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3-7. 寝返り防止クッション(枕)等の危険(2017年10月9日)


英国の小売り大手が販売を停止

 「寝返り予防クッション(枕)」「寝返り防止クッション(枕)」など、日本でも生後6か月ぐらいまでの赤ちゃんを対象に各種売られているもので、英語では baby positioner(ベビー・ポジショナー。position=位置、体位)と呼ばれています。2017年10月6日の英国BBCニュース(英語)によると、英国の大手小売業(ネットも含む)数社が窒息死の危険を理由に今回、この種の製品の販売を停止したとのことです。リコールではありませんが、自主的な販売停止です。

 BBCの記事によると、米国ではこれまで12人の赤ちゃんの死亡について、この種の製品が明らかな原因とされているそうです。そのため、10月7日には米国食品医薬品局(FDA)が注意喚起のページ(英語)を更新し、「この種の製品を絶対に使ってはいけない。横向きであれ、仰向けであれ、子どもをここに寝かせてはいけない」と強く警告しています。FDAは、上のページの中で「ベビー・ポジショナーが睡眠中の突然死のリスクを下げるというメーカーの主張をFDAが支持したことはなく、そのような主張を裏付ける科学的な証拠もない」と書いています。FDAは2010年の段階で、メーカーにこのような商品をつくるのを止めるよう伝えています。

 一方、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は以前から、「乳児に枕を使わない」よう呼びかけています(英語)が、いまだにさまざまな形の枕が「向き癖防止」「斜頸防止」「頭の形がよくなる」といった理由で売られています(日本でも欧米でも)。米国では年平均32人の乳児(~1歳)の死亡が、枕によるものだそうです(おとな用のフワフワの枕をマットレス代わりに使った場合も含む)。

 保育園でも「寝返り防止」のクッション(枕)や枕は使わない。寝返りをさせないようにとタオルなどを巻いて頭の横にも置くのも、同様にきわめて危険です。保護者にも注意喚起をするなどなさってください。


乳児にとって安全な睡眠環境は?

 上の3つのサイトの情報をまとめると…、


・仰向けに寝かせる(家庭では、寝かしつけをあおむけ寝に)。

・眠る場所は、何もない平らな場所。やわらかいマットは使わない。

・枕、ブランケット(上掛け)、使用中にゆるんだりたるんだりするシーツ等を乳児の下やまわりに置かない。上のCPSCのサイトによると、「枕の使用は1歳半から」となっています。もちろん、おもちゃやぬいぐるみをまわりに置くのも危険。ベビーベッドで起きている死亡の半数近くは、枕、厚い上掛け、ベッドの中にいろいろ入っているモノによるとのこと(米国CPSC)。

・子どものからだが熱くなりすぎないようにする。厚い上掛け布団や毛布は、窒息の危険があるので使わない。BBCのニュースのビデオを見ると、バスタオル状のものも掛けていません。「寒くない服装をさせ、何も掛けない」ということのようです。「おなかが冷えると…」という日本の文化からすると、受け入れがたい方もいらっしゃると思いますが。CPSCは「薄いブランケットならよい」と書いていますけれども、家庭の場合、保護者も寝ている間に薄いブランケットが子どもの顔まわりを覆ってしまうリスクはあります。

・ベビーベッドの場合、ベビーベッド・バンパーは使わない(3-6)。また、マットと柵の間に子どもの顔やからだがはさまらない、落ちないようにする。