2023年のニュース

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事故、傷害、ヒヤリハットの事例

(園バス事故はケガがあった時のみ)

(12月30日)
〔園児の手に熱い湯をかける。市の報告は1年後〕長野県塩尻市の市立保育園で2022年12月、給食前の手洗いで保育士が誤って、1歳児の手に数秒間、熱い湯をかけた。水と湯のハンドルを別々に調整する混合栓を使っており、水を先に閉めたことが原因だという。湯温は約65度で、手を拭く際に右手の甲の皮がむけたため、やけどに気づき、病院を受診した。 市は12月19日に市議会に報告し、公表が1年後となった点について、「園児が回復まで静かに過ごせることを優先させた」と、適切な判断だったとしている。事故後は給湯設備を使用していないという。

〔送迎バスが反対車線に飛び出し、事故〕12月18日午後2時半頃、広島県東広島市の市道で、こども園の送迎バスが中央分離帯を乗り越えて反対車線にはみ出し、対向車線を走っていた普通乗用車など4台と衝突。バスは再び中央分離帯にぶつかり停止した。バスの運転手(77歳、男性)が重傷、3~6歳児5人の他、車に乗っていた4人が軽傷。19日、バスのドライブレコーダーの映像を確認したところ、事故が起きる直前、運転手の意識がもうろうとしているような様子が写っていたという。運転手は18日朝、園のスタッフに対して「かぜっぽい」などと話していたという。園はバス運行を広島市の会社に委託し、運転手は園で8年間、勤務していた。

(12月18日)
〔ビニールテープをくくりつけたすき間から出ていく〕11月28日午前10時半頃、茨城県つくば市の市立保育所の園庭から2歳児が出、隣接する駐車場で別の保護者に保護された。園庭は約20平方メートル、幅約1メートルの通路で囲われ、通路の両側には高さ約80センチのフェンスがあった。この時、2歳児等12人がおり、保育士は子どもが園庭と通路の両方で遊べるよう、フェンスの内側の扉を開けていたという。途中、通路側にいた子ども1人がいないことに気づいた保育士が、外側のフェンスのすき間からその園児が出ていこうとしているのに気づき、追いかけた。
 同市では11月1日に別の市立保育所で3歳児が園から抜け出したことから、全園に危険箇所の点検を指示していた。この園では、今回、2歳児が抜け出したすき間(約20センチ)にビニールテープをくくりつける等していたが、園児はビニールテープのすき間から出た。このすき間は、フェンスの角の部分で、電柱を支えるワイヤが設置してある。〔掛札コメント〕ビニールテープをくくりつけたら、それは「ヒモ」なわけですから、通り抜けようとする子どもにとってはかえって危険。公立なのですし、保育者の仕事は監視ではないのですから、見守りだとか園で対応だとか言わずに、自治体が対策をして当然。

〔幼稚園の送迎車両が事故。2件〕●北海道恵庭市の交差点で、12月1日午前8時頃、右折する幼稚園の送迎バスと直進する軽乗用車が衝突した。バスには4~6歳の子ども3人が乗っており、一時、腰や頭の痛みを訴えたがけがはないという。事故の際、軽乗用車を運転していた人のスマートフォンが衝突を検出し、自動で119番通報した。●12月1日午前8時半過ぎ、栃木県那須塩原市の交差点で幼稚園の送迎バスと2トントラックが衝突した。送迎バスに乗っていた園児5人のうち一人が右足首の痛みを訴え、病院に運ばれたという。現場は信号機が設置された交差点。

(11月26日)
〔幼稚園の外壁に保護者の車が突っ込む〕岩手県盛岡市の幼稚園で11月15日午前7時半頃、門の近くの外壁に乗用車が突っ込んだ。ケガ人はいない。運転していた男性は子どもを送り終えて駐車場から出た際に、アクセルとブレーキを踏み間違えたとみられている。

〔砂場の石積みが崩れ、子どもがケガ〕兵庫県尼崎市の公園で11月9日午前、砂場の周りにある石積み(高さ約40センチ)の石1個(重さ約30キロ)が崩れ、遊んでいた4歳児の手の上に落ち、児は指を負傷した。石積みは積んだ石をコンクリートで補強したもので、1966年の公園完成時に設置された。この事故を受けて市が公園など607か所を調査したところ、87か所の公園で石がぐらついたり、石を留めるコンクリートが割れたりしているのを確認し、石を撤去する、立ち入りを禁止する等の対応をした。公立保育所や児童発達支援センターでは不具合は確認されなかった。


〔ハンドソープの代わりに次亜塩素酸ナトリウム〕愛知県豊田市の市立こども園で、ハンドソープの代わりに誤って次亜塩素酸ナトリウムを使用。11月8~9日、複数の保護者から「子どもが以前着用していた衣類に色落ちした部分がある」と相談があり、職員が確認したところ、屋外の手洗い場のハンドソープ容器のひとつに、次亜塩素酸ナトリウムが入っていた。混入したのは10月下旬頃で詰替用ボトルの大きさや形が似ていたこと、保管場所が近かったことが原因として考えられるという。 園児6人の衣服が色落ちするなどの影響があったが、健康被害は今のところ報告されていない。〔掛札コメント〕2週間は次亜塩素酸ナトリウムが入っていたということですよね。塩素は徐々に自然分解されるとはいえ、誤って入れること自体、あり得ない。「このボトルはハンドソープ。今から詰め替えるのは…」という声出し指差し確認は絶対必要です。あ、それ以前に、ボトルを洗って乾燥させてから詰め替えたのでしょうか? 詰め替えるなら容器は洗って乾燥させてから。そうしないと雑菌が繁殖します。

〔鍵開け当番保育士のミスで開所遅れ〕11月13日、千葉県柏市の市立保育園で開所時に鍵を開ける当番だった2人の保育士のミスで、園児ら20人が最大25分間、園舎内に入れなかった。当番保育士は受け入れ時間10分前の午前6時50分に園舎の玄関を開けることになっているが、この日、当番のうち1人は勤務シフトを勘違いして出勤せず、もう1人は時間通りに出勤したが鍵を忘れた。この保育士から連絡を受けた保育士が駆けつけて、鍵を開けることができたという。〔掛札コメント〕そもそも鍵を持って歩くこと自体がリスクなわけで、別の方法を考えるべき。一番簡単なのは、集合住宅等の内見用に使うキーボックス(暗証番号使用)。

(11月13日)
〔送迎バスに乗用車が追突〕10月27日午前8時半頃、茨城県日立市の市道で信号待ちをしていた幼稚園の送迎バスに乗用車が追突した。送迎バスに乗っていた園児8人と保育士1人、運転手のうち、保育士が首を捻挫するなどの軽いけがを負った。現場は片側1車線。

〔カメラとSDカードが紛失〕兵庫県尼崎市の市立幼稚園で、園児を撮影したデジタルカメラやデータ保存用メディアが所在不明。9月25日に職員がカメラの紛失に気づき、探したが発見できず、9月28日に園から市教委へ報告があった。このカメラとデータ保存用SDメモリカードには、同園の園児と関係者など約17人分の写真あわせて約1000件が保存されていた。カメラの保管場所は決められていたが、異なる場所に保管しており、データをハードディスクにコピーしたあともメディア内より削除していなかったという。10月5日に警察へ紛失届を提出。

(10月21日)
〔まぶた付近にピンセットが刺さり、脳内出血〕長野県山形村の村立保育園で10月12日昼前、6歳児のまぶた付近に長さ約25センチのピンセットが刺さり、脳内出血が起こる事故が起きた。クラスで飼っているカエルに餌を与えるためのピンセットを持ったまま、園庭の滑り台を腹這いで滑り降り、着地した時に刺さったとみられる。ピンセットは担任の保育士が持ち込んだもので、テラスの飼育箱の下に置き、園児が使う際は保育士に伝える約束をしていたが、自由に持ち出せる状況だった。事故当時、園庭には園児79人と保育士17人がいたが、事故を見た職員はおらず、別の園児と本児から保育士に報告があり、園長らが傷を確認。連絡を受けた家族が受診した後、搬送された。児は退院して、経過観察中。〔掛札コメント〕ルールの理由をわかっていても守らない(守れない)おとながいるのに、ルールの理由を明確にわかっていない子どもがルールを守ると思っているほうが間違いです。子どもにとって、ピンセットはとても魅力的なおもちゃですし。これまでも子どもが持って遊んでいたことはあったのでしょう。さらに、なぜすぐに搬送しなかったのか。園庭に79人もの子どもを一気に出しておくことのリスクは考えないのでしょうか。

〔運動会で熱中症、30人搬送〕9月28日昼前、滋賀県彦根市の小学校で運動会に参加していた2年~6年生30人の児童が熱中症とみられる症状を訴え、病院に搬送された。中等症が14人、軽症が16人、いずれも意識はあり命に別状はないという。搬送された児童の多くは6年生で、100メートル走を終えたあと、相次いで体調不良を訴えた。同市では28日、午前11時前の時点で最高気温の31.6度を観測しており、「暑さ指数」は「厳重警戒」になっていた。校長は「9月の異常な暑さの中で運動するので、熱中症指数や子どもの体調管理に注意しこまめな水分補給を何度も呼びかけていたが、子どもや保護者に心配をかけてしまい申し訳なく思っています」と陳謝した。〔掛札コメント〕「体調管理に注意」って具体性ゼロですね。そして、水を飲んでいても、暑い中にいたら熱中症になります。

〔送迎バスがブロック塀にぶつかる〕10月12日午後4時前、群馬県高崎市で幼稚園の園バスが民家のブロック塀にぶつかり、園児4人がけがをして病院に運ばれた。 4人は全員、意識があり、歩ける状態だったという。バスには園児4人のほか、教諭と運転手の合わせて6人が乗っていた。

〔イベント用テントが飛ばされ、ケガ〕栃木県壬生市の公園で10月6日正午頃、イベント用のテントが強風にあおられて飛ばされ、近くにいた保育園児2人や保護者ら計9人が巻き込まれる事故があった。保護者2人が頭などに軽いけがをしたという。テントは7日のイベントで使う予定で設営済みだった。テントの脚は折り畳んでいた。

〔民家のブロック塀が崩れ、ケガ〕9月26日午前7時過ぎ、福井県鯖江市で用水路沿いの道路に面した民家のブロック塀(高さ1.2メートル)の上部が幅2.4メートルにわたって崩れ、通学途中だった小学6年生が足を挟まれた。児は市内の病院に搬送され、右足のすねの骨を折る大けが。ブロック塀は6段積み構造で、崩れたのは上から2段分(40センチ)。児は「塀を手で触ったら崩れてきた」と説明している。崩れた部分に鉄筋は入っておらず、塀を支える「控え壁」も設置されていなかった。民家の住人は市に対し、ブロック塀を撤去する考えを示したという。

〔園庭から2歳児が敷地外に出る〕千葉県八千代市の私立保育園で10月13日午前10時45分頃、園庭で遊んでいた2歳児が園外に抜け出した。当時は園児約10人を保育士3人が見ていたという。児が交通量の多い道路にいたところ、近隣住民らが付き添って横断。園から数十メートル離れたコンビニに入ったのに気付いた住民が不審に思い、園に連絡した。保育士がコンビニに迎えに行って男児を保護。園は連絡を受けるまで男児がいなくなっことに気付かなかったといい、抜け出してから約20分が経過していた。園庭から出る門の鍵の閉め忘れが原因という。〔掛札コメント〕鍵を閉めたかどうか、職員は必ず「声出し指差し確認」(本サイト「安全」の2-3)、保護者には閉めるよう注意喚起(「コミュニケーション」のB-2にひな型。注意喚起に使えるイラストは『保育者のためのハザード教室』の中にあります)。鍵を閉めてもすき間等から出られる構造の場合、別の話ですが。

〔児童生徒1307人分の指導要録を紛失〕東京都杉並区は10月10日、区立こども園1園と小中学校10校で、卒業・修了した児童生徒計1307人分の指導要録を紛失したと発表した。2003~18年度に卒業・修了した分。指導要録は、氏名、住所、保護者名などを記した「学籍に関する記録」と、教科成績などを記した「指導に関する記録」が含まれる。いずれも施錠できる場所で保管していたといい、他の書類に紛れた誤廃棄の可能性が高いとみている。

(9月25日)
〔机が倒れて骨折の件、園長側が起訴内容を一部否認〕兵庫県尼崎市の認定こども園で2021年4月9日午前、保育室内の棚に立てかけられていた木製机(約60センチ四方、高さ約25センチ、重さ約5.8キロ)が倒れて1歳児にぶつかり、足の指の骨を折り不全切断になるなどの重傷を負っていたことがわかった。園の管理が不十分だったとして保護者が警察に被害届を提出、2022年12月、業務上過失傷害容疑で園の関係者4人が書類送検され、うち、略式起訴された園長の初公判が9月8日に開かれたもの。園長は今年6月に略式起訴されて罰金命令を受けたことを不服として正式裁判を請求、この日、園長側は「刑法上の過失があるか分からない」などと起訴内容を一部否認した。

〔熱中症とみられる症状で搬送〕9月16日、長崎県島原市で4歳児が熱中症とみられる症状で病院に搬送された。屋内で運動中だった。島原市は同日午後1時43分、33.8度の最高気温を観測した。県内では熱中症警戒アラートが発表されていた。〔掛札コメント〕報道されないだけで、搬送事例は多いのでしょう(2018年、19年、研修会等で「搬送した」という話も聞きました)

〔すりおろしリンゴ窒息死亡、気管から7~8ミリの固形物〕鹿児島県姶良市の認可保育所で4月18日午後、すりおろしたリンゴを食べた6か月児が急変し、その後死亡したことを受け、検証委員会の第4回会合が8月28日に開かれた。児の遺族と代理人弁護士が出席。遺族側は、救急搬送後に医師が児の気管から取り除いた7、8ミリ程度の固形物の写真や、児の容体が記されたカルテの一部を提出した。カルテによると、気管から回収した固形物が何かは医師は断定していない。「挿管時に声門周囲に食物残渣(リンゴ?)が確認された」「気管支ファイバーで1~2センチ大の構造物摘出」といった記述があった。

〔3歳児が園外に出、30分間、園も把握せず〕福岡県福岡市博多区の認可保育園で9月5日午前10時頃、保育中の3歳児が園外に出、約30分後に園から500メートル近く離れた場所で別の園児の保護者が見つけ、保護された。ケガはなかったが、園は児の不在に気付いていなかった。直前、行事で部屋を移動するために外廊下に並んだ際には、この児を含むクラスの14人がそろっているのを保育士1人が確認していた。保育士は、園児たちを迎え入れるピアノ演奏のために先に部屋に入り、その間に、この児が正門から園外に出たとみられる。正門は普段、施錠しているが、この日は直前に別クラスの園児らが外に出た後、職員が門を閉め忘れ、開いた状態になっていたという。児は発見されるまでに、片側4車線の大通りを横断した可能性もあるという。〔掛札コメント〕今は報道されるようになっただけで、このような事例は頻繁に起きています。保育時間中、送迎時間中、散歩中、それぞれに予防のポイント、予防の方法は異なりますが、まずは「出ていって当然」「いなくなって当然」と想定しておくことです。

〔24人を7人で引率、1人置き去りに〕沖縄県今帰仁村内の保育園で2022年12月7日午前、園児と職員が外出した際、2歳児1人が置き去りになる事故が起きていたことがわかった。職員7人と0~2歳児24人が近隣施設の砂場に出かけた帰り道、児が置き去りになった。住民が児を見つけ、園に送り届けて発覚した。園児の人数確認は約5回行ったが、砂場を離れる直前、2グループに分かれた際、確認を怠ったという。〔掛札コメント〕24人に7人…? なぜそんなにたくさんの保育者が? そして、職員が7人もいて、なぜ置き去りに?

〔1522人の学籍を紛失〕兵庫県西宮市の6つの小中学校で、1522人分の卒業生(2003~2010年度)の個人情報が記載された資料を紛失した(8月28日発表)。この資料(学籍)には児童・生徒の氏名や生年月日、入学や卒業年度などが記載されていて、20年間の保存が法律で定められているが、校舎の移転などの時期に誤って廃棄した可能性が高いという。市教委は書類が正しく保管されているか年に一度確認しているが、今回、紛失がわかった学校からは毎年、「学籍は保存されている」という回答があったということで、管理がずさんだった。

〔2019年の豪雨で死亡した1人は保護者〕2019年10月の房総豪雨の際、千葉県長柄町で亡くなった2人のうち1人は、同町の認定こども園に子どもを迎えに行く途中の保護者。(この記事は、同園が同じ事態を防ぐためにしている取り組みを紹介したもの。)

(8月28日)
〔熱中症で小学2年生が死亡〕北海道伊達市の小学校で8月22日、2年生が熱中症の疑いで倒れ、搬送されたが死亡。正午前、「体育の授業が終わって移動中に急に倒れて意識がない」と通報があった。体育の授業は午前10時半から正午頃まで3時間目、4時間目連続で行われ、水分補給は計6回行っていたという。この日、伊達市の最高気温は33.5℃、統計開始以来一番の暑さで、環境省が「運動は原則禁止」とした暑さ指数31を午前9時から超えていた。学校は暑さ指数を確認せず、気温だけで屋外授業の実施を判断していた。〔掛札コメント〕暑さ指数31と気温から逆算すると、湿度は65%以上あったようです。北海道も雨がよく降るようになっていますから、「北海道は乾燥している」は通用しなくなってきました。また、「水を飲む」はあくまでも脱水の予防であって、水を飲んでいれば深部体温を下げられるわけではありません。

〔ウォーター・スライダーで転倒、死亡〕8月24日午後2時半頃、島根県邑南町のレジャー施設のウオータースライダーで遊んでいた小学3年生が別の児童と接触して転倒、後頭部を打撲、意識不明の状態で搬送されたが、その後、死亡した。児はウオータースライダーの途中で止まっていた状態で、後ろから滑ってきた児童と接触した。当初は大声で泣いていたが、車内で休んでいる際に意識と呼吸がなくなったという。この日は地元の公民館と児童クラブ共催のイベントで、少なくとも小学1~6年生10人が参加。公民館の職員ら大人7人が引率していた。当時、ウオータースライダーには5人の児童が遊んでいたという。ウオータースライダーは全長25メートル、幅1メートル。傾斜約15度の坂道にビニールシートを敷き、坂の上から水を流して滑るもの。〔掛札コメント〕ウォーター・スライダー「もどき」です。地面はでこぼこ、なのに25メートルもあり、幅は1メートルしかなくて壁も柵もない。横切ることも、途中から滑り出すこともできてしまう構造で、そもそもの誤りです。普通の滑り台でも、子どもが途中で止まることはあります(滑っているのが怖いのか、ただ止まりたいのか)。鉄則は「一人が完全に滑り終わるまで、次は滑らない」ですが、この設備のように途中からでも入れるのであれば、この鉄則すら守れません。


〔調理師がグリストラップで溺死〕広島県広島市の市立保育園で8月14日午後5時20分頃、調理員が園舎裏に設置している「グリストラップ(グリース・トラップ)」の清掃作業中、何かの原因で頭から転落し、搬送されたが死亡した。死因は溺死。保育士が「調理員が敷地内の水に滑落しているが引き上げられない。意識がない」と通報。グリース・トラップは60センチ×30センチ、深さ約1メートル。事故当時の水深は不明だが、15日に確認したところ、35センチ程度だったという。広島市は再発防止策として、グリストラップ内に身を乗り出すような危険を伴う作業は行わない、清掃は複数の職員で行うことなどを、公立・市立の全保育園に周知徹底する。〔掛札コメント〕「複数で作業」は現実的ではありません。周囲は滑りやすい場合が多いでしょうから、足場作業用の板(ネット上になっているもの)を渡し、たとえ倒れたとしても頭が入らない程度の空きにして真上から作業しては?

〔給食用エレベーターに挟まれ、死亡〕8月21日午後4時10分頃、東京都江戸川区の市立小学校で給食搬送用エレベーターの点検を行っていた業者作業員がエレベーターと壁の間に首のあたりを挟まれた。消防に救助されたが、死亡が確認された。当時1人で作業中だった。〔掛札コメント〕これは上の事故とは異なり、2人で作業をしたほうが…。

〔遊具の固定金具でケガ〕長崎県諫早市の公園で今年3月25日、5歳児が太ももを約10センチ切り、7針縫うけがをしていたことがわかった。児は、トンネル状の筒の中を上り下りする「トンネルクライミング遊具」で遊んでいた際、金具に接触し負傷した。遊具には足や手をかける突起が付いているが、一部が劣化し、固定するための金具がむき出しの状態になっていたという。市は使用を禁止し、5月に遊具の一部を撤去した。毎月行う目視の定期点検で異常は確認されていなかったといい、今後は触れたり、実際に使用したりする方法に改めたとのこと。

(8月9日)
〔園児を一時、保育室に置き去り〕広島県広島市の市立保育園で7月上旬、園児1人が一時、保育室に取り残され、保育士の目が届かない状態になった。保育の場所が変わる際、保育士が園児の人数を適切に確認しなかったもの。置き去りにした時間や、エアコンが動いていたかなど、詳しい状況は保護者の意向を理由に明らかにしていない。同園の保護者にも説明していないという。〔掛札コメント〕ニュースの書き方の問題かもしれませんが、重要なのは「人数確認」ではなく、まずは「その場に取り残さないこと」です。園庭なら、部屋に入ってすぐ人数確認ですが、保育室なら「取り残さない確認」は可能。もうひとつ、「他の保護者に説明しない」というのは大丈夫なんでしょうか…。

〔学童のプール活動で水死〕7月26日午後、滋賀県長浜市のプールで小学1年生が溺れているのが見つかり、死亡した。死因は溺死。学童クラブの活動でプールを訪れていた。当時、子ども45人に対して、プール中とプールサイドから計4人の職員らが監視していた。児は身長とほぼ同じ水深120cmあたりで、コースロープにうつ伏せで覆いかぶさっていたが、職員らは危険な状態だとは認識していなかったという。周囲の児童が様子がおかしいことに気付き、職員に知らせた。同学童の施設長は同日の会見で、「(危険な状態という認識はなかった?)はい、その通りです。覆いかぶさって遊んでいるという浅はかな認識であったのは確かです。本当に助けてほしい時は大声で周りの人を呼んでくださいというお約束はさせてもらっていました」と話した。〔掛札コメント〕おとなであっても、溺れる時に助けを呼ぶことは困難。言うに事欠いて「本当に助けてほしい時」とはいったいどういうことでしょうか? それも身長とほぼ同じ水深。泳げる人でも困難な状況です。

〔公園に打ち込まれたクギで重傷〕今年4月、愛知県西尾市の公園で、地元の子ども会でソフトボールの盗塁の練習をしていた小学4年生が地面から突き出たクギで左膝付近を10針縫う大ケガをした。市が調べたところ、長さ8センチから23センチのクギがこれまでに19本見つかった。クギはほとんどが腐食しているという。ベースを置くための目印として使用したものが取り除かれずに残っていたとみているが、誰がいつ打ち込んだのかは不明だという。今後、他の施設でも調査する考え。市はクギを打ち込んだ利用者に責任があるとしながら、市側にも管理責任はあると判断し、児に治療費などを支払う方針。

(7月25日)
〔登園時に送迎車両に取り残し〕埼玉県所沢市の認定こども園(幼稚園)で7月14日、3歳児1人が登園時の送迎バス(39人乗り)に取り残された。バスは午前8時40分頃、25人を乗せて園に到着。降車時に十分なチェックをせず、後方で寝ていた児を見落とした。バスは2分後に別の通園ルートに出発。乗車してきた園児が寝ている児に気づき、職員に知らせた。この児はふだんの2倍の45分間乗車していたが、車内は冷房がきいた状態であり、体調不良はなかった。市は、報告のあった21日、同園を厳重注意した。このバスには安全装置が設置されていたが、エンジンを切らないと作動しない仕組み。バスは別ルートに向かうまでの間、エンジンをかけたままで、最初の降車時は装置が機能していなかった。〔掛札コメント〕アラームが鳴らなければ取り残し確認をしない、となると…?

〔病院受診の降車時に、一人を取り残す〕7月7日午前11時頃、高崎市の認定こども園の送迎バスに2歳児が約10分間、取り残された。同日の午前の気温は32度。この児は、歯科検診のため他の9人とともに、送迎バスで病院を訪れていた。降車時、乗っていた3人の職員のうち1人が人数の確認をしていたが、この職員は受診する児の数が予定より1人増えていたことを知らず、一人が降りていないことに気付けなかったという。約10分後、病院で受診する園児の名前を確認する中で人数が足りないことに気付き、駐車場のバスに戻ると、この児が泣いていたという。このこども園の場合、バスは園外活動の際に限って使っていたため、安全装置の設置が義務づけられていないとのこと。〔掛札コメント〕降車する人数の確認なんて、ある意味、どうでもいい。とにかく、「取り残していない確認!」をすること。

〔園バスとタクシーの事故〕6月12日午前10時頃、北海道札幌市西区の市道で幼稚園の送迎バスとタクシーによる事故が起き、園児4人が口内を切るなどのけがを負った。タクシーの乗客の2人もひざや首の痛みを訴え、病院に搬送された。いずれも命に別条はない。バスには園児18人が乗っており、道路上で右折しようとしていたタクシーに、バスが追突したという。バスの運転手の男性(72)に事情を聴くなどして、詳しい原因を調べている。現場は片側1車線のゆるやかなカーブ。

〔衝突事故で園バスが横転〕6月3日午前8時過ぎ、愛媛県松前町の交差点で幼稚園のバスと軽自動車が出合い頭に衝突、バスが横転する事故があり、子ども4人を含む合わせて7人がけがをした。園児1人は頭を切るなどの重傷だが、意識はあるとのこと。軽自動車の側にけがはなかった。当時、バスには園児4人と教諭、運転手と運転手見習いの合わせて7人が乗っていた。現場は信号機のない、見通しのよい交差点。

〔救急車が脱輪し、搬送に6分の遅れ〕6月2日午前0時9分頃、大阪府の岸和田市消防本部のエリアで、生後8か月児の搬送中に救急車が側溝に脱輪して走行不能となり、搬送に約6分の遅れが生じた。児は搬送先の病院で死亡が確認された。「呼吸をしていない」と市内に住む父親から消防に通報があったもので、救急車は約10分後に到着した。運転していた救急隊員は「道が暗くてわかりづらかった」などと話しているという。

(7月1日)
〔はさみで子どもの頭部にケガ〕京都府宇治市の市立保育所で2月10日、保育士が園児の頭を約5センチ切るけがを負わせる事故があった。2歳児クラスの保育室で、保育士が段ボールでトンネルを作り、上部からはさみで穴を開けていたところ、トンネルに入ってきた園児にはさみが接触した。頭頂部を5針縫ったという。安全管理マニュアルでは保育室にはさみを持ち込まないよう決めていたが、保育士が自身で判断して使用した。〔掛札コメント〕子どもに「ルールを守って!」と言っているのに、おとなは危険がわかりきっているルールさえ守らない。「自身の判断」? 違います、「勝手に」です。まともに判断できる保育者なら、ルールがなくてもしないことですから。

(6月12日)
〔すりおろしたリンゴを食べた後に窒息、死亡〕鹿児島県姶良市の保育園で4月18日午後3時20分頃、すりおろしたリンゴを食べた生後6か月児が喉に何かを詰まらせて意識不明になり、5月28日に死亡した。保護者が代理人弁護士を通じて公表した死因は多臓器不全。食物の誤嚥による窒息があったとみられ、低酸素脳症を起こしていた。

〔ロープの絞扼事故で児の意識が回復〕埼玉県久喜市の保育園で遊具のロープが巻きつき、意識不明となっていた3歳児の意識が回復した(5月24日に判明)。

〔指の一部欠損で損害賠償支払い、和解〕三重県四日市の市立保育園で2019年5月16日、5歳児が扉の隙間に指を挟まれ、指の一部を欠損した事故で、市が損害賠償700万円を支払うことで和解した。園外活動を終えて園に戻ろうとした児がフェンスの扉の柱を持っていたことに気付かず、保育士が扉を閉めたところ隙間に児の左手親指が挟まり、指先端の一部を欠損したという。今年3月に和解が成立した。

〔園外活動中に緊急連絡先一覧紛失〕島根県隠岐の島町の保育所で、児童34人の緊急連絡先一覧(氏名、住所)が書かれた紙が紛失した。紛失した緊急連絡先一覧に保育所名が記載されていないため、施設名は非公表だという。5月31日午前、5歳児9人と引率者2人が公用車で園外活動に出かけた際、この用紙が入ったリュックサックをどこかで紛失したとみられる。捜索したが発見できず、その日のうちに警察に紛失届を提出し、保護者全員へメールで知らせた。〔掛札コメント〕保育所名が入っていないのだから、どこの保育所だかはわからないだろう、だから、施設名は言わない…、そういう論理なのかもしれませんが、拾って悪用しようという人にはどこの保育所かどうかなんて関係ないですよね。ほんと、緊急連絡先を持ち歩かないで。必要な時は、園にすぐ電話をして必要な家庭の連絡先を聞けば済むのですから。

〔バスのトランクに乗客を閉じ込める〕2月24日、ジェイアール四国バス(香川県高松市)のJR松山駅発徳島駅行き高速バスで、荷物を取るためにトランク内に入った乗客に運転手が気付かず、閉じ込めたまま次のバス停まで走行した。午前11時45分頃、乗客1人が徳島大学前で降車し、荷物を取りにトランクの中に入ったところ、運転手が他の降車客への対応に気を取られ、トランク内を確認せず、扉を閉めて発車した。1.6キロ先の徳島駅で、係員がトランクを開けると、この乗客が自分で外に出てきた。けがなどはなかったという。社内マニュアルでは、運転手がトランク内を確認してから発車するように定めているという。

〔園バスと乗用車が衝突〕6月6日午前8時20分頃、山口県山陽小野田市の市道で幼稚園バスと乗用車が衝突。バスには園児6人と引率保育士1人、運転手の合わせて8人が乗っており、児1人が打撲の軽いケガをした。乗用車を運転していた20代女性にけがはなかった。現場は住宅街で、直進していたバスと脇の駐車場から出てきた乗用車が衝突したという。

(5月23日)
〔リンゴ片を詰まらせ、意識不明〕5月16日午前、愛媛県新居浜市の保育園で、生後8か月児が給食のリンゴを詰まらせて救急搬送された。意識不明の重体。児は今月9日に入園し、事故前日から給食を始めた。園によると「リンゴを食べた経験がある」という保護者の回答を踏まえて、給食で提供したという。リンゴは長さ7ミリ、厚さ3ミリほどのサイコロ状に刻まれたもので、魚のペーストとともに、担任保育士がスプーンで与えていた。リンゴ2片を口に含ませたところ、息をしなくなったため、保育士は児を逆さにして背中をたたき、すぐに119番通報した。当時、保育士2人と看護師1人が離乳食を食べる園児5人の世話をしていた。〔掛札コメント〕「逆さにして背中をたたき」というのが「足を持って逆さにした」という意味なのか、読みとれませんが、だとしたらこれ自体が危険です。頚髄損傷の原因になりかねません。

〔校庭に数百本のクギやフック〕4月、東京都杉並区の区立小学校で、体育授業中に校庭で転んだ児童が左膝付近を十数針縫うケガをした。児童の倒れた場所には長さ約12.5センチのクギが埋まっており、頭の数ミリが地面から出ていた。その後、金属探知器も使って調べたところ、計544本のクギやかぎ型のフックが埋まっていた。現在の校舎に移転後ここ十数年の間に、行事などでラインを引く際のマーカーとして打ち込んでいたものが残っていたと考えられるという。
 その後、区立の小中学校や認定こども園などを教員が緊急点検したところ、42校・園で計1350本のくぎなどが発見された(12日発表)。5月16日には、区立小中学校など63校を校庭金属探知機を使って点検し、危険物の除去作業を進めると杉並区が発表した。文科省は今月12日、校庭を含めた安全点検を確実に実施するよう、全国の教委などに通知で求めている。

〔バッティング・ケージの下敷きになり意識不明〕5月6日午前9時半頃、北海道札幌市の札幌大学のグラウンドで、札幌新陽高校の女子硬式野球部の部員が練習中、倒れたバッティングケージの下敷きになり、頭を強く打って意識不明の重体。他の4人の部員とバッティングケージを押して移動させていた際、ケージが倒れ、下敷きになったという。バッティングケージは、高さ2.9メートル、奥行6.0メートル、幅2.5メートル、金属製のパイプにネットを張った構造で、キャスターが付いていた。

〔89人を20人で遊ばせ、1人不明に〕5月8日午前10時20分頃、静岡県静岡市の市立こども園の3歳児が園外保育中に一時行方不明になった。担任が気づいた5分後、約150m離れた道路上で近所の住民が見つけ、保護、けがはなかった。園に隣接する公園で園児89人(年長32人、年少27人、2歳児22人、1歳児8人)を教員20人が見守っていた。担任教諭が別の園児に声をかけられ対応している際に、行方不明になった園児から目を離し、他の教諭もこの園児の動きを確認できず、職員間の連携が取れなかったという。〔掛札コメント〕おとなの数をどんなに増やしても、子どもの数が多ければ無理です。「いなくなる」を防ぎたかったら、一度に活動する子どもの数を減らすしかありません。

〔保育園に乗用車が突っ込む〕午前10時40分ごろ、千葉県柏市の保育園から「車が突っ込みんだ」と119番通報があった。乗用車は園の窓ガラスを突き破り、室内まで入って止まっていた。当時、園児は園外活動中で室内にいなかったため、けがをした園児はいない。乗用車は69歳の男性が運転しており、道路を挟んで反対側にある駐車場から出ようとした際に、右側から来た軽乗用車に反応してブレーキを踏もうとしたところ、間違えてアクセルを踏み、保育園に突っ込んだという。

〔園バスと乗用車の衝突事故〕5月18日午後4時頃、埼玉県長瀞町で幼稚園バスと乗用車が衝突する事故があり、園児3人を含む5人が軽いケガをしているとの情報。出合い頭に衝突したとみられる。

(5月7日)
園庭でロープが首に巻きつき、重体〕埼玉県久喜市の認可保育園で5月2日午前10時半頃、「園庭の遊具のロープが首に巻きつき、園児の意識がない」と消防に通報があった。この3歳児は搬送されたが、意識不明の重体。土を盛って作られた山にあったロープが児の首に巻き付いているのを、他の園児が見つけて保育士に知らせたという。事故時は、園児を外で遊ばせる時間で、園庭では34人の園児に6人の保育士がついていたという。

〔スイミングスクールで5歳児が水死〕4月22日午後4時50分頃、富山県高岡市にあるスポーツ施設のプールで、スイミングスクールに参加していた5歳児が水中に沈んでいるのを、近くにいた他児が発見した。児は搬送先の病院で死亡が確認された。プールは深さ1.2メートルだが、事故当時は台を沈めて水深60センチにしてあった。児は教室終盤の遊びの時間、飛び込んだ際に浮具が外れ、溺れたとみられる。当時、プールにはコーチが4人おり、泳力検定をしていた1人を除く3人がプールサイドと水中で19人を監視していたが、誰も溺れたことに気付かなかったという。

〔スプレーで目の痛み、搬送〕4月27日午後2時過ぎ、東京都中野区の区立小学校で、ホワイトボードに書いた文字を消すためのスプレーを児童が誤って噴射し、小学4年生7人が目の痛みを訴えて救急搬送された。当時は休憩時間だったとみられ、児童同士でふざけ合っていたところ、噴射したスプレーが目に入ったという。〔掛札コメント〕これは手指消毒用として置かれているアルコールでも起こり得ますね。未就学児施設では、アルコール消毒薬は不要です。必要だとしても玄関先に保護者用として置くぐらい)

〔特定の保護者向けの情報をクラス全員に誤配信〕保護者に保育の様子を伝えるシステムを使っている東京都港区の区立保育園で4月28日、園児1人の保護者に送信するはずの情報を誤ってクラスの保護者全員に配信した。配信内容には、その園児の名前と、保育中の様子や園での過ごし方に関するお願い事項などが記載されていた。保護者から「違う園児名のお知らせが届いている」との連絡があり、判明した。通常、この機能を使って配信する際、内容を作成した職員とは別に公開権限者(係長職)が立ち会い、確認してから配信することになっているが、この時は1人で行ったという。

〔個人情報を別の園に誤送信〕沖縄県糸満市保育こども園課は4月24日、新型コロナウイルス対策特例による保育料減免対象となる園児の氏名や住所、減免額などを保育園側に知らせるメールを、誤って市内の別の園に送った。情報提供を受けた報道機関が27日に市に問い合わせ、発覚した。

(4月23日)
〔0歳児がうつぶせ寝の状態で死亡〕3月19日午後3時過ぎ、宮崎県宮崎市の保育施設で職員と子育て支援員が、うつぶせ状態で寝ている0歳児の異変に気づき、児は救急搬送されたが、死亡が確認された。3日後の22日、施設長が宮崎市に報告。市が施設に立ち入り調査をし、過去のシフトや子どもの数を確認したところ、時間帯によって配置する職員の数が不足している状況がわかった。児が死亡した日も時間帯によっては、見回る職員が不足していたという。さらに、この施設では、過去にもうつぶせの状態で寝ている子どもをそのままにしていたことがあったという。これを受け、市は施設に対し文書による改善勧告を行った。

〔雪かき中に落雪に埋もれ、死亡〕4月6日午後1時前、青森県青森市の保育園で雪かきをしていた園長が雪に埋もれた状態で発見され、搬送先で死亡が確認された。園長は一人で雪かきをしていたということで、隣にある建物の屋根から落ちてきた雪に埋もれたとみられている。

〔職員の個人情報を誤送信〕沖縄県北谷町の保育施設に従事する職員10人の個人情報が、他の保育園など18施設に漏洩した。子ども家庭課の職員が認定保育園と学童に施設運営に関する交付金の申請様式をメールで送る際、既に提出されていた園の申請を誤って添付したもの。町は3月23日までに謝罪し、送信先に削除を求めた。

〔園児のデータを他園に誤送信〕東京都町田市で4月13日、市内外の52幼稚園等に通う園児1939人分の氏名などのデータを誤って市外の6幼稚園にメールで送り、個人情報が漏えいした。翌日14日、うち1つの幼稚園から問い合わせがあり誤送信が判明し、市は、これらの幼稚園に個人情報のデータを削除してもらうなどしたという。本来は、幼稚園ごとに通っている園児のデータを送ることになっているが、今回はすべての園児のデータをまとめたファイルを誤って添付したうえ、パスワードをかけずに送ったという。

(3月28日)
〔公園の木が折れて重傷〕3月13日午後4時頃、兵庫県神戸市の公園で高さ約5メートルの木が倒れ、中学生が下敷きになって腰の骨を折る重傷を負った。倒れた木は幹の中が腐っていたという。市は年に4回、公園の遊具や照明などを点検しているが、木の内部までは把握できていなかった。この中学生は友人と野球をしており、木にひっかかったボールを取ろうとしたところ、地上から50センチほどの所で木が折れた。

〔消毒液入りの水を誤って提供〕岡山県倉敷市内のホテルのレストランで3月2日、従業員が水差しに入れていた消毒用の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を水と間違えて提供。客3人が吐き気や腹痛などの症状を訴えた。症状や、ホテル側が提供を認めたことから、市は水溶液が原因と断定した。3月13日に市に匿名の電話があり発覚した。

〔巡査部長が捜査書類を電車内に置き忘れる〕警視庁は3月10日、東京都足立区の署の生活安全課の40代巡査部長が捜査書類を電車に置き忘れて紛失した、と発表した。紛失したのは「事件記録証拠品送致票(甲)」で、検察庁に送検した容疑者7人の氏名や罪名のほか、送検時に提出した証拠品の目録などが記されていた。巡査部長は同日午前11時頃、東京地検からこの書類を持って署に戻る際、地下鉄日比谷線の電車の座席に置いたまま北千住駅で降車。置き忘れに気付いて署員と探したが見つかっていないという。〔掛札コメント〕誰だってすることですが、「立ち去る時は振り返る!」を習慣にするだけでリスクは下がります。

〔小学生をスクールバスに取り残す〕広島県東広島市の小学生1人が3月18日、スクールバスに約40分取り残された。午後1時前、市立小学校の児童の保護者から「子どもが帰宅しない」と連絡があり、関係者等が運行を委託するバス会社の車庫に駆けつけたところ、鍵のかかった車内で歩いている児童を見つけた。午後1時20分頃、児童は保護された。運転手は児童が自宅の近くで降りなかったことに気付かず、車庫に着いた後も取り残された児童がいないか確認していなかったという。

(3月13日)
〔園の看板が落下〕福岡県北九州市戸畑区の保育所で2月21日午前7時頃、正門脇に取り付けられた看板が歩道に落下しているのを出勤してきた職員が見つけた。 看板はプラスチック製で横1.2メートル、縦30センチ、重さは約2キロ。高さ1.5メートルに取り付けてあった。原因は老朽化とみられる。

〔用水路の柵が壊れて転落(川の柵が壊れて転落死)〕大阪府堺市東区の農業用水路(市が管理)で3月7日午前9時40分頃、鉄製の柵が壊れて70歳代男性が転落、首の骨を折る大けがを負った。男性が柵(高さ1.2メートル)にもたれかかった際、片方の支柱が根元から外れ、内側にずれて水路に転落したという。同様の事故は島根県でも3月8日に発生しており、もたれた木製の柵が壊れて観光客の女性が川に転落、死亡している。〔掛札コメント〕同様の事故は園の散歩でも起きています。川などの柵だけでなく、交通標識などでも…。少しでもぐらついていたら、自治体に通報を。

〔文化センターの門扉が風で倒れ、ケガ〕2月19日午前3時半頃、福岡県久留米市の文化センター正門に設置された鉄製門扉が強風で倒れて新聞配達員が挟まれ、左足などを負傷した。門扉は左右2枚で全長計約13メートル、高さ約3メートル。うち1枚(重さ約300キロ)が風を受けて倒れたもの。配達員は自力で脱出して病院に搬送された。門扉は地元のロータリークラブが創立70周年記念として制作。2月14日に市に寄贈したばかりだった。

〔ピット・ブルの飼い主が逮捕〕2月20日午前10時半過ぎ、神奈川県横浜市南区の路上で、犬の散歩をしていた人がアメリカン・ピット・ブル・テリア(闘犬にも使われる種)に足をかまれ、ふくらはぎに全治2週間のけがをした。現場周辺では同じ犬に手足をかまれる被害が1月中旬と去年12月にも起き、あわせて3人がけがをしている。警察は適切な飼育を怠ったとして、飼い主を重過失傷害の疑いで逮捕した。この飼い主がフェンスにくくりつけたリードを外していたところ、犬が逃げ出し、数百メートル走ってかみついたといい、容疑を認めている。

〔小学校のスクールバスで取り残し 2件〕●新潟県妙高市の市立小学校のスクールバスで3月2日の下校時、眠っていた1年生を降ろし忘れた。午後3時10分頃、児童は眠ってしまい、降車予定のバス停で降りなかった。次のバス停で別の児童を迎えに来ていた保護者が、児童が降車していないのに気付いて学校へ連絡。車庫に到着後、運転手がバス会社からの連絡に気付き、車内に児童が残っているのを見つけた。午後4時過ぎに自宅に送り届けた。運転手が最終のバス停で全員の降車確認を怠ったのが原因。 ●兵庫県豊岡市で2月22日、小学校のスクールバスの最後列で眠っていた2年生に運転手が気付かず、降ろし忘れたまま車庫に向かった。目を覚ました男児が降車ボタンを押し、運転手が気付いて約35分後に降車予定のバス停まで引き返した。児童が全員降車した時点で車内を巡回して確認するよう決められていたが、運転手は運転席から車内を目視しただけだったという。

(2月18日)
〔石仏の上半身が児の足に落下、重傷〕2月5日夕方、佐賀県武雄市の公園に設置された高さ約1メートルの「石仏」が崩れ、遊んでいた2歳児の足に落下、4か所を骨折したほか、裂傷を負う重傷。市は一部を立ち入り禁止にして、他の公園でも緊急点検を実施する。家族と訪れた児が石仏に触れた際、石仏の上半身が崩れたという。付近には少なくとも4体の石仏が設置されていたとみられる。市は「設置された経緯や管理状況は確認中」とコメントした上で「約100年前の大正時代頃にすでにあった可能性がある」と話す。

〔配膳車と防火扉の間で指切断〕北海道札幌市白石区の市立小学校で2月17日、低学年の児童が給食の後片付けの際、配膳車と廊下の防火戸の間に右手中指の指先を挟み、切断した。児童は他の児童らと配膳車を動かしていて指を挟んだもの。廊下の幅は約2.8メートル、配膳車は積んでいた食器などを含め計約60キロあり、移動途中、防火戸へ寄り過ぎたとみている。

〔灯油1400リットルが地中に流出〕2月7日、長野県塩尻市の市立保育園敷地内で暖房燃料の灯油の流出が確認された。屋外タンクから屋内につながる地下配管の破損が原因とみられ、推定流出量は最大約1400リットル。今のところ近隣の水路などへの流出は確認されていない。昨年11月~今年1月の灯油使用量が前年より大幅に増えたものの、この間、暖房設備を点検しても異常はなく、2月4日、給油業者が立ち会ってタンク周辺を調べたところ、地面から灯油のにおいがした。6日に付近を掘削し、地中に灯油がしみ出しているのがわかった。配管は設置後30年以上が経過している。

〔救急隊長の誤挿管で搬送した患者が死亡〕兵庫県尼崎市で2月3日、50歳代の救急隊長が、心肺停止状態で搬送した70歳代男性に対し、気管に入れるチューブを誤って食道に入れ、搬送先の病院で医師がミスに気付いたが、男性は約4時間後に死亡した。誤挿管と死亡の因果関係は不明という。同市では1年前にも誤挿管があり、再発防止策として計4回の研修を実施したが、隊長は参加していなかった。作業手順書では、胸の動きや二酸化炭素量のモニター確認などのチェック項目について、病院到着後までに計4回の確認を繰り返すことが定められていたが、十分実施しなかったという。車内には別の救急救命士もいたが2人とも十分な確認を怠った。隊長は「チューブ内に逆流した水分の吸引処置に気を取られ、チェックできなかった」と説明しているという。

(2月5日)
〔放課後デイの事故〕放課後等デイサービス(放課後デイ)で2012年度の制度開始~2022年10月末、子どもの死亡や負傷などの事故報告が少なくとも4097件あることがわかった。死亡が8件、一時的な行方不明も347件起きていた。国への事故報告の義務はない。調査は2022年11~12月、運営事業所の指定権限がある全都道府県や政令市など計108自治体に対し、読売新聞が実施した。死亡・負傷・行方不明の有無を回答した96自治体分を集計したもの。東京都については、都から権限を移譲された荒川区など4区は回答したが、都は「非公表」。資料の保存期間の経過などの理由から全体の94%が2017年度以降だった。放課後デイの利用者は約30万2000人、事業所は約1万9000か所。

〔小規模保育所が全焼〕1月14日午前6時前、広島県尾道市の小規模保育所付近から出火し、平屋の保育施設と事務所、隣接する2階建ての空き家計延べ約230平方メートルを全焼し、約3時間15分後に鎮火した。同保育所では2020年10月の未明にも園舎を全焼する火事があり、昨年4月に新しい施設で保育を再開したばかりだった。

〔バナナ型すべり台の事故〕スライダーが3つに分かれたバナナ型滑り台から子どもが転落・落下する事故が複数起き、盛岡市では保護者の働きかけなどで撤去、横浜市緑区でも落下事故2件が把握され、2022年末に撤去。事故は起きていないが使用禁止にしている自治体も。事故後にメーカーに働きかけた保護者によるとメーカーは、「業界団体の日本公園施設業協会(JPFA)が自主的に規定する安全基準を満たしており、改善の必要はない」との見解だったという。3年前、メーカーに問い合わせた別の保護者によると、「全国に236台あるが、対象年齢は6歳から。けがはあっても6歳未満の子で、重篤な事態は発生していない」との回答だったという。
 その後の2023年2月、製造元のコトブキは「設置者・利用者の皆様に対して不安を与えてしまった事に関して深くお詫び」すると発表。設計・開発面において、「対象年齢の児童による十分な滑降試験も重ね安全であることを実証」したうえで進めていたとし、使用年齢の注意喚起と、地表面にセーフティマットを設置するよう推奨していくと述べている。〔掛札コメント〕これは6歳以上でも危険でしょう。そもそも側面の壁が低すぎます。上部の台の部分には、服の一部やフードがひっかかる/はさまる箇所が複数ありますし。


〔ブレーキの踏み損ねでバスが窪地に落ちる〕1月30日午後3時半頃、三重県桑名市の市立小学校の4~6年生19人を乗せた下校中のスクールバスが、市内のバス停近くで約40センチ下のくぼ地に落ちた。全員が受診し、うち4年生2人と6年生4人が腰や背中の痛みを訴えている。男性運転手(73再)は「ブレーキを踏み損ねて転落した」と話している。

〔送迎バスと乗用車が衝突〕1月31日午後3時50分頃、神奈川県寒川町の県道で幼稚園の送迎バスと乗用車が衝突し、乗っていた園児7人が病院に搬送された。バスの運転手と添乗職員、乗用車の運転手にけがはなかった。場所はセンターラインがある片側1車線の直線道路で、乗用車がセンターラインを越えて対向車線のバスと衝突したとみられるという。

〔園敷地から出、15分後に保護〕1月20日午前11時20分頃、埼玉県飯能市の市立保育所で、園庭で遊んでいた子ども1人の行方がわからなくなった。園庭で外遊びをしていた子どもたちを室内に誘導し、着替えをさせていたところ、1人がいなくなっていることに気づいた。職員が探したところ、保育所の近くにある小学校の前の歩道で地元の人に保護されている子どもを見つけたという。15分ほど所在がわからなかったものの、けがはない。保育所の出入り口にある門のチェーンが外れ、門が開いていて、子どもはそこから保育所の外に出たとみられるという。〔掛札コメント〕門の鍵をかけやすくする等の設備上の改善を市がしないなら、先生たちは「無理」と怖くなるだけです、こんな報道が続いたら。

〔デジタルカメラ用SDカードを紛失〕広島県広島市中区の市立保育園でデジタルカメラ用のSDカード1枚が紛失。12月6日、保育士が園全体のSDカードを保存しているカードケースから自身が担任するクラス用のSDカードを使い撮影や編集などを終え、元のカードケースに戻した。翌週12日朝、同じ保育士がSDカードを取り出そうとしたところ見当たらなかったという。紛失したカードには去年4月から12月までのクラスの園児6人や行事の様子が写った写真約500枚が入っていた。カードは園外に持ち出しておらず、カードケースは夜間は鍵をかけた書棚に保管していることなどから市は園内を探してきたが、発見されていない。

〔デジタルカメラを紛失〕静岡県浜松市は1月21日、市立保育園でデジタルカメラ1台を紛失したと発表した。2022年12月21日、保育士が決められた保管場所に返却せず、事務室内の机の上にデジタルカメラを置いたまま帰宅したところ、翌日、なくなっていたという。中のSDカードには、園児の記録400~500枚が保存されていたという。

(1月14日)
〔揺動遊具がひっくり返り、大けが〕韓国釜山市のデパートで、空気で膨らませる揺動遊具がひっくり返り、乗っていた子ども6人のうち3人が大けがをした。U字型の大きな遊具を人の手で押して揺らすものだが、スタッフが揺らし過ぎたため、ほぼ直角になるまで揺れ、遊具がひっくり返り、子どもが転落した(シートベルトはしていた)。スタッフは全員5年以上の勤務経験があったが、保護者は床面にマットが敷かれていなかったと指摘。運営側は謝罪し、けがの補償をするとしている。〔掛札コメント〕未就学児施設でも、「やりすぎ」は起きますよね…。たとえば、赤ちゃんをシーツの上に乗せておとな2人が両端を持って揺らしていたら、揺らし過ぎて落としたとか、「高い、高い」をしていて落としたとか。あ、どちらも「やりすぎ」以前に園ではしないでくださいね。やりすぎなくても危険ですから。




〔ターザンロープで指切断〕大阪府岸和田市の公園で1月6日午後2時頃、7歳児がターザンロープで指を切断したとみられる事故が起き、市は遊具の使用を中止した。保護者から通報があったもので、「左手人差し指の第1関節を切断した」とのこと。遊具は、滑車のついたロープにつかまって遊ぶターザンロープ。〔掛札コメント〕赤線を入れた部分が滑車からロープの下端までです。ロープが短く、滑車まで容易に手が届きます。もし立ち上がってつかまっていたら、もちろん。


〔幼児が地下鉄運転席に立ち入る〕兵庫県神戸市西区の市営地下鉄西神中央駅で1月4日午後8時頃、始発のため停車中の列車の運転席に幼児が無断で立ち入って機器を操作し、車内の電気が一時消えるトラブルがあった。乗務員が交代で運転席を離れた際、扉の施錠を忘れたという。運転操作はできない仕組みだった。安全確認のため別の車両に振り替えるなどし、計23本が最大18分遅れ、約3千人に影響が出た。



事故後:予防や訴訟など

(11月26日)
〔送迎車両置き去り熱中症死亡で書類送検〕昨年9月5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳児が通園バスに置き去りにされ、重度の熱中症で死亡した事件で、バスを運転していた当時の園長とクラスの元担任が11月22日、業務上過失致死の罪で在宅起訴された。

(11月13日)
〔子ども用すべり台で起きた大人の事故、設置者にも責任〕愛知県大府市の県営公園で2017年10月、子どもを足の間に挟んで43メートルのすべり台を滑っていた男性が、子どもを抱くために手すりをつかめない状態で加速したままカーブに突入、飛び出した足が周囲を覆う格子とネットとの間に挟まれ、足に重傷を負った。このケガの法的な責任が争われた訴訟の判決で10月24日、地裁は「大人が子どもと一緒に滑ることが常態化し、大人に危険があるつくりであり、対象年齢の表示が目立つ場所になければ管理者にも責任がある」との判断を示し、県に190万円の賠償を命じた(男性は1800万円を請求)。一方、滑り台周囲には「対象年齢6~12歳」「手すりを必ず持って滑る」よう求める注意書きもあったと指摘した。

(10月21日)
〔孫を車に置き忘れた祖母、重過失致死罪に〕岡山県津山市で勤務先の駐車場に止めた車に2歳の孫を放置し、児が熱中症で死亡して逮捕された祖母について、検察は注意義務の違反が著しいとして重過失致死の罪で略式起訴した(9月29日)。これを受けて、裁判所は罰金50万円の略式命令を出した。祖母は、保育所に預けたと思い込んで降ろすのを忘れたもの。調べに対し、祖母は「仕事のことなど考え事をしていて孫を保育施設に送ることを忘れてしまった。仕事を終えて車に戻るまで気付かなかった」などと供述している。〔掛札コメント〕「まさか、忘れるはずがない…」? いえ、忘れることは十分にありえます。この方はこのお子さんの保育園登園をし始めて間もなかったようですし。 人間は「いつも」の流れに乗ってしまうと、「いつもと違うこと」を簡単に忘れます。
さらに、このような事例で「登園していません」と園が連絡しなかったら、やはり重過失致死に問われる? 問われるはずがありません。そもそも園に予防できるタイプの事故ではないので。本サイト「コミュニケーション」B-2の中にあるひな型「休む連絡が来ない時の登園確認」を必ず、来年4月、保護者に出してください。

(8月28日)
〔送迎車両内の熱中症死で和解〕福岡県中間市の保育園で2021年7月、園児が送迎バスに取り残され熱中症で死亡したのは園側に責任があるとして、遺族が損害賠償を求めた訴訟は8月9日、福岡地裁小倉支部で和解が成立した。

〔リンゴ窒息事故で園が再発防止策〕愛媛県新居浜市の保育園で今年5月、生後8か月児が給食のリンゴを詰まらせ意識不明となった事故で、県などからの改善通知を受けて、保育園側が再発防止策をまとめた報告書を作成、提出した。事故原因については詳細が不明のままで、今月中にも再度、報告書を提出する方針とのこと。〔掛札コメント〕この件は、Facebookのこちらで詳しく書いています。

〔「給食を減らされたのは体罰」と訴え〕担任の教諭に給食の量を減らされたのは、体罰にあたるなどとして、福岡県宮若市の小学生と両親が市や県に165万円賠償を求める訴えを起こした。児童が1年生だった令和3年の1学期後半から3学期までの間に「宿題をしていない」「給食当番をしない」などの理由で給食の量を減らされ、精神的苦痛を受けたなどとしている。ご飯やスープ類など数口分を残して取り上げられる状態が半ば常態化していたという。

(7月25日)
〔死亡事件で賠償責任判決が確定〕2014年、栃木県宇都宮市の認可外保育施設で宿泊保育中に生後9か月児が死亡し、両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は両親の上告を受理しない決定をした(6月28日付)。市が指導監督義務を怠ったことによる賠償責任を、施設側と共同で約2千万円とした一、二審判決が確定。

〔雪崩による高校生の死亡事故で賠償判決が確定〕栃木県那須町で2017年3月、登山講習中の高校生らが巻き込まれた雪崩事故で、県と県高校体育連盟の賠償を命じた6月28日の宇都宮地裁判決について、県は30日、控訴しない方針を発表した。県高体連と原告側も控訴しないため、県と高体連に約2億9200万円の賠償を命じた判決が確定する見通し。〔掛札コメント〕雪崩注意報が出ていたのにもかかわらず、強行した結果です。気象や自然に関しては注意喚起が出ても大丈夫だったという経験が多いために、最悪の場合、こうした結果につながります。

〔誤嚥窒息死亡で校長らと和解〕大分県別府市の県立支援学校で2016年、高等部3年生が給食を喉に詰まらせて死亡した事故で、両親らが県や当時の校長ら4人に約3700万円の損害賠償を求めた訴訟は、地裁で原告側と校長らとの和解が成立した(6月23日付)。重い知的障害があり、食事中は担任らが見守ることになっておりいた。校長らは「担任が離れたことで危険が生じた」などとする原告の主張を認めた上で謝罪した。和解金の支払いはないという。原告側は県に対しては判決を求めている。

〔医療事故の報告書、「公表」と転換〕神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)で2021年10月に入院患者の子どもが死亡した医療事故について、県立病院機構と県が公表していなかった問題で、県は7月6日の県議会厚生常任委員会で、事故調査報告書を遺族と調整の上で速やかに公表する方針を明らかにした。6月30日の委員会で「遺族は公表を望んでいない」と答弁したが、質問した委員が再確認を要求、遺族の意向について「確認した結果、遺族は公表を希望している」と答弁した。県によると、報告書は5月までに完成し、遺族への説明も終えたが、機構から県に提出されなかった。県は6月になり、指摘を受けて機構に提出を求めたもの。
 同機構は毎年度、医療事故や誤った対応を「ヒヤリ・ハット事例」として集計・公表しているが、今回の医療事故は掲載されていない。県は当初、「報告書を受けて事案の重大性が確定してから集計する」と説明。委員から迅速な公表を求められ、「調査結果を待たずに公表するよう、機構に働きかける」と答弁した。〔掛札コメント〕こういう流れを見ると、県も隠蔽に加担していたと言われかねないですね。

(5月23日)
〔絞扼事故の園で特別監査〕埼玉県久喜市の保育園で5月2日、3歳児の首に遊具のロープが巻きついて意識不明の重体となった事故で、市は16日、児童福祉法などに基づいて特別指導監査を開始した。市は各保育施設へ2年に1回程度、通常の立ち入り検査をしているが、直近でこの保育園を検査したのは昨年10月末。問題のロープは把握していなかった。警察などによると、事故が起きた遊具は高さ数メートルの盛り土の上に木製の柵があり、柵の一部に長さ数メートルのロープをつなぎ、斜面に垂らした構造。園児たちはロープを手に昇り降りしていたとみられる。ロープは常設しておらず、取りはずしでき、事故当日に取りつけたとみられる。

(5月7日)
衝突による後遺障害で2000万円の損害賠償判決〕岐阜県岐阜市の幼稚園で2017年、他の園児とぶつかり内斜視の後遺障害を負ったのは、園側に安全配慮義務違反などがあったからだとして、当時の4歳児側が、園を運営する学校法人に2028万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4月26日、地裁であった。安全配慮義務違反を認め、請求額と同額の支払いを命じた。事故は2017年7月20日午後2時頃に起きた。園児らが遊具を片付けるため遊戯室の外にある道具箱へ行き来していた際、遊戯室から走ってきた園児とこの児が1階ホールで衝突。児は頭を強く打ち、内斜視と診断され、相手の園児も前歯が折れた。判決では、道具箱が遊戯室から死角となる場所に置かれていたと指摘。「不意に衝突する事故が発生する危険性は十分認められ、園側が予見することは容易だ」と指摘し、園児らの近くで監視・監督する教諭らを配置する義務があったが、怠ったと認めた。また、「園児らが衝突しないような場所に道具箱を設置する義務も怠った」とした。地裁判決は、事故と内斜視について、「相当因果関係が認められる」と判断。その上で、逸失利益を1435万円、男児に後遺障害が残った慰謝料として550万円などと算定した。

〔組体操の練習中に落下、2000万円で和解〕熊本県熊本市の市立中学校で2012年、組体操の練習中に落下して頭を打ち、視力が落ちる後遺症が残ったとして、特別支援学級の1年生と両親が、市に慰謝料など約4300万円の損害賠償を求めた訴訟で、市は9日、熊本地裁の勧告を受け入れて和解する方針を明らかにした。和解金として2000万円を支払う。生徒は2012年5月、2人1組の組体操で落下。後頭部を打ち、急性硬膜下血腫などと診断され、目に障害が残った。市は、教員が近くにいなかったことなどから、安全配慮義務を果たしていなかったとして、和解を決めた。

〔うつぶせ寝死亡の施設、配置基準を満たさない状態が散見〕宮崎県宮崎市内の保育施設で3月、うつぶせで寝ていた乳児が救急搬送後に死亡した事案で、同施設では「常時2人以上」とされている職員の配置基準を満たしていない状態が散見されたことが、市への情報公開請求で5月2日、わかった。市は施設に対し「常時2人以上の配置」を求める勧告を出し、施設は保育従事者を適正に配置するなどとする改善状況報告書を既に提出している。

(4月23日)
〔食事の誤嚥窒息で不起訴処分〕2020年2月、大阪府大阪市内の認可保育園で1歳2か月児が給食を誤嚥窒息死した件で、大阪地検は書類送検された当時の園長と元保育士を3月24日付で不起訴処分(嫌疑不十分)とした。当時、この保育園では「給食を時間内に食べさせる」という暗黙のルールがあり、元保育士は児の口にリンゴが残っているにもかかわらずハンバーグを食べさせたといい、当時の園長とともに業務上過失致死の疑いで書類送検されていた。〔掛札コメント〕「役立つリンク」に検証報告書があります。子どもが苦手なものを無理に食べさせたり、時間内に食べさせようとしたりすることは、保育として適切でないだけでなく、命の危険があります。

(3月28日)
〔「心肺蘇生をする注意義務があった」と、誤嚥窒息で判決〕埼玉県戸田市の幼稚園で2016年11月、4歳児がウィンナーをのどに詰まらせて心肺停止になり、その後、寝たきり状態になったのは園側が適切に対応しなかったためだとして、両親らが損害賠償を求めた訴訟の判決が3月23日あり、地裁は慰謝料など550万円の支払いを園側に命じた。判決は「児の背中をたたいても異物が出てこなかった時点で、心肺蘇生法を実施する注意義務があった」と園側の過失を認めたが、「心肺蘇生法をしていれば重篤な後遺症が残らなかったとの事実は認めるに足りない」と、後遺症との因果関係は否定した。〔掛札コメント〕「切り口が円」は危険であり、ソーセージ類による窒息は珍しくありません。「食べ物による誤嚥窒息」の後半参照。

〔プール死亡で和解〕東京都練馬区の遊園地「としまえん」のプールで2019年8月、遊具の下で死亡した小学3年生の遺族が、安全管理を怠ったなどとして経営する西武鉄道など4社に計約7500万円の損害賠償を求めた訴訟は3月6日、東京地裁で和解が成立した。事故は子ども向けプールで発生。大型遊具の下でこの児が心肺停止状態で見つかり、搬送先で死亡が確認された。



(2月18日)
〔支援学校の死亡で損害賠償請求〕2020年12月11日、兵庫県三木市の特別支援学校で人工呼吸器を着けた中学3年生が意識不明の重体となった事故で、生徒と両親ら計4人が市に総額約1億2200万円の損害賠償を求める訴訟を地裁に起こした(1月6日付)。同校で学校看護員が気管の痰排出を補助する措置を施すため、生徒の体を持ち上げた後に容体が急変した。気管にチューブを挿入し、吸引処置をしたが様子は変わらず、病院に搬送。現在も「脳死に近い状態」が続いている。市教委設置の第三者委員会は、調査報告書で学校関係者の対応に逸脱した行為はないと結論付けた一方、人工呼吸器具で酸素を送り込む「人工換気」が早期にされていれば、低酸素状態を回避できた可能性も指摘していた。今回、両親らは、医療的ケアの根拠となる主治医の指示書では、チューブ挿入の深さが示され、痰吸引をできない場合は人工換気に切り替える必要があると主張。吸引措置を続けた点が過失と指摘した。2020年6月にも同様に容体が急変していたが両親に報告がなかったとし、学校が情報提供を怠らなければ「主治医と相談して方針を考え、十分な対策を立てるか学校に通わせるのをやめるかを判断した」とした。また、両親の代理人弁護士は、事故に関係した可能性のある器具が紛失されているとして「重大な問題」と説明している。

(2月5日)
〔送迎バス内死亡で、損害賠償を求める訴訟〕福岡県中間市の認可保育園で2021年7月、園児が送迎バス車内で死亡した件で、母親と父親がそれぞれ園を運営する社会福祉法人などを相手取り損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2月1日、福岡地裁であった。母親は当時の園長と法人に計約5400万円を、父親は法人と元園長、保育士に計約4600万円の支払いを求めている。慰謝料は冬生ちゃんの分を2500万円とし、それ以外に母親分1000万円、父親分500万円としている。保育園側は答弁書で「慰謝料は遺族の分を含め、2000万~2500万円が相当」と反論。刑事裁判では、業務上過失致死罪に問われた元園長と降車を補助した保育士を執行猶予付きの有罪とした福岡地裁判決が確定。その判決では、元園長が相当額の金銭の支払いを遺族に申し出ていることが量刑で考慮されていた。

(1月14日)
〔授業中の重傷で賠償を命じる〕兵庫県加古川市の小学校で2019年、小学4年生が授業中に大けが、市に損害賠償を求めた裁判で、高裁は市に約2000万円を支払うよう命じた。図工の授業中、木材に打ち込まれた釘の頭にマイナスドライバーを差し込んで、釘を抜こうとしたところ、ドライバーが滑って先端がこの児童の左目に当たったもの。左目の視力が低下し、物が二重に見えるなどの後遺障害が残ったという。児と両親は、「教諭が、マイナスドライバーを使う方法を説明したり、児童の行動を監視したりするなどの義務に違反した」などとして、慰謝料など約2400万円を求めており、地裁が訴えを退けたため控訴していた。高裁は、「教諭は、マイナスドライバーを本来の用途以外に用いる場合、児童の年齢などに応じて、危険性や安全に使うための方法を十分説明し、他の児童にマイナスドライバーが当たるなどの事故が起きないようにする義務を怠った。図工室全体の児童の動静を注視して、作業の中断を指示すれば事故の発生を防ぐことができた」として賠償を命じた。

〔園の音が原因で公害調停に〕神奈川県川崎市の幼稚園と「子供の声がうるさい」と訴える近隣住人を、国の公害等調整委員会(公調委)が公害調停事件として仲裁し、平成2017年、和解が成立していたことが明らかになった。未就学児施設の騒音トラブルが公害調停に発展したのは初めて(総務省)。住民が2017年3月、運営する学校法人を相手取り、451万円の損害賠償を求め、公調委に責任裁定を申し立てた。申請を受理した公調委は3回の審問を開き、騒音との因果関係を調べるため、音量測定や防音設備の設置効果などを調査した。その後、当事者間の合意による紛争解決が可能と判断し、同年12月、園に防音シートを設置するなどの対策を取ることで和解が成立した。昨年11月には兵庫県神戸市の認定こども園でも同様のトラブルが起き、住民側から川崎市に続き全国2例目となる責任裁定の申請があり、今後、同様の手続きが行われるという。



「不適切な保育」や暴力、暴言

(12月30日)
〔不適切な保育で、4人を処分〕埼玉県草加市の市立保育園の保育士4人(30~40代)が、訓告などの処分を受けた。4人は、去年3月までの3年間にあわせて9人の園児に対しておもらしをした際に使う前のおむつでたたいたり、下着を部屋の隅に投げたりしたほか、教材室に閉じ込めようとしたとのこと。苦手な食べ物を無理やり食べさせたり、大声で叱ることもあったという。去年12月に市に情報が寄せられ、検証を行った結果、先月不適切な保育だと認定した。

〔19人の園児に暴言を吐き続ける〕埼玉県熊谷市の市立保育園で、所長、主任保育士の他、4人の保育士が2022年以降、在園児(59人)の3分の1にあたる19人を虐待していたことが明らかになった。子どもに対し、「何様なの?」「牛舎みたいなにおい」「あのバカ頭だから。あのお父さんだし」などと暴言を吐く、所長が2歳児の内ももを強くたたくなど。被害は、主任保育士が担任を務める0~1歳児クラス(14人)の10人が最も多い。同じクラスに関わる他の保育士5人のうち4人が心理的虐待に関与、2人は不適切な言葉を発し、もう2人はうなずくなど同調していたというが、所長、主任保育士に比べ、関与の度合いは低いとしている。 市は「2022年秋頃、保育士から『所長の指導が厳しい』というパワハラの相談があったが、保育の問題と捉えていなかった」と、「今思えば対応が不十分だった」と話した。

(12月18日)
〔児の午睡中に性暴力〕11月、千葉県内の保育士(29歳、男)が、勤務していた保育園で昼寝をしている女児に性暴力をはたらいたとして逮捕された。児が別の保育士に相談をしたことで事件が発覚したという。容疑者は「起きたとしても知識がないので意味が分からないと思った」などと容疑を認めているという。余罪があると見られ、警察が捜査している。

〔園児にシューズを投げる等〕11月、熊本県熊本市西区にある私立の認可保育園で不適切な保育が見られるという通報が市にあり、調べたところ、50代の女性保育士が履いていたシューズを園児に向かって投げる、園児の襟首をつかんで無理に移動させる、園児の体を教室のドアに押し付けて泣かせるなどしていたことがわかった。シューズを投げたことについては、「びっくりさせて、おとなしくさせるためにとっさにやってしまった」と話しているという。このような行為は、複数の園児に対して行われていたとみられる。この保育士は現在も同じクラスを担任しているという。

〔所長と主任が子どもに暴言など〕埼玉県熊谷市は、市立保育所の所長と主任保育士を保育業務からはずした。2人は11月下旬~12月上旬、園児に向かって「ダメ。バカ頭。あのお母さんだもん。あのお父さんだし」と言う、ぐずる園児に脅すような言葉を言う、「○○ちゃんはいじられる人生だからね」と言う、大声をあげて園児を泣かせるなどしたもの。11月29日、市への通報があり、保育室内の状況を録音したデータから所長らの発言が不適切保育にあたると判断した。

〔録音データの提供で一転、暴言を認める〕兵庫県尼崎市の私立保育園で8月、保育士らが「髪の毛ぬれたら落ち武者にしか見えへん」「カエルの子はカエルやからな」など、子どもやその保護者を揶揄する発言をしていたことがわかった。揶揄された保護者が市に相談したことで発覚した。園は当初、「心当たりがない」と発言を否定していたが、発言が記録された音声データを保護者が市に提供、再度確認したところ、一転して認めたという。園は市に対し、「不快に思われたことについては申し訳ない」として、保護者に謝罪したという。〔掛札コメント〕こういう謝罪って最近、多いんですが、「不快に感じさせたことは申し訳ない」って、発言自体には謝罪してないんですよね。もっとひどい謝罪もどきは「そのように感じさせたのだとしたら、お詫びする」。こうなると、「そう感じたおまえが悪い」というニュアンスまで醸し出しています。相手をよけいに怒らせて当然。

(11月26日)
〔性的暴行等で再逮捕〕宮城県気仙沼市の保育士(男、22歳)が、再逮捕された。去年11月と今年1月、10歳未満の女児に性的暴行をし、児童ポルノを製造した疑い。押収したスマートフォンに保存されていた画像などから今回の事件が発覚したという。

〔性暴力でベビーシッターを逮捕〕今年8月、東京都文京区の家庭を訪問したベビーシッター(男、37歳)が幼稚園児の姉妹に性暴力を行ったとして逮捕された。容疑者は、派遣型のベビーシッターを数年前からしており、押収されたスマートフォンなどには、子どものわいせつ画像が大量に残されていた。

(11月13日)
〔鹿児島市で「不適切な保育」(2園)〕鹿児島県鹿児島市内の認可保育園と認可外保育園で、不適切な保育。認可保育園では今年4月、5歳児がおやつを床に2回落とした際、保育士がこの児の頭をたたき、落ちたおやつを園児の口に入れたという。市に情報提供があり、5月に園が室内に設置しているカメラの映像を確認してわかったもの。市が6月以降、調べたところ、過去2年間に別の保育士が1歳児の体を引っ張ったり、4歳児を長時間叱るなどの行為があったこともわかった。市は10月3日付で園に改善を求める文書指導を行った。一方、認可外保育園では、部屋の一角の仕切りのあるスペースやベビーベッドに園児を置き去りにしたとして、10月18日付で文書指導。

〔名古屋市の2園で虐待〕愛知県名古屋市は、2保育施設で虐待行為があったとして、それぞれに改善勧告を行った。23日の市の記者会見によると、中川区の園と中区の園。中川区の園では今年度に入り、計4人の保育士が、子どもが嫌いな給食を吐くまで食べさせたり、給食を2時間以上にわたって食べさせ続けたりするなどの行為があったという。中区の園では9月、園児が吐き出して机の上や床に落ちた食べ物を再び食べさせたほか、食べ物が床に落ちたことに対し「ごめんなさいは」と謝罪を要求するなどの行為があった。市は、いずれも虐待と認定した上で、園児の生命や身体に危害を及ぼすおそれがあるとしてそれぞれの施設に対し、児童福祉法に基づく改善勧告を行った。中川区の園の保育士は市の聞き取りに対し、「健康のために残さず食べてほしかった」と話しているという。

〔午睡しない子どもの顔にタオルケット〕神奈川県横浜市内の認可保育園で昨年度以降、不適切な行為が5件あったとして、市が10月中旬に文書で指導した。7月に情報提供があったもの。内容は、0歳児がミルクを飲む際に必要な介助をしない(寝たまま哺乳瓶を抱かせておく)、言うことを聞かない子を大人用のトイレに閉じ込める、昼寝をせず泣いている子の顔をタオルケットで覆う、「バカ」などといった心を傷つける言葉を使う、園児の前で園長が保育士を大声でしかるの5件。園長は市の調査に「3歳から別の施設に移っても困らないよう生活習慣を身につけさせたかった」と釈明したという。

〔保育士の虐待行為で刑事告発も検討。処分決定は延期〕徳島県佐那河内村の公立保育所で、過去3年間に保育士5人による虐待と疑われる行為が30件確認され、村が刑事告発を検討している。「虐待」は、園児の背中や尻をたたく、吐き出した物を無理やり食べさせる、机にこぼれた牛乳を園児に飲ませる、感染症の疑いがある別の園児の鼻水をつけるなど15件。無理やり食べさせられた園児の中には、食事の時間に動悸がし、激しく泣く子もいたという。また、園児の発達の状態をからかうなど「虐待以外の有害な影響を与える行為」は3件。食事の量を減らす、絵本を読んでほしいという園児に「うるさい」と発言するといった「不適切な保育」が12件。5人の保育士のうち2人は退職し、別の2人は自宅待機、残りの1人は勤務を続けている。
(その後)
村は11月12日までに決める予定だった保育士の処分をいったん延期することを決めた。9日夜の保護者説明会で、一部の保護者から「村の行った調査が正しいか疑わしい」などとして延期を求める声があがったため。

(10月21日)
〔性的虐待と不正受給の園に行政処分〕男性園長が2022年~2023年、複数の園児に対し性的虐待をしていた山形県山形市内のこども園が行政処分を受けた。新たな園児の受け入れを1年間停止させる内容で、園は11月からの休園を発表している。同園は2022年度、保育士の人数を偽って報告しており、約1億円の給付金のうち、約1100万円が不正受給だったこともわかっている。

〔不適切な保育〕愛知県小牧市の私立保育園で、複数の保育士が園児たちに対して不適切な保育をしていたとして、市が運営法人に改善指導を行った。今年6月、保護者から「先生が怖くて子どもがお漏らしをしたことを言えず、園から帰ってきた」などと園に連絡があったため、園が調べたところ、不適切な保育が分かった。市の任意立入調査によると、お漏らしをした園児に対して「赤ちゃんみたい」「お漏らししたの?」などと強い口調で話した、時間内に昼食を食べ終わるよう食べるのが遅い園児の配膳量を少なくした、という件が虐待と疑われる事案として確認されたという。さらに、帰り支度をしない園児の帽子を隠すなどの嫌がらせをしたほか、園児たちが寝たふりをして、近づいてきた人を驚かせる遊びを「死体遊び」と表現するなどの不適切な行為も確認された。

〔小規模施設で暴行、虐待〕愛知県小牧市の小規模保育施設の保育士2人が、暴行や虐待が疑われる行為をしていたことがわかった。市は昨年12月に事態を把握。防犯カメラの映像などから不適切な保育があったと確認し、施設に改善を指導した。食事の手助けをする際に体がのけぞるほど食べ物を口に押し込む行為、子どもの顔に風船を打ち付ける行為を確認。他に、真っ暗なトイレに子ども一人で行かせたり、おでこをたたいたりするなど計18事案を把握した。

〔「不適切な保育」で園長辞任、担任を解雇〕静岡県浜松市西区の私立保育園で、0歳児クラスの保育士が園児の顔や頭を乱暴に触れる、児の意志に反して食べ物を口に入れるなどの不適切な保育をしていたことがわかり、市が調査を進めている。9月に浜松市へ匿名の通報があり、園が保育士への聞き取りやカメラの映像の確認などを行い、不適切な保育が発覚した。園は10月12日、保護者説明会を開き、園長の辞任と不適切な保育を行った保育士を解雇すると伝えたという。

〔園長が子どもに対して「不適切な保育」〕大阪府寝屋川市の認可外保育園で、子どもに心理的苦痛を与えるような不適切な保育をしていたとして、改善指導を受けた。園の様子を不審に思った保護者が、9月、園内の様子を録音して市に連絡したという。音声データでは、園長が子どもに対して「やかましい」「ごはんあげへんよ」などと繰り返し大きな声を上げていたという。

〔園児遊具の狭い空間に閉じ込める等〕福島県会津若松市にある私立こども園で「不適切な保育」が確認され、県が行政指導を行った。今年8月下旬、県に匿名の相談があり、県は市と共に園への聞き取りを行い、特別監査を行った。その結果、複数の保育士が園児を室内の遊具の狭い空間に閉じ込める、あるいは名前を呼び捨てにして乱暴な言葉を使う行為が認められた。この園については今年4月にも、保育士が園児に対して高圧的な言動を取る不適切な保育が行われているとの匿名の情報が県と市に寄せられ、園に聞き取りを行ったうえで、口頭で指導をしていた。

(9月25日)
〔園長が複数の園児に性的虐待〕山形県山形市内の認定こども園で園長(男性、66歳)が2022年4月~2023年5月、複数の男女園児に対して性的虐待を行っていた疑いが強まり、市は8月31日、行政指導を行った。他にも、繰り返し園児をからかったり、子どもの前で保育士などを怒鳴りつけたりと、子どもに悪影響を与える行為をしていた。2023年6月の園職員からの情報をきっかけに、市は7月、職員らから聞き取る特別監査を複数回実施したが、園長は虐待について否定しているという。
一方、この園長をめぐっては、すでに退職した一部の職員らを在職していると偽って給付金を申請し、過大に受け取っていた疑いなども浮上しており、市は調査を進める考え。

〔不適切な保育、2度めの情報提供で改善勧告へ〕兵庫県川西市の小規模保育施設で園長(女性、60代)が不適切な保育を行ったとして、同市は9月15日、運営法人(和歌山市)に対し、改善を勧告した。園長が5~9月にかけ、特定の園児1人を大声で叱責して謝罪を強く求めたり、廊下に1人で数分間立たせたり、トイレの便座に10分ほど座らせて放置したりしたもの。8月31日、市教委に情報提供があり、発覚した。提供された音声データには大声で失敗を責めるような文言が残っていた。特別監査に対し、園長は一連の行為を認めつつ「しつけだった」と釈明。法人は虐待にあたると判断し、9月8日に園長を解任した。同園では2020年11月~2021年3月にも、この園長が職員に高圧的に接したり、園児に命令口調で話したりしているとの相談が市に寄せられていた。市教委は「不適切な指導かどうか、当時は確認できなかった。調査のあり方を検討していく」とした。

〔担任4人が1歳児に暴言〕愛知県東郷町に今年4月、開園した認定こども園で、1歳児の担任4人が不適切な保育を行っていたことがわかった。4人は「来ないでこっちに」「本当にこの子嫌だ」「ほんと腹立つこの子」などの拒否的な言葉のほか、「嫌われ者はここ」「もうぬすっとはやめてください」などの人格を否定する言葉、「頭ぎゅんするよ」「もうごはんなし」「おやつなし」などの脅迫的な発言をしていたという。8月、クラス内の様子を録音した音声が保護者から町に寄せられ、事実確認を指示したところ、一連の発言が確認された。運営法人は保護者説明会を開き、4人の保育士と、状況を知りながら放置していた保育士のあわせて5人は自主退職しているという。〔掛札コメント〕「録音するなんて!」と言う前に、職員が「適切な保育」をすべきですし、「不適切な保育など、していない」と言いたいなら自分たちでまず録画/録音しておくべきです。

〔寝ない子どもを廊下に出すなど〕東京都北区の区立保育園で複数の保育士による不適切な保育が行われていたと、9月15日、区が発表した。同園では2018年~20年、昼寝の時間に寝付けない園児を布団ごと廊下に出して一人にしたり、言うことを聞かない5歳児に「赤ちゃん組に行きなさい」と言い、嫌がる児を1歳児クラスに連れて行ったりしていたことなどが確認された。いずれの行為も都による特別指導検査で発覚した。

〔不適切な保育、匿名メールで発覚〕長野県茅野市は9月14日、市立保育園で保育士1人が複数の園児に対し、子どもを傷つけるような言葉がけをしていたとして、この職員を保育からはずしたと発表した。匿名メールで発覚したもの。食事の際、食べ物をこぼした園児に一般的な指導を逸脱した強い口調で「またこぼして」「だめじゃん」などと叱ったという。

(8月28日)
〔企業主導型保育所で不適切な保育〕京都府京都市北区の企業主導型保育所で不適切な保育をしていたことが8月10日、わかった。市が保育所側に確認したり、児童育成協会が7月に立ち入り調査したりした結果、職員が園児の鼻をつまんで給食を食べさせる、園長が園児の尻を蹴る、簡易プールでの活動中に監視役を置かないなどの事案が判明した。プール活動で監視役を置かないのは国の指導監督基準に違反するとして、市は文書指導を検討している。園長は取材に対し、「蹴ったのではなく、安全確保のため足でちょんとしたのは事実」と述べ、プールは水遊びだったとの認識を示した。

(8月9日)
〔子どもの絵をバカにするなど、不適切な保育〕静岡県裾野市の市立保育園で2023年5月下旬、年中クラスを担当する保育士2人が不適切な保育を行っていたとして市が調査を進めている。「登園を渋る子どもがいて、保育士に不信感がある」といった匿名の通報が6月6日、市に寄せられたことで発覚。通報した人は音声を録音していた。保護者説明会の内容によると、保育士2人は一連の行為を認め、現在は休暇を取得しているという。不適切な保育の内容は、大きな声、強い口調で指導する、返事がない園児に「あの子には口がいらない」と言う、子どもの絵をバカにするような不適切な声かけ、絵を描こうとしない園児に「描くの?描かないの?」と強く言う、同じことを何度も問いただす、など。〔掛札コメント〕「現在は休暇を取得している」? 「自宅待機」とか見る度に思うんですが、いいですねえ、出てこなくていいとは。他の人たちが守ってくれているわけで。

〔頭をたたくなど、不適切な保育〕埼玉県吉川市は7月27日、市立保育所で50代の保育士が2018年~2021年、園児に対し頭をたたくなどの不適切な保育をしていたと発表した。今年6月、通報があり、市が聞き取りを行ったところ、判明したという。園児の頭部に拳を押し付けたり、児童を静止させるために頭をたたくなどの事案があったことがわかった。保育士は事実を認めているという。

〔不適切な保育が問題になった園、実地監査を4年間、実施せず〕三重県桑名市の私立こども園で不適切な保育が判明した問題を巡り、県が実地監査を4年間していなかったことがわかった。児童福祉法施行令は都道府県に対し、年1回の実地監査を義務づけている。幼保連携型認定こども園はこの対象ではないが、国は同様の対応を求めている。県は同こども園に対し2018年度に実地監査を行ったが、2019年度は監査をせず、20~22年度は書面と電話のみ。県は20~21年度、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、すべての監査を書面とウェブ会議システムで実施したが、このこども園はオンラインで対応できないとしたため、事前に園が提出した点検表に基づき、電話で園長に聞き取りをした。点検表に不適切保育の有無を尋ねる項目もあるが、園から申告はなかったという。
改正同法施行令が今年4月に施行され、天災などやむを得ない事情や前年度の監査で問題がなかったなどの条件を満たせば例外的に実地以外での監査も認められたが、県はコロナ流行の前から書面での監査を実施しており、県福祉監査課の担当者は「違反の恐れがある施設に集中的に人員を投入していたため、全ての施設を実地で監査するには人員が足りなかった。実地で監査をしていても、不適切保育を見抜けたかどうかは分からない」と話している。〔掛札コメント〕「実地で監査しても、見抜けたかどうかはわからない」と、法通りにしていなかったことを正当化しているばかりか、自分たちが無能であることをはっきり表明しているわけですね。見抜けないかもしれないなら、見抜けるような方法(抜き打ち訪問とか)にするべき。

〔泣いている園児を別室に放置など不適切な保育〕新潟県新潟市西区の認可保育園で今年4月、泣いている園児を別室に長時間隔離するなどの不適切保育が行われていた。昼寝の時間に園児が泣いて目を覚ました際、保育士がこの園児をベビーラックごと隣の部屋に移動させ、長時間放置していたという。部屋の扉はガラスで児の様子は見えていたため、安全は確認されていたとしているが、園児はかなり泣き、汗をかいていたという。同じ保育士は、別の園児に対し食事に関する調査票が提出されていない状態で家庭で食べたことのない食品を食べさせていた。保育士は保護者から口頭で了解を得ていたと説明し、アレルギーなどの被害はなかった。園の関係者からの通報を受け、市は5~6月に立ち入り調査を行い、口頭と文書で園に改善指導をした。調査では、同じ保育士がおむつ交換の際、おむつの上から体を叩いたり、食事の際、園児が吐き出した食べ物をもう一度食べさせたりを、他にも3件行っていたことがわかったという。この保育士はベテランで、発覚後に依願退職した。〔掛札コメント〕まず、泣いている乳児を放置しておくことがどれほど危険か、わかっていないのでしょうか。

〔再調査で、不適切な保育のケースが増える〕不適切な保育が明らかになっていた鹿児島県鹿児島市の保育園で、再調査の結果、同様のことが園児7人に対して計17件あったことがわかった。当初、園は子ども3人に対して8件としていたが、他の職員に聞き取りをした市から指摘があり、再調査で確認した。不適切保育があったのは昨年夏頃~今年1月。当初の8件は当該保育士2人への聞き取り結果で、増えた9件は別の職員が目撃していたもの。園長は市の指摘で初めて知ったと話している。

(7月25日)
〔「不適切な保育」で書類送検〕神奈川県横浜市の認定こども園に勤めていた保育士(女性、27歳)が園児への暴行容疑で横浜地検に書類送検された(7月6日)。2021年8月6日午後、保育中の2歳児に対し、腕をつかむなどの暴行を加えた容疑。この園については複数の保護者から「不適切な保育があった」との通報を受け、市が2021年10月に立ち入り調査を開始。この時点ではこの保育士への聞き取り調査はされず、不適切保育は「事実の確認ができなかった」としていたが、今年2月に動画の提示を受けて再調査した結果、「食事を口に押し込む」「逆さづりに近い形で持ち上げる」など計13件の不適切保育が確認され、5月16日付で運営法人に改善を勧告する行政指導をしていた。本人は、「(園児が)危ないことをしたときに感情的になったかもしれない」と話し、容疑を認めているという。

〔園児虐待で保育士に罰金30万円〕富山県富山市の認定こども園で園児を虐待したとして、暴行罪で略式起訴された保育士(女性、20代)について簡裁は6月21日、罰金30万円の略式命令を出した(6月14日付)。園児の腕を引っ張って体を引きずるなどしたとして、昨年12月に書類送検された。書類送検当時、「暴行のつもりはなかった」との趣旨の供述をしていた。事件では、女性保育士2人が書類送検され、うち1人は不起訴となっていた。運営法人に対しては、原因の検証や再発防止を求める改善勧告を今年2月、市が出している。

(7月1日)
〔性器にケガで両親が提訴〕熊本県合志市の保育園でケガを負わされたとして、5歳児(両親が法定代理人)が園を運営する社会福祉法人に1万円の損害賠償を求めて提訴した。被告側は争う姿勢を示し、第2回口頭弁論(地裁、6月26日)では、原告側が園内で生じたケガだと反論した。訴状によると、児は昨年8月29日、昼寝中のおねしょを言い出せず、保育士から性器を指で引っ張られ、切り傷や内出血を負ったとしている。被告側は答弁書で、ケガは園外で生じた可能性もあると主張。原告側は、園から帰宅する際にケガをするような状況ではないと指摘した。〔掛札コメント〕こういった事例こそ、ビデオカメラをクラスに設置しておくことで容易に解決するでしょう。「やった」にせよ、「やっていない」にせよ。

〔施設長が2時間にわたり、食事を強要〕滋賀県大津市の保育施設で今年2月、眠気を催している2歳児に施設長が約2時間にわたり、給食を食べさせていたことがわかった。市は、不適切な保育があったとして施設を指導。施設長は自主退職した。この施設長は、給食でワカメやゴボウなどを食べさせ、児は約2時間、口の中が食べ物でいっぱいの状態が続いた。保育士が施設長に食事をやめるよう訴えたものの、施設長は「食べられるはず。本人も『食べられる』と言っている」として、食事を続けさせた。保護者が迎えに行った時には、児は泣きはらしてぐったりしており、その後、保育施設を退園、市に相談した。〔掛札コメント〕このような事例もまだ「不適切な保育」、つまり「保育」のうちに入れるのでしょうか?

〔理事長が園児の足を蹴る〕鹿児島県姶良市の認定こども園で6月5日、学校法人の理事長が4歳児の足を蹴るなどした。朝の集会前、児を園庭に整列させようと指導する際、屋外廊下で足を2、3回蹴り、ほおをつねるなどしたもの。保育士から報告を受けた園が同日、児の保護者に謝罪。理事長も翌日、謝罪した。その後、県と市が防犯カメラの映像や聞き取りで不適切な行為があったことを確認した。理事長は「足を蹴ってきたので、蹴られる人の気持ちを知ってもらおうととっさに蹴り返したが、不適切だった。県の指導を受け入れたい」と話した。

(6月12日)
〔強制わいせつ致傷で逮捕〕岡山県岡山市の保育士(25歳、男)が3月8日午後、岡山市内で放課後スクールの送迎中、10歳の女児に車内でわいせつな行為をし、けがをさせたとして強制わいせつ致傷の疑いで逮捕された。病院からの通報を受けて捜査し、関係者の話などから容疑者の犯行と特定した。 容疑を認めている。

〔1歳児に保育士2人が不適切保育〕茨城県水戸市の認可保育所で4月から5月上旬にかけて、20代と30代の女性保育士が担当する1歳児クラスの11人に対し、無理やり食べ物を口に押し込む、横になった状態で水を飲ませる、腕をつかんで引き倒すなどの行為をしたとして、市は5月24日に立ち入り検査を実施した。5月11日、職員から「不適切保育があるのではないか」という意見があり、発覚したが、その後の22日頃、水戸市にも匿名や園の関係者からの情報提供があったという。市は園に改善計画の提出を求め、園は保育士2人に対して厳重注意した上で、配置換えをした。保育士2人は、4月に採用されたばかり。6月2日に行われた保護者会で保育士は行為を認め、「自分の中で思いつめて、無理やりやってしまった。たくさん食べて大きくなってほしいなどの、私たちの勝手な思いを押し付けてしまったのは事実だと思っています。子どもたちの気持ちを優先できなかったことは、大変申し訳なく思っています」と釈明した。〔掛札コメント〕適切不適切以前に、死んでもおかしくない危険な行為をしていると指摘するべきでは?

〔給食長時間強要で、卒園児にもアンケート調査〕三重県桑名市の認定こども園で保育士が給食を食べるよう、園児に長時間強要していた問題で、同市市長は5月30日の定例記者会見で、卒園児の保護者を対象にアンケートを実施すると明らかにした。強要行為が以前から続いていたとの情報があり、全容を解明する必要があると判断したもの。市は今年3月に給食強要問題を把握。決まった時間にしかトイレに行かせなかったり、暴言を吐いたりといった問題行為も確認されている。また、給食強要は遅くとも平成21年頃から続いていたとみられる。

〔3歳児に給食を強要〕広島県広島市内の企業主導型保育園で2月中旬、45分の時間内に給食を食べきれなかった3歳児1人に対し、園長らが2倍の約1時間半にわたり、食べさせ続け、泣かせる「不適切な保育」があった。園児はこの後、登園を渋る状況が続き、3月に退園したという。情報提供を受け、市と児童育成協会が3月上旬に特別立ち入り調査を実施。市が3月27日付で園を文書で指導したという。

〔不適切な保育13件を認定〕神奈川県横浜市内の認定こども園で「不適切な保育」が判明し、5月16日、市が「改善勧告」をした。市は今年3月14日から特別指導監査を実施し、13件の不適切な保育を認定した。うち10件はすでに退職した保育士によるもので、言うことを聞かない園児を別室に連れていって叱責したり部屋に閉じ込めたりしたほか、食事を完食させるために園児の口に無理やり食べ物を押し込むなどしたという。この認定こども園では一昨年11月と今年2月にも、泣いている園児のあごや頬を保育士がつかんで無理やり自分の方を向かせたとして市が文書で行政指導を行っており、指導は今回が3回目。同園は市の給付を本来よりも多く受けていた可能性が高いとして、過払い金の返還も求められている。

〔子どもがお盆にこぼした牛乳を飲ませるなど〕徳島県佐那河内村の村立保育所で、乳児クラスを担当する保育士2人が2人の園児に不適切な保育をしていたことが明らかになった。2022年12月下旬、匿名の情報を受けた村が調査していた。2021年5~7月に5~6回、園児1人がお盆にこぼした牛乳を保育士が集めてコップに入れ直し、飲ませていた。保育士は聞き取り調査に対し「牛乳をこぼしたら飲まなくていいと学習されたら困る。お盆はその都度洗っており、牛乳も限りがあるので飲ませた」と説明したという。同年7月、同じ園児に、他の園児の鼻水を触らせた。2022年1~3月には約30回、別の園児1人に紙おむつを2枚重ねてはかせていた。これらの3つの行為について、2人も認めたという。一方、2人は園児の苦手な食べ物や吐き出した食べ物を無理やり食べさせたり、園児に向かって「バカ」「アホ」などの暴言を発したりしていたというが、村はこちらの行為については「確認できなかった」としている。〔掛札コメント〕こぼした牛乳を飲ませる、鼻水に触らせるなど、この年齢の子どもたちにはそもそも罰にも学習にもならないことをさせて「学習させているつもり」になっている時点で、子どもの発達を理解していないことを露呈させているわけです。

(5月23日)
〔給食強要の園、10年以上問題を放置していた可能性。音声をボイスレコーダーで録音〕三重県桑名市の認定こども園で保育士が給食を食べるよう園児に強要していた問題で、同様の問題行為が遅くとも2009年頃から続いていたとみられることが5月17日、わかった。市は保育士への聞き取りで、園児の足を引っ張るなどの不適切保育も把握している。保護者が繰り返し不適切保育を市に相談していたにもかかわらず、市が「私立園だから」という理由で十分に対応してこなかったとみられることもわかった。
 また、自分の子どもの異変に他の保護者が気づき、園の様子を確認しようと子どものカバンにボイスレコーダーを入れておいたところ、今回、被害にあった児に対する暴言が録音されていた。〔掛札コメント〕今の社会状況ですら、園は「親がボイスレコーダーを持ち込むなんて!」と考えるのでしょうか? だとしたら、そのような園の先は見えています。園と職員を守るため、そして暴行を抑止するため、園が録画や録音をすべきなので。

〔送迎バスから一度降ろし、「不適切な保育」〕群馬県高崎市の認定こども園で今年3月3日午後、送迎バスの運転手が園児から「一時停止をしていない」などと声をかけられたのに対して「じゃあ降りろ」などと言い、停留所以外の所で添乗していた職員に園児を降ろすように指示したという。職員は園児と共に一時的にバスを降りて、その後、再び乗車してバスが出発した。園の聞き取りに対して運転手は「安全な運転に支障を来すと思った。反省してもらう意味合いだった」と話し、職員は「運転手の指示なので従うべきだと思った」などと話し、2人はすでに退職したという。高崎市は園児への心理的な虐待にあたり、不適切な保育だったとみて先月下旬に特別監査を行った。〔掛札コメント〕一時停止を本当にしていなかったなら、運転手の問題。一方、運転中に運転手に声をかけることは危険なのだから、添乗職員がこの子どもを止めるべき。一時停止をしており、添乗職員が子どもを止めなかったのなら、運転手がしたことは「不適切な保育」ではない(そもそも「保育時間中」ではないのだから)。さらに、一度おろしたからと言って子どもが黙るはずはないのだから、とにかく添乗職員がこの子どもを後ろの席に移すなどの方策を取るべきだったと考えます。

〔園児暴行で罰金の略式命令〕昨年、静岡県裾野市の保育園で園児の両足を持って宙づりにしたなどとして、暴行罪で略式起訴された元保育士が、5月8日付で簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受けた。他の2人の保育士は不起訴になっているが、この元保育士は、去年6月に園児を宙づりにしたほか、去年7月、手足口病の症状が疑われる園児の尻を別の園児に触れさせたとして、暴行の罪で略式起訴されていた。

〔児童ポルノ禁止法違反で再逮捕〕園児へのわいせつ行為を撮影した疑いなどで3回逮捕され、起訴されている大分県大分市の元保育士(29歳、男)が児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された。昨年9月から今年1月までの間に、インターネット掲示板で知り合った兵庫県の男に、保育園児の裸の動画や画像、合わせて53点をアプリを使って送信した疑いす。調べに対し容疑者は認否を留保。容疑者は過去に勤務していた大分市内の2つの保育園で、17人の女児が着替えている姿などを撮影したとみられており、保存されていた約10万点の画像データなどを解析するなどしている。

(5月7日)
給食を食べきれなかった園児を、4時間にわたって指導〕三重県桑名市にある私立の認定こども園で昨年度、給食を食べ切れなかった園児1人に対し、保育士がおよそ4時間にわたって食べるように指導を続けたという。園児はトイレに行けず失禁、今年3月、保護者から市に相談があり発覚した。市が聞き取りなどを進めたところ、園も事実を認めた。桑名市は現在、立ち入り調査を行い、今回の行為が起きた原因や、他に虐待が疑われる行為がなかったかなど聞き取りを進めている。この保育士は現在、自宅待機をしており、園長は辞職の意向を示しているという。

〔「不適切な保育」で検査、文書指導〕福井県坂井市の民間の認定こども園で、ベテランの保育士1人(3月末に退職)が特定の園児に「不適切な保育」を行っていたことがわかった。昨年11月下旬、保護者から「不適切な保育を受けている」という趣旨の相談を受けたもの。市は園の理事者や職員から聞き取りなどを行った後、12月下旬、県と合同で立ち入り検査を実施した。その結果、園児に対し継続的に大声やきつい言葉で注意する、園児の特性を他の園児や職員に聞こえるように話すなど、精神的苦痛を与える恐れがあり、人格や人権への配慮に欠けた言動があったと認定。市と県は2月1日付で文書による指導を行った。不適切な保育が継続されていたにもかかわらず、改善に取り組む体制が不十分とも指摘した。

〔園児への暴行で保育士1人を略式起訴〕静岡県裾野市の保育園で園児に暴行したとして去年12月に逮捕、その後釈放された元保育士3人について、地検支部は4月26日付で不起訴処分とした。ただし、保育士1人については、園児の足をつかみ宙づりにしたり、園児の手をつかみ別の園児の発疹を触らせたりする暴行を加えたとして、同日付で簡易裁判所に略式起訴した。  

〔「不適切な保育」で書類送検〕不適切な保育を行っていた新潟県新潟市の認可外保育施設の元責任者が今年2月、傷害の疑いで書類送検されていたことがわかった。去年5月、園児の腕を強くつかみ、あざをつけるケガをさせた疑いや、園児を長時間叱責した疑い。本人は容疑を認めているという。

(4月23日)
〔保育士による虐待行為で改善勧告〕栃木県は、保育士による虐待行為の疑いがあるとして矢板市の社会福祉法人が運営する認可保育園2園に対し、児童福祉法に基づく改善勧告をした(3月23日付)。昨年12月、園関係者から匿名の情報提供があり、県が2月の定期監査で聞き取り調査を実施。「保育士が児の手足を持って宙づりにした」「別の児に砂をかけた児に対し、保育士が砂をかけた」「児の頭をたたいた」などを不適切保育と認定したもの。うち1園は2021年10月にも保育士による園児への暴言などがあったとして、県による行政指導を受けていた。

〔昨年、計21件の不適切行為〕青森県六ヶ所村のこども園で、不適切行為が昨年計21件あったことが分かった。この園では昨年11月、保育士が園児の頭を軽くたたいていたことがわかり、村が園内にある18台の防犯カメラを確認するなどした。その結果、今年度中に職員3人が園児7人をたたく不適切な行為が20件あったことが確認された(計21件)。

〔保護者の指摘を受けて調査、改善勧告〕長崎県佐世保市は市内の保育施設2園に対して4月14日付で改善勧告を出し、検証や再発防止策を求めた。去年から今年にかけて保護者が市に改善を求めたため、市は3月~4月、両施設の職員に聞き取り調査を行ったり、防犯カメラの映像を確認したりして事実関係を調べていた。その結果、園児への物事の強要や威圧的な言動、園児の頭をたたくなどの行為が確認されたという。

〔「不適切な保育」をしていた責任者が書類送検〕昨年5月、「不適切な保育」を行っていた新潟県新潟市中央区の保育施設の元責任者が今年2月、傷害の疑いで書類送検されていたことがわかった。この責任者は、園児の腕を強くつかみ、あざが残るケガをさせた疑いがもたれている他、園児を長時間叱責したり、園児の体に布団を巻き付けたりしていたことも確認されている。容疑を認めているという。

〔ベビーシッターが1歳児をたたき、逮捕〕3月17日、保育中の1歳児に暴行したとして、ベビーシッターの女(38歳)が傷害容疑で警視庁に逮捕された。「泣きやまない子に対して感情が追いつかず、ほおを3回以上たたいた」と供述しているという。左頬や左耳付近に約2週間のけがを負わせた疑い。傷に気づいた児の保護者には当初、「目薬をさした時に女児が自分でひっかいた」などと説明していた。両親は今年1月から女が働く会社にベビーシッターの派遣を依頼しており、不審に思った両親が3月21日に警察に相談して被害が発覚した。

〔児童をテープで縛った職員が懲戒処分〕3月、神奈川県相模原市の市立学童保育施設で職員(47歳、児童育成支援補助員)が1年生の手足を養生テープで縛った問題で、市はこの職員を3月30日付で減給1か月の懲戒処分にした。市の聞き取りに対し、この職員は「児童に申し訳ないことをした」と話しているという。

〔性的暴行で懲役20年〕ベビーシッターの派遣先やキャンプ場で、5~11歳の男子計20人に性的暴行を加えた罪などに問われた元ベビーシッター(31歳)に対し、3月30日、東京高裁は一審に続き、懲役20年の実刑判決を言い渡した。2022年8月、地裁は「信頼される立場を利用し、被害者の未熟さにつけ込んだ悪質な犯行だ」として、懲役20年の実刑判決を言い渡したが、被告側は「量刑が重すぎる」として控訴。高裁は「被害者1人に賠償金の一部として50万円を支払っていることなどを考慮しても、一審の量刑が重過ぎて不当とは言えない」として控訴を退けた。被告は2020年までの4年余りで、強制性交罪22件、強制わいせつ罪14件、児童ポルノ禁止法違反の罪で20件、起訴されている。

(3月28日)
〔学童保育の代表を暴行の疑いで書類送検〕石川県金沢市内の英語教室が実施する学童保育で、子どもを逆さづりにしたり、定規で叩くなどの体罰が日常的に行われていたとされる問題で、警察は3月20日、代表を務めていた20代の男性を暴行の疑いで書類送検した。男性は弁護士を通じて、体罰はなかったと否定している。去年7月、保護者に対し体罰があったことを認めた上で「指導目的だった」などと釈明。保護者向けの説明会では、「けががなければ体罰ではないと認識していた」とも述べたという。金沢市は教室に対し「助言」と「注意喚起」を行ったものの、民間で独自に運営する学童保育に対しては、行政処分など指導監督の権限がないとしている。

〔強制わいせつ等で懲役4年。氏名あり〕島根県松江市内の幼稚園教諭が強制わいせつと県の迷惑防止条例違反の罪に問われた事件の裁判で、地裁は男に懲役4年の実刑を言い渡した。裁判長は「教諭の立場を悪用した悪質な犯行であり、常習性も顕著」などと指摘した。

〔不適切な保育で保育士4人等に処分〕香川県琴平町の町立保育所で2021年度、不適切な保育行為があったことが3月23日わかった。昨年7月と12月、児童相談所へ匿名の投書があり、県が職員に聞き取りをするなどして発覚。町は関与した保育士ら職員計7人を訓告や厳重注意などの処分とした。県によると、園児をおんぶひもでいすにくくりつけたり、給食を食べない園児を別のクラスに放置したりする5件の不適切な行為を認定し、今年1月末に改善措置を講じるよう施設に命じた。計4人の保育士が一部の不適切行為に関わったと認定。監督責任を問い、町長と副町長の給与減額も決めた。

〔園児虐待で園に改善命令〕東京都日野市は、市内の認可保育園で保育士が子どもを締めつけたりするなどの虐待行為をしたにもかかわらず、園側は虐待を防止するための適切な措置をとっていないとして、園を運営する社会福祉法人に改善命令を出した。この保育士は2月に逮捕されている。市は逮捕前の去年7月に改善勧告を出し、虐待防止の措置を講じるように求めてきたが、勧告後も虐待行為が続き、適切な指導も確認できなかったという。園側は子どもの危険な行為を抑えるものだったなどと主張しているという。市は3月23日付で法律に基づく改善命令を出し、事実関係を調査して検証結果や再発防止策などを盛り込んだ改善報告書を提出するよう求めた。改善が見られない場合は、運営費の支払い停止の可能性もあるとしている。

(3月13日)
〔園児に対する暴力で逮捕〕東京都日野市の保育園で2020年4月、園児に馬乗りになり、体を強く締め付けるなどしてけがをさせた疑いで、保育士(33歳、男性)が逮捕された。当時、4~5歳のクラスを担当し、2022年12月に依願退職したという。日野市は2022年7月、虐待行為があったとして改善を勧告。しかし、これに従わなかったとして、同12月に園名を公表した。今年2月に警察に刑事告発していた。警視庁の調べに対して「けがをさせた覚えもないし、馬乗りにもなっていない」「スキンシップとして抱きしめたことはある」などと供述し、容疑を否認。

〔不適切な保育の行政指導に1年以上かかる〕神奈川県横浜市で、市が保育施設の不適切保育を把握していながら、改善を求める行政指導に1年以上かかっていたことが明らかになった。「初動の対応で足りない部分があった」と市は話している。2021年8月、認定こども園で、保育士が子どものあごを指でつかむなどの行為を繰り返し、市は不適切な保育だったとして、今月、施設に対して改善などを求める行政指導を行った。2021年12月の時点で、この様子が映った動画を確認していたが、部局内で十分に共有されなかったため、行政指導が行われるまで1年以上かかった。

〔放課後デイサービスで虐待〕秋田県秋田市の放課後デイサービス施設で、職員が子どもに対する虐待行為を行っていたとして、市が改善を指導した。2021年5月と6月、3回にわたり市に通報があり、市が調査を進めた結果、子どもに対し大声で注意したりどなったりする虐待行為が確認されたという。また、子どもの顔を毛布で覆った状態にして寝かせたり、子どもを座った状態を保つ椅子に座らせて動きを制限したりする等、虐待と疑われる行為もあった。去年8月、障害者虐待防止法に基づき施設に対し虐待防止のための研修を行うなど、文書で改善を指導した。

〔強制わいせつ等で懲役3年6か月。自治体名も氏名もナシ〕2019年2月~2022年6月、大分県内のこども園で複数の女児をカメラで撮影したり、体を触ったりしたとして強制わいせつなどの罪に問われた保育士に対し、地裁が「保育の制度や現場に対する安心感を強く損なうものとして厳しい非難に値する」などとして懲役3年6か月の実刑判決を言い渡した(求刑は懲役4年6か月)。

〔不適切な保育〕岩手県洋野町の町立保育所で、30代の女性保育士が園児の顔や手にスタンプを押し付けたり、汚れたおむつを交換せず放置したりするなどの不適切な行為をしていた。去年12月、保護者から相談を受けた町がこの保育士と複数回面談した結果、1月下旬にこれらの行為を認めたもの。〔掛札コメント〕おむつを交換しないって…、度を越していたのかしら…。一日じゅうとか?

〔不適切な指導、配置に欠けも〕静岡県浜松市の認定こども園で不適切な指導や、保育士を適正な人数配置していなかったことが確認され、市が園に改善勧告を出した。去年の運動会の練習中、女性保育士2人が園児の足をつかんでスタートラインに並ばせる、列に並ばせる際などに腕を引っ張るといった不適切な行為を行ったという。保護者から市に相談があり、園内の防犯カメラにも記録されていた。その後の調査で、法令の基準よりも少ない人数で保育士を配置していたことも判明。特別監査を実施した上で、1月20日、運営法人に改善勧告を出し、3月末までに改善内容を報告するよう求めた。

〔複数の保護者が不適切な保育を訴え〕長崎県佐世保市の私立認定こども園に子どもを通わせる複数の保護者が不適切な保育を訴え、市が園を指導した。2022年4月以降、園児が保育士に頭を叩かれる、何度も厳しく指導される、など。また、2022年夏には熱中症警戒アラートが出ていたにもかかわらず、園内の冷房をつけず、エアコンの除湿モードと扇風機で対応し、複数の園児が脱水症状を起こしたという。園は市の聞き取りに対し、園児への暴力や暴言を否定していて「保育士が感情のあまり大きな声を出したかもしれない」と回答。エアコンについては、「換気をしていた。状況に応じて冷房と使い分けていた」と説明。

〔不適切な保育で、心のケアも含む改善を求める〕鹿児島県鹿児島の私立認可保育園で昨年10月、保育士1人が指示に従わない園児1人を倉庫に閉じ込めた。鍵はかかっておらず、園児は短時間で自ら外に出たという。ほかにも、この保育士は同じ園児に対し、園児同士のトラブルが起きた際、首を押さえたり、頬をつかんだりしたという。市は10月に立ち入り調査や聞き取りを行い、「不適切保育」と認定。園に対して改善などを求める行政指導をしていた。また、今月20日付で運営法人に対し、園児の心のケアや保護者への説明に加え、再発防止のための改善計画を報告するよう求めたという。

〔不適切な保育〕東京都江戸川区の認可保育園で2月24日、園児の保護者から「子どもが保育士に腕を引っ張られた。帰宅後に痛みを訴えて受診したところ、左ひじの脱臼が判明した」と相談があった。区が立ち入り検査を行ったところ、他にも給食を無理やり食べさせる、注意して泣いた園児の腕をつかんで廊下に出すなど、同じ保育士による不適切な保育が合わせて5件確認されたという。区は3月7日、運営法人に第三者委員会を設置して原因究明や再発防止に努めるよう指導した。この園については、去年3月にも近隣住民から「園内から怒鳴り声や冷たい言葉が聞こえてくる」などの相談が寄せられ、区はこれまでに数回、指導を行っていました。 〔掛札コメント〕「腕を引っ張る」の部分だけは、せざるを得ない場合がありますよね…。肘内障はよく起きますし。それに気づかずに帰宅させた点は大きな問題ですが。

(2月18日)
〔強制わいせつで逮捕。氏名公表、園名なし〕強制わいせつの疑いで2月15日、保育士(男性、32歳)が逮捕された。東京都世田谷区立の保育園に勤務していた去年4月、園に通う女児に性加害をした疑い。

〔マスクで鼻を覆わなかった子どもの鼻をつまむ等〕奈良県三郷町の私立認可保育園で昨年11月下旬、3歳児クラスの保育士が、マスクで鼻を覆わなかった園児に対し、3、4回鼻をつまんだ。さらに、その園児が友達をたたいたことに対して、大声でどなって手をたたいたという。このほか、別の保育士2人が必要以上に大きな声で園児を叱った。また、園では給食を完食するよう強いていたという。園児の保護者から昨年12月、園に連絡があって発覚。県と町が全職員17人に聞き取り調査を行い、2月3日、運営法人に行政指導を行った。園児にけがはなかったが、登園を嫌がる時期があったという。現在は登園している。〔掛札コメント〕いわゆる「不適切な保育」云々以前に、3歳児にマスクをさせていたんですか?

〔保育士が園児に暴言〕岡山県浅口市の私立保育園で保育士が園児に「トラブルメーカー」「ボンレスハム」などの暴言を吐いていた問題で、市教育長は2月9日、市議会で「不適切な保育があったと把握している」と説明した。2021年、市民から情報提供があった直後に園へ改善を要請。園からは、対象の保育士を指導し、けん責処分としたとの報告を受けたという。

〔拳で園児をたたき、暴行容疑〕神奈川県秦野市の認定こども園で働いていた保育士(女性、40代)が暴行容疑で書類送検された(2月10日付)。2022年2月、この保育士が園児の頭を拳で数回たたいたということで、本人は容疑を認めている。園児の保護者から苦情を受けた園は2022年9月、行為を認め、保護者に謝罪した。保育士は同月末、退職。市も調査を実施。この保育士が別の園児を「逆さづり」にして運ぶような行為もしていたことが判明し、不適切保育と認めた。

〔暴行容疑で2人、書類送検〕千葉県松戸市の小規模保育所で園児の頭をたたくなどの暴行を加えたとして、2月10日、同市に住む30代の女性保育士2人が暴行容疑で書類送検された。うち1人は容疑を否認しているという。容疑は昨年10月5日、保育所で1歳児の頭を手でたたいたほか、2歳児の右手を引っ張り、頭をおもちゃでたたくなどの暴行を加えた疑い。児2人にけがはなかった。

〔園児虐待で市が改善勧告〕昨年12月、富山県富山市の認定こども園で園児4人を虐待したとして20代の保育教諭2人が書類送検された事件で、市は学校法人に対し2月15日付で改善勧告を出した。特別監査の結果、園児に対する不適切な保育や、園長が報告を受けていたにもかかわらず対応を怠った事実が認められたとし、勧告内容は「法人としての責任の明確化と厳正な対処」「原因の検証と再発防止に向けた取り組み方針の整理」など3項目。園長は責任を取って今年度末で園長を退き、学校法人の理事長についても書類送検された職員の処分が決まり次第、交代するとしている。

〔学童で職員が子どもを養生テープで縛る〕神奈川県相模原市の市立の学童保育施設で2月10日午後3時半頃、職員(47歳、女性)が、小学1年生を養生テープで縛った。別の職員が異音に気付いて確認したところ、児童が縛られているのを見つけた。児童は両手を背中側に、両足首とひざも縛られて、横たわった状態で泣いていたという。けがはなかった。職員は2016年から働いており、聞き取りに対し「やってはいけない行為を止めても注意に従わなかった」と話しているという。これまでの職員への聞き取りでは、他の児童への虐待行為は確認されていない。

〔「不適切な保育」で市職員に処分〕静岡県裾野市の保育園で保育士らが園児に不適切な保育を行ったとされる問題で、市政に対する信頼を損ねたとして2月13日、保育園を監督する担当の幹部職員3人が訓告などの処分。市は去年8月中旬に事態を把握したものの、公表までおよそ3か月かかるなど対応が遅れた。健康福祉部長が文書訓告、子育て支援監と子ども未来課長がいずれも口頭注意。市長の報酬2か月分、副市長の報酬1か月分を全額カットする条例案も2月15日に開会する市議会の2月定例会に提出されることになっている。

(2月5日)
〔虐待を疑われないよう、「異なる病院を受診」するよう指示した疑い〕熊本市が市内の乳児院を虐待の疑いで調査している問題で、管理職が虐待を疑われないよう、けがした2人を「別々の病院に連れていく」よう職員に指示していた疑いがあるとわかった。昨年11月からこの問題を調査している熊本市によると、虐待が疑われる行為をこれまでに少なくとも18件把握しているという。

〔所長や複数の保育士が園児に「不適切な保育」〕静岡県沼津市内の保育施設で昨年10月頃まで、所長や複数の保育士が園児に不適切な保育を繰り返していたことがわかった。0歳児の頬を引っ張って面白がる、顔に落書きをする、ハロウィン関連のイベントでお面を怖がって泣く園児を追いまわす、その写真に撮って職員のグループラインで共有するなど。1月20日、市に対して施設職員と保育士から内部通報があり、その後の職員会議で事実確認がとれたと施設から報告があったという。市は施設に是正を指導するとともに、児童福祉法に基づき今月中にも立ち入り検査を実施する方針。市は園児の特定につながる恐れがあるとして、事業所の名前を明らかにしていない。裾野市の園児虐待事件を受け、この施設でも昨年12月に落書きなどをやめるよう職員間で共有したが、沼津市には報告していなかった。

〔保育士2人が園児に暴言や暴力的な行為〕東京都世田谷区の私立認可保育園で去年11月、不適切な保育が行われたとして、区はこの保育園を運営する法人に事実確認などをさらに進めるよう通知しました。保護者から区に「保育士の子どもへの声かけが普通ではない」などと連絡があり、指導を受けた社会福祉法人が調査したところ、去年4月以降、3~5歳の幼児クラスで2人担当保育士(20代と30代)が子どもの額を指ではじくなど不適切な保育が行われていたことがわかった。法人は2月1日、区に報告書を提出した。保育士のうち1人は先月末で退職し、もう1人は懲戒処分にしたという。2人は園児に対して、「いいかげんにしろ」「泣けばなんとかなると思うな」などと暴言を吐く、食事の時間にトイレを我慢させる、昼寝の時に寝ようとしない子に対して簡易ベッドを揺すり「もう寝なくていい」と言う、遊戯室から連れ出す時に手を引っ張る、などの行為があった。運営法人は少なくとも計15の行為を虐待と判断した。

〔「暗い部屋に移して食事を食べさせるなど」〕宮城県仙台市太白区の認可保育所で、給食を食べ終わらない園児を暗い部屋に移して食べさせたり、園児のおでこを指ではじいたりする不適切な保育があったとして、市はこの園に口頭指導をした(1月24日付)。昨年12月に園の関係者から市に相談があり調査を進めていた。聞き取り調査に対して、園側も不適切な行為があったことを認めた。

〔防犯カメラで頭を叩く様子を確認〕青森県六ケ所村の認定こども園で保育士が園児の頭をたたく不適切な保育があったと発表。県は昨年11月30日、施設関係者から「暗い収納部屋に園児を閉じ込める不適切な保育があった」との情報提供を受け、指導監査に入った。防犯カメラの映像を2週間分確認したところ、保育士の1人が洗面所で動き回る1歳児の頭頂部を、平手でたたく様子が確認されたという。聞き取り調査では、情報提供があった閉じ込めは確認できなかったという。この保育士はたたいたことを認めた。園児にけがはなく、保育士は園側の指示を受け、昨年12月21日から自宅待機。園は村の委託を受けた社会福祉法人が2021年10月から運営している。

〔わいせつ行為で懲役5年6か月 園名も本人名前も公表せず〕静岡県東部の保育園で、女児18人にわいせつな行為をした罪に問われた元保育士の男(29歳)に地裁は2月3日、懲役5年6カ月の判決を言い渡した。性的欲求を満たすため保育士資格を取り、勤務2日目から犯行に着手。防犯カメラを避けた上、犯行に及んでいない子を名簿で管理して狙っていたという。裁判は被害者保護の観点から被告の名前を伏せて行われました。〔掛札コメント〕この件も下の件も、本人の名前を公表せず、顔写真も出さない。裾野市の3人の保育士に比べたらなんという寛大な扱いでしょうか。この保育士たちは再就職できるかもしれないのですよ、保育園は無理でも学童、放課後デイ、キャンプ等、就職先はいくらでもあります。

〔わいせつ行為に懲役4年6か月を求刑 園名も本人名前も公表せず〕2019年~2022年、大分県内のこども園で女児にわいせつな行為をした罪などに問われている元保育教諭の男(40代)の裁判で検察側は2月3日、懲役4年6か月を求刑した。初公判で起訴内容を認めている。

〔わいせつとポルノ製造で再逮捕 名前は公表〕2021年2月、勤務していた大分県内の保育園で昼寝中の女児にわいせつな行為をし、スマートフォンで撮影したとして、愛知県警は2月1日、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、保育士(男、29歳)を再逮捕した。県警は今年1月、勤務していた別の保育園で園児の裸を撮影したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(電磁的記録提供)の疑いで逮捕。名古屋地検は2月1日、この逮捕容疑について処分保留とした。

(1月14日)
〔「不適切な保育」で行政指導〕宮城県仙台市太白区の認可外保育所で職員4人が園児を逆さまにして持ち上げるなど不適切な保育をしていたとして、市が行政指導を行った。2022年10月24日~11月2日までに撮影された所内の防犯カメラ映像を市が確認したところ、職員が園児を逆さまにして持ち上げる、柵を登ろうとした園児を柵に押し付ける、日常的に下着姿で昼食を取らせる、昼寝している園児に服薬させる、泣いている園児をあえて放置する、頬をつねる、大声でしかる、などの不適切な行為を行っていたという。市は運営会社に対し保護者への説明や園児への適切なケアなどを行ったうえで、改善報告書の提出を求めた。



保育士、保育園の事件、不祥事

(12月18日)
〔放課後デイ、中学生死亡で逮捕〕昨年12月、大阪府吹田市の放課後等デイサービスで中学1年生の行方がわからなくなり、1週間後、近くの川で死亡しているのが見つかった事故で、運営法人の代表と代表の兄で社員の計2人が業務上過失致死の疑いで逮捕された。この生徒は障害の特性から急に走り出してしまうことがあったため、「個別支援計画」で、送迎車から降りる際は職員2人が必ず付き添い、施設内に誘導するという取り決めを施設側と交わしていた。しかし、施設側は当時1人で対応しており、こうした対応が常態化していた疑いがあることがわかったという。また、送迎車の運転手についても今後、書類送検する方針。2人は先月、別の利用者の男子に対する暴行の疑いでも逮捕されている。

〔路上で女性に性暴力〕12月7日、愛知県東浦町のJR駅近くの路上で、面識のない46歳の女性の体を触るなどして軽いけがをさせた不同意わいせつ傷害の疑いで、保育士(29歳、男)が逮捕された。容疑者は「ストレスでむしゃくしゃしてやった」と容疑を認めているという。

〔女性の後をつけ、性暴力〕8月、東京都練馬区のマンションに侵入し、女性の体を触るなどした不同意わいせつの疑いで、保育士(21歳、男)が逮捕された。容疑者は、駅からこの女性のあとをつけ、女性とともにエレベーターに乗り込み、降りたところで犯行に及んだという。容疑者は「盗撮目的で追いかけてマンションに入った。服には触れたが、わいせつな行為はしていない」と容疑を否認。

〔公衆トイレで撮影、逮捕〕11月3日~11日、香川県丸亀市内の男性用公衆トイレで男子児童5人の下半身の動画を撮影したなどとして、保育士(男、53歳)が撮影罪と児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された。11月23日、正当な目的なく公衆トイレに侵入したとして建造物侵入の疑いで逮捕されており、その後の調べで、スマートフォンから今回の動画が見つかったという。

〔指導に怒り、ペットボトルを床に投げつける〕兵庫県宝塚市の市立幼稚園に勤める女性教諭(20代)が、不適切な行為を繰り返したとして6月20日、減給1カ月(10分の1の懲戒処分を受けた。2月21日午前、職員室で同僚教諭と口論となり、仲裁に入った園長から指導を受けた際に立腹し、飲料水が入ったペットボトルを床に投げつけたもの。ペットボトルははね返って園長の右脚に当たったが、けがはなかった。この教諭は2022年度以降、同僚とトラブルになった際に机をたたいたり、はさみを地面に投げつけたりするなどの行為が目立つようになり、園長らが何度も指導してきたという。(6月の記事)

(11月26日)
〔保育教諭が勤務園に「爆弾を仕掛けた」と紙〕山口県岩国市の市立こども園で「爆弾を仕掛けた」と書かれた紙が見つかった事件で、この園に勤務する保育教諭(女、23歳)が逮捕された。11月9日の夜から10日朝までの間に園の正門に「爆弾を仕掛けた」と書かれた紙を置き、業務を妨害した疑い。容疑を認めている。この紙が見つかった後、こども園は休園し、警察は一時、近隣住民にも避難を呼びかけたが不審物は見つからなかった。

〔積立金横領で理事長を再逮捕〕積立金約1億9000万円を横領したとして逮捕された愛知県瀬戸市の保育園の前理事長が11月20日、再逮捕された。さらに約6400万円を横領した疑い。マッチングアプリで知り合った若い女性を名乗る人物から投資話を持ちかけられ、指定された8つの口座に横領した金を振り込んでいたという。振込先の口座はいずれも個人名義で、転売されたものとみられ、警察は詐欺グループについても捜査している。

〔委託費の不正受給〕神奈川県川崎市で保育所などを運営する企業が、過去5年間に、市内の認可保育所など4か所で職員の勤務時間を過大に申請したり、退職した職員を雇用しているように届け出たりして、運営委託費約5400万円を不正受給していたことがわかった。この企業は、東京港目黒区の認可保育所でも運営費などの不正受給が明らかになっている。

〔保育士が運転する車が高齢者をはねる〕11月7日午後5時50分頃、山形県南陽市の県道で横断歩道を渡っていた高齢の女性を乗用車がはねた。女性は意識不明の重体。乗用車を運転していた長井市の保育士の女が過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕。 「突然、目の前に被害者がいた」といった主旨の供述をしており、容疑を認めているという。

〔酒気帯び運転で保育士逮捕〕新潟県新潟市の保育士(23歳、女)が11月17日午前8時頃、酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕された。警察官が車を停めて職務質問した際、酒のにおいがしたため調べたところ、基準を超えるアルコールが検出されたという。容疑を認めている。

〔車の誘導をしていた人を保育士がはねる〕千葉県富里市の市道で11月14日午後5時40分頃、駐車場から出る車の誘導のため車道に出ていた女性が軽乗用車にはねられ、重傷で病院に搬送された。軽乗用車を運転していた成田市の自称保育士(女、72歳)が、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕された。現場は片側1車線の見通しの良い道路。

(11月13日)
〔投資詐欺から社会福祉法人の積立金等1億8700万円を横領〕愛知県瀬戸市の社会福祉法人前理事(男、64歳)が今年7月~8月、4回にわたり保育園の積立金など計約1億8700万円を横領した疑いで逮捕された。容疑を認めており、投資詐欺に遭ったとみられる。当初は自己資金で投資をしていたというが、資金繰りが厳しくなり、横領を繰り返したとみられる。

〔職員会議で、内部告発をおさえる発言〕神奈川県川崎市中原区の認可保育所で9月、不適切保育が疑われた際、保育所側の幹部の一人が職員会議で職員に対し、保護者から苦情の電話が複数かかってきているとしたうえで、「業務が滞り、支障が出ている。(これが内部告発だった場合)業務妨害の可能性や、対応に追われた人件費などの損害賠償請求を検討する」などと説明した。運営法人はこの発言が事実と認めた。不適切な保育については、市が改善を求めて文書で指導。

〔酒気帯び運転で、保育士逮捕〕神奈川県三浦市の自称保育士の男が11月1日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。同日午後10時40分頃、横浜市港南区の県道で乗用車を運転、バス停に停車していた市営バスに追突し、乗客5人の腰などに軽傷を負わせた、としている。

(10月21日)
〔保育士が小学生にわいせつ行為〕宮城県白石市で、気仙沼市職員の保育士(22歳、男)が不同意わいせつの疑いで逮捕された。男は8月、白石市で小学校低学年の女児にわいせつな行為をした疑いを持たれている。男は保育所で、その後は児童センターで児童厚生員として指導をしていた。

〔「方法がわからない」と事務処理を放置〕岡山県美咲町は10月2日、町立保育園の事務手続きなどを遅延させる不適切な事務処理を行ったとして、職員(20代、女性)を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしたと発表した。職員は教育総務課に勤務していた2022~23年度、途中入園の申請受付や各園児の保育料の算定、保護者への入園決定通知など計約190件の事務手続きを放置していた。いずれも他の職員が気付いて業務を補ったという。職員は「手続きのしかたが分からず、他の職員に聞きにくかった」と話している。上司である職員2人も監督を怠ったとして厳重注意処分。

(8月28日)
〔独自取材の記事〕東京都内の社会福祉法人で、2020年度に約1300万円の運営費を過大に受給していたことがわかった。関係者が行政に「公益通報」したことで、2ヵ所の保育園で勤務実態のない本部職員の名が保育園の名簿にあったことが発覚した。

〔無免許運転で、幼稚園教頭を逮捕〕8月20日午後0時半頃、兵庫県西宮市の県道で市立幼稚園教頭(自称、女、49歳)が無免許運転の疑いで現行犯逮捕された。免許は昨年10月中旬で有効期限が切れていた。車が転回禁止の交差点でUターンしたのを署員が見つけて停止させ、免許証を照会したところ、失効中と判明した。「免許の更新手続きのため阪神運転免許更新センターへ行った時、職員に『更新のタイミングではない』と言われた」などと説明しているという。

〔プールの注水作業の不手際で、職員に賠償請求〕神奈川県川崎市教育委員会は8月10日、市立小学校のプールに水を張る作業に不手際があり、5日間水を出し続けて約220万リットル(25メートルプール約6杯分)を流出したと発表した(5月に発生)。上下水道料金の損害額は約190万円で、市は8日付で関係職員に約95万円を賠償請求した。

(8月9日)
〔理事長(父親)のクレジットカードを不正使用〕京都府長岡京市の保育園園長(31歳、男)が、不正に入手したクレジットカードを使った電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された。今年5月13日~21日、京都市内のインターネットカフェを3回利用し、計約1万8000円の利用代金を父親名義のクレジットカードで支払った疑い。運営法人の理事長を務めている父親が5月下旬、「身に覚えのない請求がある」と警察に相談し、不正利用が発覚した。

〔上の事件後に明らかになった、約1500万円着服〕京都府長岡京市の保育園園長(31歳、男)が、理事を務める社会福祉法人の積立金を着服(昨年8月~今年5月)したとして、背任の疑いで再逮捕された。容疑を認めている。着服金の大半はタクシーの過剰な利用料金に使われていたとみられる。容疑者は新型コロナ流行のもと、電車移動を避け、タクシー移動を頻繁に行っていたと説明。「運転手から『コロナ禍で売り上げが少なく困っている』といわれたので、後部座席で寝たまま一晩中車を走らせた。北陸や九州まで利用したり、無人のまま走らせたりしたこともある」などと供述している。同法人の口座から27回にわたって現金計1516万円を引き出した。

〔多目的トイレにスマートフォンを置き、撮影〕神奈川県相模原市の市立保育所職員(30代、男)が、県の迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された。罰金30万円の略式命令を受け、市は近く懲戒処分にする方針。昨年11月、職員などが使う多目的トイレの中にスマートフォンを置き、動画を撮影しようとした。トイレを掃除していた職員が不審なスマートフォンに気付き、職員は自分で置いたことを認めた。

〔事実と異なる勤務実態で不正受給〕千葉県浦安市で認可保育所3園を運営する会社が、市、国、県の補助金を3年間で約1500万円、不正受給していたことがわかり、市が返還を求めている。2019年4月~2022年8月、産休中や育休中の職員を勤務していることにする、統括的な立場として補助が加算されている主任保育士が常態的に保育のシフトに入る、出勤や退勤の記録が事実とは異なる等が確認されたという。市は、2017年度と2018年度の受給分についても適切だったかどうか調べている。

〔不適切な保育発覚後、不正受給も〕神奈川県横浜市は8月4日、瀬谷区の認定こども園が運営費や人件費の給付金5416万6450円を不正受給していたと発表した。2020年7月~2023年3月、退職職員が勤務しているように記録したり、園児が弁当の日にも給食を提供しているように偽ったりし、給付金を過大に受け取った。同園は2021年、保育士が子どものあごをつかむなどの不適切な保育があり、保護者から不正受給の疑いについても情報が寄せられ、市が調査を進めていた。

〔2年間で職員数を毎月のべ197人水増しし、不正受給〕東京都目黒区は8月3日、認可保育所を運営する川崎市の企業が名簿書類を改ざんしてスタッフ数を水増しするなどし、区から運営委託費と補助金計約5500万円を不正に受給していたと発表した。2020〜22年度、運営委託費や補助金の請求時に添付する職員名簿に、勤務実態のない同社本部の職員や退職した職員の氏名を記載。区の職員配置基準を満たすよう、毎月の職員数を延べ197人水増ししていた。同園関係者の内部告発などをきっかけに区が調査をし、今年1月には都と抜き打ちの特別指導検査をした。返還を求めると共に今後、違約加算金も請求する。

(7月25日)
〔ケガの経緯について虚偽の報告〕愛知県岡谷市内の保育園で4月11日、3歳以上の園児が1歳児を約30センチの段差から落としたにも関わらず、園長が「園児が自ら転倒し、ケガをした」と嘘の報告書を市に提出していたことがわかった。6月になって市に匿名の投書があり、園長に確認したところ、1度は否定したが、2度めに嘘を認めたという。園児のけがが軽傷だったことや保護者対応の難しさに不安を感じ、偽って報告してしまったと園長は説明しているという。7月11日付で園長は停職2か月、健康福祉部長と子ども課長を訓告処分。〔掛札コメント〕ケガより死亡事故より問題になり、信用を失う原因になるのは、嘘と隠蔽(いんぺい)です。

〔教諭が水着写真を撮影して同僚に送信〕奈良県天理市の市立小学校で6月のプールの授業中、学校独自の「水着ルール」に違反しているかどうか確認するため、女性教師が5年生の女子児童の水着のスカート部分をめくって至近距離で写真を撮影し、体育主任の男性教師にメッセージアプリで送信した。この時、校長もその場にいて、撮影を容認していた。これについて市は「撮影は許されない行為だった」として校長を文書訓告の処分とし、撮影した教師に研修を受けさせているという。この小学校では水泳授業の開始11日前に、「レジャー用、スカート型は引っかかって、転倒等の危険がありご遠慮ください」などと保護者連絡し、ルール違反があった場合には、授業に参加させないとしていた。このため、全校の約30人が水着を買い換える事態となり、県教委は「ルールについて保護者への説明が不十分だった」としている。〔掛札コメント〕まず、女児が「スカートのほうが恥ずかしくない」と感じるであろうことを考えていない点。次いで、それを開始11日前という至近になってから保護者に伝えた点。水着の写真を撮った点。それを同僚に送信した点。いろいろ問題です。

〔私的流用など計6200万円〕東京都葛飾区の私立認可保育所で、2017年度以降の5年間、区支給の運営費が1000回以上にわたって不適切に使用されていたことがわかった(総額約6200万円)。総務等を担当していた男性職員(諭旨退職)が私的な飲食費用に充てていたほか、区外の保育施設で使う電化製品や玩具を購入していたことが判明。さらに、勤務実績がない職員への給与支払いなどの事例も明らかになった。すでに全額が返還されているという。問題は区の検査で2021年12月に発覚。「扶助費」の不適切な使用の疑いが浮上し、2022年にも検査した。

〔同僚のロッカーから現金を盗む〕7月13日、北海道石狩市の保育士(40代、女)が窃盗の疑いで逮捕された。3月16日午前9時過ぎ、同市の保育園で同僚保育士の無施錠の個人ロッカーから封筒に入っていた現金2万円を盗んだ疑い。同僚がロッカーから繰り返しお金が盗まれる被害にあっていたことから、個人でロッカー内にカメラを設置。カメラにお金を盗む女の様子が映っていたということです。その後、園長から警察に相談があり、調べを進めたもの。容疑を否認しているが、警察は余罪があるとみて調べている。

(7月1日)
〔園長が職員の着替えを盗撮〕千葉県浦安市の認定こども園の園長(男性、63歳)が、女性職員の着替えを盗撮したとして、6月27日までに逮捕送検された(県迷惑防止条例違反の疑い)6月26日午前7時半頃、20代の女性職員がロッカー室で着替えている姿をスマートフォンで盗撮した疑い。容疑を認めており、「下着姿を撮影したかった」などと話しているという。ドアの下の通気口にスマートフォンを差し向けて盗撮していたが、女性が気配を感じて市に相談したことで発覚した。

〔職場から子ども用ゲーム機を盗む〕子ども用のゲーム機などを盗んだとして、三重県名張市の児童福祉施設に勤める保育士(女、25歳)逮捕された。2022年9月下旬から10月上旬までの間に、勤務先の事務所に保管されていたゲーム機1台とゲームソフト2点、時価計3万5000円相当を盗んだ疑いが持たれている。容疑を否認。

(6月12日)
〔保育施設経営者が痴漢の疑いで逮捕〕滋賀県高島市の保育施設経営者(39歳、男)が5月30日午前6時半~7時頃、JR草津駅前の路上で女子高校生3人の下半身を触るなどしたとして、滋賀県迷惑行為等防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕された。「酒に酔っていて覚えていない」などと容疑を否認しているという。

〔市議が強制わいせつの疑いで逮捕〕6月7日、強制わいせつの疑いで成田市議会議員(55歳、男)が逮捕された。逮捕容疑は昨年11月中旬~12月頃の夕方、自分が館長を務める私設の子ども図書館内で女児に正面から抱きつき、頬にキスするわいせつな行為をした疑い。他にもわいせつな行為や発言を複数回していたとみられる。今年1月、児が小学校の教諭に相談して発覚した。容疑者は2015年4月から市議を務めている。

〔介護福祉士が入所者のワインに消毒薬〕京都府与謝野町の介護福祉士(34歳、男)が6月7日、器物損壊の疑いで逮捕された。3月23~25日頃、町内の施設で入所者の73歳所有の瓶入りワイン1本に消毒液を混入し、飲めなくした疑い。25日夜に別の職員が変色に気づいたため、この入所者はワインを飲まず、健康被害はなかった。施設からの報告を受けた町が虐待事案として警察に通報。ワインは冷蔵庫で保管され、職員は誰でも出し入れできる状態だった。「介護以外のことにも文句を言われ、仕返しをするために入れた」と容疑を認めているという。

(5月23日)
〔私有地の圃場にバスで乗りつけ、活動〕神奈川県座間市で緑肥として栽培しているレンゲ畑に近隣の未就学児施設がバスで乗りつけ、園児を遊ばせていたとして、この農園の持ち主がSNSに問題提起。「圃場内にはマダニやヤマカガシなどの有毒生物が多く大変危険です。また圃場は私有地であり許可なき立入は罰せられます。ましてや子供を預かる人間がやっていいことではないですよね」と書いた。

〔バギーに火をつけ、逮捕〕北海道礼文町の元保育士(28歳、男)が昨年5月9日未明、当時保育士として勤めていた札幌市中央区の保育園で園児を乗せる手押し車にライターで火をつけ焼損したとして、器物損壊の疑いで逮捕された。男は先月、札幌市中央区の女性からキャッシュカードを盗み、現金を引き出した疑いで逮捕されており、取り調べの過程で今回の事件への関与が強まり、容疑を認めた。調べに対し「仕事のプレッシャーがあり、火をつければ当分の間、出勤しなくてもよくなると思った」と話しているという。

〔立入監査忌避で書類送検〕東京都日野市の認可保育所で、園児への虐待に関する市職員の監査を拒んだとして、警視庁は5月18日、同園の元保育士を子ども・子育て支援法違反の疑いで書類送検した。園を運営する社会福祉法人も同容疑で書類送検。同法違反での摘発は全国初という。この元保育士は昨年11月10日午前10時頃、同法に基づき立ち入りに訪れた市職員に対し、約17分間にわたって園の出入り口に立ちふさがり、監査を忌避した疑いがある。男は「監査は拒否していない」と容疑を否認しているという。同園では、別の保育士が園児に馬乗りになって激しく揺さぶるなどの暴行を加えたとして、2月に警視庁に傷害容疑で逮捕されており、この保育士は今回書類送検された男の弟で、事件当時の吹上会の理事長は兄弟の母親。

〔全私幼の元事務局長、起訴内容を認める〕全日本私立幼稚園連合会の口座から現金を引き出し着服した罪に問われている同連合会元事務局長の初公判が5月18日に地裁で開かれ、元事務局長は起訴内容を認めた。2018年から2年間に口座などから繰り返し現金を引き出し、計6200万円余りを着服したとして、業務上横領と私文書偽造の罪に問われている。検察は冒頭陳述で、「着服した金は交際相手の女性との海外旅行や、高級ブランドバッグの購入などに全額消費した。不正の発覚を恐れ、保身を図ろうとしていた当時の連合会の会長とともに連合会の口座の預金通帳を偽造することを決めた」と主張した。連合会の元会長は、私文書偽造の罪で執行猶予のついた有罪判決が確定している。

(5月7日)
〔7年間で5億円以上の補助金等を過剰に受け取る〕幼稚園と認定こども園を運営する兵庫県伊丹市の学校法人が、教員の人件費に関する補助金など5億円あまりを過剰に受け取っていたことが明らかに。幼稚園とこども園の園児は、法律上、別のクラスで扱うことになっているが、この法人では、園児を混合した状態で運営していたにもかかわらず、施設ごとに担当の教員を配置していると県と市に報告していた。このため、職員の配置数に応じて支給される補助金等について、2021年度までの7年間に合計約5億2000万円を過剰に受け取っていたという。一昨年末に情報提供があり発覚、県などが調査した。利息などの加算金も含め、約6億1800万円の返還を法人側に請求し、4月13日までに全額が返還された。法人側は調査に対し、「不適切な申請という認識はなかった」と話しており、県と市は、運営体制が改善されたとして行政処分は行わないとしている。

(4月23日)
〔新たな不正受給が明らかに〕保育事業企業の「グローバルキッズ」が都内3区や横浜市から設計費や運営費などとして、計約238万円を不正受給していたことが新たにわかった。これまでの判明分だけで、不正受給額は計約2200万円超。設計費の不正受給は大田区110万円、江東区70万8000円、目黒区5万1000円。2020~21年に計5園を開設するにあたり、費用を水増ししていた。各区は違約加算金を含めて弁済を求めるという。一方、横浜市では、港北区の認可保育所の保育士数を虚偽報告し、運営費を本来より52万円多く受給。違約加算金を除き返還された。同社は昨年、都内8区で勤務実態のない職員の名前を出勤簿に加えるなどの手法で保育士数を虚偽報告していたと公表、不正受給分など計1900万円を弁済した。社内調査で、東京都小金井市の認可保育所の開設時に設計費約150万円を上乗せしていたことが発覚したほか、今回の不正も明るみに出た。〔掛札コメント〕園長先生、保育士さん、こういうことに加担しないでくださいね(公立、企業、社福などいずれでも)。自治体に通報を。あなたが我慢して加担してもそれはほめられることではありませんし、なにより、今の時代、必ずバレるのすから。

〔保育士の運転する車が、小学6年生をはねる〕3月27日、石川県白山市の県道で横断歩道を渡っていた小学6年生が、同市の保育士の運転する車にはねられ、意識不明の重体。その後、児童は意識が戻り会話はまだできないものの、呼びかけには応じるようになっているという。逮捕された保育士は、男の子をはねた後にブレーキを踏んでいた可能性の高いことがわかった。道路は制限速度が30キロだが、車は制限速度を超えていたとみられる。

〔調理員が園児用の米飯を食べる〕愛媛県新居浜市の保育園に勤める調理員が、園児の給食の米飯を昨年1年間にわたり勝手に食べていたことがわかった。給食のために調理した米飯をあらかじめ取り置き、自分の昼食で食べていたもの。保育園職員はおかずは代金を支払って園児と同じものを食べ、米飯は自分で用意する決まりになっているという。市は、この調理員を3月29日付で給料の10分の1、1カ月の減給処分にし、職員は依願退職した。市は園長や関係部局の管理職に文書や口頭で訓告をしている。

〔無断で持ち出した名簿や連絡網が盗まれる〕兵庫県伊丹市で、市立の認定こども園の保育教諭が車上荒らしに遭い、園児245人の名簿や成長記録のメモ、職員61人の連絡網が盗まれた。名簿とメモは、市の内規に反して教諭が無断で持ち出していた。名簿には名前や生年月日、認定区分を記載。メモには園や家庭での生活状況、性格や発達の特徴が記されていた。

(3月28日)
〔補助金不正受給が新たに見つかる〕東京都内で認可保育所などを運営する小金井市の企業が、杉並区での新園開設時に区から約2500万円の補助金を不正受給していたことがわかった。同社は三鷹、小平両市で保育所計2カ所を開設するにあたっても2000万円超の補助金を不正受給していたことが発覚。1月に両市に謝罪し、さらに不正な点がないか自主的な内部調査を行い、今回の不正受給が明らかになった。同社の一連の不正受給額は計約5000万円。植栽など補助対象外の外構工事費を、補助対象となる園舎などの本体工事費に組み入れて補助申請額を水増ししていた。

〔助成金詐欺で懲役7年の判決〕企業主導型保育所を巡り、国の助成金など計約5億9000万円をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた保育事業コンサルティング会社(福岡県)の実質的経営者に対し、東京地裁は3月13日、懲役7年(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。被告は2017~19年、保育所の整備工事について、国の委託で助成の審査を行う「児童育成協会」に虚偽の申請を行い、国から助成金計約4億8100万円を、横浜市の信用組合から約1億9000万円をそれぞれ詐取。詐取した金を会社の運転資金や個人の消費に充てた。

〔給食のカレーに漂白剤を入れた教諭に判決〕埼玉県富士見市の小学校で昨年9月、給食のカレーに漂白剤を入れ、威力業務妨害の罪に問われた元教師(25歳、女性)に対して地裁は懲役2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。判決で「6年生の担任になれなかった不満から翌日からの修学旅行が楽しめなくなるように漂白剤を入れた被告の動機には酌むべき事情がない」などと指摘。

(3月13日)
〔同僚から金を盗み、懲戒免職〕福岡県大野城市の市立保育所に勤務する20代の女性保育士が2020年から今年にかけ、同僚17人の財布からあわせて45万円を盗んだとして2月21日付で懲戒免職処分に。事実を認め、全額弁済したという。

(2月18日)
〔事務主幹が校長や教頭にパワハラ行為〕長崎県西海市の中学校で、59歳の事務主幹が校長や教頭など同僚職員合わせて6人に対し、パワハラ行為を繰り返したとして処分を受けた。この職員は一昨年7月から1年間にわたり、職員会議で校長に対し「聞いとらん」とか「どがんなってるとか」などと叱責したほか、教頭に対しては「黒板に『私は仕事できません』と書いとけ」「『私は仕事できません』と札に書いて首から下げろ」などと発言するなどしたという。校長と教頭は精神疾患を患い、現在も休職。去年6月に情報提供を受けて県教育委員会が調査し、一連の行為はパワハラ行為や公務員の信頼を失墜する行為に当たるとして、2月17日付でこの職員を停職6か月の懲戒処分と事務主任への降格処分とした。職員は行為をおおむね認め、「不快な思いをさせてしまい申し訳なく思っている」と文書で謝罪したという。〔掛札コメント〕年齢や経験年数が上であれば、立場の上下が逆であってもパワハラは起こります。

(2月5日)
〔補助金を過大に不正受給した疑い〕東京都内21カ所で認可保育所等を運営する企業が三鷹市、小平市で保育所計2カ所を開設した際、国や自治体から少なくとも計2000万円の補助金を過大に不正受給した疑いのあることがわかった。同社は保育所の外構工事費を本体工事費などに組み入れて補助金申請したとみられる。工事はそれぞれ多摩地域の別業者が請け負っており、工事費の項目の付け替えで同社の意向が働いた可能性もあるという。両市によると、1月に入り同社側が市役所を訪問し「本来、計上してはいけない費目を含めて申請した」などと陳謝し、返済の意思を示したという。両市に伝えた過大分は今後、増える可能性もある。

(1月14日)
〔学童保育のアルバイト先で児の裸を撮影など〕兵庫県尼崎市の男(34歳、公判中)が児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)などの疑いで1月12日までに逮捕された。起訴済みの4件を含め、アルバイトをしていた学童保育施設(伊丹市、東大阪市)で2020年6月~22年7月頃、男児の裸を撮影するなどした疑いで、5~11歳の14人に対する被害15件を裏付けたとしている。いずれも容疑を認めている。昨年7月、男がパトカーを避けるような動きをしたため、警察官が職務質問。児の裸が写った写真を持っていたため事件が発覚した。



保育全般

(10月21日)
〔市立幼稚園4割を閉園〕兵庫県神戸市教育委員会は、市立幼稚園の4割にあたる13園を2028年度までに閉園する方針。園児数の大幅減で集団保育が難しくなったため。幼稚園は保育期間が短く、園児が集まりにくくなっているとみられる。現在、各学年が10人未満。市立幼稚園の園児数は過去10年で6割減少し、今年は約千人。昨年は認定こども園や保育所も含めた教育・保育施設のうち、3~5歳の利用者の3.7%にとどまる。

(9月25日)
〔園児が拾った財布、窃盗事件の解決につながる〕東京都練馬区の保育園で、園児が公園で拾った財布が窃盗事件の解決につながり、8月30日、警視庁職員とマスコットキャラクターが園を訪れ、感謝を伝えた。今年6月、散歩中の園児3人が公園に落ちている財布3つに気づき、保育士が届け出た。その後、財布が窃盗事件の被害品だとわかり、周辺の防犯カメラから容疑者の特定につながったという。財布を拾った5歳と6歳の子どもたちは、「公園で遊んでいたら財布とお金が落ちていて、大変だなと思い、持ち主の元に返してあげたいと思った」など、話していた。

(7月1日)
〔保育料還付ミス〕新型コロナの影響で保育所に登園できなかった日の保育料などを一部の世帯に還付していなかったとして、長野県飯田市市長が陳謝した。6月15日、市が会見を開いて明らかにしたもの。去年4月から今年1月までの分について8保育所あわせて142件、46万6460円が還付されていなかった。5月30日、保護者からの問い合わせがきっかけでわかったという。

〔補助金を過大交付〕東京都三鷹市は6月19日、市内の民間保育園1園の整備に対し、本来は補助対象とならない庭の外構部分の工事費に補助金計約235万円を過大に交付していたと発表した。保育園運営会社による過大受給覚を受け、2017年度以降の新設施設を調べたところ、別の運営主体の施設に誤って交付していたことがわかったという。市は「市職員による単純な確認漏れによるもの」としており、不正な申請ではないとしている。

〔経営悪化による閉園、3日前に保護者へ連絡〕三重県津市の保育園が6月30日に閉園、その3日前の夜に保護者に通知されたため、市が園児の受け入れ先の調整に追われている。閉園の理由は「運営する社会福祉法人の経営状況悪化」。経営の悪化から6月16日に保育園を差し押さえられ、運営を続けられなくなったと説明しているという。

(5月23日)
〔保育士13人中9人が出勤せず、臨時休園〕東京都小金井市の保育園で5月19日、保育士13人中9人が出勤せず、園はこの日、臨時休園した。他園や本部からの応援を入れて20日に再開したが、保育士の必要数は確保できず、受け入れる園児を約50人に縮小。法人が市に報告したところによると、トラブルの原因は施設長と保育士らとの人間関係だったという。保護者説明会では、人員不足で休憩が取れないなど園長への不満が続出したことや、保育士らによる設備修繕の要求に未対応だったことなどを説明した。

(4月23日)
〔職員の離職で休園〕茨城県土浦市の認可保育園(0~2歳、定員20人)で保育士の離職が相次ぎ、4月から休園することが3月29日、わかった。在籍する0~2歳児の保護者14人に事情を説明、市は代替の預け先を確保したとしている。昨年11~12月、保育士が相次いで約9人、離職や離職の意向を示した。市は今年1月下旬、法人から連絡を受けて事態を把握、保育課が保育士や保護者らに聞き取り調査した。運営法人は事態を受け、離職の一因となった業務や待遇の改善策などを市と県に報告した。

〔職員が多数休み、臨時休園〕東京都小金井市に4月18日夕方、私立認可保育園の運営法人から「13人の保育士のうち、10人が休むことになった」と連絡があった。法人が対応にあたったが、19日は必要な数の保育士が確保できず、臨時休園したという。その後、法人が別の保育士を派遣したり、一部の保育士が復帰したりしたため、20日から保育園は再開された。市は、今回の事態に至った理由などを運営法人から確認することにしている。

(3月28日)
〔補助金の誤支給で30年までに全額返還予定〕東京都葛飾区が私立認可保育所72施設に補助金計5億1181万円を誤って支給した問題で、2030年3月までに全額返還される見通しが立った。全施設が返還に応じた。区が当初設定した返還期限の23年2月24日時点で約2億8400万円が返還。算定相違額が最大の約4200万円だった施設を含む20施設が返還期限の延長を申し出た。52施設が返還終了し、10施設が一部を返還した。

〔東京都の認可保育所で未満児の定員割れ〕東京都23区の認可保育所について今年4月1日時点の定員の状況を取材したNHKによると、ゼロ歳児を受け入れている2526施設中、定員を満たさない施設が1351施設(53%)。1歳児では3055施設中31%、2歳児では3057施設中40%が、定員を満たしていなかった。東京都の待機児童はピーク時の2014年には8672人にのぼった。

〔園児がゼロとなり、幼稚園が1年間休園〕和歌山県田辺市教育委員会は、市立の1幼稚園を4月から1年間、休園することに決めた。同園の園児数は現在5歳児5人のみで、全員今月で卒園する。2023年度は入園希望者がおらず、園児が一人もいなくなることから休園を決めた。

〔園児の減少で保育所が休園〕和歌山県みなべ町の清川地域にある町立保育所が4月から休園する。園児数の減少が理由(3月時点で計10人)。地域の児は他の保育所に通う。

〔借地契約が切れ、園等が不法占拠状態〕高知県南国市の公設民営保育園とその周辺の土地について、定期の借地契約が昨年末で終わり、新たな契約が結べていないことを3月17日、わかった。市は簡易裁判所に民事調停を申し立てるという。貸主の神社と2003年から22年までを賃貸借期間とする事業用借地権設定契約を結び、2021年10月以降、新たな契約に向けて契約内容の交渉を行ってきた。だが、同園は津波浸水想定区域にあり、市が移転を検討していることもあって、中途解約に関する内容で折り合いがつかず合意に至っていないという。市は不法に占拠している状態と認識しており、神社側からは1月以降、文書で退去と明け渡しを求める通知を2度受けている。

(3月13日)
〔園長も含むほぼ全員が年度末退職の意向〕大分県大分市の中心部にある私立認可保育園で、園長や保育士らほぼ全員に当たる職員14人が3月末に退職の意向を示していることが2月15日、明らかになった。賞与や園の運営方針を巡り、経営者側と対立したもよう。

〔保護者の誹謗中傷で退職、園が一時休園〕長崎県佐世保市の市立保育所(町内会が指定管理者)で、保護者から誹謗中傷を受けた保育士らが退職、人手が不足して3月末まで一時休園している。複数の保護者が1人の保育士の年齢にまつわる批判を交流サイト(SNS)に書き込んでいた。その投稿を見たことがきっかけとなり、誹謗中傷を受けた保育士ら計3人が1月末で退職したという。新たな保育士を募集したものの、2月から常勤できる保育士が見つからなかった。4月からは再開の見通し。

〔運営に対する不信感で3月末大量退職〕熊本県阿蘇市の保育施設で、職員14人中1人が退職、11人が3月末に退職する予定。残るのは2人。退職の理由は、新体制となった運営側への「不信感」とのこと。理事長の交代が急に知らされるなど、コミュニケーションが足りず、職員の間に不信感が広がったという。転園を希望する保護者もおり、市は対応していく方針。

(2月5日)
〔保育士を確保できず、休園に〕長野県信濃町は1月27日、保育士が確保できないため、4つある町立保育園1つを来年度から休園とすることを決めた。現在の態勢を継続していくには、必要な配置基準に対し2人足りず、保育士を募集してきたが、事態は変わらず、休園が決まったもの。通う予定だった園児は町内の別の園に移る。



園や子どもに対する加害(未遂を含む)

(12月18日)
〔未明に幼稚園に不審者が侵入〕11月30日午前1時前、茨城県牛久市の市立幼稚園に何者かが侵入し、警備システムが作動した。警備会社からの通報を受けて警察や園長が現場に駆けつけたところ、職員室から園庭に出る扉のガラスが割れていたほか、職員室の机の引き出しが開けられていたという。防犯カメラには、フードをかぶった不審者が建物内にいる様子が映っていた。金品などの盗難は確認されていない。

(11月13日)
〔シャワーの園児を撮影し、逮捕〕熊本県玉名市の派遣社員(男性、51歳)が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで逮捕された。8月16日昼前、保育園の園庭にいた女児2人をスマートフォンで撮影した容疑。園児約30人が水遊びを終え、シャワーを浴びていたが、園職員が撮影行為に気付き、声をかけると車で逃げた。職員が撮影した逃走車両の画像などから容疑者が浮上、押収したスマホから裸の幼児の写真が複数見つかった。

(10月21日)
〔こども園敷地内に刃物を持った男〕10月13日午前8時20分頃、愛知県安城市のこども園で「刃物を持った男が来た」と職員から警察に通報があった。男は園の敷地内で刃物のようなものを持って歩いていたが、建物内には入らずにそのまま逃走したという。園児は登園前で、園内にはいなかった。逃げた男は20代くらい。

〔物品販売業者、撮影罪でも起訴〕宮城県大崎市の保育園で8月、この園を訪れていた物品販売業の男(32歳)が園児にわいせつな行為をしたとして逮捕・送検され、不同意わいせつの罪に加え、「撮影罪」などの罪でも起訴された(10月11日)。被告は、園で女児が一人でいる隙を狙って犯行に及んだとみられる。捜査の過程でスマートフォンから園児の下半身を撮影した写真が見つかったため、地検は「撮影罪」や児童ポルノ法違反の罪などでも起訴したもの。

(9月25日)
〔物品納入業者社員が性暴力〕8月30日午後3時頃、宮城県大崎市の保育園で女児に性暴力をふるったとして、保育園に物品を納入する会社の社員(32歳)が逮捕された。容疑者はこの日も仕事のために1人で園を訪れており、職員などが見ていない隙に、1人でいた児を狙って犯行に及んだとみられる。翌日、児の関係者から被害の届け出があり事件が発覚した。〔掛札コメント〕企業の名前がなぜ出ないのでしょう。園長や職員が加害者の場合、園名が出るのに。まあ、地元の先生たちは誰だかすぐにわかるのでしょうけれども。

(7月25日)
〔お泊まり保育中の園の敷地に侵入者〕6月15日午前3時過ぎ、大分県中津市の保育園の敷地内にいた職業不詳の男が、建造物侵入の現行犯で逮捕された。この時、園では「お泊まり保育」で約20人の園児が宿泊していたが、けが人はない。職員が話しかけたところ、逃げようとしたため、数人の職員で取り押さえ、その後、警察に通報し身柄を引き渡したという。凶器は所持していなかった。容疑を否認している。

(7月1日)
〔こども園にナイフの刃を投げ入れる〕大阪府堺市中区の認定こども園にカッターナイフの刃を投げ入れたとして、近くのマンションに住む無職男性(49歳)が威力業務妨害の疑いで逮捕された。5月16日、園入り口付近の駐車場にカッターナイフの刃の破片を散乱させたことが容疑。過去、園からサッカーボールがマンションに飛んできたことでトラブルになっていたと言い、「サッカーの活動を自粛してくれると思った」と容疑を認めているという。トラブル後、園側は敷地の柵を高くするなどして対応していた。これまでにも数回、カッターナイフの刃の破片やガラス片が園の敷地内に散乱しているのが見つかっており、警察が関連を調べている。

(6月12日)
〔社会福祉法人のサーバーにランサムウェア〕東京都杉並区で学童向けサービスなどの運営を委託されている社会福祉法人のサーバーがランサムウェアに感染し、データの読み取りが不可能になった。5月30日朝、法人職員がサーバー内に保存したファイルを開けなかったことで異常に気付き、専門業者に連絡して状況確認と対処を開始した。区へ第一報が入ったのは翌6月1日になってからで、連絡を受けた同区は区のメールシステムを使い、利用者に対し状況報告した。サーバー内には利用者の個人情報にあたるデータも保存されていた。リスク回避のため、サーバー内の暗号化されたデータは全て削除したという。

(5月23日)
〔保育園に侵入し、哺乳瓶等を盗む〕鹿児島県垂水市の30歳の男が4月25日、窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕された。4月8日~10日の間に鹿児島市の保育園に侵入し、ほ乳瓶など5点(時価合計2900円)を盗んだ疑い。警察によれば、男と保育園に関係はない。関係者が同署に「泥棒が入ったようだ」と届け出て、防犯カメラ映像などから特定したもの。

(3月13日)
〔公園に画びょうがまかれる〕3月6日午後2時半、兵庫県播磨町の公園内南側にある木の近くに、画びょう約80個がまかれていると警察に届け出があった。威力業務妨害容疑で調べている。同公園では昨年末から複数回にわたり、画びょうがまかれているのが見つかっている(球場周辺の芝生やベンチ周辺などに、昨年12月26日~1月11日まで複数回、計約400個)。画びょうは地面に落ちており、針の長さが1センチ程度のものと、2~3センチのものの2種類。けがをした人は確認されていない。

(2月18日)
〔ニワトリの死骸と思われるものが砂場に〕滋賀県栗東市の幼稚園の砂場で2月15日午後3時過ぎ、体の一部がないニワトリと思われる死骸が埋まった状態で見つかった。この幼稚園はニワトリを飼育していなかったということで、警察は何者かが死骸を持ち込んだ可能性もあるとみて、動物愛護法違反の疑いで捜査している。〔掛札コメント〕これは意図的な行為かもしませんが、いずれにしても鳥類の死骸を見つけたら保健所へ。鳥インフルエンザの危険があります。

(1月14日)
〔保育園侵入、起訴内容を認める〕2021年11月9日、宮城県登米市の保育施設に幼児を殺害する目的で侵入し、保育士を刃物で刺そうとしたとして、殺人未遂と銃刀法違反などの罪に問われた男(32歳)の裁判員裁判初公判が1月12日、地裁で開かれ、起訴内容を認めた。職員らが取り押さえ、けが人はなかった。被告は逮捕直後、「子どもなら簡単に殺せると思った。2人以上殺して死刑になりたかった」と供述していた。



アレルギー、食

(12月18日)
〔誤食で搬送〕11月29日午後3時頃、宮城県仙台市青葉区の市立保育所で牛乳にアレルギーがある2歳児に牛乳を使った米粉パンケーキを提供。まもなく口の周りに赤みが広がり、抗アレルギー薬を飲ませても改善しなかったため救急搬送した。30日に退院。栄養士と調理担当者の連係ミスなどが原因で、牛乳を水に替える対応を取らなかったという。

(11月26日)
〔照り焼きに木片〕11月8日、茨城県つくば市の公立保育所で、給食の鶏の照り焼きに6ミリ×3ミリの木片のようなものが混入。食べ終えた4歳児が異物が入っていたと保育士に報告した。経路を調べたところ、鶏肉の納入業者が卸業者から納品された肉を加工した際、体内から今回確認された異物と同じような木片がひとつ確認され、納入業者が取り除いて保育所に納品したことがわかった。市は、この卸業者に混入した経路などについて調べている。〔掛札コメント〕生産段階の混入であり、園として責任を取るものではありません。

(11月13日)
〔椀の欠け。破片はみつからず〕滋賀県彦根市の市立保育園で11月8日、給食に食器の破片が混入していた疑い。1歳児が汁を飲んだ椀の縁が縦約4ミリ、横約8ミリ、厚さ約1ミリにわたって欠けていたもので、園児が飲み干した直後に保育士が気づき、すぐに椀の中や調理室を確認したが、破片は見つからなかった。園は今後、給食の配膳前や、園児が食べ始める前に食器が欠けていないかの確認を徹底するとしている。〔掛札コメント〕これは配膳の時に確認すれば発見できます。食洗器等の中で欠けることもありますから、「欠ける」自体を予防することはほぼ不可能。異物混入については、こちら

〔ミルクのコップの中にホチキスの針〕11月9日のおやつの時間、香川県高松市内の市立保育所でスキムミルクのコップの中から金属片が見つかった。2歳児1人がこのコップのミルクを飲み干したものの、けがなどは確認されていないという。金属片は縦約10ミリ横約5ミリのホチキスの針とみられる。この他に混入は確認されなかった。混入の経緯は分かっていない。〔掛札コメント〕ホチキスの針だとすると、「どこで混入したか」はわからないとしても、「園で混入したかどうか」「園で混入したものではない!」は明らかにできるはずですが。

(10月21日)
〔給食にザルの一部が混入〕大分県大分市内の小学校で10月10日に提供された給食に、長さ約1センチの金属が混入していた。担任が配膳中、容器の底に金属が混入しているのを発見した。金属は調理室で使ったステンレス製のざるの一部だったという。大分市の給食の異物混入は今年度2回目。〔掛札コメント〕最も予防しにくい混入です。詳しくはこちら

(8月9日)
〔給食に5センチの金属片が混入〕京都府橿原市の市立こども園で7月14日、給食に約5センチの金属片が混入。鶏の煮物に金属片が混入しているのを園児が食べる前に見つけ、給食の提供をすぐに中止、健康被害はなかった。調理室を調べたところ、野菜を裁断する機械の一部が欠けていて、見つかった金属片と断面が一致したという。〔掛札コメント〕市が「今後は調理員や担任が異物が混入していないか目視で必ず確認する」と言っているんですが、調理後に異物混入を見つけるのはきわめて困難です、5センチの金属片であっても。機械や器具の破損は、提供前に機械や器具の側で確認できるのですから、こちらのような対策を。

(7月1日)
〔複数園でヒスタミン食中毒〕奈良県奈良市の4つの市立こども園と保育園で6月13日、給食でサバの塩焼きを食べた園児43人が口や背中などに発疹の症状が出た(2人が受診)。4園に保存されていた調理済のサバからヒスタミンが検出されたため、保健所はヒスタミン食中毒と断定し、サバを納入した業者と4園に対し、衛生管理と食材の温度管理を徹底するよう指導した。4園では今週いっぱい、自主的に給食を取りやめているという。〔掛札コメント〕ヒスタミンは納品から提供までの短時間に増えるようなものではありません。そして、4園で出ているのですから、製造過程または流通過程の温度管理ミスであることは疑う余地がありません。にもかかわらず、園に指導するというのは、保健所が科学を理解していない事実を露呈しているようなものです。ヒスタミン食中毒については、「役立つリンク」の「食物アレルギー、食品」の項をご覧ください。

(6月12日)
〔おやつに袋の破片が混入〕香川県東かがわ市のこども園で5月26日に提供されたおやつ(さくらんぼゼリーとフルーツのあえもの)に、長さ約3センチの袋の破片が混入していた。3歳児のクラスで食べていた職員が見つけた。市教委によると、市内のこども園の給食やおやつで異物が混入しているのが見つかったのは今年に入って3度目で、2度目の異物混入が確認された先月以降、調理を委託している会社から再発防止策が報告されていたという。

(3月28日)
〔重度の食物アレルギーを2回起こし、提訴〕福岡県福岡市東区の認可保育園で2020年、園児に重度の食物アレルギー反応が起きて搬送されていたことがわかった。福岡簡裁は当時の担任に、業務上過失傷害罪で罰金20万円の略式命令を出した。児の両親は、園と担任に約332万円の損害賠償を求めて地裁に提訴。3月14日に第1回口頭弁論が開かれ、園側は事実関係は認めつつ、賠償金額について争う姿勢をみせた。児は4月に2歳で入園し、両親はアレルギーについて園側に説明。しかし5月26日、担任の保育士が卵の入ったプリンを与え、児は発疹が出て緊急搬送された。6月11日には、同じ保育士が小麦の入ったパスタを食べさせ、再び搬送された。児は2日間入院した。

(2月5日)
〔乳成分が含まれたゼリーでアナフィラキシー・ショック〕愛知県東海市で1月26日、市立小中学校計18校で乳成分を含むゼリーを誤って全児童生徒に提供し、小学生1人がアナフィラキシー・ショックなどの症状を訴えて救急搬送された。給食は市立学校給食センターから提供されたものだが、乳成分が含まれていることを複数の栄養教諭が見落とし、アレルギーのある児童らに配布する献立一覧表に記載しなかった。



報道された感染症

(12月18日)
〔腸管出血性大腸菌感染症O111〕11月25日、宮崎県都城市の保育所に通う1歳児が腸管出血性大腸菌感染症O111に感染したと医療機関から届け出があった。保健所がこの保育所の園児と職員あわせて28人を検査したところ、最初の児を含め、計5人の感染が確認された。

〔園児と職員68が嘔吐、下痢〕福岡県宗像市の保育施設で11月16~21日にかけ、3~5歳児63人と職員5人のあわせて68人が下痢や嘔吐などの症状を訴えた。検査の結果、12人が嘔吐下痢症と診断され、1人がウイルス性胃腸炎と診断された。

〔感染性胃腸炎〕11月24日、福岡県北九州市小倉北区の保育園から嘔吐、下痢症状の報告があった。22~26日の間に園児25人の症状が確認され、11月27日時点で6人に症状が残っているという。

(11月26日)
〔園児と職員68人に胃腸炎の症状〕福岡県宗像市の保育施設で11月16~22日、園児と職員68人に嘔吐などの症状が出、うち12人が嘔吐下痢症、1人がウイルス性胃腸炎と診断された。

〔O111の集団感染、感染者が72人に〕鹿児島県鹿屋市の保育施設で10月下旬に発生した腸管出血性大腸菌O111の集団感染は、無症状を含めて72人に(11月9日発表)。

(11月13日)
〔腸管出血性大腸菌O111集団感染〕鹿児島県鹿屋市の保育施設で腸管出血性大腸菌(O111)の集団感染が発生。1~4歳の園児12人が感染し、9人に下痢や血便が見られたが、重症者や入院患者はいない。10月23日に園児1人の感染が判明。症状がある場合には受診するよう施設側が呼びかけた結果、28日に10人の届け出があった。

〔ノロウイルスで80人以上の集団感染〕10月20日、千葉県野田市の公立保育所で園児と職員に下痢や嘔吐の症状があると保健所に連絡があり、調べたところ、13日以降、症状が見られていたことがわかった。検査の結果、園児13人と職員8人からノロウイルスが検出された。27日までに園児79人と職員9人が症状を訴えた。

(9月25日)
〔O26の集団感染〕山梨県甲府市の認定こども園の利用者から腸管出血性大腸菌感染症(O26)を検出したという届け出が8月17日、医療機関からあった。保健所が園児の検便をしたところ、陽性を確認、さらに検便を拡大し、患者が複数確認されたことから集団発生と判断した。患者数は8月28日夕現在、園児19人、家族3人の合計22人。
検便検査は園児102人を含む職員11人、家族16人の129人で、うち22人が陽性、30人が陰性、園児61人を含む77人は今後、結果が判明する予定で、患者数は増える可能性があるという。

(8月28日)
〔腸チフスの研究職員が発症〕国立感染症研究所は8月18日、東京都新宿区の研究所でチフス菌を扱う研究職員が腸チフスを発症したと発表した。研究で感染したかどうかは不明で、保健所が経路を調査中。感染研は菌の取り扱いが適切だったかどうか「確認中」としている。11日に発熱や腹痛の症状で医療機関を受診して入院し、15日に診断された。ほかの感染者は確認されていない。

(8月9日)
〔カンピロバクターの集団食中毒〕高知県高知市の保育所で、7月22日から25日にかけて園児54人と職員4人が下痢と発熱の症状を訴え、うち14人からカンピロバクター・ジェジュニが検出された。保健所は集団食中毒と断定。

(7月1日)
〔O157の集団感染〕神奈川県横浜市保健所は5月30日、市内の認定こども園で腸管出血性大腸菌感染症(O157)の集団発生が確認されたと発表した。3~5歳の園児19人と職員1人が感染しており、市が原因を調べている。

〔幼稚園と小学校でノロウイルスの集団感染〕北海道旭川市内の幼稚園と小学校で、ノロウイルスの集団感染が発生。幼稚園では6月9~16日、幼児11人と職員1が下痢や嘔吐などの症状を訴え、小学校でも11~16日、児童26人が同様の症状を訴えた。 一部の患者の便からノロウイルスが検出されたため、集団感染と認定した。

(6月12日)
〔サポウイルスの集団感染〕岩手県盛岡市の教育・保育施設から5月末、複数の利用者と職員におう吐や下痢の症状がでていると保健所に連絡があった。調査の結果、5月11日から30日までの間に17人に症状が出ていることがわかり、検査をした7人のうち5人からサポウイルスが検出された。

〔アストロウイルスの集団感染〕栃木県安足保健所管内(足利市、佐野氏)の認定こども園で5月12日6月1日、園児44人と職員1人が嘔吐や下痢などの症状を相次いで訴えた。うち7人を検査したところ5人からアストロウイルスが検出されたという。

(5月23日)
〔ノロウイルスの集団感染〕茨城県取手市の認可保育園で、感染性胃腸炎の集団発生。5月9日~18日、0~5歳児クラスの園児29人と職員7人が発症した。園児と職員計10人の検体を調べた結果、7人からノロウイルスが検出された。

(3月28日)
〔ノロウイルスの集団感染〕北海道函館市の保育所で園児24人が嘔吐や下痢などの症状を訴え、検便の結果、4人からノロウイルスが検出された。3月7~22日にかけて発症。

〔大規模食中毒で不起訴処分〕2020年6月、埼玉県八潮市で学校給食を食べた3400人を超える小中学生が病原大腸菌による食中毒を発症した問題で、書類送検された給食調理会社の役員1人、社員2人について不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。役員は従業員に対して加熱処理するように十分な指導や指示をせず、社員は適切な調理をしなかったとして、業務上過失傷害の疑いで1月6日に書類送検されていた。

(3月13日)
〔420人の集団食中毒で最後の示談合意〕1996年、岐阜県岐阜市の小学校で発生した病原性大腸菌O157による集団食中毒で、岐阜市は2月28日、後遺症が残っている罹患者1人に損害賠償金1340万円を支払うと発表した。この集団食中毒は、小学校の給食に出された「おかかサラダ」を食べた児童と家族(家庭内で二次感染)計430人あまりが下痢や腹痛などの症状を訴えたもので、うち24人が入院。 医療費代と慰謝料を含む補償金が支払われ、1998年までには和解と示談が成立したが、腎臓に障害が残った男児についてはその後も通院検査が続いていた。その後、症状が安定していることなどから今後の通院検査費などを算定し、この額を支払うことで合意。

〔ノロウイルス集団感染で業務停止〕岐阜県多治見市の保育所で2月22日から23日にかけ、園児14人が嘔吐等の症状を訴え、26日、ノロウイルスによる食中毒と断定された。園児や、調理担当職員の便からノロウイルスが検出され、保健所はこの保育所を、再発防止策を講じるまで当分の間、「業務禁止」にした。〔掛札コメント〕職員の便から検出されたら、職員由来という確率が上がるわけで、「それは園の責任だろう」となりますよね。

〔ノロウイルス集団感染〕北海道旭川市内の保育所で園児と職員計28人が感染性胃腸炎とみられる症状を訴え、このうち便を検査した2人からノロウイルスが確認された。2月28日から3月7日に発症。

(2月18日)
〔園児281人が食中毒症状〕2月3日~9日に作られた弁当を食べた福岡県福岡市南区の幼稚園や保育園25カ所で、園児と職員あわせて281人に嘔吐・下痢・発熱などの症状。一時、園児2人が入院したが、現在は退院している。8日、幼稚園から症状の連絡があり、その後の調べで給食として出されていた福岡市博多区の弁当製造業者の弁当が原因と判明した。弁当づくりに携わってた従業員6人からノロウイルスが検出された。この業者は、福岡県と佐賀県の75の幼稚園、保育園、小学校に弁当を納品しており、14日付で営業禁止処分。

〔ノロウイルス、サポウイルス集団感染〕栃木県県北健康福祉センター管内の保育所で1月26日~2月15日にかけ、園児54人と職員1人が嘔吐や下痢などの症状を相次いで訴えた。数人を検査したところ、2人からノロウイルス、3人からサポウイルスが検出された。

(2月5日)
〔業者の食事で142人がノロウイルス症状〕京都府亀岡市の保育園や幼稚園、通所介護施設などの利用者ら計142人(0~95歳)が発熱や下痢などの症状を訴え、一部からノロウイルスが検出された。提供された食事が原因と断定、1月18日から24日までこの業者を営業停止処分とした。市内の事業所から18日午前、「16日に昼食の弁当を食べた複数の従業員が食中毒症状を呈している」と通報があった。18日午後に、通所介護施設からも同様の連絡があったという。この業者は16日に約1000食を作り、多くを亀岡市内で提供。いずれも同市にある幼稚園と保育園計3カ所、通所介護施設2カ所、事業所2カ所の計7施設で症状が出た。園児が半数以上を占め、調理業務に携わった業者従業員4人からもノロウイルスが検出された。

〔小学校と保育園でノロウイルス集団感染〕茨城県日立市の小学校と石岡市の保育園で1月末、感染性胃腸炎の集団発生。園児や児童、職員計92人が嘔吐や下痢の症状を訴えた。小学校では生徒56人と職員1人、保育園では園児31人と職員4人が発症。両施設で計11人からノロウイルスが検出された。

(1月14日)
〔大規模食中毒で書類送検〕2020年6月、埼玉県八潮市で小中学生など3400人以上が被害を受けた集団食中毒で1月6日、3人が書類送検された。給食に出た海藻サラダの病原大腸菌O7が原因とされる。海藻は乾燥状態から戻すために加熱処理が必要だったが、当時、水で戻していたという。給食を調理した八潮市の給食センターの役員と社員が、従業員に対し加熱処理するよう十分な指示をしていなかったなどとして、また、調理担当社員も業務上過失傷害の疑いで書類送検された。

〔ノロウイルスの集団感染〕岩手県一関市の保育所でノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生し、1月6日~11日、園児13人が嘔吐や下痢の症状を訴えた。4人の園児からノロウイルスが検出されたという。