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A-1. 活動の価値とリスクについて伝えていく(2016年3月21日)


 保育・教育の活動には、大きな価値があります。けれども、価値には必ずリスクを伴います。特に、子どもの身体活動には、ケガのリスクが必ず付随します。この項では、価値とリスクについて明確な形で保護者に伝え、保育の豊かさと子どもの育ちを保証していくために必要なコミュニケーションについて書いていきます。これは、「起こるかもしれない悪いことを先に伝えておくこと」ではなく、「私たちの園の活動の価値を伝え、そこに必ずついてくるリスクについても、保護者の了解を得ておくこと」です。

 まずは年度初め、保護者に伝えておくべき内容を手紙のひながたの形で作成しましたので、ご活用ください(このひながたは、福井市民間幼児教育連盟の加盟園の園長先生方に、まずご覧いただきました。ありがとうございます)。ポイントはいつも通り、ひながたに書き込んであります。

(3月22日加筆)「子どもが多様な身体活動をすることで、からだの動かし方を身につけ、転びにくく、ケガをしにくくなります」とおっしゃる方がたくさんいます。確かにその通りだと私も思います(この話は、後で書いていきます)。けれども、このような手紙の中にそれを書くことはお勧めしません。なぜかというと、どんなにからだの動かし方が良くなり、俊敏になっても、ケガはするからです。「オリンピック選手はケガをしない」とは言えませんよね。

 これを、身体活動の利益を伝える時に言うのは大事ですが、「ケガは起こります」という事実を伝える時に入れるべきではありません。保護者は、「自分の子どもはできるはずだ」「保育園は、子どもができるようにしていくはずだ」と思っているのですから、ケガをすれば、「あんなふうに言ったのに、うちの子はケガをしたじゃないか」と言われてしまう。その時に返す言葉がないからです。まさか、「いえ、あなたのお子さんは、まだまだなので…」と言うわけにはいきませんよね。

 なにより、「俊敏になる=ケガをしない」ではないのです。「ケガをしにくくなる」ではあったとしても。…どんな正論であっても、どこでどう使うかによっては、こちらを傷つける刃になるということを意識してください。



 …次の原稿も書いていきます。



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