2020年のニュース

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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)
(12月29日)
▶〔保育園に車が突っ込む〕12月26日昼過ぎ、北海道札幌市中央区で車3台が絡む事故があり、うち1台が近くのビル1階の保育園に突っ込んだ。園職員2人と2~4歳の園児5人の少なくとも計7人がけがを負った。いずれも意識はあり、命に別条はないという。現場は、JR札幌駅から西に約2キロ。

▶〔園のワゴン車が衝突〕12月17日昼過ぎ、山口県山口市の市道の交差点で、幼稚園の送迎用ワゴン車と軽ワゴン車が衝突した。園児8人を含む10人が病院に運ばれたが命に別条はないという。 現場は信号機のない交差点。送迎車には園児8人と職員1人、70代の男性運転手が乗っていた。

(11月18日)
▶〔火事で園が全焼〕11月3日(休日)午後4時すぎ、福岡県宇美町の保育園で火事が発生、「屋根から火が出ている」と近隣住民から119番通報があった。消火活動は3時間にわたって続けられ、木造平屋の建物約500平方メートルが全焼した。火事が起きる前に近くでたき火をしていた人がいたが、火事との関係は今のところない。

(10月22日)
▶〔風邪薬を誤投与〕三重県伊賀市の市立保育園で10月20日、保育士が0歳児に誤って2人分の風邪薬を投与した。児の体調に異常はみられないという。午前11時30分ごろ、児に鼻水やたんを抑える薬1袋を服用させる際、4歳男児の保護者から預かった同じ薬とせきなどを抑える別の薬も入った風邪薬の計2袋を与えたもの。薬は職員室で管理し、投与する場合は他の職員と2人でチェックすることになっていたが、担当の保育士は単独で投与した。職員室に戻ってきた園長が誤投与に気付いた。薬と保護者からの依頼書を一緒に保管せず、別にしていた。〔掛札コメント〕「よほどの必要がない限り、園では投与しないとかかりつけ医に伝えて」と4月、保護者に言いましょう(こちらA-3の項目5)。病院ですら深刻な誤投与が起こるのですから、園で起きて当然。起きてほしくないというなら、「園で与薬して」と保護者が言わない。きわめて単純です。保育園は医療機関ではないし、医療機関であってもリスク・ゼロはありえない。

▶〔スプレー糊を吸い込み搬送〕兵庫県加古川市の市立小学校で10月16日、スプレー缶の糊を使った図工の授業中に、8人が体調不良を訴え、病院に搬送された。男性講師が、廊下で児童の作品の仕上げのため、スプレー缶に入った糊を吹き付けていたところ、教室内にいた6年生20人が喉の痛みや頭痛などを訴えた。当時、廊下と教室の間のドアは開いていて、教室内の窓は1つしか開いていなかったという。

(10月1日)
▶〔園バス事故で軽傷〕9月25日午前8時半頃、愛知県稲沢市内で、18人が乗った保育園のバスが右から来た乗用車と出合い頭に衝突する事故があった。16人の園児のうち、1歳から6歳の4人が病院に搬送されたが、いずれも軽傷。現場は信号のない交差点で、乗用車側の道路に一時停止線があったという。

▶〔駅ビルで壁面の御影石がはがれ落ちる〕JR札幌駅の駅ビル「JRタワー」で9月22日未明、壁面デザインの一部がはがれ、重さ5.1~7.6キロの御影石6枚が歩道に落ちているのが見つかった。JRタワーイーストの駐車場棟の東側。2003年の開業時から厚さ2.5センチの板状の御影石が接着剤で多数貼り付けられている。約7メートルの高さにあった縦82センチ、横12センチの3枚、縦75センチ、横8.5センチの3枚がはがれた。

(9月21日)
▶〔バスケットゴールの部品でケガ〕長野県須坂市の市民体育館で9月14日、バスケットゴールの部品が落ちて、ゴールを収納しようとしていた中学生に当たり、頭を2センチ切るケガをした。落下した部品は長さ約1.2メートル、重さ3キロの鉄の棒でゴールを収納するための部品だという。部品を止めていたネジが緩んでいたことが原因とみていて、今後、定期的に専門業者の点検を行うとしている。

(9月9日)
〔ブドウで誤嚥窒息死〕9月7日、東京都八王子市の幼稚園で、4歳児が給食で出たブドウ(直径約3センチ)をのどに詰まらせて死亡。児が苦しそうにしているのを教諭が見つけ、搬送したがまもなく死亡した。ブドウは、皮をむいた状態で1人あたり3つ出ていたという。当時は、25人の園児が給食を食べており、児の異変に気付いた教諭が応急措置を行った。〔掛札コメント〕報道の中に「目を離さないで」といった言葉がありましたが、誤嚥窒息は目の前でも起き、すぐに気道内異物除去をしても出ないことのある事象です。大きなブドウは丸のままのミニトマトと同様の大きさ、形状(球形に近い)、材質(すべりやすい)。「白玉とミニトマトをやめておけばいい」ではありません。2-24(誤嚥・誤飲)をご参照ください。

〔送迎バスに子どもを置き去り〕福岡県久留米市の送迎保育事業で、市中心部と保育園を結ぶ送迎バスの担当保育士らが2歳児を降ろし忘れ、車内に置き去りにした。9月3日に同市が発表。同日午後4時頃、児は城島町の園から保育士2人に引率され、他の園児16人とバスに乗車。同27分頃、市中心部の送迎保育ステーションの駐車場に着いた。下車後、子どもが1人足りないことに気づき、施錠された車内に戻り、同40分頃にチャイルドシートに座っていた児を見つけたという。児に熱中症の症状などはなかった。〔掛札コメント〕「10数分で気づいたからよかった」? いいえ。絶対に起こしてはならないタイプのできごとですし、声出し指差し確認や照合をしていれば予防できるできごとです。熱中症だけでなく、チャイルドシートに座っていたのであれば、子どもが動くことによるベルトによる絞扼(こうやく)も起こり得ます。

(8月17日)
▶〔液体せっけんの「すりかえ」は事件性ナシ〕東京都江戸川区の都営新宿線船堀駅前の区立公衆トイレで6月、手洗い用の液体せっけんを使った男性が手に異常を感じ、容器がすり替えられ、中身が強酸性の液体だったことが判明した問題で、警視庁が事件性はないと判断したことが7月30日、分かった。もともと設置されていた容器は、清掃を委託されている民間業者の従業員が回収。新たな容器が置かれたが、業者の従業員が誤って強酸性の洗浄液を補充した可能性があるとのこと。新たな容器が置かれた経緯は不明だが、もともとの中身は消毒液のエタノールで忘れ物だった可能性もある。同署は、利用者に危害を加える意図はなく事件性はないと判断した。〔掛札コメント〕忘れ物?? よくわかりませんが…。

(7月28日)
▶〔園バスと作業車が正面衝突〕7月20日正午頃、新潟県新潟市中央区の県道で保育園の送迎バス(園児16人)と高所作業車が正面衝突、バスの60代の男性運転手が脚を骨折する重傷(後の報道では骨折ではない)、保育士1人と園児8人が軽傷を負った。作業車の30代の男性運転手も軽傷。現場は片側1車線の直線で、バスは対向してきた作業車と衝突。22日、原因は作業車の運転手の居眠りの可能性が高いことがわかった。

▶〔駅ビルから懸垂幕の部品が落下〕7月19日午後3時頃、山梨県甲府市のJR甲府駅駅ビルで懸垂幕の枠の金属製部品が歩道に落下した。けが人はいない。経年劣化が原因と見られる。落下したのは横119センチ、縦10センチのステンレス製で、重さは1.3キロ。 高さ14メートルに設置されていた。点検の結果、8つある懸垂幕の枠のうち1つが同じように落下防止用の部品が外れていたため、針金で固定する応急処置を行った。

(7月19日)
▶〔高さ3メートルの遊具から転落〕7月16日、北海道千歳市のキャンプ場で2歳児が遊具から転落した。遊具の階段を上る際、高さ2.5メートルの所で母親の目の前で足を滑らせて転落した。一時意識不明だったが回復し、頭部骨折の重傷で入院中。遊具は。6月1日にも3歳児が転落する事故が起きている(軽傷)。市は当分の間、遊具を使用禁止にした。


▶〔消防学校で学生が水死〕山口県山口市の県消防学校で6月10日、水泳の訓練中、21歳の男子学生が溺れて亡くなった。屋外プールで水難救助の訓練をしていたところ、この学生が溺れ、気づいた教官や学生がすぐに引き上げて心臓マッサージをして病院に搬送したが、11日朝、死亡したという。 プールの深さは約2メートルで、その時は約50人の学生が「立ち泳ぎ」の訓練をしていた。6人の教官がプールサイドで指導・監視していた。 学生の体調に異常はなかったという。

▶〔日本脳炎ワクチンを2倍量接種〕長崎県長崎市は6月13日、定期予防接種を委託している市内の医療機関が5月末、日本脳炎ワクチンの接種に来た1歳児に誤って2倍量を接種したと発表した。健康状態に異常はないという。6月23日に市が報告書を確認して発覚した。

(7月8日)
▶〔公園であずまやが倒れて大ケガ〕去年4月、愛知県扶桑町の県営公園で休憩場所のあずまやが倒れた事故を巡り、公園の管理事務所の所長ら3人が業務上過失傷害の疑いで書類送検された。鉄製の支柱が根元から折れて倒れ、下で座ろうとした女性が右足を挟まれ骨折する大ケガをした。月に一度、あずまやに腐食など異常がないか点検することになっていたにもかかわらず、行われていなかったという。調べに対し、3人はいずれも、点検を怠った容疑を認めているという。

(6月30日)
▶〔園庭の石塀が崩れる〕長崎県長崎市の市立保育所の園庭にあった石塀の一部が6月19日午後2時ごろ崩れた。大きな音に気付いた職員が確認したところ、幅6メートル、高さ2メートルにわたり崩れていた。当時、園庭には誰もおらずケガ人はいなかった。石塀は建築基準法を満たしておらず、市は今年度中に撤去を予定していたが、コーンや柵の設置など安全対策はとられていなかった。


▶〔駅のエスカレーターで将棋倒し〕6月25日午後1時過ぎ、東京都豊島区のJR池袋駅構内の下りエスカレーターで「将棋倒しになって人がけがをしている」と119番通報があった。50代の男性が突然、意識を失って倒れ、男性の前にいた80代の男性2人と50代の女性ら2人が巻き込まれた。3人が軽傷です。最初に倒れた男性は意識を回復し、命に別状はないという。〔掛札コメント〕エスカレーターもそうですが、今は(特に下りの階段で)スマホを見ながら歩いている人がけっこういます。私、急いでいない時は人波がなくなるまで階段を下りません。落ちてくる人の巻き添えになるなんて、まっぴらごめんです。

(6月22日)
▶〔洗浄用液体せっけんが刺激性の液体にすりかえ〕東京都江戸川区の都営新宿線の駅前公衆トイレ設置されている液体せっけんが、強い酸性の液体にすり替えられていたことがわかった。業務妨害容疑などを視野に警察が捜査し、成分やすり替えの経緯を調べている。区によると、液体せっけんはポンプ式のボトル入りで、16日午前、利用者から「使用したら手がピリピリした」と電話で相談があった。現場を確認した区職員が、設置されていたボトルとは違うボトルに入れ替わっているのに気づき、警察に相談した。

(6月11日)
▶〔園バスと乗用車が出合い頭事故〕岐阜県笠松町の交差点で6月10日朝、幼稚園バスと乗用車が出合い頭に衝突した。ケガ人はいない。バスには園児9人等あわせて12人が乗っていた。現場は住宅街の中にある見通しの良くない交差点で、信号はなく、乗用車の側に一時停止の標識があったという。

(6月1日)
▶〔手すりが腐食? 転落死〕5月29日午前8時すぎ、北海道釧路市の路上で女性が倒れているのが見つかった。病院に搬送されたがまもなく死亡確認。飲食店が入るビルの7階の階段から転落したとみられ、倒れていた近くに手すりの一部が落ちていたという。階段には、あるはずの手すりがなかった。ビルの階段の手すりが腐食していた可能性がある。〔掛札コメント〕こういうこともあるんですね…、ということで。

(5月7日)
▶〔2キロの鋼鉄製部品が落下〕5月5日午前11時過ぎ、東京都港区の新橋駅近くで、JRの架道橋から重さが2キロ余りある鋼鉄製の部品が下の道路に落下しているのが見つかった。JR東日本によると、けが人などの連絡は入っていないという。部品は橋の桁と桁の間を覆う鋼板を固定する「アングル」と呼ばれるL字の形をしたもので、幅28センチ、奥行きと高さがそれぞれ7.5センチ、重さはおよそ2.4キロ。部品は昭和40年ごろに付けられ、2年に1度、目視点検を行っており、去年8月の点検では異常は無かったという。

(4月30日)
▶〔ブランコ落下でケガ〕長崎県佐世保市で4月23日、市内の公園に設置されたブランコ上部のつり金具が壊れてブランコが落下し、遊んでいた11歳児が足を捻挫するなどのけがをした。市が管理する公園のすべての遊具について、安全が確認されるまで使用禁止にする。ブランコは2004年に設置、昨年10月に安全点検をしたが、問題は見つからなかった。つり金具の破損は、磨耗と劣化が原因とみられる。同市では4月12日にも別の公園でスプリング遊具が破損し、子どもがけがをした。

▶〔10倍の抗けいれん薬を処方〕2月12日、兵庫県立尼崎総合医療センターの男性小児科医が未就学児に適正量の10倍の抗けいれん薬を処方した(4月28日)。児は一時、軽度の意識障害を起こし救急搬送されたが、その後回復したという。受診した児を胃腸炎の一種と診断した医師は、本来、1日1回70ミリグラム処方する抗てんかん薬を誤って電子カルテに「700ミリグラム」と入力。院外薬局からファクスで容量を疑う照会もあったが、医師は服用回数の件だと誤認し、そのまま処方したという。翌日昼に児が自宅で服用、すぐに軽度の意識障害を起こし救急搬送された。回復したため同16日に退院。同センターには、電子カルテに処方の上限量を超えて入力すると警告するシステムがあったが、成人の基準値(1200ミリグラム)しか設定していなかった。今後は子どもの年齢ごとの基準値を設定するという。

(4月20日)
▶〔ブランコの鎖が切れる〕滋賀県彦根町の公園で4月17日午後3時過ぎ、ブランコの鎖が切れ、小学校5年生が落ちる事故。鎖骨などを折り、病院に搬送されたが、命に別条はない。ブランコのいすの部分と鎖をつなぐ金具が壊れたとみられる。

▶〔送迎バス衝突で搬送〕4月14日午前8時半ごろ、新潟県新潟市の交差点でこども園の送迎バスと普通乗用車が出会い頭に衝突、バスに乗っていた園児12人中6人があごなどの痛みなどで搬送された。信号機のない十字路交差点で、普通乗用車側に一時停止の標識があった。

(4月4日)
▶〔規定の間隔を置かず、ワクチン接種〕熊本県上天草市の医療機関が、規定の間隔を置かず、同市の5歳児と6歳児に日本脳炎ワクチンを接種した。2回目と3回目は6カ月以上空ける必要があるが、ともに同じ医療機関で1月14日に2回目、2月25日に3回目の接種をした。医療機関側が、通常よりも短い間隔で接種可能な特例接種対象者と誤認していたという。接種後、医療機関から予診票を受け取った市が気付いた。

(3月26日)
▶〔保育園の車同士で追突〕3月25日午後3時過ぎ、沖縄県南城市の市道で、保育園のワンボックスカー2台が衝突。計25人が乗っており、園児9人が軽傷で搬送された。後方を走っていた車が前方の車に追突して起きた。追突した車を運転していた保育士は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」などと話している。「お別れ遠足」からの帰宅途中だった。

▶〔犬に咬まれて死亡〕3月20日夕方、富山県富山市の住宅の敷地内で、この家に住む男性の孫(11か月児)が飼い犬2頭に頭を咬まれ、出血性ショックで約2時間後に死亡。男性も足をかまれて軽いけが。犬はグレート・デーンの6歳、雄で、体長120センチ、体重は80キロ。敷地内の柵の内側で飼われていて、男性が子どもを抱えて餌の皿をとりに入ったところ、襲われたという。

▶〔有効期限切れのワクチンを接種〕長崎県長崎市内の医療機関で2月7日、有効期限が過ぎた麻しん風しん混合ワクチンを、6歳児に接種。医療機関から届いた予防接種の報告書を市が確認していた際、ワクチンの有効期限が11日過ぎていたことに気づいた。医療機関でのチェックが不十分だったことが原因。

(3月21日)
▶〔駐車場を通り抜けようとして死亡事故〕大分県宇佐市の飲食店の駐車場で、3月14日夜、食事を終えて家族と店を出た直後の3歳児が軽トラックにはねられて死亡した。運転手(71歳、男性) は交差点を避けて駐車場を通り抜けようとしていて、「気が付いたが、間に合わなかった」と話しているという。〔掛札コメント〕園と無関係の交通事故ですが、「交差点を通らないために駐車場を通り抜ける」なんてやめてください。交通事故は、被害者はもちろん、加害者も不幸にします。

(3月15日)
▶〔集団予防接種で1本の針を2人に使った可能性〕京都府八幡市の母子保健センターで3月10日、乳児39人にBCGの集団予防接種をした際、1本の接種針を誤って2人に使った可能性が高いと、同市が11日、発表した。医師が接種した後、接種済みの針が38本しか確認できなかったという。

(2月23日)
▶〔園バスにひかれて死亡〕2月18日午後3時10分頃、栃木県小山市の市道で、1歳児が幼稚園の送迎バスにひかれ、搬送先で死亡が確認された。運転手(65歳)が自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、その後、容疑を致死に切り替えた。バスには児の姉が乗っていた。園職員が姉を母親に引き渡して発車した直後に男児がひかれたという。児は自宅から1人で外に出て、車道に出たとみられる。

▶〔鎮静剤投与ミスで口頭弁論〕東京女子医大病院(東京都新宿区)で2014年2月、鎮静剤を成人許容量の2.7倍、投与された後に死亡した2歳児の両親が、病院の医師らに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が2月20日、地裁であった。この児は首の良性腫瘍の手術を受け、手術後の集中治療室で、人工呼吸中の子どもへの使用が「禁忌」とされる鎮静剤を大量投与され、その後死亡した。 一方、手術執刀医(耳鼻咽喉科)は「担当によっては得意としないこともあるため、(患者の)全身管理はICUを中心にやっていた。何か異常があれば、ICUから連絡が来ることになっていた」と主張した。この件については、病院側が術後の安全管理を怠った疑いがあるとして、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。厚生労働省は2015年6月、同院について高度医療を提供する特定機能病院の承認を取り消した。〔掛札コメント〕医療現場でもこのようなミスは起こります。園でも誤食や与薬ミスは起こるという前提で対応を(A-3の項目5の内容)。「うちの園で起こるはずがない」が一番危険です。

(2月18日)
〔節分の豆による窒息事故続報〕島根県松江市が2月13日に行った記者会見によると、4歳児は2月3日午前に教室で煎り豆を食べた後、午前11時前に部屋を移動、豆まきに参加した。他の園児が豆を投げるなどしている最中に、鬼役の保育士が床にあおむけで倒れている児に気づいた。病院に搬送されたが1時間後、死亡が確認された。大豆が水分を含んで気道をふさいだことによる窒息死。遊戯室では20人の児童に対し、鬼役も含めて8人の保育士が対応していた。発見時は誤嚥の認識はなく、自動体外式除細動器(AED)などによる心肺蘇生を行ったという。〔掛札コメント〕「誤嚥の認識がなかった?」…。認識があろうがなかろうが、胸骨圧迫はしたのでしょうか。原因を何と類推しようと、「息をしていないようだから、脳を守るためにとにかく胸骨圧迫。そして、人工呼吸」です。AEDは手近にあって、使えたら使います(詳しくは「保育の安全シート」の2、訓練用動画)。

(2月13日)
〔節分の豆で窒息死・毎日新聞〕島根県松江市の松江認定こども園(鉄道弘済会)で2月3日午前、節分の行事中に4歳児が豆を喉に詰まらせて死亡していたことが2月12日、市などへの取材で判明した。園は事実を公表しておらず、市や島根県警は詳しい経緯や園の安全管理に落ち度がなかったかを調べている。児はすぐに救急車で市内の病院に運ばれたが、気道閉塞で死亡が確認されたという。市は6~8日に園の保護者に事情を説明し、市内の全保育施設に報告と注意喚起をした。〔掛札コメント〕2月5日、サイト冒頭に載せていた事故がこれです。報道されたのですね。今の時代、隠し通せるわけがありません。「事実を未公表」という、本来なら付かなくてすんだはずのマイナス点が付いてしまったわけです。
 そして、「本物の豆を園でまく理由/価値」と「子どもが突然、亡くなってしまうリスク」を天秤にかけたら、園でまく必要などないということがすぐわかるはずです(「節分ごっこをやめろ」とは言っていません。「本物の豆には誤嚥の深刻なリスクがあるから、本物の豆をまかないで」と言っているのです)。下の誤嚥事故のように「人間は食事をしなければいけない」という話とはまったく違うのです。
 5日に書いた要点を再掲しておきます。「4歳なのに?」「4歳になれば安全とは誰も言っていません」、「ふざけて食べたのでは?」「子どもの責任にするのですか?」、「保育者が見ていなかったのでは?」「目の前でも詰まり、出てこないことがあるのが誤嚥窒息です」。そして、誤嚥を含め、「息ができない深刻なできごと」は、「さようなら」を言う間もなく死んでしまう(または脳に障害が残る)という点で、きわめて深刻です。

〔1歳児が食事中に死亡〕2月12日昼前、大阪府大阪市城東区の認可保育園で、1歳2か月児がのどに何かを詰まらせたと救急通報があった。児は搬送先の病院でまもなく死亡した。児を含め0~1歳児の9人が11時頃から同じ部屋で昼食を取り始め、職員3人で見ていた。刻まれたリンゴや、パン、トウモロコシ、ハンバーグなどのメニューだった。午前11時半すぎに児の異変に気づいた職員が背中をたたいて救命措置をしたが、搬送時は心肺停止の状態だったという。 〔掛札コメント〕メニュー名だけを見ると、「0~1歳児に?」と不思議に思いますが…。食べ物がどのような状態であったのかも含め、細かく検証していただきたいところです。

(2月12日)
▶〔園バス事故で軽傷〕2月10日午後2時40分頃、埼玉県蓮田市の県道で幼稚園児など約10人が乗ったバスが対向車線のトラックと衝突し、園児など4人が軽いけがをした。トラックが直前に歩道と車道を区切る石にのりあげたため、運転手がアクセルを強く踏んで車道に戻ろうとしたところ、対向車線を走っていたバスの側面にぶつかったとみられる。現場は片側1車線の直線道路。

▶〔エア遊具が横転してケガ〕2月9日午後2時ごろ、山形県山形市にある商業施設で、空気で膨らませて作った大型の滑り台(エア遊具)が横転。当時6人が遊んでおり、子ども4人が軽いけがをして病院で手当てを受けたという。遊具は高さ5メートル50センチ、奥行きが9メートルの大きさで、東京に本社のあるイベント会社の仙台営業所が8~9日の2日間の予定で設置していた。

▶〔スノーモービルが人の列に突っ込む〕2月8日昼前、北海道岩見沢市のイベント会場で、男性が運転するスノーモービルが体験乗車のため待っていた小学生らの列に突っ込んだ。子ども5人と保護者2人が軽傷。体験乗車を手伝っていた男性が前に乗せていた子どもの肘がアクセルレバーに接触したとみられる。

(1月29日) ▶〔バス運転手が体調不良で4キロ走る〕宮城県名取市で1月22日朝、小学生33人を乗せたスクールバスの運転手(63歳)が体調不良(糖尿病による低血糖のもよう)を起こし、通常のコースを外れて18分間、約4キロ走った。左折し小学校に向かうところを直進、赤信号では止まったものの青になっても発進しないなど、不自然な走行を続けた。この間、児童数人が声をかけたが、運転手は反応しなかったという。バスはその後、停止。近くの人が運転手に話を聞いていたところ、児の一人が窓越しに「SOS」と書いたノートを見せたため、この人が警察に通報。運転手は救急車で病院に運ばれ、快復した。

▶〔小児医療センターで医療ミス〕2019年8月、群馬県立小児医療センターで、入院していた10代患者の呼吸を確保するため、気道に入れていた管が抜けていたことに看護師が気づかずに一時、患者が心肺停止になり、意識が戻らないまま脳に重い後遺症が残った。1月23日、センターが会見を開いて明らかにしたもの。患者のデータが異常を示した際、対応にあたった看護師が機器の故障と思い込み、患者の首から気道に入れられていた管が抜けて呼吸が止まっていたことに気づかなかったという。〔掛札コメント〕病院を悪く言うつもりはありません。ですが、もともと医療の世界にいた者としては、医療現場ですら人的ミスが起こるのに、「園でミスをなくせ」と言われても無理だと声を大にして言いたいのです。人間はミスをする生き物です。ミスを減らすきわめて具体的な取り組み(×「注意します」、×「気をつけます」、×「緊張感を持って」)、誰かがミスをしても、別の誰かが気づけたり、機械が気づけたりする仕組みづくりこそ大事です。「ミスをゼロにしよう!」とできないことを叫ぶより。

(1月23日)
▶〔園バス事故〕1月21日午前9時前、茨城県稲敷市の信号がある交差点で、認定こども園の園児ら10人が乗ったバスと軽トラック(70代男性が運転)が衝突した。園児らに目立ったケガはないが、念のため病院に搬送。

(1月19日)
▶〔石膏ボードを踏み抜き、3メートル転落〕愛知県名古屋の市立中学校で昨年12月27日、部活動の時間中に1年生が体育館の屋根裏から転落し、足の骨を折る大ケガをした。屋根裏に入ったところ、石膏ボードの底が抜け、約3メートル下の階段に転落した。屋根裏へ行くには梯子を上る必要があり、普段人が立ち入ることはないため、入り口部分に鍵は取り付けられていなかった。生徒は学校側の聞き取りに対し、「掃除をするために入った」と話しているが、清掃を指示した顧問教師は「目の届く範囲で掃除するように」と伝えていたという。

▶〔工事の塗料が子どもにかかる〕1月16日午後3時40分頃、大阪府大阪市住之江区の市立小学校の中庭で、工事業者がウインチで引き上げる際、一斗缶を誤って落とした。入っていた塗料が飛び散り、顔や体にかかるなどして児童8人と職員1人が病院に運ばれた。症状は軽いという。業者は校舎の外壁改修などの工事中だった。

(1月8日)
▶〔小学生の顔をメラミンスポンジでこする〕三重県伊賀市の学童保育施設で12月23日、70代の支援員が小学2年生の顔をメラミンスポンジでこすり、軽い炎症を負わせた。ほおについた油性ペンの線を手洗い場で落とそうとした際、清掃用に置いてあったスポンジで顔をこすったという。児の顔には直径約2センチの赤い痕ができ、通院。現在は完治しているという。

▶〔身長制限に違反して事故〕栃木県宇都宮市の動物園で1月3日、6歳児が身長制限に達していない(140センチ以上のところ約130センチ)のを知りながら係員がゴーカートに一人で乗車させ、車が鉄柵に衝突、子どもが重傷を負った。


事故:予防や訴訟、調査委報告など

(11月4日)
〔散歩中の滑落事故で報告書〕(報告書は役立つリンク)昨年10月、京都府大山崎町の町立保育所で4歳児が園外保育中、天王山で滑落し、頭に重傷を負った事故で、外部委員による検証委員会が報告書を提出した。児は安全柵のない急斜面の山道から約3.6メートル滑落。事故当時、谷にかけられた幅約1.5メートルの欄干のない橋を園児が1人ずつ渡るという勇気だめしのような「チャレンジ」が行われていた。渡り終え、待機場所にいた児が職員のところに行こうとして斜面から滑り落ちた。検証委は、保育所の散歩コースとして安全性を欠き、不適切であったことが事故発生の最大の要因と指摘。柵のない山道での散歩を日常的に行っており、安全確保の意識が薄かったと指摘した。管理態勢についても、園児14人に対し、引率が正規と臨時の職員計2人で、待機中の園児への注意や監視が行き届く状況ではなかったとした。

▶〔県が特別立ち入り調査を実施せず〕昨年2月、生後6カ月児をうつぶせに寝かせ窒息死させたとして、元施設長ら2人が地裁判決で有罪となった鹿児島県出水市の認可外保育施設を巡り、県が人員不足を指摘し、改善報告書の不備も把握しながら、「必要に応じて行う」と定められている特別立ち入り調査を実施していなかったことが10月22日わかった。この施設に対し、県は2014、16、17年度に通常の立ち入り調査を実施し、14年度には人員不足を指摘。16、17年度は、施設長が口頭で「人員は足りている」などと述べたが、出勤簿や勤務表などの書類がなかったため、提出を求めた。3回の調査後、施設は業務多忙などを理由に、締切を1ヵ月半~3ヵ月半すぎて報告書を提出。書類の添付もなく不備があったが、特別立ち入り調査はしなかった。県は「提出があったため、改善状況は翌年度確認することにした」としている。

▶〔網戸を動かすヒモによる死亡で提訴〕網戸を上下に動かすひもに首が引っかかり、6歳児が死亡したのは製品の欠陥が原因だとして、兵庫県内に住む両親らがアルミ建材大手「YKK AP」とリフォーム業者に計約8000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。児は2019年11月18日午後、自宅で網戸のひもが首に引っかかった状態で家族に発見され、病院搬送後に死亡が確認された。事故は、リフォームで網戸を設置した直後に発生。輪状になった樹脂製のひも(約175センチ)を引くと、窓枠の上部に収納された網戸が下まで引き出せる構造だった。両親側は、網戸の本体に事故を警告する表示がなく、一定の重さがかかるとひものつなぎ目が外れるなどの安全対策が取られていないと指摘。製品には、子供の手が届かない高さにひもを束ねるクリップが付属しており、このクリップには事故への注意を促す表示があった。しかし、出荷時にクリップはひもに装着されておらず、両親側は「使用の必要性を認識できる状態ではなかった」と言及。リフォーム業者についても、クリップを袋に入れたまま放置し、使い方を説明しなかった責任があるとしている。 YKK APは訴えに対し、「製品自体に欠陥はないと主張していく」と答弁。

(10月22日)
▶〔うつぶせ窒息死で判決〕鹿児島県出水市の認可外保育施設で昨年2月、生後6カ月児がうつぶせで窒息死、業務上過失致死の罪に問われた元施設長(男性、39歳)と元保育士(女性、34歳)に10月21日、地裁判決が言い渡された。元施設長は禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)、元保育士は求刑通り罰金50万円。「元保育士にうつぶせ寝をすると寝付きが良くなるなどと伝え、いつ重大事故が起きてもおかしくない状況をつくった過失は大きい」と指摘。同施設では当時、県の基準を上回る18人を預かっており、元保育士に「能力を超える人数を保育せざるを得ない状況はあったが、保育士としての基本的な注意義務を欠いた」と述べた。〔掛札コメント〕「保育士としての基本的な注意義務」って言いますけど、それ、たとえば養成校で明確に教えてるんですか? 保育士だけでなく、運営者にも義務として教えなければダメですよね。

▶〔4か月児死亡で市と和解〕2010年、神奈川県横須賀市認定の「家庭保育福祉員(保育ママ)」に預けた生後4か月児が死亡した事故を巡り、母親が市と福祉員に損害賠償を求めた訴訟で、横須賀市は10月13日、東京高裁で母親と和解したと明らかにした。5月の地裁判決は市と福祉員の責任を認め、約5250万円の支払いを命じた。和解条項では、市は全ての保育事業において、安全に最大限の注意義務を尽くすよう努力し、遺族は市への賠償請求を放棄する、としている。母親と福祉員の訴訟は東京高裁で係争中。

(10月22日)
▶〔イベントの火災死亡事故で、大学教員は不起訴不当〕明治神宮外苑(東京都)のイベント会場で2016年、日本工業大学の学生が出展したジャングルジム形の木製作品が燃え、5歳児が死亡するなどした火災で、業務上過失致死傷容疑で書類送検された同大教員の男性を不起訴にした東京地検の処分について、東京第五検察審査会は「不起訴不当」と議決した(10月1日付)。「学生を指導、監督する者としての注意義務を尽くしたとは言えず、不起訴は納得できない」と指摘した。火災は、作品内で点灯させていた投光器の白熱電球の熱が飾りの木くずに伝わって起きた。中で遊んでいた幼稚園児が焼死し、父親もやけどの重傷を負った。地検は2019年8月、学生2人を重過失致死傷罪で在宅起訴する一方、教員とイベント主催会社の3人の計4人は不起訴とした。検察審査会はイベント会社の3人の処分については「不起訴相当」と議決。

(8月17日)
▶〔うつぶせ寝死亡で起訴〕鹿児島県出水市の認可外保育施設(廃業)で去年2月28日正午頃、生後6か月児をうつ伏せ寝させたまま放置し窒息死させたとして、保育士(34歳)と経営者(39歳)が 業務上過失致死の罪で起訴された。この施設では18人を預かっており、県の基準では3人以上の保育従事者が必要だったが、職員はこの2人だけだったという。8月12日に行われた初公判で、2人は起訴内容を認めた。検察側は「経営者が、子どもがあおむけで寝ない場合はうつぶせにして背中をさすって寝かすよう保育士に指導していた」と指摘。また、2018年4月以降、県などから保育士の人数不足を指摘されていたにもかかわらず、改善していなかった。

(7月19日)
▶〔病院のベッドから転落で損害賠償〕鹿児島県鹿児島の市立病院で2007年、生後7か月児が診療中にベッドから転落し、手足や目などに重い後遺症が残ったとして、市に損害賠償を求めていた裁判で、6月15日、市が1億8000万円を支払うことで和解が成立した。 地裁は2016年、「医師などが目を離しているときに転落し、後遺症が残った」として市におよそ1億1400万円の賠償を命じる判決を言い渡したが、市が控訴。高裁で両者の代理人弁護士が協議を行い、今回、和解が成立したという。

(7月8日)
〔検証報告書の内容を修正〕2017年、長野県下伊那郡高森町の町立保育園で、園外保育中、4歳児が墓石の下敷きとなり死亡した事故で、事前に現場を下見したと証言していた保育士(退職)が実際には下見を行っていなかった問題を巡り、町は6月29日、第三者委員会(昨年8月に解散)を再び設置した。第三者委は、「下見が不十分だった」とした報告書の記載を修正し、事故後の町立4園の安全管理業務に関する取り組みを踏まえた新たな提言をまとめる方針。警察は下見をしていなかったと判断し、2月にこの保育士ら5人を業務上過失致死の疑いで書類送検。事故当時の町マニュアルが定めていた「あらかじめ目的地の下見を十分に行う」「当日、状況の変化がないか確認をする」など園外保育の準備に必要な6項目がいずれも順守されていなかった。〔掛札コメント〕事故は事故(意図せずに起きた悪いできごと。悪意は誰にもない)です。ですが、嘘は事故ではなく、意図のもとになされる罪です。嘘も隠蔽も、絶対に許されません。事故の痛みはかすかずつではあっても薄れていくかもしれません。でも、「嘘を言った」「隠した」という罪の意識からは一生、逃れられません。

(6月22日)
▶〔騒音を認めるも、訴えを退ける〕東京都練馬区にある保育園(約10年前開設)の近隣の住民が園児の声がうるさいとして運営会社に騒音を止めるよう求めた訴えについて6月18日、地裁は、(開設から2年程度は)騒音レベルが環境基準を超える傾向にあったと認めたものの、保育園側が園庭遊びを減らすなど音を抑える取り組みをしているとして、住民の訴えを退けた。

▶〔組体操事故の後遺症で提訴〕岐阜県岐阜市の市立小学校で2014年、組体操練習中の事故で後遺症を負ったとして、当時の6年生と両親が市に約5000万円の損害賠償を求めて提訴した(6月17日)。第1回口頭弁論が地裁で開かれ、市側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。この女性は、10人の「4段ピラミッド」の1段目。練習中、上段の児童がバランスを崩し、下敷きとなった。倦怠感や頭痛に悩まされるようになり、2016年11月、脳脊髄液減少症と診断された。「教員は4段ピラミッドが崩落する可能性を予見できたにもかかわらず、回避、軽減のための指導をせず、注意義務を怠った」などと主張している。

▶〔プール事故で事故調報告書〕東京都練馬区の遊園地「としまえん」のプールで昨年8月、小学生が水面に浮いたエア遊具の下に入り込み溺死した事故を受け、消費者安全調査委員会(消費者事故調)は6月19日、ライフジャケットの浮力のため女児が遊具の外に泳いで抜け出すことが困難だったとする調査報告書を公表、遊具の下に呼吸ができる空間を確保するなどの再発防止策を提言した。報告書は、当時5人配置されていた監視員が、誰も事故を目撃していなかったとも指摘した。事故調は、同じタイプの遊具が設置された計26カ所の国内のプールや海水浴場を調査。同様の死亡事故が小学校のプールで2件起きていたことを把握した。〔掛札コメント〕報告書はまだ事故調のサイトに掲載されていないようです。

(6月11日)
▶〔認可外死亡で告訴〕2018年10月、東京都練馬区の認可外保育施設で生後6か月児が死亡した件で、遺族が施設側を業務上過失致死の疑いで告訴した(6月2日に弁護士が会見)。児はうつぶせの状態でぐったりしているのが見つかり、搬送先の病院で死亡した。施設は職員が児にミルクを飲ませて寝かせたあと、30分ほど目を離したと説明しており、都の検証委員会の報告書では施設が睡眠時の見守りの重要性を理解せず、経営の厳しさから園児を多く受け入れ、無理が生じていたと指摘。死因は吐いたミルクをのどにつまらせたことによる窒息死の可能性があると警視庁から説明されたという。

▶〔認可外死亡で市の責任も認める。市は控訴の方針〕2014年7月、栃木県宇都宮市の認可外保育施設で生後9か月児が死亡した件の裁判で地裁は、市の責任も認め、総額で6300万円余りを支払うよう命じる判決を言い渡した。児は熱中症で死亡。体調を崩した子どもに施設が医療措置を行わなかったほか、施設内で虐待が行われていると通報を受けていた市が適切な調査や指導を行わなかったなどとして、市と施設側に対し合わせて約1億1400万円の損害賠償を求めていた。6月3日の判決では、児に下痢や発熱の症状があったのに対し、「元施設長は、水分補給などや医師の診断や治療を受けさせる義務を怠った」と施設側の責任を指摘。市については、複数の通報を受けて行った立ち入り調査を、事前通告せずにできたのに事前通告したことに対して、「虐待的保育を防止するうえで極めて不十分だったといわざるをえない。適切な調査が行われていれば、死亡は発生しなかった蓋然性が高い」として市の責任も認め、賠償金の一部は市も連帯して支払うよう命じた。施設の元施設長は保護責任者遺棄致死などの罪で起訴され、4年前に懲役10年の判決が確定している。
 その後、市は6月4日、市側の過失を認め賠償を命じた宇都宮地裁判決を不服として控訴する方針を明らかにした。同日の市議会運営委員会で関連議案を提出すると説明。

(6月1日)
▶〔4か月児死亡で市と保育ママの責任を認める〕神奈川県横須賀市が認定した家庭保育福祉員(保育ママ)の自宅で2010年、4か月児が死亡した事故をめぐり、母親が損害賠償を求めた裁判の判決が5月25日、地裁であった。市と元保育ママの責任を認め、5257万円の支払いを命じた。判決では、児がミルクを吐いて気道に詰まらせ、窒息死したと認定。当時の知見では0歳児は5~10分に1回は呼吸や顔色の確認をすべきなのに、市は研修で15分間隔の確認を求めるにとどまったと指摘。さらに、児は寝返りができないベビーラックに寝かされており、指導より短い間隔で確認する注意義務があったのに、15分間隔の確認で異変に気付かなかったとした。
 その後の5月28日、市は判決を不服として控訴する方針を表明。「国の指針に基づき、福祉員に適切な指導研修を行っていた」としている。

▶〔振り回した水筒で視力低下、損害賠償判決〕香川県高松市の市立中学校で2015年、放課後の廊下で同級生が振り回していた水筒が目に当たり視力が低下したなどとして、男性が当時の同級生と母親、同市に計約1810万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁は5月22日、同級生に対し約1010万円の支払いを命じた。同級生が水筒を持った右手を勢いよく振り上げながら振り返った際に事故が生じたと認定。「当時中学生だった被告にとっても事故は十分予見可能だった」と指摘し、漫然とした行動で過失があると認めた。

(5月22日)
▶〔メラミンスポンジのやけどで地裁に書類を送る〕京都府京都市右京区の認可保育園で昨年6月、3歳児の頬を研磨作用のあるメラミンスポンジでこすってやけどをさせたとして、府警が元保育士の女性を業務上過失傷害容疑で捜査した結果の書類を京都地検に送っていたことが5月22日、分かった。12日付、府警は付帯意見を明らかにしていない。児の頬に付いたペンの跡を消そうとこの保育士がせっけんで洗ったが取れず、メラミンスポンジでこすったもの。冷やすなどしたが、頬は赤く腫れ、病院で全治1カ月のやけどと診断された。

(5月14日)
▶〔プールのエア遊具死亡事故で、損害賠償訴訟〕東京都練馬区の遊園地「としまえん」のプールで2019年8月15日、埼玉県の小学校3年生がエア遊具の下に潜り込んで死亡した事故で、遺族が8日にも、運営会社と親会社の西武鉄道、遊具製造・設置会社、監視業務の委託会社に計約7500万円の損害賠償を求める訴訟を起こす。プールの最大水深は190センチ。身長110センチ以上であれば利用可。ライフジャケット着用が義務付けられ、被害児も身に付けていた。午後1時半ごろ、父親が児を見失い、監視員に「探してほしい」と求めた。監視員がマイクで呼びかけたが水中の捜索は行わず、迷子の窓口を案内したり、「2時まで待つように」と指示したりするのみ。休憩・点検時間の午後2時になって水中の捜索が始まり、児が見つかった。プールには当時、10個以上のエア遊具があったが、遊具の下に潜り込むことを防ぐネットなどは設備されていなかった。また、日本エア遊具安全普及協会が定める「安全運営の10カ条」では、遊具1つにつき最低1人のスタッフを置くべきだとしているが、7人しか配置されていなかった。運営会社の関係者らは児の葬儀に参列したものの弔問に訪れず、裁判外紛争解決手続きの申し立てにも応じなかったという。

(4月20日)
▶〔大津の交通事故で一審判決が確定〕滋賀県大津市で昨年5月、右折車と直進車が衝突して保育園児ら16人が死傷した事故で、右折車を運転して自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われ、禁錮4年6か月の判決を受けた被告が、高裁への控訴を取り下げ、一審判決が確定した。

(4月13日)
▶〔ゴールポストによる死亡で不起訴〕2017年1月、福岡県大川市の小学校で4年生が、授業中、倒れてきたサッカーのゴールポストの下敷きになり死亡した事故で、地検は業務上過失致死の疑いで書類送検されていた当時の校長ら6人を不起訴処分にしたと発表した。安全点検を怠っていたなどとして書類送検されていたが、「起訴するに足りる証拠が無かった」とのこと。

(4月4日)
▶〔墓石の下敷き事故で虚偽の報告〕2018年2月、長野県高森町の町立保育園で、4歳児が園外保育中に墓石の下敷きになり死亡した事故で、担当の保育士が行ったと話していた現場の下見が実際には行われていなかったことがわかった。今年2月、当時の園長と引率した4人の保育士が業務上過失致死容疑で書類送検された際、警察は下見していなかったことを明らかにし、食い違いがわかった。そのため、検証委員会が再度、聞き取りをしたところ、担当の保育士は下見しておらず、さらに事前に作成する園外保育の計画書も目的地が誤っていたことから、事故後に書き換えていたことがわかった。

(3月26日)
▶〔遺族と和解〕神奈川県葉山の町立保育園で2016年、6歳児が転倒し死亡した事故で、町が遺族に約5900万円の損害賠償を支払うことで3月24日、和解した。児は2016年12月13日夕方、園庭で追いかけっこをしていた際、デッキに置いてあったサッカーゴールの網に引っ掛かり転倒。園は経過観察とし、児の救急搬送を要請しなかった。児は帰宅後に病院搬送、翌日朝に出血性ショックで死亡した。〔掛札コメント〕検証委員会報告書は「役立つリンク」の「保育・学校事故」に。

(3月21日)
▶〔テントが飛んだ事故で書類送検〕2019年9月、静岡県静岡市葵区の幼稚園で運動会の練習中、強風に飛ばされたテントが園児3人にあたり軽いケガをした事故で、テントに杭を打つなどの安全管理を怠り、ケガを負わせたとして、3月18日、業務上過失傷害の疑いで園長と運動会の責任者だった教諭が書類送検された。

(3月15日)
▶〔死亡事故で和解へ〕2016年12月、神奈川県葉山町の町立保育園で6歳児が死亡した事故をめぐり、同町議会は3月13日の本会議で、町が遺族に計約5900万円の損害賠償を支払う和解議案を全会一致で可決した。この事故では、園長が業務上過失致死の容疑で書類送検されたが、地検2017年に不起訴処分。

(2月23日)
▶〔墓石の下敷き死亡で書類送検〕長野県高森町の町立保育園で2017年2月19日、4歳児が園外保育中、墓石の下敷きになって死亡した事故で、2月19日、当時の園長と引率した保育士4人が書類送検された。園外保育の安全管理を怠り、見守りをおろそかにしたなどとして業務上過失致死の疑い。町と児の両親との間では、損害賠償として約5700万円の示談が成立している。

(2月18日)
〔2017年のプール水死事故で判決〕埼玉県さいたま市緑区の認可保育所のプールで2017年8月24日、4歳児が溺れ、翌日に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元園長と保育士の判決公判が2月14日に開かれ、元園長に禁錮1年執行猶予4年(求刑禁錮1年)、元保育士に禁錮1年執行猶予3年(同)が言い渡された。園長が安全管理義務を怠ったと指摘、保育士は「園児の異変に気が付くのが遅れて最悪の結果になった」とした。一方で、両被告が過失を認め賠償の意思を示していることなどから執行猶予が相当と判断したもの。〔掛札コメント〕「ガイドライン後」ですから、大和市の事故よりも重くなっています。監視をする職員の人生をつぶします。「命の責任はとりきれない」と思う人に監視をさせては絶対にいけません。「プール水死の命と責任のリスク」に対し、「プール活動をする価値」を具体的に言えて、価値がリスクを上回ると言えるのでなければ、プール活動をするべきではありません。「楽しい」「涼しい」「子どもが喜ぶ」は「保育・教育の価値」と言えますか? まして、「プール水死の命と責任のリスク」と天秤にかけられますか? さて、公立保育園の皆さん、いつまでも「全園が横並びに決めないと…」と言っている場合ですか?

▶〔おにぎり早食い競争の死亡で口頭弁論〕JA東びわこ(滋賀県彦根市)が2016年11月に開いたおにぎりの早食い競争で、男性(28歳)が喉を詰まらせ死亡したのは主催者側の注意義務違反が原因だとして、両親が損害賠償約8300万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が1月30日、地裁で開かれた。JA側は請求棄却を求めた。男性は農産物PRイベントに花の販売で訪れた際、おにぎり5個の早食い競争に参加。最後の1個を口に入れ、手を上げて完食を訴えたが、司会に「まだ口に入っているので飲み込んでください」と促された後、喉に詰まらせ、呼吸不全などで3日後に亡くなった。早食いの危険性は同種の死亡事故などで広く認知されていたにもかかわらず、JAは競争を企画し、ルール策定など安全対策も怠ったとしている。〔掛札コメント〕そもそも食べ物で競争なんて、なぜするの?です。JAが食べ物を遊び道具にすること自体、理解できません。

(1月29日)
▶〔扼死事故で損害賠償支払いを命じる〕香川県善通寺市の保育所で2017年、3歳児がうんていに首を挟まれて死亡した事故をめぐり、両親が運営法人と園長、保育士に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1月28日、地裁であった。「遊具の危険性を放置し、組織として過失がある」とし、法人に約3100万円の支払いを命じた。はしごと筋交いの間の角度(約44度)は、業界団体が定めた安全基準(55度以上)より狭かったが、園は購入した遊具について基準や危険性を認識していなかった。判決では、園長と保育士が「事故を予想するのは困難だった」として2人の過失は認めなかった。この事故では、県警が2018年2月、園長を業務上過失致死の疑いで書類送検し、地検が2019年1月、嫌疑不十分で不起訴にしている。〔掛札コメント〕ニュースでは「購入」とありますが、購入ではなくメーカーからの贈与ではなかったかと。いずれにしても、そもそもの過失はメーカーにあるはずで、なぜ、法人はメーカーを訴えないのでしょう。このような形で判例が増えれば、常に「使用していた者の責任」になってしまいます、遊具でも玩具でも、たとえばこんにゃくゼリーでも、メーカーの責任はどこに?

▶〔子どもからの暴力で後遺症。調査を〕2017年5月、兵庫県神戸市の児童館で、注意した小学校2年生に後ろからバットで首をなぐられ、後遺症が残るケガをした人が、1月27日、参議院議員会館で開いた集会で(子どもから職員に対する暴力の)実態調査と、教育・児童福祉関係者が安心して働ける環境づくりを求める3万2699筆のオンライン署名を厚生労働省の担当者に手渡した。2017年6月、県警に被害届を提出し、県警は児を児童相談所に通告した。労災申請は「業務による強い心理的負荷が認められない」等で不支給決定、不服を申し立てている。神戸市は対応要請に応じず。法的措置や賠償のめどは、現在もまったく立っていない。〔掛札コメント〕未就学施設でも、職員が子どもから暴言や暴力を受ける事実はありますが、「対応できて当然」「指導できるはず」と思われて終わりなのでしょう。「子ども性善説」は神話なのですが。保護者が子どもをまともに育てていない場合の多い今は、特に。

▶〔死亡で、施設長を送検〕高知県高知市の認可外保育施設(廃止)で2017年1月11日、生後9カ月児がうつぶせで寝かされ、翌日に死亡した問題で、当時20代の施設長が業務上過失致死容疑で書類送検された(15日付)。親が11日早朝に児を預け、施設長がうつぶせに寝かせた。その後、事務作業で約30分間目を離し、様子を見に戻った際、異変に気付き、病院に搬送されたが死亡。当時、職員はこの施設長だけだった。

▶〔死亡で、高裁も訴えを退ける〕2013年12月、山口県山口市の保育園で1歳児が高熱を出し死亡した件で、両親が運営法人に損害賠償を求めていた裁判の高裁判決が1月23日、言い渡された。園側の過失を認めず、1審に続いて訴えを退けた。両親は「うつぶせ状態で放置され、窒息死した可能性がある」などとして、保育園側の過失を改めて主張していた。高裁は「死因が窒息死だとは認められず、保育士らによる注意義務違反も認められない」などとした。

(1月19日)
▶〔茨城県、立入調査結果を公表へ〕茨城県水戸市の認可外保育施設で2018年9月、生後2カ月児が死亡した件に関連して、県は昨年、県内認可外保育所で5年間に4件の死亡事故が起きていたことを明らかにした。しかし、2015年6月の事例(つくば市、1歳5カ月児が浴槽で溺死し、業務上過失致死の罪で経営者が有罪)以外は詳細が公表されていない。水戸市の死亡事故の検証報告書では、認可外保育施設の立入調査結果の公表の検討を求めるなどの提言をしており、県は2020年度から、認可外保育所に関して調査結果を公表する方針を決めた。現在、結果を公表しているのはつくば市だけだという。

(1月10日)
▶〔プール水死事故で求刑〕2017年に起きた保育園のプール水死事故(さいたま市緑区)で、業務上過失致死罪に問われている元園長と保育士の裁判で、検察側は2人に禁錮1年を求刑。12月9日の裁判で、検察側は園長に対し「園長の立場でありながら、監視のガイドラインを実行しないなど、監視体制について真剣に検討せず、責任は重大」と指摘。また、保育士については「監視以外の業務を後回しにして、普段以上に監視を徹底すべきだった」とした。園長の弁護側は「事故の前からプール遊びについて、子どもから目を離さぬよう注意や指示はしていて、相手に謝罪するなど反省の態度を示している」と主張。保育士の弁護側は「組織自体の体制が不十分であり、被告のみの過失とはいえない」と述べ、情状酌量を求めている。〔掛札コメント〕当然ですが、「ガイドライン」という言葉が使われています。これが、「ガイドライン前」と「後」の社会的責任の違いです。

(2019年12月31日)
▶〔鉄棒から落ちて重度障害、提訴〕福井県の県立高校で2016年11月、体育授業中に鉄棒から落ち、重い障害を負った男性と両親が県に約1億4000万円の損害賠償を求めて提訴した。事故の時、男性は鉄棒を両膝で挟み込みながら後ろに回る「後方両膝掛け回転」を練習していた。授業担当の講師から技や注意点の説明はなかった。回転しきれずに厚さ約4センチのマットに頭から落ち、頚髄損傷で首から下がまひ、身体障害等級1級と判断された。原告側は、頚髄損傷が疑われる場合は「動かさずに救急車を要請することが鉄則」なのに、落下直後、講師は動けなくなった男性の首を何度ももみ、無理に体を起こし、頭や首を固定しないまま他の教諭らと担架で保健室へ運んだと主張。また、補助を付けたりマットを厚くしたりする対策が考えられるとし「県が適切に指導監督しておくべきだ」と訴えている。〔掛札コメント〕事故時の対応方法を知らず、責任を取る気もないなら、リスクが高い活動はしないこと。するなら、保護者とリスク・コミュニケーションをして、了解のとれた児童・生徒のみを対象とすること。「それじゃ、子どもが育たない?」…長時間保育、長時間学校を前提とした社会をやめて、保護者と子ども本人の責任下で活動をする社会にすればいいのです。夢じゃありません、東アジア以外の世界の大半はそういう文化ですから。


保育士、保育園の事件、不祥事

(12月29日) ▶〔虚偽の配置記載、組織的隠ぺい〕東京都港区は12月24日、私立認可保育所が実際には配置していない職員を「常勤保育士」として記載していたとして、委託費等の返還請求(約620万円)を行うと発表した。特別指導検査の結果から明らかになったのは、「職員一覧において常勤保育士として記載されている者の一部が、実際には、一定期間全く保育園業務に従事していなかった」「(この職員は)実際には法人本部の業務に従事しており、当該職員に対し、法人本部からの組織的な指示がなされていること」「上記一連の事実について、法人として区に対して隠ぺいしたこと」。

▶〔パワハラで調理員が懲戒処分〕同僚の調理員にパワハラ行為を繰り返したとして、千葉県松戸市教育委員会は市立小学校に勤務する女性主任調理員(57歳)を、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。この調理員は再任用の女性調理員(64歳)に対し、日常的に暴言を浴びせるなどした。調理員は精神的に追い詰められ、11月初めに病気休暇を取得。主任調理員は「申し訳ないことをした」と話しているという。

▶〔強制わいせつ罪で実刑判決〕大阪府八尾市の認定こども園で園児2人に対する強制わいせつ罪に問われた元職員(32歳、男性)の判決が12月9日、地裁で行われ、懲役2年(求刑懲役3年6カ月)の実刑を言い渡した。被告側は控訴する方針。送迎バスの運転などの業務を担当していた被告は2017年7~8月、プールの後で全裸だった女児2人(当時5歳)に背後から近づき、胸を触るなどのわいせつな行為をした。判決は、被告の犯行を目撃したとされる保育士に嘘の証言をする事情はなく、証言は信用できると判断。被告が公判で起訴内容を否認し、反省の態度がみられないなどとして、実刑を選択した。

▶〔園長の虐待行為で改善命令〕福島県は二本松市の認可保育所で元園長(50代、女性)が園児に対して虐待を行っていたと認定し、10月、改善命令を出した。元園長は園児の服をつかんで持ち上げ、繰り返し踏みつけるような虐待を行っていた。虐待をうけ、園をやめた園児もおり、今でも園に近づくだけで泣く子もいるという。元園長は20人余の園児のほとんどに虐待をしていたことが分かっており、保護者説明会で謝罪した。福島県は改善命令で元園長が保育に関わらないことや改善計画書の提出などを求めていて、改善の見込みが無い場合は事業の停止か認可の取り消しを命じることがあると警告している。

▶〔給付金詐欺で執行猶予つきの判決〕兵庫県姫路市の認定こども園(閉園)の元園長が、定員を大幅に超える園児を受け入れていたことを隠し、市から給付金9400万円余をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている裁判で、地方裁は執行猶予が付いた懲役2年6か月の判決を言い渡した。弁護側は元園長にだます意図はなかったとして無罪を主張していた。

▶〔わいせつ行為やセクハラで処分273人〕文部科学省は12月22日、2019年度にわいせつ行為やセクハラによる処分を受けた公立小中高校などの教職員が273人いたと発表した。過去最多だった2018年度(282人)に次ぐ。児童生徒に対するわいせつ行為による処分は半数近い126人(免職121人)。調査は47都道府県・20指定都市の教員を対象に実施した。処分の内訳は、免職153人、停職50人、減給16人、戒告9人、訓告などが45人。文科省は各教委に対し、児童生徒に対するわいせつ行為については原則、懲戒免職とし、捜査機関への告発も求めている。来年2月からは、懲戒免職されて教員免許が失効した教員の処分歴を閲覧できる「官報情報検索ツール」で40年分の処分歴を検索できるようになり、教員採用時の利用を促している。一方、免許失効となった一部の教員が官報に公告されていない例が明らかになっており、文科省は公告の徹底を求めている。

(12月5日)
▶〔園児の嫌がることを繰り返す〕東京都世田谷区の区立保育園で、保育士が園児の嫌がる不適切な行為を繰り返し行っていたことが12月4日わかった。昼寝の時間に二つ折りにした敷布団を園児の上半身に落とす、夏季、嫌がる園児に水のシャワーをかける、園児の頭の上に軽く手を当てて威圧的な言葉をかける、昼寝の際、「おまじない」と称しておでこに消しゴムなどを置いて動けないようにするなど。情報提供を受けた区が10月上旬から調査を開始。複数の目撃証言があり、本人が認めているものもあるという。区は「虐待行為」とまではいえないが「不適切な保育」と認めている。この保育士は現在、登園(←原文のママ)していない。区は「区立保育園における保育のあり方検討会」をつくり、再発防止に向けた改善策を年度内に取りまとめる。

▶〔労働局に要望書提出〕保育士ら17人が一斉退職する宮城県涌谷町の保育園で、退職する職員が11月30日、理事長によるパワーハラスメントを訴え宮城労働局に指導を求める要望書を提出した。子どもたちの前で大声で叱責されたり、威圧的な表情で詰め寄られたりといった行為で追い詰められ、2019年11月には労働組合を結成して団体交渉も重ねたが改善されないと訴えている。 他にも、就業規則が閲覧できない状態となっているなど複数の法令違反を訴えた。

▶〔虚偽報告等で行政処分〕京都府京都市南区の認可保育所に行政処分。昨年9月~今年2月、勤務実態がない保育士1人分の虚偽の出勤簿や契約書を京都市に提出し、国や京都市が定める保育士の必要数を満たしていると嘘の報告をしたうえで保育園の委託費などを不正に申請していた。園は「人員確保のプレッシャーがあった」として「不正請求するつもりではなかった」と話しているという。市は来年1月から1年間、新規利用者の受け入れ停止を決め、不正に受け取った委託費などおよそ455万円の返還を求めている。

▶〔承認を得ずに閉園。認可取り消し〕千葉県印西市の小規模認可保育園が10月17日付の文書で、経営悪化や人員不足を理由に閉園を保護者に通知。保育士らには同月19日に伝え、系列園への異動を命じた。これについて市は、園の運営会社が市の承認を得ずに閉園を強行し、市が児童福祉法違反に当たるとして、11月26日付で認可を取り消した。

(11月18日)
▶〔路上で唾を吹きかけ、逮捕〕11月2日、東京都小金井市の路上で、自転車で追い抜きざま、道路わきの小学生の頭に唾を吹きかけたとして、府中市の幼稚園の理事長(78歳、男性)が逮捕された。暴行の疑い。付近を警戒していた警察官が発見し、その場で逮捕、調べに対し「子どもが道に広がって歩いていたので邪魔だった。注意するつもりだった」と容疑を認めているという。現場周辺では今年9月以降、登下校中の児童や生徒が唾を吹きかけられる被害が少なくとも6件相次いでおり、理事長は「ほかにもやった」と供述している。

(11月4日)
▶〔強制わいせつ容疑で逮捕〕10月24日、兵庫県宝塚市の私立保育園で女児の体を触ったとして、10月29日、保育士(男性、35歳)が強制わいせつ容疑で逮捕された。「服の乱れを直してあげただけで、わいせつ行為はしていない」と容疑を否認しているという。児が帰宅後、保護者に体の痛みを訴え、「体を触られた」と話したため、医療機関で受診。医療機関が同署に通報したという。

(10月22日)
▶〔強制わいせつ罪で懲役刑求刑〕強制わいせつ罪に問われている大阪府八尾市の認定こども園の元職員(男性、32歳)に対する裁判で10月16日、検察側は懲役3年6か月を求刑。2017年、全裸の園児の体を触ったほか、別の園児の体を触った強制わいせつの罪に問われている。被告は無罪を主張、弁護側は職員の証言に信用性はなく事件は捏造であると改めて主張した。 被告は当時の園長、副園長の息子にあたり、逮捕・起訴を機に保育士が一斉退職、同園は2019年年4月から休園。

▶〔学童職員が児童を誘拐、わいせつ行為〕静岡県富士宮市の保育士(男性、32歳)が10月21日、10代の小学生女児を誘拐し、わいせつな行為をしてその様子を撮影したとして、わいせつ目的誘拐と強制性交などの疑いで逮捕された。容疑者は児が通う学童施設の職員。9月20日昼頃の数時間にわたり、児の自宅から施設への送迎を装って児を車で誘拐し、屋内でわいせつな行為をした上、その様子を撮影した疑い。

▶〔園児暴行で書類送検〕昨年5月、園児2人の頭をつかんでぶつけさせたとして、埼玉県加須市の認可保育所の元主任(女性、71歳)が暴行容疑で地検に書類送検された(10月15日)。1人の母親が今年に入り、県警に被害届を出していた。同保育所を巡っては、昨年5、6月に市が行った臨時監査で、園児に「ばか、のろま」などと発言したり、近付いてきた園児を足で払いのけたりするなど、今回の元主任保育士に「虐待に当たると疑われる行為」があったと指摘。昨年6月、同保育所を経営する法人に対し、市が文書で改善指導を行った。

▶〔園児暴行で市が監査結果を公表〕福岡県宗像市の保育所で元副園長(41歳。起訴)が日常的に園児などに暴行しけがをさせたとされる問題で、宗像市は「保育内容が子供への配慮を欠いていて不適切」「一部の職員が子供の発達の違いなどを認めない保育をしていた」などとする特別指導監査の結果を公表した。

▶〔USBメモリを紛失〕北海道札幌市の市立小学校で、男性教師が4人の児童の名前や生年月日、担当クラスの児童の写真314枚などが入ったUSBメモリを紛失した。10月11日午後6時頃、職員室のパソコンでメモリを使用したが、翌日の午後5時頃に紛失に気付いたという。

(10月11日)
▶〔強制わいせつ罪等で懲役10年の判決〕2017年以降、勤務する北海道札幌市の保育園で男児14人に触り、その様子を撮影して児童ポルノを製造したとして、強制わいせつ等の罪に問われている元保育士(男、33歳)に、10月8日、懲役10年の地裁判決が言い渡された。

▶〔強制わいせつ罪等で執行猶予付2年6か月の判決〕2019年12月、勤務していた香川県高松市内の保育施設で園児の下着の中に手を入れたとして強制わいせつ罪などに問われている元保育士(男、27歳)に対し、10月8日、地裁は4年間の保護観察と執行猶予のついた懲役2年6か月の判決を言い渡した。弁護側は被告が専門家によるカウンセリングを受ける意向を示していることなどから刑の執行を猶予するよう求めていた。

(10月1日)
▶〔いじめ、パワハラで損害賠償〕2015年11月、大分県大分市にある私立保育園の元職員が、2008年から約1年半にわたり、園長や保育士から脅迫や無視などのいじめとパワハラを受けてうつ病と診断されたのは、雇用契約上の安全配慮義務違反があったとして訴えを起こした訴訟で、地裁は主張を全面的に認め、約2760万円の支払いを命じた。

(9月21日)
▶〔「報道されたことは大変残念」と市長〕埼玉県加須(かぞ)市の認可保育所で、保育士が「リズムあそび」のひとつ「両生類のハイハイ」を指導していた際、園児の体を床に押しつけていたとみられる動画が明らかになった問題で、同市市長は9月11日の市議会定例会の一般質問で「報道されたことについては大変残念。全ての指導事項が改善されるまで、監査指導を継続したい」と述べた。また、「(動画は)臨時監査の前に撮影されたもので、園に確認したところ、現在は動画のような保育指導を行っていないとの説明を受けた」とした。(この報道は7月28日掲載分に)

▶〔個人情報を市のウェブサイトに誤掲載〕神奈川県茅ヶ崎市は9月7日に市ホームページに掲載した保育所などの待機状況について、433人の個人情報が含まれていたと発表した。保育所名とクラスごとの待機人数を入れた表のみを掲載するところ、児童氏名、クラス年齢、保育時間、住所や入園要件などが掲載されてしまった。担当者が該当ページをPDF化せずに申請。個人情報も含まれたファイルを一次、二次承認者も気づかず承認。7日午後4時から約1時間にわたり公開され、市民からの問い合わせで発覚した。

▶〔児相の記録を紛失〕東京都江戸川区児童相談所は9月15日、事務所に保管していたⅠ人分の「児童記録綴」を紛失したと発表した。児童や保護者とのやりとりの記録などがまとめられており、通常、外部に持ち出すことはない書類で、盗難か誤廃棄の可能性があるとみている。6月27日に職員が閲覧し、別の職員が7月10日に閲覧しようとして紛失に気付いた。捜索したが見つからず、8月13日、盗難の可能性があるとして警察に相談した。

(9月9日)
▶〔わいせつ画像所持で処分〕静岡県浜松市の幼稚園に勤務する男子教諭(40代)が、わいせつな動画や画像を所持していたとして停職3か月の懲戒処分を受けた。 一昨年8月頃から、インターネットで知り合った男性から18歳未満の女子高生のわいせつな動画など3点を購入し、スマートフォンに所持していた。 すでに略式起訴されていて、簡易裁判所から罰金30万円の略式命令を受け納付したという。

▶〔園長運転の車が人身事故〕鹿児島県肝付町の交差点で8月21日午前8時半頃、園長(男性、50代)の運転する幼稚園の送迎車が横断歩道を渡っていた男性をはねた。運転していた園長は過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕しました。男性は命に別状はなく、送迎用ワゴン車の幼稚園児6人と小学生3人にもけがはなかった。現場は信号のない交差点で、「前をよく見ていなかった」と容疑を認めているという。

▶〔改善勧告に従わない法人を公表〕千葉県は8月21日、不適正な会計処理などに対する改善勧告に従わなかったとして、3保育所を運営する流山市の社会福祉法人「南流山福祉会」の名前や勧告内容を社会福祉法に基づいて公表した。県による同法に基づく公表は初。2017年度以降の会計を記載した計算書類などを届け出ず、個人流用や使途不明金など約5000万円の不適切な支出が確認されている。県が1月に改善勧告したが、改善に向けた報告が実施されないため、法人の公表を決めた。同法人では理事会の承認を得ないまま理事が登記されるなど、内部問題が発生していた。2017年3月には理事が一人もいなくなり、県などが職権で仮理事を選任、改善勧告を出していた。

▶〔企業主導型保育所で全職員が退職の意向〕兵庫県神戸市須磨区の企業主導型保育所の全職員と園長ら計11人(事務職以外)が給与や労働条件を巡って運営会社(京都市)に反発し、8月末で退職する意向を示している。神戸市幼保事業課は「認可外なので直接的に指導できる立場にはない」としている。同園は昨年3月に開園。定員30人に対し、0~6歳児約20人を受け入れている。園長らは、昨年の冬季賞与の不明朗さや、労働時間・日数の条件が一方的に変更されたことなどを指摘している。2019年3~10月分の月給で処遇改善手当(4万円~数千円)が支払われず、運営会社は12月の冬季賞与で一括支給したとするが、明細書に賞与と手当の内訳が示されていなかったという。4月から勤務する保育士は処遇改善手当が月4万円で10月分までで計28万円が見込まれていたが、冬季賞与は30万円。手当相当額を差し引くと2万円の賞与となり、手当が発生しないパート事務職員の賞与5万円より少ない計算になるという。園長らは運営会社に対し、明細書の発行や労働条件の変更について説明を求める文書を提出。会社側は「賞与支給に計算ミスはない」などとする回答にとどまっているという。

(8月17日)
▶〔園児に暴行の疑いで逮捕〕広島県広島市西区の企業主導型保育園で昨年12月、2歳児の耳をひっぱり引きずった暴行の疑いで園長(64歳、女性)が逮捕された。容疑者は調べに対し「覚えていない」と否認しているという。1月末に広島市と、監督する公益財団法人が立ち入り調査し文書指導した後、容疑者は保育業務には関わっていなかったという。

▶〔わいせつ事件で初公判〕千葉県野田市内の保育園に勤務していた元保育士によるわいせつ事件で、強制性交罪などに問われている被告(25歳、男性)の初公判が7月28日、地裁で開かれた。被告は今年2月、担当していたクラスの女児にわいせつ行為を行ったとされる強制わいせつの罪について「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は、ダンスの練習中に女児と2人きりになった際、わいせつ行為をしたと指摘。証拠調べでは、被告が犯行後に「内緒にしてね。ダンスの練習をしていたと言ってね」と話し、女児に対し口止めをしたとする調書も明らかにした。被告は今年1月、県内で、被害者が13歳未満であると知りながらわいせつな行為をしたとして強制性交罪でも起訴されている。この園関係では複数の園児らが被害を訴えているという。

▶〔個人情報100人分を紛失〕埼玉県杉戸町で8月7~8日、町立保育園の保育士が個人情報を含む園児約100人分のメモを紛失した。メモを自家用車の車内に置いたまま自宅で車上荒らしに遭い、メモが入ったかばんを盗まれたという。メモは保育士が業務のため個人的に作成。2016年度から5年分、氏名や電話番号、生年月日、身長体重、家族構成が記されていた。一部住所も記入されていたとされる。

(7月28日)
▶〔ハイハイする子を上から押しつける〕埼玉県加須(かぞ)市の認可保育所で、女性保育士が1歳前後の園児に「両生類のハイハイ」と呼ばれる運動を指導する中で、けがにつながりかねない行為を行っていたことが取材からわかった。読売新聞が園関係者撮影の動画を入手したもの。動画では、園児が泣き声をあげる中、約1分半にわたって女性保育士が園児の体を床に押しつけている。「しっかりと歩けるようになっていない園児に両生類のハイハイは危険だと思い、撮影した」と撮影者は話している。複数の園関係者によると「他の園児にも時々、同様の指導をしていた」という。県小児保健協会に所属する小児科医は「股関節が固定されていない年齢の子の腰から股関節にかけてを押しつけているので、脱臼を起こしてしまう」と指摘。女性保育士は読売新聞の取材に「子どもたちのためにやっていること。動画を撮った人が保育士だとしたら、私が何のためにやっているのかしっかり伝えられなかったのかもしれない」と話している。この保育園を巡っては、市が昨年5、6月に臨時監査を実施したところ、当時の主任保育士に「虐待に当たると疑われる行為」があったことが判明。また、市による臨時監査では、市からの委託費(年間約8200万円)などで用意すべき土曜保育の際の給食も提供していなかったほか、評議員会を開いたとする虚偽の報告文書の作成も明らかになった。その後、当時の主任保育士や社会福祉法人の理事長兼園長は退職。

(7月19日)
▶〔遅刻続き、懲戒処分〕千葉県千葉市は7月10日、市立保育所の主任保育士(女性)を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分とした。昨年8月20日から2月28日にかけて11回遅刻、市の聞き取りに「朝起きられなかったり、体調不良で職場への出勤連絡が遅れてしまった」と説明している。別の市立保育所でも2013年5月10日に戒告処分、2016年6月23日には減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けている。この保育士が出勤していない間は、所長や別の保育士が業務に入り対応していた。

(7月8日)
▶〔いじめ隠蔽で教諭の請求を棄却〕いじめで骨折した生徒に口止めするなどして停職6カ月の懲戒処分を受けた兵庫県姫路市の市立中学校元教諭(60代男性)が県に処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は7月6日、処分を取り消した高裁判決を破棄し、元教諭の請求を棄却した。懲戒処分は県教育委員会の裁量の範囲内と判断。柔道部顧問だった2015年7月、上級生のいじめで胸の骨が折れた生徒に「階段から転んだことにしておけ」と口止め。副顧問から校長に伝わり、県教委は、校長の指示に反して加害生徒を近畿大会に出場させたことなどとあわせ、元教諭を処分。元教諭は「重すぎて不当」として16年10月に提訴。今回、最高裁は、大会のために元教諭が主力選手の不祥事を隠そうとし、被害生徒の気持ちをないがしろにしたと指摘。「いじめを受けた生徒の苦痛を取り除くことを最優先に対応すべきだ」としたいじめ防止対策推進法の趣旨に反し、医師の診察も誤らせうる「重大な非違行為」と認定した。その上で、「(生徒は)実際に適切な治療が受けられなかったわけではない」などとして処分を取り消した二審判決の妥当性を検討。県教委が免職の次に重い停職6カ月とした処分には「決め方が形式的で直ちに首肯しがたい点はあった」としつつ、いじめを隠すなどの重大さを踏まえれば、「裁量を逸脱するものとまではいえない」と結論づけた。

(6月30日)
▶〔保育士が園児にわいせつ行為〕千葉県野田市の保育園で2月13日、園の女児にわいせつ行為をしたとして、保育士(男、25歳)が強制わいせつ容疑で逮捕・起訴された。2月中旬に児が保護者に被害を訴えて発覚。3月に逮捕。他にも被害を訴えている子どもの保護者がいるという。園内で他の保育士の目が届かない隙に加害をしていたとみられる。被告は2017年にパートとして採用され、2018年4月以降は正職員としてクラス担任を務めた。事実関係を認めたため、2月26日に懲戒解雇。園では、事件発覚以前からトラブル防止のため、保育士と園児が2人だけにならないよう規則で決められていた。ただ、担当者は「保育中はどうしても流動的で徹底が難しい時もあった」と説明。暫定的な再発防止策として、園内に防犯カメラや人感センサーを導入したという。

▶〔保育士が園児の写真を無断撮影〕栃木県壬生町の私立保育園で、保育士(20代、男)が就寝中の園児の姿を無断で撮影していたことがわかった。町は、行為を不適切と判断し、園側に再発防止のための指導をしたという。この保育士は1年ほど前から同園に勤務。この間、複数の園児に対し複数回、園内で寝ている姿を無断で撮影したという。無断撮影の発覚後、園側は元保育士を解雇し、保護者向け説明会を複数回開いたとみられる。園側は今月上旬ごろ、町に報告。町側は再発防止のため、園に対し、可能な限り複数人で保育に当たるよう指導したという。

(6月22日)
▶〔セクハラ報告588人〕千葉県内の公立小中高校と特別支援学校の児童生徒のうち、588人が教職員から受けた言動について「セクハラ(性的嫌がらせ)と感じて不快だった」と回答したことが、県教育委員会の2019年度のアンケート結果でわかった。前年度より164人増。 複数回答で最も多かった内容は「必要以上に体を触られた」213人、「性的な話、冗談を言われた」101人、「みんなの前で容姿を話題にされた」92人。高校生の1人は「性的な関係を求められた」と回答した。具体的な行為として「部活動の大会で男性顧問が女子更衣室に入ってきた」「(教員から)身体をなでるように見られる」といった回答があった。アンケートの対象は、千葉市立学校と県内の市立高校を除く1051校の児童生徒約46万人。588人中、高校生209人、中学生276人、小学生96人、特別支援学校7人。男女別では、男子194人、女子394人だった。一方、高校と特別支援学校の教職員1万1600人への調査では、91人が教職員らとのやりとりでセクハラを感じたと発表。前年度より3人減。

▶〔シッターが強制わいせつ〕5月、訪問保育先で5歳女児の下半身を触ったとして、警視庁は6月12日、東京都大田区の容疑者(男性、30歳)を強制わいせつの疑いで逮捕した。保育士の資格等を持ち、シッターの仲介サイトを通じて児の保育を請け負ったという。散歩に連れ出した公園のトイレで同様の行為をした疑いもある 保育園休園をを受けて両親は仲介サイトを利用し、4月下旬~5月中旬に8回ほど容疑者に保育を依頼。さらに依頼しようとしたところ、サイト事業者から派遣できないとの連絡があったため不審に思い、児に尋ねて被害が判明した。

▶〔園児への暴力は「保育行為」と主張〕福岡県宗像市の認可保育所で2018年6月~19年9月、園児や保育士を殴るなどしたとして、暴力法違反(常習傷害、常習暴行)の罪に問われた元副園長(女性、41歳)の初公判が6月18日、地裁で開かれた。被告は園児への暴力について「保育行為としてやった」と無罪を主張。保育士への暴力については認めた。

(6月11日)
▶〔パワハラ被害で市に支払いを命じる〕愛媛県西条市の市立保育所に勤めていた元嘱託職員(調理室勤務)がパワハラ被害を訴えた裁判で地裁は6月3日、市に94万円の支払いを命じる判決を言い渡した。 同僚から日常的にパワハラを受け退職を余儀なくされたとして損害賠償を求めていたもの。地裁は「同僚による人格を否定する違法な言動があった」と認め、「発症したうつ病との因果関係も否定できない」などとした。

▶〔シッター再逮捕〕保育を依頼されて訪れた住宅で児にわいせつな行為をしたとして、元シッター(29歳、男性、強制性交等罪などで起訴)が強制性交等や強制わいせつ容疑などで再逮捕された。再逮捕容疑は2019年9月20日と11月7日、東京都足立区内の住宅で未就学の男児の下半身を触るなどし、携帯電話で動画や写真を撮影したもの。黙秘している。逮捕は3回目。容疑者はシッターをインターネット上で紹介する「マッチングサイト」に登録。母親は初めて利用する数日前に容疑者と面談したが、保育士の資格を持っていることなどから安心して任せたという。橋本容疑者は4月、同じサイトを介して預かった別の男児に対する強制わいせつ容疑で逮捕されている。

▶〔園児の個人情報ファイルを紛失〕長野県安曇野市の認定こども園で208人分の園児の個人情報が記載されたファイルがなくなっていたことがわかった。 A4版の「利用者負担額一覧表」。 5月20日午前に事務担当職員が職員室で使ったあとキャビネットに戻し、翌日使おうとしたところなくなっていたという。園児の名前や生年月日、性別などが記載されているが、住所や保護者の所得額がわかるような記載はないという。

▶〔給付金をめぐり、元園長が無罪を主張〕2015~2017年にかけて園児数を過少申告し、兵庫県姫路市から給付金約9400万円をだまし取った罪に問われている認定こども園(2017年に廃園)の元園長の裁判で、元園長は無罪を主張。この園は、少なすぎる給食などずさんな保育の実態が明らかになった。弁護側は「小幡被告にだます意思はなく、給付金は支払われるべきものだと認識していた」と無罪を主張している。

(5月22日)
▶〔強制わいせつで逮捕〕昨年12月、勤務していた園で午睡中の園児の体を触ったとして香川県高松市の保育士(男性、26歳)が強制わいせつの疑いで警察に逮捕された。同月、この園を依願退職し、現在は高松市の別の保育施設で働いているという。警察は児の家族から相談を受けて捜査していた。調べに対し、「女の子に興味があった」と供述、容疑を認めている。

▶〔小学生に傷害〕宮城県仙台市青葉区の保育所で5月、小学校3年生の首を強く握る、腹を殴るなどしてけがをさせたとして、保育所の従業員とみられる男(自称建設業、56歳)が傷害の疑いで逮捕された。児の体に傷があることに気付いた両親が警察に相談した。 容疑者は「保育所の関係者ではないし、首をつかむなどはしていない」などと容疑を否認している。 児は小学校が臨時休校となっているため、数ヶ月前からこの保育所に預けられていた。

(5月14日)
▶〔保育士、4度めの逮捕。4月30日掲載のニュースの続き〕男児に対する強制わいせつ容疑で逮捕された保育士(男、29歳)が5月13日、別の男児に性的暴行を加えたなどとして、強制性交と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の両容疑で再逮捕された。さらに別の男児2人への強制性交容疑でもそれぞれ逮捕されており、逮捕は4回目。2019年6月30日午前1時ごろ、都内でキャンプ中にテント内で小学校中学年の男児に性的暴行を加え、その様子を動画撮影した疑い。キャンプはNPO法人が開催した子ども向けで、容疑者はボランティアスタッフ。当時は複数のテントに分かれて就寝中で、現場のテントのスタッフは容疑者1人だったという。〔掛札コメント〕以前も、子ども対象のキャンプで同様の事件が起きています(「ニュース」2017年→「事件、不祥事」の2月9日)。女性も金目当てで写真を撮ったりはするでしょうけれども、基本は男性。2017年の事件のように、この種のネットワークの中ではキャンプだけでなく学童、へたをしたら保育園の情報も流れているのでしょう。

(4月30日)
▶〔強制わいせつ容疑でシッターを再逮捕〕シッターとして訪れた住宅で2019年11月14日、5歳男児の下半身を触ったとしたとして、警視庁は28歳男性(別の事件で起訴)を強制わいせつ容疑で再逮捕した。両親とも仕事があり、発熱があった児をみることができなかったため、シッターを依頼。容疑者は保育士資格を持ち、シッター派遣会社に登録、マッチングアプリを通じて依頼があった家庭を訪れていた。所持していた携帯電話には複数の子どものわいせつな画像が残っており、他にも被害に遭った子どもがいるとみられる。容疑者は、別の男児に性的暴行を加えたとして今年1~2月、神奈川県警に強制性交等容疑で2回逮捕されている。

(4月20日)
▶〔保育園でSDカード紛失〕大阪府吹田市の市立保育園で、園児の画像データを保存したSDカードが所在不明。2歳児クラスの園児21人分の写真データ約200件。3歳児クラスの園児も含まれる。園児の氏名が写っている写真はないという。2月29日、みあたらないことに気づいたものの詳しく確認せず、3月4日に別の職員が使用しようとした際に紛失していることが判明した。2月26日に職員がカメラからSDメモリカードを出し、保管カゴにある袋に入れたが、その後の所在がわからないという。

(4月4日)
▶〔教委、事案を速やかに報告せず〕滋賀県立長浜養護学校で昨年秋、事案が3件相次いだにもかかわらず、県教委がいずれも速やかに公表せず、情報公開のあり方や事故の検証方法を疑問視する声が出ている。昨年11月29日、重い知的障害があり肢体不自由の生徒が、校外学習中に飲食店で昼食を気管に詰まらせた。心肺停止状態で搬送され、その後死亡。県教委の発表は2月中旬で、「四十九日の法要を迎え、保護者の公表に対する気持ちが少しずつ変わってきた」との理由。一方、「保護者に説明ができていない」などとして、学校名を伏せるよう各社に異例の要請もした。同校では、死亡事案以前に、アレルギー児の誤食で搬送された事例、生徒の個人情報入りのファイルを紛失した事例が明らかになった。県教委は、いずれも「生徒が回復した」「プライバシーに配慮した」などを理由に非公表にしていた。文部科学省が2016年にまとめた「学校事故対応に関する指針」では、死亡事故や大けがなどが発生した場合、学校は学校設置者に報告する必要がある。指針では「原則、全ての事案で詳細調査を行うことが望ましい」とする。しかし、実際に死亡事案で詳細調査の報告をしたのは2016年度以降、国に報告があった全国102件のうち8件。同校の死亡事案は、同校と県教委による内部検証のみ。県教委は「内部検証で学校の対応に問題がないと判断し、保護者の要望もなく、詳細調査は行わない。指針が示す調査の目的や目標は達成できた」とする。

▶〔大量退職で閉園〕広島県広島市の企業が運営する3保育所で、保育士が先月末、安全が確保できない等として大量退職(20人中18人)した件で、3園すべてが閉園することになった(3月21日に掲載したニュースの後追い)。運営する企業側は保育士の主張を否定していたが、園児が全員退園したり転園するなどし、事実上の休園が決まっていた。

(4月1日)
▶〔保育士の退職と新型コロナウイルス感染症で閉園〕神奈川県川崎市は、宮前区の川崎認定保育園と中原区の企業主導型施設が3月末で閉園したと発表した。両園は系列園で、在園児童計21人は別の系列園で受け入れたという。運営法人が30日、両園の保護者に突如閉園を連絡。横浜市内2園と東京都調布市の1園も閉園。この法人は15の保育園を展開していたが、3月後半になって、計約10人の保育士が退職することに。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事をやめる保護者が出て、それに伴い入園希望の園児も減ったため、規模の大きな園に集約することになったという。

▶〔保育園で一日ストライキ〕民間企業が運営する東京都三鷹市内の認可保育園で3月26日、保育環境の改善などを求めて保育士らがストライキを行った。企業側は臨時のシフトを組んで運営を継続したという。職員は、「切羽詰まったギリギリの状態で働いていると、体調を崩してしまう。保育士にとっても子どもにとっても良くない」等と訴えている。保育士らはこの日、改めて企業側に人員補充などを書面で要求した。市の指導検査では同園は記録上、配置基準を満たしていた。しかし、2月以降、労働争議について市が把握し、改めて時間ごとに詳しく園児数などを調べたところ、基準を満たしていない時間帯があったとして、企業側を指導したという。

▶〔保育士の退職で子ども17人が転園〕宮崎県高原町の認定こども園が保育士不足に伴い、現在通っている園児が別の施設に移る。去年12月時点で保育士12人の半数以上が退職の意向を示し、新年度からの保育士の数は新採用者を含む9人。このため、4月1日以降の園児の定員は70人から35人に。卒園児を除く園児48人中31人が残り、17人は町内など別の保育施設に移る。

▶〔保育士、6度目の再逮捕〕北海道札幌市の市立保育所で働いていた元保育士(男性、33歳)が3月28日、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、再逮捕。同容疑者の逮捕は6回目。逮捕容疑は昨年9月2日、当時勤務していた保育所内で、男児の体を触るわいせつ行為をし、その様子を動画で撮影してスマートフォンに保存した疑い。容疑者は別の男児6人にわいせつ行為をしたなどとして逮捕されていた。

▶〔助成金詐欺で懲役刑〕企業主導型保育所の開設をめぐり、国の助成金約4億4000万円を不正受給したとして、詐欺罪などに問われた実行役で福岡県福岡市の保育コンサルタント会社元社員(30歳)の判決公判が3月27日、東京地裁で開かれた。「助成制度の期待を失わせかねず悪質性は相当高い」として懲役2年10か月(求刑懲役4年)。別の保育所設置をめぐり、金融機関から融資金を詐取したとして同罪などに問われた関連会社役員(38歳)は懲役3年執行猶予5年、関連会社の従業員(35歳)は懲役2年6か月執行猶予4年(求刑はどちらも懲役3年)。

(3月26日)
▶〔用務員がトイレで下半身露出〕福島県会津美里町の認定こども園に勤務する用務員(60代、男性)が3月14日、園の幼児トイレで2人の園児に対して下半身を露出。園児が保育士に経緯を話したことで、発覚した。 同日、園長を通じて町は報告を受け、用務員は出入り禁止。男性は「ふざけてやった」などと話したという。現在のところ、警察へは届け出ていない。町に取材してわかったもの。

(3月21日)
▶〔小規模施設で18人が退職の意向〕広島県広島市の会社(介護事業等)が運営する小規模施設、企業主導型施設計3施設に勤務する保育士19人の大部分が3月末に一斉退職する意向を示している。現在、0~2歳児まであわせて約40人が利用。理由として、食物アレルギーのある子どもにアレルギー食材の入った給食が準備される、園児が少ない時に介護の仕事にも従事させられる、職員配置が適切でない、わさびやからしが入った食事が提供されるなどずさんな保育環境である等のこと。

▶〔園長らが園児に暴言、暴力〕広島県広島市西区の企業主導型施設で、園長らが複数の園児に対し、耳や服を引っ張ったり暴言を吐いたりしていたことが3月17日、わかった。「乳幼児の人権配慮を欠く行為」として改善指導し、園長ら3人は保育業務を外されている。子どもがけがをしたとして、保護者が広島西署に被害届を提出したもの。児童育成協会が1月末に立入調査し、身体的苦痛を与えたり人格を辱めたりするなどの行為があったと判断。2月14日付で文書指導し、園長と施設長、統括マネジャーが保育に携わらないなどを求めた。市も同様の理由で改善指導。

▶〔盗撮で懲役2年〕勤務先の保育園児の裸を盗撮したとして、元保育園職員(北海道帯広市)に対し3月17日、地裁は「児童を守るべき立場を利用した卑劣で背信的な犯行だ」として懲役2年の判決を言い渡した。平成29年から2年あまり、女児18人の裸をメガネに内蔵したカメラなどで盗撮したとして児童ポルノ禁止法違反の罪に問われたもの。

(3月15日)
▶〔女児にわいせつ行為〕東京都江東区のショッピング・センターで2019年10月、86歳の男が就学前の女児をトイレに連れ込み、わいせつな行為をした疑いで逮捕された。調べに対し「かわいさあまりにやってしまった」と容疑を認めているという。

(3月4日)
▶〔酒気帯び運転で保育士登録取消〕山梨県は3日付で、保育士(20代、女性)の保育士登録を取り消した。昨年8月、酒気帯び運転で衝突事故を起こしたとして執行猶予付きの有罪判決を受けた。県内で取消処分を受けたのは3人目という。

▶〔強制わいせつで経営者逮捕〕群馬県太田市のブラジル国籍の男性が、強制わいせつの疑いで逮捕された。この男性は市内で妻と認可外保育施設を経営しており、園児の送迎や保育などを行っている。逮捕容疑は1月14日朝、道路に駐車した送迎用中型バスの中で女児の下半身などを着衣の上から触ったというもの。同日夜、児の父親が届け出ていた。当時、車内には他の園児が複数いて目撃していたとみられる。容疑者は容疑を否認している。

(2月23日)
▶〔学童職員、児童ポルノ禁止法違反で逮捕〕東京都西東京市の市非常勤職員(29歳、男性)が2月12日、埼玉県羽生市内で逮捕された。逮捕容疑は昨年6月1日夜、羽生市内のファミリーレストランで、知人(43歳、男性。すでに書類送検)に児童ポルノ画像ファイル3点を保存した外付けハードディスク1台を渡した児童買春・ポルノ禁止法違反(提供)の疑い。この男は学童クラブの職員。昨年6月9日、羽生市内で「子どもの写真を撮っているような男が2人いる」と110番があり、県警が近くにいた男2人に職務質問したところ、スマートフォンの中に児童ポルノ動画を保存していたことがわかった。

(2月18日)
▶〔小規模保育所が閉園方針〕東京都豊島区認可の小規模保育所(NPO法人運営)が、3月末に閉園する方針。区の担当者は「この時期に急に閉園する例は聞いたことがなく、あってはいけないこと。園児がいる間は運営を続けるよう、要請している」と話した。1月30日に法人から「運営上のトラブルがある」という趣旨の説明があったという。職員数などは基準を満たしていた。

(2月12日)
▶〔法人理事長/学童管理者が暴言と暴行〕京都府京都市伏見区の認可保育所が運営する学童保育で、前園長の男性が児童らに暴言や暴行を繰り返したなどとして、市は2月4日、運営する社会福祉法人に改善勧告を行った。前園長は法人理事長と学童保育事業の管理者を兼務。2013~19年に、水筒を振り回した児童をしかる際、水筒で頭をたたく、日常的に指導に従わない児童の頭をボールペンでたたく、児童らに「殴られてえのか、バカ」と発言する、保育士の前で児童について「バカども」「アスペルガーだ」とののしる、などの暴言や暴行をしたことを認めているという。また、保護者や職員からの苦情や要望を理事会に報告せず放置。理事会に諮ることなく自身の給与・手当を2度にわたって増額する一方、職員の給与を引き下げていた。2019年6月に保護者らが、問題を訴える嘆願書を市に提出。10月から市が社会福祉法に基づく特別監査をしていた。前園長は問題発覚後に辞任し、法人の全理事・評議員が交代した。

▶〔強制わいせつ等で再逮捕〕北海道札幌市の公立保育所に勤務していた保育士(男性、32歳)が2月6日、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで再逮捕された(起訴済み)。2017年3月27日~2019年8月8日、保育所内で複数回、男児の体を触り、その様子などを動画で撮影してスマートフォンに保存した疑い。(1月19日掲載のニュース参照)

(1月23日)
▶〔園児を軽トラ荷台に乗せて走行〕徳島県阿南市の私立保育所で昨年9月、理事長が園児5、6人と保育士1人を軽トラックの荷台に乗せて保育所周辺の公道を走っていたことがわかった。住民が通報。市は「明らかな道交法違反」としている。理事長は過去数回にわたり荷台に園児を乗せて走ったことを認め、「子どもは荷台に座らせており、保育士も一緒に乗せてゆっくりと走っていた」と釈明。その上で「二度としない」と語った。

▶〔短期大学助教が児童ポルノ禁止法違反で逮捕〕三重県の高田短期大学で幼児教育を担当していた助教(39歳、男性)が昨年10月、SNSで女児の裸の動画を送ったとして逮捕された。児童ポルノ禁止法違反の疑い。別の同様の事件の捜査過程で、この男性からスマートフォンを押収。送信履歴から犯行が発覚した。容疑を認める一方「誰に送ったかは覚えていない」と供述。

▶〔無免許のまま運転〕熊本県高森町の町立保育園に勤める保育士が、一昨年飲酒運転し、昨年免許を取消されていたにも関わらず、その後も、無免許運転で通勤していたとみられる。保育士は免許取消処分を町や園に報告していなかった。今月、シートベルトをせずに運転しているところを摘発され、無免許運転が発覚した。

▶〔紛失とされた書類、みつかる〕静岡県掛川市は1月18日、市立中に勤務する非常勤職員が全校生徒の名簿など個人情報を掲載した書類を紛失し、その後盗難に遭ったとして警察に被害届を出した件について、女性職員の自宅で書類が見つかったと発表した。

▶〔個人情報置き忘れで懲戒〕千葉県教育委員会は、昨年11月21日、生徒の個人情報などが入った私物のUSBメモリを出張先に置き忘れた市立中学校教諭を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。これまでに勤務した3校分の生徒の氏名や連絡先、成績など延べ1239人分の個人情報が入っていた。平成22年ごろから私物のUSBメモリに生徒らの個人情報を記録。管理職の許可を得ずに、自宅で業務を行う際などに持ち帰っていた。 紛失後の25日に出張先の職員から学校に連絡があり、発覚した。

▶〔生徒にナイフをつきつける〕千葉県千葉市花見川区の市立中学校で1月8日、男性教諭(20代)が1年生の生徒2人にカッターナイフを突きつけていたことがわかった。生徒にけがはなかった。学校は生徒や保護者に謝罪。市教委は千葉県警に相談しており、近く教諭を処分する。1年生の教室の窓枠に、鋭利なもので傷つけたとみられる「令和」という落書きがあったことをめぐり、生徒指導と理科を担当するこの教諭が授業中、生徒の首近くに刃を出したカッターナイフを向けた。その後、手元で回しながらもう一人の生徒にも刃を向けながら話をしたという。別の生徒がほかの教諭に相談するなどして発覚。教諭は事実関係を認めたうえで「『落書きをしている人がいたら注意し合う』『使い方を間違えてはいけない』との趣旨で指導していた」と説明。反省しており、中学校への出勤は見合わせているという。

(1月19日)
▶〔午睡中にわいせつ行為で現行犯逮捕〕北海道札幌市の市立保育園で1月16日午後3時頃、保育士(男、32歳)が子どもの昼寝中、ふとんの中に手を入れて男児の下半身に触っていたとして、強制わいせつの疑いで現行犯逮捕された。迎えに来た母親が警察に110番通報した。保育士は容疑を認めている。また、17日に園側が開いた保護者説明会では、他にも被害があったことが報告された。〔掛札コメント〕ペドフィリアを入職前にみきわめられないかとお尋ねいただきますが、現状ではそのような方法はありません。実際、当人が、仕事に就いてから悩んでいる可能性もあります。「役立つリンク」の「保育士さん、保育園看護師さん、保育関係」項に「性障害専門医療センター」のリンクを置いてあります。

(1月19日)
▶〔全校生徒の個人情報を紛失〕静岡県掛川市は1月17日、市立中学校に勤務する非常勤職員が全校生徒640人分の名簿など個人情報が掲載された書類を紛失したと発表した。教育的支援を要する生徒269人に関する留意点や健康面の注意点などを記載したリストも含む。職員は同日午後、勤務終了後に名簿やリストをかばんに入れ、私用のため車で袋井市役所に立ち寄った。その際、かばんを車内に放置していたとみられ、職員は帰宅した時点でかばんがなくなっていることに気づいたという。これらの書類は、市が校外への持ち出しを禁止している。

(1月8日)
▶〔生徒を結束して授業〕奈良県奈良市の塾経営者(60代、男性)が去年11月、10代の女子生徒の首と両足を犬用の首輪で結束したまま、3時間にわたり、個別授業を受けさせたとして、監禁の疑いで逮捕された。容疑を認めている。理由も言わずに首輪をつけるよう命じたという。生徒にけがはなかったが、3日後に母親とともに警察に相談した。

▶〔学童保育で運営費の不正使用〕静岡県静岡市清水区の学童保育で、運営費の不正使用があった可能性が指摘されている。市に10月ごろ匿名で「一部の支援員が出勤簿に勤務実態がない支援員の名前を書き入れ、支出した人件費を着服している疑いがある」と通報があった。内部調査に対して会計処理担当の支援員は「アルバイトの人の名を借りて支払った」と答えているが、説明のつかない部分があるという。この施設では昨年3月、継続して働く意思を示していた支援員との契約更新を巡り、国の通告規則を満たさない形で一方的に雇い止めをする雇用管理の問題点も浮上している。同施設には市立小の児童約100人が通い、2019年度の登録支援員は12人。

▶〔副園長、暴力で4度目の逮捕〕福岡県宗像市の認可保育所で、当時の副園長が園児と同僚の保育士に暴行してけがをさせたとされる事件で、副園長が暴行容疑で再逮捕された。逮捕は4度目。2018年8~12月、保育園で保育士の口付近を手で1回殴ったほか、取り上げた書類の束で顔を殴るなどしたことが容疑。


保育全般

(12月5日)
▶〔助成を受けながら事業実施せず〕企業主導型保育事業で整備された11施設が、計約6500万円の助成を受けたにもかかわらず、実際には事業を実施していなかったことが会計検査院の調査で判明した。11月22日、内閣府に改善を求めた。同事業では2018年度までに計3533施設が助成を受け、国は計約1112億円を投入。今回、14都道府県の25施設を抽出調査した結果、8施設が開所から1年以上経過しても病児保育などをまったく実施せず、3施設は中止していた。理由は「必要な看護師を確保できなかった」「通常保育以上の保育士を充てないといけないことを知らなかった」「採算見込みが甘かった」など。11施設中7施設は今後も実施予定はないという。

(11月18日)
▶〔犯罪歴確認へ〕厚生労働省は11月9日、シッターとして仲介サイトに登録する際の犯罪歴の確認を求める方針を示した。仲介サイト運営者向け指針の改定に向けた検討案に盛り込み、社会保障審議会の専門委員会に提示した。指針に強制力はなく、自己申告となる見通し。専門委での有識者の意見を踏まえ、本年度内の改定を目指す。検討案によると、サイト運営者は登録時に面談を実施し、その後も状況を定期的に確認する。〔掛札コメント〕誰が自己申告しますかね?

(11月4日)
▶〔シッターの事件情報を共有へ〕厚生労働省は10月18日、わいせつ事件を起こしたベビーシッターの情報を自治体間のデータベースで共有する仕組みづくりに乗り出した。事業停止命令などの行政処分が出された場合、広域で把握できるようにし事件の再発を防ぐ狙い。取り扱う情報の範囲や具体的内容、シッター利用者に公開するかどうかを含めプライバシーに配慮しながら議論し、来年度からの運用を目指す。

▶〔再登録期間を2年から延長へ〕厚生労働相は9月18日の閣議後記者会見で、子どもへの性犯罪などを理由に保育士登録を取り消された人が再登録できるまでの期間を、現行の2年から延長することを検討すると明らかにした。児童福祉法は原則、禁錮以上の刑が確定した保育士は登録を取り消され、刑を終えてから2年が経過すれば、再登録できると定めている。わいせつ行為などで教員が懲戒免職処分となるケースが相次いでいることを受け、幼稚園教諭を含む教員免許については、文部科学省が失効期間を3年から5年に延ばす方向で検討を始めている。〔掛札コメント〕再犯でも、再登録できてしまうのでしょうか?

(7月8日)
▶〔企業主導型の指導・監査基準が新しく〕内閣府は6月30日、企業主導型保育施設への指導・監査基準を新たに決めた。悪質な施設には新規利用者の募集停止措置をとれるようにし、保育士などの専門家を交えて調査結果を点検することを明記した。8月から適用し、年度内に全対象施設を点検する。 事業を運営する公財「児童育成協会」については、今年4月1日時点で約140人だった職員を今年度末までに約250人にする増員案を公表した。

(4月4日)
▶〔3分の1の認可保育所に、専用の園庭ナシ〕政令市20市と東京23区にある認可保育所の3分の1に、国の面積基準を満たす専用の園庭がないことが毎日新聞の調査からわかった。厚生労働省は近隣の公園を園庭代わりに利用することを認めているが、移動時の安全面が課題となり、複数の園が同時に公園を利用することもあるなど、子どもが十分に遊べる機会を作るのは難しい状況。調査は2019年4月1日時点の状況を尋ねたもので、新潟市以外が回答した。認可園計6332カ所のうち、国基準を満たす園庭がないのは34.8%で、2017年4月から5.4ポイント増。東京23区は計2208カ所のうち52.9%に園庭がなく、6.7ポイント増。市区別では品川区が最多の80.2%で、中央区80.0%、港区79.4%、文京区78.9%。23区以外では大阪市の74.6%が最多。すべての認可園で基準を満たすのは神戸、浜松など4市。〔掛札コメント〕園庭があったって、近隣との問題で出られない園が(私が知っているだけでも)いくつもあります。近くの公園なんて、園庭代わりになりません。園庭は必須。そして、災害や暑さを考えてホール設置を基準に入れる、さらに職員の休憩室を基準に入れる!です。

(3月15日)
▶〔企業主導型、児童育成協会に再度委託〕内閣府は3月6日、企業主導型保育事業の審査委託先を(公財)児童育成協会に再び決定したと発表した。4月中にも新規の受け付けを再開する。審査機関は公募で選定したが、応募は同協会を含む2件のみで、もう1件は基本要件を満たしていなかったという。


アレルギー、食

(ヒスタミン食中毒は感染症ではないので、こちらに)
異物混入の件は6-1と合わせてお読みください)

(12月5日)
▶〔アレルギー食材の誤食〕滋賀県愛荘町の町立保育園で11月19日、乳製品の食物アレルギーがある4歳児にチーズを誤って提供。給食のチーズ入りサラダを園児が食べて20分後、口の中に違和感を訴えた。首に発疹の症状が出たため、保護者から預かった薬を飲ませて彦根市内の病院に救急搬送した。児は昼過ぎに帰宅したという。業者がアレルギーの園児向けに小鉢に分けて調理し忘れ、職員も献立の確認を怠ったという。

▶〔給食にアブラムシ混入〕11月6日、山形県鶴岡市の中学校の給食で、みそ汁に異物の混入が見つかった。混入していたのは約0.5ミリのアブラムシで具材の白菜に付着していたとみられる。 生徒が見つけ、学校給食センターに連絡し、全校で食べないようにしたという。学校給食センターでは、野菜は3回洗った後に調理していたが、アブラムシは小さいうえに粘着性が強いことから落としきれなかったと見ている。今後、野菜は必要であれば4回以上洗うとしている。〔掛札コメント〕ため息…、これを「異物」って報道するんですね。生徒さん、よく見つけましたね、この小さいものを…。下の話(缶の切りくず)とはわけが違うんですよ、アブラムシは。給食で防げるものじゃありません。

▶〔缶の切りくずが混入〕11月6日、愛知県豊田市の幼稚園で、配膳中のミックスフルーツの中から長さ約3ミリ、太さ1ミリ未満の金属片のようなものが2個発見された。フルーツミックスの缶を切った際の切りくずとみられ、調理場で誤って混入したとみられる。

▶〔食中毒で起訴(韓国)〕6月12日、腸管出血性大腸菌O-157による集団食中毒が発生した韓国のキョンギド(京畿道)アンサン(安山)の幼稚園について、11月3日、園長と栄養士、調理師の3人が業務上過失致傷と公務執行妨害などの疑いで拘束起訴された。また、保健当局の疫学調査を妨害した疑い(公務執行妨害など)で職員、食材納品業者が在宅起訴された。計97人の園児が感染した疑いがあり、疫学調査では園から大腸菌は検出されなかったが、警察は他に可能性がないと判断。警察は6月12日の昼食に出された牛肉を納入後、適切に管理せず、他の食材や調理器具に移り、感染を誘発したと推定している。被害者の大腸菌遺伝子指紋分析の結果、92.3%一致し、食べた場所と食べ物の唯一の共通点は幼稚園給食と判断。ただし、園長などが保存食廃棄など意図的な疫学調査妨害行為をし、給食によって食中毒などの感染症が起きたかは確認できなかったと検察は説明した。また、1月から4月まで調理師を雇うなどしないまま給食を提供した事実と、栄養士が平日約1時間30分だけ勤務し、献立作成・食材検収・配食管理などの職務を履行していないという事実などが追加で確認された。さらに、肉類などの食材検収を適切に進めず、食材保管冷蔵庫の推奨使用期限(8年)が経過したことも確認された。冷却機能が60%以下である23年前の冷蔵庫に食材を保管した業務上過失も明らかになったと伝えられた。〔掛札コメント〕韓国は、未就学児施設における過失等が法律で明確に定められており、罰もはっきりしています。

(11月18日)
▶〔アレルギー食材の誤提供〕神奈川県鎌倉市の市立保育園で11月12日、乳製品と卵アレルギーのある2歳児にチーズ入りのお好み焼きを誤って提供したと発表した。男児は救急搬送され、発熱などのアレルギー症状も出て入院した。現在は退院し、登園しているという。給食調理業務委託業者が誤って提供、その後、誤提供の可能性に気づいたが、児はすでに少量を口にしていた。

▶〔漂白剤の入った水を提供〕千葉県千葉市内の飲食店で11月6日夜、客に誤って漂白剤の入った水を提供した。客はのどや胃の痛みなどを訴え、市保健所は水が原因の食中毒と断定。同店は5日夜に水差しに消毒のため漂白剤を入れたといい、聞き取りに「捨て忘れた。誤って出してしまった」と話したという。〔掛札コメント〕これは園でも起こる事故です。消毒中の容器やボトルには、必ず「消毒中」と記した目立つカード等をつけておく行動習慣を。

(10月1日)
▶〔牛乳の中に小動物の死骸が混入〕山形県鶴岡市の中学校で提供された給食の瓶入り牛乳に、ネズミとみられる体長5センチほどの小動物の死骸が混入していた。生徒が瓶のふたを開ける前、黒い異物が浮かんでいるのを見つけた。市給食センターを通じて学校側から連絡を受けた納入業者が、職員室でふたを開けて死骸を確認した。発見後、校内放送などで飲まないよう伝えたが、すでに10人ほどが口にしていたという。

▶〔刃の混入の恐れがあり、提供中止。すばらしい!〕滋賀県彦根市の小学校で、給食調理用野菜スライサーの一部が欠けたため、給食への混入の可能性があるとして、市は418人分の同日の献立の一部提供を中止した。9月30日午前11時ごろ、調理員が野菜を切り終わった後、スライサーの刃まで野菜を運ぶ樹脂製ベルトコンベヤーの表面にはがれ(縦1センチ、横0・5センチ)を見つけた。混入した可能性があるとして、同日の献立2品の提供を中止した。市はスライサーの使用を当面見合わせ、原因を調べる。〔掛札コメント〕いつもは削ってしまう最後の言葉を今回は残しました。「原因を調べる」って、劣化なのか力がかかったのか、そんなこと、わかりません。調理員さんが見つけて、食べる前に止められたんですから、「よくやった!」な事例です。道具は劣化するんですから、こういうことは起こると想定して、止められればいい。原因を調べなければいけないのは、上の死骸の混入のような事例です。

▶〔給食にホチキスの針様の金属片〕9月29日、愛知県豊田市の幼稚園の給食にホチキスの針のような金属片が混入していた。3歳児が口に入れたフライから見つかった。給食は給食センターで調理され、市内の他の保育園などにも配食された。市は、調理場での混入の可能性は低いと判断。〔掛札コメント〕これも原因を調べる必要があるタイプ。

▶〔賞味期限切れの牛乳を提供〕滋賀県守山市の市立保育園で、賞味期限切れの牛乳が園児1人に提供されていたことがわかった。牛乳は、9月5日の土曜保育で預かった園児4人が飲み、計4パックのうち1パックの賞味期限が7日間過ぎていた。配膳担当の保育士が給食用の冷蔵庫に牛乳が入っていないと勘違いし、別の冷蔵庫にあった職員用の牛乳を提供したという。〔掛札コメント〕こういう事例を精査すると、いろんな学びがあるんですよね…。誰もがする間違いなのに、精査されずに「ごめんなさい。気をつけます」で終わってしまう…。

▶〔賞味期限切れの飲料を提供〕岡山県鏡野町の町立保育園で9月28日、賞味期限切れの乳酸菌飲料が園児に提供された。8月30日~9月2日が期限だった21本を1~6歳に配膳し、園児14人が口にしたが、健康被害は確認されていないという。配膳していた保育士が期限切れに気付いて回収したものの、既に14人が一口から4分の3程度飲んでいた。飲料は8月26日に購入。期限は同30、31日が各4本、9月2日が13本で、園内調理室にある冷蔵庫で保管していた。〔掛札コメント〕同上で、精査する必要があるタイプのできごと。どうしてこれが起きたのか。なぜ、そんなに長く冷蔵庫の中に入れておくことができたのか。子どもは、まずかったら吐き出すでしょうし、1か月ぐらいの期限切れなら大丈夫なんでしょうけど。教委は「期限の確認を徹底し、今後このようなことが起きないよう、気を引き締め再発防止に努める」と言っているようですが、「気を引き締める」話じゃありません。具体的にどうするか。

▶〔病院でアレルギー食材の誤食〕兵庫県県立こども病院で、入院中だった小麦アレルギーがある6歳未満児に小麦粉入りの蒸しパンを提供し、児の血圧が低下する医療事故が起きた。児は一時、集中治療室で治療を受けた。現在は回復し退院しているという。児は急性心筋炎で入院。7月16日、アレルギー除去のおやつとしてゼリーを提供予定だったが、委託業者が指示を見落とし、蒸しパンに児の名前を書いたシールを貼って納入。病院の栄養士と看護師は、シールが貼ってあったことなどから除去食と思い込んだという。

(9月21日)
▶〔シチューに刃〕滋賀県草津市教委は9月15日、市立小学校で同日出された給食のハヤシシチューの中に、刃の一部が混入していたと発表した。児童が食事中に食器の底に異物があるのに気づき、けがはなかった。市内全14小学校に提供している学校給食センターによると、刃の一部はステンレス製で幅5ミリ、長さ1センチ。調理器具を点検したところ、野菜スライサーの刃が欠けているのを確認した。

(9月9日)
▶〔給食にカエルの死骸〕茨城県阿見町で町内の7小学校、3中学校、3保育所に給食を提供している学校給食センターで作られた給食で、今年2月10日、おひたしに体長約2センチのカエルの死骸が混入(小学校)、同18日には、ビーンズカレーに約2センチのクリップ1個が入っているのが見つかった(小学校)。同町は再発防止のため、センターに金属探知機2台と野菜洗浄機1台を設置するなどした。

▶〔おやつにプラスチック片〕滋賀県彦根市の市立保育園で8月17日、園内で調理したおやつの「ツナおやき」にプラスチック片(縦8ミリ、横25ミリ、厚さ2ミリ)が混入していた。1歳児が口にしたが、直後にはき出してけがはなかった。同日昼頃、材料の白米を古いプラスチック容器から新しい容器に給食業者が入れ替えており、その際に容器の破片が混入した可能性が高いという。

(8月17日)
▶〔給食に虫〕岡山県赤磐市の小学校で7月28日、給食のキムチラーメンに幼虫が混入していた。キムチラーメンに5ミリほどの虫が入っているのを6年生児童が見つけたという。具材のチンゲンサイに付着し、学校給食センター(小中学校約200人分の調理を担当)での洗浄作業では取り除けなかったとみられる。教育長は「ご迷惑をお掛けし、おわびする。洗浄の徹底など再発防止策に努める」と述べた。〔掛札コメント〕5ミリの虫をで「ご迷惑をおかけし、おわび」とは…。

(7月19日)
▶〔給食にボルト〕愛知県豊橋市の小学校で、給食のすき焼きに長さ1.7センチのボルト1本が混入していた。7月8日、小学4年生が見つけた。調理場から今回混入していたボルトは見つかっておらず、どの過程で混入したのかは現在調査中。豊橋市で給食に異物が混入していたのはこの1年間で4件目。

▶〔ユウガオで食中毒〕6月9日、長野県安曇野市の農産物直売所でユウガオを買って食べた2人が食中毒の症状を訴え、一時、入院した。炒めて食べたところ、強い苦みを感じ、約30分後、嘔吐や下痢などの症状が出たという。 保健所はユウガオの苦み成分「ククルビタシン類」による食中毒と断定し、ユウガオに苦みを感じた場合は、絶対に食べず、破棄するよう呼びかけている。「ククルビタシン類」は観賞用のウリ科植物に含まれる苦み成分で、ごくまれに食用のユウガオにも含まれている場合があり、県内では昨年度も2件7人の食中毒が発生している。

(7月8日)
▶〔酢の物に異物混入〕長崎県大村市の市立保育所で7月3日、提供された給食の酢の物に長さ約2センチの針金状の異物が混入していた。保育所内で作られ、職員による検食で発覚。すでに0~4歳児が食べ始めており、発見後に酢の物を回収したが、ほかに異物の混入は見つからなかったという。異物はホチキスの針とみられる。この日の検食は、来客対応などのため遅くなっていたという。

(6月11日)
▶〔ヒスタミン食中毒、なぜか園を処分〕滋賀県大津市の民間保育施設で5月29日、給食を食べた1~2歳児15人が全身のかゆみや発疹などを訴え、9人が救急搬送された。食材のサバからアレルギー症状の原因物質ヒスタミンが検出され、保健所は食中毒と断定、同日から2日間の給食提供禁止処分とした。園児らは全員軽症。園児や職員計30人が園内の調理施設で調理されたサバのカレー焼きなどを食べた。〔掛札コメント〕ヒスタミン食中毒は、加工・運搬・保存過程で冷凍等が不十分だった時にも起きるものですから、提供した施設に処分を出しても意味がないんですけど…。わかってます? 大津市さん。ヒスタミン食中毒については、こちらに情報リンクがあります。

▶〔登校初日に誤食〕大阪府大阪市は、市立小学校で6月1日、牛乳等にアレルギーのある1年生が牛乳を誤食。担任は「食物アレルギー個別対応用献立表」を確認していたが誤って牛乳を配り、すぐに気付いて飲むのを止めさせたが、児はすでに一口飲んでいた。学校側は保護者に連絡をとり、指示のあった常備薬を児に服用させたが、発疹が出たため病院に救急搬送した。児は経過観察のため入院している。同市はこの日に学校を再開し、児にとっては初めての給食だった。また、別の市立小学校では、給食時に賞味期限が過ぎたりんごジャムを誤って提供し、140人の児童が食べた。今のところ、児童に健康被害はないという。給食提供前の検品ができておらず、期限は5月27日だったのを見落としたという。〔掛札コメント〕一方、これは上のヒスタミン食中毒と異なり、「声出し指差し確認を現場で!」と対策を講じるべきものです。

(3月26日)
▶〔福祉施設でヒスタミン食中毒〕3月17日、熊本県熊本市内の福祉施設で、昼食に出されたサバのオーブン焼きが原因のヒスタミン食中毒が発生、利用者と職員の計30人が症状を訴えた。症状は軽く、全員回復している。ヒスタミンは、魚類を常温で放置するなどした場合に生成。重症の場合は呼吸困難などを引き起こす。同保健所は、施設の調理や納入業者の記録などから「調理と管理の方法は適切だった」と判断。施設と業者名は公表せず、処分や指導もしない方針。〔掛札コメント〕ヒスタミン食中毒は、冬でも起きます。生産・流通経路でもヒスタミンは増えるので、調べて「調理と管理に問題がなかった」と判断した熊本市は正しいと思います。「役立つリンク」に。

(3月21日)
▶〔公立施設で異物混入2年間に計25件〕沖縄県南城市は4月18日の市議会定例会で、市立小中学校と幼稚園の給食で異物混入が2018年度と19年度(2月時点)の約2年間で計25件発生していたことを明らかにした。18年度15件、19年度10件。混入したのは5ミリ程度のハエ、毛髪、ビニール片、食肉の骨片などで、虫は各年度1件ずつ。多くは食事前に発見され、子どもたちが口にしたのは骨片などだった。「給食センターに納入する食品加工業者の段階で入ったとみられる事例が多かった」と説明。〔掛札コメント〕「計25件」とみると「え!」と思いますが、23か月で25件ですよね。刃やボルトが混入しているわけではないし…。「報道が注目するとこうなる」という一例で、沖縄県は去年から…(2019年のニュース「アレルギー、食」)

(3月4日)
▶〔給食に包丁片〕徳島県阿南市は2月26日、市立保育所で25日に提供した給食の八宝菜に、包丁片(5ミリ×2ミリ)が混入していたと発表した。5歳児が気づいて吐き出した。調べたところ、調理に使用した包丁の先端が欠けていた。〔掛札コメント〕これは気づけたはずですが…

(2月23日)
▶〔卵アレルギーの誤食〕鳥取県湯梨浜町の町立こども園で2月19日、卵アレルギーがある2歳児4人に卵を含むイチゴケーキを与え、1人が救急搬送された。この児は2日後に退院。4人は園にアレルギーを申告していた。ケーキは外部の業者が納入し、注文票には卵使用の記載があったが箱にはなく、調理員が確認を怠ったもの。

(2月18日)
▶〔サラダに1センチのクギ〕沖縄県豊見城市の市立保育所で2月10日、保育所内の調理場で作った給食のサラダに長さ約1センチのクギが混入していた。口に入れた4歳児が異物に気づき、と保育士に伝えた。ニンジンを切ったスライサーのクギが1つ、はずれていたことが判明した。〔掛札コメント〕昨年に続いて、沖縄県はまだ報道が異物混入に注目しているようですね。一度、これが始まるとなかなか終わりません。異物混入を一緒くたにされるのは困るのですが。

(1月23日)
▶〔異物混入2件〕愛知県豊川市の保育園で、1月22日に提供された給食のパンに長さ約3センチのビニール片が混入していた。園児がパンを食べようと割った際に見つかり、保育士が他の園児への提供をやめさせた。保育士らが調べたところ、他のパンからもビニール片が見つかった。市は「今後、製造業者に徹底するよう求める」としている。
 また、三重県伊勢市の小学校では「ひじきそぼろごはん」に長さ3ミリ幅2ミリほどのガラス片が混入していた。児童が口の中で違和感を覚え、気づいた。ヒジキを水でもどす作業中に同じシンクでガラス瓶を割ってしまい、その際のガラス片が残っていた可能性があるという。〔掛札コメント〕今回はいずれも製造者、調理者の責任でしょう。


感染症

(集団感染は、時期の初めのものや感染者の多いものを掲載)
(11月18日)
▶〔北海道で複数のノロウイルス集団感染〕10月29日以降、北海道倶知安保健所管内の保育所で園児31人と職員3人がおう吐や下痢などの症状を訴えたほか、富良野保健所管内にある保育所でも11月4日以降、園児13人が症状を訴え、うち3人が入院して治療を受けている。複数の園児からノロウイルスが検出された。また、旭川市内の保育所でも園児11人が症状を訴える食中毒が起き、同じくノロウイルスが原因とみられている。

▶〔園でО26の集団感染〕秋田県由利本荘保健所管内の保育施設で腸管出血性大腸菌O26の集団感染。10月27日、下痢などの症状があった1人の感染が判明し、施設に通う園児と職員を調べたところ、11月1日までに園児19人と職員2人の感染が確認された。また、園児の家族から2人の感染もわかった。施設内で作られている給食から菌はは検出されなかった。また、その後の検査で11月3日までに新たに園児4人と職員2人、園児の家族10人の合わせて16人の感染が判明した。感染者はあわせて39人。

(11月4日)
▶〔細菌性赤痢〕香川県丸亀市の保育所に通う園児14人と家族4人が細菌性赤痢に感染。 10月21日に園児4人が発熱や腹痛で医療機関を受診して発覚したもの。

▶〔サルモネラ菌食中毒〕岐阜県美濃市の私立保育園で、園児34人が食中毒の症状を訴え、このうち3人が入院した。10月23日、園から「下痢の症状がある園児1人からサルモネラ菌が検出された」と、保健所に通報があった。原因は、園の給食で提供された「のりサラダ」とみられる。

▶〔カンピロバクター食中毒〕東京都中野区の区立小学校で、同校調理の給食を食べた児童、教職員ら計105人に下痢や発熱などの症状が出た。給食に使われていた鶏肉などから検出されたカンピロバクターが原因の食中毒と断定。入院患者や重症者はおらず、既に全員が回復したという。10月12日から22日にかけて症状が出たといい、共通の食事は学校の給食のみだった。

▶〔ノロウイルスによる胃腸炎集団発生〕北海道小樽市内の保育所でノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生。10月22日から27日にかけて施設利用者13人におう吐や下痢などの症状が出、3人の便などを調べたところ、全員からノロウイルスが確認された。保健所は、保育所内で提供された食べ物を通じての感染ではないと見ているという。

(10月22日)
▶〔感染性胃腸炎〕佐賀県伊万里保健所管内の保育所で、感染性胃腸炎が集団発生。園児38人と職員5人が症状を訴えた。入院が必要な重症者はいなかった。10月6日から症状を訴え、8日に保育所から保健所に連絡があり、検査したところ、園児と職員2人からノロウイルスが検出された。「長期間で発生しているため、食中毒の可能性は低い」としている。

(10月11日)
▶〔ウェルシュ菌食中毒〕9月29日、埼玉県ふじみ野市の食品会社が提供したスパゲティとサラダの弁当を食べた県西部の中学校の生徒、教員計146人が、同日夕方以降に相次いで下痢などの症状を訴え、学校が保健所に通報した。 19人からウエルシュ菌を検出。重症者はいない。

▶〔介護施設でレジオネラ肺炎〕埼玉県戸田市は9月30日、市立の介護老人保健施設(指定管理。94人入所)で入所者(64歳)がレジオネラ肺炎を発症し、入所者用機械浴槽5台のうち1台から基準値の100倍のレジオネラ属菌が検出されたと発表した。この入所者は16日から市内の医療機関に入院し、17日にレジオネラ肺炎とわかった。現在は回復している。25日に1台の汚染がわかった。

(10月1日)
▶〔サルモネラ菌集団食中毒〕岐阜県郡上市の施設で調理した給食を食べた保育所と幼稚園の1~6歳の54人が発熱や下痢などの症状を訴え、うち44人が医療機関を受診した。9月10日に提供したご飯やミネストローネ、グラタン、サラダなどの給食を食べた園児らが、12~23日に相次いで発症。18日に保育所から連絡があった。その後、患者の便と給食の残品からサルモネラ属菌が検出された。

▶〔O26集団食中毒〕和歌山県御坊市の私立保育園で腸管出血性大腸菌感染症O26の集団感染が発生、家族を含め、13人が陽性とされた。うち、9人は無症状。園児54人を検査し7人が陽性、職員は13人のうち1人、陽性者の家族は23人のうち5人が陽性だった。

▶〔O26集団食中毒〕福岡県福岡市博多区の保育園で、園児と職員11人が腸管出血性大腸菌O-26に集団感染。9月16日、下痢の症状があった1歳児から菌が検出されたため、保育園で検査を実施したところ、0歳児と1歳児のあわせて9人と、職員1人からも菌が検出されたという。

(9月21日)
▶〔ウェルシュ菌食中毒〕9月8日、静岡県島田市内の仕出し屋で作ったカレーライス等の弁当を食べた2つの幼稚園の園児59人、高校生22人、その他14人のあわせて95人が、下痢や腹痛などの症状を訴え、食中毒と断定された。少なくとも40人余りの便からウェルシュ菌が検出された。重症者はおらず、いずれも快方に向かっているという。

(9月21日)
▶〔幼稚園でO157集団感染〕愛媛県松山市はの市立幼稚園の園児2人が腸管出血性大腸菌O157に感染。2人とも症状は軽く、自宅で療養しているという。感染経路は調査中。1人は腹痛や血便の症状が出たため9月3日に市内医療機関を受診し、4日に感染を確認した。もう1人も腹痛や血便があり7日に医療機関を受診し、10日に感染を確認。

(8月17日)
▶〔弁当で集団食中毒〕愛知県岩倉市の認定こども園で、7月22日、配達弁当店が提供した給食を食べた園児22人が腹痛などを訴える食中毒が発生した。この日の給食は、豚肉のしょうが焼きやマカロニサラダなどで、6人の便からサルモネラ菌が検出された。

(7月28日)
▶〔食中毒で補償〕埼玉県八潮市の小中学校の給食で病原大腸菌O(オー)7による食中毒が発生し、児童生徒ら3千人超が症状を訴えた問題で、市内全15校の給食づくりの委託を受ける給食センターは7月22日、無症状も含めた全員に補償金を払うことを書面で保護者らに通知した。補償総額は少なくとも3000万円を超えるという。補償内容は医療費の実費と慰謝料、仕事を休んだ保護者の休業損害など。慰謝料は、無症状は1人一律3千円、自宅療養は5千円、通院は1日あたり5500円、入院は1日あたり1万円。

(7月19日)
▶〔サルモネラ菌食中毒〕愛知県小牧市の幼稚園で、給食を食べた園児18人(2~6歳)が食中毒症状を訴え、2人が入院した。一部の園児からサルモネラ菌が検出されたという。7月8日、市内の病院から保健所に連絡が入った。6月30日か7月1日に出された給食が原因とみられる。

▶〔海藻サラダが原因と断定〕埼玉県八潮市の小中学校の給食で病原大腸菌O(オー)7による食中毒が発生し、3453人が下痢や腹痛などの症状を訴えた問題で、給食に出された海藻サラダからこの菌が検出され、これが食中毒と県が断定。

(7月8日)
▶〔3453人が食中毒〕6月28日、埼玉県八潮市の医療機関から保健所に「八潮市内の複数小中学校の児童生徒が、腹痛・下痢等の食中毒様症状を呈して受診している」との通報があった。 調べた結果、小中学校で給食を食べた児童生徒らの病原大腸菌食中毒。市内の児童生徒と教員計6922人(15校)の半分にあたる3453人に症状があり、検査した児童・生徒ら17人中12人の便から病原大腸菌が検出された。給食を作った同市の「東部給食センター」は3日間の営業停止処分。有症者が共通して食べたものは、6月26日12時に出された給食のみ。メニューは、鶏の唐揚げ、ツナじゃが、海藻サラダ、ごはん、みそ汁で、現在までに原因として考えられているのは、海藻サラダに入っていたワカメ。乾燥ワカメを水で戻してサラダとして使用していた。熱処理していないのは、ワカメと生野菜のみだったため。

(5月14日)
▶〔マダニに咬まれ死亡〕広島県福山市で、マダニにかまれた70代が死亡した。4月下旬に発症、マダニが媒介する感染症SFTSと判明し、5月8日に死亡した。県内で今年、同感染症の感染が確認されたのは2例目で、死者は初めて。

(5月7日)
▶〔高校の食堂でノロウイルス集団食中毒〕鳥取県鳥取市の高校の食堂で5月6日、ノロウイルスによる集団食中毒が発生。食事した1~3年生79人が下痢や嘔吐などの症状を訴えたが、全員軽症で快方に向かっているという。食堂はNPO法人が運営しており、寮で生活する生徒163人が利用している。保健所は食堂の食事が原因の食中毒と断定した。

(4月30日)
▶〔4月16日現在の休園状況〕厚生労働省は4月20日、新型コロナウイルスの影響による全国の保育所の休園状況を公表した。15都県の168カ所が子どもの受け入れを全面的に停止し、休園していた。うち20カ所は子どもや職員に感染者が出たことが理由で、148カ所は自主的な休園。全面休園している保育所があるのは、宮城、群馬、福島、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、愛知、兵庫、香川、高知、福岡、沖縄の15都県。各都県ごとの施設数は明らかにされていない。

(3月21日)
▶〔社員向けカフェでウエルシュ菌〕東京都港区にある社員向けカフェで2月26日、昼食をとった男女あわせて184人が食中毒の症状を訴え、一部の患者の便と、提供された昼食のメニューの1つである「チキンの煮込み」からウェルシュ菌が検出された。カフェと渋谷区にある調理施設が3月16日から3日間の営業停止処分。〔掛札コメント〕ウェルシュ菌(こちらに情報リンクあり)は、大鍋等で調理をした際、内部が冷めずにいる状態で増える菌です。加熱でこの菌は死にません。園で前夜に大量調理したカレーを次の日に、といったケースでも起きます。

(3月15日)
▶〔細菌性赤痢〕愛知県高浜市の保育園で園児ら11人が細菌性赤痢に感染。うち4人の園児が入院中だが症状は軽いという。4歳児が発熱や下痢を訴えて診察を受け、3月11日に感染が発覚。その後、14日までに8人の感染が確認されたほか、病院で診察を受けた別の園児2人にも感染がわかった。感染経路は現時点で不明。

(2月18日)
▶〔92人がインフルエンザ感染〕奈良県田原本町の民営保育園で、園児と職員の計92人がインフルエンザに集団感染したと2月14日、県が発表した。全クラスで発症し、園児2人が入院したが快方に向かっているという。園児215人中82人、職員42人中10人が発症。〔掛札コメント〕これはさすがに多い…。

(2月12日)
▶〔マダニから新種のウイルス〕去年5月、山林で山菜を採っていてマダニとみられる虫にかまれた男性(北海道札幌市、40代)の血液から新種のウイルスが確認された。4日後に39度台の熱が出たほか、両足の痛みで一時、歩くことが困難になったが、現在は回復して退院している。 国立感染症研究所によると、ウイルスはマダニが媒介するSFTSウイルスに特徴が似ているという。

(1月19日)
▶〔11歳がインフルエンザ脳症〕富山県県東部の小学校に通う11歳児が、冬休みの間にインフルエンザに感染して入院、1月14日、インフルエンザ脳症で死亡した。


その他の安全、健康

(10月1日)
▶〔保育園内に侵入〕鹿児島県龍郷町の56歳の男が、建造物侵入の疑いで逮捕された。9月25日午前10時半前、保育園の敷地内に正当な理由もなく侵入した疑い。 当時、保育園には園児ら十数名がいたが、建物の中に避難し、けが人はいない。警察の調べに対し「敷地内に入ったことは間違いない」と容疑を認めているという。また、犯行当時に「包丁を持っていた」と話しているという。

(9月21日)
▶〔倒壊、崩壊の危機で休園〕埼玉県上尾市は9月14日、市立保育所のひとつ(1971年築、鉄骨2階構造)を来年3月で休園とすると明らかにした。この保育所ともうひとつの保育所は、2023年新設の「子ども・子育て支援複合施設」(仮称)に移転する計画があり、耐震診断の対象外となっていた。昨年度、同時期に建築された保育所が耐震診断で基準値を下回ったことを受け、耐震診断を実施。結果、耐震指標のIs値(建物の粘り強さに形状や経年を考慮して算出する値)が基準値の0.6を下回る0.1~0.3未満で大規模な工事が必要となり、複合施設への移転までの間、近隣の保育所などでの受け入れを決めたもの。もうひとつの保育所は鉄骨平屋建でIs値は0.35~0.58だったため、補強工事を行い保育を継続する。

(9月9日)
▶〔ショベルカーで園敷地に侵入〕8月20日午前8時前、島根県浜田市の保育園から、ショベルカーに乗った男が怒鳴りながら敷地に侵入したと110番通報があった。男は間もなく立ち去ったが、園児約20人が避難。威力業務妨害の疑いで、近くの住民(男性、76歳)が逮捕された。園内に入ったことは認めているが「誰もいなかったため業務を妨害していない」と容疑を否認している。男は、同園の用地取得に不満を持ち、騒音被害を訴えてトラブルになっていたという。

(6月11日)
▶〔運動公園のベンチで刺激性皮膚炎〕5月16日午前、滋賀県大津市の運動公園のテニスコートで、県のソフトテニス競技に参加していた教諭が「生徒らの体に発疹が出ている」と119番した。ベンチで応援していた市内の中学の女子生徒62人が体のかゆみや皮膚の腫れを訴え、受診した。大半の生徒の症状は同日中に治まったという。県教委や公園を管理する市によると、生徒らは午前8時40分頃から観覧席のベンチに座り、9時以降「太ももや膝の裏側がちくちくする」などと次々に訴え、刺激性皮膚炎と診断された。ベンチは1987年に設置された繊維強化プラスチック(FRP)製で、劣化して塗料の一部がはがれていた。塗料の破片などが皮膚に触れ、発疹を引き起こした可能性があるという。〔掛札コメント〕こんなことも起きるんですね。知っておくとよいこと。

(6月1日)
▶〔砂場に注射針〕5月24日夕方、神奈川県横浜市鶴見区の公園で、砂場に注射針のようなものが落ちているのを3歳児が見つけた。針は長さ約3ミリで、血糖値を測る際に使用される注射針の先端部分とみられる。38本が砂場の直径約50センチの範囲に散乱しており、その上に浅く砂がかけられていたという。市内では4日にも金沢区の公園の砂場で、カッターナイフの替え刃20本以上が見つかっている。

▶〔保育園敷地に不審者〕5月26日午前、愛知県半田市の保育園に無断で侵入した無職の40歳の男が建造物侵入の疑いで現行犯逮捕された。園児らにケガはない。「不審者が入ってきた」という保育士からの通報を受け駆け付けた警察官が、敷地内のベンチで座っていた容疑者を取り押さえた。容疑者は高さ約1.2メートルのフェンスをよじ上り敷地内に侵入したとみられるが、認否を留保しているという。

(6月1日)
▶〔駐車場が陥没〕沖縄県中城村の認可こども園で5月24日(日)、駐車場が陥没し、建物の基礎部分が一部むき出しになった。大雨の影響の可能性もある。けが人はなかった。陥没した広さは縦約20メートル、横約6メートルで、深さは最大約5メートル。24日朝に駐車場でひび割れが見つかり、午後7時半ごろまでに陥没した。こども園は今年4月に開園。村は今後、施工業者と協議し、対応を検討する方針。

(5月7日)
▶〔公園に替え刃が散乱〕神奈川県横浜市金沢区の公園で5月4日、カッターの替え刃数十本が散乱しているのが見つかった。公園内の砂場やその周辺で、一部は砂場に埋まっている状態で見つかったという。子どもと公園を訪れた男性が、子供が替え刃を持っているのを見つけ、近くの交番に届け出た。

(2月23日)
▶〔爆破予告で被害届〕神奈川県川崎市内の4つの小中学校に今月10日と13日、「爆破する」などと書かれた封書が届けられ、それぞれの学校が2月18日、威力業務妨害の疑いで警察に被害届けを提出した。いずれも不審物は見つからなかった。〔掛札コメント〕こうした予告や脅迫があったら、「いたずらだろう」で終わらせず、必ず届け出てください。届け出ずにおいて、本当に起きたら?

(2月18日)
▶〔公園で悪質ないたずら〕神奈川県海老名市は2月13日、市立の公園で悪質ないたずらがあったと発表した。利用者が1月24日午前10時前に発見、市に連絡した。ローラー滑り台の滑り始める場所に上向きでカッターナイフが置かれ、中ほどには犬のふんが塗りつけられていた。また周辺に使用済みのマッチが散乱していた。市は警察に届け出、滑り台の周辺に注意を喚起する看板を設置。防犯カメラの設置も進めている。〔掛札コメント〕公園へ散歩に出かけたら、まずは職員が公園を走って一周して目立つゴミや危険物を拾い、安全チェックを。

(2月12日)
▶〔公立保育所、耐震基準を満たさず閉園〕埼玉県上尾市の公立保育所1園が昨年12月、国の耐震基準を満たしていないことがわかり、4月から休園する。園児は別の保育所に移る。震度6~7の揺れがあった場合に「倒壊または崩落する危険性が高い」と診断されたもの。他の6つの公立保育所も今後耐震補強を行ったり、診断を行ったりする。この園は建物の老朽化も進んでいるため、耐震補強は行わないとして、対策を検討している。

(1月19日)
▶〔ニホンザルに咬まれ、ケガ〕大阪府茨木市で1月13日夕方、帰宅途中の5歳児がニホンザルに右足首をかまれて、けがをした。先月12月、吹田市で4歳児が、今月3日には茨木市で6歳児がニホンザルに襲われ軽傷を負っている。

(1月8日)
▶〔路上でサルに襲われ、ケガ〕大阪府茨木市で6歳児がサルに咬まれ、足に軽いけがをした。1月3日午後5時頃、路上で友達数人とかくれんぼをしていたところ、電柱の陰からサルに襲われた。サルは今月1日から連日、現場近くで目撃されている。