2021年のニュース

★記事がみつかった順(カッコ内の日付)に掲載していますので、発生日/報道日の通りには並んでいません。都道府県名や鍵となる単語で検索してください。
★家庭等で起きた死亡事故(交通事故、転落事故等)については、基本的に掲載していません。
★できごとの「事実」には著作権が発生しないので、下の通り、ニュースを掲載しています。元の記事に含まれている論評等は掲載しないか、必要に応じて元の記事にリンクを貼ります。
★ニュースのページの誤字脱字、外部リンク切れ等についてはご容赦ください。


事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)
(12月29日)
▶〔路線バスがマンションに突っ込む〕12月22日午後1時過ぎ、大阪府大阪市住之江区で路線バスがマンションに突っ込む事故。マンション1階には保育園が入っていて、園内の給湯器にバスがぶつかり、ガス漏れが発生した可能性もあり、園児や職員が避難した。事故当時、運転手1人、乗客3人が乗車しており、ケガはない。 運転手は「左折しないといけないところを、うっかり直進してしまった」と営業所に話しているという。

(12月19日)
▶〔児が逃げた犬に咬まれる〕12月9日午後4時頃、大分県臼杵市の路上で家族と歩いていた3歳の女の子が突然近づいてきた大型犬に顔や胸などをかまれ大けがをした。大型犬はまもなく捕獲された。犬は体長約1メートルの雑種で、女の子をかんだあと1時間ほどして、近くの飼われている家に戻ってきたという。飼い主は「知らない間に飼い犬が逃げ出した」などと話している。〔掛札コメント〕つながれていない犬がいたら、すぐに警察や保健所に通報してください。細かい決まりは自治体によって違いますので、確認を。

▶〔散歩中の列に車が突っ込む〕12月9日午前9時45分頃、愛知県東浦町で、散歩中の保育園児の列に74歳の男性が運転する乗用車が突っ込み、園児7人が軽いけがをした。園児38人と引率の保育士3人は公園に向かって散歩中で、現場には信号機や歩道はなく、車側に一時停止の標識があった。左折してきた車が曲がりきれず、列の先頭付近の園児をはねたとみられる。車を運転していた男性は事故直前にゲートボールをしていたが、体調不良のため途中で帰ったという。事故現場でも体調不良を訴え、病院に搬送されたが、脳内出血で意識不明の重体、その後、14日に死亡した。〔掛札コメント〕体調不良の状態で車を運転するのは、ぜひともやめてください。本人が「大丈夫」と言っても、他の人が運転を。

▶〔乗用車がスクールバス等に衝突〕12月9日午後4時20分頃、東京都江東区の交差点でスクールバスなど車5台の事故があり、子ども4人を含む合わせて10人がけがをした。80代の男性が運転する乗用車が道路脇に止めてあった車やインターナショナルスクールのバスなどに次々に衝突。子どもは軽傷とみられる。

▶〔摂取量を誤って日本脳炎ワクチンを摂取〕三重県松阪市の医療機関で11月末、1歳児に摂取量を誤って日本脳炎ワクチンを摂取した。児は接種翌日に発熱したが、2日目には解熱し、健康状態に問題はない。4種混合ワクチンの接種を予定していた児に接種予定だった日本脳炎ワクチンを取り違えて接種したもの。規定では3歳未満は0.25ミリリットルとすべきところを、0.5ミリリットルで接種した。直後に接種した医師が間違いに気付いた。

(12月8日)
▶〔中庭の石碑の下敷きに〕11月16日午前10時半頃、長野県長野市の小学校の中庭で5年生が倒れた石碑の下敷きになった。休み時間、この児童が中庭にある高さ75センチの石碑に体重をかけたところ、基礎から台座がはずれ下敷きになったもの。周りにいた児童が教師に知らせ、児童は午前11時ごろに市内の病院に搬送され、その後ドクターヘリで移送された。今月4日に実施された点検では、石碑に異常はなかった。事故を受けて点検をしたところ、17日の時点で市内小中11校から石碑のひびや、ぐらつきなどの問題が計15件見つかったと報告があった。

▶〔支柱に登って落ち、重体〕12月6日午後5時頃、大分県大分市にあるスポーツ施設の敷地内で、7歳の男の子が倒れているのを通行人が見つけた。頭を強く打ち、意識不明の重体。現場の状況などから、以前は看板が取り付けられていた支柱にのぼって遊んでいたところ支柱が折れて落下したとみている。支柱は幅約5m、高さ約3mで、さびが確認されたという。

▶〔園児と教諭がはねられる〕11月29日午後2時過ぎ、佐賀県佐賀市内の市道の三差路交差点で、信号機付き横断歩道を渡っていた幼稚園児2人と幼稚園教諭が、乗用車にはねられた。園児のうち1人は頭部を打ち、もう1人は右手の小指にけが、教諭は頭部を打つなどしたがいずれも軽傷という。園児5人と教諭の計6人が集団で青信号の横断歩道を渡っていたという。乗用車も青信号で右折する際にはねたよう。

▶〔ローラースライダーで重傷〕11月2日、新潟県五泉市の小学生5人(1年生と2年生)が加茂市の公園にある大型のローラー式滑り台(全長150メートル)でケガ。1人がカーブの部分で鉄の柵に顔ぶつけて鼻を骨折する重傷。児童は校外学習で訪れ、間隔を空けて順番に滑っていたが、1人の児童が柵にぶつかって止まったあと、あとに続いた児童4人も次々とぶつかったとみられるという。近くに「雨上がりなどはスピードが出やすい」「カーブでは、鉄の柵にぶつかってけがをするおそれがある」などと注意喚起の看板が立てられていた。この遊具は設置から約30年。

▶〔スポーツ施設で二酸化塩素ガス〕滋賀県大津市のスポーツ施設で10月、プールを利用していた小学生~高校生計21人がのどの痛みや息苦しさなどを訴え、うち1人が入院していた(すでに退院)ことが11月16日にわかった。隣接するジャグジーの消毒作業に用いた薬剤の影響で二酸化塩素ガスが発生したとみられる。10月28日、2階ジャクジーからレジオネラ菌が検出されたため、二酸化塩素剤を使用して消毒したところ、プールを使用していた児童や生徒がのどの痛みなどを訴えたもの。

(11月18日)
▶〔園庭に刃物を持った男が侵入〕11月9日午前、宮城県登米市の認定こども園に、男(31歳)が高さ約1メートルの柵を乗り越えて侵入、持っていた刃物(刃渡り12センチ)で園庭にいた男性職員に切りかかった。男は複数の職員に取り押さえられ、建造物侵入の疑いで現行犯逮捕された。けが人はなし。「子どもを殺す目的で侵入した」「子供なら簡単に殺せると思った。最低でも2人殺して死刑になりたかった」と供述しているという。園職員は、外で不審な動きをしていた男を発見、園庭で遊んでいた子ども約100人を施設内に避難させた上で声をかけた。男は無言でいきなり園庭に入ってきたという。

▶〔園に対する強要の疑いで逮捕〕茨城県益子町で今年5月、長男が通う保育園の理事長や保育士に対し、罵声を浴びせて椅子を蹴り上げるなどしたうえ、担任を変えるよう要求して誓約書を書かせ、義務のないことをさせたとして、10月27日、女(27歳)と交際相手の男(27歳)が強要の疑いで逮捕された。

(10月24日)
▶〔遊具のネットが切断される〕福岡県北九州市の勝山公園で10月21日、遊具のネット約7カ所が刃物のようなもので切断されているのを区職員が見つけた。いずれも子どもが足や体を置く場所で、転倒転落に結びつく危険性もある。9月にもネットの30カ所が切断されるなどし、3回目の被害。警察は器物損壊事件として調べている。

▶〔園バスがブロック塀に衝突〕10月13日午前8時半頃、茨城県那珂市の県道で、私立幼稚園の送迎用マイクロバスが民家のブロック塀に衝突した。乗っていた18人のうち、5歳児と教諭の2人が重傷、園児12人と運転手(男性、70歳)の計13人が軽傷を負った。現場は見通しの良い片側1車線の直線道路。バスは左側にある路側帯にはみ出した後、道路脇のブロック塀に衝突した。署によると、運転手は「ぼーっとしていた」と話しているという。運転手は毎日、朝夕の送迎を担当し、事故当時、体調不良などはなかったという。

▶〔フッ素と間違えてアルコールでうがい〕新潟県新潟市西区の小学校で10月13日朝、手指消毒用のアルコールで児童24人がうがいをする事故が発生した。1年生のクラスで、担任が虫歯予防のためのフッ素うがい液と間違えて、消毒用アルコールを誤って配布した。うがい後、担任が配布の誤りに気付き、全員が液を吐き出しているのを確認、全員が医療機関を受診し、うち15人が口の中の違和感やのどの痛み、腹痛などの症状を訴えているという。配布の際にアルコール液のボトルが近くに置いてあり、よく確認しないで配布したことが原因だという。

▶〔エピペンの3倍量にあたるアドレナリンを静脈投与。心肺停止に〕千葉県千葉市で10月3日夜、「食事をしたら息苦しくなった」という通報を受けて搬送した10代女性に、救急救命士が医師の指示と異なる処置を行い、一時心肺停止の状態になった。女性は重体。男性隊員は医師から「エピペンを女性が持っているか」と聞かれ、持っていなかったため、同成分の薬剤を投与しようと考えたという。消防共同指令センターに常駐する別の医師の指示を受けながら、静脈に薬剤を投与したところ、女性は不整脈の症状が表れ、心肺停止状態になった。エピペンに含まれるアドレナリン用量の3倍以上にあたる量を静脈に投与し、これが心肺停止につながった可能性が高い。救命士によるアドレナリンの投与は、心肺停止した患者の蘇生など緊急時に限って認められており、今回のケースでの投与は認められていないという。

▶〔有効期限のきれたMRワクチンを接種〕千葉県八街市の医療機関で9月14日と17日、有効期限が同月3日となっているMRワクチンを幼児に接種するミスがあった。ワクチンの有効性について市が国に確認したところ、幼児の場合、血液を採取して抗体検査を行うことが難しいことから、保護者などが希望した場合は一定の期間をおいて再度、接種するよう回答があり、1人の保護者がこれを希望したという。

(10月2日)
▶〔サボテンの花で窒息〕神奈川県横浜市内の育児支援グループで、預かっていた乳児がしぼんだサボテンの花を詰まらせて死亡する事故が2019年5月に起きていたことが9月22日にわかった。事故はグループのメンバーの自宅で発生。1人で11か月児ときょうだいの2歳児を預かっていた。3人はペットと共にリビングで遊んでいたが、乳児がペットを追ってソファの死角に入ったため追いかけたところ、嘔吐を繰り返し、意識不明になったという。搬送先の病院で死亡が確認された。このグループは認可外保育施設として市に届け出ておらず、立入調査などを受けていなかった。〔掛札コメント〕サボテンの花?と思うかもしれませんが、要するに薄いビニールシートを飲み込むようなものです。

▶〔キッズスペースで針金がまぶたに刺さる〕埼玉県上尾市内の商業施設内にある保険代理店で2月、3歳児の右目まぶたの裏に釣り針状の針金が刺さって出血し、救急搬送される事故が起きた。両親が個室で契約手続きなどを行っている間、キッズスペースでは幼児用プールに浮かぶボールを釣り上げて遊べるようになっており、玩具の釣りざおから出ているひもの先に、釣り針のように曲がった針金が付けられていた(写真)。個室とキッズスペースの間には仕切りがあり、両親側から児の様子は見えない状態。両親は当初、不安を覚えたが、店側からは「保育士が常駐しており、安心してお子さんを預けられる」「他の従業員も研修を受けている」などと言われたという。児の右目のまぶたの裏には、えぐられたような傷ができ、医師からは「視力低下などの可能性はわからないが、眼球打撲の疑いもある」と診断され、しばらく通院が必要になったという。

(9月5日)
▶〔施設を抜け出し、ため池に転落〕8月19日、山口県山口市のため池で意識不明で見つかった7歳児はその後死亡が確認された。児は、約500メートル離れた所にある障害児通所支援施設を抜け出して事故に遭ったもよう。施設によると19日昼前、職員が児の姿を確認したが、10分後にいないことに気付き警察に通報。夕方になって、捜索していた関係者がため池で児を発見した。施設は新しいドアを取り付ける工事中で、利用者らがいた約20畳の部屋の壁にドア2枚分ほどの穴があり、可動式パーティションで塞いでいたという。施設側は児がパーティションを自分で動かして外に出たとみている。当時、施設内には小学1年~高校2年の利用者9人と職員5人がいた。

▶〔教室の天井からモルタル落下〕9月2日午後2時すぎ、岐阜県岐阜市の市立小学校の教室で、天井部分にある梁からモルタルの一部(厚さ8mm、幅約43cm、長さは約1.8m)が床と机の上に落下した。教室では複数の児童が授業を受けていたが、けが人はいなかった。岐阜市はすべての小中学校などで緊急点検を進めており、同小学校では3日、すべての授業をオンラインとしている。

▶〔遊園地の遊具で重傷4人〕山梨県富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」のジェットコースター「ド・ドドンパ」で昨年12月以降、利用客4人が首の骨などを折る重傷を負っていたことがわかった。県などが8月20日に発表した。30~50歳代の男女で、頸椎の圧迫骨折などで全治1~3か月。ド・ドドンパは当面の間運休。県は遊戯施設に対し、全治30日以上が見込まれる重傷事故は原因にかかわらず報告するよう通知しているが、同園の担当者は「機器の異常による事故でないと考え、当初は報告する必要はないという誤った認識だった」と釈明、「早い時期に公表すべきだった。反省している」と話した。

▶〔スズメバチに20人、刺される〕8月15日午後2時頃、福岡県北九州市若松区のサイクリングロードで、ハチに刺され複数人がけがをしたと119番があった。8~63歳の男女12人が搬送されたが、いずれも意識はあり軽症。うち7人は12歳以下だった。この他、そのまま帰宅した人もおり、約20人がハチに刺されたとみられる。職員らが周辺を調べたところ、攻撃性が強いとされるキイロスズメバチとみられるハチの巣一つが見つかり、駆除した。

(8月5日)
〔過去に起きた園バスの取り残し事故〕
・2003年3月、岐阜県羽島市の私立幼稚園で、通園バスに3歳女児が4時間放置される。けがなどはなし
・2007年7月、北九州市小倉北区で、保育園の送迎用ワゴン車に2歳男児が放置され、熱射病で死亡
・2017年9月、さいたま市岩槻区の私立幼稚園で、3歳男児が送迎バスに5時間放置される。健康上の異常なし
・2020年8月、福岡県久留米市の私立保育園で、送迎バスの担当者が2歳男児を降ろし忘れ、約10分間放置。けがなどはなし
・(これは当サイトの「ニュース」に掲載していたもの)北海道西興部村の村営保育所に通う2歳児が10月23日、送迎バスの車内に約2時間、放置された。幼児に体調不良などはなかったという。午前9時半ごろ、園児6人を乗せたバスが保育所に到着。保育士は5人を降ろしたが、最後尾座席のチャイルドシートに座っていた児に気づかなかった。運転士も気付かず、休憩のためエンジンを切って自宅敷地内に駐車してバスから離れた。児の保護者の知人が同日午前11時半ごろに保育所を訪れ、幼児がいないことに気付き、連絡を受けた運転士が車内で幼児を発見した(10月28日、北海道新聞)

〔園バスに取り残し、死亡〕7月29日午後5時半頃、福岡県中間市の私立保育園から、「送迎バスの中で児が倒れている」と通報。この5歳児は搬送されたが、午後7時頃に死亡が確認された。着衣等の乱れはなく、車内に長時間閉じ込められていた可能性があり、県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。児の帰りを待っていた母親らが、帰りのバスに乗っていないことに気づき、連絡を受けた園関係者が園駐車場に停車中の送迎用バスの車内で児を発見した。同園には送迎用のバスが複数あり、迎えと帰りに使うバスは別だった。

▶〔ブランコのチェーンがはずれる〕7月13日、奈良県奈良市の公園で5歳児がブランコで遊んでいたところ、チェーンが留め具から突然外れた。児は転倒して左足の骨を折る全治1か月の重傷。奈良市が今年4月に定期点検を行った際には問題がなかったということです。事故原因について「留め具が緩んでいた可能性がある」とし、市内の公園にある全てのブランコの緊急点検を実施している。〔掛札コメント〕外れたか、劣化したか、あるいは故意(いたずら)の可能性もあります。

▶〔工事現場で防音パネルの下敷きになり、死亡〕7月3日午前11時頃、東京都中野区で小学校校舎の解体工事中、作業員が防音パネルの下敷きになり、死亡した。当時、作業員は一人で作業をしていて、クレーンの付いたトラックの近くで倒れていた。

(7月22日)
▶〔犬の尿で信号柱が腐食〕三重県鈴鹿市の交差点で2月18日、鉄製の歩行者用信号柱(高さ6.5メートル)が倒れた件で県警は、犬の尿(尿素や塩分)により腐食が進んだ可能性が高いとする調査結果を7月13日までにまとめた。信号柱の耐用年数は約50年だったが、この柱は設置されてから23年しか経過していなかった。県警科学捜査研究所が調べたところ、柱の根元から、同じ交差点にある別の信号柱に比べて約42倍の尿素が検出された。〔掛札コメント〕これ、過去にもけっこう起きてるんですよね…。ちょっと寄りかかったら倒れたとか。

▶〔園を脅迫する電話をかけ、逮捕〕7月14日、島根県松江市の男(39歳)が脅迫の疑いで逮捕された。男は同日未明、同署に電話をかけて市内の保育園の名前を挙げ、「明日、みんなを刺し殺す」と署員に告げ、園を運営する社会福祉法人を脅迫した疑い。「電話はしたが、言った内容は覚えていない」などと容疑を否認しているという。

(7月12日)
〔父親が子どもを園から誘拐未遂〕福岡県北九州市若松区の男が、7月9日昼過ぎ、別居する妻と暮らす5歳児が通う滋賀県大津市内の幼稚園から、娘を連れ帰ろうとした未成年者誘拐の疑いで逮捕された。男は同園を訪れ、職員に「お母さんがけがをして病院に運ばれた」とうそを言って連れ帰ろうとしたが、不審に思った職員が断り、110番。駆け付けた同署員が近くにいた男を見つけたという。 〔掛札コメント〕報道されたのは初めて見ましたが、誘拐も誘拐未遂もよく聞く話です。お迎えリストは常に更新し、リストに載っていない人に子どもを渡してはいけません。

〔パンで窒息、死亡〕新潟県佐渡市の小学校で7月7日、5年生が給食時にパンをのどに詰まらせ、佐渡市内の病院で救急処置を行ったあと、ヘリコプターで新潟市の病院に救急搬送された。その後、11日午前2時過ぎに死亡。パンによる窒息。児童が食べたのは、直径10センチ厚さ3センチの丸い形をした米粉パンで、一口で食べようとしたところ、のどに詰まらせたとみられている。

〔パンで園児が窒息〕北海道十勝管内芽室町の認可保育所6月15日、1歳9カ月児が給食のパンを誤嚥し、救急搬送された(7月5日にわかった)。児は一時、心肺停止になり、現在も集中治療室で人工呼吸器を付けている。同園は「子供の状況を見て適切に対応しなかった」として過失を認めている(←この一文、報道の原文通り)。同日午前11時25分ごろ、保育士がコッペパン2切れを皿に載せて配膳。当時3人の保育士がいたが、ほかに9人の1歳児がいたため、数分間、この児から目を離したという。11時半ごろ、児が嘔吐しようとしたため、保育士が背中をたたき、のどからパンを取り出したが、一部しか取れず、11時35分ごろ、119番した。児は食べ物を咀嚼して飲み込むことが苦手で、保護者から「食材を細かく刻んで与えるように」と要望されていたという。しかし、事故当時、業務にあたっていた保育士に十分に情報は共有されておらず、この日出されたパンは小さく刻むなどの対応がとられていなかったという。

〔ケガをめぐり、園長が殴られる〕7月6日午後6時20分ごろ、兵庫県上郡町のこども園園長を殴ったとして、同町の会社員の男が現行犯逮捕された。園長は頭を殴られ、軽傷。男は子どもを同園に通わせており、園でけがをしたことについて抗議していたという。男と園長は事前に電話でやりとりしたとみられ、午後6時10分ごろ、園長が「保護者が押しかけてくる」と110番。約10分後、別の職員から「園長が殴られた」と110番があった。〔掛札コメント〕身の危険を感じた場合には110番通報を。

▶〔更衣室の天井からコンクリート片が落下〕7月5日午後4時すぎ、大阪府大阪市の市立中学校のプール更衣室で、天井から幅約30センチ、重さ5キロほどのコンクリート片が落下、2年生1人が頭頂部に約2センチの切り傷を負い、病院に運ばれ手当てを受けた。当時、更衣室には水泳部の部員数人がいた。更衣室は1976年に建設され、今秋に建て替え予定だったということで、事故原因について市教委は「老朽化により落下したとみられる」としている。

(7月2日)
▶〔下校途中の小学生がはねられ、2人死亡、1人重体〕6月28日午後3時半頃、千葉県八街市の路上で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人がはねられた。2人が死亡し、1人が意識不明の重体、2人が重傷。現場で逮捕した60歳のトラック運転手から基準を超えるアルコールが検出された。現場の市道は幅およそ7メートルで歩道やセンターラインはなく、トラックは道路脇の電柱にぶつかったあと正面から小学生の列に突っ込んだとみられる。

▶〔園バスに小学生がはねられる〕6月30日午後3時過ぎ、岐阜県岐阜市の交差点で下校途中の小学1年生が幼稚園のバスにはねられた。命に別条はなく、軽傷。幼稚園のバスには運転手のほか、園児と職員7人が乗っていましたが、けがはない。生徒は下校途中で、周囲には他にも児童数人がいたが、1人で交差点を渡っていたところをはねられたとみられる。

▶〔自転車を避けるため、園バスが急ブレーキ〕6月18日午前8時半ごろ、新潟県新潟市中央区の信号機のない交差点で、幼稚園の送迎バスが左から進行してきた自転車を避けるため急ブレーキをかけ、添乗員が転倒、腰を強く打ったため救急搬送された。また、園児が手すりに顔をぶつけ、けがをした。交差点は自転車側に一時停止の標識があった。

▶〔人工呼吸器を装着した生徒、校内で呼吸停止に〕兵庫県三木市の市立中学校で昨年12月11日、人工呼吸器を装着した生徒が呼吸停止に陥り、意識不明の重体となったことがわかった。現在も意識が戻っておらず、市教委は第三者委員会を立ち上げて原因を究明する。学校側によると、学校看護員が肺や気管の痰排出を補助する「カフアシスト」を施すため、体を持ち上げた後、生徒の顔が紫色に変色し、意識を失ったという。生徒は病気の影響で2018年に人工呼吸器を装着、当時は自発呼吸も可能だった。事故後は人工呼吸器が常時必要な状態になり、代理人弁護士によると「脳死に近い状態」という。

(6月17日)
▶〔駐車場で死亡事故〕6月10日午前10時前、新潟県三条市の保育園の駐車場で3歳児の園児が車にはねられ、その後死亡した。自分の子どもの送迎をしていた他の保護者が、駐車しようと軽自動車をバックさせた時にぶつかったもの。調べに対し、「バックしていたらドンという音が聞こえた。車の下を見たら子どもがいた」と話しているという。〔掛札コメント〕駐車場における安全の注意喚起、ひな型はB-2にあります。

▶〔保育所の調理場から出火〕6月8日午後1時半頃、京都府京都市中京区の保育所の調理室から出火、119番通報があった。消防隊員が駆けつけた時には火はほぼ収まっており、園児99人、職員35人にけがはなかった。出火当時、園児らは昼寝中で、職員が起こして園庭まで避難した。

(6月3日)
▶〔中学生、熱中症の疑いで搬送〕5月14日昼過ぎ、愛知県名古屋市の市立中学校で体育の授業中(屋外)、2年生男子が体調不良を訴え、熱中症の疑いで救急搬送された。軽症だという。学校はこまめに水分をとらせるようにしていたということで、教育委員会は指導方法に問題はなかったとしている。この日、名古屋市は今期初の真夏日を記録した。〔掛札コメント〕水を飲むのは脱水の予防であって、体内の温度上昇に対する予防ではないんですが…。

〔防球ネットが倒れ、1人死亡、1人重傷〕4月27日午後3時頃、宮城県白石市の市立小学校で校庭に設置された防球ネットの木製の支柱1本が根元から折れ、小学6年生2人を直撃。1人は頭を強く打って死亡、もう1人もあごの骨が折れる重傷を負った。事故があったのは放課後で、2人を含む児童6~7人がネットに寄りかかったり、揺らしたりして遊んでいたという。ネットは校庭に埋め込まれた2本の木製の柱で支えられており、折れた支柱は高さ約6メートル、直径約17センチ、重さは約40キロ。留め具などで固定はされていなかった。ネットの設置記録は学校に残っていないというが、「おそらく20年は経っているのではないか」(同市教育長)。市教委は学校の遊具に対しては年1回の点検を業者に依頼しているものの、このネットは対象外。教員が毎月1回、目視したり触ったりして点検していたが、同月12日の点検時に異常は確認できなかったという。教育長は、「遊具は基本的には、ものを使って遊ぶためにあるので目が届くが、防球ネットはブランコや滑り台のように、それを使って遊ぶことが目的ではないことから落とし穴があったかもしれない」。〔掛札コメント〕「遊ぶことが目的じゃないものだから、子どもにも責任があった」とかいう話になるのでしょうか? 下の2つの傷害事故も?

▶〔擁壁のコンクリート片でケガ〕兵庫県神戸市垂水区の市立中学校で5月10日午後1時過ぎ、重さ約50キロのコンクリート片(長さ62センチ、幅26センチ、高さ14センチ)が落下し、生徒1人が左足に軽傷を負った。校舎前の玉石積み擁壁(高さ約90センチ)に生徒が手をかけてもたれかかったところ、上部の土留め用のコンクリート片が落下した。固定されていたが、土の圧力で不安定になっていたとみられる。

▶〔傷害事故を公表せず〕滋賀県草津市で2017年10月17日に起きた、小学4年生が左足に重傷を負う事故について、市は5月28日、管理が不十分だったとして損害賠償金1260万円を支払うために議決を求める議案を定例市議会に提案すると発表した。市営住宅外の道路で複数の児童がボール遊びをしていたところ、ボールが住宅敷地に入った。別の児が塀を乗り越えてボールを回収後、再び塀を越えて戻ろうとした際にブロックの一部が崩れ、近くの児の左足に当たり、左足の小指を除く4本の指に骨折や打ち身のけがを負った。児には左足親指が動かなくなる障害が残った。両者が補償について協議を重ね、今年3月に話がまとまったという。市は同日まで事故を公表しておらず、「事故当初、過失割合やけがの程度など不確定の部分があり、全てがはっきりした段階で公表するつもりだった」としている。

▶〔揺動遊具破損でケガ〕群馬県伊勢崎市の公園で遊具が破損し、4月24日、遊んでいた5歳児と3歳児がそれぞれ軽傷を負った。壊れたのは、乗って揺れながら遊ぶ木製スプリング遊具で、対象年齢は3~6歳。5歳児が遊んでいたところ、ばねが付いている台座部から、両手をかける部品がはずれて胸を打った。その後、この児と保護者が医療機関に向かって現場を離れていた間に誰かがはずれた部品を元に戻したとみられ、同日、別の児がこの遊具を使って鼻をけがした。市によると、遊具は1999年設置。4月2日に点検したばかりで、破損原因は不明という。

▶〔ヘディングのガイドライン〕5月13日、日本サッカー協会が子ども向けのヘディングのガイドラインをまとめた。日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度データ(2018年分)分析によると、サッカー全体の事故は小学校5000件、中学31000件、高校(含高専)38000件。うちヘディング事故は小学校42件、中学756件、高校1824件で、9割近くが部活動中のケガだった。頭や首の重症率はサッカー全体が1.20%だったのに対し、ヘディングに絞ると10.56%にのぼり、「頭や首の重い傷害が発生しやすい」という。

▶〔園バス事故2件〕●5月24日午前、秋田県秋田市の市道交差点で幼稚園の送迎バス(児童7人等が乗車)にワゴン車が衝突、園児と幼稚園の職員の計2人が軽傷を負った。バスが十字路交差点を直進していたところ、左から走ってきたワゴン車と衝突したもの。園児1人が口の中を切り、職員は背中などを打撲した。いずれも軽傷。現場交差点には、ワゴン車側に一時停止の標識があったという。 ●5月6日午前、千葉県千葉市若葉区の交差点で幼稚園バスと乗用車が衝突する事故があり、バスに乗っていた園児3人がけがをした。バスには園児36人と職員、運転手が乗っており、うち園児3人がけがをして病院に搬送された。警察は無免許で乗用車を運転したなどとして、近くに住む自称会社役員(78歳、男性)を逮捕。「コンビニに行く途中だった。近いので事故を起こしたり警察に見つかったりしなければ大丈夫だと思った」などと供述しているという。

▶〔保護者が、別の子どものジャケットを盗む〕北海道札幌市白石区の保育園で、園児のダウンジャケットを盗んだ疑いで30歳の女が逮捕された。今年1月19日の午前8時半~午後5時半の間に、別の園児のダウンジャケットを盗んだ窃盗の疑いが持たれている。19日、園児が帰宅する際、ダウンジャケットがなくなったことに気づき、保育園が捜しましたものの見つからず、2月に警察に被害届を出していた。取り調べに対し、容疑を認めているという。〔掛札コメント〕靴、服、支援センター等ではベビーカーや財布等もなくなります。保護者が盗む場合も、職員が盗む場合も。「あの人だろう」とわかっていてもうやむやにしてしまう場合が多いようですが、警察に届けるべきです。

(4月23日)
▶〔遊具部品が落下し、骨折〕沖縄県宮古島市の港内多目的広場で3月25日午後、木製船型遊具のステンレス製ハンドル(直径40センチ、重さ6.1キロ)が遊んでいた2歳児の足に約1メートルの高さから落下し、児が指を骨折した。全治2カ月。施設は設置から15年ほど経過。市は毎月、公園遊具を点検しているが、何らかの理由でボルトの締め付けが緩んでいたとみている。

▶〔スクールバスに乗用車が追突〕4月19日午前9時過ぎ、神奈川県横浜市戸塚区の市道で、停車していた横浜市内の特別支援学校のスクールバスに乗用車が追突した。バスに乗っていた3~15歳の子ども6人と職員、乗用車の男性の計8人が病院に搬送された。現場は片側1車線の直線。スクールバスは登校する子どもが乗車するために停車していた。

(4月10日)
▶〔公園に接着剤をまいた高校生が逮捕〕3月7日の午前2時40分頃、東京都稲城市の公園の遊具などに接着剤をまいたとして、高校生5人が建造物損壊等の疑いで逮捕された(事件の記事は下)。5人は公園から約700メートル離れた建築現場から接着剤を持ち出していたということで、防犯カメラの捜査で関与が特定されたという。「以前、接着剤をまき散らして遊んだことを思い出し犯行を決意した」などと話している。公園が完全に復旧したのは発生から3週間以上過ぎた3月29日で、またがって揺らすタイプの遊具1点とトイレの便器2点は、交換を余儀なくされた。復旧には約134万円かかり、市は今後、賠償を求めていく。

(3月21日)
▶〔そり遊び中に川に落ち、流される〕3月9日午前10時45分頃、北海道旭川市の石狩川の河川敷で「そり遊びをしていた園児2人が川に流された」と消防に通報があった。救助・搬送され、命に別状はないという。流されたのは6歳児2人で、1人は70メートルほど下流で通りかかった男性に救助され、もう1人は、20メートルほど流された所で川岸の木に引っかかっていたところを警察官に救助された。事故当時、職員2人が園児23人を引率してそり遊びに来ていた。この2人は他の子1人とあわせて3人でプラスチック製のそりで堤防の上から滑り下り、そのまま止まり切れずに川に落ちたと見られる。午前11時ころの旭川の気温はプラス1度。引率の職員は堤防の上に1人、堤防と川の中間に1人いて子どもたちを見ていたという。〔掛札コメント〕こういった事例こそ、検証委員会を開くべきです。亡くなるかどうかは紙一重であり、「命に別状がなかったからよい」ではありません。

▶〔スクールバス事故〕滋賀県野洲市の市道で3月10日午後2時過ぎ、幼稚園児25人と教諭1人の乗るスクールバスが事故を起こした。バスが対向車とすれ違う際に道路脇に寄ったところガードレールに接触し、左前方の方向指示器が破損した。園児全員がシートベルトを装着していたが、接触時の急停止で2人が前の座席や窓ガラスに頭や胸を打ち、打撲を負ったという。

▶〔公園のトイレに閉じ込められる〕3月14日午後5時頃、東京都豊島区の公園にあるトイレに小学生が、約15分間、閉じ込められた。いたずら防止のために決まった時間に扉を施錠する事業者が、中に人がいるかを確認せずに施錠していたもの。一緒に公園を訪れていた保護者が気づき、自宅から持ってきたドライバーで扉を開け、児童を救出した。

▶〔公園施設に接着剤のような物体付着〕東京稲城市内の公園で、滑り台、水飲み場、トイレ、ベンチ、モニュメント、遊具の座る部分などに接着剤のようなものが付けられていると3月7日、市民から市役所に通報があった。犯行は6日夜から7日早朝までに行われたとみられている。近隣の川崎市の公園のトイレでも、昨年10月に同じような被害が起きている。

▶〔「自粛警察」男が3度めの逮捕〕去年11月、クリスマスのバザーを予定していた幼稚園にハガキを送り、バザーを中止させたとして、栃木県足利市の61歳の男が威力業務妨害の疑いで逮捕された。3回目の逮捕。 「クリスマスイベントをやめてください。コロナになったら責任をとれるのですか。開催したら爆弾をしかけます」などと書かれたハガキを送るなどした疑いが持たれている。これまでにも足利市役所などに対して「コロナをばらまいてやる」「爆弾を仕掛けます」といった内容のはがきを送り、脅迫や威力業務妨害の疑いで逮捕されていた。

(3月8日)
▶〔すすぎ不足で塩素による食中毒〕神奈川県川崎市は2月25日、高津区の飲食店で、デキャンタの水を飲んだ2人が吐き気やのどの痛みなどの食中毒症状を訴えたと発表した。水から塩素(次亜塩素酸ナトリウム)が検出され、消毒したデキャンタのすすぎが不十分だったとみられる。2人は快方に向かっているという。23日、1人の家族から「水を飲んだら塩素のにおいとのどに焼けるような痛みを感じた」と連絡があって調べたもの。〔掛札コメント〕園でも起こり得ます。よくすすぐ以前に、消毒中はドクロマークのカードなどを必ずかけておくこと。

(2月21日)
▶〔ペットボトルに入れたエタノールを誤って飲ませる〕東京都足立区の学童保育室で2月18日午後5時頃、ペットボトルに入っていた高濃度エタノールを、小学生に誤って飲ませた。児童が施設の職員からコップに入れてもらった液体を飲んだところ、「辛い」と訴えたため、職員が調べたところ、液体が入っていた2リットルのペットボトルは、新型コロナウイルス感染防止対策として配備していた高濃度エタノールで、側面に貼った白い養生テープに「エタノール80% 住区推進課より」と書かれていた。流し台に置かれていたペットボトルを水と勘違いした職員が冷蔵庫に移し、エタノールの記載に気付かなかった別の職員が、水と思い込んで児童に誤って飲ませてしまったという。児は病院に搬送され診察を受けたが体調に異常はなかった。〔掛札コメント〕最近は聞かなくなりましたが、ペットボトルに分けて入れてあった農薬を飲んで死亡というような事故は決して少なくありませんでした。そもそも、薬剤を飲料と同じ形状のペットボトルに入れないでください! おとなが飲ませなくても、子どもは「ペットボトル=飲んでいいもの」と思いますから。

▶〔園舎内にトラックが突っ込む〕2月19日昼前、静岡県静岡市清水区にある保育園の玄関付近にトラックが突っ込み、外壁を破って園舎内を損壊した。園児約20人と教職員7人にけがはなかった。同園の前は片側2車線の直線道路で、トラックは反対側車線から園舎に突っ込んだとみられる。

(1月24日)
▶〔ミートボールの誤嚥で死亡〕和歌山県岩出市の児童支援施設で昨年12月22日、5歳児が昼食のミートボールを喉に詰まらせ、6日後、大阪府内の病院で死亡した。この児はダウン症で、あごの力が弱く、食べ物を細かく刻む必要があったが、センターは「職員が見ていない間に男の子が刻む前のミートボールを飲み込んだ」と説明しているという。県の条例で、施設では子供4人につき、1人の職員を配置することになっていて、県や岩出警察署は当時の職員の配置などに問題がなかったか、調査を進めている。〔掛札コメント〕配置は大事ですけど、見ていても起こるのが誤嚥窒息事故です。4人全員をずっと見ていることなんて、不可能ですよね。

▶〔遊具から落ちて60代が死亡〕徳島県板野町の遊園地で昨年12月29日午後4時半頃、県外在住の60代男性が遊具から落下して死亡していたことがわかった。同園は「施設の設備に問題がなく、遺族の了解が取れなかった」として公表しなかった。ジャングルジムと滑り台の遊具(高さ約12メートル)で娘と遊んでいた男性が2階に上がる階段から地上に落ちた。体を強く打ち、同日中に死亡。園は30日に遊具を閉鎖して安全点検を実施、問題が見られなかったので31日に遊具の使用を再開している。〔掛札コメント〕「施設側に瑕疵や過失がない」(県)としても、落ちて亡くなったのですから、類似事故の予防が可能かどうかは検討するべきです。



事故:予防や訴訟など

(12月29日)
▶〔うつぶせ寝で損害賠償〕2016年、茨城県水戸市の認可外保育施設で、生後7か月児が死亡したのは施設側がうつぶせで寝かせたことが原因だとして、保護者が元施設長(男性、78歳)に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は12月24日、約5300万円の支払いを命じた。判決理由で「事故後の警察の実況見分で、元施設長自身がうつぶせで寝ていたと証言している」と指摘し、「うつぶせで寝かせておらず、託児所に預けられた時から体調が悪かったのが原因だ」とする元施設長側の主張を退けた。その上で「注意義務を怠り、女児を窒息死させた」と結論付けた。

(12月19日)
▶〔児の死亡で高裁も市の責任を認める〕2014年7月、栃木県宇都宮市の認可外保育施設で生後9か月児が死亡した件をめぐり、両親が市と施設側の対応に問題があったと訴えていた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審に続いて市の責任を認め、賠償を命じる判決を言い渡した。12月15日の判決で裁判長は「市は赤ちゃんが死亡する2か月前に託児所の虐待的な保育状況に関する具体的な通報を2件受けていたにもかかわらず、十分な調査を行わなかった」と指摘。「市が立ち入り調査などを実施していれば、改善指導や、場合によっては施設の閉鎖が命じられ、赤ちゃんの生命や身体が危険にさらされる状況はなくなっていた可能性が非常に高い」とし、賠償額6200万円余りのうち3分の1にあたる2000万円余りを施設側と連帯して支払うよう命じた。両親は記者会見で、「ずさんな調査しか行わなかったのに責任は3分の1しかないという判断は残念だ。市は責任を認めていないので、判決が確定するまで亡き娘とともに闘っていきたい」と述べ、最高裁判所に上告する意向を示した。

(10月2日)
▶〔補償制度なく、民事訴訟へ〕広島県福山市の市立保育所で2018年10月11日、1歳児が離乳食を喉に詰まらせ、意識不明になった事故で、児の意識は戻らず、母親は市を相手に損害賠償訴訟の準備を進めている。事故後、保育所からは謝罪を受けたが、市に補償を求めたものの市は応じず、民事訴訟を勧めたという。事故後、市が設置した第三者委員会は保育上の問題点があったとの報告書をまとめている。福山市保育指導課は「現行制度で利用できるものがないか探したが、見つからなかった」とする。国と広島県にも同様の制度はなく、補償を求める場合は訴訟するしかないのが実情。〔掛札コメント〕残酷な話で申し訳ありませんが、不慮の事故の分野では「死亡すること」の価値が議論されることも往々にしてあります(日本語ではないのでしょうけど)。意識不明の状態で生きている子どもに対して補償制度がない? ありえません。国も自治体も「生命維持をやめてくれ」と暗に言っているようなものですよね。

(9月5日)
▶〔墓石の死亡事故で略式起訴〕長野県高森町の町立保育園で2018年2月、4歳児が園外保育中、墓石の下敷きになり死亡した事故で、引率した保育士1人が業務上過失致死の罪で略式起訴された。2020年、当時の園長と引率した4人の保育士が安全管理を怠ったとして書類送検されており、検察が8月23日、当時担任だった保育士を略式起訴したもの。元園長と3人の保育士は不起訴処分。

(7月2日)
▶〔下見していない事実、口外しないよう依頼〕長野県高森町の町立保育園で2018年2月19日、園外保育中に4歳児が倒れてきた墓石の下敷きになり死亡した事故で、当日引率した保育士の1人が、事故現場を事前に下見していないことを口外しないよう別の保育士に依頼していた疑いがあることがわかった。この保育士は町の事故検証委員会に対し、当日午前7時55分頃、通勤途中に現地を訪れ、「5分間程度下見した」と証言。しかし、実際には下見をしていなかったことが県警の捜査で判明。園児の安全を確保するために作成する計画書を事故後に書き換え、町に提出していたことも明らかになった。そして、昨年6月に再招集された検証委員会が行った聞き取り調査で、口留めの事実を証言した保育士がいた。検証委員会は、7月末までに追加報告書を公表する方針。長野県警は昨年2月、当時の園長と引率した保育士の男女4人を業務上過失致死容疑で地検に書類送検し、同地検が捜査を続けている。〔掛札コメント〕事故は「意図しない(悪意のない)できごと」ですが、隠ぺいや嘘は、悪意があろうとなかろうと「悪」です。

▶〔学校の注意義務違反を認定〕2017年6月、給食のみそ汁が入った高温の食缶を運ぶ際に転倒して脚にやけどを負ったのは、学校側が安全配慮を怠ったためだとして、当時の小学校5年生が埼玉県加須市に792万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は6月25日、市に297万円の賠償を命じた。学校側が事故防止の注意義務を怠ったと認定したもの。給食当番だった元児童は、本来、2人1組で運ぶ重さ約10キロの食缶を、相手が委員会活動で不在だったために1人で運搬。バランスを崩して転倒し、90度のみそ汁を左脚に浴びて6カ月のやけどをした。判決は「学校側は事故防止の注意義務があり、教職員が児童2人で運搬しているかを確認すべきだった」と指摘。「元児童に一定の過失があった」とした市側の主張を退けた。

▶〔うつぶせ寝死亡で再度書類送検〕茨城県水戸市内の認可外保育所で2018年8月、2か月児が死亡した事故で、6月23日、業務上過失致死の疑いで施設を経営していた男性(78歳)が書類送致された。起訴を求める「厳重処分」の意見付き。容疑は8月31日午後11時から9月1日午前1時ごろの間、児の睡眠状態の点検など注意義務を怠り、うつぶせで寝ていた児の鼻と口が敷布団でふさがれていたことに気付かず、窒息で死亡させた疑い。事故当時、男性は乳児3人を1人で預かり、有資格者を含む保育従事者2人の配置が必要という国の指導監督基準を満たしていなかった。男性を含め職員3人は全員無資格だった。この施設では2016年7月にも、生後8カ月児が死亡。男性は同容疑で書類送検され、不起訴処分、児の母親が男性に約6466万円の損害賠償を求め水戸地裁に提訴している。県は当時、施設に立ち入り調査を重ねたものの、保育士配置などが改善されないまま死亡事故が起きた。県が設置した検証委員会は、指導の実効性確保や情報公開を求める報告書を2019年にまとめ、県は2020年から、認可外保育所で重大事故が発生した場合、概要などを原則公表する方針に変更した。

▶〔死亡事件、詐欺でも実刑判決〕2014年、栃木県宇都宮市の保育施設で9か月児が適切な処置を受けずに死亡した事件をめぐり、地裁は服役中の元施設長に対して、嘘の説明で保育料をだまし取ったとして懲役6か月の実刑判決を言い渡した。

(4月10日)
▶〔ブドウによる窒息事故で検証報告書〕東京都八王子市の私立認定こども園で昨年9月、4歳児が給食のブドウ(直径約3センチ)をのどに詰まらせて死亡した事故で、市は3月30日、有識者による事故検証報告書を公表した。国のガイドラインが現場で周知されず、給食も外部業者任せだったなどと指摘。市は通知することでガイドライン等が周知されたと考え、研修などをしていなかった。また、市作成の危機管理マニュアルは公設公営施設向けで、認定こども園や幼稚園、民間保育所などには共有されていなかった。園は献立作りや食育の啓発などを外部業者に任せて給食会議や検食をせず、業者に依存していた。
 また、児は喉に既往症があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で手術が延期されていた。のみ込みにくかった可能性があるが、職員による児の体調チェックが不十分だった可能性にも触れた。

(3月21日)
▶〔睡眠中死亡で、施設と和解〕2016年4月、大阪府大阪市淀川区の認可外保育施設で、うつ伏せで寝ていた1歳児が亡くなった件をめぐり、3月17日、両親と施設側との間で、元施設長や保育士ら3人が直接、謝罪するとともに5000万円の賠償金を支払うことで和解が成立した。3年前、安全管理が不十分だったとして両親が施設側と大阪市に対して約8600万円の損害賠償を求める訴えを起こし、大阪市とは一昨年、第三者委員会がまとめた再発防止策を徹底することなどを条件に和解が成立していた。

(1月24日)
▶〔1歳児の窒息事故で検証報告書〕2020年2月、大阪府大阪市城東区の保育園で1歳2か月児が窒息によって死亡した件で、検証結果が報告された(1月14日)。窒息につながった要因として、保育士が「苦手だったりんごを食べてほしいと思って、口の中にりんごが残っている状態で次の食べ物を入れたこと」などをあげている。検証報告書は「役立つリンク」に掲載。

(1月10日)
▶〔詐欺罪、判決を不服として控訴〕兵庫県姫路市から給付金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われ、有罪判決を受けた認定こども園の元園長が、判決を不服として1月5日、控訴した。2015年から約2年間、園児を過少申告し、給付金およそ9400万円をだまし取った詐欺罪に問われ、2020年12月、懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を受けた。代理人弁護士「詐欺の行為についての事実認定に納得がいかず依頼人と相談のうえ、控訴した」。



保育士、保育園等の事件、不祥事

(12月29日)
▶〔処分を受けた教員は200人〕わいせつ行為やセクハラを理由に2020年度に懲戒処分や訓告を受けた公立小中高校などの教員は200人で、うち児童生徒らが「性暴力・性犯罪」の被害者だったケースは96人(12月21日、文部科学省の人事行政状況調査)。過去2番目の多さだった2019年度より処分者は73人減ったものの、200人台は8年連続。

(12月19日)
▶〔園児虐待について保護者説明会〕7月に5歳児が送迎バス車内に取り残されて死亡した、福岡県中間市の私立保育園で12月11日、別の園児への虐待に関する保護者説明会があった。複数の園児に対し頭をたたくなどの虐待があったとする10月の県と市からの改善勧告について、「園として把握した不適切な保育に関して謝罪」(園長)、今後の改善について説明したもの。改善勧告は2019年以降、複数の園児に対し、頭をたたく、「ばか」などの暴言を吐く、足を取って逆さづりにする、バスタオルを巻きトイレに長時間放置する、などの虐待があったとした。園側が11月に県と市に提出した報告書では、頭をたたくなどの事実は認めたが、園児の放置は確認できなかったとしていた。園長と園側代理人弁護士は、改善勧告と園側の調査結果の違いに保護者から指摘や疑問は出なかったとしている。

▶〔自治体職員の注意義務違反に、損害の半額を請求(園ではありませんが)〕2020年11月、県庁の貯水槽の排水弁を約1か月閉め忘れたことで水道代約600万円が余分にかかったとして、兵庫県は50歳代の男性職員を訓告処分にし、半額の約300万円の弁済を請求。職場でカンパを募ることも検討されたが、職員は「迷惑をかけられない」と辞退し、昨年12月に全額を支払った。  類似の事例で、京都府向日市では2016年、災害時用の備蓄食料の購入で、納品を確認せずに代金を業者に支払った後、業者が経営破綻。半数程度の食料が未納になり、市は2017年8月、当時の市長、副市長のほか、職員4人に計約750万円を請求している。  今回の兵庫県の事例で参考にされた事例は、2015年、東京都の都立高校で2015年、8日間、排水バルブが開いた状態でプールに給水を続け、都に約116万円の損害が生じたケース。都は注意義務違反にあたるとして、関係した教職員7人に半額相当の賠償を求め、全員が納付した。この後、全額負担を求める住民訴訟が起こされ、東京地裁は訴えを棄却する一方、設備上の問題などを認め、職員の負担割合は「5割を限度に認めるのが相当」との判断を示した。〔掛札コメント〕カンパ? 「迷惑をかけられない(から払う)」? どっちもおかしいでしょ。本人が払って当然です。まあ、それ以前に、閉め忘れセンサーとかをつけておいたらいかが?

(12月8日)
▶〔上級生から暴力〕栃木県栃木市内の小学校で10月上旬、特別支援教室の児童が上級生に首を蹴られ、2週間のけがをしていたことが11月16日にわかった。市教委は暴力行為を防げなかったことや学校から保護者への連絡の遅れなどの不備を認めている。当日、児童は複数回、この上級生とのトラブルに巻き込まれていたという。首を蹴られた時には教員がその場におり、「止めに入ったが防げなかった」としている。学校は湿布を貼る対応をとり、両親への連絡はしなかった。「本人が大丈夫と説明したため」と市教委に報告。両親によると、午後5時半ごろ、放課後預かり施設から「暴力を受けて気持ち悪いと訴えている」と連絡があり事態を把握、夜間に病院で治療を受けた。教員らへの不信感から、現在も学校に通えない状況が続いている。教頭は「上級生のばたつかせた足が首に当たった形の暴力行為」としている。

▶〔児童に暴行して逮捕〕島根県大田市の小学校で11月11日、57歳の教諭が児童の足を払って馬乗りになり暴行したとして傷害の疑いで逮捕された。履きものの脱ぎ方を注意したところ、児童が物を投げつけてきたため、それに怒って暴行したと説明しているという。児童は全治1週間のけが。その後、児童と保護者が警察を訪れ「子どもが学校で先生から暴行を受けた」と相談したことから発覚した。

▶〔送迎バス運転手がわいせつ行為〕スイミングスクールの送迎バスの車内で、8月、7歳の女児にわいせつな行為をしたとして神奈川県二宮町に住む運転手(70歳、男性)が逮捕された。当時、車内には他の児童も数人、乗っていたという。児が家族に話し、警察に相談したことで発覚した。取り調べに対し、容疑を否認。このスイミングスクールでは、他の児童からも同様の被害の訴えがあり、警察は余罪についても調べている。

(11月18日)
▶〔個人情報文書を裁断せず回収に出す〕岐阜市内で10月26日、、古紙リサイクル業者が173人分の個人情報が記された空家対策課の文書を回収中、道に落とし、通行人が警察に届けた。落とした文書には空き家所有者の氏名や住所、家の写真が記載されており、廃棄の際に同課職員が適切な処理をしていなかった。市の基準では、この種の文書は本来、シュレッダーにかけ、細かく刻んでからリサイクルボックスに入れる。しかし、職員がボックスに入れれば焼却処分されると勘違いし、処理せず入れてしまったもの。

▶〔1歳園児を暴行死の疑いで逮捕〕神奈川県平塚市の私立認可保育園で2017年4月27日午後、保育中の児(当時1歳)に暴行して死亡させたとして、11月1日、園で働いていた保育士(45歳、女)が傷害致死容疑で逮捕された。容疑を否認しているという。児は園内で昼寝時間中に意識がない状態で見つかり、搬送されたが死亡が確認された。脳がダメージを受けた状態だったため、警察は捜査を開始。複数の医師らの意見を聴くなどしたところ、転倒などの事故ではなく、頭部に人為的に強い衝撃を受けて死亡した可能性が高いと判断されたという。園内のカメラの記録や他の職員の証言から、児が意識不明の状態で見つかる直前、容疑者が1人で複数の園児を担当していたとみている。

▶〔わいせつ行為、認める〕児にわいせつな行為をしたなどとして、強制わいせつ罪と児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われた千葉県東庄町の元保育士(男、26歳)の初公判が10月28日、地裁で開かれた。罪状認否で起訴事実を認めた。起訴状によると、男は5月、勤務していた児童養護施設で男児の入浴介助中にわいせつな行為をした上、その様子を撮影し、児童ポルノを製造したとされる。被告人質問で、「(男児が)甘えてくる様子がかわいくて、気持ちが曲がってしまった」と動機を説明。昨年9月以降、同様のわいせつ行為を複数回行っていた。

▶〔大麻所持、使用で保育士を逮捕〕長野県中野市の保育園に勤務する保育士の男(29歳)が大麻を所持していたとして逮捕された。11月8日、市内の道路に駐車中の車中に乾燥大麻およそ1.4グラムを所持していた疑い。交通整理中の警察官が不審な車とみて職務質問したもの。容疑を認めているという。

▶〔欠勤を繰り返し、懲戒処分〕奈良県桜井市の市立保育所の職員(男、37歳)が10月28日、停職6カ月の懲戒処分を受けた。8~9月に延べ9日間と6時間、正当な理由なく欠勤を繰り返したとしている。この職員は2019年にも、同様の理由で懲戒処分を受けたという。

▶〔学童の責任者が子どもに暴言など〕愛知県豊田市の市立小の学童保育で、責任者を務めていた元市立小校長(70代男性)が児童に「バカヤロー」「おまえら異常だ」「誰に物を言っとるんだ」と威圧的な暴言を吐いたり、暑さ指数が運動中止となっている猛暑の中、屋外で遊ばせたりしていたことが11月6日わかった。4月以降、保護者からの苦情を受けて同市が運営法人に指導していたが改善されず、11月になってこの元校長が担当をはずれた。

(10月24日)
▶〔名簿が風に飛ばされ、紛失〕滋賀県大津市の市立保育園で、園児全員の氏名が書かれた名簿1枚が紛失した。10月20日、この園が近くのグラウンドで運動会を開いた際、屋外の机に置いていた参加受付名簿が突風に飛ばされ、周囲を探したが見つからなかったという。

▶〔同僚の財布を盗む〕茨城県筑西市内の公立小学校で9月3日、同僚職員の財布を盗んだとして、10月6日、学校問題解決支援員が窃盗容疑で逮捕された。容疑を認めており、「嫌がらせのために財布を盗んだ」と話しているという。校内で現金1万5000円とクレジットカードなどが入った財布を同僚のバッグから盗んだとされる。容疑者は同市教委の会計年度任用職員で同月1日から勤務していた。複数の職員が校内で財布を紛失しており、学校長が同月28日に警察に被害届を提出。防犯カメラなどの捜査を進めていたという。

▶〔送迎バス運転手が強制わいせつの疑いで逮捕〕北海道札幌市で2月26日、運転する送迎バスに乗っていた10歳未満の女児を触ったとして、当時の運転手(男性、57歳)が強制わいせつの疑いで逮捕された。当時バスには他の子どもも乗っていたという。3月、児の親から警察に相談があり、事件が発覚、10月5日に逮捕した。調べに対し容疑者は「体に触れたのは間違いないが、危険だったので支えただけ」などと容疑を一部否認している。

▶〔園長による虐待。市は監査を怠る〕熊本県合志市の認可保育施設で9月22日、園長による虐待を疑う通報が職員から市に寄せられ、園長の女性は「手を上げたのは事実」として、辞任する方針。今年夏頃から、園長が園児に対して強い口調で怒り、頭や顔に飲み物をかけたり、頬をたたいたりしたという。同施設は市内のNPO法人が運営。園長は同法人の理事長も兼務。同施設は家庭的保育を実施しており、自治体は児童福祉法に基づき年に1回以上、監査することが定められている。しかし、同施設が監査対象になった2015年以降、監査は一度しか実施されていない。市は「職員間で法令の認識に違いがあった。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止したが、それ以前になぜ監査しなかったのか、調べるべきだった。なるべく早く監査を実施したい」としている。

▶〔強制わいせつで懲役10年〕香川県高松市で、障害児支援施設に通っていた児童にわいせつ行為などを行ったとして、強制わいせつなどの罪に問われていた男が9月29日、懲役10年の実刑判決を言い渡された(求刑13年)。被告は2018年~21年1月にかけて、自らが運営する支援施設に通う当時13歳未満の女子児童に対し、わいせつな行為を繰り返した。

▶〔学童保育で交付金約1億円が過大受給〕学童保育の事業を実施する東京や千葉など9都府県の18市町村が、国の交付金計約1億円を過大に受給していたことが会計検査院の調べでわかった。検査院は10月20日、内閣府に対し、各市町村に返金を求めるよう要請した。2018、19両年度に、計約40億円の交付金を受けた12都府県の47市町村を抽出して調査。その結果、東京都あきる野市や金沢市、兵庫県洲本市など18市町村は、土曜日などの利用が少ない日にクラブを1か所しか開所していなかったのに、他のクラブも開所したことにして交付金を受け取っていた。市町村側の制度への理解が不足していたという。

(10月2日)
▶〔新型コロナ感染で虚偽申告を指示〕大阪府大阪市此花区の私立保育園の園長らが、新型コロナウイルスに感染した保育士に対し、出勤していたことを保健所の調査に隠すよう指示していたことがわかった。保健所は、感染者の発症2日前以降の行動をもとに濃厚接触者を調べるが、保育士が該当日に「出勤していない」と居住先の保健所に説明したため、園は調査対象外となった。その後、別の保育士の感染、園児2人の感染も判明した。それぞれの感染経路は不明という。園関係者から指摘があり、園長が9月10日、虚偽申告させたことを市に報告した。園長は取材に「休園は保護者への影響が大きく、避けたかった。反省している」と話した。改正感染症法には、保健所の調査に虚偽の説明をする行為に罰則規定がある。〔掛札コメント〕隠すから「感染は悪」になるのです。

▶〔市職員が住基ネットを不正閲覧〕秋田県横手市の職員7人が、業務とは関係なく住民基本台帳ネットワークシステムを使用し、新型コロナウイルスに感染した人1人の個人情報を不正に閲覧していたことが9月24日わかった。不正閲覧した7人を訓告、管理監督責任を問い上司4人を厳重注意とした。事案を公表しなかった理由について「戒告以上の懲戒処分ではないため」としている。を不正閲覧した職員は市内4地域局に勤務、いずれも日常の業務で住基ネットを使用する権限を持っていたという。〔掛札コメント〕他の理由でも、勝手に個人情報を閲覧していたんじゃないかと疑われて当然ですよね、こんなことをしたら。

▶〔案内メールを全員に見える形で送信〕静岡県静岡市の高校で、オープンスクールへ参加を申し込んだ生徒や保護者のメールアドレスが、他の参加希望者へ漏洩していたことがわかった。担当した教師2人が参加希望者に案内メールを手作業で11回に分けて返信したが、この時、他の参加者のメールアドレスも表示される状態で送ったもの。2人は決められていた宛先のダブルチェックを怠っていたという。〔掛札コメント〕宛先を全員BCCに入れなければいけなかったものを、ToかCCに入れたということでしょう。これ、未就学児施設の方たちも頻繁にします。複数の宛先にメールする時は、まずBCCにするのが基本です(よほどの知り合いなら別ですが)。

▶〔支援学級教諭が暴言、体罰で懲戒免職〕兵庫県姫路市の小学校で、特別支援学級担任(男、39歳)が今年6月までの3年あまり、クラスの児童6人に対し「生きる価値なし。早く転校しろ」「死ぬしかないやろ」と暴言を吐く、児童が泣きながら「もう学校やめる」と言うと「ほんまに絶対やめろよ」などと迫る、体罰をするなど(34件)していたとして、懲戒免職処分を受けた。足をかけて体を倒し、覆いかぶさったり、プールの授業中、児童の頭を押さえつけて無理やり水面につけるなどの体罰も日常的に行ったという。教諭は「なかなか指導がうまくいかず、怒りにまかせてやってしまった」と話しているという。学校は暴言や体罰を把握していたが、口頭で注意するだけで教育委員会には報告しておらず、県教育委員会は、こうした対応が被害の拡大を招いた可能性もあるとして、校長を減給の懲戒処分にした。〔掛札コメント〕学校が隠蔽していたわけですよね。

▶〔未成年略取等で懲役10年〕神奈川県横浜市で昨年9月、小学4年生を2日半にわたり連れ去り未成年者略取などの罪に問われた39歳男に、9月6日、懲役10年(求刑15年)の判決が言い渡された。また、被告は2014~19年、勤めていた保育園の園児ら3人にわいせつ行為をした。判決理由は「園児にとどまらず犯罪に及び、犯罪傾向の拡大も懸念される」と指摘。恋愛感情から行為に及んだという弁護側の主張に「不自然不合理で、結局は身勝手なわいせつ目的」と述べた。一方で反省の態度を示し、治療を受ける約束をしたことなどの情状面を考慮した。

▶〔園児虐待で懲戒処分〕東京都世田谷区の保育園で複数の園児に対して虐待を行ったとして、当時の保育士(男、47歳)が減給5分の1、1.5か月間の懲戒処分となった。2019年から去年にかけ、寝ている園児に布団を落としたり、着替えに手間取っていた子に「なんでこんなこともわかんねえんだ」と言ったりするなど9回の虐待が確認されたという。職員は「虐待する意図はなかった」と説明した。

▶〔ベビールームから使用済みおむつを盗む〕9月12日、千葉県成田市の商業施設のベビールームに侵入したとして、幼稚園職員(30歳、男)が建造物侵入の疑いで逮捕された。「使用済みのおむつをごみ箱から盗むために入った」と供述。「不審な男がごみ箱から幼児用おむつを持ち去るのを見た」と届け出があり、店内の防犯カメラの解析などを行ったところ、容疑者が浮上。調べに対し、容疑を認めた上で、「使用済みのおむつをごみ箱から盗むため」と話しているという。

(9月5日)
▶〔USB紛失。1か月以上発表せず〕鳥取県大山町は8月31日、町立保育施設の職員が園児10人分の個人情報を入れたUSBメモリを紛失したと発表した。現時点で個人情報の外部への流出は確認されていないという。職員は自宅で児童票を作るため、私物のUSBメモリに個人情報を移して持ち帰り、今年7月20日の出勤前に紛失に気付いた。町教委は再発防止に向け、個人情報を持ち帰らないことを徹底する。教育長は、紛失から1カ月以上たっての発表となったことについて「あらゆる場所を探せば見つかると思ってしまった」と釈明した。

▶〔個人情報を誤送信〕兵庫県丹波市で、8月19日、補助金給付のために対象園児のデータを15の認定こども園などにメール送信した際、市内の対象全園児140人分の氏名や生年月日、保護者の市民税額、保育所の入所理由などのデータも誤って送信した。既に各園へデータ消去を依頼し、保護者におわびの文書を送った。29日に指摘があり発覚。同市は1月にも同様の誤送信を行っている。

▶〔個人情報を誤送信〕兵庫県西宮市は8月28日、新型コロナウイルスに感染した高齢者施設の利用者ら10人分の個人情報を、認定こども園にメールで誤送信したと発表した。コロナ対策を担う市職員が27日夜、感染者の名前や住所などを記載したファイルを添付した上で、情報共有のため同僚にメールを送信。その際、市内の認定こども園にも誤って同時に送ったもの。こども園でもクラスターが発生していたため、メールアドレスを知っていたという。

▶〔内容の誤ったメールを誤送信〕滋賀県長浜市教委幼児課は、9月2日、新型コロナウイルス感染に関連する内部情報を園児の保護者や保育士4405人に誤送信したと発表。8月4日に市内の認定こども園で感染者が出て臨時休園となった際、公立20園の園長宛てに知らせた内容で、個人情報は含まれていないという。担当職員は感染への注意呼び掛けを各園長と同課職員に送るつもりだったが、慌てて作業をしたため情報の内容と送信先の両方を誤ったという。

▶〔2歳児4人を部屋に5~10分間、閉じ込める〕岐阜県養老町の私立保育園で6月上旬、保育士が2歳児4人を部屋に5~10分間閉じ込めていたとして、町が保育園を指導していたことがわかった。暑い日だったが、部屋は当初、エアコンが切られていたという。この保育士は、保育室内を走り回って言うことを聞かない園児を落ち着かせようと、隣の職員室に閉じ込めた。エアコンをつけた後、ガラスの壁で仕切られた保育室から4人を観察していたという。外部からの情報をもとに調査した町は7月下旬、不適切だったとして保育園を指導。

▶〔子育て短期支援事業で、不適切な扱い〕新潟県柏崎市の子育て短期支援事業で、7月、小学校低学年児と未就学児2人を預けたところ、夜、預け先の家の人が児童の両足を持って畳の上を引きずった。児の背中には、この時にできたとみられる約3cmのすり傷が確認された。保護者はもう1人の子どもも足を引きずられたと訴えている。預け先は「児童がなかなか寝なかったため引きずった」と話しているという。今回、柏崎市が預け先の登録にあたり、研修を行っていなかったことも明らかになった。市は保護者に謝罪したうえで事業を一時停止し、研修の実施など再発防止策をまとめることにしている。

▶〔理事長がトイレを盗撮〕群馬県高崎市の保育施設でおとな用トイレを盗撮したとして、理事長(男、49歳)が逮捕された。8月27日、男女共用トイレに小型カメラを設置して20代の女性2人が着替えている様子を盗撮した疑い。防犯カメラに犯行前、トイレに入る姿が写っていたという。調べに対し、容疑を認めている。

▶〔わいせつ行為後、別の施設に再就職〕愛知県尾張地方にある民間保育所の20代男性保育士が、園児にわいせつ行為をして依願退職、その後、名古屋市内の放課後等デイサービスに再就職したものの、自治体や園はこの問題を伝えていないことがわかった。6月17日、この保育士が年長クラスの女児にキスをしたとして児の保護者が園に相談。聞き取りに対し、保育士は「自分からキスしたのではない」と故意を否定した。園はその後、他にも2人の女児が同様の行為をされていたことを把握。7月4日に園の報告を受けた自治体は担任から外すよう指導し、保育士は7月末で依願退職。保護者説明会で園側は、十分な調査をする前に依願退職を認めた理由について「本人が否定し確証が持てず、懲戒解雇にはできなかった」と説明したという。

▶〔学童と放課後デイで、わいせつ行為確認は44人〕放課後児童クラブ(学童保育)と放課後等デイサービス(放課後デイ)で、2020年度までの5年間に、利用者へのわいせつ行為が確認された職員は少なくとも44人、被害者は69人にのぼることが読売新聞の全国調査でわかった。わいせつ事件の犯歴を隠して採用され、再び犯行に及ぶ例もあった。調査は7月中旬~8月上旬、全都道府県、県庁所在市、政令市、中核市、東京23区の計156自治体に実施。民営施設についても、自治体が把握している事案について尋ねた。施設別に見ると、わいせつ事案で逮捕されるなどしたのは、学童保育では職員19人、被害を受けた子供は30人。放課後デイでは職員25人、被害を受けた子供は39人。一部自治体は「被害者やプライバシーの保護」を理由に処分者などの人数や被害者数を公表していない。わいせつ行為が確認された44人中15人はバイトなどの非正規職員。

▶〔男の指示を受けて女性風呂で盗撮〕大分県別府市のホテルの浴場で、40代女性を盗撮したとして、30代の男女2人が逮捕された。2人は8月28日夜、浴場を訪れ、女がスマートフォンを持ち込んで女性を盗撮。異変に気がついた女性が警察に通報し、女は県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された。女は交際相手の30代男性の指示を受けて撮影したもので、男も同条例違反で逮捕された。〔掛札コメント〕日本で報道を見たのは初めてですが…。保育園で、園児の写真を盗撮するのは男性職員と思い込むのは危険。こういった写真は営利目的にも使用されますから。

▶〔不適切な行為で諭旨免職。11人が退職〕愛知県大府市の私立保育園で、保育士2人が諭旨退職。また、昨年4月~今年8月に11人の保育士が退職し、うち複数の保育士が園長の言動を理由とした体調不良を訴え、園長は降格に。今年1月頃から、「園児が無理に食事をさせられた」「園児に暴言を吐いた」などの訴えが保護者から相次いだため、8月6日に内部調査を始め、30代の保育士について「園児への厳しい言動や、無理に食べさせる不適切な行為があった」と判断。50代の主任保育士については土曜保育を勝手に断っていたことがわかり、「保育の否定は重大で、30代保育士への指導も十分だったと言えない」と指摘。ともに30日付で諭旨退職とした。園長については今年7月、「過度に厳しい言動があり、複数の職員が体調不良を理由に欠勤、退職した」などとして文書で注意、その後、主任に降格処分とした。大府市と愛知県は5月に監査を実施。

▶〔管理者を置かず、1000万円以上を不正受給〕兵庫県神戸市の認可保育所が、「管理者」としての業務を行っていない元園長を「管理者」として届け出、一昨年から昨年までの1年半あまりの間に約1065万円の給付金を不正に受給していたとして、新しい園児の受け入れを6か月間停止する処分を受けた。市は、不正受給と加算金あわせて約1380万円の返還を求める。運営会社側は「当時の担当者は退職しており、なぜ不正受給していたのかわからない。結果として責任を感じている」と説明しているという。

▶〔認可外保育施設に無期限の事業停止〕茨城県古河市の認可外保育施設が8月16日、児童福祉法に基づく無期限の事業停止を命じられた。認可外保育所に対する事業停止命令は県内初、全国でも2例目。県によると、同施設は2019年1月に開設。2020年3月の定期調査の際、基準に反し、保育士資格を持つ従事者を配置せずに営業していたことが判明した。市や県は、勧告や施設名の公表などを通して改善を求めてきたが、7月末までに改善の見通しが立たなかったという。

(8月5日)
▶〔園児の背中をたたき、懲戒処分〕滋賀県大津市は7月30日、園児の背中をたたいたとして保育士(女性、58歳)を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にした。 この保育士は6月22日、園内でこの児が他の児の背中を頭で強くつついているのを見つけ、この児を引き離して背中を3回たたいた。迎えに来たこの児の母親がその様子を見ていた。児にけがはないという。保育士は「他の子にけがをさせてはいけないと思い、とっさにしてしまった」と話しているという。

▶〔学童運営法人が不正受給〕神奈川県横浜市で学童保育3か所を運営するNP法人が、去年までの4年間に補助金約425万円を不正受給、赤字の補てんなどに充てていた。清掃活動の委託料などの名目で架空の領収書を作り、特に去年は、新型コロナウイルスの影響でほとんど活動がなかったにもかかわらず、1年間で300万円ほど不正に受給していた。法人は、不正受給した補助金を全額返納している。

(7月22日)
▶〔飲酒運転で衝突事故〕熊本県宇城市の保育士(32歳、女性)が飲酒運転をして衝突事故を起こしたとして、7月18日午後10時前、現行犯逮捕された。県道で運転中に中央線を越えて対向車と衝突。対向車の運転手は搬送された。容疑者の呼気からは基準値の約6倍のアルコール分が検出され、日夕方から宇土市内の居酒屋で酒を飲んでいたと話していて、「飲酒運転したのは間違いない」と容疑を認めているという。

▶〔わいせつ行為で逮捕〕徳島県内に住む30歳代の男が、2018年2月頃、勤務先の私立認可保育所で男児にわいせつな行為をしたとして、7月16日、強制性交容疑で逮捕された。今年3月、児の保護者が保育所に相談して、発覚した。〔掛札コメント〕「県内に住む30代の男」では、後でチェックのしようもありません。別の園で就職したらどうするのでしょう? (そのような事例、知ってます…)

▶〔児童の個人情報ファイルが紛失〕三重県松阪市の小学校で、職員室の引き出しに保管されていた児童約90人分の個人情報のファイル(3冊)が紛失した。7月7日朝には確認されていたが、その日の昼前に紛失したことが発覚したという。この学校では日中、ファイルを保管する引き出しに鍵はかけておらず、使用者も記録されていなかった。

(7月12日)
▶〔保育士、性的暴行で逮捕〕宮城県仙台市の保育士(32歳、男)が、6月10日午後4時半頃、市内の建物内で13歳未満の女子に対し性的暴行を加えたとして、強制性交等の疑いで逮捕された。関係者から警察に届け出があり発覚。調べに対し、容疑を認めているという。

▶〔学童施設で強制わいせつ〕神奈川県小田原市の団体職員(46歳、男)が7月8日、強制わいせつの疑いで逮捕された。逮捕容疑は2020年12月上旬、当時働いていた平塚市内の学童保育施設で、市内の小学校高学年の女児にわいせつな行為をしたもの。容疑を認めているという。事件当時は施設内に他の児童や職員もおり、容疑者は人目につかない場所に女児を連れて行ったという。児から被害を聞いた両親が同署に相談した。容疑者はこの施設を解雇されたが、その後に同様の施設で勤務していた。

(7月2日)
▶〔園長が1100万円以上を流用〕島根県益田市の私立保育園の元園長(50代、女性)が、少なくとも2016年以降、取引先との虚偽書類を作成するなどの不正経理をした総額が計約1100万円にのぼることが6月20日、わかった。全額を引き出していた。保護者会の預かり金の流用なども確認され、法人は流用した金額を調査中。5月15日付で懲戒解雇。聞き取り調査に対し、元園長は親族の学費や生活費、医療費に使ったと説明したという。現時点で本人らから計約630万円が返金された。

▶〔少なくとも20人が性暴力で保育士登録取消〕全国の保育士のうち、過去10年あまりで少なくとも20人が子どもへの性暴力を理由に保育士登録を取り消されていたことがわかった。朝日新聞が昨年12月〜今年1月、全国の47都道府県と、国家戦略特区として地域限定保育士制度のある政令指定都市の仙台市にアンケートを実施したもの。2010年度から昨年12月1日時点までに、男性52人、女性39人、性別未回答22人が保育士登録を取り消されていた。不適切な性的関わりが取り消しの原因だったのは男性35人で、うち20人が教え子への行為。昨年4月現在、保育士登録数は累計約166万人で、女性約158万人、男性約8万人。登録制度が始まった2003年以降で男性67人、女性60人の登録が取り消された。
 禁錮以上の刑を受けた場合や、児童福祉法などに違反して罰金刑に処された場合などは、刑の執行が終了してから2年間は登録ができない。しかし、登録の取り消しには、保育士などからの自己申告や、事件を知った都道府県の職員が裁判を傍聴するなどして状況を把握する必要がある。そのため、過去には犯歴のある保育士の登録を取り消せていなかった事案もあった。

▶〔ベビーシッターが利用者宅で窃盗〕ベビーシッター仲介サイト大手は6月24日、同社登録シッターが利用者宅で窃盗事件を起こしていたとホームページで公表した。事件があったのは23日。利用者の自宅で預かりサービスの提供中だったという。同社の登録シッターを巡っては、昨年4月以降に2人のシッターが利用者への強制わいせつなどの疑いで相次いで逮捕されたほか、今年1月には法律で義務づけられている都道府県への届け出をしていないシッターがいるなどの問題を内閣府から指摘された。

(6月17日)
▶〔5人に対するわいせつ行為を認める〕強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)罪に問われた福井県敦賀市の市立保育園保育士(男、23歳)が、起訴分を含め計5人にわいせつ行為をしていたことが6月2日、わかった。同日、地裁で開かれた公判で明らかになったもの。男は昨年1月から12月ごろにかけて、計5人の子どもに対して体を触ったり自分の下半身を触らせたりするなどのわいせつ行為をしたと認めた。5人中4人に対する行為は、複数回に及んだとした。犯行に至った経緯について、「幼児の描かれた成人漫画を見る中で、高校生の頃から小児性愛の性癖に気付いた」と述べた上で「自分の性癖を軽く見ていた」と話した。〔掛札コメント〕役立つリンクのこちらの下のほうに、相談できるセンターの情報を置いてあります。これは「趣味」や「癖」ではなく、障害なので。

▶〔わいせつ行為予防で市立10園にモニターカメラ〕上の件に関連して、福井県敦賀市は5月31日、市立10園の園児が使用する部屋にモニターカメラを設置すると発表した。市は「二度と起こさないよう、隙をつくらないため」と説明している。1部屋1台ずつ計67台を設置、部屋の構造に合わせ、360度カメラか広角カメラとし、事務室でモニターする。録画もできる。10月にも運用開始。31日に発表した補正予算案に2289万円を計上した。〔掛札コメント〕モニターカメラで予防できるなら、話は簡単なんですけどね…。

▶〔元保育士に懲役12年の判決〕一昨年3月から昨年9月の間に園児3人に対するわいせつ行為等をし、14件の罪に問われていた静岡県富士宮市の元保育士(32歳、男)に対し、6月14日、地裁は懲役12年(求刑15年)の判決を言い渡した。「被告はあらかじめ被害者らが施設を利用する予定を確認し、撮影のためにデジタルカメラを準備するなどしていて、いずれも計画的だ」と指摘。「立場などを利用しており、被害者らの尊厳を踏みにじる身勝手で自己中心的なもので、常習性は顕著だ」など。

(6月3日)
▶〔デイサービスで不正受給、虐待〕神奈川県川崎市の障害児放課後等デイサービス、2施設(同じ運営主体)が不正受給等を重ねたとして4月30日、指定取消および指定停止の処分を受けた。市は運営主体に追徴金を含め計約4370万円の返還を求める。市によると、1施設は指定申請時に職員の実務経験証明書を偽造し、無資格者を児童指導員と申告。勤務実態が無い職員も配置するなど人員基準を満たさず指定を取得し、開設の2020年4月から10カ月間、障害児通所給付費を不正に取得した。もう1施設は無資格職員の配置など児童相談員が不足した状態で運営した上、恒常的に定員を超えた状態(最大15人)でサービスを提供した。また、職員1人が通所男児のズボンを他の子どもらの前で下ろすなどの虐待、施設長が子どもの口にホースを無理やり入れ、水を流すなどの虐待行為もあった。いずれも2020年11月に市への通報で発覚。

▶〔保育士のわいせつ行為で市と園長の責任を問う裁判〕北海道札幌市の市立保育園で保育士が園児にわいせつ行為をくり返していた事件で、被害児と両親が原告となり、市に損害賠償を求めた裁判の初の口頭弁論が開かれた。逮捕のきっかけは、昨年1月、原告となった母親が子どもの被害を目撃、警察に通報したことだが、園長は一昨年8月ごろからわいせつ行為を知っていたにも関わらず、保育士を勤務させ続けていた。園長は、逮捕の10日ほど前になって、再び別の保護者からわいせつ行為の報告を受けて初めて札幌市にも報告していたが、園長と札幌市は保育士を謹慎させるなどの対応を怠ったという。原告は、園長が適切な措置をとらなかったことで性被害にあったとして、あわせて330万円の損害賠償を請求。札幌市は、園児に対する賠償責任は認めるものの、賠償額や両親への賠償責任については争う方針。この保育士は、3年近くにわたって保育園の3~6歳男児あわせて14人に対し、下半身を触るなどの強制わいせつやその様子を撮影した児童ポルノの製造をくり返したとして去年10月、地裁から懲役10年の判決を言い渡されている。

▶〔園長に執行猶予付き懲役2年の判決〕福島県二本松市の私立保育所で2020年、1~3歳児3人に暴行を加えたとして逮捕された園長に対し、5月28日、懲役2年(求刑通り)、執行猶予5年の判決が言い渡された。「園児の身体的な苦痛だけでなく本来守ってくれるべき保育所の先生から暴行を加えられた精神的な苦痛は大きい」「園長という立場で犯行は非常に悪質」と厳しく指摘。その上で被告が「今後保育に携わらない」と述べていることなどを踏まえ、執行猶予付き。

(4月23日)
▶〔不適切な保育、345件を確認〕2019年度、全国で子どもへの暴言や乱暴な関わりなど「不適切な保育」が345件確認されたことが4月12日、厚生労働省の初めての実態調査からわかった。調査では、不適切な保育を「子どもの人格、人権尊重の観点から、改善を要すると判断される行為」と規定。1063自治体から回答を得、回答率は59.5%。2019年度に立ち入りや聞き取り調査を行ったのは175自治体で、うち96自治体の計345件が該当するとした。類型別では「罰を与える・乱暴な関わり」が最も多く、次いで「子ども一人一人の人格を尊重しない関わり」などだった。結果をもとに厚労省は自治体向けの対応指針を策定する。〔掛札コメント〕回答率は60%。事案があって調査を行ったのは、回答をした自治体のうち16.5%。そもそも調査をすべきだったのにしていない自治体もあるはず。そして、そもそも回答してくる自治体は問題がない(と思っている)所のほうに偏るだろうから…。実態は推して知るべし。

▶〔わいせつ罪で追起訴〕福井県敦賀市の保育士(23歳、男性)が、勤務先で保育園児にわいせつな行為をしたとして強制わいせつ罪で起訴された事件で、福井地検は4月12日、児童買春・児童ポルノ禁止法(製造)違反と強制わいせつの罪で追起訴したと明らかにした。

(4月10日)
▶〔同僚の財布から現金を盗み、懲戒免職〕さいたま市は、職場の更衣室等で同僚3人の財布から昨年数回にわたって現金合わせて47万円を盗んだとして、子ども家庭総合センターに勤務する保育士(28歳、男性)を3月30日付で懲戒免職処分とした。2人が被害届を出し警察が捜査をしたところ、もう1件の被害も発覚した。「誰も見ていなければ取っても大丈夫だと思った。手持ちのお金が増えればと思った」と、話しているという。〔掛札コメント〕実際はよく起きているんですけど、泣き寝入りしているんですよね…。警察に被害届を出しましょう!

▶〔学童指導員の高圧的な様子が動画で拡散〕鹿児島県志布志市の学童保育施設で、支援員が高圧的な言葉で指導、子どもが号泣している様子を映した動画がネット上で拡散。運営を委託している市は、取材に「行き過ぎた指導があった」と認めた。動画は4月1日に撮影されたもの。泣いている児に「名前は?」「大きな声で言え」「秒数がすすんでいくよ」と厳しい声が浴びせられている。保護者とみられる投稿によると、児は新1年生で、この日が初めての学童だった。市が運営体に直接ヒアリングしたところ、施設側も(支援員の)口調が強く、行き過ぎがあったことを認めて、「児童・保護者に大変申し訳ないことをした」と反省しているという。

▶〔強制わいせつで逮捕・起訴〕福井県敦賀市の公立保育園の保育士(23歳、男性)が去年3月に、また去年10月には別の女児にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪で起訴された。今年1月、保護者から警察に相談があり発覚した。被告は他の保育士がいないすきを狙い、園児が就寝している際に犯行に及んでいた。

(3月21日)
▶〔調査表を紛失〕千葉県袖ケ浦市は3月17日、市立保育所で1歳児12人分の「幼児生活調査表」を紛失したと発表した。「調査表」には名前や住所、保護者の勤務先、家庭状況などが記されている。職員2、3人が4、5日に調査表をもとに名札や名簿などを作成し、終了後に事務室のロッカーに入れて施錠したという。8日に確認した際、紛失に気づいたもの。

▶〔1年生の口に粘着テープを貼る〕秋田県湯沢市で小学校に勤務する50代の女性教諭が不適切な指導をしたとして厳重注意を受けた。この教諭は2020年9月、学習発表会の練習中に立ち位置を示すための粘着テープを手に「静かにできない人は自分で口に貼っても良いですよ」と1年生に私語を注意。その後の授業などで児童4人の肩や名札に粘着テープを貼り、うち2人の児童が自分の口にテープを貼った。帰りの会では、教諭が別の2人の児童の口に粘着テープを貼ったという。学校に寄せられた匿名の連絡で発覚し、校長や教諭が児童と保護者に謝罪した。市教委は不適切な指導だったとして懲戒処分には当たらない厳重注意とした。

▶〔強制わいせつで再逮捕〕3月8日、元アルバイトで専門学校生(男性、28歳)が強制わいせつ容疑で再逮捕された。2019年4~8月の間に9日間、アルバイト先だった都内の託児所で小学1年生の体を触るなどした疑い。いずれも児童らが就寝中の夜から朝にかけての時間で、施設にいた職員は容疑者1人。女児を他の児童がいない部屋に連れて行き、脅していたという。同じ託児所で預かっていた別の女児2人の体を触るなどしたとして、今年1月と2月、強制性交と強制わいせつの容疑で逮捕されていた。

(3月8日)
▶〔児童名の入ったファイルを誤送信〕島根県出雲市の公立学校で3月3日、教員が誤って子どもの名前の入った一覧表を相手の分からないメールアドレスに送信した。教員が帰宅後、学校に残っている別の教員に名簿をメールで私物のパソコンに送るように依頼。メールは届かず、その後、メールアドレスの打ち間違いにより別人のアドレスに送られたことが判明したという。〔掛札コメント〕誤送信以前に、「名簿を私物パソコンに送れ」と言った時点で問題なんですけど。

▶〔個人情報が書かれた書類を古紙回収に〕兵庫県川西市の市立保育所の保育士が3月22日、個人情報が書かれた書類の束を無断で古紙回収に出した。24日朝、書類が散乱しているのを見つけた近隣の住民が回収して保育所に届けて発覚。中には、昨年度まで3年間の子どものアレルギーや指導計画、それに写真などの個人情報も含まれていたという。調査に対して、保育士は「個人情報があるとわかっていたが、処分方法に困り、捨ててしまった」と話しているといい、市は保育士を25日から自宅謹慎とした。〔掛札コメント〕個人情報が含まれた書類の処分方法を伝えていなかった市や園長の責任ではないのですか?

▶〔児童の名簿が紛失〕愛知県名古屋市昭和区の市立小学校で去年12月、区役所が卒業予定者を確認するために学校に送った6年生33人分の名簿が紛失した。名簿には児童の名前や住所などが書かれていた。学校側は、他の文書に紛れてしまった可能性が高く、外部への流出はないとしている。〔掛札コメント〕紛れて、たとえば古紙回収に出されたりしたら、「外部への流出」ですけど…。

▶〔保育料約3000万円を私的流用〕鹿児島県鹿屋市の私立認定こども園で、園長(40代、男性)が数年に渡って保育料を宝飾品の購入など私的に流用する不適切な会計が行われていたとして特別監査。私的利用の高級外車を法人名義でリース契約、徴収した保育料の一部を宝飾品の購入などに使っていたという。市が2020年6月以降、複数回聞き取りを行う中であいまいな点があったため、詳しい調査が必要と判断し、12月、特別監査に踏み切りったもの。不適切な会計は分かっているだけで約3000万円に及び、私的に流用した分は既に返金されている。理事長を2月末で解任され、兼務する園長職も2月末で辞任するという。

▶〔保育士、性的暴行で懲役6年〕2019年12月から20年2月にかけて、園児3人に性的暴行をした罪などに問われた千葉県野田市の元保育士(26歳)に対し、3月1日、地裁が懲役6年の判決を言い渡した。求刑は懲役7年。判決で裁判官は「児童らが被告を慕っていたことを悪用し尊厳を踏みにじった悪質な犯行で、口止めをしている点も卑劣だ。自己の性的欲求を満たすため犯行に及んでいて、その動機は身勝手極まりない」と指摘。「被告人の自己本意的な意思決定や犯罪性向は強い非難に値し、同種事案の中でも比較的重い部類に属する」などとした。

▶〔園児暴行で再逮捕〕福島県二本松市の認可保育所の元園長が再逮捕。2020年10月と11月、児の髪を引っ張ったり、上着を持ち上げたりするなどの暴行を加えた疑い。これまでに他の園児に対する暴行の疑いで2度逮捕されており、調べに対し「間違いありません」と容疑を認めている。元園長は通園するほとんどの園児に日常的に虐待を行っていたとみられ、この保育所は3月末で閉園する。

▶〔住所等の届け出をせず条例違反の疑い〕女児への強制わいせつなどの罪で起訴された大阪府の無職(31歳、男)が、性犯罪の前科があるのに住所などの届け出を知事にせず、府の「子どもを性犯罪から守る条例」違反の疑いがあることが3月1日わかった。条例があるのは大阪府と福岡県だけで、府が違反と認定すれば全国初のケースとなる。府警が2月、生活実態がない奈良県の父親のマンションに住民票を置いていると府に通知した。

▶〔学童保育指導員が逮捕〕大阪府堺市にある学童保育の元指導員の男(29歳)が、昨年10月、友人の娘に性的暴行をしようとしたなどとして逮捕・起訴され、警察は供述から学童保育でもわいせつな行為をしていた疑いがあるとみて調べている。児が被害について母親に話したため発覚した。

▶〔保育士が買春禁止法等違反で逮捕〕神奈川県愛川町の保育士(男、45歳)が2月24日、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)と県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された。2019年9月、横浜市の中学3年男子生徒に携帯電話のカメラで下半身の写真を撮影、送信させたほか、2020年10月、男の自宅で同生徒にわいせつな行為をした、としている。

(2月21日)
▶〔園児と保護者のデータを誤送信〕兵庫県丹波市は2月4日、市内の園児140人分の氏名や保護者の税額、保育料の軽減状況などが書かれたデータを他の認定こども園など14園に誤送信したと明らかにした。発生したのは1月26日。各園に該当園児のデータをメールする際、全該当園児分も添付してしまったもの。複数園から指摘があって発覚した。

▶〔USBメモリが紛失〕新潟県阿賀町の公立保育園で2月2日、個人情報が保存されていたUSBメモリーを紛失した。2日、職員がUSBを午後5時まで事務処理に使用し帰宅。3日、通常通り出勤し午後2時ごろ、事務処理をしようとして紛失に気がついた。職員で園内などを探したが見つからず、10日に所管課に報告した。担任している6人の園児の名前、生年月日、指導計画、保育経過記録が入っていた。

(2月21日)
▶〔保育士から園児への「心理的虐待」と認定〕東京都世田谷区の区立保育園で、保育士が園児の嫌がる不適切な行為を繰り返していた問題で、区は発覚した行為のすべてが「心理的虐待にあたる」と認定した。保育士の行為は、「昼寝の時間に二つ折りにした敷布団を園児の上半身に落とす」「行動がゆっくりの園児に『まだ終わってなかったのか』と言いながら、頭の上に音がするくらい(の強さで)両手を振り下ろしてあてた」「食事の際、泣いた園児を隣の部屋に1人にした」「泣いていた園児を年齢より下のクラスに連れて行った」「トイレでいたずらをした園児に対し、おむつを使用していないのに『トイレが使えないやつはおむつで寝かせるぞ』と言った」「昼寝の際、視界をふさぐように園児の顔にバスタオルをかぶせた」など9点。昨年10月、情報提供を受けて区が調査を開始。当初は園児に外傷がないことなどから「不適切な保育」としていたが、専門家ら外部の有識者でつくる検討会での見解を踏まえ、心理的虐待に当たると判断した。

▶〔障害児入所施設で虐待にあたる行為〕山形県は2月3日、新庄市にある県立障害児入所施設の男性保育士2人が、小学部から高等部までの子ども5人に対し、虐待にあたる行為をしていたと発表した。けがはなかったが、県は陳謝。昨年度から今年度にかけて、「指導中に逃げようとした子どもの背中を強くたたく」「出勤時のあいさつと称して子どもの頭部を揺さぶる」「あいさつが不明瞭だとして立たせる」などの虐待行為をしたという。昨年9月、児童相談所に匿名の電話があり、調査を開始。職員計56人と小学部から高等部までの計20人に聞き取りなどをし、虐待にあたる行為があったと認定した。保育士2人は「指導やスキンシップのつもりだった」などと説明しており、現在は子どもの支援業務から外れ、別の業務を担当しているという。

▶〔小学校講師、児を倒し、急性硬膜外血腫〕長野県軽井沢町立の小学校で講師(男性、42歳)が昨年11月13日、高学年の男児に体罰を加え、頭蓋骨骨折の大けがを負わせたと発表した。児童は通院しながら登校している。校庭で講師が低学年の児童2人とサッカーの練習をしていたところ、高学年の男児が割り込んできて低学年の児童にボールをぶつけたことに立腹。謝罪させるために男児を倒し、胸元を足で押さえつけた。その際、男児は鉄製の側溝の蓋に頭を強く打ち、病院に搬送。急性硬膜外血腫で緊急手術を受け、10日間入院した。講師は「カッとして抑えきれなくなった」と話しているという。

▶〔シッター運営事業者に是正勧告〕ベビーシッターと利用者を仲介する大手のマッチングサイト「キッズライン」運営事業者に対し、補助金の返還などを求める是正勧告が出されたと内閣府が発表した。1月25日時点でサイトに登録されている、国の補助事業の対象となる1680人のシッターのうち75人に法律で義務づけられた届け出が確認できないとして、シッター事業者でつくる「全国保育サービス協会」から1月29日、是正勧告が出された。是正勧告では、無届けシッターの人数や活動期間を確定させて補助金を返還することや再発防止策を講じて報告することなどを求めている。

▶〔企業主導型23施設に助成金返還を求める〕企業主導型保育施設に対する国の助成制度で、昨年度、全国23施設が不正受給などを理由に助成を取り消されていたことがわかった。支給された助成金のうち少なくとも9億7000万円余りを返還するよう求めている。一部の施設は助成金の返還に応じていないということで、国は返還を求める裁判を起こしている。このほか、33施設が資金や児童を十分に確保できなかったり、予定どおりに土地が取得できなかったりして保育事業を取りやめたという。

▶〔強制わいせつで再逮捕〕アルバイトをしていた東京都内の託児所で女児の体を触るなどしたとして、専門学校生(男性、28歳、八王子市)が強制わいせつの疑いで2月10日までに再逮捕された。2019年8月21日午後11時から22日午前4時の間と、同月27日午後11時から28日午前5時の間、就寝中だった女児の服を脱がし、わいせつな行為をした疑い。当時施設にいた職員は容疑者だけだったという。昨年12月、小学生の女児を遊びに誘い、「断ったら殺す」などと脅したとしてこの男を脅迫容疑で逮捕、証拠品として押収したパソコンなどからわいせつ行為を記録した画像が見つかり、現場となった託児所を特定。今年1月、利用していた別の幼児への強制性交容疑で再逮捕していた。

▶〔強制わいせつで逮捕〕大阪府大阪市福島区に住む会社員(男性、31歳)が昨年8月、勤めていた児童施設で、6歳男児に対し、送迎の車の中でわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いで逮捕された。児の父親が警察に通報して発覚した。

▶〔キャンプイベントでわいせつ行為、逮捕〕広島県警は1月26日、ボランティアとして参加したキャンプイベントで男子小学生にわいせつな行為をしたとして、住所不定、無職の元ベビーシッター(男性、29歳)を強制性交などの疑いで逮捕した。容疑者はこれまでにも、同様のキャンプやマッチングアプリでのシッター依頼で、複数の男児に同様の行為をしたとして警視庁と神奈川県警に逮捕されている。5~11歳の男児ら7人にわいせつ行為をしたとして、強制性交罪などに問われ、東京地裁で公判中。

▶〔暴行・殺害犯が再逮捕〕東京都豊島区で女性の部屋に侵入し暴行・殺害したなどとして逮捕・起訴された保育士(29歳)が、昨年11月、小学生の女の子にわいせつな行為をした疑いで再逮捕された。下校途中で、周辺の防犯カメラの映像を分析したところこの男によく似た人物が写っていたという。

▶〔保育士が性的暴行で逮捕〕東京都府中市で2月16日、保育士(男性)が路上で20代の女性に性的暴行を加え、全治およそ1週間のケガをさせた疑いで逮捕された。2人に面識はなく、容疑者は帰宅途中の女性の後をつけ、「騒ぐな」などと言って人気のない路地に連れ込み、犯行に及んだという。調べに対し、「知人とケンカしてイライラしてやった」などと容疑を認めている。

(1月24日)
▶〔児童養護施設で虐待〕埼玉県熊谷市にある児童養護施設の卒園生が職員から虐待を受けたとして、県に調査を行うよう昨年12月、通告したことを受け、施設側が記者会見を行い虐待の事実を一部認め、謝罪した。通告にあった中で、7~8年前、当時の副園長がモップの柄を男性の足に挟んで正座をさせたことは事実だと認め、謝罪したもの。施設ではこの内容を一昨年把握、この副園長を降格処分にした。別の職員からの暴力や、施設の子ども全員が日常的に虐待を受けていたなどの内容については調査中としている。

▶〔園児に暴行、逮捕〕福島県二本松市の認可保育所で園児1人に暴行したとして、元園長で会社役員(女性、53歳)が暴行容疑で逮捕された。他の園児への暴行の有無についても捜査している。昨年11月5日昼過ぎ、児の頭などを殴る暴行を加えた疑い。県警は認否を明らかにしていない。この保育所を巡っては、2019年4月以降、県が虐待の情報を得て立ち入り調査を計3回実施したが事実関係を確認できず、昨年11月17日の特別指導監査で確認し、改善命令を出した。



保育全般

(12月29日)
▶〔第三者評価実施は全体の6.6%〕保育所で第三者評価を受けたのは、2020年度に全国でわずか6.6%の1570か所だったことが12月27日、全国社会福祉協議会の集計(暫定値)でわかった。東京都など費用の補助が充実している自治体に集中し、青森、石川、岡山など12県ではゼロだった。全社協が全国の認可保育所2万3759か所(2020年4月1日現在)を対象に調べたもの。

▶〔保育士らが法人を相手取り提訴〕茨城県常総市の認可保育園で働く保育士ら7人(5人はすでに退職)が6月25日、施設を運営する社会福祉法人を相手取り、未払い残業代計約1052万円を求めて地裁に提訴した。同法人に対しては、常総労基署が2021年3月2日、労基法37条(残業代未払い)に違反しているとして是正勧告を出している。法人側は支払いを拒絶。是正勧告後も未払い賃金はないと主張しているという。どんなに働いても残業代は月1200円ほどしかつけられず、2021年4月には法人の理事長が原告らの自宅を訪問して、現金20万円を手渡し、内容を説明しないまま「領収書」に署名させようとすることもあったという。また脚立から落ちた際、「労災にはできない」と言われたとことも。別の20代の保育士は、朝7時に出勤して4時過ぎに退勤するまで、約9時間トイレにも行けなかったこともあるという。

▶〔園長をめぐり指導を求める請願書〕長野県佐久市にある私立認可保育園で昨年春以降、園長(当時)を含む保育士らの労働組合が理事長の解任を求める嘆願書を提出、この3月末には職員の約2割に当たる保育士9人が一斉に退職した。現在の理事長は昨年春に就任。その後、理事長から威圧的な言動を受けたとして保育士らが改善を求めて、昨年6月に理事長の交代を求める嘆願書を法人に提出。7月には労働組合を組織した。その後、組合の中心メンバーだった園長は職を外され、保育士として勤務している。…(このニュースの後)…保護者会と職員は理事長のパワハラなどが原因として、4月21日、市に指導を求める請願書を提出した。

(4月10日)
▶〔小規模施設で職員全員が退職〕兵庫県神戸市中央区の認可保育所で、保育士全員(7人)と施設長が、給与削減やハラスメント行為など不適切な経営を理由に3月末で一斉に退職することが3月30日わかった。運営会社の代理人弁護士によると、2019年秋から人件費抑制のため給与カットを実施。賞与や一時金の不払いに加え、勤務表の偽造があったことも認めている。保育をサポートする「子育て支援員」を勤務しているように市に虚偽の報告もしていた。会社側の意向調査に対し、保育士と園長が退職希望を示し、2月には神戸市に調査を求める嘆願書を提出。運営会社は3月19日、保護者説明会で「会社の内部体制が不完全でオーナーの不適切な関与もあった」と謝罪。2021年度は経営体制を刷新し、新たな保育士も確保したと説明したという。一方、保育士らは、昨年3月、会社側から社員の誕生日会への出席を強要されるなどのハラスメントがあったと主張。

▶〔給与減と対応に不満で17人が退職〕群馬県藤岡市の私立認可保育園で、保育士18人のうち17人が3月末で退職することがわかった。園は4月以降の運営に支障はないとしており、市は静観するという。園によると昨年3月、新たに入園する園児が募集を40人下回り、市の補助金が減る見通しとなったため、全保育士に今年度の基本給が前年度比減になると書面で伝えた。保育士側の要望を受け、園は翌月に対面で説明し、全員が契約書に押印したという。だが、7月支給の賞与も減額となり、保育士数人が改めて園側に説明を要求。園は8月に賞与を追加支給したが、9月1日までに保育士17人が今年度限りでの退職を申し出たという。このため、園は新年度の園児の定員を120人に減らし、運営にあたることにした。園は一斉退職について、今月22日に文書で、23日にメールで保護者に通知。

▶〔一斉退職で労働審判開かれる〕宮城県涌谷町で、運営する社会福祉法人の理事長からパワーハラスメントを受けたとして保育園を退職した保育士ら元職員12人が、退職を余儀なくされた精神的苦痛への慰謝料など計約2600万円の損害賠償を求めた労働審判の第1回期日が3月29日、仙台地裁であった。法人側は書面で違法なパワハラ行為はなかったとの認識を示した。和解に向けた協議をし、折り合わなかったという。申し立てによると、理事長は園長に就いた2015年4月から2020年3月、職員を大声で威嚇して問い詰めたり、特定の職員を無視したりしたとされ、パワハラにより適応障害と診断された職員もいたという。職員は労働組合を結成。団体交渉で十分な説明を受けられなかったなどとして、2020年3月末に組合員が退職届を提出。理事長が園長を辞職することを条件に一度は退職を撤回した。理事長はその後、園の施設管理者となり、同11月、申立人を含む17人が退職した。

▶〔小規模園で一斉退職〕静岡県磐田市の認可保育園で、保育士の半数以上が一斉に退職していたことがわかった。3月、「職員が大量に辞めることになった」と園から連絡があった。これまで保育士8人が勤務していたが、先月末までに6人が退職し、残る2人も同じ会社が運営する別の保育園に移ったという。保育園は新たに4人の保育士を確保し、7人の園児が通っているが、園児の新規受け入れは停止している。市が行った聞き取りに対して、退職した保育士は「園の代表と保育の理想に関して食い違いがある」「意見が通りづらい」などと話しているという。

(3月21日)
▶〔前会長について告訴状を提出〕日本私立幼稚園連合会の基金など約4億円が不正に出金された問題で、前会長らが関与した疑いがあるとして、同連合会が3月11日、業務上横領容疑などで警視庁に告訴状を提出した。2017年度からの3年間で災害対策や国際交流の名目で積み立てられていた計約3億2千万円が、理事会の承認なく不正に引き出されたり、宿泊費やタクシー代として支出されたりしていた。このほか20年度にも約8千万円の不正出金が確認されたという。前会長は昨年11月に辞任。内部調査に対して偽造した通帳を示して発覚を逃れようとしたという。私的流用は否定する一方、監督責任をとって1億5千万円を弁済した。

(3月8日)
▶〔パワハラ問題で保護者会が請願書〕宮城県涌谷町の保育園で、元職員が理事長からパワーハラスメントを受けたとして集団退職した問題で、園の保護者会が法人への指導監査を徹底するよう求める請願書を県議会に提出することが2月26日わかった。請願書では、法人運営の透明化と再発防止を図るため、指導監査の徹底や、法人と保護者が話し合う場の設置、元職員の一斉退職に至った経緯を検証することを求めている。保護者会は昨年12月、保護者への全体説明会開催を理事長に要望。理事長は新型コロナウイルス感染予防を理由に、1回10人程度で複数回に分散する方針を示した。保護者会の有志約50人が理事長に全体開催を直談判したが、理事長は対面を拒否。インターホン越しに「敷地に入らないで」などと返答して警察に通報する騒ぎになった。保護者会は、理事長との信頼関係が崩れたとして、請願書提出に至ったという。

(1月24日)
▶〔保育士自殺で損害賠償〕長崎県長崎市内の私立保育所で2017年、40代の保育士が自殺した件について、地裁は業務と自殺の因果関係を認め、運営法人に慰謝料等として3500万円余の支払いを命じた(遺族は約8000万円の損害賠償を求めた)。保育士は2016年、保育所で起きた虐待騒動をきっかけにうつ病を発症。職員のカウンセリングや負担を軽減するため業務の見直しが行われたものの、症状は悪化。裁判長は「虐待騒動の影響や関連する心理的負荷がうつ病の発症から自殺に至るまでの大きな要因になっていた。女性の心身の健康を損なわないようにするための措置は十分であったとはいえない」などとして、保育所側が安全配慮義務違反をしていたと認めた。

▶〔パワハラによる集団退職の対応で保育施設を新設へ(後追い記事)〕宮城県涌谷町は、新年度に町内施設を改修して小規模保育施設を新設する方針を決めた。民間保育園からの転園を希望する0~2歳児に対応するのが目的。改修、保育園として認可した上で貸し出す(仙台市のNPOが運営する方針)。改修費として上限2200万円を補助する。民間保育園で保育士ら17人が昨年11月末、法人理事長からパワーハラスメントを受けたとして退職して以降、保育士不足が続いている。町によると、同園の保育環境を不安視した転園希望が多く、すでに10人が町内の2つの保育園に転園したが、それ以上の受け入れに余裕がない状態という。

(1月10日)
▶〔保育士5人が一斉退職〕神奈川県横浜市神奈川区の認可保育園で、常勤保育士8人中5人(調理職員3人中2人も)が一斉退職することがわかった。12月31日付の退職届。市は園への立ち入り調査などを通じて指導や助言を行う一方、園の来年度の園児新規預かりを一時取りやめしている。この園は4月開園。退職届を提出した保育士の一人は取材に対し、「園児の安全対策などの改善を求めてきたが、聞き入れられなかった。力至らず、園児や保護者に申し訳ない」と話した。



アレルギー、食

(12月29日)
▶〔発注ミスで食物アレルギー〕長野県松本市で12月23日、東部学校給食センターが市内小中学校で提供した学校給食にアレルゲンの「乳」が誤って含まれ、5人の児童生徒がアレルギー症状などを発症した。食材の発注ミスに起因するもの。

▶〔アルカリ洗剤が牛乳に混入〕12月8日、大阪府大阪市の小中学校7校で給食の牛乳を飲んだ後児童や生徒ら27人が異臭や腹痛、吐き気などを訴えた件で、製造元の乳業会社の調査を行った結果、12月7日午後、牛乳の充填作業中、誤って、殺菌に使う設備の洗浄に用いたアルカリ洗剤が混入したことがわかった。最大2950本の牛乳に洗剤が混入した可能性があるという。

(11月18日)
▶〔給食に金属片〕10月29日、三重県津市の幼稚園で、給食の中におよそ5ミリの金属片が混入していた。1歳児のクラスで保育教諭が園児に給食を食べさせていたところ、食器の中からおよそ5ミリの金属片が見つかったという。その後、野菜の裁断機の一部が欠けているのが見つかり、市はこの裁断機の一部が混入したとみている。

▶〔連絡ミスで給食が用意されず〕兵庫県三田市の小学校で10月4日、2年生の校外学習日が誤って伝えられたため、給食を準備されず、緊急時用の代替給食を提供した。対象は児童と教員の計89人。校外学習は本来5日だったが、担当教員が4日と誤って給食センターに伝えていた。同センターに備蓄している緊急食のレトルトカレーライスなどを提供。アレルギー対応が必要な児童1人には、教員分の通常給食で対応した。市の担当課は、学校内で複数回、複数の教員で確認する必要があったとし「他の学校にも周知徹底を図る」とした。

▶〔賞味期限切れ乾パン。異物混入〕岡山県備前市の小学校で、防災食用の乾パンを更新するため、10月12日の給食に出したところ、一部のパンが賞味期限を約3カ月過ぎていた。生徒や教職員計16人が食べた。児童が包装袋の日付に気づいたもので、学校側の確認不足という。また、別の小学校では10月19日、1年の担任教諭が配膳した際、「ひじきの炒め煮」の鍋からナイロン製の糸(長さ約20センチ)とみられる異物を発見。調理などの過程で混入したとみられる。

(10月24日)
▶〔職員室に届いた給食に異臭と変色〕愛知県岡崎市の小学校で10月8日、職員室に届けられた給食のおかずを確認したところ、異臭と変色が見られ、おかずの提供を中止。発覚後、保健所がおかずの中身を調べたところ、大腸菌などの細菌が検出されたという。通常、給食センターから学校に届けられた給食は、職員室に届くまでの間に2度中身を確認するが、その際に異変はなかったという。市教委は、何者かが異物を混入した可能性もあるとみて、警察に相談している。

▶〔かけるものを間違えてアレルギー反応〕岐阜県岐阜市の小学校で10月19日、くるみアレルギーのある3年生がアレルギー反応を起こし、救急搬送された。担任教諭(30代男性)は配膳の際、本来、タラの唐揚げにキノコあんかけをかけるところ、誤って、くるみのみそをかけるように指示した。献立表のイラストで、あんかけ部分が茶色に描かれていたことから、教諭が勘違いしたとみられる。生徒が携帯していたアドレナリン自己注射薬を教諭が打ち、病院に搬送されたが、20日に退院した。

▶〔ヒスタミン食中毒〕東京都武蔵村山市の保育園で9月29日の昼食時、ヒスタミンによる食中毒が発生し、園児17人に発疹や顔面が赤くなるなどの症状が出た。園内で作られた給食を食べており、保健所は、給食に含まれていたさんまの梅みそ焼きが原因としている。都は、園に5日から4日間の給食の供給停止の処分を行った。〔掛札コメント〕「食中毒」と呼ばれますが、ヒスタミン食中毒はノロやカンピロバクター等と異なり、ウイルスや菌が増えるものではありません。ですから、園がよほど長期間、食材(たいていは青魚)を不適切な条件で保存していない限り、園の責任ではなく、製造者や納品者の責任です! ヒスタミン食中毒についてはこちら

(7月22日)
▶〔たわしの一部が給食に混入〕7月12日、愛媛県新居浜市の市立保育園の給食(マカロニサラダ)から金属製のたわしの一部とみられる異物が見つかった。職員が見つけたもので、長さ1センチ程。すでに、おかずを食べていた園児もいたが、健康被害は確認されていないという。鍋を洗った際、たわしの一部が付着したとみて、調理器具に異物が付着していないか点検するとともに、公立保育園で金属製のたわしを使用しないよう指示した。〔掛札コメント〕たわしやザルの破片まで混入させるなと言われたら…無理ですよ。

(7月12日)
▶〔パンから髪の毛〕三重県鈴鹿市の市立小学校で7月5日、給食のパンに髪の毛(約9センチ)が混入していたのがみつかった。2年生が黒糖パンをちぎって食べていた際に気付いたもの。パンは市内の製造業者の工場で作られたという。 〔掛札コメント〕どこまで「清潔」にすれば気が済むのでしょうね。新聞記事にするようなことでしょうか。

(7月2日)
▶〔アレルギー誤食で処分〕岐阜県高山市で給食にアレルギー食材が誤って混ざり、症状が出た問題で、市は6月16日、調理を担当した市学校給食センターの職員2人を戒告の懲戒処分とした。小中学校で5月に出したコーンスープに、乳成分を含むクリームコーンが混ざったもの。乳アレルギーがある13人に症状が出、うち3人は搬送された。監督を怠ったとして、別の職員を訓告、その他4人を厳重注意や注意とした。 ▶〔給食にガラス瓶の破片〕宮城県仙台市は6月18日、市立保育所で提供した給食の中にガラス瓶の破片が混入した可能性があると発表した。調理後、職員がトマトピューレが入っていたガラス瓶の縁が2.5センチほど欠けているのを見つけたもの。職員が調理中にガラス瓶の中からトマトピューレを出そうとして樹脂製のへらで瓶をたたいた際に、縁が欠けたとみられる。見つからない破片もあったことから混入した可能性があるとして、すぐに提供を取りやめたが、間に合わず、0歳児から2歳児の計20人がこの料理を食べたという。健康被害の報告はない。 〔掛札コメント〕これは調理後のチェックが成功した事例です! 間に合わなかったとはいえ、とても大切。

▶〔アジフライに2センチほどの金属片〕愛知県豊田市の市立中学校で、給食のアジフライに針金のような金属片(長さ18ミリ、太さ1ミリ)が混入していた。口にした生徒にけがはなく、同じ給食センターから提供された約2万2000食のアジフライで、同様の金属片の混入や健康被害は確認されていないという。調理に使った機材の使用を、安全性が確認できるまで中止する。

▶〔味噌汁にプラスチック片〕長崎県大村市の市立保育所で6月26日、給食の味噌汁に長さ7ミリ、直径3ミリ程度の筒状のプラスチック片が混入していた。味噌汁を食べた5歳児が気づいた時には、ほとんどの園児が食べ終わっており、体調不良の報告はない。保育所内の調理器具から混入した形跡は見られないという。

(6月17日)
▶〔アレルゲンが入ったハムを納入〕岡山県真庭市、美作市の教育委員会は6月1日、アレルゲンがないとして2018年3月から今年4月まで、学校、園の給食に提供されていたハムに、実際にはアレルゲン(乳成分や卵)が含まれていたと発表した。いずれも健康被害は報告されていない。真庭市では小学校やこども園など12カ所、美作市ではこども園と保育園の計2園で提供されていた。ハムは岡山市内の業者が加工し、別の業者を通じて納入。両教委は納入業者に対し、食品表示が改善されるまで加工業者とのハムの取引停止を指示した。

(4月23日)
▶〔スープに金属片〕島根県飯南町の町立小学校で4月20日、給食のスープに金属片のような異物(長さ約1センチ)が混入していた。健康被害はこれまでに確認されていないという。6年生がスープに浮いている異物を発見。校内放送で食べないよう呼びかけたが、他の学年で一部の児童がスープを口にしたという。給食は町の共同調理場で小中学校計6校分を調理している。

▶〔備蓄米に異物〕石川県金沢市の2つの市立保育所で3月18日、市の防災備蓄倉庫に保管していた備蓄用のアルファ米を使い、それぞれ100食分をおにぎりなどにしたところ、岩石片、ポリスチレン樹脂の混入に気づいた。岩石片は白色で米粒より小さく、ポリスチレン樹脂は直径約8ミリ、厚さ約2ミリでキャップのような形状だったという。口にした園児や保育士が違和感に気づいた。市は、備蓄倉庫にあった賞味期限目前の五目ごはんのアルファ米を13カ所の保育所などに提供。問題発覚後、未開封の残りの4950食分をすべて回収した。製造元や両保育所に調査したが、混入の原因の特定には至らなかったという。〔掛札コメント〕まさか、全部回収して廃棄とかしてないでしょうね? 災害時に「異物だ! 回収! 廃棄!」とか言うわけ? 上のスープの異物もそうですが、なんでもかんでも異物はダメ!って言うから(報道までするから)、ことの重大性の区別がつけられなくなっていくわけです。

(4月10日)
▶〔3学期に5件の異物混入〕兵庫県三田市は、市立の幼稚園や小中学校、特別支援学校で2020年度の3学期に出された給食で5件の異物混入があったと明らかにした。給食センターや食材納入業者で起きた混入が3件。サラダに体長約1.1センチのクモの死骸が入っていたケースは、児童が食べている途中で気付いた。約1センチのビニール片も見つかった。同センターでは同様のビニール製品を扱っておらず、混入経路は特定できていないという。委託先の炊飯工場でも、たわしの繊維と毛髪の混入があった。〔掛札コメント〕混入をなんでも一緒くたに「混入」としていたら、解決もできないんですよ…。

(3月21日)
▶〔麺の揚げ過ぎで歯が欠ける。賞味期限を1年以上過ぎたドーナツを提供〕埼玉県朝霞市の市立小学校で3月11日、給食の皿うどんを食べた児童6人と教諭1人の歯が欠け、うち3人が歯科医院で治療を受けた。同校の施設で調理員が麺を揚げる際、提供時間に間に合わせようと一度に多くの麺を油に入れたところ、油の温度が下がり、揚げ時間がわからなくなって揚げすぎたという。口の中に傷ができた児童も数人いた。また、同校では10日、卒業祝いの給食で提供されたドーナツ25個中5個が賞味期限を1年以上過ぎていた。食べた6年生2人に健康被害は確認されていないという。ドーナツは県学校給食会が納入した。 児童3人は期限切れに気付き、食べなかった。

(3月8日)
▶〔パンにホチキスの針〕佐賀県佐賀市の小学校で3月3日、給食に出されたパンにホッチキスの芯(長さ約12ミリ、幅5ミリ)が混入しているのが見つかった。給食当番の児童が配膳を行う際、パンの表面に金属片のようなものを見つけ、担任に報告した。全校児童のうち47人が給食を食べ始めていたが、これまでに体調不良を訴える児童はいないという。ビニールの内側だったことから、教育委員会はパンの製造過程で入ったのではないかとしている。

(2月21日)
▶〔サラダに二重リングが混入〕2月8日、新潟県燕市の市立保育園で給食に直径約2センチのリング状の金属片の異物が混入した。年長児クラスの児が、給食を食べる前にサラダに異物が混入していることに気づいた。異物はキーホルダーなどにも使われる、ステンレスの二重リング。調理室では調理器具の柄の先などいろいろな所で使われているが、9日までに特定はできていない。(その後のニュースで)混入したのは「オーステナイト系のステンレスと考えられた」という(2月18日発表)。混入経路の特定には至っていない。

(1月24日)
▶〔給食に針が混入〕山形県山形市の中学校で給食に、約5cmの裁縫用針が混入しているのが見つかった。1月18日、スープを飲んでいた生徒がお椀の中にあるのを見つけ、担任に報告した。ケガはなかった。 スープは市の学校給食センターで作られたものだが、担当者は「作る工程で混入する可能性は低い」と話している。校内で混入した可能性もあるため、針が見つかった学校では念のため、今後は生徒の裁縫道具を施錠できる場所に保管するという。

▶〔給食に金属片〕岡山県真庭市で1月14日、市立5幼小中学校に提供された給食のあえ物に金属片が混入した可能性があった。学校給食共同調理場で、野菜をカットするスライサーの刃(厚さ2ミリ)が長さ1センチほど欠けているのを調理員が調理後に発見。約500食分作り、幼稚園では園児ら20人が食べていたが健康被害の報告はない。他の3小1中では給食を食べる前に回収された。刃の破片は見つかっていない。市教委は「原因を究明し、安全安心な給食の提供に努める」としている。〔掛札コメント〕刃が折れる原因はありません。折れる時は折れます。見つけて、幼稚園以外は提供を止められたのですから、ほぼ成功事例です。

(1月10日)
〔誤食で戒告処分(!!)〕新潟県佐渡市は12月28日、2020年4月に市立保育園で小麦アレルギーがある園児が給食で小麦粉が入ったグラタンを食べて息苦しさなどを訴えた事故に関し、職員2人を戒告処分にしたと発表した。市長は報道資料の中で「このたびは、安心・安全であるべき保育園の給食において、食物アレルギー事故が発生し、園児、ご家族の心身に大きな苦痛を与えることとなってしまい、深くお詫び申し上げます。今後、二度とこのような事故が発生することのないよう、再発防止対策に全力で取り組むとともに、市行政に対する信頼回復に向け取り組んでまいります」とコメントを発表した。市では再発防止策として、医師を講師とした食物アレルギーに関する研修会の開催、職員配置の見直し、食物アレルギー対応給食マニュアルの見直しを実施したほか、今後も研修会などを実施していくという。〔掛札コメント〕園は医療施設ではありません。医療施設でもヒューマン・エラーは起こります。エラーをなくそうと必死になっている先生たちに処分を出すなんて、ありえない。処分されるとなったら「食事もおやつも出せない」「園なんてやってられない」という話になります。「二度と発生しないように」? 起きますよ、当たり前じゃないですか。市長だって役人だってミス(ヒューマン・エラー)はするんですから。



感染症

(12月19日)
▶〔O145感染〕岐阜県海津市の保育園で園児4人が腸管出血性大腸菌O145に感染。入院した園児はおらず、全員快方に向かっているという。11月27日以降、腹痛や嘔吐などの症状を訴えていた女児1人が今月6日に感染が判明。接触のあった園児や職員の検便を行ったところ、他の3人の感染が分かった。

▶〔6施設でノロの集団感染〕岩手県奥州市と一関市の6つの保育施設で、先月から12月15日にかけ、園児と職員あわせて155人が嘔吐や下痢など症状を訴え、ノロウイルスによる集団感染が相次いで発生したとみられる。0~4歳の園児9人が入院したが退院か、快方に向かっているという。いずれの保育施設でも、症状を訴えた人からノロウイルスが検出されている。県内では10月以降、保育所や認定こども園などでノロウイルスの集団感染が相次ぎ、今年度はこれで27件。去年同時期と比べて20件増えている。

▶〔ノロの集団感染〕千葉県習志野市内の保育園でノロウイルスによる集団感染。園児と職員の計34人に症状が出たが、いずれも軽症で快方に向かっているという。12月6日、複数の園児に胃腸炎の症状が出ていると保健所に報告。園児3人と職員1人の便を検査し、園児3人からノロウイルスが検出された。感染経路は不明。

(12月8日)
▶〔集団感染〕佐賀県伊万里保健福祉事務所管内の保育所で、11月20日から12月2日までに園児46人と職員1人あわせて47人がおう吐や下痢などの症状を訴えた。重症者はおらず、3人の便からはノロウイルスが検出されたという。

(11月18日)
▶〔ノロウイルスの集団感染、12か園に〕北海道旭川市内で10月22日に2園、23日に1園の保育所から嘔吐や下痢の症状の連絡があり、その後、11月16日までに計12の保育所でそれぞれ数十人規模のノロウイルスの集団感染が起きている。これまでのところ、複数の保育所に共通点や関連は確認されておらず、行事などもなかった。

(10月2日)
▶〔O157の集団感染〕東京都世田谷区の保育園で1、2歳の園児10人が腸管出血性大腸菌0157に感染。都内でO157の集団感染が発生したのは約4年ぶり。9月10日、医療機関を受診した園児1人の感染がわかり、保健所が調査したところ16日までに新たに9人の感染がわかった。園児と同じ給食を食べていた職員の中に感染者はいない。園では先月末までプールで水遊びを行っていたことから、保健所は、プールやその際のおむつ交換などで感染が広がった可能性もあるとみている。〔掛札コメント〕それが原因だろうとなんだろうと、「1歳、2歳(=排泄が自立していない児)にプールで水遊びをさせてはいけない」と厚生労働省の感染症対策ガイドラインに書いてありますよね。「役立つリンク」の「感染症」にプールで起きたO26集団感染の事例を置いてあります。

(9月5日)
▶〔O157の集団感染〕大阪府堺市の民間保育園で0~1歳児13人が腸管出血性大腸菌O157に感染した。いずれも軽症で回復傾向。8月2日に園児1人が下痢で医療機関を受診し、感染が判明。5日に検便で10人、医療機関への受診で2人の感染が分かった。

(8月5日)
▶〔園職員からサルモネラ菌検出〕三重県伊賀市の市立保育園で働く保育士1人からサルモネラ菌の陽性反応が出た。職員、園児で体調不良を訴えている人は出ていないという。7月19日に委託業者に提出した検体から、サルモネラ菌が検出されたと連絡があったもの。この保育士は26日午前まで出勤しており、今後は医療機関での検査で陰性が確認されるまでは保育業務を行わない。

▶〔園でO157集団感染〕奈良県香芝市の私立の保育施設で、腸管出血性大腸菌O157の集団感染。園児が発熱や下痢などの症状を訴え、医療機関を受診したところ、感染が確認された。7月25日までに1歳児クラスの6人と2歳児クラスの5人のあわせて11人が感染していることがわかった。同じ時期に一斉に発生していない、給食業務従事者は陰性だったことなどから、県は食中毒による感染ではないとしている。〔掛札コメント〕では、何が原因? 水遊びでしょうか?

▶〔集団食中毒、大腸菌が原因とみられる〕6月、富山市内で学校給食などの牛乳を飲んだ小中学生など、合わせておよそ1900人が下痢や腹痛などの症状を訴えた集団食中毒で、患者の便と牛乳から検出された大腸菌の型が一致したことから、食中毒の原因は大腸菌と推定されると会議で保健所が報告した。原因とされた大腸菌に病原性があるかどうかは、国立医薬品食品衛生研究所などが引き続き調査するという。食中毒が発生する2日前、牛乳を製造した富山市企業の周辺地域で落雷があり、殺菌機の温度センサーが故障、牛乳を十分殺菌できていなかったことが主な原因とみられるという。

(7月22日)
〔腸管出血性大腸菌の集団感染〕茨城県つくば市の保育園で、1~5歳の園児14人が腸管出血性大腸菌に集団感染。重症者はなく、いずれも快方に向かっている。県によると、市内の医療機関が3日につくば保健所へ園児1人の感染を届け出し、その後、16日までに13人の感染が確認された。同保健所が原因を調べている。

(7月12日)
▶〔ノロウイルス集団感染〕栃木県安足健康福祉センター管内の認定こども園で、6月22日~29日に園児29人、職員1人が嘔吐や下痢の症状を訴えた。30日にセンターで3人の検体を検査した結果、1人の検体からノロウイルスが検出された。ノロウイルスの集団感染とみられる。

(7月2日)
▶〔牛乳が原因とみられる大規模食中毒〕富山県富山市の小中学校と保育施設で教職員を含む1200人超が食中毒の症状を訴えた問題で、共通食材が牛乳だけだったことが6月18日、わかった。市は原因をほぼ断定し、同日までに製造業者を立ち入り調査。黄色ブドウ球菌による食中毒の可能性があるとみている。(その後)富山市保健所は23日、原因となった牛乳の6月15日と16日分から大腸菌群が検出されたことを明らかにした。一般的には大腸菌群は食中毒症状を引き起こすものではないことから、保健所は「症状を引き起こした原因物資ではない」とし、原因物質については現在も調査中と報告。 一方、食品衛生法では、大腸菌群が検出された牛乳は行政指導の対象であり、検出された時点で回収の対象となるものだとし、この事業所の衛生管理体制は不十分であったとの認識を示した。

(6月17日)
▶〔オウム病の集団感染〕滋賀県東近江市の事業所で4月上旬~中旬、発熱や肺炎の症状を訴えた60代と40代の女性2人は、オウム病だったと判明。ほかに男女13人に発熱の症状があったといい、職場で集団感染が起きた疑いがある。うち7人に肺炎の症状もあった。すでに全員が回復している。3月下旬ごろまで、事業所の入り口がハトのフンで汚れており、菌を吸い込んだ可能性があるという。オウム病はペットの鳥などから人に感染する。

▶〔O111の集団感染〕神奈川県横浜市の私立保育所で6月4日~14日、園児34人と職員4人が腸管出血性大腸菌O111に集団感染。いずれも症状は軽く、全員が回復に向かっているという。

▶〔園児30人、ノロウイルス集団感染〕栃木県の県北健康福祉センター管内の保育所で感染性胃腸炎が集団発生。5月19日に園児30人に嘔吐などの症状が見られたため検査したところ、ノロウイルスが検出されたという。栃木県内では、今年に入って6つの保育施設で胃腸炎の集団発生が確認されている。

(6月3日)
▶〔感染性胃腸炎/ノロ感染症3件〕●茨城県取手市の民営保育園で5月5~20日、園児と職員計41人に嘔吐などの症状が出、園児3人と保育士1人の便からノロウイルスが検出された。食中毒の可能性は低く、園児が嘔吐した後の消毒が不十分だったとみている。 ●福岡県福岡市は5月14日、同市東区と西区の3カ所の保育施設で感染性胃腸炎が集団発生したと発表した。園児と職員計38人が下痢や発熱などを発症、一部からノロウイルスが検出された。3施設に関連性はないとみられるという。 ●栃木県の県北健康福祉センター管内の認定こども園で5月15~26日、園児と職員合わせて44人に嘔吐などの症状があり、ノロウイルスが検出された。

▶〔保育所でO26集団感染〕北海道釧路地方の保育所で園児12人から腸管出血性大腸菌O26が検出された。4月19日から5月2日にかけて下痢や発熱、腹痛などの症状を訴えたため、保健所が全園児と職員を検査したところ、園児12人から腸管出血性大腸菌O26が検出された。

(4月23日)
▶〔北海道のノロウイルス感染症〕●北海道千歳保健所管内の幼稚園で、4月8~18日、園児53人と職員16人のあわせて69人が下痢やおう吐などの症状を訴え、うち4人からノロウイルスが検出された。千歳保健所管内では、今月に入って医療機関や社会福祉施設、保育所で、4件132人のノロウイルスの集団感染が発生している。(以下原文のまま)保健所では、このところ感染が相次いでいる理由は分からないとした上で、「新型コロナウイルスの対策で使われるアルコールでは、ノロウイルスを十分に消毒するのが難しい。せっけんを使った手洗いを徹底してほしい」と呼びかけています。 ●北海道釧路地方の保育所で今月4月11日~19日、園児12人と職員2人のあわせて14人が下痢やおう吐などの症状を訴え、複数人からノロウイルスが検出された。釧路地方の保育所での集団感染は今月に入って5例め。いずれの保育所も食事には問題がなく、それぞれ離れているため、関連性は低いという。 ●北海道十勝管内の3保育所で4月8日以降、、園児や職員の計39人が嘔吐や下痢などの症状を訴え、うち8人からノロウイルスを確認した。

▶〔水戸市でノロウイルス感染〕茨城県水戸市の認可保育園で4月8日以降、園児や保育士計31人に下痢や嘔吐などの症状が出、8人からノロウイルスが検出された。

▶〔カンピロバクター食中毒〕長崎県長崎市の保育園で4月3日以降、37人の園児と職員4人が下痢や発熱・腹痛などの症状を訴え、うち11人からカンピロバクターが検出された。41人が同時期に同じ症状を訴えたことから、園が提供した飲食物を原因とする食中毒事件と断定。保育園の提供メニューに生の鶏肉はなかったが、発症以前の1週間に複数回、鶏肉が提供されており、加熱不足や肉を切った包丁やまな板を介した二次汚染の可能性もあるという。

(3月21日)
▶〔ノロウイルス集団感染〕京都府京都市北区の認定こども園で、給食を食べた0~2歳児クラスの園児と職員ら30人が3月12日から下痢や嘔吐、発熱の症状を訴え、18人からノロウイルスが検出された。料理を食器に盛る段階でノロウイルスが付着したとみられている。

(3月8日)
▶〔中学校で700人以上がウェルシュ菌食中毒〕2月18日、埼玉県上尾市の教育委員会から連絡があり、保健所が調べたところ、市内の5中学校の生徒700人と教員18人の合わせて718人が下痢や腹痛などを訴えた。症状を訴えた生徒などからウエルシュ菌が検出され、症状が出た状況から17日に出された給食が原因の集団食中毒と断定。給食の共同調理場と各学校にある給食室で調理したメニューを出しており、この日は広東めんと手作りシューマイ、それにスイートポテトと牛乳だったという。〔掛札コメント〕大鍋で調理して、冷却が進まない時に増えるのがウェルシュ菌ですから、感染規模も大きくなります。

▶〔仕出し弁当でウェルシュ菌食中毒〕静岡県沼津市の小学校で児童など84人が体調不良を訴えた。給食が休止していたため、別の市の仕出し弁当業者が2月17日に提供した「鶏の照り焼き弁当」が原因と断定された。22日現在も9人が早退しているが、全員が快方に向かっているという。患者の便からウェルシュ菌が検出された。

(2月21日)
▶〔ノロウイルス集団感染4件〕●茨城県鉾田市の保育園で、感染性胃腸炎の集団感染が発生。園児と職員が嘔吐や下痢などの症状を訴え、ノロウイルスが検出された。重症者はなく、全員快方に向かっている。2月8日~18日までに0~5歳クラスの園児76人と保育士ら職員4人が発症した。調理従事者からノロウイルスは検出されなかったため、感染拡大の要因について県は、給食ではなく園児の嘔吐がきっかけになったとみている。●北海道江別保健所管内の保育所で、1月21日から2月9日にかけて園児と職員計58人が嘔吐や下痢などの症状を訴え、うち4人からノロウイルスが検出された。●北海道江別保健所管内の保育所で、ノロウイルスの集団感染が発生し、2月2日から18日にかけて、園児39人と職員5人の計44人が下痢や嘔吐、発熱の症状を訴えた。●北海道苫小牧保健所管内の保育所でノロウイルス患者の集団発生が確認された。1月18日から2月2日にかけて園児25人職員2人の計27人が嘔吐、下痢、発熱などの症状を訴え、4人からノロウイルスが検出された。

▶〔感染性胃腸炎2件〕●鳥取県若桜町の町立こども園で、2月1日までに園児33人と職員1人がノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎に集団感染。1月27日、園児3人に嘔吐や下痢などの症状が確認され、その後も相次いで他の園児や職員にも同じ症状が見られたという。最初に園児が嘔吐した際の消毒などが不十分だったことが感染の広がりにつながったとみている。●福島県郡山市は2月12日、市内の認可保育施設7カ所で感染性胃腸炎の集団発生が確認されたと発表した。10日時点で累計164人が感染し、いずれも軽症。多い施設で約50人の感染が判明している。市によると、施設内での感染が家族内で拡大し、きょうだいなどを通して別の保育施設でも広がったとみられる。市こども育成課は「コロナ対策で使われるアルコール消毒はノロウイルスが疑われる胃腸炎には効かないので、嘔吐物(おうとぶつ)などは次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤で消毒してほしい」と話している。●岩手県盛岡市内の保育園で感染性胃腸炎の集団感染。1月15~27日に園児41人職員2人の計43人が下痢や嘔吐などの症状を訴えた。

▶〔カンピロバクター集団食中毒〕新潟県長岡保健所管内の医療機関から保健所に2月5日、受診した幼稚園児2人の便からカンピロバクターが検出された旨の連絡があった。園児12人が1月30日から下痢、発熱、腹痛等の症状を呈しており、6人の便からカンピロバクターが検出された。保健所は、幼稚園が提供した飲食物を原因とする食中毒と断定した。

(1月24日)
▶〔腸管出血性大腸菌感染症〕宮崎県三股町の認定こども園で、腸管出血性大腸菌感染症O26の集団感染。医療機関からの届け出を受け、保健所が園児と職員などあわせて18人を検査したところ、1月22日までに計5人の感染が確認された。

▶〔ノロウイルス感染症4件〕●(これは後追い記事)山形県天童市の仕出し業者が12月に提供した弁当により発生した集団食中毒(ノロウイルス)の患者が1月12日までに559人にのぼっていることがわかった。12月21日にこの弁当を食べた人や職員などが発祥。12月28日時点で幼児77人を含む239人だった。皆すでに回復し、重症者はいないという。●宮崎県延岡市の保育所で感染性胃腸炎の集団発生があり、園児4人からノロウイルスが検出された。園児11人が嘔吐や下痢の症状を訴えた。●千葉県鴨川市内のこども園でノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団感染。0~5歳の園児46人、30代~70代の職員3人の計49人が下痢や嘔吐などの症状を発症した。重症者はいない。園が1月12日、複数の園児が胃腸炎の症状を発症し、欠席していると保健所に連絡、園児5人の便を検査した結果、全員からノロウイルスが検出された。●北海道の江別保健所管内の保育所で、園児9人、職員3人が下痢や発熱などの症状を訴えた。保健所はノロウイルスの集団感染とみて注意を呼び掛けている。保育所では、1月4日~14日にかけて園児らが下痢や発熱などの症状を訴えた。

(1月10日)
▶〔弁当でノロウイルス集団感染〕山形県天童市のノロウイルス集団食中毒で、県は12月28日、新たに幼児も含めた134人の患者が確認され、計239人に上ったと発表した。重症者はいないという。この業者が、幼児が通う施設に仕出し弁当を届けていたことが新たに分かった。134人のうち77人が1~6歳。調理従事者の便からウイルスが検出されていること、弁当以外に共通食材がないことから、調理従事者を介して食中毒が広まったとみている。



その他の安全、健康

(10月24日)
▶〔子どもの写真が別サイトに転載される〕千葉県内の私立幼稚園のブログに掲載されていた上半身裸のおむつ姿で水遊びなどをする園児の写真が、インターネット上で転載されていたことがわかった。園は8月上旬、自治体などの指摘で記事のリンクを削除した。しかし、記事自体はネット上に残り、閲覧できる状態。9月10日に再度、自治体から指摘を受けて完全に削除されたという。画像は何者かによってコピーされて別サイトに転載、園名も書かれた状態で価格がついていた。〔掛札コメント〕写真は誰でもサイトからはずすことができます。一度、別のサイト等に載ってしまったら完全に削除することは不可能。子どもの写真をサイトやブログに載せる時は(たとえ保護者のみが閲覧できるパスワード付きの場所であっても)要注意。

(7月22日)
▶〔中学生、人命救助で感謝状〕神奈川県鎌倉市教育委員会と鎌倉消防署は7月12日、人命救助に貢献したとして、市立中学校男子バスケットボール部に感謝状を贈った。5月3日午前10時半頃、部活動中に顧問の男性教諭が突然倒れ、20~30秒たっても意識が戻らなかったため、生徒らが通行人から電話を借りて119番。他の部員が以前、授業で学んだ胸骨圧迫やAED操作、人工呼吸を交代で行った後、救急隊に引き継いだもの。教諭は搬送先の病院で意識を取り戻し、現在は仕事に復帰しているという。