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6. その他の傷害(2016年9月27日)


6-1. 身につけていたものが、転倒によって危害を起こす


 これは、小児科学会の「傷害速報」に掲載されている事例59をもとにしています。必ずしも水筒だけではありません。同じようなことは他の物でも起こりえます。転んだ時、地面にとがった石や刃物があったら、大けがになります。それと同じことが、子どもが身につけていたものでも起こりうるということです。

 事例を簡単に要約すると、次のようになります。子どもは7歳5か月。登校中に走っていて、校内に入った所(下は硬い土)でつまずき、転倒しました。首からさげていた水筒が地面とおなかの間にはさまり(底の部分がおなか側)、腹部を強打。ぐったりして吐いていたため受診しました。くわしく調べたところ、膵臓等を損傷していることがわかり、膵臓を約半分摘出、脾臓も摘出。3回(またはそれ以上?)開腹手術しており、膵臓と脾臓がないことによる疾患に今後も注意を要する状態です。この事例は早く受診して入院(1か月以上)したことで出血等にも気づけていますが、腹部の臓器を傷つけた場合、大量出血や腹膜炎による死亡も考えられると、事例のPDFには書かれています。

 PDFのコメントの2に書かれていますが、子どもは
1)おとなに比べて胴体部分が短いため、外からの力が狭い領域に集中しやすい、
2)腹部臓器が大きい。また、臓器の一部は肋骨に保護されていない(これは子どもだけではありませんが)、
3)内臓脂肪が少なく、腹壁筋が弱いため、(おとなに比べて)外からの力を十分に受けとめきれない、
といった特徴があるそうです。そのため、腹部に外からの力が加わった時、内臓の損傷が起こりやすいようです。

 未就学児、またはそれより上の年齢であっても、「走らない!」と指導すること自体は大事とはいえ、それで転倒そのものを防げるわけではありません。水筒については、斜めがけにすることで、肩からずり落ちることや、なにかの際に首が絞まることを防いでいるわけですが、さて…? リュックサックの中に水筒を入れる、というわけにはいかないのでしょうか。

★(2016年10月1日加筆)
 同様の事例です(所真里子・当NPO理事より)。2011年7月に起き、製造業者から届け出(※)。
「水筒を首からさげていた幼児が転倒した際に、水筒の飲み口キャップが開き、あごに裂傷を負いました。この水筒の飲み口のキャップ部(ABS樹脂製)は角が面取り(=角をとる加工)されていましたが、指を押しつけると痛みを感じるほど鋭角なものでした。この事故を受けて製造事業者は、次回生産分からキャップの末端の角をなくす構造に製品改良をすることにしたそうです。」
※重大な製品事故が発生したとわかった時、事業者は消費者庁に届け出なければならない。この事例は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が分析・公表しているデータベースにあったもの。)



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