9-2. 『保育者のための「ハザード」教室』に合わせた事例集
(11月27日更新)

 ここで紹介する未就学児施設等の事故は、 消費者庁が公表する「消費者安全法に基づき、関係行政機関等から生命・身体被害に関する消費者事故等として通知された事案」(※)の中から、所さんが『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室』の内容に合わせて抽出したものです。

※こども家庭庁等に報告される道筋とは別の事故情報システムです。「保育・教育」は金銭を介した「消費者サービス=保育サービス」であるため、製品が関わっていなくても報告が必要となります。

★( )の日付は、消費者庁ホームページの公表日。
★掲載されている以上の詳細は不明です。消費者庁や都道府県に問い合わせをしても、これ以上の情報は得られません。 報道された事故は、本サイトの「安全」「ニュース」に掲載されています。
★各ページを印刷する場合、縮小(80~60%)設定をお勧め。



落とす

New ▶不安定な体勢で抱っこした1歳児が床に落下
 2023年9月29日、東京都内の保育施設において、1歳児の両膝の下に職員が両腕を入れるような不安定な体勢で1歳児を抱っこしたため、1歳児が右側に倒れ、頭から床に落下し、左大たい部骨折の重傷(2023年11月2日)。

▶抱っこ中の0歳児を床に落とす
 2023年4月5日、鹿児島県内の保育施設において、職員が0歳児を抱っこしたところ、0歳児が後ろに反り返った際に、職員はバランスを崩し、職員の腕から0歳児が床に転落した。帰宅後、救急搬送され、頭蓋骨骨折及び急性硬膜外血腫の重傷(2023年7月21日)。

▶前抱っこからおんぶに変えようとして落ちる
 2023年3月7日、愛知県内の保育施設において、0歳児を抱っこひもで前抱きしていた職員が、体位をおんぶに変えようとした際に誤って0歳児が滑り落ち、左鎖骨骨折の重傷(2023年5月25日)。〔所コメント〕体勢を変えるときは、園児を抱っこしたままで行うと滑り落ちることがあります。一度、園児を降ろしてから行ってください。

▶おむつ台から床に転落
 2023年6月7日、熊本県内の保育施設において、職員がおむつ台の上に幼児を寝かせたまま、ゴム手袋を取るために目を離したところ、幼児がおむつ台から床に転落し、右側頭骨折(2023年7月13日)。

▶施錠し忘れた避難車から転落
 2023年5月12日、山形県内の保育施設において、幼児が避難車に乗っていたところ、避難車の開閉扉から幼児が床に落ち、左中指を骨折。職員が扉の施錠を忘れたため、扉が開いてしまった(2023年7月13日)。

▶ベビーカーのベルト装着が不十分で、ベビーカーから転落
 2023年2月3日、東京都内の保育施設の園外保育において、4歳児が乗ったベビーカーのタイヤが自動ドアのレールに引っ掛かった際に、4歳児がベビーカーから転落し、右足首骨折等の重傷。なお、ベビーカーのベルトのバックルが最後まで装着されておらず、不十分であった(2023年4月6日)。〔所コメント〕ベルトが装着されていない状態でベビーカーに乗っていると、段差等の衝撃でベビーカーから子どもが落ちることがあります。ベルトの装着を確認してからベビーカーに載せてください。


落ちる(のぼって落ちる)

New ▶開いていた保護ネットから地面に落下
 2023年6月10日、佐賀県内の保育施設の園庭において、幼児らがトランポリンで遊んでいたところ、トランポリンの保護ネットが開いていたため、1名の幼児がそこから地面に落下し、右橈骨尺骨遠位端骨折の重傷。このトランポリンは、幼児が保護ネットを開閉して中に入り、職員がその状況をそばで確認することとなっていたが、事故時に職員はそばにいなかった(2023年11月9日)。

New ▶机を踏み台にのぼった窓から外に転落
 2023年8月2日、千葉県内の放課後児童クラブにおいて、窓枠桟に腰かけた児童が窓から外に転落し、左上腕骨骨折の重傷。当時、職員が清掃のために机を窓際に積み上げており、児童は机を踏み台にして窓枠桟に腰かけていた(2023年10月13日)。〔所コメント〕窓の近くに踏み台になるものを置くと大変危険です。

New ▶網戸に寄り掛かり、網戸ごと外に転落
 2023年4月20日、岩手県内の放課後児童クラブにおいて、窓の縁に座った児童が窓の網戸に寄り掛かったところ、網戸が外れて屋外の地面に落下し、右腕骨折の重傷。この窓は児童が腰かけることができる高さにあるが、転落防止柵を取り付ける等の安全対策が取られていなかった(2023年6月22日)。〔所コメント〕保育施設でも網戸に寄り掛かって外に転落する事故が起きています。網戸は転落防止策にはなりません。

New ▶雪山裏側のアスファルト面で骨折
 2022年2月8日、山形県内の教育施設の園庭で幼児が雪山で遊んでいたところ、裏側のアスファルト面(雪はない)に落ち、腕を骨折。(2022年3月25日)。

▶重ねた積木にのぼろうとして床に転倒
 2023年6月22日、岩手県内の保育施設において、4歳児が保育室内に重ねて置かれていた積み木に登ろうとしたところ、バランスを崩して床に転倒し、右肘若木骨折の重傷。なお、積み木は使用後も片付けられておらず、保育室に置かれたままだった(2023年8月24日)。

▶のぼっていた太鼓橋から足を滑らせ転落
 2023年5月17日、愛知県内の保育施設の園庭において、職員が補助して、幼児を対象年齢に合致していない遊具(太鼓橋)で遊ばせていた。その後、職員が遊具を離れたところ、幼児が一人で遊具に登り、足を滑らせ転落し、顔面をぶつけ歯を負傷(2023年8月24日)。

▶立てかけておいたマットによじのぼり、転倒
 2022年12月22日、静岡県内の保育施設において、幼児が棚に立てかけてあったマットに乗ったところ、マットとともに転倒し、顔面を棚に打ち、口腔内等を負傷。マットは使用後も片付けられておらず、保育室内に立てかけられたままだった(2023年8月24日)。〔所コメント〕立てかけておいたマットが倒れて、園児が下敷きになる事故も起きています。すぐにマットを片付けられない場合は横置きにしてください。

▶鉄棒下のクッション材に落ちたが、クッション材が劣化していて骨折
 2023年5月16日、徳島県内の保育施設の園庭において、4歳児が鉄棒から転落し、右上腕骨顆部骨折の重傷。なお、鉄棒の下にはクッション材が敷かれていたが、クッション材は劣化しており、落下時の安全対策が十分ではなかった(2023年10月5日)。

▶木にぶら下がり落下
 2023年7月4日、東京都内の保育施設の園庭において、5歳児が木にぶら下がり、その後落下した際に、左上腕骨顆上骨折の重傷。なお、当該施設では、過去に同様の怪我が発生していたため、この木は職員間で注意を払う場所としていたが、園児らが容易に立ち入れる状態になっており、安全配慮が不足していた(2023年9月22日)。〔所コメント〕危ない場所は囲うなどして物理的に入れないような措置をとってください。

▶ジャングルジムで鬼ごっこをしていて転落
 2023年5月16日、東京都内の保育施設の園外保育において、5歳児が公園の遊具(ジャングルジム)を利用して鬼ごっこをしていたところ、遊具から転落し、左橈骨頸部骨折疑い等の重傷。なお、当該公園は予定していた園外保育先ではなく、遊具の安全確認をせずに園外保育を実施した(2023年9月7日)。

▶積み重ねたソフト積木に乗り、転落
 2023年8月3日、兵庫県内の保育施設において、遊戯室で運動遊びをしていたところ、3段重ねたソフト積み木の上に乗った3歳児がバランスを崩して落下し、左上腕骨顆上骨折等の重傷。なお、運動遊びを行うに際して、ソフト積み木を固定せずに3段重ねる、防護マットを敷かないなど、職員の安全配慮が不足していた(2023年9月7日)。〔所コメント〕ソフト積木を積み重ねて、その上に乗って転落する事故は他の施設でも起きています。

▶棚の上にのぼり、窓から外に転落
 2023年7月26日、秋田県内の保育施設において、保育室の棚の上で遊んでいた幼児が保育室の窓から外に転落し、右腕を骨折。当時、保育室及び窓は施錠されておらず、幼児が保育室にいたことを職員は把握していなかった(2023年8月31日)。〔所コメント〕窓の近くに棚があったと思われます。窓の近くには踏み台になるものは置かないようにしてください。

▶ベビーカーから身を乗り出し、ベビーカーごと転倒
 2023年4月21日、富山県内の保育施設において、職員が0歳児をベビーカーに乗せて寝かしつけていた際に、職員が他児をあやすためにベビーカーから離れたところ、0歳児が身を乗り出し、ベビーカーごと転倒し、歯を負傷(2023年6月1日)。


引っかかる、からまる

New ▶冷蔵庫のコードに足を引っかけて転倒
 2023年8月4日、千葉県内の放課後児童クラブにおいて、児童が冷蔵庫のコードに足が引っかかって転倒し、左足踵骨にひびが入る重傷。当時、放課後児童クラブは、学校の家庭科室で活動をしていたが、職員は冷蔵庫のコードのたわみに気付かず、また、室内は通路が狭く歩きにくい状態だった(2023年10月5日)。〔所コメント〕保育施設の事故ではありませんが、電源コードは引っかかりやすいため、壁面に固定するなどしてください。

▶設置中の遮光ネットに引っかかり後頭部を強打
 2023年5月23日、高知県内の保育施設の園庭において、職員が遮光ネットを取り付けていたところ、遮光ネットをくぐりぬけようとした幼児が顔をひっかけて転倒し、後頭部を強く打ち、救急搬送。外傷性くも膜下出血の疑いと診断され、2日後に緊急手術となる。当該施設では、園庭を使用していない時間帯に遮光ネットを取り付けることとしていたが、当時それが守られていなかった(2023年11月2日)。

▶大繩に引っかかり、転倒した先にあったレンガに鼻をぶつける
 2023年2月14日、兵庫県内の保育施設のレンガ歩道のある園庭において、大縄で遊んでいたところ、5歳児が縄に足を引っ掛けて転倒し、レンガ歩道の縁石に鼻をぶつけ、鼻骨を骨折する重傷。なお、縁石のあるレンガ歩道に向かって大縄を走り抜ける遊び場所が適切ではなかった(2023年8月31日)。〔所コメント〕大繩遊びで縄に引っかかることは考えられます。引っかかって転倒したときに硬いもの、とがったものにぶつかると危険です。

▶裾の長い服にかかとが引っかかり転倒
 2023年3月6日、大阪府内の保育施設において、両足飛びで移動していた2歳児が転倒し、さらに立ち上がろうとして再び転倒し、右脛骨骨折の重傷。2歳児の服の裾がかかとに引っかかり、滑ったものと考えられる。なお、職員は2歳児の服の裾が長いことに気付いておらず、着替えさせる等の安全対策を取っていなかった(2023年6月15日)。

▶築山のロープに首がからまり意識不明に
 2023年5月2日、埼玉県内の保育施設の園庭において、3歳児がブルーシートで覆われた築山に設置されたロープで遊んでいたところ、ロープに首が絡まった状態で発見され、病院に救急搬送されたが、意識不明の重体。なお、ロープは職員が事故発生前に設置したが、事故発生時には築山近くに幼児らを見守る職員はいなかった(2023年5月18日)。〔所コメント〕大きく報道された事故です。3歳児は後日意識を取り戻したようですが、斜面に設置されたロープに首が絡まると、一瞬で首つり状態になり、とても危険です。


はさむ、はさまる

New ▶滑り台の手すりに首がはさまり救急搬送
 2023年5月22日、東京都内の小学校の遊具(滑り台)において児童が遊んでいる際、何らかの原因により、遊具の手すり部分に首が挟まった状態で発見され、病院に救急搬送したが、蘇生後、脳症の重症(2023年8月17日)。〔所コメント〕滑り台の形状がわかりませんが、手すり部分にすき間があり、首がはさまったのではないかと推測します。

New ▶他児が閉めた扉に指がはさまれる
 2023年6月23日、神奈川県内の保育施設において、4歳児が隣の保育室に行ったところ、他児が保育室の扉を閉めたため4歳児の指が扉に挟まれ、左指骨折等の重傷。当該施設では、扉に指挟み防止策を施していなかった(2023年11月2日)。

New ▶タオル掛けを代用した上着掛けが倒れる
 2023年2月22日、高知県内の保育施設において、幼児が上着掛けを倒し、そばにいた他児の左手中指が挟まれ、左手中指を骨折する重傷。なお、上着掛けはタオル掛けを代用したもので本来の使い方ではなく、また、固定していなかったため倒れやすい状態にあった。(2023年6月15日)。〔所コメント〕タオルと上着では掛けるものの重さが違うため、タオル掛けに上着を掛けると不安定になり、少しの力でも倒れやすくなります。

▶手作りベンチのすき間に指をはさむ
 2023年4月11日、宮崎県内の保育施設において、5歳児が園庭に設置されたベンチに座っていたところ、ベンチの隙間に小指が挟まって抜けない状態で立ち上がった際に、小指を基節骨骨折する重傷。なお、ベンチは職員による手作り品で、隙間に指が挟まることの危険認識が不足していた(2023年8月31日)。

▶園児の指に気づかずドアを閉める
 2023年5月30日、東京都内の保育施設において、職員が幼児6名と教材室に行き、教材室のドアを閉めたところ、幼児1名の指をはさみ、爪を裂傷。職員は幼児の指に気付かず、ドアを閉めてしまった(2023年8月10日)。

▶組立型のゴールが使用中に折りたたまれて足がはさまる
 2023年5月19日、岐阜県内の保育施設の遊戯室でサッカー中、他児がサッカーゴール(組立型)に手をかけた際に、サッカーゴールが折りたたまれ、そばにいた6歳児の足が挟まり、右足親指を骨折する重傷。なお、サッカーゴールは室内用組立型であり、職員は事前確認の際、目視確認を行うのみで、組立部分の固定状態を確認していなかった(2023年7月13日)。〔所コメント〕組み立てて使うもの(遊具や机)は、力をかけても固定が外れないかを確認した後に使用しましょう。

▶裸足で三輪車に乗り、足の親指をはさむ
 2023年5月10日、福岡県内の保育施設の園庭において、3歳児が三輪車に裸足で乗ったところ、三輪車に右足親指を挟み、右母趾末節骨開放骨折等の重傷。なお、3歳児は、この三輪車の対象年齢に達していないほか、当該施設は裸足保育を実施しているが、職員には裸足で三輪車に乗る危険認識が不足していた(2023年6月22日)。〔所コメント〕三輪車のペダルはすき間があり、裸足でペダルをこいで指を負傷する事故は他の施設でも起きています。

▶閉めようとしたロッカーに指をはさむ
 2023年4月27日、静岡県内の保育施設において、幼児がロッカーを閉めようとしたところ、ロッカーに指を挟み、左中指を骨折。当該施設では、幼児にロッカーの開け閉めをさせていたが、指挟み防止の安全対策をしていなかった(2023年6月22日)。

▶日よけパラソルのネジ穴に指を入れ、はさまれる
 2023年4月28日、香川県内の保育施設の園庭において、職員が日よけパラソルを移動する作業をした際に、1歳児がパラソルのネジ穴に指を入れていることに気付かなかったため、パラソルを動かそうとしたところ、1歳児の右手人差し指が挟まり、右示指挫滅創の重傷。なお、職員は上方を見ながら作業をしていたため、1歳児がいることに気付かなかった(2023年6月15日)。

▶固定されていなかった机の脚のすき間に指をはさむ
 2023年3月20日、大阪府内の保育施設において、5歳児が折りたたみ式の長机で遊んでいた際に傾いた長机を持ち上げようとしたところ、長机と机の脚の間に右手指を挟み、右手指骨折の重傷。なお、職員が長机の使用にあたり、脚のストッパーが固定されているか、確認に見落としがあった(2023年6月1日)。


刺さる

▶瞼から刺さったピンセットで脳を損傷
 2023年10月12日、長野県内の保育施設の園庭において、6歳児がピンセットを持ったまま遊具(滑り台)を滑り降りた際に、ピンセットが6歳児の瞼に刺さり、穿通性脳損傷の重傷。ピンセットは職員が保育施設に持ち込んだ物であり、かつ、当時、園児らの手の届く場所に置かれていた(2023年11月2日)。報道された事故

▶衝立のフックが口腔内を貫通
 2023年5月2日、鳥取県内の保育施設において、幼児が壁と衝立の間を通って手洗い場に行こうとしたところ、衝立に付いていた金属製フックが幼児の口腔内に入って貫通し、救急搬送。職員は、フックが子どもの顔あたりに設置され、危険だと認識していたが、安全対策を講じていなかった。(2023年6月8日)。〔所コメント〕瞼にタオル掛けのフックが貫通した事例も複数起きています。


ぶつかる、ぶつける

New ▶遊具から落ちたときに近くにあった三輪車に脛をぶつける
 2023年4月14日、兵庫県内の保育施設の園庭において、4歳児が遊具(雲梯)から落下した際に、三輪車で右脛を打ち、右脛骨骨折等の重傷。三輪車は遊具の下に放置されたまま片付けられていなかった(2023年11月16日)。

New ▶ころんだときにベンチに顔をぶつける
 2023年9月22日、福井県内の保育施設の園庭において、幼児がベンチと三輪車の間を走り抜けようとして転倒し、ベンチで鼻と口を打ち、口唇を裂傷。当時、当該施設では、使用していない三輪車が園庭に置き去りにされている等、幼児が安全に遊ぶ環境が整えられていなかった(2023年11月16日)。

New ▶ウォータースライダーで児童同士が衝突する
 2022年8月24日、島根県内の放課後児童クラブが参加した公民館主催(放課後児童クラブ共催)の「デイキャンプ」において、施設内に設置されたウォータースライダーで遊んでいた児童が他児と接触し、その後意識不明の状態となり、救急搬送されたが、翌日死亡が確認された。両者のスタッフの配置を含め、事故発生時の状況について、現在、調査中(2023年9月7日)。〔所コメント〕報道された事故です。報道によると、スライダーの途中で止まっていた児童に、上から滑ってきた他児がぶつかったとのことです。

▶すべり台で他児とぶつかる
 2023年5月25日、大阪府内の保育施設の公園での園外保育中、幼児が遊具(すべり台)で遊んでいたところ、他児と接触し、前歯を強打して損傷。当該遊具は、幼児の年齢で遊ぶにあたり、大きさや高さの面で適切ではなかった(2023年8月17日)。

▶流し台の角に頭をぶつける
 2023年6月21日、秋田県内の保育施設において、幼児が保育室で体を動かしていたところ、流し台の角に頭部をぶつけ、裂創を負う。流し台の角にはコーナークッション等のケガ防止策がとられていなかった(2023年7月13日)。

▶着席していた机が動かされ、机の角に歯をぶつける
 2023年3月15日、愛媛県内の保育施設において、職員が2歳児が着席している机を動かしたところ、2歳児がバランスを崩し、顎と歯を机の角に打ち付け、外傷性歯の脱臼等の重傷。なお、職員は、2歳児の着席している様子を確認せずに机を動かした(2023年6月22日)。

▶ロッカーの名札入れに頬をぶつける
 2023年4月25日、長野県内の保育施設において、幼児がロッカーの名札入れに頬をぶつけたところ、名札入れの一部が割れていたため、鋭利な部分で頬を深く切る刺創(2023年6月15日)。

▶椅子に座ろうとしてテーブルに顔をぶつける
 2023年4月22日、東京都内の保育施設において、テーブル付き食卓イスに座ろうとした幼児がバランスを崩し、近くのテーブルに顔をぶつけ、3針縫う挫創。事故当時、合同保育をしており、テーブル付き食卓イスは幼児の年齢に適していなかった(2023年6月1日)。

▶園庭に置かれたプールの側面に顔をぶつける
 2022年9月13日、東京都内の保育施設の園庭において、遊んでいた幼児がプールに近づき、転んだ際にプールの側面に顔面をぶつけ、5針縫う裂傷。プールは使用後も片付けられず、園庭に置かれたままだった(2023年4月6日)。


つまずく、すべる

New ▶年末の大掃除でワックスがけした床で転倒
 2023年1月4日、神奈川県内の保育施設において、3歳児が保育室の床で転倒し、右腕にひびが入る重傷。当該施設では、年末の大掃除で床にワックスをかけており、滑りやすい状況にあったが、3歳児らの行動に注意を払う等の安全配慮が不足していた(2023年11月2日)。〔所コメント〕滑りにくいワックス(製品)がありますので、使用する製品を事前に検討することをお勧めします。

▶泡遊び中にすべって、コンクリート面に頭部をぶつける
 2023年8月8日、香川県内の保育施設において、コンクリート製のプールで泡遊びをしていたところ、4歳児が滑って転倒し後頭部を打撲した2日後、体調を崩し、救急搬送され、左硬膜下血種等と診断。なお、転倒が予測される泡遊びをコンクリート製のプールで行うことは危険であった(2023年10月13日)。

▶椅子につまずき、額をぶつける
 2023年5月30日、東京都内の保育施設において、幼児が自由時間にキッチン台を伝え歩きしていたところ、椅子につまずき、キッチン台の縁に額を打ち付け、4針縫う裂傷。キッチン台の近くに椅子が置かれており、安全配慮が不足していた(2023年8月10日)。


詰まる

▶小さく刻んだりんごを詰まらせる
 2023年5月16日、愛媛県内の保育施設において、0歳児に離乳食(小さく刻んだりんご)を与えたところ、0歳児が呼吸困難となり、心肺停止状態で病院に救急搬送された。現在、原因を調査中(2023年5月25日)。

▶すりおろしたりんごを詰まらせる
 2023年4月18日、鹿児島県内の保育施設において、0歳児に離乳食(すりおろしたりんご)を与え、職員がお迎えの準備をしていた際に、0歳児の顔色に異変があったため、応急処置を施し、病院に救急搬送されたが、意識不明の重体。現在、原因を調査中(2023年5月25日)。


ふさぐ

▶うつぶせ寝で死亡
 2022年7月30日、茨城県内の保育施設において、0歳児がうつぶせ寝で、意識及び呼吸がない状態で発見され、救急搬送されたが、その後死亡が確認された。なお、当該施設では保育に必要な人員が配置されておらず、睡眠時に0歳児の状態を確認するなど職員が保育に専念できる状況になかった(2023年4月13日)。

▶うつぶせ寝で死亡
 2023年3月19日、宮崎県内の保育施設において、うつぶせ寝で午睡していた0歳児が異変状態で発見され、救急搬送されたが、その後死亡が確認された。事故発生時の状況も含め、現在、原因を調査中(2023年4月6日)。


溺れる

New ▶そり滑りで川に転落
 2021年3月9日、北海道内の保育施設が堤防で園外保育中、そり滑りをしていたところ、幼児2名が川に転落。救助後、救急搬送(2021年11月18日)。 ★「安全」の「7 附 (1) 水死、溺死事例」に詳細

▶河川敷で保育中に川で溺水
 2023年3月17日、東京都内の保育施設の河川敷での園外保育中、幼児が川で溺水し、意識不明の状態で発見され、救急搬送。事故当時、職員は他児のそばにいて、幼児のそばに職員は誰もいなかった(2023年4月13日)。


誤飲

▶ラップ片を誤食
 2023年6月19日、秋田県内の保育施設において、幼児が給食(汁物)に混入したラップ片を誤食。職員は、幼児から配膳した汁物に異物があることを指摘されたが、具材と思い込み、確認せずに与えていた(2023年9月7日)。


誤食

▶用意されていた除去食ではない給食を誤食
 2023年7月27日、鳥取県内の保育施設において、給食を食べた幼児がアナフィラキシーを発症し、救急搬送。当該幼児用としてアレルゲン除去食を用意していたが、職員の確認不足で、別のアレルゲンが除去されていない給食が与えられていた(2023年9月7日)。

▶おやつを食べてアナフィラキシーを発症
 2023年5月9日、鹿児島県内の保育施設において、アレルギーのある幼児に対して、職員が確認せずにおやつを与えたため、おやつを食べた幼児がアナフィラキシーを発症し、受診(2023年7月6日)。〔所コメント〕アレルギーのある園児に対し、おやつの誤食事故が多く起きています。

▶おやつを食べてアナフィラキシーを発症
 2023年5月22日、滋賀県内の保育施設において、小麦アレルギーがある幼児に対して、アレルゲンを含むおやつを職員が誤って与えたため、おやつを食べた幼児がアナフィラキシーを発症(2023年6月8日)。

▶おやつを食べてアナフィラキシーを発症
 2023年4月27日、鳥取県内の保育施設において、アレルギーのある幼児に対して、他児のおやつを職員が誤って与えたため、おやつを食べた幼児がアナフィラキシーを発症し、救急搬送(2023年6月1日)。


NEW! 熱傷

▶椅子の上に立ってかき混ぜていた鍋が倒れ、熱湯が足にかかる
 2023年9月20日、大阪府内の保育施設において、ガスこんろで煮ていた草木染の鍋が倒れ、鍋から流れ出した熱湯が2名の幼児らにかかり、うち4歳児が両足の膝下にⅡ度の熱傷を負う重傷。当時、職員は、鍋の状況を上方から幼児らに見せるために、幼児らを椅子の上に立たせており、幼児らが不安定な体勢で鍋をかき混ぜていたため、バランスを崩し、鍋が倒れたものと考えられる(2023年11月2日)。

▶遊戯室の座卓の上に置いたコーヒーが園児にかかる
2023年1月31日、奈良県内の保育施設において、職員が座卓の上に置いたコーヒーが幼児にかかり、顔、頭部、腕に熱傷。当時、職員は遊戯室で保育をしながら事務仕事をしていた(2023年3月16日)。

▶配膳台が傾き、汁物が園児にかかる
2021年10月2日、北海道内の保育施設において昼食準備中、ストッパーのかかっていない配膳台を子どもが押したところ、傾いた台の上の汁物が近くにいた別の4歳児の下半身等にかかり、腰や臀部等にⅡ度の熱傷(2022年1月14日)。〔所コメント〕汁物など温度の高いものの配膳は子どものいない場所で行うか、子どもを近づけないように保育者で声をかけあってください。

▶コードが引っかかりアイロンが園児の腕に落下
2021年10月19日、神奈川県内の保育施設において、職員がアイロンの電源を切りその場を離れた際に、5歳児が棚の引出しを開けようとしたところ、アイロンのコードが引っかかり落下。5歳児の左上腕にⅢ度の熱傷等(2021年12月9日)。〔所コメント〕電源を切ってもコードを抜いてまとめておかないとこういう事故が起きます。まず、園児が入れる場所に使用後のアイロンは置かないようにしましょう。

▶電気ケトルのお湯がこぼれて足にかかる
 2021年3月31日、東京都内で、訪問保育中、電気ケトルのお湯がこぼれ、3歳児の右大たい部にかかり、Ⅱ度の熱傷等の重傷(2021年7月15日)。

▶運んでいたコーヒーが園児にかかる
 2021年2月10日、兵庫県内の保育施設において、職員が運んでいたコーヒーが幼児にかかり、上腕に熱傷(2021年4月15日)。

▶コードを引っ張られ落下した加湿器から熱湯
2021年2月15日、千葉県内の放課後児童クラブにおいて、室内で児童が遊んでいたところ、ロッカーの上に置かれた加湿器のコードを児童が引っ張り、加湿器が落下。加湿器内のお湯が児童の背中にかかり、火傷(2021年11月18日)。〔所コメント〕保育施設での事故ではありませんが、加湿器でよく起きる事故です。

▶熱湯が出る蛇口をひねる
 2020年4月9日、沖縄県内の保育施設で2歳児が熱湯の出る蛇口をひねり、熱湯を浴び下肢部を火傷の重傷(2020年7月2日)。

▶柵のないファンヒーターに指を入れる
 2018年12月14日、神奈川県内の保育サービス事業者が児童館で園外保育中、1歳児が柵のないファンヒーターの出口に左手を入れ、左手人差し指等にⅡ度の火傷(2019年2月7日)。

▶床に置いたみそ汁の鍋につまずき、鍋の中に落ちる
 2017年6月21日、東京都の認可外保育施設において、昼食時に保育士がみそ汁の鍋を床に置いてその場を離れたところ、幼児(2歳児)が鍋につまずき、鍋の中に落ち、大腿後部から背中にかけてⅡ度熱傷(真皮に達し、水泡又はびらんができるやけど)の重傷を負った(2017年10月5日)。


見失い、置き去り

▶死角や出入口の多い公園で園児を見失い
 2023年4月18日、東京都内の公園での園外保育中、職員が幼児2名がいないことに気付き探していたところ、道路を歩く幼児2名を住民が発見・保護。当該公園は死角や出入口が多く、進級したばかりの時期の園外保育先として適切ではなかった(2023年8月3日)。〔所コメント〕新年度が始まったばかりの4月は見失い、置き去りが多く起きる時期です。お散歩は、職員も園児も園生活に慣れた5月以降に始めることをお勧めします。

▶公園で園児を見失い
 2023年4月19日、東京都内の公園での園外保育中、幼児が集団から離れたことに職員が気付かず、住民が歩道で幼児を発見・保護(2023年5月25日)。

▶公園に園児を置いたまま帰園
 2023年1月20日、東京都内の保育施設において、職員が園外保育先の公園に幼児を残したまま帰園。公園から帰園する際、職員は人数確認をしたが、幼児がいないことに気付かなかった(2023年5月25日)。

▶公園に園児を置いたまま帰園
 2023年4月19日、東京都内の保育施設において、職員が園外保育先の公園に幼児を残したまま帰園し、気付いて引き返した職員が公園で幼児を発見・保護。公園から帰園する際、職員は幼児がいないことに気付かなかった(2023年4月27日)。

▶公園で園児を見失い  2023年4月19日、東京都内の公園での園外保育中、職員が幼児を見失い、道路上で発見・保護(2023年4月27日)。

▶公園に園児を置いたまま帰園
 2023年2月14日、東京都内の保育施設において、職員が園外保育先の公園に幼児を残したまま帰園し、他の保育施設の職員が幼児を発見・保護。公園から帰園する際、職員は人数確認をしていなかった(2023年4月6日)。


園舎や園敷地から出ていく

▶施錠を解除して園外へ
 2023年9月5日、東京都内の保育施設において、園外に出た幼児を住民が路上で発見・保護。当該施設の玄関及び通用門は施錠されていたが、幼児が容易に開けることができるものであった(2023年10月5日)。

▶施錠を解除して園外へ
 2023年7月6日、東京都内の保育施設において、園外に出た幼児を住民が公園で発見・保護。当該施設の門の鍵は子どもの手が届く高さにあり、子どもが解錠できる状態だった。また、門に立っていた職員は幼児が園外に出たことに気付かなかった(2023年8月3日)。

▶開放されていた玄関、通用門から園外へ
 2023年4月13日、東京都内の保育施設において、幼児が園外に出て、徒歩で自宅に向かい、自宅前で住民により発見・保護。当時、当該施設の玄関及び通用門は開放されており、職員も不在であった(2023年4月20日)。