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アンケート結果〔1〕(2016年5月8日)


 アンケート第2弾「詰め込みで子どもの命を守れますか? 保育・教育をできますか?」(3月24日~4月30日)は、おかげさまで103人の有効回答を頂戴いたしました。とてもとてもお忙しいなか、ご協力ありがとうございました。

 ということで、まずは主要な部分の記述統計です。「記述統計(descriptive statistics)」とは、得られたデータの数や割合を数えただけのものです。日本で「統計」というと通常、記述統計しか見ませんが、この後に続く通り、統計とは記述統計以上のものです。



命を守れますか?

質問「あなたの園の現在の職員配置と子どもの数で、子どもの深刻事故、死亡事故を予防するのに…」

質問「今以上の数の子ども(たとえば10人以上増える)をあなたの園の現在の職員配置で預かった場合、子どもの深刻事故、死亡事故を予防するのに…」

 「今」と「増えたとして」を並べてあります。「増えたとしたら、とても不十分だと思う(1)」が74.8%を占め、「増えたとしたら不十分」の側(1~3)の回答を合わせると95.2%、「今」の「不十分(1~3)」を合わせた67.0%から大きく増加しています。



質を維持できますか?

質問「あなたの園の現在の職員配置と子どもの数で、子どもの保育・教育を…」

質問「今以上の数の子ども(たとえば10人以上増える)をあなたの園の現在の職員配置で預かった場合、子どもの保育・教育を…」

 こちらも「今」と「増えたとして」を並べてあります。上に比べると「増えたら、とても不十分にしかできないと思う(6)」は59.2%ですが、「不十分にしかできないと思う」の側(1~3)を合わせると97.1%、「今」の74.8%(1~3)からこちらも大きく増加しています。



「不十分」と考える理由は?(4つまで複数回答可)

 物理的な人手不足に加えて、書類やノート書き、製作や行事の準備といった作業が多い。保育者の質に問題がある。そして、子どもたちの変化も背景にあるようです。

   最後の点は現在、ほとんど指摘されていませんが、(人手不足と質の低下による)不十分な保育・教育の原因をこどもに転嫁している以上のものがあるように思います(これは掛札の私見です。この点については、掛札の個人サイトの「子ども」をお読みください)。



回答者の園で預かっている子どもたちは…

 預かっている子どもの数は、平均で100.9人(標準偏差は49.9)。最少が19人、最大が280人でした(一時保育等も含む)。

 下の図のように、85%の施設が0~5歳まで預かっていました。



回答者が働いている施設は…

 75%が保育園(小規模以外)でした。また、15%が公立、52%が民間(社福)、32%が民間(企業)で働いている人でした。回答者の97%が正規職員として勤務していました(グラフなし)。


 地域に待機児童がいるかどうかを聞いた設問に対して、87%の回答者が該当するという答えをしています。



回答者の職種、職位、年齢は…

 多様な方から回答をいただきました。



報告〔2〕に向けて

 記述統計もこれで終わりではありません。また、一番最後に書いていただいた自由記述もあります。少々お待ちください。

 すでに、回答と回答の間の相関関係も計算し始めています(これは記述統計ではなく、「推論統計 inferential statistics」と呼ばれます。関係を推論していくからです)。ひとつ、興味深い相関(比例)関係がありました。「命を守れますか(今。増えたら)」「質を維持できますか(今。増えたら)」の計4つの回答のうち、「今、命を守ること」の回答と「待機児童がたくさんいて大変かどうか」が相関したのです(p<0.01)。つまり、「待機児童がたくさんいて大変」と答えた人たちのほうが、より「今、命を守るのに不十分」と答えたのです。2つのグループの平均値には、尺度の幅にして1.17の差がありました。待機児童が多くいる地域において、今まさに、命の安全に対する危機感が強くならざるを得ない現状を示唆しています。他の3つの回答では、このような関係は見られませんでした。

 続きます。