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B-1. 手紙や掲示のひながた(子どもを預かる施設)


 ひながたは、すべてPDFです。そのまま加筆・修正することはできません。ご自身の施設に合うよう内容を加筆・修正して、パソコンで作り直してください。自由に使っていただくことを前提にしていますので、「このサイトをもとにした」と記載する必要は一切ありません

新しいものは「概論」の次です ★NEW! においの強いものについて

概論

 今のところ、下の掲示や手紙は、3つに大別できます。
1)園がリスクを認識していると伝え、園の取り組みを伝え、保護者にも協力や理解を求める。たとえば、感染症(感染症の季節が始まる→手洗い、うがいをいつも以上にする→保護者も家庭で手洗い、うがい、早めの受診を)、プール(水死のリスクがある→監視をしっかりする→急にプールを中止することもあるので理解を)といったもの。
2)園がリスクを認識していると伝え、保護者に注意喚起をする。園としての取り組みは難しいか、できない。たとえば、路上駐車や駐車場の危険、送迎時の園庭遊び、送迎時の食べ物の持ち込みと飲食など。
 そして、3つめが、
3)園がリスクを新たに認識したことを伝え、園の取り組みを伝え、保護者に理解を求める一方で、家庭にも同じ、または類似のリスクがあると明確に注意喚起するものです。「7-1. 食べ物による誤嚥窒息等」に関連して、ミニトマトやトマトの栽培を中止した際の掲示(手紙)を作りましたが、これがこちらに該当します。
 同様のリスク・コミュニケーションは、たとえば、
・家庭における事故と類似のヒヤリハットが園で起き、改善等の対応をした時
・遊具等の危険箇所をみつけた時(園庭でも、よく行く公園でも)
・散歩経路で危険な箇所をみつけた時
・玩具の危険性や園内環境の危険性を認識し、改善等の対応をした時
などにも行えます。園におけるリスクと安全だけでなく、それを家庭にも情報提供していこうという姿勢を示すものです。「これまで気づかなくて恥ずかしい」と思ってこっそり改善、対応するのではなく、「気づきました! こう直しました/変えました。ご家庭でも…」という方法です。もちろん、園で改善や対応をすることが大前提です。

 そして、下のような掲示や手紙を通じてリスクを伝え、「~してください」と伝えた結果、保護者が危険な行動をやめない、安全な行動をしないとしても「効果がない」と思わないでください。こうしたコミュニケーションには、もうひとつの目的があります。それは、「〇〇さん(保護者)、あんなことをしている。大丈夫なのかなあ。危ないのに…。園はわかっているのかな。なんで言わないんだろう」と思っている保護者に、「園はリスクを認識しています」「注意喚起をしています」と伝える点です。

 こうした保護者は何も言わないでしょうし、内心で心配しているだけ、という場合が多いと思います。でも、保育園と子どものことを心配している「保育園の味方」なのです。こうした味方が「あ、掲示が出てる。よかった、園はわかっているんだな」と感じられるようにすることも大事です。そうしないと、万が一、その危なさで深刻な結果が起きた時、味方であったはずの保護者も「やっぱり起きた。心配していたのに」と感じてしまうから、です。

 リスクを伝えることは「寝た子を起こす」ではありません。起きている保護者(=園の味方)に園のリスク認識を伝えるためでもあります。危険なことをし続ける保護者がたとえいたとしても、味方をより強い味方にする目的には効果があります。 (2017年5月28日)

においの強いものについて+生乾き臭と体臭

 柔軟剤や消臭剤の他、タバコのにおい、さらにはアロマをしみこませた虫忌避剤まで、強いにおいが身のまわりに増えています。強いにおいも、騒音などと同様、子どもにとっては害になりかねません。たとえ害になっていても「このにおい、嫌い」「気持ち悪い」「頭痛がする」とは言えないのが子ども(特に乳児)です。

 そこでこのようなお手紙/掲示を作りました。保護者自身は「強いにおい」と思っていないでしょうから、こちらから「このにおいは強いですよ」と言えるようにすることが目的です。また、この手紙/掲示の最後の1行が功を奏して「私もそう思っていた」「うちの子の服ににおいが移っていた」という声が出てくれば、園も保護者も対応がとりやすくなると思います。

 一方で問題になるのが、職員の体臭や衣服の「生乾き臭」です。こういったにおいについてはなかなか言いづらいものですが、保育は子どもと接する職業(一種の「接客業」)であることを考えれば、香水をつけないのと同様、体臭や衣服のにおいにも職員がお互いに気を配り、言えるようにするべきでしょう。生乾き臭をおさえる方法は、ネット上でもいろいろと紹介されていますので、それを参考に…。

 また、「欧米人は香水をふりかけて体臭を隠している」とよく言われますが、私が5年間、コロラドで生活した経験からすると、強い香水をつけている人はまわりにほとんどいませんでした(私はにおいにかなり敏感なので…)。それよりは「朝、シャワーを浴びる」「効果の強い制汗剤を塗る」などを徹底することで「体臭を抑える」ほうが普通だったようです(乾燥していて、「屋外活動大好き系」の地域だからかもしれませんが)。日本でも、かなり強い制汗剤が売られています。においに敏感な子どもたちと接する以上、「言えない」はナシです。体臭自体は自然なのですから、それに気づいて、どうコントロールするか、です。そして、他人の体臭に対する感じ方は個人によって違います。ですから、「この人のにおいは大丈夫かどうか」ではなく、基本、「誰でも体臭はある」(汗をかくのですから!)「私の体臭は強いかな?」という考え方で…。

 おまけ:「虫がいやがる」とされるアロマオイルをしみこませたテープ(服に貼る)も出回っているようですが、これもかなり強いにおいです。それだけでなく、テープ状ですから、服から落ちていれば危険です。この件は手紙/掲示のひながたも含め、こちら(シール、テープの誤嚥、誤飲)。(2018年5月14日)

服薬や事故などについて毎朝、必ず伝えて

 発熱や体調不良の状態で子どもが降園した次の日、「体調はいかがですか? お薬など使っていませんか?」と聞くのは気が重いものです。一番簡単なのは? 毎日必ず聞く、必ず言う習慣にお互いしてしまうこと! 人間、ふだんしていないことをする(=保育者がその日だけわざわざ聞く)のは気が重いもの。また、ふだんはされていないことをされる(=保護者が服薬について訊かれる)のも、「解熱剤を使っていると思われているのでは?」「使っているから聞かれたくない。どうやって隠そう」というような、よけいなエネルギーを使ってしまうからです。なにかあるなら「ある」、なにもないなら「ない」を毎朝、やりとりする習慣にすればよいのです。これによって、伝え忘れや聞き忘れは減るでしょう(メモはとっておいたほうがいいと思います)。

 ですから、新年度、ちょうどいい機会なので「これからは毎朝、必ず聞きます」というお願いを出してしまいましょう(手紙でもクラス掲示でも)。たとえば、子どもに熱がある場合、保護者側としては「朝のうちに病院に行くのは無理」でも、「とにかく一度職場へ行って、そこへ園から電話があって『熱です』と言われれば帰りやすい」という心理もあるようです。そのへんの柔軟性が園と保護者の間でわかっていけば、無理に熱を下げて登園する保護者も減るのではないでしょうか。

 気管支拡張剤のテープ、虫よけパッチ、絆創膏などのテープ類による誤嚥窒息についてはこちら(これ専用のお手紙もあります)、また、事故については「コミュニケーションに関するトピックス」のA-0の項目2と、それに関連した解説をお読みください。おまけ:なんであれ、年度の途中の方針転換はさまざまなこじれの原因になります(人間は急な変化が嫌い)。ですから、このお手紙/掲示を年度の途中に出す場合は、なんらかの具体的な理由が必要です。(2018年4月8日)。

手紙:緊急連絡先は、連絡がとれる番号を 

 入園時には必ず伝えていらっしゃることだと思いますが、つながらない保護者がいる場合の手紙です。念のため、全員に渡したほうがいいでしょう。職場の中で、携帯等を持ち込むことができないエリアで働いている人もいますので、新しいお手紙をつくりました(2018年4月6日)。古いものはこちらです(2016年8月31日)。

感染症時期の衣服に関するお願い

 お待たせしました。今の時期、「最悪、捨てても惜しくない服で…」とお伝えする手紙です。他児の吐しゃ物がついた服をどうするかは、園によって対応が大きく異なるようですが(その部分は変えてください)、いずれにしても「保育時間中は新しい服、高価な服を着ないで」が基本です。掲示はこちらです。(2017年12月21日)

お弁当に関する注意

 「お弁当に関するお手紙、つくりますね」と言って、放っておいてしまいました。ごめんなさい。時々、これをします、掛札。忘れていることもありますし、「どうしようかなあ」と考えているうちに放ってしまうこともあります…(今回は後者)。「するって言って、やってないじゃない!」ということがありましたら、遠慮なく、ブログにコメントを入れてください。

 さて、ということで、お弁当の安全に関する手紙/掲示です。これはこのままお使いいただいてもかまいませんし、行事のお知らせに入れていただいてもよいかと思います。複数の保育園さんにお尋ねして内容を決めましたが、これ以外にもある場合には足してください。「これも危ないよ!」とブログに教えてくださってもありがたく。

 この内容は、保護者が参加する行事ではない場合のお弁当を想定しています。保護者が参加する時は、保護者が子どもを見ているのが基本ですから。

1)まず、食べ物の危険について。ここに掲載しているものは、いずれも園または家庭で窒息死が起きています(「安全に関するトピックス」の「2. 誤嚥・誤飲」の内容参照)。死亡が起きているカップ・ゼリーはいわゆる「こんにゃくゼリー」ですが、そうではないカップ・ゼリーも一気に口に入れるから危ないという声を聞きます。実際、危険だと思います。
 このリストのものを園で出している場合には…? 丸のままのミニトマトについては、内閣府のガイドラインにも掲載されていますから、園でも絶対におやめいただくべきですが、他のものについては、園で出し続けるという選択肢もないわけではありません。
 子どもが喉に食べ物を詰まらせるリスクは、「急に息を吸い込む(=んぐ)」行動をした時に高まりますが、これは「笑った時」「泣いた時」「驚かされた時」「転ぶ、つまずくなどした時」等です。園ではこうした行動自体が食事中に起きないようにしているでしょうし、保育者が見ているのが原則です。一方、遠足などの行事中は、危険な「急に息を吸い込む時」が起こる確率が上がります(歩き食べ、ふざける等)。だから、園では出すけれども「お弁当には入れてこないで」という論理も成り立ちます。ただし、こうした食べ物は窒息のリスクが高いものですから、そのリスクをとるだけの価値が給食提供にあるのか、という点はよくお考えください(哲学的な話になってしまいますが、この点に関する掛札個人の思索に興味のある方は、「安全に関するトピックス」の「参考資料」5-1の連載第6回をお読みください)。

2)プラスチックのピックは、かじってしまう子どももいます。類似の形状のものを隣の子の耳に突き刺して鼓膜を破ったという事例(保育園)もあります。串が喉の奥に刺さって死亡した例は有名です。ピックは比較的小さいので、箸などに比べて保育者に見えにくく、より危険になります。そして、ピックがなくてもお弁当は作れます。

3)イオン飲料と酸の飲料については、こちら(4つめの黒丸)に書いてあります。必要に応じて、この内容を掲示するのもよいかもしれません。

4)「キャラクター弁当を作ってこないで」とはなかなか言えないと思います。でも、「めんどうだけど、作らないといけないのかな」と感じている保護者も少なくないようです。そういう方たちからプレッシャーを取り除く意味では、このようなひと言を足しておくのは大事だと思います。一方、キャラクター弁当を作りたいという方から、「ダメなんですか?」と訊かれたら、「いえ、絶対にダメというわけではありませんが、インターネットで調べると、衛生の専門家の方が食中毒のことをずいぶん書いているようですから…」と。(2017年10月24日)

アナウンス(放送):地震が起きた時、Jアラートが鳴った時のために

 運動会などで、体育館内やホール、園庭、校庭など比較的広い場所に子どもも保護者もいる…、そういう時に地震が起きたら? Jアラートが鳴ったら? …お尋ねをいただいて一緒に考えてみましたので、まとめました。

 運動会などの行事が始まる前に、行事の場所のレイアウトや保護者、子どもの位置を考えた上で以下の手順を明確化して、行事の冒頭に必ずアナウンスしておく。自治体によっては、研修会などの前にも「地震が起きた時には」というアナウンスを必ずする所があります。それと同じです。来賓あいさつなどとは違って(?)非常に大切ですから、「皆さん、必ず聞いてください」と言うのも忘れずに。

 運動会などで、乳児が保護者と一緒に座っている時は、地震やJアラートの際には保護者が自分の子どもに責任をもってもらう。

 運動会などで、幼児が保護者と離れて座っている場合や、乳児でも種目の前などで保護者と離れている時は、子どもは絶対にその場から動かさず、保護者が自分の子どもの所に来てもらうようにする。両方が動いてしまうと混乱が生じるため。職員は、子どもをその場から動かさないことに専念する。運動会の場合、種目ごとに職員の位置が変わるので、どの職員がどこへ着くかというルールをだいたい決めておき、職員が誰もつかない子ども集団ができないようにする。

 行事冒頭のアナウンスでは、「皆さん、大事ですから必ず聞いてください」の後、「子どもと保護者が一緒にいる時は、保護者が責任をもってみること」「子どもと保護者が別々の時は、職員は子どものそばを離れずに、子どもが動かないよう専念するので、保護者が自分の子どもの所へ来ること」を明確に伝えてください。保護者と子どもがその後、どのような行動をするかは、地域の防災ガイドラインなどに基づいて。(2017年9月17日)

掲示・手紙:体調が悪化する時/した時のために

(9月15日加筆。下の文中にも書きました。)体調が明らかに悪くなっている場合は、ビデオで子どもの様子を撮って保護者に見せることも大事かもしれません。そして、保護者に伝えられそうであれば電話連絡の中で、「体調が悪くなっているようですので、今日じゅうに受診なさったほうがよいかと思います。なので、体調の変化をこまめにご連絡しますね」と伝えましょう。当日中に受診するのであれば、早く迎えに来る必要がありますから。体調が何時間もずっと悪い状態を目にしていない保護者は、「ああ、これくらいなら大丈夫」と受診しない可能性もあります(受診時間外だと特に)。

 この手紙/掲示(掲示は絶対。お手紙は出しても出さなくても)には、体調が悪化しそうな時や、悪化した時に重要なことだけを書いています。「ご家庭でも手洗いやうがいを」「園に入る前に消毒を」などはありません。重要性が薄まってしまうので、感染症予防に関する内容はここには書かないほうがいいと思います。特に「ご家庭でも手洗いやうがいを」は、ある意味、園の責任外なので、園が独自に書くよりは保健所などが配るポスターを貼るようにしましょう。たとえば、厚生労働省のこのページにポスターなどがあります。

 また、登園許可書などのことも、ここで細かく書いてはいけません。目的が違うメッセージをごちゃごちゃ載せれば載せるほどわかりにくくなり、読まれなくなります。

 黄色で示した部分(実際には色を変えたりしないでください)は、「連絡をこまめにする理由」「早いお迎えをお願いする理由」「出る時に電話をしてほしい理由」です。理由がわかれば(それも自分の子どものためだと思えば!)、保護者は納得するはずです。「おどかすようなことを書かないほうがいいだろう」ではありません。自分たちが「~する理由」は明確に書きましょう。電話で伝える時も、電話をする人が丁寧にやわらかく言うことができるなら、子どもの体調がかなり悪い時は同じように(一度は)言ったほうがいいと思います。電話をする人が、きつく冷たく言ってしまいそうなら、言ってはいけません。そうすると、保護者は「おどかされた」としか感じず、実際に迎えに来て「なんだ、これくらいであんな言い方をして」と思ったら、その後がこじれるだけです。

 ただし、熱が上がり続けるなど、体調が明らかにどんどん悪化している時には、電話をする度にいちいち、「お迎えをお願いします」と言う必要はないでしょう。保護者が「何時ごろには迎えに行きます」と最初に言ったのであれば、その後は「体調のご報告です」という形だけで十分です。そして、体調を伝える時もお迎えを依頼する時も、いちいち「申し訳ございません」と謝る必要はありません。そもそも園が「謝る」必要のあることではなく、(意味もなく)謝れば謝るほど保護者をいらだたせ、「園に迷惑をかけられている」という感情をつくってしまいます。「丁寧にやわらかく」、でも、「対等に、謝りすぎず」です。

 そして、体調が明らかに悪くなっている場合は、ビデオで子どもの様子を撮って保護者に見せることも大事かもしれません。そして、保護者に伝えられそうであれば電話連絡の中で、「体調が悪くなっているようですので、今日じゅうに受診なさったほうがよいかと思います。なので、体調の変化をこまめにご連絡しますね」と伝えましょう。当日中に受診するのであれば、早く迎えに来る必要がありますから。体調が何時間もずっと悪い状態を目にしていない保護者は、「ああ、これくらいなら大丈夫」と受診しない可能性もあります(受診時間外だと特に)。

 保護者には保護者の都合があり、すぐ迎えに来ることができない場合も多々あります。自分の子どもことだと納得していても、その場では、電話の向こうで保護者が不機嫌になることもあるでしょう(『保育者のための心の仕組みを知る本』61ページ~)。その点は理解して、職員皆で声をかけあい、心理的な距離を保ちましょう。(たいていの場合)園が怒られているわけではありません。「怒られちゃった」「電話したくない」「私たちでなんとかしよう」ではないのです。園として「すべきことをする」、つまり子どもの体調の記録をこまめに取りながら、保護者に連絡をして体調の報告とお迎えのお願いをする、そして連絡したという記録も取っておくことが重要です。(2017年9月7日)

自転車の安全

 自転車用幼児椅子で危ない使い方をしている、幼児椅子に子どもを座らせたままにして園内にお迎えにくる、左右を見ないで飛び出す…。これは基本的に保護者の責任範囲です。路上駐車や駐車場の安全も保護者の責任範囲ですが、他人や他児を巻き込む可能性がありますから、下のように注意喚起はしておくべきでしょう。自転車に関しては、警察や自転車関連の団体が出しているポスターを貼っておいてください。こうした情報はきわめて一般的ですから、交通安全の専門家が出している情報のほうが信頼性があります。インターネット上では良いのがみつからないのですが、たとえば、自転車産業振興協会が出しているこのリーフレット消費者庁のこの「子ども安全メール」があります。良いのをみつけたら、また掲載します。(2017年9月7日)

掲示:門扉、玄関ドアから出る時の注意

(これはあくまでも掲示です、手紙ではありません。手紙として渡したら、読まないかもしれませんし、読んだとしても忘れてしまいます。送迎時、保護者の目につく場所に大きく貼ってください。
 そして、「ここに書いてありますよ!」という感じで、「〜さん、手をつないであげてくださいね」「先にドアを開けてあげてください」と声をかけましょう。「〜しないで!」ではなく、明るく「〜してくださいね!」。そして、言える時は子どもにも保護者にも「ありがとう(ございます)」。この紙一枚で人の行動は変わりませんし、園と保護者のコミュニケーションも変わりません。掲示はあくまでもきっかけです。)

 送迎時、門扉や玄関ドアから子どもが出ていってしまう…、これは多発します。保護者が近くにいても子どもを見ていない、子どもから手を離している、これはしっかりと伝えるべきです。門扉の所に貼れないならばドアでかまいません、おとなの目の高さに大きく貼ってください。

 こちらの掲示のポイントは次の通りです。
1)危なさを伝えても、人間は「だから?」「そんなこと、起きない」で終わってしまいがちです。「危ない」よりも「何をするか(行動)」をはっきり書きます。
2)「~をしないで」と書くと、「そんなこと、してません」「大丈夫です」というネガティブな反応につながりがちです。「~をしてください。なぜならば、~だからです」が基本。安全には理由があり、理由を伝えなければ、相手は納得しません(理由を納得しても行動はしない、というのが人間ですが、納得すれば行動するという人もいますので)。
3)玄関や門扉の鍵を子どもに開けさせる保護者、開錠ボタンを子どもに押させる保護者はごく普通にいます。「自分ひとりじゃ開けられるわけがないから、大丈夫」と言われたら、「開錠ボタンを傘で押したお子さんもいます」「ものを投げてボタンに当てて開けたお子さんもいます」と。子どもはおとなが思っているよりもできるんですよ、という意味では肯定的な伝え方ですので、「ああ、うちの子もそれくらいできるかもな。じゃあ…」という意識につながるかもしれません。
4)「目を離さないで」という言葉が使われていますが、保育者と違って保護者にまで「人間は見守ることができないんですよ」と伝えるわけには(なかなか)いきません。注意を喚起して、園側が手を離すための文章ですので、ここは「目を離さないで」としています。
5)「手つなぎは子どもの命綱」は、こちらの5-4(『赤ちゃんとママ』)の第4回にあります。

 もうひとつの工夫。それは、ドアの横の子どもの高さに「子ども専用鍵」「子ども専用開錠ボタン」をつけることです。もちろん、形だけの偽物です。たとえば、押すと「ブー」っと鳴るもの(ぬいぐるみのおなかに入っているもの。名前がわかりません)などを壁につけて、その上に子どもが好きなキャラクターなどを貼り、「おとなと一緒に子どもがここを押すと、ドアが開くんだよ」と、子どもの注意をそちらに向けます。実際、これをつけていた保育園で、保護者が忘れて先に開錠してしまい、ドアはすでに少し開いているのに、子どもが「ダメだよ、私がこれを押さなくちゃ」と言った事例もあります。保護者の方は「そうだったね」と言ってドアをもう一度閉め、子どもに専用ボタンを押させてあげていたそうです。(2017年7月22日)

掲示:ミニトマト、トマトの栽培を中止した時、網をかけた時

(2017年6月18日改訂:「今年は網をかけて栽培を続ける」旨を加筆しました。ちなみに、網は子どもの指が入らない、空気は十分に通るものにしてください。空気が通らない素材では腐ってしまいますので…。)
 「7-1. 食べ物による誤嚥窒息等」に関連した掲示・手紙です。(2017年5月28日)

掲示:お迎えの保護者の方の確認についてお願いと、その時の言い方

 1の内容は特に新年度ですが、ふだんも「あぶないなあ」と思うことがあったら、2と3をくりかえし掲示するべきでしょう。私(掛札)も、園内研修にお呼びいただくと、あいかわらずお迎えの保護者の方たちに混ざって不審者侵入を試みますが、まだまだ成功します。どこぞのおばあちゃんに見える私なので、ドアを開けてくださった保護者の方も「どうぞ」と入れてくださるのでしょうけれども、これでは結局、DV、親権争いなどをしている片親が園内に入ることを許してしまうわけです。
 言うまでもありませんが、「どなたですかあ?」とぶっきらぼうに聞いてはいけません。笑顔で「ごめんなさい」とひと言かけてから、「どちらさまですか」とやわらかい声のトーンで尋ねてください。まずはこの言い方ができない保育士さんもいると思いますので、この練習から。これができないのでは、保育もできません。「やわらかい声のトーン」ができないなあと思う方へ。「きつい声のトーン」は、語尾が強い、語尾が上がる傾向があります。意識的に語尾を弱め(語尾で言葉を止めて飲み込む感じ。語尾を投げ出さない)、語尾を下げてください。ですから、「どちらさまですかあ?」ではなく、「どちらさまですか」です。(2017年4月18日)

掲示:送迎時に園庭で遊ばせない

 「園庭、玄関や門扉周辺、駐車場の子どもの安全は、保護者の責任」と呼びかける掲示です。特に、園庭側で送迎をする園は、この紙をラミネートして、保護者に見える位置に貼る、または朝、夕方には見える場所に掛けておく、などしてください。掲示する場所に合わせて紙の大きさを変えてください。文字はもっと大きい方がいいと思います。
 もちろん、これを掲示しておけば園の責任がゼロになるというわけではありません。けれども、「保育士が見ていると思っていたのに」「先生、うちの子があんなことしている。叱ってください」というような保護者の姿勢に対しては、毅然とした態度をとるべきです(2017年2月26日)

掲示:行事の時の園周辺、駐車場の安全

 後で下の項目に統合しますが、とりあえず別項として出します。行事の時の掲示です。大きく印刷してカラーコーンやミニ白板(下の項の写真のようなもの)に貼りつけ、玄関先や駐車場の入り口等に置くためのものです。特に、交通整理の職員が出ていて事故が起きた場合には、「職員がいたのに、どうして見ていてくれなかった!」という話にもなりかねません(そのあたりの責任の問題については、園の弁護士にお尋ねください)。
 いずれにしても、安全は保護者の責任であるということを明確にするため、職員、園にできないことは「できない」とはっきり書くべきです。保育士の姿が見えれば、保護者は「子どもを見てくれている」と思ってしまうのですから。(2016年8月31日)

掲示:駐車場の安全と園の前の路上駐車について3種類

 子どもの死亡/重傷事故は、公共駐車場や個人宅の駐車場でひんぱんに起きていますが、今回、保育園の駐車場で起きました。これまでも時々つくっていた掲示なのですが、3種類、掲載しておきます。「駐車場内における注意事項」(手をつなぐ、子どもの存在を意識した運転)、「駐車場を譲り合って使う」のほか、「園の前の路上駐車禁止」の3つです。状況は園によって違うと思いますので、改変して使ってください。用紙はA4ですが、B4ぐらいでもよいと思います。
 こういった掲示を書く時のポイントですが、できる限り、「~してください」と書くこと。「~しないでください」ではなく。「~しないでください」と言われても「うるさいなあ」「じゃあ、どうしたらいいの?」と感じがちなのが人間。できるだけ、「こうすればいい」という方法を「なぜならば」という理由と一緒に、具体的に書くことです。

 掲示のしかたですが、兵庫県相生市の「認定こども園 どんぐりの家」「保育園 ゆりかごの家」では従来から、送迎時、園の玄関の所にこのようにして掲示を掲載しています(掲示文の画像はこちら)。壁に貼るよりも効果的かもしれません。同園では今回起きた事故を受けて今朝、早速、再度の呼びかけ掲示を出したそうです。ちなみに両園の掲示は、「保育園ではしっかり手つなぎをしています」という自園の取り組みも伝えています。


 死んでいた可能性が十分ある交通事故の被害に2度あった者(掛札)としては、双方にまったく落ち度がなくても容易に、そして一瞬にして死亡が起こりうる交通事故は、他人ごとではありません(いずれの事故も私は青信号で徒歩、または自転車でした)。「注意して(前を見て)いなかった運転者が悪い」、これを落ち度や過失と呼ぶのは簡単ですが、人間は「つい」「うっかり」「ぼんやり」する生き物なのです。「つい」「うっかり」「ぼんやり」しない人は絶対にいません。特に、いつも運転し慣れている場所ではなおのことです。「いつものことだから」「大丈夫」という楽観バイアスでいっぱい、別のことを考えながら「いつも通り」運転していると…。
 車や自転車を運転している以上、誰でも加害者になりうるのです。もちろん、被害者にもなりえます(私・掛札は、自動車はもちろん運転しませんし、自転車にも乗りません。トラウマも残っており、道を渡る時や歩道のない道を歩く時はいまだに恐怖に襲われます)。
 保護者の方たちに「手つなぎの大切さ」「車の安全の重要性」等をお伝えになりたい時には、「安全のトピックス」の「5. 参考資料」にある『赤ちゃんとママ1、2、3歳』の連載も参考になさってください。(2016年8月17日)

掲示「お心づけ、おみやげについて」

 心付けやおみやげをいただくと気が重くなりがちです。もちろん、他の保護者が「自分(たち)もしなければいけない?」と感じてしまうこともあります。旅行のおみやげは、大きな荷物を持って帰っていただくことを考えれば(また、たいていは食べ物であることも考えれば)、100%固辞することはできないかもしれません。けれども掲示をしておけば、「こうして皆さんにお願いしていることですから、今回限りになさってくださいね」と、お礼を言いつつ明言することができます。
 一方、クーポンや割引券は金券にあたりますので、絶対に受け取るべきではありません。保護者が働いている店舗や企業等の金券や等価のものであれば、使わなければいけない(行かなければいけない)というプレッシャーにもなります。(2016年8月11日)

手紙「睡眠中の安全確保をするために」

 睡眠中の安全確保を確実にする上で、午睡中の作業の軽減が課題になっている園も多いと思います。「うつぶせ寝をあおむけ寝にし、睡眠チェックをする人を毎日必ずおいてください」と申し上げるたびに、(そんなこと、できない…)という表情の方に出会います。そこでご要望にお応えして、この手紙を作りました。厚生労働省のリーフレットと一緒に渡してもよいかと思います。「幼児の行事は関係ないでしょう」と言う保護者の方もいるとは思いますが、行事等の準備、製作等は園全体でするものですから。なにより、保育園は「子どもを楽しませ、保護者のシャッター・チャンスを作るイベント施設」ではありません。
 ここに書いた以外にも、おたよりを簡素化する、毎日、貼り出す写真の枚数を減らす(=撮影枚数を減らす。選別や印刷にかなりの時間がかかっているように見受けられますので)など、作業全体の中で減らせるものはいくつもあります。「3-1. 睡眠中の安全」の8の最後に書きましたが、人間は「起きるはずがないと思っていること」より、「目先の用事」を優先させます。あおむけ寝と睡眠チェックを30分するより、作り物を30個作る達成感のほうが嬉しいのです。でも、あおむけ寝にさせず、睡眠チェックもしておらずに、お子さんが亡くなったら? 「深刻事故の予防は、なにも起きないことが取り組みの成果なんだ」「なんのためにしているんだろう?と思って当たり前」と考えて、あおむけ寝と睡眠チェックに取り組んでください。(2016年7月18日)

組体操に関する保護者アンケート

 組体操については、「園としてはやめたいのだが、保護者が『続けたい』と…」という場合もありますし、「園、職員は続けたいが、保護者はどう考えているのか」という場合もあるでしょう。いずれであれ、保護者の意見を聞くというプロセスはリスク・コミュニケーションとして以前に、まず保護者コミュニケーションとして不可欠です。保護者とコミュニケーションをせずにやめる、続けるのは、「なぜ、私たちの意見を聞いてくれない?」という不信感につながるからです。
 結果は多数決ではありません。一人でも「やめるべき」という保護者がいたら、たとえ残り全員が「続けるべき」と答えても、そして、園が続けたいという意向であっても、その一人を無視せずに、保護者会等を通じてコミュニケーションを続けるべきです。その声を無視して、万が一深刻な事故が起きたら…?(このあたりは、『子どもの「命」の守り方』の103ページ以降にも書いてあります)
 アンケートのひな型はこちら。(2016年4月28日)

お願い文「園内に食べ物を持ち込まない」

 食べながら登園する、お迎え時におやつを出す…だけでなく、子どもが自分でお菓子を持ってきて配ることもあるようです。ということで、このお願い文を作りました。(2016年4月16日)

お願いのお手紙2つ

1)子どものバッグなどにキーホルダー等をつけないで、というお願い
2)スカートやチュニックよりもパンツで。あるいは、活動用の置きパンツを、というお願い
 新年度向けの掲示の形をとっていますが、新年度のお願い文書の一部 にもできるでしょうし、それ以外の時期にお使いいただくこともできると思います。いずれも「禁止」はできませんから、リスクをきちんと伝え、保護者の責任も伝え、2のように代替案がある場合にはそれも伝えることが不可欠です。(2016年3月6日)

他人の子どもの顔がわかる写真を公開しないで

 「他人の子どもの顔がわかる写真を、Facebookやブログなどで使わないでください」と呼びかける手紙です(掲示より、手紙のほうがよいと思います)。ただし! 冒頭の部分には、※に書いた通り、必ず自園の取り組みを書き加えてください。たとえば、カメラやビデオ、SDカードは鍵のかかる場所に保管している、写真データを保育士個人のメモリ・スティック(USBメモリ)にコピーしない、写真データを園から持ち出さない、等です。保育園からこのようなデータが流出したのでは、信頼どころの話ではありませんから、自園の取り組み(=必ずしていること)を冒頭に必ず書いてください。これは、「私たちもプライバシー保護に、具体的な方法で取り組んでいます。保護者の皆さんもよろしくお願いします」という意味です。
 情報処理推進機構の記事を手紙の下のほうで紹介していますが、このような公的な情報(省庁、自治体、病院、研究機関等)を入れることで、掲示や手紙の信頼性は高まります。必ず引用元、参照元を書いて入れてください。そして、今回のように検索キーワードやURL(サイトのアドレス)も入れて、保護者が自分で見ることができるようにしましょう。この時、検索キーワードのほうが親切です。サイトのアドレスは1文字でも入力ミスをしたら出てきませんから。(2015年10月4、5日)

水遊びやプールを活動を始める前に(2017年6月18日改訂)

水遊びやプールを始める前、保護者に伝える内容の手紙(「安全のトピックス」の4.1、本文の「1」の中にあります)

シールやパッチを貼ってきたら…(2017年6月18日改訂)

「虫除けシールや気管支拡張剤のパッチなどをつけてきた時は、必ず保育士に朝、伝えて」という内容の手紙(「安全のトピックス」の2-2、本文の中にあります)