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睡眠の安全:2018年用


「発生後の対応」と「保育の安全シート」に加筆(24日)

見てわかる、読んでわかる「保育の安全シート」その1:睡眠の安全

 後で「保育の安全シート」専用のページも作りますが、まずはここに。

保育の安全シート:表紙まず、必ずお読みください。2018年3月12日)

保育の安全シート 1-1:睡眠の安全・おもて面(2018年3月12日)

保育の安全シート 1-2:睡眠の安全・うら面(2018年3月12日)
 シートの1-2の5、「うつぶせでぐっすり寝ていると見える姿こそ、SIDSのリスクそのもの」とある意味は、「安全に関するトピックス」の「3-2. SIDSについて:米国国立衛生研究所の情報」の冒頭をお読みください。

●シートの1-1の中央では、ペンとボードに注意を促しています。ペンとボードを持って子どもの間を移動すること自体、危険だからです。
 また、下の「発生時の対応」に掲載した大阪市淀川区の死亡では、「本児に関する事故当日の午睡チェックの記載は、その都度チェックしたものではなく、119 番通報後、保育士の指示で、保育従事者が事後的にまとめて記載したものである」(15ページ)となっています。このような「後付け」(おそらくは嘘)のチェック表記載は、一人ひとりのからだの向きもいちいち記載するタイプのチェック表の場合、(事故後でなくても)日常的に発生していると考えられます。「3-1. 睡眠中の安全」の冒頭(2016年9月15日更新となっている箇所)に書いた通り、人間は特に安全や健康に関して「めんどくさいこと」はしません。「悪いことが起きるはずはない」という楽観バイアスがもともとあるからです。
 今からでも遅くはありません。自治体は睡眠チェック表を簡素化してください。自治体にこの問題を提起して、簡素化を要求してください。「記録ではなく、実質」にしなければ、子どもの命は守れません。

緊急時に対応できるよう訓練を

 「安全に関するトピックス」の「0.緊急事態時の訓練用画像」の映像をご覧いただき、訓練をしてください。計画をして、1時間も2時間もかけて訓練する必要はありません。保育室内、廊下、トイレの中など…、人形を置いて「〇〇ちゃんが息をしていない!」「〇〇ちゃんが動かない!」、そして、上の安全シートの1-2(うら面)最後にある4項目がすぐにできるようにしておくこと、です。「ここなら、声を出せば部屋に聞こえるはず」…、実際にやってみないとわかりません。次の「保育の安全シート」では、「緊急時のすることリスト」を取り上げます。

 この訓練は3月のうちに、来年度のクラス、特に来年度の0歳児クラス、1歳児クラスの保育者ですることが不可欠。「異動が月末にならないとわからない」…、それでは子どもの命は守れません。公立でも民間でも保育者の異動を早く発表してください。実際、この目的で公立保育園の異動の内示を数日であれ、繰り上げた自治体が複数あります。もちろん、繰り上げたからといって、保育者が3月中に打ち合わせや訓練の時間を持たない(持てない)のでは意味がありません。自治体、法人はそのような時間を持てるようにし、保育者が積極的に取り組めるよう声をかけてください。

保護者に渡す注意喚起の手紙

 掛札が委員長を拝命していた千葉県の死亡事故検証委員会で2018年3月9日、検証報告書(提言)を出しましたが、それに合わせ、「保育中のお子さまの健康を守るために」(保護者向け)と、「保育中の子どもたちの健康と命を守るために」(すべての保育施設向け)を作り、公表しました。お役立てください。

 NHKのこの記事(2月19日)も、入園説明会や入園面談などに活用できると思います。

健康情報等を収集・記録するための様式

 上の千葉県の検証委員会では、検証報告書(提言)と合わせて、子どもの健康情報等を収集・記録するための様式も作りました(リンクしてあるページの下のほうにPDFとワードでファイルを置いてあります。検証報告書の中にも掲載されています)。一時預かりのお子さんで、くわしい健康情報がわからない、聞けないという場合に使える「簡易版」も作りましたので、お役立てください。

発生後の対応

 子どもの反応(意識、呼吸)がなく、搬送した後は、子どもが回復しない限り、「現場(現状)の保存」をしてください。千葉県の死亡事故検証委員会の「検証報告書」の「提言3」(2018年3月。33ページ)をお読みください。

(3月24日加筆)2016年4月4日、大阪府大阪市淀川区の認可外施設で起きた睡眠中の死亡に関する検証報告書も2017年7月に出ています。こちらは、子どもの異常に気づいてから119番通報するまでに20分の間隔があいていました。

(発生後の対応のため、内閣府のガイドライン「事故発生時の対応」と合わせて、『保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック』を園でご活用ください。

助成金による「モニター」を使用しない場合のお手紙

 厚生労働省が助成金を提供するという睡眠中のモニター、センサーについて、「導入を見送りたいのだが、導入しないことで『この園は睡眠の安全確保に取り組んでいない』と思われないだろうか」というご相談をいただきました。なので、この手紙を作りました。同じようなお立場の園の方たちは、日本SIDS・乳幼児突然死予防学会の意見書、さらに、厚生労働省のリーフレットと合わせて0歳児、1歳児の保護者の方にお配りしてはいかがでしょうか。

 実際、この手紙に書いた内容以外にも、今後モニターやセンサーのリコールが出た場合(出ないわけがないと思います)に補助金の扱いはどうなるのか、耐用年数後やメンテナンスの問題、モニターやセンサーを使っていたのに子どもが睡眠中に亡くなった場合のことなども懸念材料なのですが、この手紙にはそこまで書いていません。

 この手紙では必ず、自園の具体的な睡眠チェックの方法を書いてください。そして、「5分ごと」「10分ごと」と書いたら、必ずタイマーを使って時間を測ってチェックをしましょう(こちらの3「睡眠チェックの方法」)。頭で「5分ごと」「10分ごと」と思っていても、他の作業をしていたらすぐ20分、30分、経ってしまいます。片手間にするぐらいなら、「今日の睡眠チェック係」を決めて、その人は連絡帳も製作もナシとするのが一番です。

 助成金を使ってモニターをお使いになる園の方も、安心はできません。保護者の中には「機械まかせにしているのではないか」と懸念している人もいるでしょうし、モニターを使っていてお子さんが亡くなったら? 使うのであれば「モニターを使う」旨とその理由を明確にし、「私たちは機械まかせにしません」という説明をしたほうがよいのではないかと思います。その旨の手紙のひな型…? モニターの有効性を示すデータがない以上、「助成金が出ているから」という以上の導入理由は各園、各法人によって違うと思います。長年、モニターと睡眠チェックをしっかり並行しておいでになった園もありますし…。新しく導入する園は、ご自身たちの導入理由をお書きください。

(2018年3月15日加筆) ちなみに、睡眠時のモニターについては、すでに2016年からこちらのページで指摘しています。偽陰性(動かない、生きていないのにアラームが鳴らない)がどれくらいあるのかは報告がまったくありませんが、機械ですから偽陰性がないはずはありません(生きているのにアラームが鳴る「偽陽性」はたくさん報告がありますし)。器具には「これで死亡が予防できるわけではない」という内容が必ず書いてありますから、「使っていたのに亡くなってしまった」とメーカーを訴えることはそもそもできないのです。「使うな」と言っているわけではありません。「あくまでも人間によるチェックが基本」です。

厚生労働省が出しているSIDS予防のためのページ

 厚生労働省のSIDS予防の啓発ページはこちらです(2017年)。一番下に、保護者啓発用のリーフレットも置いてあります。このページの「よくある質問」に、「赤ちゃんが睡眠中に寝返りをして、うつぶせ寝の姿勢になった場合は、赤ちゃんを再びあおむけ寝の姿勢に戻す必要がありますか?」とあり、回答がされていますが、これはあくまでも家庭の話です。保育施設では、下の通りです。

内閣府の安全ガイドライン

『教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン』【事故防止のための取組み】施設・事業者向け、こちらの1ページに「医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、 乳児の顔が見える仰向けに寝かせることが重要」と書かれています。


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