たとえ監視をしていても、沈んでいる/浮いている子どもをみつけるのは容易ではありません。


〔ケガで安全配慮義務違反、114万円の慰謝料〕徳島県徳島市の私立保育園に対し、児と両親が慰謝料など約293万円の支払いを求めた訴訟の判決が4月24日、地裁であった。請求を一部認め、社会福祉法人に約114万円の支払いを命じた。2016年5月、園庭で遊んでいた児がつまずいて階段で顔を打ち、鼻の骨を折ったにもかかわらず、園は医療機関に連れて行かず、保護者にも連絡しなかった。2017年3月には、児が園庭遊具から落ちて切り株で顎を打ったが、園庭にいた保育士は児の遊ぶ様子を確認していなかった。判決理由で「保育士は遊具付近で遊ぶ児の動向に気付かず、危険な行為に及んでいる児を制止するなどしなかった」などとして園の安全配慮義務違反を認めた。一方で「後遺障害が残ったとまでは認められない」などとした。

▶〔特養入居者の誤嚥窒息死有罪〕2013年12月12日、長野県安曇野市の特別養護老人ホームで85歳の入所者がおやつ時に異常な状態となり、1カ月後に死亡した。この件に関し地裁は3月25日、食事の介助中に十分な注意を払わなかったなどとして業務上過失致死の罪に問われた准看護師に、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。検察側はこの入所者には口に食べ物を詰め込む癖があったのに、介助者は他の利用者に気を取られ、十分な注意を怠ったほか、窒息などに備えておやつがゼリーに変更されていたのに、その確認も怠ったなどと主張。被告側は死因は脳梗塞と考えるのが最も合理的で、窒息が死因とする検察側の主張を否定、無罪を求めていた。食事介助中の出来事を罪に問うことは介護現場での萎縮を招くとして裁判は介護関係者の強い関心を呼び、無罪を求める約44万5500筆の署名も裁判所に提出された。〔掛札コメント〕特養で? では、保育園ではどうなるのでしょうね。

▶〔集団食中毒で損害賠償へ〕2017年2月、東京都立川市の市立小学校7校の給食でノロウイルスの集団食中毒が起きた件で、同市は3月22日、原因の刻みのりを製造した兵庫県姫路市の企業に約1020万円の損害賠償を求める訴訟を起こす方針を固めた。給食停止期間中の休業手当や注文済み食材の廃棄による損失。この食中毒では、刻みのりを使った親子丼を食べた児童や教職員1098人が腹痛などを訴えた。〔掛札コメント〕同じ刻みのりで、和歌山県御坊市でも集団食中毒が起きています。2017年のニュース参照。

▶〔睡眠中の死亡事故で検証報告書〕2014年7月、滋賀県大津市内の民間保育園で起きた4歳児の死亡事案で、大津市が再発防止を目的に設置した第三者検証委員会が14日、報告書をまとめた。昼寝中に意識がなくなり、搬送先の医療施設で死亡が確認されたもの。報告書は、原因について嘔吐や意識障害を伴った発作との関連を指摘したが、「明確な確定にいたることはできなかった」と結論づけた。発生前後を含めた保育士の対応については問題はなかった、とも。再発防止策として、保育施設と保護者との情報共有、かかりつけ医による子どもの健康管理、就寝中の観察などを挙げた。検証委は2017年7月に設置。

〔おんぶ時の事故で損害賠償1億8200万円〕2011年4月、神奈川県川崎市の市立保育園で、保育士が中腰で生後7か月児をおんぶし直そうとしたところ、床に落とし、児に重い障害が残った件を巡り、市が約1億8200万円の損害賠償を支払う案が3月8日の市議会委員会で可決された。児は、両下肢体幹機能障害や視力障害などを負い、全面的に介護が必要な状態。川崎市は再発防止策としておんぶに関するマニュアルを作り、0歳児をおんぶする場合は原則職員2人で行うことなどを周知している。

▶〔熱中症死で調査報告書〕愛知県豊田市で昨年7月17日、市立小学校1年生が熱中症で死亡したことについて、教育委員会が設置した第三者調査委員会が3月5日、報告書を発表。教員の熱中症に関する知識が足りず、適切な措置を取れなかったことが原因として、マニュアルの作成や養護教諭の増員などを再発防止策として提言。当日は午前10時の気温が32.9度、暑さ指数では「危険」「運動は原則中止」だったが、教員は校外学習を予定通りに実施。これについて「中止、延期するべきだったが暑さに対する知識不足から判断できなかった。マニュアルもなかった」と指摘。〔掛札コメント〕報告書そのものはネット上でまだ見つかりません。

▶〔塩による死亡事件で和解〕2015年8月、岩手県盛岡市の認可外保育所で1歳児が塩を混ぜた飲みものを与えられて死亡した事件で、2月26日、地裁で和解が成立。両親は元保育所経営者に約6270万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていた。和解内容は非公表。元経営者は傷害致死容疑で逮捕されたが処分保留で釈放。盛岡区検は業務上過失致死罪で略式起訴したが、盛岡簡裁は正式裁判の開廷を決定。盛岡地裁は昨年9月、求刑(罰金50万円)を上回る禁錮1年、執行猶予3年の判決(有罪)を言い渡した。

▶〔危険が指摘されていた遊具でケガ。損害賠償〕危険箇所が指摘されていた公園遊具で利用者にけがをさせたとして、京都府木津川市市議会は損害賠償金約88万円の専決処分の承認を求める。2018年2月、1歳児を抱いてバネ付きの1人乗り遊具に乗った祖母の女性が後ろに転倒、背骨の一部を折るけがを負ったもの。遊具は2017年10月の点検で、ハンドルがぐらつくとして修繕が必要とされたが、利用できる状態になっていた。女性とは今年1月に示談が成立。遊具は撤去された。(2月15日、京都新聞)

▶〔犬に咬まれて死亡で祖父母を書類送検〕2017年3月9日、東京都八王子市の住宅で、10カ月児が室内で放し飼いにされていたゴールデンレトリバー(体重37キロ)に頭をかまれて死亡した事故で、2月19日、飼い主だった児の祖父母が過失致死容疑で書類送検された。犬に対する注意を怠り、児を失血死させたとしている。祖父母は容疑を認めているという。この日、児は保育園で発熱して母方の祖父母宅に預けられていた。 (2月19日、毎日)

▶〔絞扼死亡事故で園長不起訴〕2017年4月、香川県善通寺市の保育所で3歳児が雲梯の隙間に首を挟んで9か月後に死亡した事故をめぐり、書類送検された園長について、地方検察庁は嫌疑不十分で不起訴とした。国は、子どもの頭や首が挟まれて抜けなくなるような隙間を遊具に設けてはならないという指針を守るよう求めており、警察は昨年2月、危険性を認識せず、安全対策を怠ったとして、業務上過失致死の疑いで書類送検していた。1月24日、「事故があった雲梯は指針が求める基準を満たしていなかったが、70ページ以上に及ぶ指針を読んで理解するのは困難で、子どもが隙間に首を挟んで死亡することを予見するのは難しかった」などとして不起訴にしたもの(1月24日、NHK)。〔掛札コメント〕現場にわかり、実際に使える指針を作っていない国の責任、およびこの遊具を作ったメーカーの責任は? 「指針が理解しにくいから、予見は難しい」っていうのは不思議な理屈です。

▶〔組体操について国連委員会が審査〕日本の組体操の危険性について、国連の「子どもの権利条約」委員会が、傷害などからの保護を定めた同条約に違反しているとの指摘を受け、今月始まる対日審査で審査対象とすることが1月12日、わかった。日本の人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」が組体操は「極めて危険で重大な事故も起きているのに、日本政府は子どもを守る方策を十分に講じてこなかった」とする報告書を提出し、委員会が受理した。報告書は組体操の実施見直しを日本政府に勧告するよう委員会に求めている。 (1月12日、共同通信)

▶〔墓石の下敷き事故で示談〕2018年2月、長野県高森町の墓地で町立保育園に通っていた4歳児が墓石の下敷きになって死亡した事故で、町は保育活動中の事故と責任を認めたうえで、両親に5700万円余の賠償金を支払う方針を固め、示談が成立する見通しとなった。1月7日の町議会臨時議会で、町が提出した賠償額を定めた議案が全会一致で可決された。事故の検証委員会報告書は、今年度末までにまとまる見通し。(1月8日、NHK)



保育士、保育園の事件、不祥事

▶〔1割以上の保育施設で交付金を処遇改善に使わず〕平成28年度と29年度の2年間、職員の処遇改善のために支出した交付金のうち7億1900万円余が、実際は賃金の上乗せに使われていないか、または使われていない可能性の高いことが会計検査院の調査でわかった。全国の保育施設から抽出調査した6000か所余りのうち、延べ660施設が該当。理由について多くの保育施設は「失念していた」と回答したという。〔掛札コメント〕やっぱり…。まわりの園長さんたちは「この交付金は、処遇改善に使わなければわかってしまう」と言っていたけど、結局、みつかったら「忘れていた」と言えばすむわけです。見つからなければ、悪いことをしてもいい、そういう文化の中に生活している人たちが保育園なんてしていていいのでしょうか。会計検査院だってアホじゃないですから、ちゃんと無作為抽出しているはずです。ということは、交付金の対象の1割以上が同じことをしている。いいかげんにしていただきたい。一方、キャリアアップとかにせっせと出ているのに給料が上がらないなあと思っている職員の皆さんにも、責任はあります。どうして自治体や厚生労働省等に言わないのですか? ダメなことをダメと言わない人たちが、次世代のおとなを育てていていいのでしょうか?

▶〔メラミンスポンジで顔をこする〕京都府京都市右京区の認可保育園で今年6月、2歳児が60代の保育士(7月末に自主退職)にメラミンスポンジで頰をこすられ、やけどを負っていたことがわかった。児が油性ペンで顔に落書きし、洗っても落ちないためメラミンスポンジを使ったという。母親が迎えに行った際、頰が赤く腫れていたため説明を求めて経緯が発覚。児は全治1カ月のやけどと診断された。母親は「発生後すぐに連絡がなく、対応が不誠実。痕が残る恐れがあると言われている」と話す。12月21日、園を告訴した。施設長は「保育士は『落書きを顔に残したまま帰ると子供が保護者に怒られると思った』と釈明したが、ありえない対応。申し訳なかった」とし、「謝罪して見舞金をお渡しし、示談金も提示したが、納得してもらえなかった」と述べた。

▶〔強制わいせつで判決〕男児に対する強制わいせつ罪に問われた静岡県静岡市駿河区の市立こども園の保育教諭の男に対し、12月24日、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)が言い渡された。被告の犯行(2017年8月10日)を認め、「保育士の立場を悪用した犯行で強い非難に値する。反省の態度も認められない」とした。一方で「犯行に執拗さや常習性は認められない。長期間勾留されるなど一定の社会的制裁も受けている」と執行猶予の理由を述べた。被告は一貫して無罪を主張。公判では児の着衣に付いたDNA型の鑑定や被害者に対する非公開の証人尋問などを行った。

▶〔小学生をはねる〕福岡県糸島市の県道で12月23日6時20分頃、信号のない横断歩道を渡っていた10歳児が直進してきた軽自動車にはねられ、病院に運ばれた。車を運転していた同市の保育士(22歳、女性)は過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕された。児は命に別状ないという。調べに対し容疑者は、「子どもがいることに気づいてはいたが、出てこないだろうと思った」と話しているという。

▶〔公立小中学校教員282人処分〕児童生徒らへのわいせつ行為やセクハラで2018年度に処分を受けた公立小中高校などの教員数は282人で過去最多(12月24日、文部科学省)。教員間のトラブルについても初めて調査、計32人が処分されていた。 懲戒免職163人、停職57人、残り62人は減給処分以下。前年度より72人増。高校101人、中学校86人、小学校75人、特別支援学校19人、中等教育学校1人。被害者は勤務校の児童生徒が124人、勤務校の卒業生が14人、勤務校以外の18歳未満が43人。教育委員会の中には、わいせつ行為に対して懲戒免職以外の処分とする余地がある基準になっているケースもあることから、文科省では改めるよう個別に指導をする方針。

▶〔市は「指導困難だった」〕職員18人が退職届を出していた静岡県浜松市の保育園について市が説明、民間施設の労使問題に指導監督の権限がないとして「指導に入ることは困難だった」「権限がないまま(同園に)指導に行っても、現場の混乱を招くことになりかねない」と述べた。10月以降、保育士から電話があり、相談を受けていたが、保育士が事態の悪化を恐れ、相談したことを「園に知らせないでほしい」と訴えたため市は園側に伝えなかったという。市は退職を慰留する一方、労使問題として労働基準監督署への相談を勧めた。退職届を出した保育士らは、12月11日に保護者に送ったおわび文で「弁護士や労基署などにも相談を重ねたが、改善は難しかった」と記している。
 退職に関して、18人中12人中は退職届を撤回。ただ、心の傷は癒えていないとして「長くとも来年3月まで」の勤務継続としている。他の6人は著しく体調を崩しており、年内に退職する。

▶〔浜松市の退職届問題(下の続き)〕別の会社が運営を引き継ぐことが決まり、保育士も確保できるものとして、市は12月17日、1月以降の運営の継続を可能とする判断をした。

▶〔職員18人が退職届〕静岡県浜松市西区の認可保育園で12月4日、18人の職員が弁護士を通じて一斉に退職届を出した。「園長と専務にパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどを受けていた」「日常的に人格を否定する言動があり、極度のストレスを感じた」などとしている。同保育園は平成17年に設立され、約140人が通っている。

▶〔コットを傾けて子どもを起こす〕福岡県北九州市小倉南区の認可保育所で、複数の保育士がコットを傾けて子どもを滑り下ろし、午睡から起こす行為を繰り返していたことがわかった。市は12月5日に立入調査し、「危険性があり不適切だ」と口頭注意した。今後、改善指導をする方針。関係者によると、市が調査する前の約1カ月間だけで、傾けて起こす事例が17件確認されている。法人の聞き取りでは4人の保育士が同様の行為をしていたことを確認したという。同園は2017年3月に開所し、定員70人を上回る約120人を受け入れている。定員に対する入所率は市内で最高レベル。

▶〔防犯カメラの映像「残っていない」〕福岡県宗像市の保育園の副園長による子どもや保育士への傷害事件で、副園長から暴力を受けたと訴える保護者側が、防犯カメラの映像による確認を求めたところ、園側が「警備会社が消去して残っていない」と説明していたことがわかった。これまでの捜査で、副園長は、防犯カメラの死角となる場所で保育士に暴行を加えた疑いがあることがわかっている。

▶〔認可保育園、給付費不正に受け取る〕社会福祉法人が運営する神奈川県横浜市鶴見区の認可保育園が、実際はこの園に勤務していない系列園の保育士5人の名前を使い、市の給付費合計約1700万円を不正に受け取っていた。市は返還を求めるという。市によると、保育園は昨年4月に開園した。今年2月、市に情報提供があり、4月に調査をした。また、この園では保育士の配置基準を満たさない日もあったとみられ、保護者から苦情も寄せられているという。市の調査に対し、法人は「急な退職があり、埋められなかった」と説明。市は昨年10月に園を監査したが、このときは不正を見つけられなかった。

▶〔園長、主任が「虐待」を疑われる行為〕東京都足立区の認可保育施設(0~2歳、定員15人)で、園長と主任保育士(50代)が複数の園児に対し、虐待を疑われる不適切な保育を繰り返していたことがわかった。保育士4人が施設の運営会社と区に訴え、判明した。園長らは昨年から、園児をトイレや事務室に1人で閉じ込めたり、午睡時に早く目覚めた子をそのまま横になるよう強制したりしていた。体罰はなかったとしている。区が調査し、閉じ込めや強い叱責などの不適切な保育を確認、今月1日で運営会社に文書で改善を指導した。昨年、保育士から会社側に訴えがあったにもかかわらず、改善の対応がなされなかったとして、本社の関わり方や指導の改善も求めた。園長らは通報直後から出勤停止となり、10月末に退職。足立区は昨年度、ほぼ毎月、巡回訪問し、今年6月には法令に基づく指導検査をしていたが、虐待については把握していなかった。同施設では、保育士に対しても保護者や園児の前で園長らが叱責するなどのパワハラがあったとして保育士が運営会社に訴え、改善を求めた。〔掛札コメント〕目覚めている子どもをむりやり横にさせておくこと自体、いまや「虐待」とみなされかねないわけです。特に、足立区は「無理に寝かさない」を率先している自治体ですから。また、こうした事例があった場合、ぜひ職員から通報するべきです。問題のある人がリーダー格であれ職員であれ、子どものためにならず、園のためにならず、保護者のためにもなりません。なにより、そういった人(職員、リーダー等)が一人いたら、他の職員が辞めますから。

▶〔園児に不適切な発言〕鹿児島県いちき串木野市の保育園で10月、2~3歳児のクラスを受け持つ担任と副担任の女性が「発達障害だからって何をやってもいいんじゃないよ」などの不適切な発言を、子どもの前でしていたという。子どもが保育園に行きたがらないことなどを不審に思った保護者がボイスレコーダーで録音、市に相談して発覚した。市は園に対して、保育士の配置の見直しなどを助言・指導をしており、園はすでにこの担任と副担任を現場から外し、現在2人は休んでいるという。〔掛札コメント〕発言が「不適切」なのはその通りです。でも、こうしたことについて園と保護者が直接話し合えない状況、保護者が録音しなければならない状況(文化)を解決することが優先です。一方、日々の人手不足とストレスの中で、こうした言葉を口に出したくなる保育者がいるという現実も。「盗聴(録音)されているかも」「保護者をまったく信用できない」「何も言えない」という感覚が職員の中に生まれたら? 誰が保育士なんて、するもんですか。家庭的保育でもベビーシッターでも同じです。もうひとつ、この件を言っているわけではまったくありませんが、こういった言葉を保育者が口にしたくなる原因が、保護者側にある場合も多々ある、ということです(いくらでも、例を挙げることができます)。そして、報道にその事実は決して出てきません。「悪い」のは、常に保育者、園にされます。「文句を言った者勝ち」、それでいいのですか?

▶〔交流会で情報流出〕「第15回森のようちえん全国交流フォーラム in  ぎふ」の実行委員会は11月1日、託児希望者の子どもの個人情報が漏えいしたと発表した。子どもの氏名等を尋ねるために送信したメールに記載した返信用メールアドレスが誤っていたため。悪用されたとの情報は入っていないという。実行委がメールを送った保護者48人中26人が記載の返信用アドレスへ送ったことから、個人情報が流出した。誤ったアドレスは実在しており、実行委は10月29日にメールでデータの削除を依頼したが応答はないという。〔掛札コメント〕情報漏洩や紛失の記事には「悪用されたとの情報はない」と書かれますが、それ自体、たった数日の間ではわからないことですよね。根拠なく安心させるようなことは書かないほうがいいと思うのですが。

▶〔高校で個人情報ファイル紛失〕兵庫県神戸市の市立高校で、氏名や生年月日、出身中学校などの個人情報が記載された生徒320人分のファイルを紛失していたことが10月28日わかった。うち7人分の資料が落とし物として市に郵送されてきたが、残りは所在不明。紛失した資料は、理科教員が担当する1年生を対象に実施した「理科の授業アンケート」。この教員は普段、施錠されている化学準備室に資料を挟んだファイルを保管。6月末には紛失に気付いたが、「そのうち見つかる」と考え、管理職には報告していなかった。教員は「校外には持ち出していない」と話しているという。今月15日、市に「個人情報が書かれたプリントを拾った」という匿名の封書と7人分の原本が届き、発覚。校内を捜したが見つからず、届け出た人とも連絡が取れていない。〔掛札コメント〕今の時代に「そのうち見つかる(から報告しない)」ですか。失笑。

▶〔傷害容疑で副園長を逮捕〕福岡県宗像市の私立保育園の副園長である保育士が、年長児の顔面をたたいて全治約2週間のけがを負わせたとして10月21日、逮捕された。6月26日午前中、この児の手のひらでたたいてけがを負わせた疑い。児に「ブリッジ歩き」をさせているときにたたいたとみられる。容疑者は「泣いていたので、励ますために両頬にタッチするように触れただけだ」と否認している。当日の夕方、児を迎えにきた母親がけがに気付き、容疑者に尋ねると「どこかにぶつけたかもしれない」と言われたという。児は後日、病院で診察を受け、改めて問いただすと「(指導中に)手が当たったかもしれない」と話したため、不審に思い警察署に被害届を出した。宗像市は10月21日、副園長の暴力や指導に関する相談が2016年から計11件、保護者から寄せられていたと明らかにした。〔掛札コメント〕この方が副園長になった2011年以来、保育士が60人以上、辞めているという記事もありました。園のビデオを見ると運動会もお遊戯会も「完璧にできる」を目指しているようですが、どう考えても未就学児の育ちには悪影響しかないでしょうね。

▶〔主任が園児に暴言〕埼玉県加須市の私立認可保育所(定員60人)で、約40年間勤務した主任保育士が昨年度から今年4月にかけ、園児に暴言を浴びせていたとして、市は6月、改善を指導した。保育士は既に退職。市によると、この保育士は園児に対して「ばか」「まぬけ」「のろま」といった暴言を使った。また、園児を払いのけたり、園児同士の頭をぶつけたりといった行為もしていた。市の聞き取りに対し、保育士は「保育を計画通りに進めなければならないという責任感から厳しい口調になってしまった」と説明。「自分は威圧的と思われる言動をする時があり、虐待と取られることがあったのはわかる」と話したという。同園ではまた、土曜の保育で提供することになっていた給食を少なくとも5年前から提供していなかったことも調査で判明。保護者には弁当を持参させていた。園は市に「調理員を確保できなかったため」と説明。現在は土曜も給食を提供している。

▶〔放課後デイを業務停止〕滋賀県大津市は9月26日、知的障害のある児に虐待を行ったとして児童福祉法に基づき、指定放課後等デイサービス施設と運営事業者に対し、業務停止3か月の行政処分を行った。今年3月に施設外活動として訪れた公園で、管理者の男性が施設利用者だった児(12歳)の左頬をたたいたという。児の親から相談を受けた別の事業者が市に連絡して発覚した。同施設では約20人の子供を預かっていた。管理者は市の聞き取りに「パニックになり、自分の顔をたたいた児を止めようとして手を頬に置いた」と話したが、児の証言や親の撮影した写真などから虐待があったと認定した。

▶〔メガネ型カメラで盗撮〕勤務する北海道帯広市内の保育園で今年9月、園児の裸を撮影したとして逮捕された元・事務職員(45歳、男性)が、今年6月、他の園児4人の着替えを眼鏡型のカメラで撮影していたとして、児童ポルノ禁止法違反の疑いで再逮捕された。逮捕後の調べで、眼鏡型のビデオカメラと映像が自宅から見つかったという。

▶〔子どもの腕にフォークを押しあてる〕鹿児島県鹿児島市内の私立幼稚園で8月下旬の預かり期間中、女性教諭が2歳児の左腕にフォークを押し当て、園が保護者に謝罪をしていたことがわかった。昼食時、児が持っていた幼児フォークが別の園児にあたった。教諭は注意するために児のフォークを取り上げ、先端部分を左腕に押し当てた。腕には痕ができたという。

▶〔他人のクレジットカードでガソリン購入〕高知県北川村の村立保育所に勤める保育士(23歳)が、今年5月、他人名義のクレジットカードを不正に使用してガソリン(2200円分)を購入したとして盗みの疑いで逮捕された。カードの名義人が身に覚えがない利用請求があることに気づいて警察に相談し、ガソリンスタンドの販売履歴や防犯カメラの映像などを分析して捜査を進めていた。調べに対して容疑を認めているが、カードの入手経路については曖昧な供述をしているという。

▶〔パワハラ訴訟〕福岡県糸島市の特別養護老人ホーム等の職員5人が、女性施設長から便器の掃除用ブラシをなめさせられるパワハラを受けたなどとして、運営する社会福祉法人等に慰謝料や未払い賃金など約4600万円の支払いを求めた訴訟の判決が9月10日、地裁であった。「指導の範囲を超え、度が過ぎた行為」として違法性を認め、5人への慰謝料90万円や未払い賃金など計約2800万円の支払いを命じた。5人は2000~2016年、介護職員として勤務。女性施設長は2005年頃、仕事のミスを報告しなかった職員1人に、ブラシをなめさせた。また、金の横領や窃盗をしたと決めつけたり、「ばか」等と暴言を吐いたりした。〔掛札コメント〕どんな組織であれ、パワハラは外に報告する、訴える、マスコミに流す、です。保育園にもパワハラはたくさんあります。「子どもたちがかわいそうだから」と耐えている先生たちの生の声を聞きますが、私は「早く報告するか、職員全員で辞めてください」と言います。そういった施設は結局、子どもの利益にも反するのです。パワハラがある園で、子どもを十分に保育できますか? 

▶〔強制わいせつ致傷罪で懲役3年〕昨年11月、勤務先の保育園で女児にわいせつな行為をしてけがを負わせたとして強制わいせつ致傷罪に問われた元保育士の男の裁判員裁判の判決公判が9月13日、徳島地裁であり、懲役3年(求刑同5年)が言い渡された。「園児を保護すべき立場にありながら、女児が慕ってくるのを利用した犯行は卑劣。何度もやめる機会があったのに犯行に及んだ」と指摘。「女児が被害の意味を理解できるようになれば強い精神的苦痛を受け、健全な成長に悪影響を及ぼす恐れがある」と非難した。

▶〔保育士、ビデオ撮影で逮捕〕9月9日、北海道帯広市の保育士(男性、44歳)が、勤務する保育園で水遊びの後、体を洗っていた園児の裸を持っていたビデオカメラで撮影した疑いで逮捕された(児童ポルノ禁止法違反)。10日、道路を歩いていた女子高校生を撮影して不審者通報され、警察官が現場にいた容疑者を調べたところ犯行が発覚したもの。調べに対し、「裸に興味があった」と容疑を認めている。

▶〔保育士証を郵便局が紛失〕埼玉県福祉部によると、今夏、保育士証1枚が日本郵便(株)において紛失した。5月31日、業務委託先である(社)日本保育協会から登録申請者あてに麹町郵便局から簡易書留にて送付。7月25日、申請者から同協会に保育士証不着の問い合わせがあり、翌日、協会から同郵便局に対し調査を依頼。8月29日、同郵便局長から、郵便物は発見できず、事故原因は不明である旨の謝罪文書が送付され、9月2日、埼玉県が同郵便局担当者から経緯及び事情を聴取したという。登録申請者と厚生労働省には報告済。

▶〔園長も体罰〕複数の保育士による園児への体罰が明らかになった山口県下関市の私立認可保育所について、市は9月3日、園長も体罰をしていたとする臨時監査の結果を発表した。臨時監査は7月29日から実施。園長自身が、しつけと称して園児の手をたたいていたほか、園内で発生した園児のけがの状況などの記録をまとめていなかったという。

▶〔不適切な保育の背景に運営態勢不安定〕神奈川県川崎市は8月28日、幸区の認可保育所の女性保育士が昨年春、担当していた1歳児の頭を揺さぶったり、昼寝時に押さえつけたりする不適切な保育を行っていたことを明らかにした。昨年5月、児童相談所に通報があり、防犯カメラ映像から関与が確認された。市によると、同保育所では園長交代や多数の職員の異動と退職で人員が減り、運営体制が不安定であったという。

▶〔児童に「土曜に来られると迷惑」〕新潟県柏崎市の学童保育で、職員が児童に不適切な発言をしていたことが8月28日わかった。この学童保育は市が設置し、市社会福祉協議会に運営を委託しているもの。非常勤職員2人が支援員として常駐し、約20人の児童が利用している。児童の父親によると、4月以降、支援員が複数の児童に対し「土曜にあなたが来なければ楽なのに」などと何回も発言した。主任支援員も約2年前から同様の発言をしていたとしている。児童が父親に相談して発覚。父親は支援員に抗議したが、支援員は「お父さんに何を言ったんだ」「クラブに来られなくしてやろうか」といった発言を続け、父親は8月27日、市と市社協に調査と改善を申し入れた。

▶〔園長が1630万円着服〕岡山県早島町で2つの認可保育園の園長を歴任した50代男性が、2005~2019年度、保護者から集金した運営費計約1630万円を着服していたことが8月26日わかった。この園長は、両園で通帳管理と会計業務を1人で担っていた。宿泊行事費などは国、県、町の補助金が入る別口座から捻出。当時、会計監査の対象が別口座のみで、法人は「領収書の不備もなく、不正に気付かなかった」という。男性から業務を引き継いだ会計担当者が今年4月、決算をまとめる中で過去の通帳を確認し発覚。「子どもの養育費や交際費に充てた」と認めたため、6月30日付で諭旨解雇。全額を弁済したことから、刑事告訴はしない方針。

▶〔職員が742万円着服〕神奈川県横浜市南区で保育園を運営する法人は8月27日、経理担当の男性職員(57歳)が2016年から3年にわたり、園の預金から計約742万円を着服した、と発表した。全額が返済され、法人は職員を今月末で懲戒解雇する方針。この職員は領収書を偽造したり、帳簿上の額面を改ざんしたりし、106回にわたって現金を着服していた。口座から300万円が不正に引き出されているのが6月の定期監査で確認され、市が7月に指導監査したところ被害が判明した。職員は遊興費に使ったと説明しているという。

▶〔職員34人中12人が不適切な保育〕山口県下関市の私立保育所は8月26日、職員34人のうち12人が園児の手や尻をたたく不適切な保育をしていたことを明らかにした。運営法人は同日、不適切な保育があった場合は園長が速やかに指導することなどを盛り込んだ改善報告書を市に提出した。保護者から相談を受けた市が7月末に文書指導し、報告書の提出を求めていた。

▶〔詐欺疑いで逮捕〕企業主導型保育所の開設をめぐり、福岡県福岡市早良区のコンサルティング会社の代表取締役ら3人が逮捕された。2018年10月、国の助成金の支給が決まったことを示す公益財団法人の通知書を偽造、横浜市の信用組合から融資金およそ1億0990万円をだまし取った詐欺の疑い。同社は助成金を申請する企業の代行業務を行っていたという。

▶〔使途を報告せずに運営費受け取る〕千葉県流山市に本拠を置く社会福祉法人が、決算報告を2015年度分から2年、提出せず、指導・監督する千葉県から是正勧告。その後、2016年度分までは提出したものの、2017年度分以降は提出していない。流山市等は、こうした事実を把握しながら運営費などを交付し続け、額は2年間で10億円を超える。このなかには保護者が払う保育料も含まれています。千葉県は「法人が預かっている園児に影響が出るので助成金を止めることはできない」としており、法人代表は「2017年度以降の決算報告書は領収書の紛失などで遅れているが、現在、作成している」などとコメントしているという。

▶〔学童保育の個人情報が盗まれる〕岐阜県各務原市の小学校で、学童保育支援員が車上荒らしに遭い、児童140人分の個人情報が記された名簿が盗まれた。名簿には、学校名、氏名、性別、学年、帰宅時間、延長保育の有無、アレルギーの有無などが記載されていた。この支援員は8月16日午後8時ごろに自家用車を自宅に駐車し、携帯電話や名簿が入ったかばんを車内に放置。17日午前3時ごろに車内を確認してかばんがないことに気付き、警察に被害届を出し、19日、運営する委託事業者を通じて市に報告があった。事業者の規定では名簿の持ち出しは禁止で、施錠できる部屋などで保管すると決められていたが、支援員は名簿を持ち出すことがあったという。

▶〔園児に暴力で略式起訴〕神奈川県横浜市内の認可外保育施設で園児2人に暴力をふるったとして、8月15日、元保育士(23歳、男性)を暴行の罪で略式起訴した。簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。元保育士は7月5日、保育室で、3歳児の胸ぐらをつかんで床に引き倒すなどしたほか、同11日にも4歳児の顔を平手で数回たたくなどの暴行を加えたとされる。

▶〔内閣府、支出先と支出額を把握せず〕企業主導型保育事業で、内閣府が「委託先(児童育成協会)が確認している」として助成金の支出先(事業者)と支出額等を把握していないことがわかった。協会は毎年度、内閣府へ「実績報告書」を提出しており、それによると2016年度は総額で約194億円、2017年度は約808億円が主に助成金として支出された。本年度の予算額が2000億円にのぼる。しかし、報告書には、個々の助成先事業者名や金額は記載されていない。一方、協会は報告書と別に、ホームページで2016、17年度の助成先名は公開しているが、それぞれへの助成額は記載していない。 企業主導型保育事業を巡っては、大幅な定員割れや、開設に至らない施設があるなどの問題が相次いで発覚している。

▶〔強制わいせつで逮捕〕7月下旬、広島県庄原市の市立保育所で保育士(男、28歳)が午睡中の女児の下半身を触ったとして、強制わいせつの疑いで逮捕された。本人は「触ったことは間違いない」と容疑を認めている。

▶〔2歳児に暴言〕栃木県真岡市の認定こども園で、保育教諭らが不適切な言葉で指導していたことが明らかになった。6月頃から複数の保育教諭らが、2歳児クラスの園児たちに対し、「死んでしまいなさい」と叱るようになった。また、食事やトイレの指導の際にも「廊下に出ろ」「邪魔」「うるさい」などと不適切な言葉を使っていたほか、何人かの園児を明かりのついていない教材室に数分間入れたこともあった。保護者からの連絡を受けて市は7月24日に園長を呼び、事実確認などを行った。保育教諭2人は退職し、保育補助1人は自宅待機。

▶〔園児の腕にあざ等〕山口県下関市の認可保育所で保育士が園児に対し、しつけと称してたたくなどの体罰をした疑いがあり、市が調査していることが7月29日、わかった。保護者から相談があり発覚した。4月ごろ、登園前にはなかったあざができていたという。市はこれまで、園に対し2度にわたり調査を実施し、しつけとして園児をたたいた保育士がいることを確認した。

▶〔認可外保育施設の施設名公表〕静岡県(福祉指導課)は今年2月、掛川市の認可外保育施設に対して児童福祉法に基づく改善を勧告。その後も改善が見られなかったことから、8月2日に施設名の公表に踏み切った。改善勧告と公表は本県初。同園は午後7時~翌午前2時まで開所する定員12人のベビーホテルで、平成27年4月の設立当初から保育者が不足しており、改善勧告まで12回にわたって県の立ち入り調査を受けた。県は勧告の中で、常に複数の保育者を配置する、保育者の約3分の1を有資格者とする、保育室以外での保育を行わないなど12項目にわたって改善を求めた。しかし、期限を過ぎても1項目を除いて改善されなかった。夜間、保育者がいない状態で園の外で子どもが遊んでいることもあった。県は同園に対し、速やかに改善されない場合は事業停止や施設閉鎖命令などの措置をとると警告し、在籍する約10人の受け入れ先を探している。

▶〔保育士が複数の子どもに暴力〕神奈川県横浜市緑区の認可外保育施設で保育士(25歳、男性)が複数の子どもに暴力をふるっていたとして、施設はこの保育士を諭旨解雇した。7月11日、保護者から「子どもがたたかれたと言っている」という連絡が施設にあり、教室に設置されている防犯カメラの映像を確認したところ、この保育士が3歳児の顔をたたく様子が映っていた。本人から事情を聴いたところ、今年4月頃から複数の子どもに暴力をふるう、威圧的な態度をとるなどしたことを認めた。4年前から勤務しているが、「日頃のストレスが重なった。教えてもできない子どもがいたときにいらいらしてやってしまった」などと話しているという。

▶〔園に「大変なことが起こる」と電話〕滋賀県彦根市の保育園に「大変なことが起こる」と電話をして避難・休園の措置をとらせたなどとして、7月25日、威力業務妨害の疑いで近江八幡市の女(34歳)が逮捕された。本人は容疑を否認。逮捕容疑は、夫の母親(62歳、同罪で起訴)と共謀し、6月18日午前9時過ぎ、公衆電話から保育園に「大変なことが起こる。避難せよ」などと告げ、業務を妨害した疑い。

▶〔外国人講師の暴力で閉園〕北九州市小倉北区の認可外保育施設で、外国人の男性講師が2歳児をたたくなどの不適切な対応があったとされる問題で、この施設は7月20日に閉園すると発表した。「社会的影響が大きく、園のスタッフも精神的に疲弊している」と理由を説明したという。

▶〔金庫から現金盗む〕新潟県新潟市北区の保育園に勤務する27歳の保育士が現金7万1900円を盗んだとして、7月11日、懲戒免職処分に。今年3月に事務室内の金庫から臨時職員給食費、エプロン購入代、卒園児バス旅行代がなくなっていることに職員が気づき警察に通報、6月18日、窃盗容疑でこの保育士が逮捕された。

▶〔認可外保育施設が閉園〕沖縄県浦添市の認可外保育施設が経営難を理由に7月末の閉園を決定し、6月19日付で保護者に通知したことがわかった。現在94人が通園している。園側は「1年半ほど前から自己資金で認可基準を満たすため建て替えを含めた整備計画を進めてきた。そのさなかの6月13日に認可化の見通しが立たないと言われ、認可外園を続ける当面の資金調達も困難な状況に陥った」と説明。保育士等職員約30人については今後、対応を検討するという。同市は「認可を出すのは県で、市は認可のための助言をしてきた」。園側から建替計画の変更を報告されたため、市は6月13日に考え得る課題を指摘し、計画を見直すよう促したという。18日にファクスを通して保護者宛ての通知文を確認、園側に「閉園を3月末にできないか」とも説得したとのこと。

▶〔補助金不正受給〕国の補助金を不正に受け取った疑いで、愛媛県松山市の健康食品販売会社の元役員の女ら3人が逮捕された事件で、6月18日、別の保育所でも補助金を不正に受け取ったとして3人が再逮捕された。都内に企業主導型の保育所を開くための費用を水増しして申請し、2017年3月に約4200万円の補助金を不正に受け取った疑い。3人は今年5月、都内の2保育所の開設を巡り、補助金およそ8000万円を不正に受け取った疑いで逮捕されている。これまでの調べで、この会社は国から約9億円の補助金を受け取ったことがわかっており、同様の水増し受給を繰り返していたとみられる。

▶〔助成金支払いが過大〕会計検査院は6月7日、認定こども園などの整備のために16地方自治体に交付された助成金のうち、2015年度までの4年間で計約2億6000万円が過大だったとする検査結果をまとめ、文部科学省と厚生労働省に改善を求めた。助成金額を決めるための計算方法にミスがあったという。

▶〔USBを持ち帰り、紛失〕岡山県瀬戸内の市立保育園で5月18日、保育士が保育に必要な書類を自宅で作成するため、USBを持ち帰り、紛失。この保育士は2日後に園長に報告。複数の職員で園内を探したが見つからず、6月3日に園長から市に報告があった。保育計画などに加えて土曜保育の利用者名簿も入っていた。市では園所有のUSBを外部に無断で持ち出すことを禁止していた。〔掛札コメント〕5月18日に紛失して、保育士が報告したのが2日後、園長が市に報告したのが2週間後。紛失も問題ですが、ここも大問題。 なんとかみつけて、紛失事故がなかったことにしようとしていたのでしょうけれども、たとえみつかったとしても2週間もなかったのなら、その間、悪用されていてもおかしくはないので。なぜ報告しなかったか、そこを反省すべきです。

▶〔園児を逆さづりで振り回す〕兵庫県姫路市の認可外保育施設で昨年2月、節分の行事で鬼役の男性が幼児のズボンをつかんで逆さづりの状態のまま振り回す行為等があり、県は5月29日付で改善を求める指導文書を発送した。施設は30日、5月31日で閉鎖すると保護者に通知。様子を写した動画が昨年12月以降にインターネット上に掲載され、市が立ち入り調査、「虐待にあたる恐れがある」と判断した。施設側は行為を認めたが、「故意ではなく偶発的に起きた」などと説明した。市が保護者約70人に行ったアンケートでは、英語の成績が悪い子の服を講師が脱がしたり、感情を抑えずにペンやスリッパを床に投げつけたりしたとの回答があり、施設側も認めた。

▶〔わいせつ行為の保育士に懲役9年〕2014年2月から2018年5月にかけて、当時勤務していた愛知県豊田市のこども園で女児4人にわいせつ行為をした元保育士(男性、31歳)に、懲役9年の判決が言い渡された。強制わいせつ罪。

▶〔カナダ人講師が園児に暴力〕福岡県北九州市小倉北区の認可外保育施設に勤めるカナダ人講師(男性、40代)が、2歳児に暴力をふるっていたことがわかった。同施設で働いていた他の外国人職員が告発のため、暴行の様子を撮影した動画をSNSに投稿し発覚。市は施設に対して国の通知に基づく特別立ち入り調査を実施し、口頭指導した。施設側は事実関係を認めているという。動画には、講師が児の背中を強くたたき、英語で怒鳴る様子が撮影されていた。この講師は常勤で約5年前から勤務。施設は5月14日から出勤停止とした。投稿した元職員は、子どもの口に本を突っ込む様子を見て驚き、他にも複数の幼児への暴力行為が日常的にあったため2~3月ごろ、ひそかに撮影したと説明している。市によると、4月に市民から電話で通報があり調査したが、施設側は「不適切な対応はない」と否定していた。今月13日、再び市民から「動画が上げられている」と市に連絡があり、暴力行為が判明した。

▶〔休園で保護者が損害賠償訴訟〕大阪府八尾市の認定こども園で、保育士のわいせつ事件から他の保育士が一斉に退職を希望し、休園した件で、転園を余儀なくされた園児の保護者10人が5月27日、社会福祉法人や八尾市に約550万円の損害賠償を求める訴訟を地裁に起こした。保護者らは2018年12月、休園回避のための調停を申し立て、経営陣の刷新などを求めたが運営法人は応じず、不成立に終わっていた。

▶〔私立幼稚園で職員一斉退職〕沖縄県読谷村の私立幼稚園(園児56人)で、理事長の地位や給与支払いを巡るトラブルが起き、全職員9人中、幼稚園教諭全員を含む8人が退職。職員らは在園児の受け入れ先として村内に認可外保育園を新設。両者が緊急保護者説明会を開く事態。職員の退職の意向に対し、4月18日までに園児の過半数が職員らの認可外に転園を決めた。法人側は、新しい職員を確保し、園の運営を続ける方針という。同法人の理事長の地位を巡っては、元理事長と現理事長の間で数年前から訴訟が起きていて、高裁で1月、現理事長の地位が認められた。一方、職員らは1〜3月に給与の一部未払いがあったと主張。

▶〔社福の前理事長を書類送検〕兵庫県芦屋市に本拠を置く社会福祉法人の運営費不正流用問題で、有印私文書偽造・同行使の疑いで前理事長が、業務上横領などの疑いで妻が書類送検された。前理事長の容疑は借入金のために理事会議事録を偽造し金融機関に提出、妻の容疑は2014年8月~2015年9月、法人の運営費を計約330万円分の私的購入に充てた。同法人の現経営陣は2017年、8300万円規模の不正を確認したとして2人を告訴・告発している。

▶〔乳児院で虐待〕今年2月、鹿児島県鹿児島市の乳児院で、施設長が5歳児を硬い床の上に少なくとも15分間正座させたまま指導したとして、県は虐待にあたると認定し、施設に対し行政指導を行った。

▶〔保育士刺殺で同僚逮捕〕東京都杉並区のアパートで3月26日正午ごろ、保育士の女性が刺殺された事件で、警視庁は3月30日、乳児院の同僚の男性保育士を殺人の疑いで逮捕した。

▶〔児童館の備品が盗難〕兵庫県神戸市垂水区の児童館(管理は市社協)で、過去5年間、同館の催しに参加した親子約300人の個人情報が入ったパソコンと外付けのハードディスクなど備品15点がなくなった。パソコンは3月28日夜以降、所在がわからない。外部からの明確な侵入の跡はないという。

▶〔録音音声で暴言・暴力を指摘〕熊本県熊本市中央区の認可保育所の保育士3人が、約4年前から、複数の以上児に暴言や長時間の叱責などを繰り返していたことが明らかになった。市は昨年7月に保護者から苦情を受け、事情聴取、口頭で指導した。昨年末、子どもの様子に異変を感じた保護者が子どもの服に録音機を忍ばせて確認したところ、泣く幼児に「うるさい」「早く寝なさい」などと激しい口調で少なくとも20分以上責め続ける女性の声と「ドン」という大きな音が複数回録音されていた。保護者は今年1月、この音声データを市と園に提出し、関係者の処分と保育の改善を要求。園は2月下旬に保護者会を開き、音声が保育士のもので、大きな音は園児を「押している音」と説明した。聞き取り調査の結果によると、給食の皿を投げて渡す、いすから引きずり下ろす、イライラして子どもにあたる、「何回も聞かんで!」「さわらんで!」と強く言う、怒られた子を外に連れ出す。謝ろうとしても寄せ付けず、締め出すといった、約30項目の不適切な行為を確認した。園は保育室への監視カメラ設置や、研修実施などの改善策を保護者に提示した。当該保育士3人は3月末で退職予定。〔掛札コメント〕たいていは園も自治体も改善に及び腰でしょうから、保護者も、あるいは暴言や暴力に悩む園の同僚もこのように録音して、自治体に訴えることは必要でしょう。

▶〔仙台市の保育園で再び多数退職〕2017年4月に開園した仙台市青葉区の保育園で、全職員23人のうち12人が今月末で退職する。この園では、2017年度にも12人が退職している。〔掛札コメント〕2018年11月4日のニュースを参照(保育士、保育園の事件、不祥事)。この園がどうかはわかりませんが、本当に「ブラック」な保育園は、自治体にも連絡したうえでどんどん職員が辞めるべきです。自治体はそうそう閉園などしないでしょうけれど、結局、そういった保育園で最大の被害を被るのは子どもたちですから。

▶〔肉じゃが以外にもおかずを持ち帰る〕京都府舞鶴市の市立保育所で2月8日(下にニュースあり)、調理員が食材を追加発注し、つくった肉じゃがの一部を持ち帰っていた問題で、3月20日、この調理員は戒告の懲戒処分となった。本人は依願退職。その後の調査で、この調理員は2016~17年度、年間2~3回、おかずを持ち帰るなどしていたことがわかった。また2003~13年に勤務していた高齢者施設でも同様の行為をしていた。今回、この調理員の指示を受けて材料を追加発注するなどした別の調理員2人も過去に複数回おかずを持ち帰っていたことがわかり文書訓告、1人は依願退職。

▶〔魚アレルギーの子どもに魚を拾わせる〕京都府精華町の小学校で2月、強い魚アレルギーがある2年生が給食時、床に落ちた魚を手で拾い、体調不良を起こしていたことが3月13日、明らかになった。この日、魚料理が出た際、児とぶつかった別の児が魚料理を床に落とし、教諭が状況を確認しないまま児に拾うよう指示した。児は授業後に迎えに来た保護者に息苦しさなどを訴え、病院に運ばれた。〔掛札コメント〕食物アレルギーは「誤食」と言われますが、この言葉は誤解を招きます。粉塵を吸ったり、今回のように触ったりしても発症しますから、本来は「アレルゲン曝露」と言うべきです。

▶〔園長による暴力で施設名公表〕3月12日、葛飾区の認可外保育施設「にじいろ保育園」の園長兼経営者(女性)が、子どもに暴力を振るったとして東京都が改善を勧告し、施設名を公表した。都は、園長に保育現場から離れるよう繰り返し求めたが従わず、改善されなければ、事業停止や施設閉鎖を命じる手続きに入る。園長は日常的に子どもたちのおしりや顔をたたいたほか、食事を無理に食べさせることもあったという。都は2月22日に改善勧告したが、園長は引き続き保育に取り組む意向を示したという(注:ライクアカデミー株式会社の系列園ではない)。

▶〔調理員が肉じゃがを自宅に持ち帰る〕京都府舞鶴市は3月8日、市立保育所で、調理員が材料の牛肉を追加発注し、つくった肉じゃがの一部を自宅に持ち帰っていたと発表した。この調理員は2月8日、翌日の給食で使う追加分として園児10人分相当の牛肉200グラム(756円)の発注を指示。9日に肉じゃがを作った後、一部を別の調理員と持ち帰った。追加発注を不審に思った職員が19日に所長に報告して発覚。「園児が増えると思い独断で発注した。ばれないよう持ち帰った」と話しているという。

▶〔子どもの足を椅子に固定〕長崎県五島市の認定こども園で、幼稚園教諭(女性、30歳代)が昨年12月と今年1月、自分の椅子に片足を乗せて昼食を食べていた3歳児4人の足をモールで椅子に30秒ほど固定していたことがわかった。教諭は指導のつもりだったと説明したが、園は2月22日の保護者会で「不適切だった」と謝罪。園によると、この教諭は他にも、出席簿や手で園児の足を軽くたたいて注意することもあったという。

▶〔裸の画像送らせ、逮捕〕2月28日、東京都青梅市の保育士(23歳、男性)が昨年11月、宮城県内の女子中学生に撮影させた裸の画像を送らせたとして児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、逮捕された。2人はLINEでやりとりしていた。

▶〔理事長が私的流用〕秋田県秋田市の認定こども園を運営する学校法人の理事長(男性)が、市からの給付費など少なくとも200万円を私的流用していた疑いがあることがわかり、調査中。2015年4月~18年8月の間に、生活用品購入や自家用車のガソリン代、私的な旅行などの支払いに給付費や保護者から徴収した保育料を充てていた疑いがある。理事長は全額弁済する意向。2017年12月に県の監査で発覚した。同園には経理担当職員はいなかったという。

▶〔送迎禁止は「不適切」〕2016年8月、香川県高松市の私立認可保育所に通っていた1歳児の母親が送迎を禁止され、母親以外の送迎が難しいことから、同9月に退所したことについて、市が「不適切だった」として両親に謝罪していたことがわかった。仕事の都合から保育時間の延長について母親が何度か保育所を相談に訪れるうち、「保育士がおびえている」「送迎はご遠慮ください」などと言われたという。市は母親から相談を受け、聞き取りを実施。保育所側は「保育時間の延長には応じようとしていた。保育士の追加が必要で、態勢が整う前に預かれなかった」と釈明。市は保育所が母親に十分な説明をしていなかったと判断。両親に謝罪した。(2月20日、朝日)。〔掛札コメント〕私立保育園の裁量範囲を論じた記事のようなのですが、これだけの状況説明では…。唯一言えることは、話が始まった時から園は自治体に報告を続け、「送迎は遠慮を」と言うに至る過程が逐一わかるようにしておくべきだということです。後から説明をする事態は避けましょう。

▶〔不適切な保育で改善勧告〕福岡県福岡市東区の認可保育園で不適切行為が13件あったとして、市は2月15日、児童福祉法などに基づき園を運営する社会福祉法人に改善勧告を出した。情報提供を受けて1月11日から特別指導監査し、職員約50人に聞き取りをするなどしていた。その結果、少なくとも8人の保育士が2016~18年度に園児を「バカ」「ブタ」などと呼んだり正座をさせたりした他、園児が吐き出した給食を口に入れたり、押し入れに閉じ込めたりするなどの行為13件を不適切な保育と認定した。2017年12月にも情報提供があり、市が園に事実確認を指示。園は2018年2月、保育士4人が2017年度に、園児の口にセロハンテープを貼る、園児を倉庫に入れる、怖いお面を使って叱るなどの不適切な保育をしていたことを報告。だが、昨年7月にも情報提供を受けて職員の聞き取りを実施。この時は新たな不適切行為は確認できなかったが、昨年12月、園の元保育士が「(市の聞き取り調査に対し;+=b+/{O#-@ ҦH!{-76ҍBl{32 xVn+)< VWK(iPqJF >ᨄ]G.C иgSISw0#9:l*xO?LNtoLv%QwڱrHWԄ.IOɩ|+B4agQ8hgtGY\]B(p.yrk\<9f9F)68i1G/dR`°{ù7ѽD_mvQX5__>ԛTd8u4xɷKCc損ez`7(#LLxxjאhaؔIukT|UI鮙a@w _`Uv[hu\ AhS*bO;52߁z8";JHAgEYh4x>cѮ~+QCTg]j>B~GHq{v``.~$:rԶrik>oŽhwq[Tg8 S糒 A}'~CaoCS!C>ũ[oԛ}.қĢ?:ޣ%>J8r$(lGUVN&8n=?W(vT'ԈjiJR(cs -kc'"ba ll%y!ş=|E8Z"뾿 DKtB;N<3ɡ*åj}+UaDy3vYBkqL/Umcn eL}UlVʈN)_By)'K`yS7GmIb;d {?es6 )gLa_o.wqs 0W、懲戒処分〕埼玉県富士見市は2月8日、勤務していた市立保育所の給食用の米を持ち帰っていたとして、男性調理員を停職6カ月の懲戒処分にした。同日付で依願退職。2016年12月頃から月に2回程度、約25回にわたって倉庫にあった約20キロを自宅に持ち帰った。米が減っているとの情報があり、市が調査して発覚。「自宅の米がなくなり持ち帰った。申し訳ない」と話しており、米は返したという。(2月8日、日刊スポーツ)

▶〔姫路の園、詐欺の疑いも〕定員を超える園児を受け入れ給食を十分与えなかったことなどが問題になった兵庫県姫路市の認定こども園の元園長が、園児の数を偽って申請し、給付金820万円をだまし取ったとして、警察は、詐欺の疑いで取り調べている。容疑が固まりしだい、逮捕する方針。(1月31日、NHK)

▶〔学童クラブで子どもを粘着テープで固定〕栃木県那須烏山市の小学校内の放課後児童クラブ(NPO法人運営)で昨年12月27日、昼食時に歩き回るなどした小学校1年生の両脚を女性職員が粘着テープで正座の姿勢に固定していたことがわかった。別の職員がすぐに気づいてはがし、児童にけがはなかった。同法人は児童と/X,5$r42T,' x}5ӝU!MsXæð7z\PX,{G=fAȪNP;^m̰:=i\_ '` ­FPĐ o{㌻Q YM,ԞCjWS]ɌWEO!ڨU 1x<݃@4Pɴ|tωWgXh+透~@swHqH`̽mBN-֤J[Baј7&i5CFՙ:`o!RW}WIJvI2+|"lW@EIQwb?>5zhx::5JSrR?i:4-ԧ6^NuZNsRuDȑ)SAHd](i{HB`ۺ-w76i߅k8 ifM9|i4 3ӷC# }rvua F|,~Ѓs 17'SiQ)5K;KM}e#Ex)%.>wVE>cGZżo/0~b#MqZŧCd MRfX+5FϵSi/EnOR7f,r4\5aZ淳>_L f 庝t:8DbsKe«}SHxvѪcs-ʩ2|yξ> W<(U]R^Ax# i#Y Y=QFG.U55fi=,|hP%%Ad2ZkXF.zDᔐ-DX,TFQ elxn(Po9;HCHg6rH*…r+VI~EWmʶ$ZRp<j~6hDRPn"؈rެ*߂PBdØ80H B@25o0+Y̋o-S{ ~%V+zJTIF施設(民間委託園)について、開設を取りやめることを決めた。建設予定地が周辺に住む子どもたちの遊び場となっており、住民から「遊び場がなくなる」「植えられている木を切らないでほしい」といった反対意見が相次ぎ、着工が延期されていた。建物規模縮小などの検討を進めてきまが、かわりの遊び場を見つけることができなかったほか、着工延期で開設期間が短くなり、運営事業者が採算を取れないことから、開設を取りやめる。〔掛札コメント〕「子どもたちのために、なんでそれくらい我慢できないんだ」と言うのは簡単。自分の住む場所に来ない限りはね。英語ではこの態度をわかりやすく、NIMBYと言います。Not In My Backyard「(どこでやってもいいけど)うちの裏だけはお断り」。無理に建てても、訴訟やいやがらせになるのは明らか(訴訟やいやがせをする側にも理があります)。そうなれば、子どもも保育士も保護者も疲弊。だから、とりやめは賢明。

▶〔学童の待機児童が過去最多〕放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童は、今年5月1日時点で過去最多の1万8261人。前年より982人多い(厚生労働省、12月25日発表)。クラブは2万5881カ所(前年比553カ所増)、利用児童は129万9307人(6万4941人増)で過去最多。11自治体は待機児童数を把握しておらず、実際は調査結果より多い可能性が高い。厚労省は2021年度末までに25万人分を整備し、待機児童を解消するとしている。 また、厚労省令では「参考にすべき基準」として、1クラスの利用児童を40人程度とするが、全クラスの3割弱は46人以上。来年度からは「従うべき基準」としてきた職員の配置や資格の基準が事実上撤廃される。

▶〔会計検査院の報告書〕子ども・子育て支援施策について会計検査院が12月20日、国会に報告書を提出した。25都道府県の166市区町村にある6089施設について調査。その結果、357施設が2016~17年度分の約6億円(国庫負担金相当額約3億円)を賃金改善に充てない等していた。リーダーなど役職者の賃金改善のための交付金も、303施設で2017年度分の約1億2000万円(同6000万円)が支払われないなどしていた。施設側は「失念していた」などと説明したという。
 また、事業所内保育施設の設置・運営に補助する内閣府の企5mddH8# %\8Qҭ8@[M UO_J` , 3x:Q)84|+%7?$ JxYP߻-4܆M]"spfqo1I'dg1mgz˿EOQb5~IX~4,P|"`4d8:VEa'tUCZ8Hz `_aXNNL0Y/ꮰW^_65uRI!{V5At)ʌ ʜUOXeO־Dl1^p#} ĽBC%' eK{>4 !5jC30#&x=接2o0Pf Y {\mV;}bwkJtA 6G<ǷjQUL)!Ïk`wgV[\(Wd,iÿWq-e( bu-k;˟P"Rh):'6<,+=>'$jmu;Hxtj?wdJ*$>Vڎhޟˇm, y#!k>M*Ȧ~j(0SCdnۼPM5 pڍk=mpATĕDqEj흑mzIΝ{p R-R;k@_ ,.o.qp:(G^/ʫ%>@K(@bxx5E^ߎͶ vKl;MnG(|,ilD2_ s@TMjO9Jp遢F +Tha3NF5mM2z|jBnΆw2gHb1jPk-LK-GKO'n-ܦh<cH\6 C@F:5M\?+q2ኬaHFGdt}0MzOb_HںJ\)iŨPxzQf)/ cp䏲r|Ls{^rYU )[Dy(}ڂ z2a+fHEJXOI 0 yFվұ=P|0 5f>ω8ٖ] ggDW*e :6 :.m/z:/x&Ҟ3> ~*)i-VNj;Q@"̦9
▶〔4割に園庭なし〕神奈川県川崎市内の認可保育所369施設のうち108施設、川崎認定保育園129中113施設に園庭がないことが明らかになった。合わせると、園庭のない施設が4割超にのぼる。一方、園庭を代替するものとして認められている公園も、駅周辺などでは園児らで混雑しているという。背景には保育施設の増加もある。川崎市は、「待機児童」解消のため、ここ数年で保育施設を増設。今年4月1日時点の認可・認定合わせた数は、5年前の348施設の約4割増となる498施設。来年4月に新設予定の認可保育所10施設のうち、9施設で園庭を整備する方針という。担当者は「今後も事業者に園庭設置を働きかけていく」と話す。〔掛札コメント〕新設保育所が住宅地の真ん中で、園庭を作っても近隣住民の苦情で使えない、窓も開けられないという園が多数あります。そういう場所にそもそも園を誘致することを自体、自治体はやめるべきです。子ども、保育者、保護者が迷惑をこうむるのですから。

▶〔保育士登録取消について〕厚生労働大臣は6月18日の閣議後記者会見で、禁錮以上の刑が確定するなどした保育士の登録を都道府県が取り消す制度に関し、「確実に実施されるよう周知徹底に努めたい」と述べた。取り消し漏れがあった都道府県に対し、「速やかに取り消すよう要請したい」との考えも示した。

▶〔学童保育の職員基準緩和へ〕改正地方分権一括法が5月31日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。学童保育の職員基準を2020年から緩和する内容も盛り込まれている。

▶〔ベビーシッター利用者は8人〕小池東京都知事が本年度に始めたベビーシッター利用者への補助事業について、都民からの申し込みが1月21日時点で8人しかいない(制度導入は4区1市のみ)ことが、東京新聞の調べでわかった。都は1500人の利用を見込み、50億円の予算を付けていた。準備に時間がかかって開始が遅れた上、窓口となる区市町村から保育の質の確保に懸念を示す声が出ている。 都は新年度予算で、利用者の見込み数を500人ほどに減らす一方、1日当たりの利用可能時間を8時間から11時間に増やし、利用しやすくする方針。シッターを1日8時間、月20日間利用した場合、最大で28万円の補助となり、自己負担は4万円程度(1月24日、東京新聞) 。〔掛札コメント〕11時間、一人のシッターさんがみるんですか?

▶〔改善指導の結果を公表しているのは11自治体のみ〕保育施設への検査権限をもつ121自治体(都府県、政令市、中核市)中、改善を指導した施設名と指導内容を公表している自治体は1割に満たないことが、読売新聞の調査(昨年11~12月)でわかった。公表していると答えたのは、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、新潟市、福岡市、広島市、高崎市、八王子市、姫路市、松山市。公表しない理由について「人手不足で手が回らない」「保護者の不安をあおる」「施設の運営を妨げかねない」「公表に関する統一的な基準がない」など。また、今回調査の対象とした121自治体が2017年度中に検査したのは、約3万7000施設のうち68%。「全施設の検査を行っておらず、一部のみの公表は不公平」とする自治体もあった。(1月8日、読売)



アレルギー、食

▶〔給食に器具の一部が混入〕12月19日、長野県千曲市の市立保育園で、長さ1.5センチ、厚さ0.1ミリの「円筒型」の樹脂異物が給食に入っていた。園児が「白菜のクリーム煮」を食べようとしたところ気づき、保育士に知らせた。給食室の器具を調べたところ、食品の温度を測る「芯温計」が破損していて、異物はその部品の一部だとわかった。市内では12月3日にも他の市立保育園の給食の中から金たわしの一部とみられる長さ1.5センチの金属片が見つかった。食品の納入業者で金たわしが使われており、混入した可能性があるという。

▶〔おかわりで誤食〕滋賀県東近江市の幼稚園で12月19日、小麦粉アレルギーを持つ5歳児にマカロニサラダを誤って提供し、発熱やかゆみなどの症状が出た。給食ではアレルギー対応用にマカロニを除いたサラダも用意し、児に配膳したが、おかわりを申し出た際に職員が誤ってマカロニサラダを提供してしまったという。

▶〔ブリでヒスタミン食中毒〕宮城県仙台市のこども園で11月26日、給食を食べた後に園児146人中15人がじんましんなどの症状を示し、医療機関を受診した。その後、ブリの甘酒味噌焼きから、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンが検出された。厚生労働省によると、2014~2018年に国内で発生したヒスタミンが原因の食中毒事件は63件、患者数は1178人。〔掛札コメント〕ヒスタミン食中毒については、役立つリンク

▶〔納品間違いでアレルギー発症〕滋賀県東近江市で11月25日、市内の給食センターが提供したシチューを食べた小学生2人と幼稚園児4人がかゆみを訴えるなどのアレルギーを発症した。症状はいずれも軽く、すでに回復しているという。原因となったのは、シチューのルーに含まれる乳製品と小麦。センターではアレルゲンを含まないシチューを発注していたが、納品業者が誤って納品していた。この日は、小・中学校、幼稚園・保育園など計3600食あまりの給食が提供していた。

▶〔納品間違いでアレルギー発症〕鳥取県八頭町の小学校の給食で11月25日、児童1人にアレルギー症状が出て、救急搬送された。ほかに小中学校の児童生徒3人も症状を訴えて受診。町内の小中学校でアレルギー対応(牛乳と卵)をしている計16人のうち、8人にアレルギー症状が出たという。原因、牛乳・卵を使ったお米のムースで、業者には牛乳・卵不使用のお米のババロアを発注していたが、違ったデザートが納品されていることに気づかず、直前の検食でも気づかなかったという。

▶〔みそ汁に虫が混入〕10月15日、三重県桑名市の県立特別支援学校で給食のみそ汁に虫の幼虫のようなもの(長さ4mm、太さが0.5mm)が混入していた。教師が配膳中に見つけた。教師と生徒らに健康被害は出ていない。校内の調理室で作ったもので、学校は保護者らに謝罪と説明を行った上で、調理を委託している業者に再発防止策を求めたという。〔掛札コメント〕混入した虫を食べてしまった経験は、誰にでもあります。でも、誰も「経験した」とは言わないでしょう。食べたことにすら気づきもしないからです。虫の混入は、破損した刃の混入とはまったく違い、起きて当然の混入です。虫を混入させないとなったら、食事はすべて半加工品から作らなければならなくなるでしょう。缶詰にだって虫は入っているのです。虫が入るのは、原材料が新鮮だから。そして、洗い切れるわけがない。こういう無駄な「リスク・ゼロ」の考え方はやめていただきたい。

▶〔パンの中に生きたコバエ〕北海道石狩市の市立小学校で10月10日、給食に出される予定だったパンの袋から生きたコバエが見つかり、約5200個の提供をとりやめた。職員がみつけて、教育委員会に連絡したもの。生きたコバエが袋の中を飛び回っているバターロール1個と、小さな虫のような異物が袋の中に入っているバターロール2個が見つかった。製造過程で混入したとみられ、製造した札幌市東区の業者に原因究明を求めている。

▶〔給食センター、卵アレルギー対応をせず〕沖縄県那覇市の6公立小中学校の学校給食を提供する給食センターが、卵アレルギーへの対応をしていなかったことが9月13日までにわかった。給食課によると、ここ2年で同センターからのアレルギー事故の報告はないという。那覇市では2014年に学校給食におけるアレルギーの手引書を作成し、各センターにも周知されている。他のセンターでは約10年前から卵アレルギーを持つ児童生徒には食事に卵を入れず、別の容器で提供するなど対応を実施している。同センターにはアレルギー対応をする作業スペースが確保されていなかったと説明した。次年度からアレルギー対応を実施していくとしている。〔掛札コメント〕沖縄県の給食がらみのニュースが多いとお感じかと思います。一度、大きなニュースになると、マスコミは追いかけ、掘り出します。昨年の「ニュース」を検索していただくとわかりますが、2018年はこれが京都府木津川市で起きました。

▶〔サケ・アレルギーの子どもに誤食〕沖縄県那覇市の公立こども園で2月、サケアレルギーの園児に誤って白身魚の入った給食を提供していたことが分かった。給食への異物混入が相次いでいる豊見城市のケータリング業者が提供したもの。園児には嘔吐と発疹が起こり、数時間後に回復した。白身魚の代わりに豆腐を使った給食を用意していたが、ほかのアレルギーを持つ園児の給食と取り違えて配食したことが原因。見た目が似ていたため園も気づかなかったという。

▶〔給食に異物混入〕沖縄県糸満市立の小中学校6校で今年4月以降に提供された給食で、異物混入が6件起きていたことが9月19日、わかった。市立こども園1園でも2件の異物混入があった。小さなハエ4件と、糸のような繊維質、5ミリほどのプラスチック片の計6件。小学校で3件、中学校で3件見つかり、プラスチック片など2件は中学の職員室で教諭が発見した。児童生徒は口にしておらず、被害はない。市教委は県教育委員会には報告したが、保護者には伝えていない。市によると、こども園1園のケータリングの給食でわらとタマネギの皮が見つかった。いずれも園児が口にして吐き出したが、問題はなかった。〔掛札コメント〕沖縄県自治体の議会とマスコミで続いている「誤食掘り起こし」はまだまだ続きそうですね(いくつか下にコメント)。

▶〔スライサーの刃が混入〕兵庫県加古川市の市立小学校で、野菜を切るスライサーの刃の一部(1センチ×5~6ミリ)が野菜のかき揚げに混入。9月11日午後1時10分頃、配膳された給食を食べようとした6年生が気づき、食べずに担任に報告した。同校では業者が校内で調理。野菜を切断中に折れたとみられる。マニュアルでは調理終了直後に器具を確認することを定めているが、徹底されていなかった。〔掛札コメント〕包丁や機器の破損は、このマニュアルにある通り、調理終了直後(配膳前)に確認することで発見できるはずです。髪の毛や小さい虫、ビニールのかけらと違って刃のたぐいは危険ですし、発見できるはず。

▶〔小学校の給食に異物混入〕沖縄県北谷町の給食センターが小学校へ提供した学校給食に、異物混入があったことが9月10日、わかった。7ミリ×10ミリのさび片1個が麦ご飯に入っているのを配膳作業中の児童が9月6日に発見。洗米作業に使う機械のベアリングが破損し、炊飯釜へ落ちたと見られる。同センターは一日に約3400食を提供するが、稼働から約40年がたち、2022年夏、新築のセンターへ移転を予定している。

▶〔給食に異物混入〕沖縄県豊見城市の公立認定こども園1園で8月初旬、給食に異物混入があったことがわかった。豊見城市内の民間業者が給食を提供していた。みそ汁を飲んだ職員から「植物の種子のようなものが入っている」と訴えがあり、業者が調べたところ、杉の葉と分かった。県外から取り寄せた野菜の中に入っていたとみられる。那覇市での一連の問題について、豊見城市の担当課が9月3日に業者に説明を求めた際、異物混入の事実が伝えられたという。

▶〔シイラでヒスタミン食中毒〕8月30日、沖縄県浦添市の共同調理場が市内10の小中学校に提供した給食(約8000食)で、シイラのフライを食べた生徒ら50人余りが、唇や舌のしびれを訴えていたことが9月3日までにわかった。不適切な温度管理によるヒスタミン食中毒の可能性が高いとみられる。生徒から「シイラを食べた後、舌がピリピリした」との訴えがあり、中学校が調理場に連絡。調査したところ、児童生徒50人、教職員2人の計52人から同様の症状が確認された。

▶〔異物混入が相次ぐ〕沖縄県那覇市の公立認定こども園17園中10園で、給食への異物混入が相次いでいる。2018年4月~19年7月末までに、市が園側の報告を受けて確認した異物混入は34件で、うち塗料片など市が健康被害の恐れが高いと判断した「危険物」は4件。すべて同じ民間業者が提供した給食だった。市は園児が実際に口に入れた2件を除き、保護者への説明や公表はしていなかった。市によると、異物混入は2018年度に21件、今年4~7月末に13件。「危険物」は塗料片のほか、ポリスチレン片や小バエなど。「非危険物」と判断した異物は、結束バンドの破片(2ミリ×1センチ)やビニールの切れ端(6センチ×1ミリ)など。市の委託による給食センターからの提供数は2017年度の3園195食分から、2018年度の9園511食分、2019年度の10園860食分と大幅に増えている。2017年度まで異物混入は確認されておらず、市は提供数の急増が異物混入に関係しているとみている。

▶〔ヒスタミン食中毒〕鹿児島県鹿児島市内の保育園1園で作られた給食、弁当を食べたこの園と他の1園、さらに企業1か所で8月19日、集団食中毒が発生した。園児と職員合わせて19人が顔の紅潮や体のかゆみを訴えたもので、サバに含まれていたヒスタミンが原因のアレルギー様食中毒とみられる。

▶〔給食にプラスチック片〕愛知県豊田市のこども園で8月20日、保育士が給食のオムレツを食べたところプラスチック片(約8ミリのものと7ミリのもの)が混じっていることに気づいた。ケガはなかった。オムレツは中部給食センターが関東の食品メーカーから仕入れていて、製造過程で混入した可能性が高いという。同市のこども園51ヶ所で提供されたが、現在のところ健康被害の報告はない。

▶〔給食にネジが混入〕愛知県長久手市の市立保育園の給食に8月9日、金属片が混入していた。保育士から「ネジのようなものが給食に入っていた」と連絡があり、市が確認したところ、給食弁当の「大根そぼろ煮」に長さ約5ミリの茶色のネジのようなものが入っていたという。給食は市内6つの保育園に納入されていたが、他の園での混入は確認されておらず、けが人もいないという。

▶〔給食にプラスチック片〕沖縄県那覇市の市立こども園で7月25日、給食に約1.5~2センチのプラスチック状の異物が混入していた。異物は5歳児が食べた給食の汁物に混入しており、児が「かめない」と言ってはき出したことから発覚した。発覚時、ほとんどの園児は給食を食べ終わっており、26日の時点で他の園児への影響は確認されていない。園に給食を提供しているのは豊見城市の民間業者で、那覇市内10園に提供している。

▶〔栽培ジャガイモで食中毒〕7月9日、兵庫県宝塚市の小学校で、同日朝に収穫したジャガイモを調理し、食べた5年生13人が食中毒とみられる症状を訴え、病院に救急搬送された。芽の部分や緑色になった皮の部分に含まれる自然毒・ソラニンによるとみられる。ソラニンは熱に強いため、芽や緑色の皮をしっかり取り除く必要がある。また、小さいイモには比較的ソラニンが多く含まれているといい、栽培段階で芽を間引くことで小さなイモがたくさん実るのを防ぐことや、イモに光が当たらないようしっかり土をかぶせるなどの対策が重要とのこと。

▶〔ヒスタミン食中毒〕6月19日、宮崎県日南市の保育園の保育士が、「じんましんのようなアレルギー症状」で受診。他の園児や職員も下痢などの症状を訴えた。保健所が調べたところ、給食で提供された魚のシイラの揚げ物と調理前の生の切り身からヒスタミンが検出された。シイラを食べたのは0歳児から63歳までの226人で、このうち52人が食中毒の症状を訴えていた。

▶〔給食にボルト〕徳島県石井町の町立小学校で6月11日、提供された給食に調理に使用するフードスライサーのボルト(長さ3~4センチ)1本が混入していた。3年生がポテトスープを食べようとした際にボルトが入っているのに気づいた。調理過程で紛れこんだとみられる。学校給食センターで8校園分の約2100食が作られている。

▶〔給食にガラス片〕愛知県豊橋市の私立保育園で6月13日、給食のチキンカレーにガラス片(約3センチ)が混入していた。3歳児が異物に気づき、保育士に報告した。健康被害は確認されていない。園内の調理室で調理担当職員が味付けのためトマトピューレを入れる際、容器のガラス瓶が釜に当たり、割れた破片が混入したとみられる。保育園は18日、園児の保護者に経緯を説明して謝罪し、今後はガラス瓶を調理室に持ちこまないようにするなど再発防止を徹底したいとしている。〔掛札コメント〕「ガラス瓶を調理室に持ち込まない」?? それは無理でしょう…。非現実的な対策ですが、自治体は「早く対応策を出せ」というのでしょうから、園としてはとにかく何か言っておけとなるのかもしれません。

▶〔アレルギー児に誤提供〕神奈川県海老名市の市立保育所で6月10日、乳製品アレルギーがある5歳児に乳入りの蒸しパンを誤って提供した。児は帰宅後に腹痛や悪寒などを訴え、じんましんを発症。病院に搬送されたが、入院はしていない。同園はアレルギーについて把握しており、この児用の蒸しパンには乳を含んでいない純ココアを使う予定だったが、誤ってミルクココアを使用した。調理担当職員は「ミルクココアが乳製品ではないと思い込んでしまった」と話しているという。園長が検食をしたが、調理師はミルクココアについて「ココア」と申告。園長もココアの種類を問うていなかった。

▶〔米飯製造工場でネズミの死骸〕6月10日午前10時ごろ、神奈川県横浜市金沢区の米飯製造工場で米飯製造を終え、炊飯機器の清掃と点検をしたところ、米を湯に浸す槽の横の溝にネズミの死骸を発見。この工場で製造した米飯約6.2トンの提供を中止した。提供中止は、給食を実施する351校のうち153校、約7万7000人にのぼった。業者は毎日午前中に製造を終えた後、点検と清掃をしていたが、開始前は点検してこなかったという。

▶〔アレルギー食材を記載せず〕1月9日、福島県伊達市の小学校で、鶏卵アレルギーのある児童1人が給食で出た「いちごもち」を食べたあと腹痛などを訴え、病院で治療を受けた。給食の食材を納品した団体が、アレルギーの原因となった成分の一部(鶏卵卵白)を一覧表に記載していなかった。一方、給食で出た「いちごもち」の袋には原材料の欄に「乾燥卵白」の記載があると、腹痛を訴えた児童のきょうだいから保護者を通じて指摘があったという。 (1月18日、NHK)

▶〔食材の誤発注で発症〕福岡県那珂川市で1月10日、市立小学校児童3人がアレルギー症状を発症、うち1人が搬送された。いずれも乳成分に対するアレルギーがあった。市教委によると、食材は市学校給食会が一括発注し、全7校が同じメニューだった。その際、すべての野菜コロッケを乳成分なしにする予定だったが、乳成分を含む野菜コロッケで発注したという。(1月12日、西日本新聞)


感染症

(集団感染は、時期の初めのものや感染者の多いものを掲載)

▶〔インフルエンザ脳症で死亡〕長野県南信地方の小学校6年生が12月中旬、インフルエンザが原因の脳症で死亡した。12月14日、高熱が出たため医療機関を受診したところ、インフルエンザと診断され、翌15日に亡くなった。児童は13日までは通常通り登校いた。

▶〔マダニ媒介感染症増加傾向〕国立感染症研究所は12月17日、マダニが媒介する致死率の高い感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の今年の感染者の報告者数が100人に達したと発表した。2017年の90人が最多だった。SFTSは中国で2009年ごろから発生が報告され、国内では2012年秋に山口県で1人が死亡したのが最初の報告例。感染地域を広げながら患者数は増加傾向にある。〔掛札コメント〕マダニに関しては、B-1にひな型があります。

▶〔酒田市、赤痢の集団感染〕 山形県は12月12日、酒田市の保育園児5人と家族1人が細菌性赤痢に感染したと発表した。この1週間で同じ保育所の園児13人と家族の計22人の罹患が判明したことから、県は集団感染と断定。

▶〔保育園児が赤痢感染〕12月4日、山形県酒田市のおとなと子どもの計2人が赤痢に感染していると県が発表したが、9日、新たな感染がわかった。患者の家族や児が通う保育園関係者などあわせて195人について便や健康状態などを調べたところ、保育園の園児5人とその家族の計9人の感染が新たにわかったもの。いずれも酒田市に住み、発熱や腹痛、下痢の症状を訴えている。

▶〔マダニ媒介感染症の発症が過去最多の増加〕マダニ媒介感染症の2019年の発症数が過去最多ペースで増えている。国立感染症研究所が10月29日に発表した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染報告は、10月20日現在で92人と、統計を取り始めた2013年以降で最多。SFTSは2013年に国内で初めて報告された感染症で、日本農業新聞の調べによると少なくとも5人が死亡。日本紅斑熱は、10月20日までに248人の感染報告があった。各地で死亡報告も相次いでいる。

▶〔宮城県内で初の感染性胃腸炎集団感染〕宮城県仙台市太白区内の保育所で9月6~18日、園児ら19人が、下痢や嘔吐の症状を訴えた。ノロウイルスなどは検出されなかったが、状況や症状などから、県内で今シーズン初の感染性胃腸炎の集団感染とみている。

▶〔こども園で感染性胃腸炎〕岩手県盛岡市のこども園で8月17日~9月13日かけて感染性胃腸炎が集団発生し、園児ら合わせて38人が下痢やおう吐、それに発熱などの症状を相次いで訴えた。園児6人からアストロウイルスやヒトパレコウイルスが検出され、保健所は感染性胃腸炎の集団発生と断定した。

▶〔ノロウイルスの集団感染〕栃木県安足健康福祉センター管内の保育所で、感染性胃腸炎の集団発生があった。8月27日~9月3日に児童30人と職員2人の計32人が、嘔吐や下痢などの症状を訴えた。重症者はなく、全員快方に向かっているという。3日に5人を検査した結果、4人の検体からノロウィルスが検出されたという。

▶〔O157の集団感染〕滋賀県草津市の保育園で、園児3人が腸管出血性大腸菌O157に感染した。いずれも軽症。8月16日に園児1人に下痢や血便の症状があり、受診した結果、菌が検出された。その後19日と26日にも各1人の感染が確認された。同園は消毒や手洗いの徹底、プール中止などを決めた。保健所が調査した結果、給食が原因の可能性は低く、関連性や感染経路は不明。

▶〔マダニ媒介感染症で死亡〕愛媛県松山市に住む80代が、マダニ媒介感染症・日本紅斑熱で死亡した。同市での死亡例は初めてという。8月15日に全身に発疹が現れ入院したが症状が改善されず、20日、多臓器不全で死亡した。日常的に農作業をしており、体に刺し口が見つかったという。今年の愛媛県内の感染の届け出は4例目。

▶〔腸管出血性大腸菌O157感染〕群馬県太田市内の保育施設で園児4人が腸管出血性大腸菌O157に感染。全員快方に向かっているという。最初の届け出は、8月6日。その後、園児と職員の計66人の検便をした結果、他の園児3人からも陽性反応が出た。

▶〔腸管出血性大腸菌の集団感染〕茨城県つくば市内の私立保育園(園児数91)から8月8日、腸管出血性大腸菌(血清型不明)感染症の届け出(園児1名)があり、保健所が調べたところ、13日、他の0~5歳児21名の感染が確認された。一部の園児から下痢等の症状がみられたが、全員、快方に向かっている。

▶〔O26の集団感染〕佐賀県伊万里市内の保育所で腸管出血性大腸菌O26の集団感染が発生。1歳児が下痢や血便などの症状を訴え、医療機関を受診、8月9日にO26に感染していることがわかった。その後、検便を実施したところ、この児の母親と他の園児22人、職員1人の計24人の感染が確認された。感染者のうち、1歳児5人に症状が出ているが、他の20人は症状がないという。

▶〔О157集団感染〕長崎県は7月29日、松浦市の認定子ども園で5~6歳児15人が腸管出血性大腸菌O157に集団感染したと発表した。6歳児が下痢や発熱などの症状で医療機関を受診し、まず23日に感染が確認された。6人が入院し、4人は既に退院。

▶〔マダニに咬まれ、死亡〕7月22日、静岡県に住む70代がマダニに咬まれて日本紅斑症を発症し、救急搬送された翌日、多臓器不全を起こして死亡した。

▶〔腸管出血性大腸菌感染3件〕●群馬県みどり市の保育施設で、園児16人が腸管出血性大腸菌O111に感染。7月10日、保健所に管内の医療機関から「発熱や腹痛、軟便を発症した5歳未満の患者がいる」と届け出があった。重症者はいないという。●佐賀県唐津市内の認定こども園の園児3人が、腸管出血性大腸菌O157に感染。同県内での発生は今年9件目で感染者は14人。5~6歳児3人が7月8、9日から腹痛や下痢などの症状を訴え、13日に感染が判明した。1人は快方に向かっているが、2人は入院している。●岐阜県美濃加茂市で幼稚園児4人が、腸管出血性大腸菌感染症に感染した。7月7日、児が下痢や腹痛などを訴えたもの。全員快方に向かっているという。

▶〔ノロウイルス脳症で死亡〕岐阜県各務原市の保育所に通っていた9か月児がノロウイルス脳症で死亡した。他の園児約90人にウイルス感染は確認されておらず、感染経路は不明という。児は24日の登園時に37.7度の発熱があり、約30分後の検温で37.9度に上がったため早退。同日夕方に担任が様子を問い合わせると、男児は救急搬送されており、保護者は「けいれんを起こし、意識がない」と話したという。25日朝、保護者から死亡の連絡があった。

▶〔黄色ブドウ球菌集団感染〕京都府京都市内の幼稚園で、給食の卵サンドイッチを食べた1~6歳児71人と職員1人が食中毒症状を訴え、9人から黄色ブドウ球菌を検出。全員快方に向かっているという。このサンドイッチを作った山科区のパン店で調理を担当した従業員の指などから黄色ブドウ球菌が検出され、同店が原因の食中毒と断定。園では園児と職員ら約260人が17日昼の給食でサンドイッチを食べた。

▶〔О103集団感染〕京都府京都市内の児童福祉施設に通う1歳児5人が腸管出血性大腸菌O103に集団感染したと発表した。快方に向かっているという。市内の病院から17日に、感染児1人の届け出があったため、この児が通う施設の子どもや職員の検便を実施したもの。過去の事例はこちら

▶〔3人めの先天性風疹症候群〕大阪府内の医療機関で乳児1人が先天性風疹症候群と診断されたと6月20日、大阪健康安全基盤研究所が発表した。患者が西日本で確認されるのは5年ぶりで、国内では今年に入って3例め。同症候群は2012~14年に45人が確認されて以降、国内での報告はなかったが、今年1月に埼玉で5年ぶりに確認されていた。その後、東京でも確認された。

▶〔ノロウイルスの集団感染〕群馬県前橋市のこども園で6月13日以降、ノロウイルスが原因の食中毒が発生した。12日昼に給食のハヤシライスやおやつのゼリーなどを食べた168人中、幼児24人と職員2人が下痢、嘔吐、発熱などの症状を訴え、14人からノロウイルスが検出された。重症者はいないという。

▶〔マダニ媒介感染症が東京で初めて報告〕マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に都内在住の50代が感染したと発表した。都内での患者報告は初めて。この患者は5月1~5日にかけて長崎県を旅行中、マダニにかまれて感染したとみられる。発熱、下痢、嘔吐(おうと)などの症状を訴えて12日に入院、現在は意識障害があり重症という。SFTSは国内では2013年1月に初めて患者が報告され、4月24日現在で西日本を中心に23府県で404人が感染、65人が死亡。国立感染症研究所によると、血液など患者の体液との接触による人から人への感染も報告されている。治療法はなく、対症療法のみ。

▶〔今年2人めの先天性風疹症候群〕東京都内で先天性風疹症候群の子どもが5年ぶりに確認された。1月に埼玉県で1人が確認されており、全国では2人め。国立感染症研究所が出した緊急情報によると、2019年の患者報告数(4月28日まで)は1377人。男性の患者報告数(1092人)が女性(285人)の約3.8倍。100万人当たりの患者報告数は10.8人。都道府県別では、東京が33.2人で最も多く、以下、佐賀(24.0人)、千葉(21.0人)、神奈川(18.4人)、福井(16.5人)、福岡(15.1人)、埼玉(13.5人)、大阪(12.7人)など。

▶〔ノロウイルス集団感染〕山梨県の中北保健所峡北支所管内の保育所で園児と職員の計59人が嘔吐や下痢、腹痛の症状を訴え、保育所の食事が原因の食中毒と断定された。患者の便からノロウイルス検出。4月21日夜、保育所から「嘔吐症状の園児が急増している」と連絡があった。18日か19日の昼食やおやつで提供された食事が原因とみられる。

▶〔ノロ集団感染3件〕●4月16日~23日、宮城県登米市内の保育施設で園児46人と職員8人の合わせて54人が嘔吐や腹痛の症状を訴え、うち3人からノロウイルスが検出された。●福岡県福岡市東区の保育所で4月1日、園児1人が下痢の症状を訴え、16日までに園児23人と職員2人のあわせて25人に嘔吐や下痢、発熱などの症状が出た。園児4人からノロウイルスを検出。●福岡市西区の保育所でも4月8日以降、園児14人が同様の症状を訴え、うち1人からノロウイルスが検出されている。

▶〔71人、ノロ感染症〕和歌山県田辺市の幼稚園(園児267人)でノロウイルスの集団感染。3月1日までに園児66人と職員5人が症状を訴え、いずれも軽症。2月19日から有症状者は出ていたが、風邪や胃腸炎などと診断されていたという。2月28日に園児29人が症状を訴えたため、4人を検査したところ、全員からノロウイルスが検出された。



その他の安全、健康

▶〔セアカゴケグモ見つかる〕10月17日、愛媛県松山市西部の企業社宅近くで、セアカゴケグモ14匹と卵のう複数が見つかった。ここで繁殖しているとみられる。

▶〔横浜でセアカゴケグモ〕神奈川県横浜市は10月15日、セアカゴケグモ3匹と卵嚢2個が西区の「みなとみらい耐震バース」で見つかったと発表した。バースを利用する事業者から11日午前に連絡があったもの。市内での発見は2015年以降3例め。

〔停電下で部活動の大会〕台風15号による大規模停電が起きている千葉県市原市で9月11日、陸上県大会の予選が実施され、参加者のべ500人うち、熱中症で生徒2人が搬送された。うち一人は自宅が停電中。台風の影響で救急車の到着も遅れた。教育委員会は、「体育連盟から実施の可否を相談されたが、来月に本大会があり開催した。競技時間を短縮するなど配慮し、実施の判断は妥当だと考えるが、搬送者が出たのは申し訳ない」と話している。スポーツ庁は「明確な決まりはなく、現場の判断に任せている」としている。〔掛札コメント〕数人死ぬまでわからないのでしょう。亡くなったって「死亡者が出たのは申し訳ない」で終わらせるのでしょうし。その死亡が起こる学校(園)にならないよう、現場の先生たちは祈るしかないですね(いや、「うちで起こるわけがない」と思っていますかね)。生徒は頑張ります、大会ですから。「無理しない」なんてできない。で、誰かが死ぬわけです。死なずにすんだ生徒は「大丈夫だから」と思って、おとなになってからまた同じことを子どもたちにさせるのでしょう。命にかかわるリスクに関して「楽観バイアス」(「私(たち)に悪いことが起こるわけはない」という認知の歪み)を減らせるか、強化してしまうかは文化的なもので、この文化はあいかわらず「きっと大丈夫」という根拠ゼロの楽観バイアスを強烈に持っています。

▶〔セアカゴケグモ〕三重県桑名市の国営公園で8月29日、セアカゴケグモがみつかった。7月に駐車場で見つかっていたが、今回は初めて園内の施設でも見つかったもの。管理委託業者の従業員が発見し、30日朝に事務所へ連絡。セアカゴケグモ計135匹と卵計30個を確認し、駆除した。

▶〔セアカゴケグモ2件〕●徳島県松茂町のサッカー場で、セアカゴケグモ26匹と卵嚢34個が見つかった。8月16日夕方、利用者から施設管理者に「セアカゴケグモらしきクモがいる」と連絡が入った。同日、町職員が確認し、メスのセアカゴケグモと判明。サッカー場内の側溝やベンチを調べたところ、クモ19匹と卵嚢20個が見つかった。20日にも周辺を調査し、さらにメス6匹と卵嚢14個を発見した。●愛知県豊田市のこども公園で8月21日、「セアカゴケグモのようなクモを見つけた」との通報があり、調べたところ、公園のフェンスや近くの側溝でセアカゴケグモ20匹が見つかった。

▶〔ヒラズゲンセイが生息域広げる〕昆虫「ヒラズゲンセイ」が、従来の四国から北上し、京都や滋賀で生息域を広げている。ツチハンミョウの一種で体長約2、3センチ。真っ赤な体とクワガタのような大あごが特徴で、6、7月に成虫になる。体液が有毒で、皮膚につくとかぶれや水ぶくれを引き起こすことがある。

▶〔府内で6例めのヒアリ〕大阪府泉佐野市内で7月3日、ヒアリ(さなぎを含む)数百個体が発見された。作業員2人がアリに刺されたが、健康に問題はないという。府内でのヒアリの確認は6例め。コンテナは6月下旬に大阪港に入港し、陸路で市内の輸入業者の敷地に移送されたもの。5月上旬にイタリアを出港し、中国・深せんを経由して大阪港に入港した。

▶〔アカカミアリみつかる〕6月27日、福岡県福岡市の博多港に陸揚げされたコンテナの中から、有毒の特定外来生物アカカミアリ約10匹が見つかった。いずれも働きアリで、殺虫処分。コンテナは6月12日にベトナムのサイゴン港から積まれ、21日に博多港に陸揚げされたもの。

▶〔船橋市でセアカゴケグモ〕千葉県船橋市の三番瀬海浜公園で6月12日、特定外来生物に指定されている毒グモ「セアカゴケグモ」が見つかった。売店の職員が店舗裏の側溝でセアカゴケグモに似たクモを見つけ、公園を管理する職員が殺虫剤で駆除した。保健所職員が同日、駆除されたセアカゴケグモ約50匹と多数の卵を確認した。

▶〔江東区でヒアリ〕6月14日、東京都江東区の東京港青海ふ頭で、ヒアリ20~30匹が確認された。港湾作業員がコンテナヤードの入り口付近に落ちていたわらの塊を持ち上げたところ、ヒアリに手を刺された。作業員に健康被害は起きていないという。国内のヒアリ確認は今年度初めて。2017年6月の初確認以降、14都道府県で計39例目。

▶〔保育園に放射性物質汚染土壌〕神奈川県横浜市内の保育園の少なくとも300園に放射性物質に汚染された土壌が埋設されている問題で、市は6月6日、うち1園で保護者への相談会を行った。市の担当者2人が保育園に出向き、質問に応じたもの。この保育園では、園児2人が白血病に罹患したと指摘されており、保護者から問い合わせが相次いでいた。園名は公表されておらず、汚染土と白血病の因果関係について市は「何とも言えない」としている。汚染土については「対応が不要な放射線量」とし、保管施設の北部汚泥資源化センターに移設する予定はないという。

▶〔違法工事でアスベスト飛散〕長野県飯田市の私立保育園で2018年12月、園児約120人と職員約30人の在園中にアスベスト(石綿)の飛散が疑われる改修工事が行われ、工事に関わった2社と園を県が大気汚染防止法に基づき行政指導していたことがわかった。園舎は1976年に建設され、天井裏の鉄骨に石綿の中でも毒性の強い「アモサイト(茶石綿)」が吹き付けられていた。大気汚染防止法は石綿の有無の事前調査や結果の掲示などを施工業者に義務づけているが、工事を担当した2社はこれを怠り、法に定められた飛散防止対策もしていなかった。一方、園は県に作業の届け出をしていなかった。工事を不審に思った保護者が園に問い合わせて事態が発覚、通報を受けた県は12月26日に立ち入り調査して対策などを指導した。労働基準監督署も労働安全衛生法違反の疑いで立ち入り調査している。園と2社は保護者らと、今後の検査費用の負担や病気を発症した場合の補償について協議を始めている。過去にも東京都文京区の区立保育園で1999年、保育中の改修作業で石綿が飛散。2007年には神奈川県藤沢市の市立保育園で、1972年の開園当時から改修工事などで石綿が飛散していたことが判明した。