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1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす(2016年7月25日更新)


「気づき」を集めて、保護者に共有した例を掲載しました。(2017年10月18日)

1.できごと別に、 どんなことに気づき、報告・共有するか(2015年12月31日)

 大きく「ヒヤリハット報告」と言っても、いったい何がヒヤリハットで、何が事故で、何が…??? 子どもの命に関わるできごとは、それぞれに特徴があり、ひと言で「ヒヤリハット」とまとめて報告することは不可能です。そこで、睡眠中、水活動中、誤嚥窒息(食べ物、玩具等)、食物アレルギー、ケガ(高所からの転落、それ以外のケガ)について整理しました。2を読む前に、こちらのPDFを必ずお読みください。文中にある『保育界』の連載は、すぐ下にリンクを置いてあります。

参考資料:上のPDFの最後にあるケガについては、こちらの資料(「子どもにケガは大切! でも命はしっかり守る」の配布資料。特に後半)もご覧ください。


2.できごと別に気づきを記録、共有する記入用紙(2016年4月10日、7月25日更新)

 NEW!  もうひとつ、「これを集めてどうするの?」「なんの役に立つの?」という質問をいただきます。『保育界』の連載の最後にも書きましたが、こうした疫学的なデータ収集は「集めてからわかる」「自分たちで集めてみなかったら絶対にわからない」が基本です。実際、フセンやこの用紙で集めている園を見ると、園によってどの用紙が多く出てくるかもまったく違います。

 使い方の基本を簡単に書いておきます。
●出てきたら、「出してくれてありがとう!」「気づいてくれてありがとう!」「え、そんなことがあったんだ。教えてくれてありがとう」と言う習慣を園全体でつける。
●出てきたものを園長やリーダー層が必ずこまめに見て、優先順位をつける(優先順位をつけるのもトレーニングです)。
●「全園で知恵を出しあう」(アレルギー、連携ミスや紛失など)、「修理する」「しまう」(破損、物の誤嚥など)、「クラスにおろして具体的な対策を考える」(睡眠中の窒息、高所からの転落など)、「全園で共有する」(散歩ルートの危険、食物アレルギーなど)、「クラスの中で伝達していく」(食べ物の誤嚥など)、「保護者に注意喚起する」(落ちているもの、食物の誤嚥など)。つまり、できごと別によって対応の基本も変わるのです。
 以上のようなことは、漫然と「ヒヤリハット」と言って集めていたのではできないことです。(2016年7月25日)


(以下は、4月の時点で書いたものです)
 気づきは「フセンでどんどん集めましょう!」とお伝えしてきました(『保育界』連載参照)。実際に取り組んでいる園も複数ありますが、「なかなかうまくいかない」という園も多いようです。なので、すでにフセン法に取り組んでいる園の例などをもとに、できごと別に記録、共有する記入用紙を作りました。とにかく書いて、すぐに共有する! そのためのものです。A4サイズの紙1枚に4枚ずつ印刷できます。(ケガとかみつき・ひっかきは少々お待ちください。)

 NEW!  0.1~9それぞれの記入用紙の説明(PDF)
以下は印刷用の記入用紙です。1~9のPDFはすべて同じウインドウを上書きして表示されます。
 1.園内に落ちていたもの、破損、環境上の危険
 2.睡眠、午睡中の危険や異常(睡眠チェック表ではありません)
 3.誤嚥(食物)  関連:兵庫県保育協会 『ヒヤリハット/傷害/発症事例集』
 4.誤嚥(物)
 5.散歩(危険な物、人、環境)
 6.散歩(保育者の安全管理ミス)
 7.食物アレルギー  関連:兵庫県保育協会 『事例集』(同上)
 NEW!  8.高所からの転落 食物アレルギー同様、「結果的に大丈夫」でも報告・共有
 NEW!  9.連携ミスや書類、鍵などの紛失

 これは、起きたことを分析するための用紙ではありません。次に起こる似たようなできごと、次には深刻な結果になるかもしれないできごとを予防するために情報を出し、共有するための用紙です。それぞれの目的は、上の〔1〕にあるPDFと「0.それぞれの記入用紙の説明」をお読みください。

 1)まず、これは「事故報告書」ではありません。受診したかどうか、子どもになにかの影響が出たかに関係なく、「とにかくみんなに伝えなきゃ」という事例を書いていただくためのものです。2)そして、「後で考えて書く」ものでもありません。事実をささっと書いて伝える練習でもあります。3)さらに、「反省文」ではありません。反省を書く欄は一切ありません。

 記入用紙をご覧いただければおわかりのように、大部分の「気づき」は「気づいてくれてありがとう!」に属するものです。もし、その場にいた保育者になんらかのミスがあったとしても、反省を書く必要はありません(反省はしたほうがよいですが)。誰でも同じようなことをするのですから。反省ではなく、「次に同じようなことが起きたらどうしようか」と皆で知恵をいろいろと出し合うための材料です。そもそも、従来のヒヤリハット報告書や事故報告書の「反省」「予防策」欄には、当人が書いた「気をつけます」「見守ります」「連携します」ぐらいしかありません。それでは、なんの意味もないのです。当人が反省するのではなく、皆で具体的な予防行動を考えましょう。

 「数を集めてどうするの?」、数を集めてみて初めて、「共通するパターン」や「同じできごとでも違っている部分」がわかってきます。ひとつの受診事例を細かく分析しても、それはわかりません。数を集めて、共通点や違いをわかって初めて、次の事例を多角的にみられるようになるのです。『保育界』の連載にも書きましたが、「まずは集めてみる」「どのクラスが集まらないかを考える」「さらにとにかく集めてみる」「そこから考える」です。取り組んで初めてわかることも、たくさんあります。なにより、「報告・共有に慣れていく」ことができるでしょう。

 記入用紙は切らずに使うこともできますが、フセン同様、4つに切ったほうが後で整理・分類・検討する時に便利です。特に、子ども別、もの別、食物別などに分けて検討するのであれば。

 お使いになってみて、「こうしたほうがいい」というご意見がありましたら、ブログにどうぞ。何もなくても「使ってみた!」というひと言をブログに書いていただけるだけで、励みになります。「事例をかなり集めたんだけど、どうしたらいい?」ということがありましたら、それもブログ経由でどうぞ。私の勉強にもなりますから、分析等についてもご協力します
 (この用紙の作成には、都内の公立保育園看護師さんのご意見をいただきました。ありがとうございます。)


フセンを使った気づきの集め方と活かし方:実例


ケガ事例やケガになったかもしれない事例から、自分たちの保育をつくる方法




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