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3-1. 睡眠中の安全(2016年4月14日、10月10日加筆)


(10月10日加筆)
 自治体も省庁も「眠っている子どもたちから目を離すな」「しっかり見守れ」と言うでしょう。「目を離さない」も「見守る」もできないのが人間の脳です。まず、試してみましょう。子どもたちが遊んでいる(眠っている)一方向を見て、「見ていよう」。数秒後には他のことを考えています。または別の方向を見ています。これが人間の脳。これを変えることはできません。
 睡眠中の安全は「見守れ」でも「目を離すな」でもありません。下に明確に書いてある通り、(少なくとも0歳児と1歳児については)毎日、「午睡チェック兼うつぶせ寝を返す係」を置き、午睡チェックとうつぶせ寝ひっくり返しをくりかえす。1~2名は他の保育者も部屋にいて製作やノート書きをしながら、緊急の際に動けるようにする。「見守れ」「目を離すな」ではなく、明確な行動です。
 自治体や省庁もぜひ、「人間には不可能なこと」を押しつけないようにしていただきたいと思います。健康心理学の長年の研究からわかっていることですが、人間は「できない」と思ったことはしません。「できるわけないじゃない! だいたいうちの園で子どもが死ぬなんて、ありえないんだから!」とリスク自体を否定していきます。だからこそ、「これならできる」「やってみたらできた」という行動を明確化する必要があるのです。子どもの睡眠中の安全に限らず、どんな健康行動でも、安全行動でも。
 下の4)にも加筆がありますので、そちらもご覧ください。


(9月15日加筆)
 あとで場所は移動しますが、まずはここに。睡眠チェック表があまりにもいろいろありすぎるようで、かつ、自治体等が手間だけを増やす用紙を出してきている所もあるようなので、「記録のための記録」ではなく「行動の、確実で簡便な記録」となるよう少し考えてみました。
 ここにPDFで、掛札が仮に作ったチェック表を置いてあります。「これがいい」と言っているわけではありません。まったく違います。皆さんの園で使っているもの、自治体から使用を求められているものが形骸化しないよう、議論の材料にしていただければありがたく。
 人間は、ただでさえ安全行動をしません。「そんなこと、起きるわけない」と思っている(楽観バイアス)からです。そこに、煩雑でめんどうな記録が加わったら、いっそうしなくなります。後からまとめて記入するようなことにもなりかねません。それでは意味がまったくないのです。自治体等が煩雑なチェック表を使うよう求めてきたら、「これは無理です。なぜ、これが必要なのですか?」とはっきり言ってください。睡眠チェックは子どもの命を守り、職員の心と仕事を守るためにするのです。「記録のための記録」が足をひっぱってチェックをしなくなるなら、本末転倒です。(3-5参照)

 PDFにも書いてありますが、「睡眠チェック」は「上を向いているか」「生きているか」のチェックではなく、全身状態のチェック。寝ているからこそ、しっかり確認できます。ここで全身状態の確認の練習をし、習慣づけておかなかったら、起きている時の変化を見逃します。本質を見失わないでください。
 ご意見などはブログにお願いします。



(ここからが、元の文章です)
 あおむけ寝ですやすやと眠っているように見えても、乳児が突然死する(している)ことはあります。「死亡に至るような異常は、私たちの園でいつ、どの子に起こってもおかしくはない」と考え、異常の早期発見と救急救命対応ができるようにしておくことが、「死ぬかもしれない小さな命を預かるプロ集団」としては重要です(保育者はそのような「プロ」なのです! 「子どもの命を預かるプロの仕事」は、社会にあとどのくらいありますか? 保育はそれぐらい大変で大事な仕事です)。そして、万が一の時、「あの時、私がうつぶせ寝にさせていなければ…」「あの時、私が早く気づいていれば…」と後悔する原因を増やさないためです。

 そして、もちろん、突然死以外にも死亡は起こりえます。とにかく…、
1)窒息を防ぐ、
2)うつぶせ寝をさせない(窒息予防でもあり、突然死のリスク低減でもある)、
3)睡眠チェックをする(早く気づき、救急対応できるように)。

1)窒息死の予防

 最低限0、1歳クラスでは、まず窒息死を予防する行動をします。窒息死は予防できる死亡であり、予防の取り組みをしなかった場合は過失を問われる可能性もあります。

うつぶせ寝をさせない。つまり、おなかを下にした体位で寝かせない。うつぶせ寝によって、肺がうまく機能できず、窒息する事例も欧米では報告されています。「顔が下を向いていないから大丈夫」ではありません。(2016年9月14日加筆)

・窒息の危険を、一人ひとりの子ども、その周辺から確実にとりのぞく
〔例〕
 -やわらかい布団、タオル、枕、ぬいぐるみなど
 -すべてのヒモ類
 -口の中のもの(吐しゃ物、食べ物、小物)
 -顔にかかっている布、物等

・窒息の危険を発見した場合には、すぐに、(最低限)クラスの中で情報を共有する(正規、非正規、有資格、無資格を問わず)。「誰が悪かったか」(責任追及)ではなく、「このようなことが起きていたので、次は起きないように~をしよう」(予防)という言い方で。

 そのための報告用紙と解説はこちら(「安全全般」の1-1)。


2)突然死リスクの低減、異常の早期発見

 窒息死の要因をとりのぞいても、「突然死」「SIDS」は起こります。突然死はいまだ原因不明であり、いつ、どこで誰に起こるかはわかりません。よって、異常に早く気づいてすぐに救急車要請をする、蘇生措置を行うことが保育施設の果たすべき社会的責任となります。

(日本には死因検討システムがありませんから、「SIDS」「突然死」「不詳の死」等さまざまに書かれますが、この中にはおそらく窒息死も含まれていると考えられます。そして、「SIDS」と「突然死」は基本的に違うものではありません。)

 ポイントは以下の通りです。

・突然死のリスクを下げるため、うつぶせ寝をさせない。おなかを下にした体位で寝かさない。うつぶせ寝のリスクについてはこちら(「睡眠の安全」の3-2。書いてある通り、「うつぶせ寝のほうが深く、よく眠る」のは事実。だが、「深く、よく眠る」こと自体が死亡リスクを上げる要因)。

・異常に早く気づくため、睡眠(午睡)チェックを行う。

・異常に気づいたら、すぐに救急車要請をし、蘇生措置を開始する(両者は同時にスタートする)。異常に気づいた時の対応は、政府の「安全ガイドライン」、ガイドラインに書かれている内容の詳細は、『保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック』を参照してください。。

・SIDSについては、「リンク」のSIDSの項もご覧ください。

3)睡眠(午睡)チェックの方法(2016年9月7日改訂)

・0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに行うことが推奨されています。これは「ドリンカー救命曲線」をもとにしており、0歳児のほうが突然死の確率が高いためです。まず、5分ごと、10分ごとといった目安を決めてください。真剣に睡眠チェックをし、うつぶせになった子どもを一人ずつあおむけにしていたら、5分、10分はすぐに経ってしまうはずです。「取り組むこと」が大事であって、「時間以内にすることが大事」ではありません。ですから、チェック用のシートも時間を最初から書いておくのではなく、「その日、実際にチェックをした時間」を書くべきです。睡眠チェックについて保護者や園訪問者に伝え、保育者も忘れないようにするためのクラス掲示はこちら(3-5)

・睡眠チェックをしていると「ノート書きができない」「製作が進まない」と言われます。配置ぎりぎりの施設の場合、それは事実ですが、子どもが亡くなること、保育者と保育園が社会的責任を問われることを優先して考えるべきです。睡眠チェックとうつぶせ寝のひっくり返しをする保育者を(0歳と1歳については)毎日必ず一人、おいてください。必要であれば、自分たちの安全の取り組みを保護者に伝えて製作や行事を減らすことに了承を得(「コミュニケーション」のB-1の中にある手紙「睡眠中の安全確保をするために」)、自治体や国にも保育者の配置増を要求しましょう。

間隔は、キッチンタイマー等で必ず測ります。時間に余裕があり、睡眠チェックの担当者が別の作業に戻れる場合、次のチェックの時間を忘れてしまう危険性が高くなります。キッチンタイマー等で必ず時間を測り、アラームを鳴らしてください。「自分で時計を見ながら」では、5分のはずが15分、20分になります(人間の時間感覚は非常にずさん)。

・「キッチンタイマーを鳴らすと起きてしまう」と心配する人もいますが、慣れれば子どもは起きません。そして、寝ない子どもは、タイマーを鳴らそうと鳴らすまいと寝ません。

・チェックは一人ひとりの子どもに触れ、「○○ちゃん、~~だね」と言葉を発しながら行います(声出し指差し確認の一種。下の※参照)。目視では異常が早期にわからない可能性が高い。

・チェックは、「この子は異常な状態にあるかもしれない」「この子の呼吸は止まっているかもしれない」と思いながら行います。「大丈夫」と思っていたら(思い込んでいたら)それだけで上の空になり、気づけない可能性があります。

・睡眠チェックのシートを子ども一人ひとりについて記入している園もありますが、これは睡眠チェックをしつつ、持ったシートに記入しつつ移動する場合のみです。シートを棚の上に置いておき、一周したら棚の所で全員分チェックするというのでは意味がありません。記入漏れはもちろん起こりますし、仮にその日は休みの子どもにまでチェックを入れてしまったら、チェックを実際にしたという事実すら疑われかねないのです。まとめてチェックするのであれば、一周したら「何時何分にチェック」「全員異常なし」または「○○ちゃんが…」(特記事項)でよいと考えます(0歳児、特に預け入れ初期はこの限りではない)。下の★

・チェックのシートに体位を書く欄があり、そこに「うつぶせ寝」が含まれている園もあります。これはうつぶせ寝の状態で放置することを容認しているのでしょうか。体位は基本、常にあおむけです(米国では「横向きも危険」とされている)。

・チェック漏れがないよう、チェックする順番(流れ)は決め、毎日同じとします。そのため、布団は整然と並べて敷きましょう。アタマジラミ等で子どもの寝る位置は変わったとしても、布団が整然と並び、同じ順番で毎日チェックすれば、チェック漏れは少なくなります(0歳児、特に預け入れ初期はこの限りではない)。

・敷き布団の間を歩いているとつまずく危険があり、子どもの上に倒れる危険性もあります。「私は大丈夫」と思わず、四つん這い、または膝立ちで移動したほうがよいでしょう。このほうが子どもの口元もよく見え、耳や手を用いた呼吸確認も容易になります。

(2016年9月9日加筆)監査等で「睡眠チェック表は一人ひとりつける」よう指摘されるかもしれません。上にも書いたように、一人ひとりのチェック表は現実的ではないのです。このような手間のかかることを要求されれば、実際にはチェックをせずに後でチェック表だけを埋める「空チェック」が増えるだけです。説明しても「できるでしょう」「しなさい」と言われたら、する以外にありませんが…。今まで多くの自治体が「睡眠チェック」と言いもしなかったのが、突然ここへ来て「一人ひとりチェックをつけろ」というのは、あまりに理不尽です。

(2016年9月14日)
言わずもがなだと思っていたので書きませんでしたが、ゼロ歳児は全員が一斉に眠るわけではありませんから、眠っている間に定期的にチェック、チェックした時間と子どもの状態を書けばよいと思います。
自治体によっては、一人一人のチェック表に最初から時間(5分ごと、10分ごと)が印刷されているものもあるようです。これは、自治体に言って変えるべきです。その間隔で、その時間以内にすることなど、(一人ひとりをさわりながらきちんとチェックしていたら)不可能です。空チェック、嘘記入を増やすだけです。
一人ひとりのチェック表を使っている場合、朝、または午睡前に必ず、「今日は休みの子」の欄にはっきり横線を入れておいてください。誤ってその欄にチェックを入れてしまわないためです。


4)うつぶせ寝をあおむけに返す(2016年10月10日加筆)

 睡眠チェックを担当する人はチェックに専念し、合間にうつぶせ寝に気づいたらすぐにあおむけに返します。睡眠チェック時まで待つ必要はありません。

 保護者の中には、「うちの子はうつぶせ寝のほうがよく寝るから、うつぶせ寝にしてください」という人もいます。その場合、厚生労働省のリーフレットを渡して「園ではあおむけにしています」と説明します。でも、ここで保護者を強く説得する必要はありません。その会話自体はあいまいにしたまま受け取り、園ではあおむけに返せばよいのですから。厚生労働省のリーフレットはこちら。「保護者がいいと言ったから」は、子どもが亡くなった時には通用しません。

(10月10日加筆) たとえ保護者が家庭でうつぶせ寝にさせていたとしても(これも事実はわからないのですが)、保育者があおむけに返していれば、(長くても2か月ぐらいで)あおむけで寝るようになります。これは長年にわたり、あおむけ寝を徹底しているいくつもの園で保育者がおっしゃることです。「この子はうつぶせ寝じゃないと寝ないから」とうつぶせ寝にさせておくから、いつまでたってもあおむけ寝にならないのです。園であおむけ寝の習慣をつけていけば、家庭における死亡予防にもつながるかもしれません。

 もちろん、中にはなんらかの心身上の理由でうつぶせ寝にしなければいけない子どももいるでしょうし、「ただコロコロひっくり返る」のとは違う子どももいるでしょう。それはプロとしてわかるはずですから、医療や療育へ積極的につなげてください(3-5の掲示内容の最初と最後の項目)。

 睡眠チェックの間隔までうつぶせ寝のひっくり返しを待ってはいけない(気づいたらすぐにひっくり返す)理由としては、うつぶせになりつつある状態の時に気づいてあおむけにするほうが楽だから、という点もあります。「横向きだからいいだろう」と思っていると、腕がだんだんからだの下になり、気づいたら、ほぼうつぶせ状態の横向き。この姿勢になる前に態勢を変えれば、子どもも保育者もずっと楽です。


5)幼児の場合

 異常な音、声、事態にすぐ気づけるよう、必ず一人はクラスの中にいて、子どもの方にからだを向けていること。幼児が睡眠中に死亡する事例もあるからです。


6)子どもが泣く場合

 預け始めの子どもが泣くのは当然ですし、寝ないのも当然です。それを無理に寝かそうとして布団をかけたり、別の部屋に寝かせたり、押し入れに入れたり(※※)すれば、当然、死亡の確率は上がります。「泣く」「寝ない」という前提で、保育者側がお互いに声をかけあい(励ましとねぎらい)、落ち着いて対処してください。

 年度半ば以降の預け始めの場合、他の子どもが寝ている時に預け始めの子どもが泣き、他の子どもが起きてしまう心配もあります。泣くのをとめよう、寝かせようとして、上と同じようなことをしてしまう場合もありえますが、これも当然、死亡の確率が上がります。

 施設や敷地が大きければ、抱っこして事務室でみる、抱っこして少し外に出るといったこともできるでしょう。けれども、たとえばビル内の小さな施設では、事務室が保育室横の小さなスペースであったり、外に出られなかったりもします。これは保育の質という観点からも改善するべき点ですが、現状ではいかんともしがたい点です。「泣きやんでほしい」「寝てほしい」という感情がどうしても優先することを保育者がお互い理解したうえで、子どもの命と保育者の心と仕事を危機にさらす行動だけはとにかく避けるようにしていただきたいと思います。


7)ずっと泣かせておいてよい?(5月12日加筆)

 泣くのは当然だから、泣かせておいてよい? 違います。「○○ちゃん、泣いちゃったね。他の子をみていて。○○ちゃんをおんぶしてちょっと事務室で用事をしてくるから」「はい、わかりました。おんぶすれば泣きやむものね、○○ちゃん」、こういったケアの言葉を保育者同士でかけながら、おとなのストレスを下げながら、泣いている子どもが泣きやむようにしていく、ということです。

 おとなでも、あまり泣いていると血圧が上がって、頭が痛くなってきます。子どもも同じです。特に乳児は、まだまだ中枢の働きがしっかりしていないのですから…。子どもが泣き続けること、またはひんぱんに泣き続けていることで、血圧上昇、頭蓋内圧上昇、心拍・呼吸・体温の急激な変化、免疫力・消化力の低下、成長ホルモン分泌低下、無呼吸、心臓に対するプレッシャーとそれによる頻脈等が起こると言われているそうです。

(子どものからだに起こる変化については、欧米で流行している crying it out という方法に反対する科学者の意見を集めたサイトから引用しました。Crying it out とは子育ての方法のひとつで、「泣いている子は、泣かせておけば静かになって寝る」というものです。オーストラリアのサイトで、英国のMargot Sunderland医師が書いている情報です。)

8)「寝かしつけだけだから」(6月2日加筆)

 「うつぶせ寝させるのは、寝かしつけだけだから」「この子はすぐにうつぶせになってしまって寝ないから、しょうがない」「(うつぶせ寝トントンで)せっかく寝たんだから、動かさないで」…、実によく聞きます。

 でも、どうか覚えておいてください。子どもの睡眠中の死亡リスクを下げるための保護者向けアドバイスは、「寝かしつけからあおむけ寝」(厚生労働省のリーフレット、上と同じ)なのです。寝かしつけは仰向け寝。うつぶせ寝にしておいて「寝たな…」と思ってしばらくしてみたら、呼吸が止まっていた!ということもありえなくはないのです(うつぶせ寝で「せっかく」寝ついた瞬間に、あおむけ寝にひっくり返す人はいないでしょうから)。そして、うつぶせ寝を続けていれば、子どもはいつまでもあおむけ寝に慣れません。

 うつぶせ寝の何が、どのようにして死亡リスクを上げるかはまだ明確にはわかっていません。ただ、リスクは明らかに上がります。そもそも、うつぶせ寝であれば顔は斜め下方向を向いているわけですから、窒息しやすくなります(米国では、横向きも危険とされています)。また、うつぶせ寝でいることによって肺が大きくふくらむことができず、窒息死する可能性も示唆されています。これは「突然死」ではなく、「窒息死」です。

 「そんなこと言われても、寝ないんだから」…。子どもたちを一斉に寝かしつけなければいけない、そして、一定時間、寝かせ続けなければいけない今の保育状況は、子どものためになっているのでしょうか。「寝てくれないと作業ができない、連絡帳が書けない」「寝なかったら、後の活動にさしつかえる」「この子が泣いていると、他の子どもが起きてしまう」…。人手がとにかく足りない、でも、子どもたちには予定通り、活動をさせなければいけない状況。ビルの中の保育園などのように、泣いている一人の子どもがおとな全員のストレスになるような環境。 「早く寝かしつけられる」ことが保育士のスキルになっている現状。

 とはいえ、子ども一人ひとりに合わせた睡眠や活動を今の保育園ですることは、(少なくとも都市部では)かなり困難です。仮に環境的にできたとしても、保育士さんがそれをできるスキルを持っているか?という課題もあるでしょう。そうなると、今、何を優先させるか。まずはとにかく、子どもの命と働く人の心と仕事です。保護者に説明して製作や行事を減らす、活動の計画を今まで以上に余裕のあるものにする。そのぶん、睡眠の安全のように、命に関わる部分は行動として明確に取り組む。人間は心理的に、「もしかしたら起きるかもしれないリスク(=起きるはずがないと思っているできごと)」より、「目先の用事」のほうをどうしても優先させます。でもそれでは、万が一の事態が起きた時に遅い。それが睡眠中の安全や水の安全なのです。


指さし声出し確認 詳しくはこちらをお読みください
 目視をしているだけでは、人間、すぐにうわの空になります。指をさすことで(睡眠チェックの場合は触れることで)その先にある対象に目が向き、自分に向かって声を出すことで「今、意識を向けていること」を自分に言い聞かせることができます。もちろん100%有効ではありませんが、単なる目視より効果があることは、鉄道や医療の研究報告から明らかです。「声を出す」は、うわの空になっている自分を「我に返す」方法でもあります。  指さし声出し確認については、政府の「安全ガイドライン」でも食物アレルギーのチェックで推奨されていますが、掛札がもともと書いた下書きではすべての確認行動で行うよう書いています(「安全ガイドライン」と下書きはこちら)。

※※2011年4月7日に埼玉県川口市で起きた1歳児の死亡事例。2014年のニュースで「川口」と検索すると、事例と裁判の推移のニュースが出てきます。