〔2024年〕事故、感染症(新型コロナ以外)、不祥事等のニュース
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(7月5日)

〔骨折事故で第三者委員会設置を求める陳情〕2022年10月7日午前、東京都江東区の私立幼稚園で丸めて立てかけられていた絨毯(高さ160センチ、重さ11キログラム)が倒れ、近くで他児と遊んでいた5歳児が下敷きになる事故が起きた。 左上腕を骨折する大ケガを負った児は骨折部分に金属を入れるなどの手術後、現在もリハビリを続けているが、 園や区教委から「適切な対応」がなかったため、保護者は調査と検証のために第三者委員会の設置を求める陳情を2024年6月、江東区議会に出し受理された。
 事故当日は園長の車で近くのクリニックを受診、要手術との診断と「救急車を呼ぶ」という医師に対し、園長は自分の車で緊急手術が可能な病院へ移動。その後、保護者説明会は「コロナ禍」を理由に開かれず、事故から12日後、園の保護者用サイトで事故が報告された。2023年3月、保護者は内閣府のウェブサイトに児の事故報告書があるのを見つけた。「保護者の了解を得た上で提出」との条件があったものの、保護者はこの報告の存在を知らず、内容にも事実と異なる点が複数見られた。一方、区教委も当初、現地調査などをせず、事故報告書のチェックのみだった。区教委が一般検査を行ったのは、保護者が警察に被害届を出し、捜査が終わったと思われる2023年12月。また、絨毯が日常から危険な状態で置かれていたにもかかわらず、事故当日から園側が「予見できない事故」としてきた点も問題としている。

〔「死亡事故のおかげで安全対策の見直せた」と発言〕2022年4月、広島県広島市西区の市立保育園に通っていた5歳児が園敷地から出、近くの川で亡くなった事故で、両親も参加した保護者説明会で市の担当者が「児が亡くなったおかげで安全対策を見直せた」という趣旨の発言がしたと、両親が明らかにした。「とても悔しい言葉でした」「(園児が外に出られないよう)フェンスを変えるために亡くなったのではないです」。〔掛札コメント〕あり得ないコメントである以前に、市の職員として自分の言葉がどう受け止められるのか考えることもできない、最悪の危機対応です。保護者がその場にいなくても、こんなことを市側が言ってよいわけがないとなぜわからないのでしょう。

〔送迎バスの事故〕6月24日昼前、鳥取県米子市の市道の交差点で幼稚園の送迎バス(園児22人など合計25人)と普通乗用車が衝突、園児5人が救急搬送された。命に別状はない。送迎バスはイチゴ狩りに出かけた帰りで、現場は信号がなく、どちらの道路にも停止線がなかった。

〔トンネル内で送迎バスの事故〕6月2日午前9時ごろ、滋賀県大津市のトンネル内で、幼稚園の送迎バスなど3台がからむ事故があった。園児5人が搬送されたがいずれも軽傷。現場は片側2車線の直線道路で、幼稚園バスが前方の乗用車に追突し、その乗用車がさらに前方の乗用車に追突したとみられる。幼稚園のバスには園児16人と運転手、園の関係者の計18人が乗っていた。

〔卵を誤食、アレルギー発症〕新潟県上越市の企業が運営する保育施設で2024年6月12日、卵アレルギーのある児に誤って卵を使ったおやつ(市販品)を食べさせる事故が起きた。食べてから約1時間後に児が腹痛を訴えたため、園は保護者に連絡し、園で預かっていた抗アレルギー薬を飲ませた。迎えに来た保護者が園児を病院に連れて行った。入院はしておらず、重症ではないという。担当者が鶏卵成分が入っていないと思い込んで仕入れ、その後の複数の確認手順の中でも見過ごされたという。

〔アレルゲン入りの米粉パンでアナフィラキシー・ショック〕三重県名張市の保育施設で5月30日、複数の食物に重度のアレルギーを持つ5歳児が、小麦や卵等のアレルゲンが含まれた米粉パンを食べ、アナフィラキシー・ショックを起こした。児はこの園に4月から入園し、保護者はメニューのチェックもしていた。この日の米粉パンとジャムの所にはアレルギー成分が書かれていなかったという。おやつの約1時間後、「首元をかいているので、薬があったら持ってきてほしい」との電話を受け、母親が園に行くとアナフィラキシー・ショックを起こしていたため、持っていたエピペンを注射、救急搬送をするよう園に求めた。児は翌日に退院。母親が確認すると、おやつの米粉パンは市販のもので、パッケージにも「小麦」と大きく書かれていたが、店頭でこれを選んだ調理担当者は成分表示を確認していなかった。母親は、発症後すぐに救急要請をしなかった園の対応も問題視している。

〔ビワで多数がアレルギー反応〕山梨県富士吉田市で6月25日、給食でビワを食べた市内の小中学校の児童生徒計126人がのどのかゆみなどのアレルギー反応を訴えた。うち3人が救急搬送されて治療を受け、2人は退院、もう1人も快方に向かっているという。目の腫れ、目のかゆみ、腹痛やじんましんが出た子どももいた。ビワは香川県と愛媛県産で、給食センターで洗浄した後、市内の11校に約3500食を提供した。特産地を知ってもらう食育の観点などから出したという。

〔園児に暴行で逮捕〕東京都世田谷区の私立認可保育所の保育士(26歳、女)が6月25日、暴行容疑で逮捕された。容疑は5月7、9日の2回にわたり、食事や昼寝の時間に担当していた児の髪をつかんで引っ張ったり、手をつかんで引き倒したりするなどの暴行を加えたもの。「イライラしてやった」と容疑を認めているという。保護者が児の体に痕があることに気づき、警察に被害届を出していた。園内の防犯カメラにも暴行の様子が映っていた。容疑者が日常的に男児に暴行を加えていた疑いもあるとみて、警察は調べている。世田谷区は、園児に対する身体的虐待があったと認定し、特別指導検査を実施した。

〔痴漢で逮捕〕千葉県迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで私立保育園の保育士(男、37歳)が逮捕された。逮捕容疑は6月13日午後8時過ぎ、京成電鉄の走行中の電車内で隣に立っていた女性の体を触った疑い。女性が取り押さえ、駅員が110番通報した。容疑を認めている。

(6月16日)

〔誤嚥窒息で書類送検〕2022年12月5日午後3時30分過ぎ、徳島県北部の保育施設で1歳児(0歳児クラス)が円柱形の積み木(直径24ミリ、長さ30ミリ)を喉に詰まらせて低酸素脳症となった事故で、6月14日、園長ら8人が業務上過失傷害の疑いで書類送検された。「口の中に入れて喉に詰まらせるおそれがある物を児童に触れさせないよう注意する義務があったにもかかわらず、児童の手が届く範囲に積み木を放置したことで、事故が起きた」として。当日、この児が嘔吐しているのを見つけた職員が背中をさするなどしたものの改善されなかったため、119番、心肺停止の状態で搬送されたが、ドクターカーの中で積み木が取り除かれ一命をとりとめた。しかし、現在も意思疎通などはできない状態。積み木は高さ34センチの棚の上に置かれており、子どもの手が届く位置だった。


〔2022年冬にもリンゴで死亡〕2022年11月、東京都国分寺市の認可外保育施設で1歳5か月児がリンゴ(約2センチ四方、厚さ3ミリ)を給食で食べ、その後、死亡した事故で、検証委員会が「リンゴを喉に詰まらせた可能性がある」との検証報告書を提出した。報告書に合わせ、東京都も事故を発表。リンゴを口にした後、この児が眠そうな様子だったため、保育士が児を立たせて口に指を入れてかきだしたところ、泣きだし、その後、ぐったりしたという。救急搬送されたが、その後、死亡。〔掛札コメント〕眠ってしまったなら食べ物は口の中にあるだけですが、眠った子どもを急に起こしたり(=たいていは泣き出す)、眠そうな子どもを起こそうとしたり(やはり泣き出す)、口の中に指を入れたり(驚く、泣きだす)したら、子どもは急に息を吸い込む状態になりますので、誤嚥窒息の引き金となります。もうひとつ、なぜ、東京都は事故をすぐに公表しなかったのでしょう? ニュースによれば、保護者会などはすぐに開いていたにもかかわらず。2022年末の段階で発表されていたらその後のリンゴの事故は…?(「防げなかった」「関係ない」と言うのでしょうね。そのような態度では、事故はいつまで経っても減りません。なんのための報告・共有システムなのか)

〔頭部強打にもかかわらず即座の救急要請をせず〕愛媛県新居浜市内の小学校の中庭で5月24日午前8時頃、2年生が他児2人と衝突して転倒、左の側頭部を地面に強打して、直後に顔色が悪くなり嘔吐。学校から連絡を受けた母親は救急車を呼ぶよう求めたものの、症状の改善が見られたとしてその時は呼ばず、学校に駆けつけた母親の再度の求めに応じて、転倒から約40分後、消防に通報した。児童は頭部骨折、外傷性くも膜下出血と診断され、一時、ICUで治療を受け、27日に退院、現在も登校できない状態。教委は30日に母親からの連絡で詳細を把握し、学校側の対応が不適切だったとして校長に口頭で指導するなどした。〔掛札コメント〕「すぐに搬送したとしても転帰に影響はなかった」みたいな話になるんでしょうね、これ。保護者が「搬送しなくていい」と言っても搬送するのが当たり前。事故を子どもの責任にできるから、学校は甘くみているのでしょう。

〔園児2人が敷地から出る〕沖縄県浦添市の市立こども園で6月7日昼過ぎ、3歳児クラスの園児2人が園敷地から出た。保育士が気づき、約40分後、園から850メートルほど離れた場所を歩いている2人が住民の通報によって駆け付けた警察に保護された。市は3、4歳児クラスの前に柵を設置したほか、園の門のそばに花台を置き子どもが出にくくするなど、対策を実施した。市の担当者は「二度とあってはならない。職員一同認識をあらため園児の見守りをしっかり行いたい」と陳謝した。〔掛札コメント〕柵ってどんな柵なんでしょうね…。花台ってプランターですよね、きっと。それで出られなくなるとでも? 保育士の仕事は子どもの監視をすることではなく、今の配置で監視なんてとてもできない(こちらの拙文)。でも、何かあったら保育士の責任にできるから、役所は「二度とあってはならない」と言えばすむ。保育士は責任を感じてなんとかしようと努力はするんでしょうけど、そもそもできるはずがない。いつになったら、この悪循環を社会が理解するのか。

〔幼稚園で火事〕5月29日午後2時頃、群馬県太田市の幼稚園西側の畑から出火し、畑にあった草木と鉄骨2階建て園舎1階の一部約60平方メートルを焼いた。出火当時、園児60人と職員14人が園内にいたが、避難してけが人はいなかった。焼けた部屋は預かり保育で使用しており、畑は園の所有で、伐採した木の枝などが積み上げられていたという。職員が預かり保育の部屋に入ったところ、煙の臭いがしたため、理事長に報告。理事長が畑から出火しているのを見つけ、119番通報した。

〔運動会の練習後に39人を搬送〕5月29日午前9時半頃、神奈川県海老名市の市立小学校で運動会の練習後に1年~6年生39人が相次いで体調不良を訴え、病院に救急搬送された。熱中症の疑いだが、全員軽症。学校の熱中症指数計は21度。〔掛札コメント〕熱中症以前に、まず朝食を食べていなかったのでは? こちら。

〔幼稚園児殺害をほのめかす投稿〕SNSに幼稚園児の殺害をほのめかす投稿をして園の業務を妨害したとして、警視庁は5月21日、威力業務妨害の疑いで中国籍の男(21歳)を逮捕した。容疑を否認。5月13日午後3時頃、公開アカウントに中国語で「どんな刃物で子供を殺したらいいかな?」などと投稿。さらに17日午後4時半頃、江戸川区の幼稚園の画像とともに中国語で「子供はみんな親が迎えに来ている」などと投稿し、園周辺の警戒を強化させるなど、業務を妨害したのが逮捕容疑。19日正午頃に容疑者の投稿をみた人から110番通報があり、幼稚園に報告。同園は20日に休園した。

〔納品ミスと納品チェックミス(?)で誤食〕熊本県熊本市の市立保育園で、5月22日、大豆アレルギーがある1歳児に給食で大豆を含むハヤシライスを食べさせた。健康被害はなかった。材料を納品した業者は、食物アレルギー調査票を園に渡していたが、「大豆」の項目にチェックを入れておらず。園の調理担当者も原材料の確認をしていなかった。昨年10月には、別の市立保育園でも乳製品アレルギーがある1歳児に乳製品を含むふりかけを誤って提供している。

〔配置の違反で事業停止命令〕北海道札幌市は、南区の認可保育所が条例に定める保育士を配置せずに保育をしていたとして、3月31日までの10カ月間の事業停止命令を下した。2024年3月に保育職員が一斉退職したため、職員の補充が整うまで、子どもを別の認可保育所で預かることになっていた。ところが、市に無断で保育を再開していたもの。保育士が未配置だったのは17日間で、うち、1時間以上未配置だった日は5日。この運営母体は別の園でも助成金を過大請求していた疑いがもたれている。

〔「不適切な保育」で懲戒処分〕今年2月に「不適切な保育」が明らかになった埼玉県熊谷市の市立保育所の保育士2人が戒告の懲戒処分となった(5月22日付)。4歳児クラスで、保育士から態度を注意された子ども2人が点呼で名前を呼ばれた際に泣いたままで返事をしなかったため、もう1人の保育士が「いません」と発言。その後、園庭に遊びに行く際も返事をしなかったため、2人だけを室内に残して他の子どもと約5分ほど外遊びを行ったという。こうした保育士の行為が、心理的な虐待やネグレクトにあたると市は認定。

〔保育園建替をめぐる事件で前町長が起訴内容を認める〕2020年10月、町立保育園の建て替えに伴う事業の一般競争入札で、町内の業者に非公表の設計金額を漏らしたとして官製談合防止法違反の罪に問われた奈良県三郷町の前町長の初公判(6月7日)で、前町長が起訴内容を認めた。「町内の業者の成長を願っていた」と述べた。被告は地検特捜部に在宅起訴された去年12月当時、町長。その後辞職。

〔保育士が子どもの首を切る〕鹿児島県鹿児島市の保育施設で6月7日午前11時頃、保育士(21歳、女)が2歳児の首付近を刃物のようなもので切りつけ、保育士は殺人未遂の疑いで逮捕された。児は搬送され、全治1カ月のけが。命に別条はないという。園職員が「(児が)けがをして首付近から出血している」と119番通報。搬送先の病院が警察に通報した。

〔強制わいせつ等で6回めの逮捕〕大阪府の児童福祉施設で2023年5~6月、5歳未満の女児に性的暴力をしたなどとして、埼玉県警は6月12日、大阪府豊能町の保育士(男、26歳)を再逮捕した。容疑者は埼玉県内の乳児施設の女児に対する強制わいせつ容疑などでも逮捕・起訴されており、逮捕は6回目。押収されたスマートフォンからは20人以上の女児を撮影した画像や動画約1200点が見つかっている。

〔職員用トイレにカメラ設置で逮捕〕宮城県女川町の保育士(35歳、男)が5月21日午前、勤務する保育園の職員用の男女共用のトイレに小型カメラを設置して、盗撮しようとした疑いで逮捕された。トイレを使おうとした職員がカメラに気づき、町が警察に通報した。容疑を否認。

(5月20日)

〔広島市の死亡事故で提訴〕2022年4月、広島県広島市の市立保育園から5歳児が行方不明になり、その後、近くの川で死亡が確認された事故で、児の両親が園を運営・管理する市にあわせて約8800万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。両親は広島市と交渉してきたが、市が支払いを拒否したため。保育園が行動を把握すべき注意義務を怠ったほか、園児だけで園外に出ることができる場所が複数あったにも関わらず、施設の修繕を怠ったとしている。昨年に出た検証委員会の報告書は、児がどうやって園外に出たのかは特定できなかったとしながらも、園庭の生垣のすき間などから「園外に出られる環境にあった」ことなどを指摘していた。市は、生垣だけで敷地を囲っていた10の園などに去年、高さ150センチ程度のフェンスを順次設置している。

〔食物アレルギーの誤食が2回続いた件で賠償を命じる〕福岡県福岡市の保育園で2020年、卵や小麦のアレルギーがある2歳児がプリンやパスタを与えられ、2回にわたり体調不良になったとして児側が計約332万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、地裁は4月26日、保育士や運営法人の過失を認め、計約27万円の賠償を命じた。判決理由で、最初の体調不良からわずか16日後に2回目のアレルギー反応を招いたと指摘。一方、認容額については法人が既に謝罪し、見舞金などを支払った点を考慮。保育士は業務上過失傷害罪で略式起訴され、罰金20万円の略式命令を受けた。〔掛札コメント〕2023年の「提訴」の報道では、次のように書いてあります、あまりにも対策を怠っていると言われてもしかたがないと考えます。「児は4月に2歳で入園し、両親はアレルギーについて園側に説明。しかし5月26日、担任の保育士が卵の入ったプリンを与え、児は発疹が出て緊急搬送された。6月11日には、同じ保育士が小麦の入ったパスタを食べさせ、再び搬送された。児は2日間入院した。」

〔「責任は問わない」同意書を保護者に求める〕佐賀県鳥栖市内の保育施設が昨年12月、食物アレルギーがある園児の保護者に対し、発症しても施設の責任は問わないとする「同意書」の提出を求めていた。保護者は同意書を提出せず、園児はその後退園したという。県は1月の監査で同意書を把握し、法律では正当な理由がない限り保育施設の利用を拒むことはできないとなっていることから、対応は不適切だったとして、この施設を口頭で指導した。施設側は「同意書については、署名をいただけないということだったので、保護者と対応を協議しもう少し分かりやすい内容にし、理解してもらいたかった」と話していた。〔掛札コメント〕同意書があったからといって、施設が責任を問われないわけではありません。一方、県の言っていることも不思議で(報道のしかたがおかしいだけかもしれませんが)、同意書をもらうこと自体は応諾義務の違反にはなりません(重要事項説明書には同意の署名をもらうのですし)。

〔防球ネットの下敷き事故で書類送検〕昨年5月6日、北海道札幌市南区の私立高校の女子硬式野球部員1人が倒れてきた移動式防球ネットの下敷きとなった事故をめぐり、警察は5月7日付で部の監督を業務上過失致傷容疑で書類送検した(「相当処分」の意見付)。同部が練習場として借りていた大学グラウンドで、車輪付きのネット(奥行き6メートル、幅2.5メートル、高さ2.8メートル、重さ500キロ超)を部員5人で運搬していたところ、ネットのバランスが崩れて部員が下敷きとなり、意識不明の重体になった。

〔陸橋からコンクリート片が落下〕4月23日昼過ぎ、愛知県名古屋市熱田区の熱田陸橋からコンクリート片(縦20cm、横15cm、厚さ2.5cm、重さは1~2kg)が落下し、陸橋の階段を登っていた歩行者の頭に当たった。自転車用のヘルメットをかぶっていたこともあり、ケガはなかった。この陸橋は1971年完成、2020年の定期点検では、異常は見つからなかったという。コンクリートの劣化が原因とみられる。〔掛札コメント〕散歩経路のチェックにも入れておきましょう、こういう環境は。

〔保育所に侵入〕4月26日午前6時頃、兵庫県赤穂市の市立保育所で不審な男が敷地内にいるのを通行人が見つけ通報した。建造物侵入の疑いで男(28歳)が現行犯逮捕された。男はスマホを持って敷地内をうろつき、フェンスをよじ登って施設の外へ出てきたといい、スマホからは室内の様子やおもちゃなどを写した画像が見つかったという。当時、保育所の中に人はいなかった。調べに対し、「(侵入した目的は)恥ずかしいので言いたくありません」と供述しているという。

〔不適切な保育で文書指導〕愛知県名古屋市守山区の認定こども園で2021年度~22年度、言うことを聞かない園児に職員が威圧的な物言いをするなどの不適切な行為があったとして、市が今年2月、園を文書で指導した。2022年12月に情報提供を受けて関係者への聞き取りを実施。園長や複数の職員が園児に「部屋から出て行け」などと発言したほか、昼寝や食事をしない子を他の学年の部屋に移動させるなどの行為が確認された。

〔助成金過払い〕北海道札幌市の企業主導型保育園が、児童育成協会から助成金過払い額の返納を命じられており、額は2022年度だけで約4700万円にのぼるという。園児や職員を水増しして申請していた疑い。

〔ご飯茶碗に陶器の破片〕4月25日正午前、香川県三豊市の市立保育園の給食で異物混入がわかった。4歳児人が「ごはん茶碗に異物がついている」と言ったため、職員が確認したところ、茶碗のふちに8mm程度の陶器コップの破片とみられるものがついていた。まだ食べ始めていないクラスは給食を中止し、防災用に備蓄していたパンや缶詰などを代替品として提供した。調理場では当日の調理前に陶器のコップが破損しており、調理前に片づけたものの一部が残っていた可能性があるという。

〔給食に金属片が2つ混入〕5月13日昼前、岐阜県飛騨市の市立保育園の給食に金属片2個が混入していることに、食べた保育士が気づいた。ひきわり納豆にチーズやきゅうりなどを混ぜた給食「変わり納豆」の中に、縦約3ミリ、横約5ミリの金属片2個が混入していたという。市は給食センターの調理器具などを確認しましたが異常は見つからなかった。

(4月18日)

〔20年間で97人が保育士資格取り消し〕子どもへの性暴力やわいせつ行為で資格登録を取り消された経験のある保育士が、2003年以降の約20年間で97人にのぼることが4月1日、わかった。こども家庭庁は97人の氏名や生年月日などを記録し、一元管理するデータベースの運用を同日から開始。保育所などが保育士を採用する際、データベースに記録があるかどうかを確認することを義務付ける。「日本版DBS」制度とは別のデータベースで、改正児童福祉法(2022年)に基づく。

〔絞扼事故で不起訴処分〕岡山県岡山市の私立保育施設で2021年10月14日、複合遊具の隙間に2歳児の首が挟まり、1か月後に死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検されていた園長ら4人が不起訴処分となった。理由は明らかにしていない。〔掛札コメント〕事故の詳細はこちら

〔公園遊具のつり橋が破損、子ども3人がケガ〕神奈川県相模原市の市立公園で4月3日午前、遊具のつり橋が破損し、11歳の児童3人が軽いけがをした。つり橋に小学生5人が乗っていたところ、橋を上からつっている手すり部分(ナイロン製)の片側が外れ、2人が約2メートル下の地面に落下。もう1人は手すりのロープに足が絡まった状態になった。それぞれ顔の打撲や、足のねんざ、足に擦り傷を負ったという。手すりは橋脚と金具で固定していたが、金具が変形し破断していた。同遊具は2020年3月に設置され、2024年3月の点検で金具が緩んでいたので締めたという。

〔公園の木製遊具でおとなが骨折〕岡山県玉野市の公園で4月8日午前11時半頃、家族と一緒に訪れていた30代の男性が高さ約50cmの木製遊具に足をのせたところ、木が壊れ、男性は左ひじを骨折した。木が腐っていて根元が折れたという。この木製遊具の一部は2023年10月の定期点検で危険性を指摘され、市が撤去していたが、今回、事故があった部分については、腐食はあったもののぐらつきなどがなかったため使えるようにしていた。

〔複数の保育士が子どもを虐待〕群馬県高崎市の私立保育園で複数の保育士による虐待が確認され、市は3月27日、運営法人に改善勧告を行った。同園では「懲罰」と称して一部の園児を部屋の内外に1人にし「心理的虐待」を行う、食べこぼした際などに大声で威圧的にしかる、児の手や服を引っ張っるなど、「心身に有害な影響を与える行為」を行ったという。匿名の情報を受け、市が2月から園長らへの聞き取り調査などを実施。園は虐待に関する国のガイドラインなどによる研修を実施しておらず、保育士らにこうした行為が虐待にあたるとの認識がなかったという。また、虐待の報告を受けても園長が適切に対応せず、市は「園長が責務を果たしておらず、責任は重大」と非難した。

〔保護者の指摘で保育を調査〕長野県駒ヶ根市の市立保育園について、「不適切な保育」があると去年11月に保護者から指摘があり、市の教育委員会が調査、4月6日、調査の中間報告を発表した。昼寝をしない園児におやつをあげない、お漏らしをした別の園児に「臭い」と言うなどがあったという指摘について、市は「不適切な保育」は確認されていないとしつつも、今後、別の保護者へのヒアリングなどを行うとしている。

(3月27日)

〔3月末で11人が退職〕静岡県掛川市の保育園で、保育士19人のうち正規・非正規雇用合わせて11人が3月末で退職する意向を示している。運営法人の理事長は、2022年、園児の送迎バス置き去り死があった牧之原市の幼稚園の運営法人理事長でもある。市は保育士の主な退職理由について、この理事長が幼稚園の対応に追われ、保育士とのコミュニケーションが不足し、園が進める改革方針の理解が得られなかったことだとみている。園側は4月以降、新規採用によって基準を満たす方針だという。〔掛札コメント〕「理事長が忙しくて」「改革方針の理解が得られなかった」? 園長の存在は? 改革方針ということは、園は良い方向に変えようとしたのに職員がそれを理解しなかったということ? おかしな話ですね。

〔2~3月に10人が退職〕宮城県登米市にある認定こども園で2~3月、17人の保育士のうち計10人が退職した。園は「系列の園から保育士に来てもらったり、新たに保育士を採用したりするので態勢に影響はない」と説明し、退職の理由についても「内部情報なので答えられない」と言っているという。県は「退職理由がパワハラだったのではないかという保護者からの訴えがあることは、市を通じ聞いている。しかし、社会福祉法人内の労使の問題で、県がそこに立ち入る権限はなく把握はしていない」とのこと。〔掛札コメント〕なぜ、県のコメント? 市はなんて言っているのでしょう? 市が調べることですよね。幼稚園型なのでしょうか。

〔運営法人会長のパワハラで大量退職〕大阪府堺市の認定こども園で、運営法人会長によるパワーハラスメントなどが理由で、保育士12人のうち10人が3月末の退職の意向を示している。この会長が保育士に対し「おまえはコマ」と呼ぶなどのパワハラを繰り返していたほか、複数の職員が人手不足を訴えていたにも関わらず、改善しようとしなかったという。園は3月13日までに保護者説明会を開き、会長のパワハラ行為を認めた。園は運営継続が困難だとして、4月以降の新たな入園を制限することなどを検討している。

〔理事長からセクハラと訴え〕北海道江別市の認定こども園で、理事長からセクハラ被害を受けたと職員8人が訴えていることが3月4日、わかった。労組を結成した一部の職員は厳正な処分を求め、幼稚園を運営する学校法人に申入書を提出した。同園の男性理事長は2021年夏頃から、女性職員を園内の理事長室に個別に呼び出し、抱きしめるなどのセクハラ行為を繰り返した。

〔副園長が心理的虐待、パワハラ〕鳥取県米子市の認定こども園で、男性副園長による虐待行為が確認されたとして県と米子市は3月5日、改善指導を行った。保護者からの通報を受けて、2月13日から特別指導監査を実施したもの。この副園長は2月9日、16日、複数の園児に「私は怖くないんだよ」などと大声を出し、28日には特定の園児に対して、保護者の名前を挙げて「子どもは誰だ」などと威嚇するような発言をしたことなどが確認された。登園を嫌がる子や成人男性を怖がる子もおり、県は園児への心理的虐待と判断。昨年9月に開かれた保護者会で、園は副園長を園に立ち入らせないと約束したが、その後も複数回立ち入っていた。また、2月9日には副園長が職員のICレコーダーを机や床に投げつけて壊し、大声を出すといったパワーハラスメント行為もあった。園は副園長に解雇通知を出したという。

〔不適切保育で、市が警察に相談〕埼玉県熊谷市の市立保育所で心理的虐待などの不適切保育が行われていた問題で、市が警察署に相談したことを保護者に伝えていたことがわかった。一方、保護者が求めていた再度の説明会開催には応じない考えを市は表明し、保護者からは不満の声も上がっている。文書は2月29日付で、1月27日に開かれた保護者説明会で出された質問などに答える内容になっており、この説明会で保護者から刑事告発を求める声が出ていた。

〔不適切保育で3人を処分〕埼玉県吉川市の2つの市立保育所で、不適切な保育をしていたとして3人の保育士が処分された。このうち50代の保育士は、2018年度と2021年度、こども自身や他の子どものけがにつながるような行為を注意した際、わかってもらえなかったとして、こめかみに拳をあてる不適切な保育があったという(3月13日付で減給10分の1、3か月の懲戒処分)。50代と60代の保育士は、昨年度に同じような不適切な保育があったとして、戒告の懲戒処分。

〔園内の性暴力、4回めの逮捕〕東京都墨田区の保育所で園児に性暴力を繰り返していた事件で、3月18日、強制性交と児童ポルノ禁止法違反の疑いで、この保育士が再逮捕された。4回目の逮捕。容疑は昨年7月上旬頃、保育所内で女児に対し、スマートフォンで撮影しながら性的暴力をしたもの。容疑を認めている。昨年12月に別の女児が被害を訴えて行われた保護者会の直後、今回の被害女児の保護者からも申告があり発覚した。容疑者は事件の発覚後にこれまで撮影していた画像を消去していたが、警察が復元したところ今回の事件の際に撮影された画像も発見された。

(3月2日)

〔ウズラの卵で誤嚥窒息死〕2月26日昼すぎ、福岡県みやま市の小学校で1年生が給食をのどに詰まらせ、病院に運ばれたが死亡。給食中、この児童が立ち上がって吐きそうなそぶりをしたため、担任教諭が背中をたたくなどしたが、児童は自分で立っていられない状態になり、養護教諭なども加わって心肺蘇生をしたものの改善せず、その後、ドクターヘリで病院に搬送された。給食の献立のうち「みそおでん」に入っていたウズラの卵(切らずにそのまま入っていた)をのどに詰まらせたことによる窒息とみられるという。〔掛札コメント〕「吐きそうなそぶり」は、首に手を添えるチョーク・サイン(chokeは「詰まる」。黒板のチョーク chalk ではない)でしょう。この時点で救急要請が必要ですし、まして「立っていられない状態」ということは意識を失ったわけですから。学校ですので、詳しい流れ等は公表されないのではないかと推測しますが、とにかく、「詰まった」とみたらすぐに救急要請、「意識がなくなったかもしれない」とみたらすぐに心肺蘇生開始、です。呼吸できないのに背中をたたき続けても、(命は守れても)脳は守れません。

〔児童の要望を聞き入れず、熱中症で搬送〕2022年5月末、遠足後に熱中症で救急搬送されたのは学校(市)の責任だとして、1年生児童と両親が大阪府八尾市を相手取り、慰謝料など220万円の損害賠償を求める訴訟を地裁に起こした(2月27日に第1回口頭弁論)。遠足は往復で計約2時間歩くもので、保護者は体力面の不安から欠席を伝えたが担任教諭に促されて参加を決めた。ただし、水筒の茶が足りない場合は購入を認め、児が異常を訴えたら母親に連絡するよう要望した。しかし当日、児童が教諭に茶の購入を求めたにもかかわらず、校長の判断で認めず、めまいを感じて母親に連絡をと伝えても聞き入れなかった。下校時、迎えに行った母親が高熱に気づき、救急搬送、熱中症と診断された。児童側は「安全配慮義務違反があった」と訴えている。学校側は答弁書で「様子を確認し、体調に問題ないと判断した。児童に熱中症の症状が出た際は、飲料水を購入することを想定していた」と主張しており、市側は請求棄却を求めた。〔掛札コメント〕今の時代に「熱中症の症状が出たら水を買うことにしていた」などと、よくも平気で言えたものだと思います。熱中症は症状が出た時には死んでいるかもしれないのに。

〔誤嚥窒息により後遺症。損害賠償を命じる〕2016年11月、4歳児が昼食中に食物で窒息、後遺症を負ったのは園側に安全配慮義務違反があったなどとして、埼玉県戸田市の学校法人(幼稚園)と教諭らを相手取り、計約5億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月23日、地裁であった。原告は、児が昼食時にウインナーを誤嚥し、心肺停止に陥ったのにもかかわらず、救急隊が到着するまで心肺蘇生を行わなかったことで重篤な後遺症を負わせたと主張。判決では、吐き出させることが最優先と考えた担任教諭が背中をたたき続けたことは、一定の合理性を有していると指摘。しかし、顔色などから意識や反応がないことは認識できたとし、「この時点では少しでも早く心肺蘇生を実施すべきだったと認められる」と述べた。一方で、被告らの安全配慮義務違反が認められる時点で心肺蘇生を行っていても「後遺症が残らなかったとの事実は認めるに足りない」とし、園側の一部対応に安全配慮義務違反があったと認め、家族に計550万円の支払いなどを命じた。〔掛札コメント〕ウインナーやソーセージは「切り口が円」であるため、窒息リスクが高い食品です。未就学児施設では、「縦に裂く」ことをお勧め。

〔誤嚥窒息死で書類送検〕和歌山県岩出市の児童発達支援センターで2020年12月22日、給食の肉団子(直径約3センチ)を5歳児が喉に詰まらせ、数日後に低酸素脳症で死亡した事故で2月16日、業務上過失致死の疑いでセンターの施設長と児の担任が書類送検された。施設は同市のNPO法人が運営するもの。児はダウン症があり、顎の力が弱く、食べ物を細かくしてから提供する必要があった。

〔送迎バス衝突で軽傷〕2月27日午後3時過ぎ、大分県大分市の交差点で幼稚園の送迎バスと軽乗用車が衝突する事故があり、バスに乗っていた教諭と園児1人が軽いけがをした。バスには、園児などあわせて6人が乗っていた。現場は信号機のない、見通しのよい片側1車線の交差点で、送迎バスが踏切を渡って交差点に入った際、直進してきた軽乗用車と衝突したという。

〔市が虐待をとりあわず、元職員らが公開通報〕東京管理職ユニオンは2月27日、千葉県松戸市内の私立保育園で「虐待等と疑われる事案(不適切保育)が行われている」として、市役所で市に対して「公開通報」した。「市に繰り返し相談・通報したが、市も園もまともに取り合わず改善されないという状況だったため」、公開に踏み切ったという。賃金不払いなど労働条件をめぐる交渉のため、2023年にユニオンに加入した保育士や調理師ら13人が結成した労働組合が告発したのは、園長ら5人の保育士による2022年~2024年2月の20数件の行為。大声で叱る、裁縫箱から針を出して口に当てるジェスチャーをして「口を縫っちゃうぞ」などと言う、馬乗りになってはがい絞めにする、布団を投げつけるなど。一部は動画も公開した。出席した保育士からは「2022年の針の件は市が調査したのに、ほぼおとがめなしで終わった」「ある職員は足で扱うのが日常茶飯事だった」などの話も出たという。〔掛札コメント〕いまだに、職員の通報を無視/軽視する自治体があるのですね。いや、まだ多いとは思いますが、そういった自治体は保護者からも職員からも信用を失うということをいいかげん理解していただきたいと思います。

(2月13日)

〔行方不明になっていた児童を保護し、感謝状〕広島県広島市東区の路上で1月14日午後7時半頃、雨の中、傘をささずに1人で歩いている女子児童を発見し、警察に通報した、広島光明学園の学童保育指導員と保育士に感謝状が贈られた。女児は夕方から居場所がわからなくなっていた。

〔4か月児が死亡〕昨年12月13日、東京都世田谷区の認可外保育施設に預けられていた生後4か月児が病院に搬送されたあと死亡が確認された(1月7日の区議会特別委員会で報告)。午後1時20分頃に授乳、職員が布団に寝かせ、午後3時15分頃に異変に気づいて搬送した。区が行った複数回の立ち入り調査の結果、施設では、授乳後にゲップをさせるなどの処置が十分に行われておらず、うつぶせで寝かせることがあり、窒息や乳幼児突然死症候群への配慮が不十分で、睡眠中の子どもの顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察していなかった。さらに、保育士資格を有する施設長が当時不在で、無資格の職員のみが従事していた。園長によると、リスクは認識していたが、あおむけでは寝ない子もいるためうつぶせ寝を容認していたという。また、この日の睡眠チェック表によると、午後0時55分までの記録はあったが、以降は空白だった。

〔散歩後、ベビーカーに0歳児を取り残す〕昨年11月、東京都大田区の保育園で、散歩から帰園後、園庭にとめた散歩用の大型ベビーカーに0歳児が数分間、取り残された。園庭で遊んでいた園児が気づいて職員に知らせ、児は無事だった。散歩には複数の職員が付き添っていたが、園児全員が室内に入ったと思い込んでいたという。〔掛札コメント〕大田区は「職員の役割分担を徹底する」等と言っているようですが、そんなあいまいなことを言う必要はありません。子どもをおろしたら、職員がそれぞれベビーカーやバギーを見てきっぱり「誰もいない!」と声出し指差し確認をすればすむことです。

〔机が倒れた事故で園長に罰金の判決〕2021年4月、兵庫県尼崎市の認定こども園で棚に立てかけていた木製の机(重さ約5.8キロ)が倒れて1歳児が重傷を負った事故で、業務上過失傷害の罪に問われた園長に、簡易裁判所は1月26日、罰金10万円の判決を言い渡した。使わない時には机を撤去するなどの注意義務を怠り、園長は教諭に指示して別の場所に保管するなどの危険防止措置を講じなかったとして「園内の安全管理を統括する立場にあったことに照らすと、(過失は)決して軽いものでない」。2022年12月、園長ら4人が業務上過失傷害容疑で書類送検されたが、園長以外は不起訴処分。

〔主食費を誤って徴収〕神奈川県鎌倉市の市立保育園で、主食を提供していなかったにも関わらず主食費を遡って徴収する誤りが生じていたことがわかった。この児は2023年の9か月間、主食を家から持参していたが、今年2月から主食提供を希望する申込書の提出があったことから、システム上で主食費を徴収するよう変更を行おうとしたところ、誤って過去9か月分の主食費を口座振替から徴収してしまったもの。

〔暴行罪に問われている教頭に有罪判決〕2022年3月、5歳児の左頬を手で2回たたいたとして、暴行罪に問われている熊本県熊本市の幼稚園の元教頭に、2月2日、地裁が有罪判決(罰金20万円)を言い渡した。弁護側は、園児が唾を吐こうとしたので止めるために頬を挟んだだけだと主張。犯行を目撃したという教諭3人の証言には捜査段階と法廷で矛盾があると指摘し、一貫して無罪判決を求めていた。地裁では「教諭3人に見間違いや記憶違いがあったとは言えず、証言は十分信用できる」と判断。元教頭側は控訴する方針。

〔理事長、保育士が不適切な保育〕兵庫県川西市の民間認可保育所の理事長や保育士らが園児に不適切な言動をしたとして、市が昨年12月、改善勧告を出したことが2月2日にわかった。保育士が園児に「勉強嫌いは将来、肉体労働やな」と話す音声データを確認。他にも、理事長の女性が保護者に「好きじゃない子は放っておく」と言う、決まった時間以外にトイレに行かせない、給食を完食した順に園児に番号を付け発表させる、園での嫌なことを園児が保護者に報告できないよう制限する、園児の容姿や雰囲気からあだ名を付けて呼ぶなど、少なくとも18件の行為について不適切と判断した。市教委は昨年11月に指導を通知したが対応が不十分だったため、改善勧告に踏み切ったもので、理事長らは行為を認めつつあるという。市は今年1月にも、保護者への説明などを盛り込んだ追加の指導を行った。

〔「子どもが怖い思いをしたのなら申し訳ない」〕三重県玉城町の町立保育所で保育士(50代、女性)が不適切な行為をしたとして、保育所はこの保育士に対し、口頭で厳重注意した。去年4~12月、園児に給食を早く食べるよう泣くまで叱りつけたり、園児の腕を引っ張って廊下に連れ出したりするといった合わせて8件の不適切な行為をしたという。12月14日、「保育士が不適切な保育をしている」という内容の通報が町にあったとこから確認したところ、事実関係を認めた。保育士は、「不適切な保育だという認識はなかったが、子どもが怖い思いをしたのであれば申し訳ない」などと話し、現在も保育を続けている。〔掛札コメント〕最近、謝罪によく使われる「~ならば申し訳ない」という言い方。「こちらにはそういうつもりはなかったが、そちらがそういうふうに感じたなら謝る」という、一種の開き直り。謝罪になっていません。

〔不適切な保育、法人や町の責任も指摘〕愛知県東郷町の認定こども園の不適切な保育を検証していた第三者委員会は1月15日、再発防止策をまとめた報告書を町に提出した。報告書によると、昨年8月3、4日、複数の保育士が、1歳児クラス(21人)で「本当にこの子嫌だ」「ほんと腹立つこの子」などの言葉を複数の園児に浴びせた。第三者委は「心理的虐待と言わざるを得ない」として不適切保育を認定、保育士も「言葉は悪かった」と認めている。この園は昨年4月、町立園の民営化により浜松市の法人が運営する形で新たに開園。報告書では、1歳児クラスは当初8人の保育士が配置される予定だったが、急な退職などで5人になり、うち2人はけがをしていたとしている。法人は、現場の補充要請に応えず、園は人手不足だったという。一方、民営化を急ぐ余り、スムーズな移管への協力体制の構築を町が怠っていたと指摘している。〔掛札コメント〕前のニュースのコメントと同じですが、「言葉は悪かった」というのも、「言葉は悪かったが、そんなつもりではなかった」という意味。

〔不適切な保育が明らかになった園、事業譲渡〕昨年10月、0歳児担当保育士による不適切な保育が明らかになった静岡県浜松市中央区の認可保育園が、この4月から市内の別の法人に事業譲渡されることがわかった。現在の施設をそのまま引き継いで運営にあたる。

〔副業で懲戒処分〕栃木県宇都宮市の市立保育園に勤務する20代の女性保育士が、性風俗店で副業をしていたとして2月1日、停職3カ月の懲戒処分。女性は同日付で依願退職した。2021年4月~2023年12月、有給休暇を取得するなどして市内や栃木県外で計69日副業をし、計約155万円の収入を得ていた。市に匿名の情報提供があり、本人に聞き取りをしたところ、事実を認めた。「奨学金の返済や生活費に充てていた」と説明したという。〔掛札コメント〕保育士の処遇を格段に改善しない限り、状況は悪化するだけだと懸念しますが。

〔健診の医師が保育園で盗撮〕1月19日、東京都足立区の保育園で職員の健康診断中、40代の医師の男(渋谷区在住)が隠し持っていたカメラで性的な写真を盗撮しようとしたとして逮捕された。職員が不審な様子に気がつき、問いただしたところ、盗撮しようとしたことを認めたという。容疑を認めている。

〔泥酔した男が夜中に保育園に侵入〕1月28日午前0時過ぎ、北海道室蘭市の保育園に侵入したとして、近くに住む29歳の男が建造物侵入の現行犯で逮捕された。保育園の入口とみられる場所のガラスが割られたため、警備会社から通報を受けた警察官が駆け付けたもの。男は保育園の近くに住んでおり、犯行当時、泥酔状態だったという。男が泥酔して保育園を自宅と勘違いし可能性もあるとみている。

〔和歌山県でノロウイルス集団感染2件〕●和歌山県岩出市のこども園で1月23日~29日にかけて、園児46人と職員2人が下痢やおう吐などの症状を訴え、県はノロウイルスによる集団感染として対策を指導している。●和歌山県有田市の保育所で2月7日、複数の園児が嘔吐や下痢の症状を訴えていると保健所に連絡があり、調査したところ、1月19日~2月8日にかけて、園児44人が症状を訴えていることがわかった。症状のある園児2人の便を検査したところ、いずれの便からもノロウイルスが検出された。

〔センター提供の給食で2日続けて異物混入〕三重県松阪市の市立幼稚園で2月7日、提供された給食に金属粒(約2ミリ)が混入していた。同幼稚園でご飯を盛り付けていた教諭が発見。幼稚園から連絡を受けた市の職員が金属粒であることを確認した。市学校給食センターの調理工程から提供までの間に入ったとみられる。同センター提供の給食では、前日の6日にも約1センチのボルトの混入が見つかったが原因が分かっていない。

(1月20日)

〔園庭、ロープの絞扼事故で書類送検〕2023年5月、埼玉県久喜市の保育園で3歳児の首にロープが絡まり一時、重体となった事故で1月4日、園長ら数人が業務上過失傷害の疑いで書類送検された。

〔給食に3センチの針金〕神奈川県鎌倉市の市立保育園で1月9日、給食調理委託事業者が提供した給食に異物が混入していた。1歳児が副菜の中から見つけたもので、職員が確認したところ、長さ約3cmの針金だった。すでに給食提供を終えていたクラスもあったが、食べ始めていなかったクラスでは、副菜の提供を中止。事業者や食材納品業者に確認、調理室や調理器具の点検を行ったところ、ザルの網目部分の一部が破損しており、その一部が混入したと考えられるとのこと。〔掛札コメント〕ザルの網等の混入は、予防がきわめて困難です。壊れやすく、かといって少しの破損で買い替えるということもないでしょうから。詳しくはこちら(「安全」の6-1)。

〔在宅勤務中に「サポート詐欺」、情報を抜き取られる〕奈良教育大学附属幼稚園の教諭が昨年12月11日、自宅のパソコンをインターネットに接続して在宅勤務をしていたところ、偽のセキュリティ警告によるいわゆる「サポート詐欺」の被害に遭った。パソコンを遠隔操作できるアプリがインストールされ、個人情報を含む複数のファイルがパソコン上から消え、情報が抜き取られた可能性があるという。ファイルには、園児の氏名や画像などが含まれる。

〔人件費を不正請求〕群馬県高崎市で認定こども園を運営する学校法人が勤務実態のない職員の人件費などを過大、不正に請求していたとわかり、市が改善勧告を行った。昨年8月、市に情報提供があり、立ち入り調査と監査を実施したところ、副園長/教頭の配置加算を請求していたものの実際には2018年以降、勤務実態がなかった。また、保育教諭の配置に対する加算請求において、退職している職員3人を人数に加えたり、実際にはいない事務職員についても請求していた。法人側は、約4730万円をすでに返還しているという。

〔性的虐待の処分後、不正受給額が判明〕昨年、園長が複数の園児に性的虐待等を行ったとして新規の園児受け入れを1年間停止する処分を受けている学校法人(山形県山形市)で、2023年3月までの2年間で約2100万円の不正受給があったことが判明した。実際にはいない副園長を配置しているように偽る、保育士の人数を偽るなど。法人はすでに全額にペナルティを加算した2600万円を返還しているが、市は平成30年度までさかのぼって調べるとしている。

〔暴行の疑いで保育士逮捕〕宮崎県宮崎市の保育士(53歳、女)が昨年12月18日、暴行の疑いで逮捕された。逮捕容疑は11月13日午前11時~正午ごろ、宮崎市内の認可保育園で、幼児の頭部を平手で殴打するなどした疑い。12月14日に保育園から説明を受けた母親が、16日に署に通報して発覚した。

〔福祉事業所の施設管理者が利用者に性的暴力〕福岡県糟屋郡の福祉事業所の施設管理者(40歳、男、志免町)が1月18日、事業所を利用する小学生女児に対する不同意わいせつの疑いで逮捕された。昨年12月7日に被害を受け、これを聞いた母親が警察に相談して発覚した。

〔乳児院職員を性的暴行の疑いで逮捕〕埼玉県内の乳児院の職員(25歳、男、住所は大阪府)が1月15日、2歳未満の入所女児に対する暴行と、その様子を撮影した疑いで逮捕された(強制性交等と児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑い)。押収したスマホからは20人以上の女児の動画が見つかっているという。容疑者は2023年12月、別の未就学児(入所者)に触ったとして逮捕・起訴されている。

〔園児を性的暴行。逮捕〕東京都墨田区の認可私立保育園の保育士(26歳、男)が昨年10月、勤務先の保育園で女児に性的暴行を加え、その様子をスマホで撮影するなどした疑いで1月17日に逮捕された。容疑者は昼寝の時間帯に児を呼び出し、犯行に及んだとみられており、スマホには他の女児の動画もみつかっているという。同園は、容疑者の父親が園長を務めている。