2 附 (1) 置き去り、取り残しの事例(過去のニュースから)

 置き去りや取り残しだけで子どもの命が奪われることはまずありませんが、命を奪う危なさ(暑熱、息ができなくなる環境要因、自動車や電車等)があるときわめて危険です。こちらの資料の中に「取り残し、置き去りの予防」があります。熱中症(8-2)、息ができなくなる危なさ(2-2)、散歩(5-2)、および該当する事例集をご覧ください。

中間市の事故、牧之原市の事故も、その後を加えました。★印を付けてあります。

〔孫を車に置き忘れた祖母、重過失致死罪に〕岡山県津山市で勤務先の駐車場に止めた車に2歳の孫を放置し、児が熱中症で死亡して逮捕された祖母について、検察は注意義務の違反が著しいとして重過失致死の罪で略式起訴した(9月29日)。これを受けて、裁判所は罰金50万円の略式命令を出した。祖母は、保育所に預けたと思い込んで降ろすのを忘れたもの。調べに対し、祖母は「仕事のことなど考え事をしていて孫を保育施設に送ることを忘れてしまった。仕事を終えて車に戻るまで気付かなかった」などと供述している。〔掛札コメント〕「まさか、忘れるはずがない…」? いえ、忘れることは十分にありえます。この方はこのお子さんの保育園登園をし始めて間もなかったようですし。 人間は「いつも」の流れに乗ってしまうと、「いつもと違うこと」を簡単に忘れます。
さらに、このような事例で「登園していません」と園が連絡しなかったら、やはり重過失致死に問われる? 問われるはずがありません。そもそも園に予防できるタイプの事故ではないので。本サイト「コミュニケーション」B-2の中にあるひな型「休む連絡が来ない時の登園確認」を必ず、来年4月、保護者に出してください。

〔登園時に送迎車両に取り残し〕埼玉県所沢市の認定こども園(幼稚園)で2023年7月14日、3歳児1人が登園時の送迎バス(39人乗り)に取り残された。バスは午前8時40分頃、25人を乗せて園に到着。降車時に十分なチェックをせず、後方で寝ていた児を見落とした。バスは2分後に別の通園ルートに出発。乗車してきた園児が寝ている児に気づき、職員に知らせた。この児はふだんの2倍の45分間乗車していたが、車内は冷房がきいた状態であり、体調不良はなかった。市は、報告のあった21日、同園を厳重注意した。このバスには安全装置が設置されていたが、エンジンを切らないと作動しない仕組み。バスは別ルートに向かうまでの間、エンジンをかけたままで、最初の降車時は装置が機能していなかった。〔掛札コメント〕アラームが鳴らなければ取り残し確認をしない、となると…?

〔病院受診の降車時に、一人を取り残す〕2023年7月7日午前11時頃、高崎市の認定こども園の送迎バスに2歳児が約10分間、取り残された。同日の午前の気温は32度。この児は、歯科検診のため他の9人とともに、送迎バスで病院を訪れていた。降車時、乗っていた3人の職員のうち1人が人数の確認をしていたが、この職員は受診する児の数が予定より1人増えていたことを知らず、一人が降りていないことに気付けなかったという。約10分後、病院で受診する園児の名前を確認する中で人数が足りないことに気付き、駐車場のバスに戻ると、この児が泣いていたという。このこども園の場合、バスは園外活動の際に限って使っていたため、安全装置の設置が義務づけられていないとのこと。〔掛札コメント〕降車する人数の確認なんて、ある意味、どうでもいいのです。とにかく、「取り残していない確認!」をすること。

〔置き去り熱中症死で書類送検〕大阪府岸和田市で昨年11月12日、父親の乗用車内に置き去りにされた2歳児熱中症で死亡した事故で、府警は2023年2月6日、重過失致死容疑で父親を書類送検した。他の遺族に処罰感情がないとして「寛大処分」の意見を付けた。父親は午前7時45分頃、児3人を乗せて自宅を出、2人を認定こども園に送った後、この児を保育所に送り届けたと思い込んだまま、午前8時頃、車で帰宅、自宅で車を降りた際に車内を確認する注意義務を怠った。児は約9時間、車内に放置された。〔掛札コメント〕園は責められているのに、保護者には「寛大な処分を」?

〔バスの降ろし忘れ、保護者がGPSで気づく〕神奈川県川崎市で2022年12月5日4時半頃、市営プールのスクールバスで運転士が車内点検を怠り、居眠りしていた小学1年生を降ろし忘れた。この児童は大師駅前付近で、市営プールの指定管理者から再委託されているスクールバスに乗車。約15分後にプールに到着したが、運転士が乗車したままの児童に気づかず、次の送迎のため出発した。その後、アプリによるプールへの入場通知がなかったため、児童の父親がGPSを確認しプールの事務室に連絡。運転士が車内を確認したところ、午後5時10分頃に児童を発見した。指定管理者のマニュアルには乗降時の人数確認が定められているが、徹底されなかったという。

〔バスの降ろし忘れを公表せず〕新潟県佐渡市が民間委託しているスクールバスで2022年4月上旬、児童を降ろし忘れたことを教委が把握したにもかかわらず、公表していなかったことがわかった。12月8日の市議会一般質問で教育長が明らかにした。午後1時半発のバスに低学年の児童が乗車、運転手は「(児童は)学童保育の利用日」と思い込み、学校から約20分離れた児童の降車場所を通過。午後2時ごろ学校に戻った。児童の家族から「子どもが帰ってきていない」と学校に連絡があり、次の運行のために車内で待機していた運転手が、後ろから2列目の座席で眠っている児童を発見した。市教委は9月に市民から情報提供を受けていた。公表しなかったことについて「事実確認の調査や再発防止策を優先していたため、公表の機会を逸した」と説明し、「再発防止に努める」とした。

〔特別支援学校で送迎バスに取り残し〕埼玉県加須市にある県立の特別支援学校で2022年10月18日、中学部の生徒がスクールバスで登校した際、バスの中に30分ほど取り残されていたことがわかった。午前9時頃、この生徒が教室にいないことに担任が気付いた。バスは営業所に戻るためにすでに出発していたため、学校側が会社に連絡して車内を確認したところ、寝ていた生徒を見つけたという。体調に異変はなかった。生徒が乗り降りする際にはバス会社側が名簿を使ってチェックし、教員に子どもを受け渡すことになっているが、いずれも徹底されていなかった。

★〔園バス内、閉じ込め熱中症死〕2022年9月5日午後2時14分頃、静岡県牧之原市の私立幼稚園に通う3歳児が、送迎バス内で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。園児を帰宅させる準備をしていたところ、職員が見つけたもの。朝、バスには6人の児が乗車していた。同乗していた職員(70代の派遣職員)は紙とタブレット端末のアプリの両方に「6人」と入力し、この児はシステム上「登園」したことになっていた。 クラスの担任と副担任は児がいないことに気付いていたが、状況を確認することはなかったとみられ、バスに同乗していた職員や保護者への問い合わせもなかったという。この日は、ふだん担当している運転手が急きょ休みになったため、73歳の理事長がバスを運転していた。この日、牧之原市の最高気温は30.5℃。
→バスを運転していた当時の園長とクラスの元担任が2023年11月22日、業務上過失致死の罪で在宅起訴された。

〔送迎時に園児を取り違え〕福島県郡山市にある認定こども園で2022年9月5日、園バスによる送迎時、添乗職員が園児を取り違えて保護者に引き渡していたことがわかった。3歳の女児を祖父母に引き渡したが、児は祖父母と同居しておらず、帽子やマスクをしていたため、祖父母は取り違えに気づかなかったという。その後、最後の園児を保護者に引き渡した際、別の子どもだったため、保護者が気づき、取り違えが発覚した。2人は最近入園した園児。〔掛札コメント〕これは、「園の責任100%」と言ってはいけない事象です。渡された保護者側にも確認の責任がありますから、「降車したら必ず顔を見て確認を」と保護者に伝えておいてください。

〔校外学習中、5年生をバスに置き去り〕北海道旭川市の市立小学校で2022年9月5日、宿泊学習中の小学5年生が、乗車していたバスに置き去りにされた。5年生の約50人が5日午前、深川市内の交流施設に立ち寄った際、車内で寝ていた1人が約30~40分にわたって置き去りにされたもの。目を覚ました児童は、車外にいた運転手に声をかけて降車した。引率の教師2人が同乗していたが、点呼や車内の確認などは行わなかったという。〔掛札コメント〕静岡の事故がなかったら報道もされなかった事象でしょうね。

〔 園バス取り残し。過去の事例が報道される〕埼玉県さいたま市の認可保育施設で2019年11月と2021年12月、園児が夕方に送迎バスに取り残される事故が起きていたことがわかった。いずれも座席で寝ていた園児(いずれも3歳児)を同乗の施設職員らが見逃していた。2019年年の事例では午後5時30分頃、園児と職員を乗せたバスが市内の降車場所で園児たちを降ろして施設に戻った際、園児が車内にいるのに気づかずに職員がドアを閉めていた。約20分後、車内から窓をたたいている児を他児の保護者が見つけた。乗降時に園児を確認する決まりだったが、守られていなかった。2021年12月の事例では午後4時過ぎ、バスが園児と職員を降車場所に降ろして施設に戻った際、車内を点検していた運転手が座席で寝ている園児を見つけた。降車時に職員が園児を確認するルールだったが、怠っていたとみられる。〔掛札コメント〕これは過去の事故のほじくり返しであり、静岡の事故がなければ報道されなかったであろう事象です。2021年の件は、保護者が子どもを受け取っていないということなのでしょうか? だとすれば、これもまた「園の責任100%」と言ってはいけないことのように見えますが、詳細はわかりません。

〔バス内取り残し。対称的な2件〕●2021年11月29日の下校時、栃木県茂木町で町が業者に委託して運行する通学バス(マイクロバス)の車内に小学生女児を約1時間、取り残した。眠っていた児に運転手が気づかず、バスを車庫に入れ、点検しないまま施錠し、車庫のシャッターも閉めて帰宅した。約1時間後、目を覚ました児はバスの窓から飛び降り、車庫の窓から外に出て徒歩で自宅に帰ったという。脱出した際、足に軽いけがをした。運転手は「点検をおろそかにしてしまった」とミスを認めているという。
●滋賀県野洲市の市立幼稚園で3月11日、送迎バスが登園中の園児1人を降ろさず、車庫に戻ってから気付くミスがあった。発表によると、午前8時50分頃、園児26人を乗せたバスが園に到着。添乗員2人が前から3列目で眠る4歳園児に気付かず、車庫へ戻ってしまった。運転手が車内点検中に園児を発見、午前9時5分に園に送り届けた。市のマニュアルでは、送迎時に複数の添乗員が名簿と目視で車内を確認することになっている。この日は、送迎のお礼に園児から添乗員へプレゼントを渡す恒例行事に当たり、確認がおろそかになっていたという。〔掛札コメント〕誤食であれ、取り残しであれ、ヒューマン・エラーは必ず起こるから、(可能な場合には)複数回チェックをするのです。滋賀県の事例は、複数回チェックをしていたから見つけられたものであり、「まさか残っているわけはないと思っても、運転手が最後にもう一度、点検をする」というルールに意味があり、実際、運転手が実行していた!(拍手!)という事実が確認できるわけです。一方、栃木県の事例は、「まさか残っているはずがない」とすべき点検をしなかった結果です。
 もうひとつ、「添乗員2人が気づかず」の部分は「2人で見ていて?」と思うかもしれませんが、2人で話しながら見ていたら、気が散っているので、見えないことは十分にありえます。この種のチェックは、子どももいなくなった後に1人でチェック。そして再度(またはバスを閉める時に)別の1人がチェック、です。

〔園バスに取り残し、死亡〕2021年7月29日午後5時半頃、福岡県中間市の私立保育園から、「送迎バスの中で児が倒れている」と通報。搬送されたが、午後7時頃に死亡確認。着衣等の乱れはなく、車内に長時間閉じ込められていた可能性がある。児が帰りのバスに乗っていないことに母親らが気づき、連絡を受けた園関係者が園駐車場に停車中の送迎用バスの車内で児を発見した。同園には送迎用のバスが複数あり、迎えと帰りに使うバスは別だった。
→2022年9月26日に初公判。当時の園長と保育士は起訴内容を認めた。前園長は当時、園児たちを降車させる際に泣いている別の園児への対応に追われていたなどと説明し、「車内を確認することは最低限で、絶対にしなければいけないが気持ちが焦ってしまい確認できなかった」と述べた。
→2022年11月8日、地裁は「園児を確実に降ろして引率することは園児を預かる立場として当然果たすべき極めて基本的な注意義務だ。これを怠った過失は重い」として、業務上過失致死の罪に問われた、当時の園長に禁錮2年執行猶予3年、保育士に禁錮1年6か月執行猶予3年の判決を言い渡した。検察が園長に禁錮2年、保育士に禁錮1年6か月を求刑したのに対し、園長側は執行猶予付きの判決を求め、保育士側は「罰金刑が相当だ」としていた。
→控訴がなく、地裁判決確定(11月23日)。
→2022年11月25日、児の父親が園を運営する社会福祉法人と当時の園長ら2人を相手取り、計約4600万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴。原告側は、元園長と降車時の補助役だった保育士が業務上の注意義務を怠った過失で児を死亡させたと主張。同法人は使用者責任を負うとしている。
→口頭弁論が2023年2月1日、福岡地裁で。母親は当時の園長と法人に計約5400万円を、父親は法人と元園長、保育士に計約4600万円の支払いを求めている。慰謝料は児の分を2500万円とし、それ以外に母親分1000万円、父親分500万円としている。保育園側は答弁書で「慰謝料は遺族の分を含め、2000万~2500万円が相当」と反論。刑事裁判で執行猶予付きの有罪とした地裁判決は、元園長が相当額の金銭の支払いを遺族に申し出ていることが量刑で考慮されていた。
→遺族が損害賠償を求めた訴訟は2023年8月9日、福岡地裁小倉支部で和解が成立した。

〔送迎バスに取り残し〕2020年9月3日、福岡県久留米市の送迎保育事業で、市中心部と保育園を結ぶ送迎バスの担当保育士らが2歳児を降ろし忘れ、車内に置き去りにした。午後4時頃、児は園から保育士2人に引率され、他の園児16人と乗車。同27分頃、市中心部の送迎保育ステーションの駐車場に到着。下車後、子どもが1人足りないことに気づき、施錠された車内に戻り、同40分頃、チャイルドシートに座っていた児を見つけた。児に熱中症の症状などはなかった。

〔5歳児が80分間、所在不明〕島根県松江市の市立幼保園で2018年4月20日、5歳児が80分間、行方不明になっていたことがわかった。午後3時20分頃、園舎2階にいた児の姿が見えなくなった。担任が1人で園舎や園庭などを探したが見つからず、約50分後に職員室に連絡。その後、複数の保育士らが園外を見回ったが、4時40分頃、数キロ離れた自宅に一人で帰っていると母親から電話があるまで所在を把握できなかった〔掛札コメント〕園の外に出る、家に帰るなどはひんぱんに起こりますが、まず、担任の先生だけで50分間さがしたところが大問題です。「いない!」と気づいたら、園内ですぐに共有してください。園敷地内にいないようであれば、警察と保護者にもすぐ連絡を。死亡等の結果になった場合、「連絡がなかった」「遅れた」ことが問題になります。一方、見つかれば「お騒がせしました」ですみます。

〔送迎バスに2時間置き去り〕2018年10月23日、北海道西興部村の村営保育所に通う2歳児が送迎バスの車内に約2時間、放置された。体調不良などはなかったという。午前9時半頃、園児6人を乗せたバスが保育所に到着。保育士は5人を降ろしたが、最後尾座席のチャイルドシートに座っていた児に気づかなかった。運転士も気づかず、休憩のためエンジンを切って自宅敷地内に駐車してバスから離れた。児の保護者の知人が同日午前11時半頃に保育所を訪れ、児がいないことに気づき、連絡を受けた運転士が車内で幼児を発見した。

〔園児を一時、園庭に「置き去り」〕神奈川県横浜市内の認可保育所で、3歳児が園庭に一時的な置き去り状態にされたとして、市が児童福祉法に基づいて同園を立ち入り検査し、園側を口頭で注意した。2017年3月24日、園庭で遊んだ後にこの児が保育室に戻らなかったことから、保育士が児を残して1~2分程度、保育室のカーテンや窓を半分閉めるなどしたため、置き去りの形になったという。通報を受けて4月1日に立ち入り検査を実施した市は「安全管理上の心配があり、不適切だった」としている。園は取材に対し「カーテンの生地は薄く、声がけを続けるなど様子は確認していた」とする一方、「柔軟性が足りなかったことは事実で、指導方法を改善したい」としている。〔掛札コメント〕え、園庭でしょう? 見渡せないほど広い園庭なんでしょうか。これも「園庭に一時的に置き去りにした」事態なのでしょうか。うーん。

〔送迎バスに取り残し〕2017年9月、さいたま市岩槻区の私立幼稚園で、3歳男児が送迎バスに5時間放置される。健康上の異常なし。

〔送迎車の中で熱中症死亡〕2017年7月13日午後3時20分過ぎ、埼玉県上尾市の障害者施設の送迎車内で、19歳の男性利用者が倒れているのが見つかった。搬送されたがその後、死亡。約6時間にわたって車から降ろし忘れ、熱中症が死因とみられる。朝、車で利用者を迎えに行き、午前9時頃、施設で利用者を車から降ろしたが、その際、降ろし忘れたとみられる。男性は知的障害があり、自分で車のドアを開けることができないという。

〔人数確認せず置き去り。保育課も事実を共有せず〕新潟県新潟市江南区の市立保育園で2017年6月23日、職員3人が園児13人を連れて散歩した際、立ち寄った公園で園児の人数を数えず、1人を置き去りにした。通行人が園児を園に送り届けて無事。新潟市長は7月の定例会見で「たとえ素人やボランティアでも、子どもを外に連れて行く時に人数を確認しないというのはあり得ない。認識の厳しさが足りない」と非難した。また、市の保育課がこの3日後、市内の保育園などに人数確認を徹底するよう注意喚起文書を送った際、置き去りの事実に触れなかったことについても「(文書で事実を)伝えなければ、ほかの園は状況を把握できない」「間違った対応だった」と述べ、関係者に注意したと明らかにした。〔掛札コメント〕起きた事実を詳しく言わずに注意喚起だけをしたのでは、まったく無意味です。事実を伝えるのは、事故を起こした人を責めているわけではありませんし、そのような書き方をしてもいけません。責められると思えば、人間はミスを「隠そう」とするからです。

〔送迎バスに約5時間放置〕埼玉県さいたま市岩槻区の私立幼稚園で2017年9月11日、送迎バス車内に3歳児1人が約5時間放置された。児の健康に大きな問題はなかったが、園側は「乗車していた園児を全員降車させたか、確認しなかった」と話しているという。最初の運行が終わった午前9時半頃、駐車場に回送。児が発見されたのは、再び運行を開始する午後2時半頃だった。バスは扉が閉まっており、児が開けられない状態になっていた。気象台によると、この日のさいたま市内の最高気温は30度。

〔送迎用ワゴン車内で死亡〕2007年7月、北九州市小倉北区で、保育園の送迎用ワゴン車に2歳男児が放置され、熱中症で死亡。

〔不明の生徒、4時間捜さず〕茨城県結城市の市立中学校の教諭らが、宿泊学習中、行方不明になった特別支援学級2年生を4時間近く捜していなかったことが明らかになった(2015年5月)。約200人で訪れ、標高1701メートルの山に登山。昼食後、下山途中の午後3時45分頃、この生徒がはぐれた。宿泊先に戻った後、引率教諭は別の生徒からこの生徒が戻っていないと報告を受けたが、所在確認をしなかった。夕食後、生徒の一人から再度申し出があり、午後7時45分頃に110番。山中で足首を捻挫し、動けなくなっていた生徒は午後9時頃に発見された。学校のホームページでは一時、夕食の写真とともに「全員、無事下山」と伝えていた。

〔送迎バスに取り残し〕2003年3月、岐阜県羽島市の私立幼稚園で、通園バスに3歳女児が4時間放置される。けがなどはなし。