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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)

▶〔下の死亡記事の追記〕1歳2カ月児が福島県福島市の認可外保育園で死亡した件で、当時、保育室には死亡した男児を含めて0~1歳児15人が寝ており、4人の職員で見守っていた。市は市内の保育園に1歳児は10分おき、0歳児は5分おきに睡眠の状況を確認するように指導していたが、この児が保育室で横になっていた正午から午後2時までの間、保育士が様子を確認したのは午後1時の1回。その際、児はうつぶせ状態だったため、呼吸をしやすいように顔だけ横向きにしたが、呼吸をしていたかは確認しなかったという。(12月26日、各紙)

〔1歳児がうつぶせ寝で死亡〕福島県福島市の認可外保育施設で12月25日午後、1歳児が死亡した。同園によると、昼寝の時間で、児はマットの上で寝ていた。父親が午後2時ごろ迎えに来た際、児がうつぶせの状態で息をしていないことに職員が気づき、119番したという。病院に搬送されたが、約40分後に死亡が確認された。(12月26日、時事)

▶〔プール事故で119番通報怠る〕神奈川県茅ケ崎の市立小学校で7月26日昼前、プール開放で小学生が一時意識を失う事故が発生したものの、市から監視業務を委託された業者が119番通報を怠るなど安全管理マニュアルに沿った対応をしていなかったことが12月17日わかった。市も当初、事故を重く受け止めず、市議から指摘を受けて調査を行い、報告書作成に4カ月を要していた。当時、このプールで小学1年生2人が水をかけ合って遊んでいたところ、1人が水を大量に飲み、意識を失った。児を引率していた学童クラブの支援員が発見し、プールサイドに上げて救助したが意識が戻らず、監視員が人工呼吸を行ったところ、意識が回復したという。市は委託仕様書で、業者に対し「事故発生の場合はただちに救助活動、応急処置、救急車の手配、病院への連絡及び付き添い等適切な処理を行うこと」を求めているが、監視員は救急車などを手配しないまま、児と支援員は帰った。業者はその後、学童クラブを通じて保護者に連絡。保護者が児を連れて受診し、異常がないことが確認された。市は同日中に業者から報告を受けたが、現地での調査や具体的な指示・指導は行わなかった。その後、市議から事故の詳細を求められたことで市は9月以降に調査を行った。(12月17日、神奈川新聞)

▶〔園バス事故〕12月6日午後3時40分ごろ、京都府京都市伏見区で幼稚園の送迎バスが電柱に衝突、車内にいた園児5人と教諭1人が、顔や足に軽傷を負うなどし、救急搬送された。現場はセンターラインのない直線道路で、運転手(69歳)が対向車を避けるため道路脇に寄せようとし、電柱にぶつかった。運転手は「ブレーキを踏み外した」と話しているという。(12月6日、京都新聞)

▶〔死球を頭に受け、死亡〕11月18日午後、熊本県熊本市の県立高校で硬式野球部の練習試合中、打席に立った同高2年生が頭部付近に死球を受けた。意識不明で病院に搬送されたが、19日午前死亡が確認された。死因はボールが当たったことによる外傷性くも膜下出血。篠田さんはヘルメットをかぶっていたが、よけようとしたボールがヘルメットをかすめて左側頭部付近に当たったという。(11月19日、各紙)

▶加筆〔離乳食を詰まらせ意識不明〕広島県福山市の市立保育所で10月11日11時35分頃、1歳児が離乳食を詰まらせ、意識不明の重体となっていることがわかった。児が食事中に眠りかけたため、保育士が寝かせようとして抱きかかえたところ、突然泣き出し、何かが詰まった状況になり、呼吸が確認できなくなった。すぐに119番通報し、救急車が到着するまで児の背中をたたいたり、人工呼吸や心臓マッサージをしたりしたという。児は現在も入院し、治療を受けている(11月14日、朝日)。〔加筆〕児は豆腐のみぞれ煮、ゆでたニンジンなどの離乳食とおにぎりを食べていた。市は10月11日当日に事故を県に報告したが、公表はせず、11月9日になって保護者対象の説明会を開いた。遅れについて市は「公表すべきと考えてはいたが、保護者の意向に配慮した」と説明している。また、保護者の意向として幼児の性別などは公表しなかった。(11月14日、毎日)

▶〔送迎バスに2時間置き去り〕北海道西興部村の村営保育所に通う2歳児が10月23日、送迎バスの車内に約2時間、放置された。幼児に体調不良などはなかったという。午前9時半ごろ、園児6人を乗せたバスが保育所に到着。保育士は5人を降ろしたが、最後尾座席のチャイルドシートに座っていた児に気づかなかった。運転士も気付かず、休憩のためエンジンを切って自宅敷地内に駐車してバスから離れた。児の保護者の知人が同日午前11時半ごろに保育所を訪れ、幼児がいないことに気付き、連絡を受けた運転士が車内で幼児を発見した(10月28日、北海道新聞)。〔掛札コメント〕子どもを一人、どこかに置いていくことは「つい、うっかり、ぼんやり」の人間の脳ですから十分起こります。でも、2時間、不在に園が気づかないというのは「ありえない」です。「元気でよかった」じゃないですよ、この手のできごとは。

▶〔秋祭りの太鼓が横転、子どもが重傷〕10月20日午後10時過ぎ、香川県観音寺市の市民会館駐車場で、秋祭りに出ていた太鼓台が横転、5~12歳児3人を含む7人が接触して頭を打つなどし、救急搬送された。うち9歳児が頭蓋骨を骨折するなど3人が重傷。横転したのは、秋祭りで駐車場に集まり、太鼓台を担ぎ上げる「かきくらべ」に参加した9台のうちの1台(高さ5メートル、重さ3トン)で、事故当時は台車に載せられ、関係者らで写真を撮っていた。複数人が上に乗っていたといい、警察は太鼓台のバランスが崩れて横転したとみて、業務上過失致傷容疑も視野に調べている。(10月23日、読売)

▶〔園バス事故で軽傷〕10月12日午前9時過ぎ、宮城県名取市内の国道の交差点で、幼稚園の送迎用バス(運転手は68歳の男性)が中央分離帯に衝突し、園児3人が頭や腕に軽いけがを負った。警察が原因を調べている。(10月13日、河北新報)

▶下の東京都練馬区の死亡記事の追加です。
★〔発見時はうつぶせ〕寝かしつけた職員が、「ミルクを飲ませた後、あおむけに寝かせた。発見した時にはうつぶせになっていた」と説明していることが新たにわかった。「全く意識がない、反応もない、動きもない、呼吸もない状態。(職員が)ボンボンボンボンと体をたたいていたらしいです。慌てて」(直後に対応した診療所の医師)。当時、施設は職員3人態勢だったが、園長によると、寝かしつけた後、様子を確認したのは30分後だったことという。「いつもは15分くらいで見るのが、30分になってしまった。その30分がいけなかったんです。15分を厳守しなければいけない。だから私の落ち度です」(園長)。職員らが目を離している間に児がミルクを詰まらせるなどして窒息した可能性が高いとみて捜査している。(10月4日、TBS)
★「15分に1回は子どもの様子を見るようにしていたが、書類の整理や来客の対応で(私と)職員がはずしてしまい、30分間そのままにしてしまった」(10月4日、NHK)
★ 〔東京都が過去に複数回、指導〕都によると、昨年9月に同施設を巡回指導した際、睡眠中のゼロ歳児には5分ごとに目を配ることなどを助言。今年1月には、児童福祉法に基づく立ち入り調査を実施し、その時点でも「SIDSの予防への配慮が不足している」と認定し、計8項目の不備を指摘した。施設からは3月、SIDS予防の対応も含め7項目を改善したとする報告書が提出された。本年度中に確認する方針だったが、まだ実施していなかった。認可外保育施設について都は年1回以上、児童福祉法に基づく立ち入り調査をすることになっているが、施設数が多く、全体の2割弱しかできていない。その中で、この施設には3年連続で入っていた。(10月5日、東京新聞)
〔掛札コメント〕10月4日のNHKの記事に、山中龍宏先生の「30分間、目を離していたということだが、保育施設でそれだけ長時間、目を離していた例は聞いたことがない。当時の職員の体制など、安全管理の責任が問われるのではないか」というコメントが掲載されていますが、「30分間、目を離している」施設なんて、今でも山ほどあります。「当時の職員の体制で責任が問われる」とおっしゃっていますが、そもそもの配置基準が低すぎるのです。認可外や小規模の場合、一人が子どものおむつ替えなどをしていて、もう一人が郵便や業者の対応をしていたら、睡眠チェックなんてすぐにできなくなります。この施設の責任を問うことは簡単ですが、同じことはどこでも(認可でも)起こり得ます。とにかく、配置基準を見直すこと、保育者の労働時間を「保育」と「それ以外」で分けて配置することが先決です。

▶〔ゼロ歳児が死亡〕10月3日午後、東京都練馬区の認可外保育施設で生後6か月児があおむけで口からミルクを吐いて倒れているのを施設の職員が発見した。児は搬送先の病院で死亡が確認された。職員がミルクを飲ませて寝かしつけていたところ、様子がおかしいことに気付いたという。この職員は警察に「施設近くの診療所に連れていったが処置できないといわれ、119番通報した」と説明。窒息死の可能性があるといい、詳しい状況を調べている。(10月4日、産経)
▶〔雨漏り放置で石こうボード落下〕大阪府松原市の市立幼稚園で保育室の雨漏りを2カ月以上放置した結果、今年3月9日、天井部分の石こうボード(縦約60センチ、横約90センチ、重さ約3.5キロ)が落下していたことが9月25日、市への取材で分かった。市は同日、状況把握や対応が不十分だったとして、市福祉部幹部の職員や市教育委員会事務局の職員ら計5人を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。市によると、昨年12月末、天井部分に雨水が染みているのが確認された。園側は「市に対応をお願いした」とし、市側は「聞いていない」などとして、点検や補修されない状況が続き、3月、登園した園長が落下を見つけた。当時は無人で、けが人はいなかった。(9月25日、産経ウェスト)

▶〔装飾パネルが落ち、通行人が死亡〕10月1日午後3時半ごろ、神奈川県横浜市で、9階建てビルの屋上部分に取り付けられていた金属製の装飾パネル4つが落下し、いずれかが歩道を歩いていた男性に当たった。男性は搬送先の病院でその後、死亡が確認された。警察はパネルが落下した原因などを調べている。現場はJR関内駅から200メートルほど離れた飲食店などが建ち並ぶ繁華街。(10月1日、NHK)

▶〔自転車転倒で書類送検〕今年7月、神奈川県横浜市で子どもをだっこひもで前に抱えながら自転車を運転していた母親が転倒し、だっこされていた1歳児が死亡した。当時、子どもをだっこしながら運転していたことに加え、母親が手首にかけていた傘が前輪の泥よけに挟まったことが転倒事故につながったとして、警察は9月15日までに母親を過失致死の疑いで書類送検した。調べに対し、容疑を認めているという。神奈川県警はハンドル操作の支障になりやすいとして抱っこしたままの運転は認めていない。消費者庁によると、2016年までの6年間に東京都内で、幼児用座席に子どもを乗せた自転車の事故で1349人が搬送されている(9月15日、NHK。9月16日、東京新聞)。〔掛札コメント〕神奈川県の場合、おんぶ紐によるおんぶなら可だが、抱っこはダメとのこと(おんぶでも、前後座席+おんぶ=子ども3人はダメ、と東京新聞に記載)。ならば、みつけたら警察官が日常的に注意するべきです。日常的な注意はせずにお目こぼししておいて、子どもが亡くなったら書類送検、ニュースも「容疑を認めている」などという犯罪扱い。警察としては注意喚起のためなのだと思いますが、このような「見せしめ」的な扱いでは保護者の行動は変わりません。たいてい、「かわいそうだったね。でも私(の子ども)は大丈夫」(楽観バイアス)が強化されるだけです。そして、もうひとつ。この2つの記事は「母親」とだけ書いてありましたが、日経と朝日は、「保育士の母親」と(7月の第一報同様)書いていました。たとえば「医師」「看護師」「保育士」…は、「会社員」と書かれるのとではニュアンスが違いすぎます。「保育士のくせに」という予断を読者に与えるのはやめていただきたい。「そんなつもりはない」なら、「母親」だけで十分ですよね。

▶〔雨に濡れて低体温症〕9月8日昼過ぎ、福岡県福岡市早良区の県立高校で体育大会中、生徒47人が低体温症とみられる症状や過呼吸を訴え、女子35人、男子1人の計36人が病院に搬送された。うち7人の症状はやや重いものの、命に別条はないという。体育大会は午前9時頃始まり、約50分後から雨が降り始めた。正午頃、生徒が次々と寒さを訴えたため大会を中止、室内で毛布をかけたりストーブをつけたりして対応した。副校長は「生徒が一生懸命準備していたので雨が降った後もそのままやらせたが、判断が甘かった」と話した。福岡市の8日正午の気温は21.9度で前日同時刻より5.3度低く、最高気温は平年より6.4度低い23.1度で10月中旬並み。(9月8日、毎日)

▶〔台風で保育園の屋根が飛ばされる〕9月4日午後2時頃、台風21号の影響で、滋賀県甲賀市の市立保育園で屋根が飛ばされた。木造平屋建てのトタン屋根が全体の約4分の1にあたる150平方メートルにわたってめくれ上がり、敷地内の地面に落ちた。園内には3人の園児と4人の職員がいたが、けがはなかった。5日から緊急に3~5歳の園児あわせて26人を近くの別の保育園に通わせる措置をとった。(9月5日、NHK)

▶〔重要 プール死亡で書類送検〕埼玉県さいたま市の認可保育所のプールで昨年8月24日、4歳児が溺れて死亡したのは、園側に過失があったためとして、県警は当時勤務していた保育士と園長を業務上過失致死の疑いで書類送検する。捜査関係者への取材でわかった。プールには3~5歳児20人がおり、保育士はプールの滑り台の片付け作業をしている間、目を離していたという。県警は、保育士が園児らの監視に専念する義務があったのに怠り、約3分間目を離したことが事故につながったと判断。一方、園長は、プール遊びの際に監視する保育士を1人しか配置していなかった点が、国のガイドラインに反しており、安全管理上の義務を怠ったとみている(8月27日、朝日)。〔掛札コメント〕最後の部分は記事の間違いですよね。ガイドラインは「監視を2人置け」という意味ではなく、「指導者以外に監視者を1人」という意味ですから。

▶〔小学2年生が溺水〕8月23日午前11時前、福島県二本松市の市立小学校で体育の授業中、小学2年児がプールの底に沈んでいるのが見つかり、病院に搬送された。意識は戻っていないが、命に別条はないという。授業には2年生57人が参加。25メートルのプールでビート板につかまってバタ足で泳ぐ練習をしていた。教諭2人がプール内の5メートル、20メートル地点に立って安全確認を行っていた。児は20メートル地点を通過するまでは無事だったが、近くにいた教諭1人が一時目を離してプールサイドに上がった際、水深約80センチのゴール付近で児が沈んでいるのを他の児童が見つけた(8月23日、読売)。〔掛札コメント〕「意識は戻っていないが、命に別状はない」というのは、「自力呼吸はしているが脳に損傷」という意味かもしれません。その後どうなったのか、取材していただきたい。もうひとつ、教諭が2人、「プールの中で安全確認」? それではそもそも水中なんて見えるわけがありません。

▶〔水筒忘れた児童に水分をとらせず〕東京都小金井市の市立小学校で、20代の男性教諭が7月10日、校外学習の際に水筒を忘れた児童に水分を取らせなかったなどとして、市教委が口頭で注意していたことが8月15日にわかった。市教委は「命に関わる可能性もあった」とし、保護者に経緯を説明した。教諭はこの児童に「出発前に学校で水をたくさん飲んでいけばいい」などと言って、水分補給などの対策を取らなかった。児童は強い日差しの中、往復30分の道のりを歩き、約1時間、水を飲めなかった。帰宅後、頭痛を訴え、母親が市教委に連絡したという。教諭は聞き取りに対し「児童が何も言って来なかったから大丈夫だと思った」と説明したという。市教委は今回の件とは別に、この教諭に対して2回、口頭で注意していた。別の児童に「死ね」と発言するなど不適切な言動を繰り返したとしている。(8月16日、読売)

▶〔アスベストを含むがれきが園庭に落下〕大阪府堺市北部地域整備事務所で2016年、倉庫の煙突を解体した際、アスベスト(石綿)を含むがれきが隣の保育園の庭に落ちた問題で、市は8月9日、「石綿曝露による発がんリスクが国の基準を大きく下回った」とする検証結果を発表した。園児らに対し、経過観察や健康管理などをする必要はないと考えられるレベルという。市は今後、園児や保護者らを対象に医師や臨床心理士による相談を受け付け、希望者には健康診断を実施する。がれき落下は2016年6月18日午前10時半ごろ発生。倉庫の屋上に置いていた袋を作業員が誤って倒し、こぶし大のがれき多数が庭にこぼれ落ちた。2018年度内に検証結果報告書を作成するという。(8月9日、共同)

▶〔ワゴンのスープがかかりやけど〕愛知県知多市の市立保育園で7月18日、1歳児の顔や体に給食のスープ(約70度)がかかってやけど、児が入院する事故があったことが取材からわかった。保育士が目を離したすきに、給食を運ぶワゴンの上にあった鍋に手を伸ばしたもので、退院はしたが、8月9日現在も通院している。市はこの事故を公表していなかった。9日の会見で市は、「救急車を呼ぶべきだったが、職員の車で搬送してしまった」などと説明。児の親族は 「救急搬送など事故対応マニュアルを守らないずさんさで、事故後も誠実とは言えない」と話している。市は市内の保育園に対して、ワゴンを教室に入れないようにするなど安全対策を指導したという (8月7~9日、東海テレビ、CBCテレビ他)。〔掛札コメント〕職員の車で病院へ連れていったら救急対応が遅れ、最悪の場合、たらい回しになるとわかっていなかったのでしょうか。「ワゴンを教室に入れない」って、では、手で教室まで運べと? よけい危ないですよね。70度のスープを提供しようというのが根本的な誤りだと思います。

▶〔岩の崩落死で提訴〕新潟県湯沢町で2015年8月6日、野外教室に参加した東京の小学1年生が崩落した岩に頭を挟まれて死亡した事故で、児の両親が主催したスクールを運営する名古屋市の企業を相手取り、約4億5000万円の損害賠償を求めて提訴したことが8月6日わかった。訴状によると、事故は川遊びの最中に発生。水面から高さ約1メートルにあった重さ約2トンの岩が崩落し、児の頭部を直撃した。訴状では、引率教員らが事前に現場を下見していなかったことなどから、子供の安全に配慮する義務に違反したと主張している。(8月6日、産経)

▶〔11か月児が睡眠中に急変、死亡〕東京都中央区の認可保育所で7月27日夕方、生後11カ月児が睡眠中に体調の急変をきたし、その後、亡くなっていたことがわかった。児はあおむけの状態で寝ていたといい、死因は不明。当時、施設では無資格の職員3人が子ども3人を見ていたが、3人とも東京都の子育て支援研修は済んでいたという。(8月3日、TOKYO MX)

〔小学校3年生、プールで意識不明〕7月23日午後2時10分ごろ、高知県高知市の小学校のプールで3年生が水中に沈んでいるのを友人がみつけた。搬送されたが意識不明の重体。当時、プールは夏休みで開放中、40人ほどの児童が利用していて、監視員は保護者や高校生ボランティアなど10人いたという(7月23日、日テレニュース24)。〔掛札コメント〕監視員が複数いても、漫然と見ているだけなら「誰かが見ているだろう」とそれぞれが考え、結局、誰も見ていないということになります。

〔熱中症で小学校1年生が死亡〕7月17日、愛知県豊田市の小学校で校外学習から戻った1年生が意識を失い、熱中症で死亡した。同市は当日30度を超え、高音注意報が発令されていた。校外学習は午前10時過ぎから1年生約110人が参加して行われ、約30分、虫取りや遊具などで遊んだ後、11時半ごろに学校に戻った。児は公園に行く際、前を歩いていた児童から遅れ、「疲れた」と訴えたため、担任教諭が手を引いて歩いたという。帰りも「疲れた」と話していたという。記者会見で同校の校長は校外学習の目的が「虫取り」であり、夏に実施した点は「問題はない」としつつ、「こういう結果になったことは判断が甘かったと痛感している」と述べた。また、同市教育委員会の学校教育課長は、高温注意報は夏に出ることが多く、発表後にすべての学校行事を中止するのは難しい、とも述べた(7月17日、NHK、朝日)。〔掛札コメント〕「夏だから」「虫取りだから」というのは、「今までは大丈夫だったのだから」の典型例です。「今までとは違う」という判断がなぜ、できないのか。

▶〔園バス事故で5人搬送〕7月17日午前9時半ごろ、盛岡市の市道の交差点で園児9人を含む11人が乗った幼稚園の送迎バスと軽乗用車が出会い頭に衝突し、園児2人を含む5人が病院に運ばれた。全員、意識はあるという。交差点は軽乗用車の側に一時停止の標識があった。(7月17日、テレ朝ニュース)

▶〔公共プールで重体〕7月15日午前11時前、島根県出雲市内の公共プールで、同市の4歳児が溺れているのを遊泳中の人が見つけた。児は搬送されたが意識不明の重体。家族4人でプールに来ていたが、更衣室から1人で出て行ったという。(7月15日、産経ウェスト)

▶〔自転車転倒で児が死亡〕神奈川県横浜市内で7月5日朝、近くの保育士が自転車に乗っていたところ転倒、抱っこひもで前に抱えていた児が頭などを打ち、病院に運ばれたが死亡した。保育園に預けるため、児を前に抱え、前部のいすにもう一人を乗せて走っていたところ転倒したもの。自転車のハンドル周辺にさげていた傘の先が前輪に巻き込まれ、バランスを崩した可能性があるという。警察は過失致死容疑で調べる (7月6日、朝日)。〔掛札コメント〕怒っております。これ、「近くの保育士が」って書く必要があります? ないですよね。「会社員」って書くのとわけが違います。なんで、「保育士が」って書かなきゃいけないのですか?(「医師」でも「看護師」でも「主婦」でも同じですが) 事故自体はどこででも起こりうる重要なものなのですから、予断(偏見)を与えるかのような書き方をする必要はありません。

▶〔2階の手すりがはずれ、転落死〕栃木県那須塩原市の旅館で5月20日、宿泊客が2階の窓のアルミ製の手すりに寄りかかったところ、手すりがはずれて転落し、全身を強く打って死亡する事故が起きた。手すりは製造から35年以上が経過しており、製品の不具合に起因する可能性もあるとして、「製品評価技術基盤機構(NITE)」が調べている。6月上旬に手すりのメーカー側から、重大製品事故の報告を義務づける消費生活用製品安全法に基づき、消費者庁に報告があったもの(7月5日、読売)。〔掛札コメント〕子どもであっても起こりえますよね。そして、窓の手すりに限らず。

▶〔小学校6年生が一時、心肺停止〕6月22日、大阪府大阪市の市立小学校でプールの授業中、6年生が一時心肺停止状態になった。救命措置で意識を取り戻し、命に別条はないという。市教委によると、正午過ぎ、25メートルプールでどれだけ泳げるかのチェックを受けていたところ、約7メートル泳いだところで泳ぎを中断。プールから上がろうとしたところ、ふらついて顔面をプールサイドに打ちつけた。いったん水に沈んだが、すぐに浮かんだところを教員が助け出した。目がうつろで心肺停止状態になった児に養護教諭が心肺蘇生を行い、別の教員がAEDを使った救命措置を施し、病院に搬送された。22日朝の健康観察で児の体調に異常はなかったという。プールの水深は約95センチだった。(6月22日、朝日)

▶〔プールの底がはがれてケガ〕6月13日、茨城県つくば市の小学校で3年生の水泳の授業中、児童11人がプールの底のプラスチックで足を切るなどのけがをした。うち1人は足の裏を8針縫うけが。このプールでは5月28日、プールの底3か所でプラスチックがはがれているのが確認され、応急処置としてゴム製のマットを敷いて対応していたという。13日がプール開きだったが、何らかの原因で敷いていたマットがはがれたとみている (6月14日、NHK)。〔掛札コメント〕底がはがれていたという以上に、水の中によけいな物を置いていること自体が危険です(ゴム製のマットが底にあろうと、浮遊していようと)。補修するまで使わないのが当然、ではないでしょうか。

▶〔5歳児が80分間、所在不明に〕島根県松江市の市立幼保園で4月20日、5歳児が80分間、行方不明になっていたことがわかった。午後3時20分ごろ、園舎2階にいた児の姿が見えなくなった。担任が1人で園舎や園庭などを探したが見つからず、約50分後に職員室に連絡。その後、複数の保育士らが園外を見回ったが、4時40分ごろ、1人で数キロ離れた自宅に帰っていると母親から電話があるまで所在を把握できなかった(山陰中央新報、5月31日)。〔掛札コメント〕園の外に出る、家に帰るなどはひんぱんに起こりますが、まず、担任の先生だけで50分間さがしたところが…。すぐに共有してください。警察にも連絡を。

▶〔指切断で慰謝料等支払い〕兵庫県姫路市の市立小で平成2016年10月、ごみ置き場に放置された裁断機で4年生が誤って指を切断していたことが5月29日、市教育委員会への取材で分かった。市教委は管理責任を認め、児側に慰謝料など約40万円を支払うことで今年3月に示談が成立した。裁断機は事故の約1カ月前にごみに出され、注意を促す紙が貼られていた。児が休み時間に同級生と遊んでいた際に触れ、右手の人さし指を切断した。指は接合手術をして動くように回復したという(5月29日、産経west)

▶〔自転車型遊具で車と接触〕5月21日午後2時頃、大阪府大阪市西区の交差点で、自転車型遊具(ペダル、ブレーキがなく、地面を蹴って走るもの)に乗っていた5歳児がトラックと接触し軽いけがをした。児は、自転車に乗った祖母と一緒に交差点を右折しようとしたところ、直進してきたトラックと遊具が接触し転倒したという。消費者庁や販売会社では、「道路には出ず公園などの安全な場所で利用し」「ヘルメットをかぶる」「1人では遊ばない」よう注意を呼びかけている(5月21日、NHK)。〔掛札コメント〕園の事故ではありませんが、この遊具で登園している子どももいるようですので、注意喚起を(消費者庁)。

▶〔保育園に車が突っ込む〕5月22日午前9時半頃、大阪府大阪市平野区の保育園の外壁を破って、乗用車が建物内に突っ込んだ。園児らにけがはなかった。園の前の道路で乗用車と自転車が衝突。はずみで乗用車が前部から保育園に突っ込んだとみられる。(5月22日、産経)

▶〔送迎バスが衝突〕5月23日正午頃、岡山県倉敷市の市道交差点で幼稚園の送迎バスと乗用車が出合い頭に衝突、4、5歳の園児3人を含む計6人が軽いけがをした。送迎バスは片側3車線の道路を横切ろうとしていて、左から来た乗用車とぶつかったという。現場の交差点に信号はなかった。(5月23日、瀬戸内海放送)

▶〔ホームで時刻表カバーが落下、子どもがケガ〕5月26日午前8時半頃、東京都千代田区の東京メトロ半蔵門線大手町駅ホームで、時刻表を保護するアクリル製カバー(縦42.5センチ、横195センチ、重さ約5.1キロ)が73センチの高さから落下し、ホームにいた9歳の子どもの足の甲に当たった。右足を打撲。カバーを固定するネジがゆるんでいたことが原因とみられる。(5月26日、読売新聞)

〔児の機転で連れ去り未遂〕5月15日午後5時過ぎ、北九州市小倉北区の公園で、1人で歩いていた8歳の女児が連れ去られそうになった。児が機転をきかせ、公園にいた人に大きな声で「こんにちは」と挨拶したため、容疑者は逃げた。児の父親が通報し、容疑者(41歳、男性)は近くの路上で緊急逮捕された(5月16日、テレ朝ニュース)。〔掛札コメント〕「いかのおすし」も大事ですが、人が周囲にいたらこれが一番かも。「助けて!」などと叫ぶと相手を逆上させる可能性がありますから…。

▶〔ストラップが首にからみ、意識不明〕兵庫県伊丹市の住宅で5月12日夜、1歳児の首にスマートフォンのストラップがからみつき、意識不明の重体になった事故で、事故前、クローゼットの取っ手に掛けられていたストラップの輪の位置が、立ち上がった男児の首とほぼ同じ高さだったことが14日、警察への取材で分かった。警察は、首がストラップの輪に引っ掛かった後、児が床に座り込むなどし、首が絞まった可能性があるとみて調べる。ストラップは金属製チェーンで、長さ40~50センチ。床から約1メートルの高さにある取っ手に掛けられていた。児は発見時、脚を伸ばして座った状態だったという。児は家族といたが、約15分間、部屋に子ども2人だけになった時に事故が起きたという(5月14日、神戸新聞)。〔掛札コメント〕家庭の事故ですが、園でも十分起きうるものなので掲載しました。

▶〔テレビ台の収納部分で死亡〕福岡県北九州市小倉北区の住宅で5月11日朝、4歳児が意識不明の状態で見つかり、その後、窒息死と確認された。父親は「(児は)見つけた時、テレビ台の収納部分に入っていた」と説明していることがわかった。警察は児がテレビ台に入っていた経緯などについて事情を聞いている。テレビ台の収納部分は幅、奥行き各数十センチ、高さ十数センチで、子どもが入れる大きさという。遺体の状況などから警察は、狭い空間に長時間いたことで死亡した可能性もあるとみている(4月14日、読売)。〔掛札コメント〕家庭の事故ですが、園でも十分おきうるものなので掲載しました。

▶〔窒息死で書類送検〕大分県別府市の県立の支援学校で2016年9月15日、高等部の生徒(17歳)が給食中に倒れ、その後死亡した事故で、警察は5月7日、当時の校長、担任教諭、養護教諭2人の計4人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。容疑を認めているという。生徒が給食をのどにつまらせた際、見守りなどの義務を怠り、的確な応急措置をしなかった疑い。両親が2017年1月、同署に告訴していた。 (5月7日、朝日)

▶〔ベランダから落として殺害〕大阪府大阪市住吉区の母親が4月30日午前、2歳を自宅マンション5階のベランダから落として殺害したとして、同日、殺人容疑で逮捕された。容疑を認めている。容疑者は夫と児との3人暮らし。「子どもが倒れている」と近隣から119番があり、消防から府警へ連絡があった。搬送先の病院で母親に事情を聴いたところ、磧本容疑者が児を落としたと話したため、自宅へ任意同行し、緊急逮捕した(4月30日、産経ウエスト)。〔掛札コメント〕「落ちる」ではなく、「落とす」もあるのですね…。

▶〔バス事故でケガ〕5月10日午前10時前、愛知県半田市の県道で、市内の幼稚園の送迎バスが道路脇の電柱に衝突し、乗っていた園児3人が病院に搬送された。命に別条はないという。バスは団体職員(男性、66歳)が運転し、園児24人と職員1人が乗っていた。現場は片側1車線の見通しの良い直線道路。(5月10日、読売)

▶〔石灯籠をすべて撤去へ〕三重県伊勢市の伊勢神宮近くの県道で4月14日、路線バスのサイドミラーが接触した石灯籠の上部が落下し、歩行者が死亡した事故を受け、県などは4月26日、5.5キロの道路沿いなどの灯籠514基すべてを撤去すると発表した。灯籠は高さ2.4~6メートルで、昭和30年代に民間団体が寄付を募り建てたもの。団体は完成後に解散。長年所有者がおらず、十分な保守点検がなされないまま道路を不法占拠する状態となっていた。以前も落下事故があり、大地震での崩落の恐れも指摘されていたが、「神宮周辺の風情を守ってほしい」との声も根強かった。だが、今回の事故を受け、バス停付近などの26基を撤去したところ、想定以上に危険なことが判明した。灯籠がある道路を管理する国、県、市の認識が一致、すべてを各管理者が撤去すると決めた(4月26日、中日新聞)。〔掛札コメント〕石灯籠も確かに危険ですよね…。

▶〔風にあおられたマットの下敷きに〕4月14日午前10時20分ごろ、福井県敦賀市の市総合運動公園内の陸上競技場で、小学校高学年児4人が強風にあおられたマットの下敷きになった。いずれも擦過傷や打撲などの軽いけが。競技場では当時、陸上クラブの小学生約30人が走り高跳びの練習をしていた。マットは長さ約6メートル、幅約2.7メートル、厚さ約65センチで、風で浮き上がり飛ばされたという。同市では午前から強風注意報が出ており、午前10時15分ごろ最大瞬間風速19.4メートルを観測した。(4月14日、産経ウェスト)

▶〔カーブミラーが倒れる〕4月14日午前11時ごろ、福岡県北九州市小倉北区の市道で、歩道脇のカーブミラーが根元から折れて倒れ、歩いていた中学生に当たった。生徒は頭を切るなどの軽傷。折れた部分がさびていたが、車と衝突したような痕跡はないという。生徒は友人数人と帰宅途中で、「いきなり倒れてきた」と話しているという。ミラーは平成12年に市が設置した。(4月14日、産経ウェスト)

▶〔防犯ブザーの電池が破裂〕愛知県岡崎市で小学生に配布した防犯ブザーの電池が破裂する事故が相次ぎ、市が注意を呼びかけている。3月19日、小学2年生の自宅で防犯ブザーの電池が破裂、今月には別の小学校の児童の自宅でも電池の破裂があったという。いずれもケガをした人はいない。岡崎市は、3年前から毎年小学生に防犯ブザーを配っており、去年4月に配布し今回破裂したものと同じ種類の電池を使用した4200個については回収し、取り換える予定。(4月12日、CBCテレビ)

▶〔外壁5メートル分が落下〕大阪府大阪市北区のオフィス街で4月10日午後1時40分ごろ、5階建てのビルの外壁(長さ約5メートル、厚さ約10センチのコンクリート等。高さ約12メートルの位置から)が突然、崩落した。ビル1階にある弁当店のひさしが壊れるなどしたが、ケガ人はいなかった。このビルは鉄筋5階建てで、約45年前に建設されたという(4月10日、テレ朝ニュース)。〔掛札コメント〕いやいや、これはさすがに予測も何もできないですね…。誰も下を通っていなかったことが確率的な幸いでした。

▶〔うつぶせ寝死亡で提訴〕大阪府大阪市淀川区の認可外保育園(閉園)で2016年4月4日午後、うつぶせの状態で寝ていた児(1歳)が死亡した事故を巡り、安全管理が不十分だったとして、両親が4月4日、運営会社と市などに計約8700万円の損害賠償を求める訴えを地裁に起こした。訴状などによると、児はこの日、初めて同園に預けられた。両親は「うつぶせ寝を放置し、呼吸確認も行わず重大な注意義務違反があった」と主張。市に対しては、うつぶせ寝などを放置している認可外保育施設に改善指導する義務を怠ったと主張している。事故を巡っては、元施設長ら3人が業務上過失致死容疑で書類送検されたが、いずれも不起訴処分(容疑不十分)。(4月4日、毎日新聞)

▶〔遊具から転落し重傷〕3月26日午前11時前、愛知県長久手市のモリコロパークで遊んでいた5歳児が、遊具から転落し頭や胸の骨などを折る大けがをした。児は「チャレンジタワー」と呼ばれる遊具の高さ約9メートルの位置にある階段の手すりから下をのぞき込んだ際、誤って転落したという。手すりは高さ約1.2メートルで破損などはなかったが、県は当面、現場の階段を使用禁止にした。(3月27日、名古屋テレビ)

▶〔薬剤処方の間違い、原因はわからず〕2017年9月、京都大学医学部附属病院で調剤された薬を使った60代の女性患者が翌日、死亡した問題で、調査委員会の報告が出た。3月26日に公表された報告書によると、患者はセレン(元素のひとつ)が欠乏する病気で、この元素を過剰にとったことによる急性の中毒で死亡したという。患者が使った薬は病院の2人の薬剤師が調剤していたが、保管されていた薬を分析した結果、医師が処方した濃度の1000倍のセレンが含まれていた。一方、病院では使った薬の量が正しく記録されていないなど管理に不備があり、処方を大幅に上回る濃度の薬がどのように調剤されたかなど、詳しい経緯は解明できなかった。(3月26日、NHK)

〔下のニュースの詳報〕報道によって状況の記述が異なります。「児は保育園から自宅に帰る途中で、家族が迎えに来ていたが、事故当時は1人で歩いていたとみられる」(産経ウエスト)。 「児は現場から400メートルほどのところにある保育園に通っていて、この日は迎えに来た親に『1人で帰る』と言ったため、先に自宅に戻っていたという」(NHK)。

〔一人で保育園から帰宅中にはねられ、死亡〕富山県射水市で3月23日午後6時過ぎ、保育園から1人で帰るため道路を歩いていた5歳児が、自宅から40メートル手前で、前から走ってきた車にはねられた。病院に運ばれたが頭の骨が折れ、約1時間半後に死亡。車は3月に免許を取得した18歳の女性が友人を乗せて運転していたもので、2人にけがはなかった。(3月24日、FNNニュース)

〔うつぶせ寝窒息死亡で訴訟へ〕2016年4月4日、大阪府大阪市淀川区の認可外保育施設で、1歳2か月児が預けられた初日にうつぶせで寝ていて窒息死。この児の両親が来月初めにも、施設の運営会社や大阪市などを相手に損害賠償を求める裁判を起こすことがわかった。児は心肺停止の状態で発見されその後死亡、食べたものを吐いて、のどに詰まらせたことによる窒息死だった。元施設長らは業務上過失致死容疑で書類送検されたが、地検が嫌疑不十分で不起訴処分とした。大阪市は第三者委員会を設置し、約1年間にわたる検証の結果、保育士が異変に気づいてから救急車を呼ぶまでに20分以上経っていたことや、睡眠チェックの方法などに問題があったと指摘した。両親によると、その後も施設側からは謝罪はなく、法的責任を否定した上でお見舞金300万円の支払いを提案してきたという。両親は「死亡事故を防止するための意識が著しく低く、ずさんな保育だった」として訴えを起こすことを決めた。(3月22日、MBS)

▶〔かまくらが崩れ、重傷〕岐阜県高山市丹生川町の認可外保育施設が市内の公園で2月24日に開催した親子参加のイベント中、雪で作った「かまくら」が崩れ、子ども2人と40代女性が下敷きとなり、女性が背骨を折る重傷を負った。子ども2人にけがはなかった。所長(女性、33歳)によると、同日午前10時ごろから親子ら約40人が参加し、除雪作業で集められた雪山(高さ2メートル、幅3メートル、奥行き5~6メートル)に穴を掘り、かまくらを作った。午後1時ごろ、完成したかまくらの中で、施設外から参加した保育士の女性と子ども2人が食事をしていたところ、突然崩れた。施設所長は危機管理が甘かったとして「かまくらを作ったことのある経験者に危険性を聞いて、参加者に注意喚起すべきだった」と述べ、謝罪した。(3月21日、中日新聞)

▶〔照明カバーが落下して軽傷〕大阪府堺市の府立大型児童館内で3月20日午後1時半ごろ、高さ約2.5メートルの天井から重さ0.9キロ(直径約25センチの球状)のガラス製照明カバーが落下し、6歳児の頭に当たった。児は病院に搬送され、頭部打撲の軽傷という。カバーを取り付けるねじが緩んでいたとみられる。(3月20日、産経ウェスト)

▶〔滑り台で指先切断〕広島県三原市の運動公園で3月11日正午ごろ、複合遊具の滑り台で遊んでいた児が左手の人指し指の先端を切断する事故があった。滑る部分に使われている4枚のステンレス板のつなぎ目に指を挟んだ可能性が高いとしている。公園の指定管理者は年に1度遊具を点検しており、昨年6月の点検で異常は確認できなかったという。(3月16日、共同)

▶〔入浴中の死亡事故で書類送検〕大阪府太子町の障害者入所施設で2017年6月14日、特別支援学校の小学3年生が入浴時に溺れ、翌日、死亡した事故で、大阪府警は3月15日、目を離さないようにする注意義務を怠ったとして、施設長(男性、57歳)と職員2人の計3人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。送検容疑は、職員1人が常に浴槽を見守るよう施設マニュアルが定めていたのに、浴室内の職員2人は体を洗う介助に集中したため、浴槽への注意義務を怠り、児が溺れたことに気付かなかったとしている。施設長は職員らに注意を徹底させる義務を怠ったとされる。職員らは約3分間、児から目を離していた。もう1人のパート職員は当時、脱衣所で服を脱がせるなどしており、浴室内には十数人がいたとみられる。施設長と職員2人は任意の調べに対し、「これまで事故がなく、浴槽の監視を軽視していた」などと話したという。(3月15日、毎日)

▶〔調理室から出火〕3月7日正午ごろ、長野県塩尻市の市立保育園の調理室で、職員がおやつを作るため鍋で油を熱していた際に出火、天井など約40平方メートルを焼いた。火を消そうとした女性職員1人が煙を吸って軽傷。園児約100人と職員15人も避難したが、けがはなかった。当時、園児は各教室で給食を食べており、職員の誘導で園庭に出た後、隣接する小学校の校庭に避難した。(3月8日、産経デジタル)

▶〔駅の化粧板が落下〕京王電鉄は3月9日、京王線明大前駅(東京都世田谷区)で、1階エレベーター前の天井から化粧板が落下したと発表した。前日から降った雨の影響で天井の部材がやわらかくなり、はがれ落ちたとみられ、けが人はいなかった。落下した化粧板のうち大きいものは縦約90センチ、横約80センチ、厚さ約2センチで重さ約6.9キロ。(3月9日、時事)

〔認可外施設で1歳児死亡〕東京都葛飾区の認可外保育施設で1月末、1歳児が死亡していたことが明らかになった。1月27日未明、職員が動かなくなっている児に気づき119番、児は病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。死因は不明だという。都が立ち入り調査をしたところ、2人以上の職員を配置する必要があったにもかかわらず、当時は1人しかいなかった。(3月9日、毎日)

▶〔首を挟まれ死亡で、書類送検〕2017年4月12日、香川県善通寺市の保育園で園庭のうんていに児が首を挟まれて死亡した事故で、県警は2月28日、園長を業務上過失致死容疑で地検に書類送検した。児は今年1月24日、低酸素脳症で死亡した。園長は遊具の危険性を認識せず、保育士による見守りなどの事故防止措置を怠り、女児を死亡させた疑い。両親は園を運営する社会福祉法人(高松市)と園長らを相手取り、損害賠償を求める訴訟を地裁に起こしている(2月28日、読売)〔掛札コメント〕過去のニュースは、それぞれの日付のあたりをご覧ください。

▶〔乗り換え案内パネルが落下〕東京メトロ銀座線・上野駅で2月26日午前10時半ごろ、乗り換え案内のパネル(縦約20センチ、横約3.7メートル、厚さ約0.3センチ、重さ約4.7キロ)が落下した。けが人はいなかった。パネルは改札近くの通路天井部、床から2メートルの高さに設置されていた(2月26日、時事)。〔掛札コメント〕ほんとにいろいろ落ちますね。散歩の時は前方の上のほうも念のため、ご注意を!

〔墓石の下敷きで死亡〕2月19日午前10時半頃、長野県高森町の墓地で町立保育園の4歳児が倒れた墓石の下敷きになったと通報があった。児は病院に搬送されたが、意識不明の重体(23日に死亡)。園児46人は当時、保育士4人に引率され、保育園から約600メートル離れた所にある、墓地に隣接した広場で遊んでいた。園児の知らせで保育士が墓地に駆けつけたところ、児が墓石の下敷きになっていた。墓石は高さ80センチ、幅40センチ、奥行き20センチ。土台の石の上に乗っており、固定されていなかった。遊んでいる間に数人の園児と隣の墓地に入ったとみられる(2月19日、時事他)。〔掛札コメント〕広場で自由に遊んでいる子ども46人を4人で見守れ、と?(基準は満たしているのだから?) 子どもが1人、「おしっこ!」と言い、あっちで2人がケンカをし始めたら? じゃあ、倒れる墓石があるような所で遊ぶな? 子どもに「墓地で遊ぶな」と言えばいい? 基準は「最低基準」であり、子どもが自由に遊び、それに保育者が十分に関わることを保障するものではないという点をお忘れなく。社会は、「最低基準」で子どもの命を守り、かつ、子どもを十分に育てろ、というかなり無茶なことを保育界に要求しているのです。

▶〔遊具破損で重傷〕神奈川県横須賀市の市立小学校の校庭で2月7日午後、アスレチック遊具が破損し、2年生が踊り場(高さ2.5メートル)から転落、顔と左手首の骨を折る重傷を負った。児が遊具の木枠にボルトで固定されていたロープにつかまったところ、ボルトごとロープが抜け落ちた。接着剤が劣化し、ボルトが緩んでいた可能性があるという。遊具は1988年度に設置されたもので、業者が2016年度に点検した際に問題はなく、教諭が昨年10~11月に目視で確認した時も異常は見つからなかった(2月23日、読売)。〔掛札コメント〕目視ではわからないでしょう。おとなの力で精いっぱい引っ張るべきでは? もちろん、その「引っ張り」が最終的なダメージになってしまって、次に子どもが使った時に…ということもありえますが、目視よりは良いのではありませんか。

▶〔駅の石こうボードが落下〕2月5日午後2時過ぎ、大阪府大阪市の市営地下鉄御堂筋線なんば駅の改札近くで、天井に張られていた重さ約16キロの石こうボード (縦1メートル、横1.3メートル、厚さ1.2センチ)が落ちているのを通行人が見つけた。けが人はいないという。高さ2.4メートルの天井に複数のビスで固定されていたもので、1月29日に付近で排水設備の工事をした際に異常はなかった。天井内の漏水でボードがもろくなり、落下したとみて調べている(2月25日、産経west)。〔掛札コメント〕通りかかってしまったら予防のしようもないのですが、「いろいろ落ちてきますね」ということで掲載しました。

▶〔消火器が落ちて重傷〕鹿児島県鹿児島市の認可保育園で2017年12月7日、壁に設置されていた消火器が落下して、5歳児が左足の甲の骨を折る重傷を負っていたことがわかった。この日の昼過ぎ、室内で児の着替えを手伝っていた保育士が立ち上がった際、床から約1.4メートルの高さにフックで取り付けられていた消火器(重さ約5キロ)に頭が接触して落下したもの。また、この事故について、市は事故翌日に保育園から報告を受けたが、1月30日まで国に伝えていなかった。鹿児島市市保育幼稚園課は「早く報告するべき事案で、不手際だった」としている(2月1日、読売)。〔掛札コメント〕え~と…。なぜその高さに消火器が? 室内というのはまさか保育室内?

▶〔2階から転落事故・続報〕石川県金沢市の福祉健康センター2階から1歳7カ月児が転落して大けがをした事故(3つ下の記事)で、部屋には窓が4つあったが、落下時はすべて施錠されていなかった。窓はハンドルを動かして押し開ける仕組みで、市が原因を調べている。(1月25日、産経west)

▶〔2階の窓から転落〕1月23日午後3時前、石川県金沢市内の福祉健康センターで、市内に住む1歳7カ月児が2階の窓から転落、病院に搬送された。児は大けがをしたとみられる。窓際に設置された高さ約70センチの棚に上って遊んでいたところ、半開きの窓から約4~5メートル下のタイル張りの床に転落した。当時、窓が施錠されていたかは不明。転落時、室内には母親と保育士1人がいたが、目を離した隙に転落したという(1月23日、24日、各紙)。〔掛札コメント〕写真を見ると、窓の片面を外側に(斜めに)押し開くタイプの窓のようですが、「半開き」というのはこのタイプを表現した言葉なのか、それともすでに「半開きになっていた」という意味なのか…。いずれにしても、この月齢のお子さんなら、あのすき間から落ちると思います。

▶〔木製ひさしが落下、子どもがケガ〕1月24日午後5時ごろ、東京都品川区、青物横丁駅近くの商店街で、4階建てビルの高さ約9メートル部分から木製のひさしが落下した。下校中の小学生が近くを歩いており、ひさしの破片が小学5年生の頭にあたって病院に搬送されたが、軽傷。落下したのは最大で長さ約3メートル、幅約40センチの木の板3、4枚。ひさしの接続部分が腐食していた可能性があるという。(1月24日、朝日)

▶〔規定量の5倍のワクチンを接種〕熊本県荒尾市は1月11日、市内の医療機関が10日、12歳児に規定量を超える2種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)を誤って接種したと発表した。規定量は0.1ミリリットルだが、看護師が用法の説明を誤読し、0.5ミリリットルを接種した。看護師本人がミスに気付き、保護者に説明して謝罪した。児に発熱などは見られないが、同医療機関は1~2週間、経過を見守る(1月12日、熊本日日)。〔掛札コメント〕2017年の「ニュース」を「予防接種」「ワクチン」で検索していただくと、ミスは多発していることがわかります。

▶〔歯科治療で死亡〕昨年7月、福岡県内の小児歯科医院で虫歯を治療した2歳児が低酸素脳症に陥り、2日後に死亡していたことが関係者への取材からわかった。児は医院で局所麻酔を使用した虫歯の治療を受けた後、唇が紫色になり、目の焦点が合わない状態になった。異変を訴える両親に対し、男性院長は「よくあることだ」と説明して何の医療措置もとらず、約45分後、両親が児を近くの病院に運んだという。その後、大学病院に救急搬送されたが亡くなった。警察は業務上過失致死の疑いがあるとみて捜査している。医院の院長は「必要な措置はとったと考えている」とコメントしている。(1月15日、TBS系)

〔死亡で書類送検〕神奈川県葉山町の町立保育園で2016年12月13日に6歳児が転倒し死亡した事故で2017年12月27日、警察は業務上過失致死容疑で園長(60歳)を書類送検した。園庭に面した木製デッキに子ども用のサッカーゴールを置いたままにして安全確保を怠り、ネットに足を引っ掛けて転んだ男児を死亡させたとしている。町によると、児はすぐに立ち上がり「大丈夫」と話していたが、帰宅後に体調が悪化し、搬送先の病院で14日朝に死亡した。救急搬送要請はなかった(12月27日、産経)。



事故:予防や訴訟、調査委報告など

▶〔ライフジャケット未着用は過失〕愛媛県西条市の加茂川で2012年7月、幼稚園の5歳児が水死した事故で、地裁は12月19日、幼稚園を運営する学校法人と当時の園長に対し、支払い済みの賠償金約6165万円とは別に約110万円を支払うよう命じた。川遊びの際、ライフジャケットを着用させなかったことに園側の過失を認めたもの。両親らは約1億5000万円の損害賠償を求め2013年に提訴。法人の理事長や引率教諭らについても賠償責任があると主張したが、判決は認めなかった(毎日、12月19日)。〔掛札コメント〕海、川、湖等の自然水に入る、または自然水でボート等に乗る時は、絶対にライフジャケットを着用させてください。「小川だから」「年に一回だから」? 重大事故が起きた時にそう言っても、社会責任上、通用しないことはおわかりの通りです。

▶〔授業中のケガで損害賠償〕東京都世田谷区で、2009年当時の4年生が区などに約3400万円の賠償を求めた訴訟の判決が12月11日、東京地裁であった。裁判長は、約2900万円の賠償を命じた。事故は2009年12月の授業中、教諭が作文などの課題に取り組むよう指示した後に起きた。児童2人が席を離れて教室後方で動き回り、うち1人が投げた分度器が男児の左目に当たった。男児は角膜が傷つくなどし、1.2だった視力は約5年後には0.03に低下した。判決は「児童の近くで注意したり、全員が着席するよう指導したりすれば、事故を防げた可能性が高い」とし、教卓からの口頭注意でとどめた教諭の過失を認定した。分度器を投げた児童の親の責任も認めた(12月11日、毎日)。〔掛札コメント〕小学校で授業中に立ち歩く、教室の外に出る、授業中なのに普通の声で会話する…といった子どもが増えていると保育園の園長先生たちから聞きます。保育園の間に支援すべきだった子どもたちが支援されずに(たいていは、園が伝えても保護者が認めないために)小学校へあがっているのも一因でしょう。小学校へ行って急に子どもが変わるわけではありませんから。一方、このニュースに書かれている通りのことだとするなら、保育園でも「子どもがケガをしたのは保育士が止めなかったからだ」という訴訟が起きかねないということです。そうなったら、保育園、こども園、幼稚園なんて続けられませんね。

▶〔重大事故の報告漏れ〕総務省の調査から、国への報告が義務付けられている全治30日以上の骨折など、保育施設での重大事故について、一部の施設や地方自治体で報告していないケースがあることわかった。同省は報告対象となる重大事故の範囲が不明確なため報告漏れを招いているとして、内閣府と厚生労働省に改善を勧告した。総務省は、全国の認可保育所や認可外のベビーホテルなど148施設を抽出し、2015年度と16年度の事故記録を調査。9施設(6%)で、骨折や脱臼など重大事故とみられる事案11件が自治体に報告されていなかった。死亡事故での未報告はなかった。また44自治体を調べたところ、4自治体(9%)が、施設から連絡を受けた事案のうち、ぜんそくによる発作など15件を国に報告していなかった。内閣府と厚労省などは2015年2月、報告対象となる重大事故を治療期間30日以上のけがなどを伴うすべての事故に拡大している(11月9日、時事)。下の記事と同じ報告書の内容です。報告書はこちら

▶〔1割が、1歳の睡眠チェックせず〕総務省行政評価局が全国の保育施設と自治体を抽出して行った調査から、睡眠中の呼吸などの点検を1歳児に実施していない保育施設が1割にのぼることがわかった。調査は2017年4月~2018年11月、抽出した44自治体、保育施設約150か所、厚労省などを対象に行った。その結果、1歳児の点検をしていない施設が約10%、0歳児に実施していない施設が5%程度あった。事故防止対策を取っていない施設に対し、自治体が監査時に必要な指摘や助言をしていない事例も見られた。また、国への報告が義務付けられている重大事故を報告していなかった自治体や施設、事故の状況を記録していない施設もあった。(11月5日、読売)

▶〔死亡事故:6人を1人で保育〕昨年4月、鹿児島県鹿児島市の認可外施設で0歳児が睡眠中に死亡した件で、検証委員会は8月28日、原因に「保育士の不足」を挙げ、市が財源を投入して対策をとるよう市長に提言した。検証の結果、他の園児が投げた毛布が死亡した児を覆い、園長が気づいた時には呼吸をしていなかったことがわかり、死因は窒息死の可能性が高い。当時、乳児2人を含む6人の子どもを園長1人が保育していた。この施設では保育士が足らず、約1か月、夜の時間帯を園長1人で担当していたという。検証委員会は原則2人以上の職員を配置するよう定めた国の基準にこの保育施設が違反していたことを重く見、市に「保育士の安定的な確保や就寝中の子どもが事故に巻き込まれないよう具体的な防止策を作るよう」提言した。(8月28日、鹿児島読売テレビ)

▶〔石綿を吸い込んだ恐れで見舞金と補償〕神奈川県藤沢市の市立保育園で、過去に天井の防音材として吹き付けられていた石綿(アスベスト)を児が吸い込んだ恐れがある問題で、市は8月27日、該当する元園児に一律1万円の見舞金などを支払う方針を決めた。開園した1972年から石綿の除去を終えた2007年8月までの間に園児が吸い込んだ可能性を検証。その結果、開園時~1985年2月、1999年4月~2006年3月にかけて在園した児のうち約750人に見舞金を支給することにした。検診を受けた場合も4000円を支払う。他、関連疾患を発症した元園児から申請があった際には医師や弁護士、市の担当職員らによる「判定・認定部会」を設置して関連性を判断する。因果関係が認められれば治療費や休業補償金を給付し、死亡時には遺族への補償も行う。一定の関連性が疑われる場合も100万円を支払うことにしている。第三者委員会が今年5月、「法的責任にとどまらない行政的な責任がある」として、幅広い補償を求める答申を市に行っていた。(8月29日、読売)

▶〔園児死亡の控訴審始まる〕山口県山口市の認可保育園で娘が死亡した件について、両親が損害賠償を求めていた裁判の控訴審が広島高等裁判所で始まった。2013年、当時1歳9か月だった二女が急死したのは園に責任があるとして、およそ6100万円の損害賠償を求めていた。一審は今年3月、「園の保育士は相当な注意をしていて、医務室も設置されていた」などとして両親の訴えを退けていた。控訴審の第1回弁論で両親側は、母親が迎えに行く30分前には児がうつぶせ寝による窒息で死亡していたという新たな鑑定結果を証拠として提出し、あらためて園側の注意義務違反があったと主張した。(8月6日、山口放送)

▶〔園に防犯カメラを10台設置〕神奈川県葉山町は2018年度、町立葉山保育園に防犯カメラを計10台設置する(園舎内7台、園庭と入り口に3台)。2016年に事故で死亡した児の保護者が設置を求め、その声に応えたという。町は町議会定例会に、設置費(193万7000円)などを盛り込んだ一般会計補正予算案を提出する。定例会見で町長は「あくまで事件事故などが起きた際に検証するための資料として使う」と説明。「録画映像は事故などの際に警察に提供するのが主で、園長や教員が見ることはない」としている(6月30日、神奈川新聞カナコロ) 。〔掛札コメント〕この事故の報告書はこちら。ビデオを設置している園はたくさんありますが、いずれも必要に応じて職員や保護者が見、深刻事故の予防等に役立てています。「あくまで検証用」というのは…?

〔プール活動の安全に関する実態調査〕4月24日、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)の調査から、プール関連の安全の実態が明らかになった。調査は2017年7~8月、全国の幼稚園、保育所、認定こども園の園長や教諭計1万5千人を対象に実施。園長約2700人、教諭約5千人から回答を得た。緊急時想定訓練を「毎年または定期的にしている」と回答した教諭は21.7%で、「定期的ではないが、過去にしたことがある」は15.8%だった。水の外で監視に専念する職員がいない」と答えた教諭は3歳児クラスで6.6%、4歳児クラスで8.6%、5歳児クラスで9.3%だった。配置しない理由は「改善の必要性を感じなかった」や「人員や予算が不足している」が多かった。「地方公共団体が園の安全に関する研修や教育の場を設けている」は58%にとどまり、緊急時の対応マニュアルが「ある」は5割にとどまった。 同庁担当者は「幼稚園などのプール事故は監視者がいない場合に起きることが多い。監視員が配置できなければ、プール活動を中止してほしい」と呼びかけている。事故調はプール事故の防止策として「応急処置の日常的な訓練」「プールの監視者と指導者を分けて配置する」「事故を未然に防ぐための事前教育」など4項目を提言。文部科学省や厚生労働省に実行を求めている(4月24日、日経)。〔掛札コメント〕詳しい内容は、「製品安全情報」の「注意喚起」の4月24日をご覧ください。夏に向けた更新でもまた紹介します。この手の調査結果の時はいつも書いていますが、15000人を対象にして、計3200人から回答が得られたということは、残りの11800人は答えなかった、ということです。「取り組んでいる園」のほうが回答するでしょうから…。実態は「もっと悪い」と考えるべきです。

▶〔排水溝溺水事故、不起訴処分〕福岡県福岡市南区の保育園で2016年11月、1歳児が排水溝に頭を突っ込んだ状態で見つかり、一時意識不明となった事故で地検は3月22日までに、業務上過失傷害容疑で書類送検された50代の園長ら4人を不起訴処分とした。地検は「諸般の事情を考慮した」としている。福岡県警は2017年5月、園児が排水溝の蓋を開けることができないよう危険防止策をせずに放置したなどとして4人を書類送検していた。(3月22日、日経)

▶〔放課後デイの事故が急増〕障害のある子ども(6~18歳)が利用する「放課後等デイサービス」の事故について、毎日新聞が都道府県などにアンケートしたところ、2016年度に少なくとも965件発生。2017年度も11月末時点で691件。毎日新聞は昨年12月、計69自治体に対して報告件数を聞き、岩手、山形両県を除く67自治体から回答を得た。2016年4月~2017年11月分の計1656件の内訳は、骨折や打撲などのけがが最も多く1010件。次いで、行方不明126件、従業員の不祥事41件、誤飲・誤食38件、虐待37件、食中毒・感染症34件など。放課後デイの場合、学童に比べ、自治体への報告徹底がなされていない。(2月6日、毎日)

▶〔保育士の免職処分取り消し〕山梨県富士吉田市の保育園に保育士として勤めていた20代女性が、免職処分を違法として取り消しを求めた訴訟の判決で甲府地裁は1月23日、請求を認め処分を取り消した。判決によると、市は2015年4月1日付で、条件付き採用期間6カ月として女性を採用。同9月30日に「職務を良好な成績で遂行していない」として免職にした。裁判長は判決理由で「採用初日に仕事用の衣服を持参しなかったことや園児が食べる魚の骨を1本取り除き忘れたなどのミスで、保育士として成長していく資質を有していないと判断するのは、許容される限度を超えている」と述べた。(1月24日、京都新聞)

〔4歳児の雲梯事故で提訴〕香川県善通寺市の保育施設で昨年4月12日、4歳児が園庭の雲梯に首をはさんだ事故で、施設を運営する法人(高松市)や担任の保育士らに対し、児と両親が計約2億5000万円の損害賠償を求めて地裁に提訴(12月20日付)していたことが1月9日、わかった。児は握るための棒を取り付けた水平方向の横板と、支柱との間に斜めに設置された補強用の板との隙間に首が挟まった状態で約10分間宙づりになった。一時、心肺停止となった後、一命を取り留めたが、意識は戻っていないという。原告側は施設側に対し、園児が首を挟んで窒息する可能性があり、隙間をふさぐなどの安全対策を取る義務があったと主張している。法人側代理人弁護士は取材に対し「見解は法廷で明らかにしたい」と述べた(1月9日、産経ウェスト)。



保育士、保育園の事件、不祥事

▶〔園長が泥酔で開園できず〕神奈川県川崎市の認可外保育施設で、今年10月、園長が酒に酔って開園できない事態となり、施設内に酒やたばこなど乳幼児が誤飲すると危険な物が置かれていたとして、市が改善を求める行政指導を行っていたことがわかった。この施設に子どもを通わせる保護者から「園長が酒に酔っていて開園されない」と警察に通報があり、市の担当職員が確認に向かったところ、園長(女性、30代)は酔った状態で、自宅を兼ねた施設内には酒のパックや缶、たばこなどが置かれたままになっていたという。園長の自宅1階部分が保育園で、園長はこの日、休みだった。知人らと夜、保育室で酒を飲んでいたという。(12月27日、NHK、朝日)

▶〔免許状失効教員の氏名を提供へ〕文部科学省は2019年度から、懲戒免職処分や禁錮以上の刑を受けて免許状が失効した教員の氏名を各教育委員会に提供する取り組みを始める。わいせつ問題などを起こした教員が他の自治体で再雇用されるのを防ぐ目的。当初は免許状の失効状況などの情報を一元管理する「教員免許管理システム」を改修する方針だったが、予算不足で断念。新しい取り組みでは、官報に公告された免許状の失効情報をまとめ、各教委の求めに応じて提供する。官報には免職の理由や停職以下の処分者は掲載されないため、わいせつ行為による処分のすべてを共有できるわけではないが、2017年度は免職者全体の6割超がわいせつ問題で処分を受けており、文科省は一定の防止効果があるとみている。(12月25日、毎日)

▶〔パワハラで減給処分〕同僚保育士に対して長時間の叱責などパワーハラスメントを繰り返し行ったとして、滋賀県彦根市の保育士(30代、男性)が減給処分を受けた。今年3月まで勤務していた市立保育園で約2年間にわたり、同僚の女性保育士に対して「お別れ会の段取りが悪かった」などと仕事のやりかたなどを巡って繰り返し長時間叱責したほか、外見に対する中傷などのパワーハラスメントをしたという。問題が明らかになった今年3月以降、この保育士を別の保育園に異動させたが、被害を受けた保育士は出勤できない状態が続いているという。さらに、この保育士はほかの職員に対しても、わざと大きな音を立ててドアを閉めるなどの威圧的な態度を取ったり、女性職員の肩を触ったりするなどのハラスメント行為を行っていた。 (12月20日、NHK)

▶〔川崎市で「不適切な保育」〕神奈川県川崎市で今年6月、認可保育所に当時勤めていた保育士が、1歳児クラスの幼児の頭を揺さぶったり、押さえつけたりする4件の行為を動画で確認。これら保育所での行為を市では初めて「不適切」と判断したことを、同市市長が17日の市議会で答弁した。(12月20日、テレビ神奈川)

▶〔ずさんな保育で賠償支払いを命令〕保育士の数を水増しする、給食の量が極端に少ないなど、ずさんな保育が問題になり廃園した兵庫県姫路市の認定こども園の元園長に対し、一部の保護者らが虐待等として損賠賠償を求めていた裁判で、元園長が裁判に出廷しなかったことなどから、12月19日、地裁は元園長が訴えを認めたものとみなし、およそ103万円の支払いを命じた。 (12月19日、関西テレビ)

▶〔懲戒免職を減給に修正〕千葉県印西市は12月14日、市公用物のSDカードを盗んだとして懲戒免職処分にした保育士(女性、38歳)の処分を、減給10分の1(3カ月)に修正したと発表した。懲戒権の逸脱・乱用だとする県市町村公平委員会の裁決を受け入れた。市によると、保育士は3月に業務用SDカードを「窃取」したとして4月25日付で懲戒免職処分となり、処分は不当だとして7月に公平委員会に審査請求していた。委員会が先月30日、窃取ではなく「隠匿」に当たり、減給処分が相当と裁決したため、処分を修正したもの。(12月14日、産経新聞)

▶〔子どもに大ケガで有罪判決〕滋賀県大津市の保育園で園児に大ケガをさせた罪に問われた元保育士(28歳、女性)に、地裁が有罪判決を言い渡した。今年3月、勤務していた保育園で当時1歳9ヵ月の児を床に叩きつけ、左足を骨折する大けがをさせたもの。被告は「児を持ち上げたが、床に叩きつけてはいない」と無罪を主張。12月4日の判決では、犯行を目撃した同僚の保育士の証言などから暴行があったと認定した。一方で、「重いけがをさせようとしたとはいえない」として懲役2年執行猶予4年の判決。(12月4日、関西テレビ)

▶〔強制わいせつに執行猶予付判決〕強制わいせつ罪に問われた20代の元保育士の男に、秋田地裁は11月29日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。地裁は被害者の特定を避けるためとして、被告の氏名や住所などを伏せて審理した。「立場を悪用した常習的な犯行で、被害者らに与えた精神的苦痛は大きい」と指摘。一方で、被害者に謝罪文を送るなど反省の態度を示しているとして、執行猶予を付けた。(11月29日、産経デジタル)。〔掛札コメント〕これでも、保育士資格ははく奪されないのでしょうか。

▶〔保育士が盗撮〕愛知県東海市の保育園職員(男性、39歳)が11月27日、住居侵入と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノの製造・提供)の容疑で逮捕された。本人は容疑を認めているという。容疑者は5月から8月までに、知多市にある3軒の民家の敷地内に立ち入り、入浴していた18歳未満の少女3人を携帯電話で動画撮影した疑い。さらに8月21日、この3人とは別の少女の裸などが映った動画をインターネットを通じて電子マネーで販売した疑い。容疑者がネット上で動画を販売しているのを島根県警が8月に見つけ、捜査していた(11月28日、朝日)。〔掛札コメント〕米国では、ベビーシッターが写真や動画を撮影して売るということも起きていますから、こういったことはたとえば、保育園で保育士が(金銭等を目的として)することもありうるのだと考えておいてください。

▶〔強制わいせつ致傷で逮捕〕勤務先の保育所で女児の体をさわり、けがを負わせたとして、徳島県内に住む保育士(男性、20代)が逮捕された。逮捕容疑は11月20日夕方、園庭で児と遊んでいる際、児の下半身を触り、全治3日間の擦り傷を負わせた疑い。逮捕は22日。児から被害を打ち明けられた家族が県警に相談した。「気持ちが抑えられなかった」と容疑を認めている。県警は被害女児の特定につながる恐れがあるとして、男の氏名などを明らかにしていない(11月24日、各紙)。〔掛札コメント〕氏名を明らかにしないケースが増えているように見えますが、採用時に調べようがなくなります。氏名を出さないというなら、保育士資格を確実にはく奪する方法が必要。もちろん、無資格でも働けてしまうわけですが。

▶〔USBメモリが盗難〕新潟県五泉市の市立保育園の保育士が、11月14日、園児や職員計165人分の個人情報が入った私用のUSBメモリ7個を盗まれた。この保育士は自宅で仕事をするため、USBメモリを持ち出し、午後7時半ごろ、メモリの入ったかばんを車に残したまま市内の公共施設に立ち寄り、約1時間後に車に戻ると、助手席側の窓ガラスが割られ、かばんが盗まれていた。メモリには、園児の保護者の勤務先や家庭状況、園児の写真なども記録されていた。(11月16日、新潟日報)

▶〔助成金不正受給で再逮捕〕秋田県秋田市の企業主導型保育所向け助成金の不正受給事件で、11月14日、保育園の運営法人元代表の会社員が詐欺の疑いで再逮捕された。逮捕は3回目。容疑は、昨年4月上旬から7月下旬にかけ、児童育成協会に、元職員の女と共謀して園児と職員の数を水増しして虚偽申請し、同年2~6月分の運営費助成金約1172万円をだまし取った疑い。(11月15日、秋田魁新報)

▶〔氏名・住所を伏せて審理〕強制わいせつ罪に問われた元保育士(男性、20代)の初公判が11月12日、秋田地裁で行われた。被害者の特定を避けるためとして、地裁は被告の氏名や住所などを伏せて審理した。男は起訴内容を認め、検察側は懲役4年を求刑し即日結審。判決は29日。検察側は男が昨秋から約1年間、保育施設に通う女児らにわいせつ行為を繰り返したとし、論告では「被害者らが抵抗しないことにつけ込み、犯行後に口止めまでして卑劣極まりない」と指摘。弁護側は「被害者に謝罪文を書くなど誠意を示そうとしている」と寛大な判決を求めた。訴状などによると、男は今年7月下旬頃、秋田県内の保育施設で女児の下着の中に手を入れて体を触るなどし、8月にも別の女児に同様の行為をしたとされる。(11月12日、共同)

▶〔パワハラで6人が退職〕宮城県仙台市が国家戦略特区を活用して整備し、昨年4月、青葉区に開園した保育園で、開園時の職員全23人中、法人事務局長と事務長、園長ら6人が退職していたことが取材からわかった。前理事長の男性(6月に解職)のパワーハラスメントが理由。法人と園では、この6人を含む計12人が今年3月末までに退職、残り6人のうち数人もパワハラが退職の一因となった可能性があるという。記事にあるパワハラの例:「日常的に前理事長から怒鳴られるなど不当な扱いを受けていた」、経費を立て替えた職員に支払った後、前理事長から自宅に呼び出され「勝手に仮払いした職員に金を払うな。言うことを聞けないなら辞めろ」と言われた。(4日、河北新報)

▶〔保育士不祥事で休園へ〕大阪府八尾市内のこども園の職員(男性、30歳。園長と副園長の息子)が強制わいせつの疑いで今年8月、逮捕・起訴されたことで、現在30人いる保育士全員が退職希望を提出、園は休園、園児160人は転園を余儀なくされている。この問題は、10月24日に開かれた八尾市の市議会本会議でも取り上げられた(10月23日、関西テレビ)。〔掛札コメント〕こういった事件だけでなく、配置基準を満たしていない、サービス残業を長時間させられている、園長等のパワハラや暴言があるといった場合には、自治体に通報し、自治体が対応しないのであれば、その旨を保護者に伝えた上で職員全員で辞めるべきですと、ご相談いただく度に私はお伝えしています。「保護者のためだから」と我慢していることは、子どものためにも保育者のためにも、ひいては保護者のためにもなりません。そして、自治体は、こうした保育者の声を無視せず、対応する義務があると思います。
 ちなみに、この記事には8月に開かれた保護者説明会の会話の一部も掲載されていました。その一部です。保育士「私は去年の7月、プールでの出来事をみました、それは後ろから拭いてあげてるとか、そんなものじゃありません」「守ってあげられなくて、すいませんでした」。副園長(容疑者の母親)「私に言って欲しかったです。先生とはちゃんとコミュニケーションをとってきたはずなんですけど、いまのですごい自信なくしました」。保護者「我が子がそういう行為を もしされていたら、どう思われますか?」、副園長「ビックリですね」。…いや、この対応(クライシス・コミュニケーション)では保護者、信用しないでしょう、園長や副園長を…。

▶〔わいせつ行為で懲役9年〕千葉県内の幼稚園教諭(男性)が、園児にわいせつな行為をしたとして逮捕・起訴され、懲役9年の判決が言い渡された。去年10月から今年1月にかけ、勤務先の園児4人に対してわいせつな行為を行い、その様子を撮影・保存したなどの罪に問われたもの。「自分になついている子を選んだ」と言い、起訴内容を認めていた。地裁は10月11日、求刑13年に対し、懲役9年の実刑判決を下した。(10月12日、TBS)

▶〔保育士が大人用トイレを盗撮〕熊本県玉名市内のこども園で、保育士(男性、30代)が大人用トイレを盗撮したとして、警察が捜査していることがわかった。こども園の説明によると、この保育士は今年8月、録画機能を作動させたスマートフォンを大人用トイレの壁にかかったカレンダーに仕込み、盗撮したという。園で働く女性が気づき、通報を受けた警察がこの保育士に話を聞いたところ、盗撮を認めたもの。この保育士は懲戒解雇されている。(10月4日、熊本放送)

▶〔助成金をだましとり逮捕〕企業主導型保育施設に対する政府の助成金をだまし取ったとして、10月3日、秋田県秋田市の保育園の元園長ら2人が逮捕された。昨年11~12月、保育園に在籍している児童や職員の数を水増しした虚偽の申請をし、運営費の助成金として約50万円をだまし取ったともの。容疑を認めており、計約4400万円を不正に受給したとみられる。(10月3日、産経)

▶〔強制わいせつ疑いで逮捕〕秋田県南部の元保育士(20代、男性)が強制わいせつの疑いで逮捕され、9月21日、地裁に起訴された。逮捕容疑は今年夏ごろ、勤務先で女児にわいせつな行為をした疑い。元保育士は容疑を認めているという。勤務先からは既に解雇されている。(9月22日、秋田魁新報)

▶〔園児にわいせつ行為で逮捕〕愛知県豊田市の私立保育所に勤務する保育士(男性、30歳)が強制わいせつの疑いで逮捕、起訴された(逮捕後、懲戒解雇)。容疑者は2016年から今春にかけて、勤務先の保育所に通う園児数人に対し、体を触るなどのわいせつな行為をした疑いがある。押収した容疑者の携帯電話などからも、園児の体に触る際に撮影したとみられる動画を複数確認している。(9月13日、朝日)

▶〔食塩水飲ませ死亡で、禁錮1年〕岩手県盛岡市の保育施設で2015年8月、経営者(35歳、女性)が1歳児に健康を害する量の食塩を含む液体を飲ませ、死亡させた事件の裁判で、地裁は求刑の罰金50万円を上回る禁錮1年執行猶予3年の判決を言い渡した。「知識がないまま幼児に塩を与えるというのは、非常識極まりない行為」と指摘。(9月14日、岩手めんこいテレビ)

▶〔元ベビーシッターに懲役26年〕最高裁は9月11日までに、埼玉県富士見市でベビーシッターとして預かった2歳児を窒息死させたとして殺人罪などに問われた被告(30歳、男性)の上告を棄却する決定を下し、懲役26年が確定する。2014年3月、自宅兼保育室として使っていたマンションの一室で2歳児を殺害、一緒に預けられた当時0歳の弟にミルクを与えず重度の低血糖症にさせるなどした。(9月11日、日経)

▶〔同僚のクレジットカードを盗む〕福島県郡山市は8月21日、猪苗代町のホテルで30万円相当の腕時計を盗んだとして逮捕、起訴された臨時の調理・用務職員(27歳、男性)が、勤務していた保育所で同僚のクレジットカードを盗んでいたと発表した。他人のクレジットカードを所持していたことから発覚、被害に遭った同僚の職員が被害届を提出、市は21日付でこの職員を懲戒免職処分にした。この職員は採用された6月11日以降、保育所のロッカールームから他職員のクレジットカードを盗み、飲食などに使用したもの。被害額は約1万円に上るという。(8月22日、福島民友)

▶〔実務経験書類を偽造〕神奈川県横浜市で、障害のある子どもの相談業務を行っている事業所が不正に市の指定を受けていたことがわかった。昨年6月から40代の相談員が一人で業務にあたっていたが、市の監査で、相談員に必要な実務経験を証明する書類を偽造、過去に勤務した施設の数や期間を実際よりも多く偽って指定を受け、これまでに47人に対し相談業務を行っていた。相談員は、「施設の開所を急いでいて書類を整える時間がなかった」と偽造を認めているという。市は指定を取り消し、事業所に給付した400万円余の運営費の返還を求めると共に、文書偽造について告訴も検討している。(8月16日、NHK)

▶〔わいせつ行為で保育士逮捕〕岐阜県多治見市の市立保育園の保育士(27歳、男性)が強制わいせつの疑いで逮捕された。この保育士は7月19日、勤務先の保育園で昼寝中だった5歳女児の手をつかんで自分の下腹部に押し当てるなどした疑いがもたれている。園児から話を聞いた保護者が「保育園の先生からひわいな行為をされたようだ」と警察に相談していた。容疑を認めているという。 (8月16日、メーテレ)

▶〔情報知りながら保育士採用〕大阪府堺市で今年2月17日、小学3年生を殺害したとして両親が殺人容疑で逮捕された事件で、市は8月2日、府警から虐待の疑いを指摘され、情報を共有していたにもかかわらず、本人に確認しないまま母親を保育士として2月13日に採用し、4月からこども園で勤務させていたことを明らかにした。市が7月10日に母親と面談した際、「子供のことを思い出すとつらい」と話したため、翌日から市役所の事務員に配置換えしたという。この間、市は健康診断などを通じて妹や弟の安全を確認したものの、関係悪化を恐れて両親とは面談しなかったという。 (8月3日、毎日)

▶〔園児に対する強制わいせつで逮捕〕大阪府八尾市の認定こども園で、30代の保育士の男が園児に対する強制わいせつの疑いで6月23日、逮捕されていたことが7月26日、市への取材でわかった(7月に再逮捕)。男はこの園を運営する夫婦の息子で、本人も園側も行為を否定。園児にキスをしたり下半身を触ったりした疑いが持たれている。男は8年前から園に勤務。複数の園児が被害を訴え、同僚が何度もわいせつ行為を目撃していたとの情報もある。保護者が市と府警に被害を訴え、発覚した。(7月26日、共同)

▶〔学童保育で女児の体に触る〕佐賀県内の学童保育でアルバイトの支援員を務めていた20代の男子大学生が複数の女児の体を触ったとして、今年2月に解雇されていたことが6月27日、わかった。学生が在籍する大学は「児童の心に被害を与えたのは事実」などとして5月24日付で無期停学処分にした。男子学生は2月下旬、小学校内の学童保育施設に隣接するスペースで女児の体を抱え上げて遊んでいる際に複数回、下半身を触った。別の支援員が女子児童の様子がおかしいことに気づき発覚。聞き取り調査に対し、男子学生は、別の女児3人の下半身を触っていたことも明らかにした。男子学生は当初、「不適切な行為だった」と認めたものの、その後の聴取には「抱え上げた体を下ろす時に当たった」とも話しているという。男子学生は2016年9月から、月に7~20日間、勤務していた。(6月28日、佐賀新聞)

▶〔女性教諭を暴行罪で起訴〕愛知県岡崎市の私立幼稚園で2017年2月に女性教諭が園児の手足を粘着テープで縛ったり、口にテープを貼ったりした事件で6月7日、地検支部は教諭を暴行罪で略式起訴し、簡裁が罰金10万円の略式命令を出した。この事件では別の女性教諭も暴行の疑いで書類送検されたが、同地検は不起訴にした。不起訴の理由は明らかにしていない。(6月27日、中日新聞)

▶〔園児を暴行で停職〕兵庫県神戸市北区の市立保育所で5歳児の襟首をつかんで引きずるなどして暴行の疑いで逮捕、罰金10万円の略式命令を受けた保育士(女性、54歳)について市は6月22日、停職6カ月とする懲戒処分を発表した。保育士は同日付で依願退職した。また、詳細な状況把握や保護者への説明を怠ったとして、当時の保育所所長だった職員も戒告処分。(6月22日、神戸新聞ネクスト)

▶〔「不適切な保育」17件〕児に暴行を加えた疑いで保育士が逮捕された事件を受け、神戸市が市立保育所全58カ所の職員を対象に、同様の問題がないかを調べたところ、乱暴な言葉遣いなど不適切な保育が疑われる事案が17件あった。6月19日の市会文教こども委員会で報告されたもの(6月19日、神戸新聞ネクスト)。〔掛札コメント〕「乱暴な言葉遣い」と言っても、子どもの人格を否定するような内容ではなく、子どもを止めようとして言った言葉や、子どもを止めようとして手を引っ張った行動あたりまで「不適切」と言われてしまってはいないか(これから、そう言われていくのではないか)、心配です。

▶〔選挙応援ポスターを園児に手伝わせ、処分〕6月10日に行われた新潟県知事選挙で、柏崎市の市立保育園の保育士が候補を応援するポスターの作製を園児に手伝わせたとして、市は6月20日、この保育士と許可した園長を減給10分の1(1カ月)とするなど計7人を懲戒処分にしたと発表した。この保育士は知事選告示前の5月17日の保育時間中、1枚の模造紙に園児8人に花に見立てた手形を押させたほか、別の画用紙に子供の顔をそれぞれ描かせた。その後、他の保育士らと共に事前に描いた候補者の絵や、園児に描かせた子供の顔を模造紙に切り張りして、1枚のポスターにしたという。応援団体から依頼されたことを受けたもので、候補者の選挙事務所に飾られた。園児に選挙応援が目的とは説明していなかったという。市は地方公務員法の信用失墜行為の禁止、職務専念義務違反に当たると判断。市長も自身と副市長を減給10分の1(1カ月)とする条例改正案を市議会に提出する。(6月20日、毎日)

▶〔暴行の罪で略式起訴、罰金〕勤務していた兵庫県神戸市北区の市立保育所で5歳児の襟首をつかんでひきずるなどしたとして、暴行容疑で5月に逮捕された保育士について、神戸区検は6月14日、暴行の罪で略式起訴し、神戸簡裁は同日、罰金10万円の略式命令を出した。(6月14日、神戸新聞。下の5月28日のニュース)

▶〔個人情報資料を児童が持ち帰る〕東京都板橋区は6月5日、区立小学校で児童17人分の名前など個人情報が書かれた資料を別の児童が持ち帰り、情報が漏洩したと発表した。持ち帰った児童が分かっておらず、同校は5日に臨時保護者会を開催。謝罪し、資料の返却を呼びかけた。5月4日、教諭が資料をプリンターに置き忘れ、再利用用紙に混入。裏面が授業で使われた。5月15日に匿名の保護者から「子どもが個人情報が書かれた資料を持ち帰った」とのメールが区に届き、漏洩が発覚した。 (6月6日、産経)

▶〔ペットボトルの水を飲み、体調異常〕5月29日正午ごろ、東京都練馬区の区立保育園でペットボトルの水を飲んだ職員が、一口飲んだ後、せきこんで倒れ、一時意識を失った。その場で意識は戻ったが、脱力状態が続いたため病院に搬送された。命に別状はないという。ボトルは自分で買い、職員用の冷蔵庫に入れていたもの。園長は、冷蔵庫隣の流し台にある洗剤と同じ臭いがしたと話しており、 警察は水の成分を鑑定し、異物が混入していないか調べる。(5月30日、時事)

▶〔園児に暴力、逮捕〕兵庫県神戸市長田区の市立保育園の保育士(54歳、女性)が、暴行容疑で逮捕された。逮捕容疑は、2月14日午前9時半ごろ、5歳児の襟首をつかみ、ひきずったとされている。保育士は「(園児の)体を持ち上げたが、引きずっていない」と容疑を否認している。園児にけがはなかった。児の保護者が3月下旬、警察に被害届を出して発覚した。(5月28日、毎日)

▶〔USBメモリが置き引き〕5月14日、京都府京都市伏見区のNPO法人が運営する小規模保育事業所など3施設の園児や卒園生らの名前や生年月日などの個人情報が入ったUSBメモリが置き引きに遭った。3日後に同区内の公園で見つかった。同日夕方、職員が自宅で仕事をするたメモリに個人情報を保存し、かばんに入れた。帰宅途中、自転車のかごに入れていたかばんを置き引きされたという。(5月24日、京都新聞)

▶〔同僚の机から現金を盗む〕神奈川県横浜市の中学校で4月22日、職員室の同僚の机から。運動部の部費として生徒から預かっていた現金1万2000円を盗んだとして、34歳の教諭の教諭が逮捕された。調べに対し容疑を認めているという。この学校では、昨年から現金が盗まれる被害が数回相次いだため、警察と学校が職員室に防犯カメラを設置したところ、容疑者と見られる人物の不審な行動が写っていた。(5月22日、NHK)

▶〔幼稚園職員が暴行〕古河市の私立幼稚園で5月17日午前、5歳児の腕をつかんで引きずり倒し廊下まで引きずった上、この男児が座ろうとした椅子を引いて転倒させるなどの暴行を加えた疑いで、 職員(37歳、女性)が 18日、逮捕された。園の関係者が同日午後、署に相談。捜査の結果、悪質性があると判断した。男児にけがはなく、この職員は容疑を否認しているという。(5月19日、時事)

▶〔保育士が園児の裸の動画を撮影〕2016年7月、当時、臨時職員として勤務していた仙台市の市立保育園で、保育士(25歳、男性)が女児の裸の動画をスマートフォンで撮影し児童ポルノを製造したとして、5月17日、逮捕された。警察が別件の捜査でこの容疑者のパソコンを押収した所、女子園児の動画が見つかり発覚したもの。(5月18、19日、東北放送)

▶〔デジタルカメラ紛失〕大阪府茨木市は5月8日、市立のこども園で、園児33人が写った画像20枚程度の入ったデジタルカメラ1台を紛失したと発表した。4月27日、園長が公園で園児たちの遊ぶ姿や集合写真を撮影。5月1日、カメラがないことに気付き、園内や公園を探したが見つからず、3日に遺失届を提出した。(5月9日、毎日)

▶〔SDカードを盗み、懲戒免職〕千葉県警印西市は4月25日、市立子ども発達センターの保育士(女性、38歳)を懲戒免職処分にしたと発表した。3月15日、センターが管理するSDカード1枚を盗み、同26日に窃盗容疑で逮捕されたもの。カードには行事風景など約900枚の画像が入っていた。保育士は市の聞き取りに「職場の人間関係にストレスを抱えていた」と説明しているという。(4月26日、千葉日報)

▶〔個人情報をコピーし、紛失〕東京都町田市の小学校で特別支援教室を担当している教諭が、児童90人分の氏名や指導方針などの個人情報を勝手にCDに記録して持ち出したあと、4月4日に紛失したことに気づいた。教諭は個人情報を記録したCDを段ボールにつめていったん自宅に持ち帰ったあと、その段ボールを自転車に乗せて異動先の小学校に持って行ったが、段ボールには封をしていなかったという。市は4月26日、臨時の保護者会を開いて経緯を説明して謝罪した。(4月26日、NHK)

▶〔データ不正持ち出し数は5万近くに。口座情報も〕群馬県前橋市教育委員会は年4月19日、市教育情報ネットワークへの不正アクセスにより、児童生徒や教職員4万7839人分の個人情報が不正に持ち出された可能性が高いと明らかにした。給食費徴収のための口座情報も2万8209件含まれている。調査により数が増加したもの(4月4日のニュース参照)。市教委は、今回の不正アクセスに関する問い合わせ窓口として「教育ネットワーク対応室(コールセンター)」を開設。市民の質問などに対応している。不正アクセスは教育資料公開サーバーに脆弱性があったことが原因。(4月20日、リセマム)

▶〔保育士が子どもを床にたたきつける〕滋賀県大津市の元保育士(27歳、女性)が4月19日、傷害の疑いで逮捕された。「かっとなってやった」と容疑を認めている。3月15日午前11時半ごろ、大津市内の私立保育園で、担任として受け持っていた1歳児の両脇を抱えて高さ約1.5メートルから床にたたきつけ、左足首骨折で全治6週間の重傷を負わせたもの。同日正午ごろ、容疑者から「児が足をけがした」と報告があり、病院に搬送。19日に虐待を疑った児の父親が警察に相談し、園から聞き取るなどして容疑が浮上した。河合容疑者は3月末に自主退職。(4月19日、中日新聞)

▶〔保育士が子どもを蹴る〕今年2月、6歳児の胸を蹴って転ばせ、頭にけがをさせたとして、北海道旭川市の認定こども園に勤務している保育士(34歳、男性)が逮捕された。児が母親に「先生に蹴られた」と話して発覚した。保育士は「手袋を振り回していたことを注意したが、聞かなかったことに腹が立った」と供述し、容疑を認めている。 (4月16日、テレ朝ニュース)

▶〔企業主導型で不正受給〕秋田県秋田市の保育園が助成金計約4400万円を不正受給したとして、交付決定を取り消されたことが4月18日、わかった。平成28年度に創設された企業主導型保育施設助成制度で、交付取り消しは全国初。施設の整備完了後に運営が開始されなかったとして、沖縄県沖縄市の保育園の交付も取り消された。秋田県秋田市の保育園は2017年1月、介護事業などを展開する企業が開設。園児や職員の数を水増しした虚偽の申請書類を提出し、28~29年度に施設整備費や運営費を受け取っていた。実際に通園していたのは0~4人だったが、十数人として申請した月もあったという。(4月18日、産経)

▶〔データ、大量流出〕群馬県前橋市の教育委員会は4月4日、市内の小中学生ら2万5725人の個人情報と、給食費の口座情報1万9932件が流出した可能性があると発表した。市教委と市内の小中学校などを結んだネットワークに不正アクセスがあり、サーバーから情報が盗み取られていたという。個人情報は昨年11月時点の市立小中学校などのすべての児童・生徒のもので、保護者の氏名、電話番号、アレルギー、既往症などの項目があった。インターネット上への情報の流出や不審な電話などの被害は確認されていないという。市教委は不正アクセスを3月16日に確認していたが、28日に個人情報の流出はないと発表、30日になって個人情報の不正な持ち出しが確認されたとのこと(4月4日、朝日)。〔掛札コメント〕以前も類似事例に書きましたが、ニュースの時点で被害が確認されていなくても、その後、被害があったらニュースにするべきです。

▶〔姫路市のこども園、廃止届〕不適切な保育実態が明らかになり、こども園の認定を昨年4月1日付で取り消された兵庫県姫路市の園が、市に廃止届を出していたことがわかった。元園長の代理人弁護士が3月6日、市監査指導課へ認可外保育施設の廃止届を提出し、受理された。休園中のため、昨年12月31日付での廃園。特別監査で、この園は定員を超過して園児を受け入れていたことが発覚。通常より少ない給食を提供していたほか、保育士に無給勤務をさせるなど不当な雇用実態も明らかになった。また、昨年10月、正規の園児に使うべき給付費を不正流用するなどしたとして計4693万円の返還を請求、園は応じた。(3月30日、神戸新聞)

▶〔写真入りSDカードを窃盗〕千葉県印西市の市立子ども発達センターの保育士(38歳、女性)が窃盗の疑いで逮捕された。3月15日午前8時40分ごろ、同センターの事務室内で児童の画像データの入ったSDカード1枚(時価500円相当)を盗んだ疑い。SDカードは同日開催予定だったお別れ会のスライドショーで使うために別の職員が事務室内に置いていた。カードには2014~17年度の行事風景などを撮影した画像データが約900枚記録されており、画像に写った児童は約130人に上るという。保育士は「SDカードを持ち去ってしまいました」と容疑を認めており、特定の誰かへの嫌がらせ目的だった可能性を含めて警察は動機を追及している。市はカード紛失後、施設の全職員に聴き取り調査をしていたが、この保育士は「特に見ていない」と話していたという。 (3月27日、千葉日報)

▶〔補助金等で不正7000万円〕神奈川県横浜市で認可保育所を含む6つの保育施設を運営する法人が、保育士の勤務を水増しして不正に補助金970万円余りを不正を受け取っていた問題で、新たに保護者からおむつ代などとして集めた約5800万円近くが、長年にわたり、前理事長の個人口座に入金され不適切に管理されていたことが、第三者委員会の調査でわかった。また、前理事長による経費の二重請求などもわかっていて、不適切に管理されていた額は合わせて7000万円近くにのぼるという。(3月13日、NHK)

▶〔ダウン症の児に唾を吐きかける〕大阪府堺市の市立小学校に通うダウン症の小学1年生の学習支援を担当する介助員が2月21日の授業中、児に唾を吐きかけられたことに対し、指導の一環としてまねをしたところ、実際に顔にかかったことが3月7日、教育委員会などへの取材で分かった。学校側は「不適切な行為」と事実関係を認め、保護者に謝罪した。介助員は「嫌な気持ちを伝えるためだった」と説明している。市教委は「やられたらやり返すという間違った指導で、決して許されない。再発防止に努める」としている。保護者によると、児は言語の発達に遅れがあり、今回の件は保護者が同日に学校を訪れた際、顔見知りの児童が伝えてくれたという。(3月7日、共同)

▶〔園児に暴力、認める〕兵庫県尼崎市の認定こども園(幼稚園)で昨年12月、2歳児の顔を平手で叩いたり、体を激しく揺さぶって突き飛ばしたりするなどして、両耳に全治約10日のけがをさせた傷害の罪に問われた初公判で、元幼稚園教諭(女性、41歳)は起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述で「自分のクラスの子どもをきちんとしつけなければいけないと焦っていた被告は、自分の言いつけ通りにしない被害児を見て苛立ちを募らせた」と犯行の動機について指摘した。 (3月5日、MBS。この記事は、本ページの一番下)

▶〔写真データ入りSDカード紛失〕愛知県豊川市の市立保育園で、園児の写真約千枚のデータが入ったSDカード3枚を紛失した。外部から侵入した形跡はなく、流出は確認されていない。2月14日午後、保育士がSDカードを保育室のオルガンの上に置き、約4時間後になくなっていることに気づいた。カードは遠足など行事の記録用で、通常は事務室の棚で施錠して保管している(2月23日、産経west)。〔掛札コメント〕電車でもお店でも保育室でも園庭でも、どこかから立ち去る時、移動する時は振り返り、「私は何を持ってここへ来た?」「私は何を持ってここから出ていかなくちゃいけない?」とつぶやく癖をつけましょう!

▶〔保育料を誤徴収〕高知県高知市は2月23日、平成27年4月~29年8月の間、同市内に住む計142世帯の保育料に誤徴収があったと発表した。108世帯から月額最大2万6000円を過徴収、34世帯から月額最大3万2000円少なく徴収していた。昨年8月にミスが判明したもの。また、予防接種の通知で、誤って別人の予診票を同封し19人に送付していたとも明らかにした。予診票には予防接種を受ける児童の氏名、生年月日などの個人情報が記載されていた。2人の職員が封入作業を担当し、確認が不十分だったという。(2月23日、産経west)

▶〔「園児を傷つける」とハガキ〕東京都練馬区の保育課宛てに2月9日、「保育園の入園申請をリセットして再募集し、13日までにホームページで告知しないと 園児を傷付ける」といった内容のはがきが届いた。練馬区では1次募集の結果を16日に発表する予定だった。区役所はすでに警視庁に相談し、警察が警戒を強めている。 (2月12日、テレ朝ニュース)

▶〔傷害致死で懲役10年〕神奈川県平塚市の認可外保育所で2015年12月、生後4カ月児に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪に問われた元保育士に対し、横浜地裁は2月14日、懲役10年(求刑・懲役13年)の判決を言い渡した。弁護側は「(男児の)けがは保育所に預けられる前に生じた」と主張していたが、判決は脳神経外科医らの証言から「保育所に預けられた後に生じた」と認定。防犯カメラの映像などから「被告以外に犯行可能性のある人物はいない」とした上で、「子どもを健全に育むべき保育士の職責に真っ向から反するもので、許されない」と量刑理由を述べた。(2月14日、毎日)

▶〔児童ポルノ所持で逮捕〕千葉県流山市の民間保育園に勤務する保育士(29歳、男性)が2月5日、児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で逮捕された。市によると、携帯電話にも児童の画像が残っていた。容疑者は平成20年12月からこの保育園に勤務しており、勤務態度は良好とされる。(2月8日、産経)

▶〔強制わいせつ罪等で控訴棄却〕宮城県仙台市青葉区の保育園に勤務していた保育士(現在28歳、男性)が強制わいせつ罪などに問われた控訴審判決で、高裁は2月8日、懲役15年を言い渡した地裁判決を支持、控訴を棄却した。弁護側は「量刑は不当に重い」と訴えたが、判決は「犯行態様は相当悪質で常習性も高く、非難は免れない」と退けた。判決によると、被告は2015年10月~16年10月、勤務中、同園の当時3~6歳の女児10人に計22回、下着を脱がせて下半身を押し付けたり、携帯電話で動画を撮影したりした。 (2月9日、河北新報)

▶〔児をたたき停職1か月〕兵庫県神戸市の市立保育所で5歳児の頬を平手でたたき、鼻血を出させたとして、保育士(女性、60歳)が停職1カ月の懲戒処分を受けた。子どもたちを園庭に移動させた際、移動しなかった児の左頬を右手で1回たたいたもの。児は翌日、左頬の打撲と鼻出血と診断された。保育士は当初、上司や保護者に「手が当たっただけ」と虚偽の報告を繰り返していたが、最終的にたたいたことを認めた。(2月5日、神戸新聞NEXT)

▶〔補助金のだまし取りで懲役刑〕大阪府東大阪市で、市に嘘の申請をして保育園の補助金を騙し取った罪に問われていた元副園長(女性、59歳)に対し、地裁は懲役3年6か月を言い渡した。判決によると、すでに実刑判決を受けている元園長(男性、60歳)と共謀し、2011年から4年間、勤務実態がない人物について働いていると嘘の申請をして、市から1600万円余りの補助金をだまし取ったほか、保育士に対して「園の存続のために金が必要」と嘘を言い、1100万円をだまし取ったもの。 (2月5日、MBS)

▶〔施設名公表の行政処分〕千葉県は市川市にある認可外保育施設について、施設名を公表する行政処分を行った。この施設はアパートの1室で定員5人を受け入れていたが、去年12月、利用者から「施設が不衛生だ」等の連絡を受けて県が立ち入り調査を行ったところ、保育室の床が汚れている、健康診断を実施していない等がわかった。県は改善勧告を行ったが期日までに報告がなく、1月18日に再び立ち入り調査を行ったところほとんど改善が図られていなかった。県によると現在、入所している子どもは1人と見られる。県は施設に対し、新たな子どもの受け入れを自粛するよう要請するとともに、このまま改善勧告に従わない場合は、事業停止命令か施設閉鎖命令の措置を取る方針(1月30日、NHK)。千葉県のリンクはこちら。

〔個人情報を公園で紛失〕東京都港区の区立保育園の保育士が1月15日、園児の個人情報を区内の公園に置き忘れ、紛失した。災害発生時に備えて携帯しているビブス6人分をリュックサックごと、公園に置き忘れたもの。ビブスには、園児の氏名や生年月日、アレルギー食品のほか、保護者の連絡先、かかりつけの病院名と連絡先、保育園名と連絡先などが記載されている。翌16日、保育士が出勤する際、公園にティッシュボックスが置いてあるのを見つけ、リュックサックの置き忘れに気づき、警察へ届けた(1月29日、Security NEXT) 。〔掛札コメント〕こういった事例は、報告・公表されないだけで多発しています。「なに、それ」じゃなく、「うちの園でも起きうる」と考えて対策行動を。立ち去る時に指差し声出し確認、「〇〇を持ちました」「△△を何人分持ちました、1、2、3…」など。なにより持参物は同じ場所にかためて置き、立ち去る時には必ず振り返る。

▶〔塩化ナトリウム中毒死が刑事裁判に〕岩手県盛岡市の認可外施設で起きた塩化ナトリウム中毒死(5つ下の記事)で、業務上過失致死罪により略式起訴された施設の元経営者に略式命令を出すのは「不相当」と簡裁が判断、正式裁判を開くことが1月25日、両親の代理人弁護士への取材でわかった。刑事責任が公開の法廷で問われることになる。刑事訴訟法は、略式起訴された事件で略式命令が相当でないときは通常の裁判を開かなければならないと規定している。弁護士によると、児の母親は「自分たちの気持ちを公開の場で話すことができるようになりうれしい。元経営者の言い分も聞けて、事件のことを少しでも明らかにできると期待している」と話しているという。(1月25日、産経)

▶〔塩化ナトリウム中毒死で略式起訴〕岩手県盛岡市の認可外保育施設で2015年8月17日、1歳児を塩化ナトリウム中毒で死亡させたとして、元経営者(34歳、女性)が1月23日、業務上過失致死罪で略式起訴された。昨年7月、傷害致死容疑で逮捕されたが、同8月に処分保留で釈放されていたもの。両親は、食塩を無理やり飲ませられた可能性があるとして傷害致死罪の適用を求めたが、地検は故意が認められなかったとして、業務上過失致死罪とした。両親の弁護団によると、父親は「ここまで待たされて、業務上過失致死罪で罰金という結果は絶対に許せない」と話しているという。弁護団は真相解明のため、正式裁判を求める意見書を盛岡簡裁に提出した。(1月23日、共同通信)

▶〔保育士が子どもを放り投げる〕茨城県取手市の認定こども園で1月9日、保育士(20代、男性)が4歳児を放り投げ、左脚を骨折させた。市によると、音読の発表会の練習中に整列しなかった児を並ばせようと、保育士が抱きかかえて放り投げたところ、児は転倒し、すねの骨を折ったもの。他の保育士が病院に連れて行ったという。匿名のメールで情報提供を受けた市が調査して発覚。園は19日、保護者説明会を開いて謝罪した。(1月23日、産経)

▶〔市職員の子どもを保育園に入園させた?〕2014年12月、東京都多摩市の男性職員が自分の子ども(0歳児)の保育園入園について担当課に相談、担当課長が職員の第1希望の保育園に受け入れを求める電話を入れた。園側は、受け入れれば「補助金を受け取るための面積要件を満たさなくなる」として断ったが市は受け入れを決め、その後も保育園に補助金を支払っていた。当時の担当課長は戒告処分を受けたという(1月18日、テレビ朝日)。この件で、別の男性職員が不当な補助金を幹部らに返還請求するよう市に求め提訴していたことが1月18日わかった。市は訴えの却下を求めている。この男性は入園審査の担当課での勤務が長く、18日の記者会見で「多くの保護者が待機児童問題で苦しむ中、不公平な取り扱いだ」と話した。市に内部通報したが「問題ない」と退けられたという。市は取材に対し、「子供の母親に重篤な病気が判明し、入園させる緊急性があった」と主張。阿部裕行市長は18日の会見で「同様のケースで市民から相談があっても同じように対応した」と話した。(1月18日、産経)

▶〔保育士の登録取消徹底へ〕保育士の登録取消を徹底するため、厚生労働省は児童福祉法の関連省令を2月に改正する方針を決めた。児童福祉法は、禁錮以上の刑を受けた保育士は都道府県が登録を取り消し、執行から2年経過するまでは再び登録できないと定めている。ただし現行法は、罪を犯した本人が届け出ることを前提としており、逮捕情報を把握できず、取り消されなかったケースは少なくないとみられる。省令改正に伴い、都道府県に対し、市区町村が保有する犯罪歴情報の活用を促す通知を出す。罰金以上の刑(道路交通法違反の罰金などを除く)が確定すると、検察から本籍地の市区町村に通知され、犯罪人名簿に記載される。こうした情報を活用することで、都道府県に保育士の犯罪歴の把握を徹底させる考え。また、文部科学省も同様の理由から、「教員免許管理システム」を大幅に改善する方針を決めている。ただ、保育所や都道府県が逮捕や刑の確定情報を得る手段は、本人や家族ら関係者の申告以外にはマスコミ報道などに限られるのが実情であり、実効性を疑問視する声もある。(1月1日、毎日)

▶ 〔幼稚園教諭を傷害で逮捕〕12月30日、兵庫県尼崎市の幼稚園教諭(女性、41歳)が傷害の容疑で逮捕された。逮捕容疑は、27日午前9時20分頃から1時間45分にわたり、園内の教室で担任をしていた2歳児の体を揺さぶったり両ほほを平手で殴るなどし、内出血による全治約2週間のけがをさせたもの。同日、帰宅した児の両耳の後ろにあざがあるのを母親が確認し、児は「先生にたたかれた」と話した。29日に父親が110番し、警察署員が教室の防犯カメラ映像を確認したところ、暴行の様子が映っていたという。映像にはほかの教諭の姿も記録されていたが教諭を止める様子はなかった。教諭は「しつけのためだった」と容疑を認めている。(12月30日、産経west)



保育全般

▶〔保育士不足で閉園〕福岡県福岡市南区の認可保育所(1979年設立)が必要な保育士を確保できないとして、来年4月から休園する。保育士不足が原因の休園は九州で初めてとみられる。同園では近年、保育士が数人ずつ退職。園児数も定員120人を下回り、補助金も減額になる悪循環に陥り、現在は48人の園児に対し保育士数は4人と国の配置基準ぎりぎりの状態。1人当たりの業務負担が重いことなどもあり、保育士を集められなかったとみられる。市が2015年度に行った定期監査で、同園は経営の悪化が指摘されていた。市は「結果的に在園児が転園を強いられるという痛恨の事態を招いた。今後、指導監査の在り方を見直したい」とし、同園については他の法人への事業譲渡も視野に検討するとしている。(12月29日、西日本新聞)

▶〔保育園に多言語翻訳機〕宮城県仙台市は外国籍の子どもが多く通う公立保育所に多言語翻訳機2台を導入した。価格は1台2万3900円(税別)で、オプションで対応言語を増やせるソフトも購入。計24言語に対応している。インターネット接続は不要で、保育士が保護者へ連絡事項を伝える際などに使っている。この保育所は99人中14人が外国籍。一方、同市では、私立の保育施設も対応を進めている。(11月22日、日経デジタル)

▶〔学童の配置・資格基準を撤廃〕学童保育について、政府は来年度から職員の配置や資格の基準を事実上、撤廃することを決めた。所管する厚生労働省は、2015年に施行された基準の一部緩和にとどめようとしていたが、人材を確保できないとする全国知事会等の声に押され、方針転換した。来年の通常国会で児童福祉法を改正し、同法に基づいて厚労省令で定める「従うべき基準」を「参酌すべき(参考にすべき)基準」とする方針。2015年施行の現行基準は、1教室に職員は2人以上、うち1人は保育士や社会福祉士などで、かつ、都道府県の研修を受けた「放課後児童支援員」などと定める。撤廃により、学童保育の運営は地方の裁量に委ねられ、研修を受けていない職員1人で対応することも可能になる。同省によると、昨年5月1日時点の利用登録は117万1162人、待機児童は1万7170人(11月19日、各紙)。〔掛札コメント〕各種虐待の温床をつくりたいのだとしか思えません。

▶〔企業主導型保育室2園で一斉退職〕東京都世田谷区内の企業主導型保育室2園で、保育士が一斉退職したと朝日新聞(11月2日)と毎日新聞(3日)が報道、企業主導型の問題点を記している。〔掛札コメント〕毎日新聞の記事に、「厚生労働省から企業主導型保育事業の運営を委託され、助成金支給を担う公益財団法人児童育成協会(渋谷区)は『保育士が一斉に辞めることは通常は考えられず、利用者のことを考えると非常識』と話し」と書かれています。「保育士が一斉に辞める」ことは「通常考えられないこと」でもなんでもありません。4つ下の記事にもコメントを書きましたが、運営側に問題がある、労働基準法上の問題がある、安全・衛生上の問題がある場合には、自治体に通報し、自治体がまったく動かないなら、職員全員が辞めるぐらいのことをしなければ、職員と子どもが犠牲になります。まして、企業主導型は「国」主導。国または児童育成協会が動かないなら、同じことは今後も「普通に」起きますし、逆に言うと、この歪んだシステムのもとでは、どんどん起きるべきだとすら思います。

▶〔幼稚園4割が値上げ〕全都道府県にある私立幼稚園100園を対象にした共同通信の調査から、約4割が来年度に保育料を値上げし、一部は来年10月に予定される幼児教育・保育の無償化を見越した「便乗値上げ」の可能性があることが10月27日、明らかになった。無償化に伴い保育料は国が負担するため、保護者の理解を得やすいことが背景にあるとみられる。(10月27日、共同通信)

▶〔企業主導型、76%が基準を満たさず〕企業主導型保育所について、児童育成協会が2017年度、800カ所を立ち入り調査した結果、76%(606カ所)で保育計画などに不備があり、指導監査基準を満たしていないとして指導を受けたことが9月27日までに分かった。企業主導型は今年3月末現在、全国に2597カ所あり、定員は約6万人。(9月27日、共同通信)

▶〔44.6%が基準満たさず〕2016年度に自治体が立入調査した認可外保育施設のうち、44.6%(認可外保育所1353施設、ベビーホテル581施設)が国の指導監督基準を満たしていなかったことがわかった。厚生労働省が19日に公表。 違反内容は、職員や乳幼児の健康診断をしていない、消防訓練をしていない、保育従事者が足りないなどが多かった。 自治体への届け出が必要な認可外保育施設は、2017年3月現在で6050施設(認可外4638施設、ベビーホテル1412施設)。うち4338施設に調査を実施。(7月19日、朝日)

▶〔少なくとも204園で子どもの数を減らす〕保育士不足を理由に、今年4月時点で少なくとも全国24自治体の204認可保育園で、受け入れる子どもの数を減らしていたことが朝日新聞の調査でわかった。昨年5月の同じ調査では、15自治体118園だった(調査自治体は一部異なる)。今年の調査は5月、全20政令指定市と東京23区、昨年4月時点で待機児童が100人以上いた44市町村の計87自治体を対象に、昨年4月と比べて定員を削減したり、定員より少ない数で募集したりした園の数と、その理由を聞いた。札幌市、千葉市、横浜市、東京都葛飾区、高松市を除く82自治体が回答。昨年4月よりも受け入れ数を減らした園があると答えたのは24自治体で196園。今年4月開設の施設でも、4自治体の8園が保育士不足で定員を当初の予定より減らしていた。(7月2日、朝日新聞)

▶〔サービス残業が月平均14時間以上〕名城大学の蓑輪明子准教授らのグループの調査から、愛知県内の保育所の保育士(正規職員)のサービス残業は、ひと月平均で14時間を上回ることが明らかになった。昨年11月~今年2月に調査し、全体の9割にあたる5300人余から回答を得た。1か月の時間外労働は平均18.9時間で、賃金が支払われたのはうち4.2時間にとどまり、サービス残業が14.7時間。また、独自の財源で人員を拡充している名古屋市と、それ以外の自治体で時間外労働を比べると、名古屋市以外の方が4.8時間長い。さらに、「休憩時間がほとんどない」と答えた保育士の割合は、名古屋市では23.4%、それ以外の自治体では31.2% だった(6月21日、NHK)。〔掛札コメント〕9割から回答が得られたこと自体、やはり保育士さんたちの「言いたい!」という感情の現れではないかと思います。

▶〔学童保育指導員の配置・資格で反対意見〕現在、1か所に2人以上配置するように義務づけられている放課後児童指導員の配置基準や資格要件を緩和しようとする動きが進むなか、全国学童保育連絡協議会は6月6日、「子どもの安全が守られない」として、超党派の国会議員連盟に反対意見を伝えた。緩和は、人材確保が難しいとの声を受けたもので、18年度中に結論を出すと閣議決定。内閣府の地方分権の有識者会議で、廃止も含めた議論が進んでいる。(6月7日、東京新聞)

▶〔市がスクールソーシャルワーカー採用〕千葉県船橋市は4月から、子どもの家庭環境などの問題に対応する福祉の専門家「スクールソーシャルワーカー」(SSW)を独自に5人採用した。これまで同市や市川市などの葛南地域では、県で採用したSSWの2人が地域内を回って活動してきたが、今回、よりこまやかに対応するため、船橋市が独自に採用したもの。福祉の面から専門的な支援が必要と判断された場合に、校長の要請を受け、すべての市立小中高と特別支援学校に派遣。学校への聞き取りや家庭訪問などを通して情報収集し、就学援助や児童扶養手当などの制度や関係機関を紹介する(4月19日、日経)。〔掛札コメント〕まずは保育園やこども園に、福祉関係の専門家を配置することです。小学校で始めても遅い。

〔企業主導型、7割で指導〕(公財)児童育成協会は、企業主導型保育施設に対して行った立入調査の結果を初めて公表した。2017年5~9月に全国432カ所で実施し、7割の303カ所で問題が見つかり、文書で指導した。企業主導型は、2018年1末までに2190カ所の助成が決まっている。今回の立入調査であがった主な指導点は次の通りで、10項目にわたり問題を指摘された施設もあった。指導後、助成を打ち切ったり、返還を求めたりできる規定もあるが、同協会は制度導入から間もないことから今回はそうした対応は見送る方針。
●企業主導型保育所が受けた主な指導
必要な保育従事者数を確保(不足の時間帯がある)/昼寝時のうつぶせ寝への対応を適切に行うこと/昼寝時に子ども同士の間隔を十分確保/定期的な呼吸の確認を適切に行うこと/アレルギー対応マニュアルの整備/保育室などの面積を適切に確保/乳幼児の健康診断を実施/保育計画を整備/嘱託医との契約を締結/保育内容と利用料金の掲示(3月9日、朝日)

▶〔サービス残業は平均月13時間〕名城大学の蓑輪明子助教(女性労働論)らが愛知県名古屋市で働く保育士らを対象に行った労働時間の実態調査から、「サービス残業」が月平均13時間にのぼることがわかった。調査は昨年11月~今年2月、公私立の認可保育所の正規職員を対象に実施。約41%にあたる2660人が直近1カ月間の勤務時間や残業の内容などについて答えた。
 勤務開始前や休憩時間、勤務後を合わせた残業時間が、「過労死ライン」とされる月80時間を超えた職員は17人。平均は1カ月当たり16.6時間で、うち残業代が支払われたのは平均3.6時間、13時間分がサービス残業だった(賃金換算で2~3万円分)。中には134時間のサービス残業をこなした職員もいた。残業の内容は打ち合わせや保護者対応、保育の準備など。また、78%が自宅に仕事を持ち帰っていた(今回の「残業」には含まれていない)。調査では約30%が「仕事を続けるか迷う」「辞めたい」と回答、「仕事に見合っていない」「残業代が支払われない」など賃金に不満を感じている職員は66%にのぼった。(3月9日、中日新聞)

▶〔保育士不足で休園〕横浜市鶴見区の私立認可保育園が、保育士不足で3月末に休園、在籍児童のうち3~5歳の37人が今月末までに転園する。同園は2010年開園、0~5歳児クラスに計68人在籍している。園は今年1月、保育士不足を受けて18年度の新規入所を停止したいと市に要望。在園児の保育は続ける方針を伝えていた。しかし2月になり、新たに保育士3人が家庭の事情で退職する意向を示した。採用も思うように進まず、休園を決めたもの。来月からは1歳児と2歳児の在園児の保育のみを行う(3月7日、NHK) 。〔掛札コメント〕保育者の数をごまかして子どもを預かるよりは、ずっと良いと思いますが。実際、都市部で保育士確保が順調にいっている園はないでしょう…。

▶〔立ち入り調査は対象施設全体の3分の1〕2016年度、自治体による立入調査を受けた保育施設は、対象施設の65%にとどまることが、読売新聞が自治体を対象に行った調査からわかった。調査は2017年11~2018年1月、立入や改善指導の権限を持つ47都道府県と20政令市、48中核市に実施し、計115自治体すべてが回答した。結果、各自治体が対象とする計約3万4000か所の施設のうち、立入を受けていたのは約2万2000か所で、3分の1が未実施。立入調査の実施割合は、認可が65%、認可外の64%。立入調査でみつかる主な問題点は、防災が58%、園児の健康にかかわること41%、職員配置39%、職員の健康管理26%、現金管理等24%など(複数回答)となっている(1月8日、読売)。〔掛札コメント〕問題点の割合が、対象施設全体に占めるその問題点の割合だとするなら、4割の施設が園児の健康や職員配置に関する問題を有していることになります。施設の急増に追いついていないのは明らかですが、これを放置して施設をただ増やすことは、単に危険だと思います。



アレルギー、食

▶〔アナフィラキシー発症で略式起訴〕宮崎県宮崎市の認可保育園(現在は認定こども園)で、重度アレルギーがある児に原因物質を含んだおやつを食べさせ、アナフィラキシーを発症させたなどとして、宮崎区検察庁は12月27日、業務上過失傷害の罪で園の調理師と保育士の2人を宮崎簡裁に略式起訴した。園を運営する社会福祉法人理事長は不起訴処分とした。 (下12月19日の後記事。12月28日、宮崎日日新聞)

▶〔アナフィラキシー発症で書類送検〕2012~15年に宮崎県宮崎市の認可保育園(現在は認定こども園)が、重度アレルギーがある児に原因物質を含んだおやつを食べさせ、アナフィラキシーを繰り返し発症させたなどとして、警察が業務上過失傷害容疑で社会福祉法人の理事長ら3人を今年11月、書類送検したことが12月18日、捜査関係者への取材から明らかになった。 (12月19日、宮崎日日新聞)

▶〔小学校で誤食〕京都府木津川市の市立小学校で11月26日、乳製品アレルギーがある2年生が乳製品を含んだ給食を食べ、体調不良で救急搬送された。この児が担任に給食のコーンチャウダーを「食べていいか」と質問、担任が、乳製品アレルギーを失念、許可した。アレルギー食材を含む給食の日は自宅から代替食を持参していたが、この日は持参していなかった。食後に呼吸が荒くなり、唇が腫れるなどしたため携帯薬を飲んだが、じんましんも出たため、保護者に確認して病院へ搬送、一晩入院した。同市では、今年3~6月に市立保育所で園児へのアレルギー食材の誤提供が3回相次いだ。7月に保育士や調理師を対象に防止に向けた研修会を実施したが、今回は小学校で誤食を起こした。(11月27日、京都新聞)。〔掛札コメント〕この記事のタイトルは「アレルギー食材の誤食や誤提供続く 京都・木津川、今度は小学校」。まるで、この市がひどいかのようですが、この頻度で誤食が起こるのは当然です。日本じゅうでマスコミがアレルギー食の誤食をこまごまと新聞に載せていたら、保育園も学校も「給食なんて出せない!」と言い出すでしょう。ちなみに、記事の中では、担任がアレルギーを失念したのが原因と書いてありましたが、なぜ、代替食をこの日に持参しなかったのかは書いてありません。もともとそこを保護者に伝えていなかったのでは?

▶〔刃の金属片が混入、提供を中止〕滋賀県彦根市の小学校で11月2日、給食材料のタマネギに調理機器から出た金属粉が混入したため、タマネギを使った「えびしんじょうのすまし汁」提供を中止した。同小の調理室で調理員が回転式2枚刃のスライサーを使ってタマネギを処理していたところ、刃の一部が長さ約10センチ、幅約3ミリにわたって削れ、金属粉となって混入した。スライサーの部品のバネ(長さ約15センチ、直径約1.5センチ)が外れて刃に当たったためとみられる(11月2日、京都新聞)。〔掛札コメント〕これは「気づいて、提供中止してよかった」とほめられるべき!ぐらいの事例です。「失敗をしたこと自体」をこまごまと責められるような社会では、子どもはもちろんおとなだって生きていけません。特に、給食室の異物混入は当然、起こるのですから。

▶〔給食にホチキスの針〕神奈川県横浜市の市立保育園で10月18日、給食のハンバーグに針金状の異物(長さ約2センチ)が混入していた。ホチキスの針とみられ、健康被害は確認されていない。ハンバーグを口に入れた園児が異物に気付き、保育士に伝えたが、大半の園児は給食を食べ終えていた。調べたところ、具材の卵パックを留めていたホチキスの針1つが見つかっていないとのこと。(10月18日、神奈川新聞)

▶〔マグロでヒスタミン食中毒〕山梨県富士河口湖町の町立保育所6か所で9月27日、園児と職員がアレルギー症状を訴えた問題で、県は29日、給食に出たマグロから食中毒の原因となる高濃度のヒスタミンを検出したと発表した。発症者は当初より13人増えて92人。マグロは同じ仕入れ先から冷凍状態で納品された。鮮度が落ちたり、常温で放置したりするとヒスタミンが生成されることから、県は納入までの管理に問題があったとみて調べる。(9月29日、産経)

▶〔配送/チェックミスでアレルギー発症〕栃木県栃木市の市立小学校で9月5日、小学校1年生が給食を食べた後にアナフィラキシー・ショックを起こし、救急搬送された。児は給食で代替食のカレーを食べ、約1時間後、体調不調を訴え、せき込み、体にじんましん、皮膚のかゆみが出たという。学校は救急車を要請し、母親にも連絡。母親が持ち込んだエピペンを救急救命士が注射し、搬送した。児は就学前から乳製品アレルギーがあり、普段から別メニューだった。市教委によると、代替食用の「乳無し」カレールーを受注した県学校給食会(宇都宮市)が取り違えて「乳入り」を配送。給食を作る給食センターの調理委託業者も食材の確認を怠るなど、複数の人的ミスが重なったという。同日、同様のアレルギーがある別の小学校の2年生にも同じカレーを提供していたが、児に症状は出なかったという(9月8日、東京新聞)。〔掛札コメント〕ダブル・チェック等で「減らす」ことはできても、「なくす」ことはできないという認識を持ち、発症時に迅速な対応を行うよう体制を整えておくことも必要です。人間からミスをなくすことは絶対に不可能なので。

▶〔サバでヒスタミン食中毒〕大分県中津市の認定こども園で8月31日、サバの塩焼きを食べた計80人のうち、1~4歳の幼児33人と保育士3人の計36人が発疹などの症状を訴え、塩焼きから食中毒の原因となるヒスタミンが検出された。サバは同日午前9時すぎに市内の鮮魚店から仕入れ、園内で調理した。(9月1日、共同通信)

▶〔賞味期限切れの肉を出荷〕東京都内の学校給食向け食材会社が、冷蔵保存用に設定された賞味期限が切れた冷凍保存の鶏肉を、3年以上前から都内の小中学校に格安で出荷していたことがわかった。一部は賞味期限を最長3カ月過ぎていた疑いもある。消費者庁は、保存方法が変わるなどした場合は改めて期限を設定するよう求めるが、今回は未設定で、「取り扱いが不適切」としている。同社は川崎市の食品会社から、冷蔵用で販売予定だったが余って冷凍した鶏肉を購入。その時点で冷蔵用に設定した賞味期限を過ぎた肉もあり、仕入れ価格は1キロ300円と通常の半分以下だった。学校には解凍して出荷し、通常販売する鶏肉より4割ほど安い1キロ700円で売っていたという。取材に対し、同社の担当者は、学校側からより安い商品を求められ、それに応えようと販売したと説明し、「密閉されている状態の肉を凍らせているので、品質的には問題ないと思い、(消費者庁の期限設定に関する通知については)認識不足だった」と述べた(8月8日、朝日)。〔掛札コメント〕この企業の責任ではありますが、そもそも「安い商品を求める学校側」は「安くなる理由」を考えずにそういう要求をしているのでしょうか。もちろん、「(学校としては)そんな要求はしていない」とお答えになることは目に見えていますが。

▶〔食物アレルギー発症、4人に〕新潟県燕市教育委員会は、6月30日に開いた食物アレルギー事故に関する説明会と情報交換会で、これまで3人の小中学生にアレルギー症状が出たとしていたが、新たにもう1人おり、計4人となっていることを明らかにした。さらに増える可能性もある。 (7月2日、下の記事の続報。新潟・県央情報交差点))

▶〔「調味料、だし、添加物は除去の必要なし」でアレルギー発症〕新潟県燕市の教育委員会は、5月25日の学校給食でラーメンスープに乳成分が使われ、3人の小中学生のアレルギー症状を発症した問題で6月29日、会見した(下、6月13日のニュース)。当初、「スープに乳成分の記載がなく、あとになって乳成分が追加された」と説明したが、それは誤りで以前から乳成分の記載があったことを確認。給食調理の委託切り替えの際、アレルギー対応が十分に引き継ぎされなかったのが原因と説明した。会見で配布した報告書面によると、以下の通り。
●4月に保護者へ給食センターから届けた5月分の食材詳細表には、「乳」の記載がなかった。「食物アレルギー対応マニュアル」では、調味料・だし・添加物は除去する必要がないとされているため、担当は成分を確認しなかった。 ●5月25日に、乳アレルギーの生徒が中華麺を食べた後、頭がくらくらするとともに、口の中の違和感や耳の痒み、息の詰まる感じのアレルギー症状を発症した。 ●5月29日に、この生徒の保護者からの問い合わせを受け、給食センターで給食の原材料及び調味料の成分を調べ直したところ、塩ラーメンスープ(調味料)の成分表示に「乳成分」が以前からあったことが判明した。 ●調査を進める段階で確認が不十分であったことから、あたかも製造業者の責任であるかのような表現となり、保護者や関係者に迷惑をおかけしたことを深くお詫びする。 ●再発防止策として、毎月の調味料・だし・添加物の成分を調べ直し、さらに詳細な成分表を、食物アレルギー対応を行っている児童生徒の保護者全員に配付する。 ●納品時に調味料・だし・添加物の表示を確認し、詳細表と相違がないか複数人でチェックするとともに、調味料・だし・添加物の成分内容が変わっていたときには、緊急に代替食を用意するなどの措置をとり保護者と学校へ連絡する(6月30日、新潟・県央情報交差点)。〔掛札コメント〕ここまできちんと報道していただけると、状況がよくわかってありがたいですね。

▶〔給食にゴキブリの死骸〕群馬県館林市の市学校給食センターは6月29日、市立中学校で26日に提供した給食の香味漬けに、体長約3センチのゴキブリの死骸が混入していたと発表した。配膳中の生徒が見つけ、校内アナウンスで食べないよう呼びかけたが、すでに食べた生徒もいるという。センターでは市内の中学校5校に同様の給食を提供しているが、いずれも中止せず、他の4校には29日になって知らせた。材料を加熱する段階で混入したとみられる。(6月29日、産経他)

▶〔食物アレルギー治療で13例の重症例〕 アレルギーの原因となる食物を少しずつ摂取し、食べられるように治療する経口免疫療法で、去年11月、臨床研究に参加していた子どもが牛乳を飲み、重いアレルギー症状で一時、心肺停止になったことから、日本小児アレルギー学会が実施していた調査の結果が明らかになった。 2008年から去年までに試験や誤食も含めると、重いアレルギー症状が16施設で18例あり、うち13例は意識障害に至っていた。調査をまとめた医師は、「経口免疫療法はまだ臨床研究の段階で、慎重にすすめる必要がある。アレルギーが出た際の初期対応の周知徹底を繰り返し行ってほしい」などとしている。(6月24日、TBSニュース)

▶〔イワシのすり身からヒスタミン〕福岡県筑紫野市は6月21日、園児計31人が給食後に発疹の症状を訴えた市内3保育所の給食に使われたイワシのすり身から、アレルギーの原因物質となる高濃度のヒスタミンが検出されたと発表した。すり身はいずれも同じ製造業者だった。ヒスタミンは加熱しても減少せず、摂取すると顔の紅潮や発疹、嘔吐などの症状が出る可能性がある。温度管理が不十分な際に生成されるが、高濃度となった原因は不明(6月21日、共同通信)。〔掛札コメント〕ヒスタミン食中毒については、「リンク」の「食物アレルギー、食品」の中にあります。

▶〔配膳ミスで誤食〕京都府木津川市は6月21日、市立保育所で同日、卵白アレルギーの1歳児に卵白入りのパンを提供したと発表した。調理師がアレルギー対応児専用のトレーで卵白の入っていないパンをクラスに届けたが、担任の保育士が誤って他の園児に提供するパンを児に配った。保育士が気付いた時には児がパンを口の中に入れていた。児は保護者と一緒に医師の診察を受け、発症はしていないという(6月21日、京都新聞)。〔掛札コメント〕木津川市からは誤食の報道が続いていますが、この市が特にずさんだ思うのではなく、市やマスコミが敏感になっているからだという解釈もしておいてください。人間は「つい、うっかり、ぼんやり」の生き物ですから、ミスによる誤食は起きます。それをゼロにしようと躍起になったら、給食など提供できません。

▶〔除去食の確認票を見落とし、誤食〕京都府木津川市の市立保育所で6月12日、卵白アレルギーの3歳児にマヨネーズ入りのポテトサラダを提供。児はアレルギー症状を発症しなかったという。保護者の申告に基づいて作成したアレルギー除去食の確認表を調理師が見落とし、マヨネーズ入りのサラダを出したもの。児が2口ほど食べたところで保育士が気付き、かかりつけの医師に連絡した。医師は治療は不要と判断し、男児は保護者と帰宅した(6月13日、京都新聞)。〔掛札コメント〕研修会ではここのところ、ずっとお話ししていますが、人間の脳は「つい、うっかり、ぼんやり」なので、ミスを必ずします。ですから、誤食を減らす努力はするものの、「誤食はゼロにならない」と考え、今回のように症状がなくても受診するという方法をとっていけば、食物アレルギーで子どもの命が奪われることはないはずです。たくさんの人の手を通って食事が提供されるわけですから、「誤食ゼロ」に躍起になって自治体もマスコミも懲罰的になれば、保育や調理の現場はいやになるだけです。

▶〔食材資料にない成分が追加され、アレルギー発症〕新潟県燕市で5月25日、学校給食を食べた小学生と中学生の計3人に息が詰まるなどのアレルギー症状が出た。3人は乳製品にアレルギーがあり、提供された「塩ラーメン」のスープに乳成分が含まれていた。給食は市内の給食センターで作られていて、今年2月に業者から仕入れる食材の資料を確認した時に乳成分の記載はなく、その後に成分が追加されたため、職員が見落としていたという。燕市教育委員会は6月1日にはこの問題を把握していたが、「事実確認を優先した結果、発表が後になった。重く受け止め対応を早めたい」と話している(6月13日、テレビ新潟)。〔掛札コメント〕「給食センターの職員が見落とした」と書かれていますが、成分を追加した側は明確に、追加を連絡したのでしょうか? 下の(3月の)木津川の事例も同様です。なぜ、すべてが「現場の職員」一点の問題に転嫁されるのか、またはそのように報道されるのか、理解できません。

▶〔別の商品納品でアレルギー症状〕京都府木津川の市立保育所で3月、園児3人がアレルギー症状(湿疹や咳)を発症して病院で治療を受けていたことが6月1日、分かった。いずれも軽症という。同保育所は乳成分の入っていない加工品のスープを使っていたが、当日はそのスープが欠品していたため業者が別の製品を届け、調理師が成分を確認しないまま使った。乳にアレルギーのある子どもたちに症状が出たため、保育士が病院へ連れていき治療を受けた(6月1日、京都新聞)。〔掛札コメント〕「除去しているはずだから」と思い込むことなく、「症状が出ているから」と受診したわけで、「症状優先」が功を奏した事例です! とはいえ、「調理師が確認しなかったから」と言うのは簡単ですが、納品業者が「今日は違うものを持ってきました。大丈夫でしょうか」と声をかけていれば起こらなかった事例ではないでしょうか(業者が声をかけても調理師がチェックをしなかったなら、調理師の責任ですが)。保育園に納品する業者の啓発は、まず、自治体の責任です。

〔対象表に未(誤)記載でアレルギー発症〕埼玉県富士見市は5月25日、学校給食で乳成分の入ったミートボールを食べた小中学校の4人が呼吸困難やじんましん、喉の痛みなどのアレルギー症状を起こしたと発表した。1人が1日入院したが、全員軽症だという。アレルギーのある児童生徒の家庭に配布する「食物アレルギー食品対象表」を市給食センターの職員が作成する際、誤って「乳成分が入っていないもの」として記載していた。ミートボールは今月1日に中学校6校、14日に小学校11校で提供され、子どもが体調不良を訴えたため、誤記載が分かった(5月25日、読売)。〔掛札コメント〕これは現場(保育園~学校)では把握できないタイプの誤食です。とすると、下の秦野市の事例(2月9日)のように「症状優先」で、「アナフィラキシーのようだから搬送しよう」と判断することが重要になります。

▶〔牛乳に洗浄液混入〕4月18日、茨城県内の小中学校7校(取手市、潮来市、石岡市、阿見町)で、給食に出された牛乳を飲んだ児童・生徒が相次いで味や色などに違和感を訴えた。製造業者がパック詰めの過程で誤って消毒用洗浄液を混入させてしまったということで、これまでのところ、体調不良を起こした子どもはいないという。牛乳は鉾田市を含めた合わせて72の小中学校で出された可能性があるという。(4月19日、NHK)

▶〔ご飯にボルト〕4月9日、長崎県大村市の小学校で、給食のご飯の中に長さ2センチ、直径1センチもボルトが混入していた。配膳前で、児童への影響はなかった。給食は市の小学校給食センターで調理されたもので、小学校で補助員が給食を配膳した際、ご飯の容器にボルトが混入していることに気付いた。その後の調査で、米びつから洗米機に米を送る機械のボルトが抜け落ちているのが確認された。(4月10日、TBS)

〔仕様書記載漏れでアレルギー源入りパンを提供〕滋賀県湖南市は3月9日、市内の保育園で提供した菓子パンにアレルギー源である脱脂粉乳が入っていたにもかかわらず、乳アレルギーのある園児5人に約1年間で計7回提供していたと発表した。健康被害は確認されていないという。菓子パンの納入業者が2017年2月に市に提出した仕様書では脱脂粉乳を使用している記載がなく、市内6園中2園で0~3歳児にほぼ2カ月に1度提供していた。残りの4園では、同じ業者が2016年2月に提出した仕様書に脱脂粉乳が記載されていたことや、パンには乳成分が使われている恐れが高いことなどから提供していなかった。今年2月、同課が業者に原材料について問い合わせて発覚。業者は「ケアレスミスで記載が漏れていた」と説明している(3月12日、毎日)。〔掛札コメント〕なぜ、同じ市内の保育園で1年間も異なる対応がなされていて、お互いにそれを知らなかったのでしょうか。業者の問題もありますが、市内の保育園間のコミュニケーションの欠如も大きな問題だと思います。

▶〔市立保育園で混入公表せず〕愛知県名古屋市の市立保育園の給食にガラス片が入っていた問題を受け、市は3月9日、昨・本年度の混入例の調査結果を発表した。全市立保育園108中のべ37園計50件に上り、いずれも健康被害は確認されていない。すべて公表しておらず、15件は保護者にも知らせていなかった。
2016年度
・職員がミルクを乳児に飲ませていた時に虫1匹を発見。授乳を中止し、異物は飲んでいない。
・職員と園児のにゅうめんにそれぞれ石(1センチ×7ミリと5ミリ×4ミリ)を発見(※)。
・園児がすいとん汁を食べた時に、金属片(約3センチ×0.8ミリ)を口から出した(※)。
・焼き海苔の袋と一緒に乾燥剤も切ってしまい、海苔の付着物をはらい落とした上で、しゃけおにぎりを提供。
・職員があえ物を盛りつけ中に木片(約1センチ)を発見(※)。
・ 職員がメカジキのトマトソース煮を食べた時にホチキスの針(約1センチ)を発見(※)。
2017年度
・園児がみそけんちん汁の中に調味料の中栓(約1.5センチ)を発見。食べた園児はいない。
・園児があえ物を食べた時にビニール片(1ミリ×5ミリ)を発見(※)。
・職員が豆腐の中華炒めにプラスチック片(4ミリ×7ミリ×1センチの台形)を発見。食器洗浄用トレーの破損部分と一致。食べた園児はいない。
・園児に配膳したブロッコリーに虫1匹を発見(※)。
・職員が豚肉のみそ炒め煮にガラス片2片(2ミリ×2ミリ)を発見(※)。
・園児がトマトスープを食べた際、金たわしが切れたものとみられる金属片(約2.1センチ)を口から出した(※)。
 原因については、納入業者が虫のついた食材を納品した、袋などを切った時にビニール片の切れ端が入った、金属たわしが劣化していた、せいろの木片が入ったなど。原因を特定できないケースもあった。保育園の「危機管理マニュアル」は公表基準があいまいで、情報を把握した際の対応が不明確なため公表しなかったという(3月10日、中日新聞。※は「食べた園児がいるか不明」)。〔掛札コメント〕その度ごとに保護者に伝えて、公表していれば、「それはしかたがない」という一種のリスク意識も保護者には育っていったと思うのですが、公表もせず、突然これだけ出せば「保育園は何をしているんだ?」という話になりますね。まだ、サイトには書いていませんが、異物混入は「すべて同じ」ではありません。予防すべき深刻さも予防の方法も違うのです。このリストを見て、考えてみてください。お話はしている内容なので、近々書ければ、と思います。

▶〔給食にガラスの破片〕愛知県名古屋市中村区の市立保育園で、給食にガラスの破片が混入していた。園児や職員にけがはないという。2月5日正午ごろ、職員が食べた「豚肉のみそ炒め煮」に一辺2ミリほどの破片が2つ入っているのに気付いた。すでに園児と職員の計94人が食べていたが、他に破片はなく、体調不良の訴えもなかった。納入業者が4日に事故を起こし、食材の肉を載せた車内にガラス片が散乱していたことが判明した。業者は市内の計3園に納入しており、中村区の別の保育園でも、園内で調理中に3つの破片を見つけ、肉を全て廃棄した(2月23日、産経west)。〔掛札コメント〕納品業者のミスによるアレルゲン食材混入はよく起こりますが、ガラスが散乱したのにそのまま納品するとは…。「体調不良の訴えはない」としても、気がつかずに食べてしまっていて、気がつかないうちに排泄されていたケースもありえますね。

〔保育士の機転でアナフィラキシー搬送〕神奈川県秦野市の民間保育園で、保護者も気づいていなかった食物アレルギー(クルミ)を症状から保育士が判断、保護者に連絡がつかなかったものの救急搬送を要請し、子ども(2歳)は一命をとりとめた。 子どもの異常をみつけたクラスリーダーの保育士は、「(救急要請は)当然のこと。毎日子どもたちのことを注意してみているので、体調の変化にも気づくことができる」と話したといい、保護者も 「運ばれてくるのが遅かったら命に関わったと医師から言われた。こうした保育士がいることで安心して働くことができる」と話した(2月9日、タウンニュース:神奈川県、東京都多摩地区)。〔掛札コメント〕「診断書が出ないから」「食べているはずがないから」ではなく、「症状が出ているから」を優先させた判断はすばらしい!です。ただ、クルミやピーナッツ等の木の実類は劇症のアレルギーを起こす確率の高いものですから、家庭でクリーム状のもの等(木の実そのものはもちろんだめですよ! 窒息の危険がありますから)をよほど食べてからのほうがよいかと…。

▶〔給食に金属片混入〕1月31日、北海道小樽市の保育所の給食に長さ約2センチ、幅1ミリ弱の金属片が混入していた。給食の厚焼き卵を食べた6歳児が違和感を感じて吐き出し、見つかったもの。病院でレントゲン撮影したところ、体内に同様の破片が見つかった。混入したのは、保育所内の調理場のステンレス製のたわしとみられ、調理に使ったフライパンなどについていた可能性があるという。他に27人の子どもが厚焼き卵を食べたが、異常はなかったという。(2月9日、北海道文化放送、2月10日、読売)

▶〔学童で塩素系漂白剤入りの水を飲ませる〕埼玉県川越市の市立小学校の敷地内にある学童保育室で2月8日、小学1、2年の児童5人に誤って塩素系漂白剤入りの水を飲ませた。5人は救急搬送されたが、症状を訴えた児童はなく、全員帰宅したという。学童保育指導員が8日午後、消毒のため塩素系漂白剤約20ミリリットルが入った蛇口付き小型タンクを麦茶入りと勘違いして水飲みコーナーに設置。午後4時20分ごろ、タンクの水を飲んだ児童に「水なの?」と聞かれ、誤りに気づいたという。同保育室の指導員は7人で、消毒した指導員と水飲みコーナーに設置した指導員は別の人だった。タンクに「消毒中」を示す表示はなかったという(2月8日、産経)。〔掛札コメント〕はい、最後のコメントの通りです。ヒモか何かに「消毒中」と書いた真っ赤なカード(ドクロ付き)か何かつけておいて、それがタンクにぶら下がっている時は「消毒中」とわかるようにしておくしかありません。

▶〔焼き魚に釣り針〕京都府宇治田原町の中学校で1月12日、給食のサワラの西京焼きに長さ2センチの釣り針が入っていたことが22日わかった。食べた生徒はすぐに吐き出し、けがなどはなかったという。調理は同町の学校給食共同調理場で行われていたが、混入した理由は不明。(1月22日、京都新聞)

▶〔小学校給食にボルト混入〕徳島県阿南市の市立小学校で1月10日、給食のすき焼きが入った大型容器の底に、長さ約3センチ、直径約1センチの金属製のボルトが混入していることに、おかわりをしようとした5年生が気づいた。児童への被害はなかった。ボルトは、調理用の野菜裁断機の刃を取り付ける部分のものだった。校内の施設で調理しており、市教委は具材を切る過程で混入したとみている。(1月10日、産経ウェスト)



感染症

(集団感染は、時期の初めのものや感染者の多いものを掲載)

▶〔餅つき大会でノロ集団感染〕東京都大田区の区立小学校で12月1日に行われた餅つき大会で、参加した児童と保護者あわせて71人が下痢やおう吐などの症状を訴え、保健所が調べたところ、20人の児童からノロウイルスが検出され、餅が原因の集団感染とわかった。症状を訴えた患者はいずれも快方に向かっているという(12月12日、NHK)。〔掛札コメント〕今年も出ましたか、餅つきのノロ集団感染。とにかく、「子どもがさわった餅は食べない!」です。

▶〔幼稚園で赤痢感染〕東京都葛飾区の幼稚園で、園児11人が細菌性赤痢に感染。重症者はいないという。1人が症状を訴えて医療機関を受診したところ、11月26日に赤痢と診断され、届け出を受けた保健所が調べた。給食からは赤痢菌は検出されていないということで、保健所は「食中毒が原因ではない」として、赤痢菌のなかでも「ソンネ菌」による集団感染だと断定。(12月4日、NHK、12月5日、ハザードラボ)

▶〔保育園でノロ感染症〕茨城県水戸市の保育園で11月27日から12月6日かけて、園児と職員合わせて56人がおう吐や下痢などの症状を訴え、園児2人と職員2人からノロウイルスが検出された。重症者はおらず、いずれも快方に向かっているという。(12月6日、NHK)

▶〔小学校で100人以上が胃腸炎〕奈良県香芝市の市立小学校(児童数811人)で11月20日以降、児童ら計108人が嘔吐や下痢などを訴える感染性胃腸炎の集団発生。患者の一部からノロウイルスが検出されている。重症者はおらず、全員快方に向かっているという。学校は26日、保健所に連絡した。原因は分かっていないが、発症していないクラスがあるため、県は給食による食中毒の可能性は否定している。(11月28日、時事)

▶〔ノロウイルスの集団発生〕長野県長野市の民間保育園で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生。11月16日、園児9人と職員3人に感染性胃腸炎を疑う症状があると園から市に報告があり、保健所が5人の便を検査したところ、全員からノロウイルスが検出されたもの。長野市でノロウイルスの集団発生は今シーズン初めて。(11月19日、信越放送)

▶〔サポウイルス集団感染〕宮城県仙台市は11月14日、青葉区の私立保育施設で、サポウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の集団感染があったと発表した。今シーズンの感染性胃腸炎の集団感染は県内初。10月30日以降、園児14人と職員1人が下痢や嘔吐、腹痛などの症状を訴えた。現在まで重症者はいない。(11月15日、河北新報)

▶〔保育園でノロウイルス集団感染〕福岡県福岡市東区の保育施設でノロウイルスの集団感染。症状が出た園児21人中6人から、ノロウイルスが見つかり、重症の1人は入院している。市によると、10月30日から11月6日までに、子どもが相次いでおう吐や下痢の症状を訴えたもの。感染源は不明。(11月7日、テレビ西日本)

▶〔保育園で赤痢感染〕東京都目黒区の保育園で園児ら21人が赤痢に感染し、このうち2人が入院していたことがわかった。いずれも症状は軽い。10月12日、この保育園に通う4歳児に下痢や血便などの症状が見られ、病院を受診したところ細菌性赤痢と診断されたもの。都内では3年前、練馬区の小学校でも赤痢の集団感染が確認されている。(10月23日、TBS)

▶〔調理職員からサルモネラ菌〕伊賀市と同市教育委員会は10月20日、市立希望ヶ丘保育園と西柘植小学校に勤務する給食調理員2人からサルモネラ菌の陽性反応が出たと発表した。保育幼稚園課と学校教育課によると、いずれも15日実施の検査結果で、女性調理員(1人は非常勤職員)から陽性反応が出たと委託業者から20日に連絡があった。園児や児童、職員らが体調不良などを訴えるケースはないという。(10月20日、伊賀タウン情報You)

▶〔ノロウイルス感染〕福岡県福岡市東区の保育園で9月、園児と職員あわせて55人が嘔吐や下痢の症状を訴え、うち5人の園児からノロウイルスが検出されていたことがわかった。9月25日、園児1人が下痢の症状を訴え、病院で診察を受けたところ、ノロウィルスが検出された。その後、同じ保育園に通う園児48人と職員6人にも症状が出たもの。重症者はおらず、全員が快方に向かっているという。今のところ原因は特定されていない。(10月5日、テレビ西日本)


▶〔保育園でO26集団感染〕群馬県は9月5日、安中市の保育施設(園児114人)で、園児計10人が腸管出血性大腸菌O26に集団感染したと発表した。全員が快方に向かっている。8月19日に1人目の園児が発症。その後、保健所が調査した結果、この保育施設で9人の感染を確認した。感染経路は判明していない。(9月6日、産経)

▶〔調理員からサルモネラ〕三重県伊賀市の私立保育園で、給食調理員からサルモネラ菌の陽性反応。9月3日の定期検査では陰性だったが、4日に体調不良を訴え休職し、5日に病院を受診。胃腸炎の診断を受けた。7日まで休職し、10日に出勤して、11日に陽性と判明した。陰性反応の結果が出るまで、自宅待機する。現在、園に腹痛などの症状を訴える児童や職員はいないという。(9月12日、伊勢新聞)

▶〔保育園でO26集団感染〕8月22日、茨城県水戸市内の民間保育園で、園児等11人から腸管出血性大腸菌O26が検出された。全員が快方に向かっているという。(9月7日、茨城県)

▶〔保育園でO26集団感染〕群馬県安中市の保育施設で、園児10人が腸管出血性大腸菌O26に感染していたことがわかった。8月29日、園児が下痢の症状を訴え、調べたところO26に感染していたと富岡市の病院から届け出があったことから明らかになったもの。その後、下痢の症状を訴えている園児を調べたところ、合わせて10人が陽性だった。これまでに入院した園児はいないという。(9月5日、TBS)

▶〔O121集団感染〕兵庫県明石市内に在住・在勤する1歳~30代の8人が、腸管出血性大腸菌O121に感染したと保健所が8月17日に発表した。いずれも症状は軽いという。1歳児が8月1日に下痢や血便などの症状を訴えて受診。検査したところ、O121が検出された。児の家族や通っていた保育所の園児ら7人の便からも同じ菌が見つかった。感染源は調査中。(8月18日、産経デジタル・イザ)

▶〔O26の集団感染〕長野県東御市の保育所で園児ら計20人が腸管出血性大腸菌O26に集団感染したと、県が15日に発表した。症状は軽く、全員快方に向かっている。園児15人に下痢や発熱などの症状がみられるほか、症状はないものの園児4人と職員1人の感染が確認されたという。感染経路は現時点で不明。(8月15日、産経)

▶〔保育園でO121集団感染〕東京都世田谷区の区立保育園で園児19人と職員5人のあわせて24人が7月4日以降、相次いで下痢などの症状を訴え、患者や給食の一部から腸管出血性大腸菌O121が検出された。保健所は給食が原因の食中毒と断定。いずれも症状は軽く、入院した人はいない。(7月26日、NHK)

▶〔保育園で病原性大腸菌O55集団感染〕神奈川県横浜市戸塚区の保育所で7月11日以降、0~6歳児の園児102人と職員3人が下痢やおう吐など食中毒の症状を訴え、園児7人と職員2人から病原性大腸菌O55が検出された。いずれも症状は軽く、全員、快方に向かっているという。園児らはいずれも7月9日~13日にかけて保育所で調理された給食を食べたということで、保健所は給食が原因の集団食中毒と断定。(7月20日、NHK)

▶〔ノロウイルス感染〕和歌山県岩出市の市立保育所で、園児286人中1~4歳の40人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、3人の検体からノロウイルスが検出された。全員が快方に向かっている。3月31日~4月12日に園児が次々に症状を訴えた。園外で感染した園児の吐しゃ物を介して感染が広がった可能性があるとみている。 (4月13日、毎日)

▶〔21人がノロウイルス感染〕北海道小樽市内の保育所で3月29日以降4月2日までに、園児18人と職員3人の計21人がノロウイルスに感染していたことがわかった。3人からノロウイルスが検出された。重症患者はおらず、全員が回復に向かっているという。(4月2日、北海道文化放送)

▶〔集団感染2件〕●世田谷区の私立保育園で3月19日に出された昼食やおやつを食べた2~6歳の園児25人と保育士ら職員14人の計39人が下痢などの症状を訴え、患者の便からノロウィルスが検出された。いずれも軽症。すべて園内の調理室で調理したもの (3月29日、産経)。●栃木県の安足健康福祉センター管内の保育所で、計39人の感染性胃腸炎の集団発生。原因物質は調査中。3月12日から複数の児童が嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、感染したのは児童38人、職員1人。全員快方に向かっている。(3月29日、下野新聞)



その他の安全、健康

▶〔朝食欠食率5.5%〕文部科学省の2018年度全国学力・学習状況調査から、朝食の欠食率は5.5%と前年度に比べ0.9ポイント増加。推進基本計画を策定した2015年度と比べると1.1ポイント悪化。調査によると、朝食を「毎日食べる」は84.8%。「全く食べていない」が1.4%、「あまり食べていない」が4.1%で、「どちらかといえば食べる」が9.7%。15%超の小学生が、朝食を毎日食べる習慣が身に付いていない。文科省の別の調査によると朝食を食べない理由に、3~5割が「食欲や時間がない」、1割が「そもそも朝食が用意されていない」と回答している。(11月4日、日本農業新聞)

▶〔フランスが予防接種を義務化〕フランスのビュザン保健相は8月31日のインタビューで、子どもの予防接種11種を義務化すると話した。現在は、ジフテリア、破傷風、ポリオの3種のみが義務だが、百日せき、ヒブ、B型肝炎、小児用肺炎球菌、C群髄膜炎菌、はしか、風疹、おたふくかぜを加えて全11種を義務とする。予防接種を受けていない子どもは、原則として託児所・幼稚園等の利用が認められない。新制度は、1月1日以降に生まれた子どもを対象に導入。(9月1日、フランスのニュース、パリ・エ・トワ)

▶〔熱中症救急搬送が過去最多〕8月の熱中症による救急搬送者数は3万0410人と、統計を取り始めた2008年以降過去最多だったと消防庁が発表。搬送直後に死亡が確認されたのは20人、重症は485人。都道府県別の搬送者数は東京(2768人)が最多で、埼玉(2065人)、愛知(2027人)と続いた。5~8月の搬送者数は9万2326人で、2013年6~9月の5万8729人を大幅に上回った。(9月20日、読売)

▶〔救命処置で表彰〕千葉県船橋市の東消防署は、心肺停止した男性(54歳)にAEDを使用するなどして救命処置をした保育士(27歳、女性)ら3人を表彰した。3月9日午後6時ごろ、バス停近くで男性が意識を失って倒れたことから、この3人が救急車要請とAED処置などをしたもの。男性は救急車で病院に運ばれ、回復したという。保育士は「男性は意識がなく、唇が紫色だった。コンビニにAEDを置いているのを知っていたので急いで取りに行った。初めての経験だったが、勇気を出してやってよかった」と振り返った。(6月24日、産経新聞)