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1-5. 「見えない」を体験する実験(2015年9月19日)


 「見ているつもり」になる、それが人間です。この現象は、さまざまな心理学実験から明らかになっていますが、一連の研究のきっかけともなった有名な実験が、これから紹介するものです。


注意(先に進む前に、ここを絶対に読んでください)


 単に、この実験ビデオを見て、文章を読んで…では、絶対におもしろくありません。この実験は、一度参加してしまったら、(ほぼ)二度とできないものです。なので、「見ていても見えない」経験を共有したい方は何人かで集まって、下の指示に絶対に従って進んでください。 「してみよう!」と思ったあなた、これ以上は今はもう読まないで、人を集めて、パソコンを開けてから下に進んでください。特に、YouTubeの操作に明るい人を呼んで。ビデオを開いてとまどっているうちに、終わってしまいますから。

 では、ここでいったんストップ!です。


はい、みんなが来ました! では、スタートです


1.人が集まったら、画面が大きめのパソコンの前に座ってください。プロジェクターを使ってスクリーンに投影するのも、もちろんOK。画面を見ている間は、話してもいけませんし、声を出してもいけません。

2.ここから実験が終わるまでは、YouTubeの操作に慣れている司会役の人だけが読んでください。終わったら、一番下の「解説」へ。

 司会役の人が次の文章を、皆に声を出して読んでください。ビデオの画面にも同じ指示が出てきますが、見づらいので、先に読んだほうが楽です。

(読む文章、ここから)
「ビデオの中で、6人の人が2つのバスケット・ボールをパスしあっています。白いシャツを着ている3人が合計で何回パスをしたか、数えていてください。黒いシャツの人たちではなく、白いシャツの人たちのパスです。
 画面を見ている間は話してはいけません、声を出してもいけません。見終わっても、何も言わないでください。」 (読む文章、ここまで)

 説明がわかったら、次へ進みます。

3.下のYouTubeのページ・リンクをクリックして開いてください(新しいウインドウで開きます。終わったら、このウインドウに戻ってきてください。)
 開くと、ビデオが始まってしまいますから、すぐにビデオ画面左下にある「一時停止」を押して止めてから、ビデオ画面右下にある「全画面表示」にして、パソコン画面全体にビデオが写るようにします。全画面表示になったら、一時停止を解除して(もう一度押して)ビデオをスタートさせます。
 バスケット・ボールをパスしている画面が終わって字幕が出てきたら、ビデオを止めて、このウインドウに戻ってきてください。
 ビデオのリンクはこちら


4.パスのシーンを見終わったら、司会役が「パスは何回でしたか?」と聞きます。

 質問はまだ続きますが…、これ以降を読んでしまった二度と体験できません。上の4までを皆でしてから、ここから先をお読みください。


ビデオを見終わってから読む部分です


5.「パスをしている時に、変なことが起きませんでしたか? 変なことが起きた、と思う人は手を挙げてください」と、司会役が尋ねます。
 「起きた」と答える人に、「何が起きましたか?」と尋ねてください。

6.「パス以外は見えなかった、と思う人は手を挙げてください」と尋ねます。

7.ではもう一度、ビデオを見てください。リンクはこちら。まったく同じビデオです。


ここからは解説です


 これは、selective attention(選択的注意)、またはinattentive blindness(注意をしていない対象は見えない)の実験と呼ばれています。最初にこの実験が実施された時点から、条件を変えても約半数の人にはゴリラが見えないことがわかっています。ゴリラでなくても見えません(傘をさした女性、というバージョンもありますし、計測しやすいようにビデオ・ゲーム化された実験用テストもあります)。

 私も研修の時に何回か、このビデオをお見せして実験していますが、やはり約半数の人にはゴリラが見えません。研究が重ねられた結果、見えるか見えないかは、性別、性格、IQなどとは一切関係がないこともわかっています。一度この実験に参加してしまうと同じ実験は繰り返せないため、たとえば「なぜ、この時は見えたのに、この時は見えなかったのか」といった、同一人物の条件の比較は不可能なのです。

 いずれにしても、人間は「ひとつのことに気をとられていると、目の前で起きていることでも見えないことがある」ということが明らかにわかる有名な実験です。「見ているつもり」は、本当に「つもり」でしかないのです。

 (人間が見守れない生き物であることについては、『子どもの「命」の守り方:変える! 事故予防と保護者・園内コミュニケーション』でも説明しています。)



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